JP2003064407A - 高炉炉頂散水方法 - Google Patents

高炉炉頂散水方法

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JP2003064407A JP2001251883A JP2001251883A JP2003064407A JP 2003064407 A JP2003064407 A JP 2003064407A JP 2001251883 A JP2001251883 A JP 2001251883A JP 2001251883 A JP2001251883 A JP 2001251883A JP 2003064407 A JP2003064407 A JP 2003064407A
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Atsuhiko Sakai
厚彦 酒井
Yaichi Yoneda
弥一 米田
Hiroshi Yamazaki
比呂志 山▲崎▼
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高炉炉頂ガスの高温部に散水し、高炉炉頂ガス
の最大温度を低下させることにより少量の散水量で炉頂
設備への熱負荷を効果的に低減する技術を開発する。 【解決手段】高炉炉頂部の鉱石、コークスなどの原料上
の各場所で散水粒子の揚力と伝熱計算により設計された
粒子径で散水し、その際、原料面を濡らさずに散水し
て、高炉炉内への熱的影響を与えずに散水する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高炉炉頂散水方
法、特に炉頂設備への熱負荷抑制のために高炉炉頂ガス
温度が上昇した際に散水して冷却する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高炉の主要原料は、鉱石と燃
料であるコークスとであり、炉頂部から高炉内に装入さ
れていた。数十年前より除々に燃料としてのコークスの
代わりとして低コストである石炭を粉砕した微粉炭が使
用されるようになり、近年ではコークス使用量は微粉炭
使用量に応じて少なくなっている。この石炭は、微粉炭
状態で高炉下部の羽口付近より吹き込まれているので、
これまで炉頂より装入されていたコークス量が減少する
ことになる。
【0003】ところで、コークスなどの炉頂からの装入
物はそれ自体冷却材であって、炉頂ガスとの熱交換を通
じて、炉頂ガスを冷却する機能を果たしていた。しか
し、上述のようにそのコークス投入量が減少することか
ら、微粉炭の使用量の増加に応じて炉頂のガス温度は上
昇している。
【0004】そのため近年に至り炉頂ガス温度の上昇に
より炉頂設備への熱負荷が大きくなり、炉頂設備の熱的
破損が起こる可能性があり、問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下にあ
って、高炉炉頂において冷却水を吹き付けて高温の高炉
ガスを冷却することがすでに提案されている。
【0006】このように高炉炉頂部において散水し炉頂
ガス温度を低下させる方法、設備については、例えば特
開平9−184003号公報で提案されているが、本発明者ら
の検討結果によれば、かかる提案では散水粒子の大きさ
については考慮しておらず、散水により原料を濡らして
しまう可能性がある。
【0007】特願平7−104382号公報の開示する発明で
は、炉頂ガス温度に応じて散水流量を決定することを提
案しており、特開平11−264005号公報の発明においても
スリップ・吹き抜け・減風などの炉況異常時に生じる高
温ガスを炉頂ガス流速計により測定し散水流量を決定し
炉内散水量を決定している。
【0008】これらの散水方法は水の熱量と炉頂ガス温
度の熱量との熱バランスにより最適な散水流量を決定す
るよう構築されたものであるが、この方法は炉頂ガス温
度を目標温度まで下げ得る散水量を考慮しているのみで
あり、散水が原料に直接かかるかどうかについては検討
していないため、高炉内の原料を水で濡らしてしまう可
能性がある。
【0009】散水により原料が濡れた場合、水の蒸発、
分解等のための熱量が多くなり、炉熱を保つために多く
の燃料が必要になるので、熱変動の要因となり高炉の温
度コントロールが難しくなる。また水が炉内のコークス
と反応することによりコークスの強度が劣化し、炉内通
気性の悪化等の悪影響を及ぼす。さらに反応により生じ
た水素により炉頂ガスの水素濃度が上昇し、水素濃度を
もとに計算している高炉設備の炉内水漏れ指数が変化す
るため、設備の炉内への水漏れ発見が遅れて炉熱低下や
燃料比の増加につながってしまう可能性がある。
【0010】以上の理由から原料に散水するのは好まし
くない。この発明の課題は、これらの問題を鑑みてなさ
れたものであり、原料を濡らさないように散水粒子径を
設計し散水することにより、炉頂ガス温度を低下させ、
かつ散水の高炉操業への影響を少なくする方法を提供す
ることである。
【0011】さらに、この発明の具体的な課題は、高炉
炉頂ガスの高温部に散水し、高炉炉頂ガスの最大温度を
低下させることにより少量の散水量で炉頂設備への熱負
荷を効果的に低減する炉頂温度制御方法を提供すること
である。
【0012】さらに本発明の課題は、高炉炉頂都の各場
所で散水粒子の揚力と伝熱計算により設計された粒子径
で散水することにより原料面を濡らさずに散水して、高
炉炉内への熱的影響を与えずに散水する方法を提供する
ことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】発明者らは、かかる課題
を解決すべく種々検討を重ね、散水粒子径の設計におい
て伝熱計算と炉頂各場所のガス流速を考慮することに着
目した。
【0014】ここに、これまでの方法では、散水粒子径
の設計をする場合、炉頂ガスと散水粒子間の熱伝導は考
慮していない。それに加えて炉頂のガス流速を断面でほ
ぼ一定と考えて計算しているため、散水の適正な粒子径
となっていない。実際には、炉頂部の場所によって炉頂
のガス流速が異なるため場所によっては、散水が炉内原
料を濡らしてしまい高炉への熱的悪影響を与えてしま
う。
【0015】例えば、特開昭55−94406 号公報の発明は
散水粒径について考慮しているが、粒径を計算する場
合、伝熱計算を考慮しておらず、また炉口でのガス流速
については考慮してはいるが、断面平均等の代表値を用
いている。
【0016】ここに、図1は、高炉炉頂部における中心
から炉壁に至る空間における高炉ガスの流速分布を示す
グラフである。このように、ガスの流速は炉内半径方向
の通気性等の違いにより図1のように異なっているた
め、上記公報の開示する発明では場所によっては原料に
水がかかりすぎたり、水が蒸発せずに炉外へ運ばれ充分
な冷却効果が得られない可能性がある。
【0017】図1は、流速であるが、温度についても、
一般に高炉の通常操業中においては炉頂ガス温度は炉口
の半径方向でみると均一でなく、炉の中央部や炉壁部の
温度が高くなっている。そのため設備を保護するために
は高温部のガスを冷却したほうがよい。
【0018】ここに、本発明によれば、炉頂部において
それぞれ冷却すべき領域での炉頂ガスの温度と流速に基
づいて、散水粒子に働く力を計算により求め、さらに伝
熱計算から、散水粒子の蒸発量を求めて炉内での散水粒
子の蒸発降下状況をシミュレーションによって把握し、
最適な散水粒子径、さらには散水量を決定することによ
って炉内原料を濡らさず散水することができ、効果的な
温度制御を可能とし、高炉炉頂設備への熱的悪影響を可
及的少とすることができることを知り、本発明を完成し
た。
【0019】すなわち、この発明は次の通りである。 (1)高炉内部の炉頂部に設置した1以上の散水ノズルよ
り散水して炉頂ガスを冷却する方法において、散水ノズ
ル毎に各散水ノズルからの散水粒子径を、炉頂部の散水
領域における炉頂ガスによる散水粒子への揚力および炉
頂ガスから散水粒子への伝熱による蒸発量に基づいて、
散水粒子が原料表面に到達しないで消失する最大散水粒
子径を決定し、この決定された最大散水粒子径より小さ
い散水粒径をもって散水を行うことを特徴とする、高炉
炉頂散水方法。
【0020】(2)高炉内部の炉頂部に設置した散水ノズ
ルより散水して炉頂ガスを冷却する方法において、散水
ノズルからの散水粒子径を、炉頂部の散水領域における
炉頂ガスによる散水粒子への揚力および炉頂ガスから散
水粒子への伝熱による蒸発量に基づいて、散水粒子が原
料表面に到達しないで消失する最大散水粒子径を決定
し、この最大散水粒子径以下であって、かつ炉頂ガスに
よって吹き上げられない大きさの散水粒子径の散水を行
う条件下で散水を行うことを特徴とする、高炉炉頂散水
方法。
【0021】(3)制御目標温度に基づいて散水流量を決
定して、この決定された流量およびそれ以下の散水を行
う上記(1) または(2) 記載の高炉炉頂散水方法。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照しながら、
この発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
【0023】この発明の原理について述べると、次の通
りである。まず、最大散水粒子径は、粒子が炉頂ガスに
より受ける揚力の大きさと、炉頂ガスから散水粒子に対
する伝熱量をもとに散水粒子の運動と蒸発量を差分法に
より計算し、炉内での散水粒子運動をシミュレートする
ことで求めることができる。
【0024】ここに、散水粒子が炉頂ガスから受ける力
は炉頂ガスの速度方向を正とし、散水粒子の速度が炉頂
ガス速度と反対向の場合(1)式により表される。 F=3×π×r×η× (Vg −Vw ) ・・・ (1) また単位時間に散水粒子と炉頂ガス間に伝わる熱量は
(2) 式で表される。
【0025】 Q=4×π×r2 ×α× (Tg −Tw ) ・・・ (2) ただし F :散水粒子が炉頂ガスにより受ける力 (kg・m/s2) r :散水粒子径 (m) η :炉頂ガスの動粘性係数 (m2/s)Vg :炉頂ガス速
度 (m/s) Vw :散水粒子速度 (m/s) Q :散水粒子と炉頂ガスの単位時間の伝熱量 (kcal/
s) α :熱伝達率 [kcal/(m2・s・K)] Tg :炉頂ガス温度 (℃) Tw :散水粒子温度 (℃) すなわち、散水粒子は炉頂ガスにより(1)式による揚力
を受ける。ここに、原料面に至るまでに十分な時間だけ
散水領域に滞留できれば、その間に散水粒子は蒸発して
消失する。そして、加熱・蒸発の際の熱吸収による冷却
効果を有効に利用できる。
【0026】散水ノズルから原料面までの距離をL(m)
、シミュレーションにより計算された粒子の最大推進
距離 (蒸発するするまでに散水ノズルから原料面側に進
んだ最大距離) をI(m) としたとき、L>Iを満たすと
き粒子は原料面に到達する前に蒸発するかもしくは、炉
頂ガスにより上昇させられてガス中で蒸発するため、濡
らすことなく散水することができる。
【0027】このときの冷却効果は、(2) 式によって計
算することができる。すなわち、炉頂ガスから(2) 式に
よる熱量を受け取り蒸発することにより散水粒子は小さ
くなっていく。消失するまでの吸収熱は、上記伝達熱+
蒸発熱であるとして計算できる。これでもって散水の冷
却能が求められる。
【0028】このとき、経時変化する散水粒子について
次の通り運動方程式をたてることにより散水粒子の軌跡
をシミュレートし、原料面を濡らさない最大散水粒子径
を決定することができる。
【0029】例えば時間を (i−1、i、i+1...)と
していったとき、時間iの時の散水粒子が受ける力をF
i、散水粒子の質量をmiとすると散水粒子はa=Fi/mi
の加速度を受け速度が変化するとともに、ガスからの伝
熱により蒸発し、質量も減少する。時間間隔を差分化し
それぞれの時間での速度、質量を計算することにより粒
子の消失位置を推定する。
【0030】ここに、散水ノズルにより散水できる範囲
の単位時間のガス流量をVol(Nm3/s) 、単位時間当たり
の散水量をW(kg/s) 、現在のガス温度をTgi(℃) 、ガ
スの目的温度をTgf(℃) とすると必要抜熱量Q1(kcal)
は(3) 式で与えられる。
【0031】Q1=Vol ×Cg×(Tgi−Tgf)・・・(3) ただし、 Cg(kcal/Nm3/℃) :ガス比熱 一方、散水された水が昇温、蒸発の際に吸熱する熱量Q
2(kcal)は(4) 式で与えられる。
【0032】 Q2=W×{(Tb −Tw) ×Cw+Hw+(Tgf−Tb) ×Cv}・・・(4) ただし、 Tw (℃) :初期水温 Tb( ℃) :炉内での水の沸点 Cw(kcal/kg/ ℃) :水の比熱 Cv(kcal/kg/ ℃) :水蒸気の比熱 Hw(kcal/kg) :水の蒸発熱 散水された水がすべて有効に利用された場合Q1=Q2
であるので、限界散水量Wを求めることができる。
【0033】ただし、上記数式はあくまでも手法のひと
つであり、この発明において原料表面に散水液滴がかか
らない最大散水粒子径を算出する方法を限定するもので
はない。例えば、予め温度および流量を一定とした条件
下での散水粒子径と、降下距離との関係を求めておき、
これを基に計測された炉頂ガス温度に応じて散水粒子の
粒径を変えてもよい。
【0034】このようにして最大散水粒子径を決定し、
この決定された最大散水粒子径以下、好ましくは可及的
にそれに近い散水粒径の散水を行う。もちろん炉頂ガス
による吹き上げに抗するだけの大きさは有する。
【0035】実際に散水する散水粒子の粒径の変更は、
散水ノズルを変更することで行うことができる。これは
当業者には容易に理解できる内容であり、そのようなノ
ズルの構造等も含めて、説明を割愛する。
【0036】以上の原理に基づきそれぞれの場所で原料
が濡れないような、かつ炉頂ガスによって吹き上げられ
ないような水粒子径、散水流量で散水することにより高
炉操業への熱的影響を少なくしたことを特徴とする高炉
炉頂散水方法を提供する。
【0037】この装置では水粒子、散水流量を調節する
ことにより原料を濡らさずに散水し、炉頂ガス温度を低
下させることができるため、高炉への熱的影響を最小限
にすることができる。
【0038】散水流量の決定は、すでに述べた従来法に
よって行うことができるが、散水粒径との組合わせから
は次のようにして求めるのが好ましい。図2はこの発明
に係わる高炉炉頂散水方法を実施するための高炉設備の
一例を示す模式的説明図である。
【0039】この高炉設備は高炉本体1と炉頂の原料装
入設備であるベル2を有している。高炉本体1の内部に
は炉頂より装入された鉱石、コークスなどの原料3が存
在している。ベル2下部には散水ノズル4が設置されて
おり、ここから炉頂部の原料面5、特にその中央部に散
水することができるようになっている。
【0040】この発明は原料を濡らさない散水粒子径を
計算するので散水ノズル4の位置はどこでもよく複数本
であってもよく、例えば図3のように炉内全周に配置し
てもよい。
【0041】散水量等の効率を考慮するとガス温度の高
い部分(例えば中央部や炉壁部)に設置するとよい。ま
た散水の制御方法としては炉頂ガス温度で制御する場合
は図2のように散水ノズル4の上部に制御用温度計6が
設置する。
【0042】ガス流速を求めるには、、予め図1によう
なガス流速分布を求めておき、散水ノズルの炉頂部の半
径方向の位置から、各散水ノズルについてのガス流速を
決定すればよい。換言すれば、この発明に言う「散水領
域」とは、各散水ノズルの半径方向の散水領域であって
隣接する散水による干渉が起こらない領域ということが
できる。したがって、この発明によればこの散水ノズル
毎に散水粒径を求めておくのである。
【0043】制御温度は保護する設備の熱特性に応じて
決定すればよく、例えばベル2の材質が熱負荷による応
力変形開始温度が300 ℃以上であれば、300 ℃あるいは
それ以下で散水するよう制御すればよい。
【0044】また散水ノズル4の先端を交換することに
より散水の粒子径を調節することが可能である。つま
り、この場合は予め求められた散水の粒子径に可及的に
近い粒径でもって散水が可能な散水ノズルを使用するの
である。
【0045】散水の粒子径と散水流量は、たとえばこの
高炉の中央部で散水した場合、図4に示してあるように
毎時6トン(6T/時間)の散水流量では1000μm 以下の
粒子で散水すれば原料まで水は到達しない。図示例の条
件では、粒径2000μm では原料面へ散水粒子が届いてし
まい、一方、粒径600 μm では吹き上げられてしまい、
冷却効果は十分に発揮されない。
【0046】このように散水の水粒子径と散水流量を調
整することにより炉頂ガスの温度を制御しつつ、原料面
5を濡らすことなく散水することができ、炉頂設備の熱
的保護ができる。
【0047】本発明の態様をまとめて示すと次の通りで
ある。 炉芯部に散水可能な散水ノズルを炉中心に対称に複数
設ける。 散水ノズルの散水角度は、設置した散水ノズルによっ
て、炉頂断面全体がカバーされるようにするのがよい。
つまり、少ない数の散水ノズルの場合は、広角度に、多
数の散水ノズルを設置する場合には、狭角度にする。
【0048】散水ノズルの設置高さは、原料投入用ベ
ルの底部と原料面との間の距離の上部10〜40%の高さと
する。あまりベル底部に近づけるとベルに直接水が接触
し、急激な熱変動によるベルの変形、破損等の不都合が
生じるおそれがある。
【0049】散水停止機構を設け、高炉炉頂ガスの温
度計測手段からの測定データに基づいて、散水開始、停
止の切り換えを行う。 常時、極微細な散水粒子径の散水を行うことで、一種
の除塵効果を発揮させてもよい。
【0050】
【実施例】次に、この発明の方法を用いて散水試験を実
施した結果について説明する。この試験では炉中心部に
おいて一つの散水ノズルを高さ1.6mの位置に設置したも
のを使用した。この条件の下で上記の方法に従って最大
散水粒径を1200μm 、流量を6.8T/時間と決定した。そ
こでこの例では散水流量を6T/時間、散水粒子径が800
μm 以下の体積率が90%以上になるような散水ノズル4
を用いた。
【0051】また制御用温度計6の温度が400 ℃で散水
開始、350 ℃で散水停止になる条件で運転した。その結
果、図5に示してあるように、ベル2に設置した温度計
6 (図2) の温度は低下し熱応力変形の開始温度である
温度以下に達し、ベル2を熱的に保護することができ
た。
【0052】図6は、散水前後の炉頂ガス中の水素の変
化を示したグラフである。原料面が濡れた場合コークス
が水と反応して水素が発生するために、炉頂ガスの水素
濃度が高くなる。図6からわかるように、本発明に基づ
いた条件である6T/時間の散水時には散水前後で水素濃
度の上昇はなく、原料面5を濡らすことなく散水ができ
た。
【0053】これに対し散水流量を 13T/時間にし、同
様に散水した結果を図6に示した。散水後に炉頂ガス中
の水素濃度が上昇した、この場合散水粒子の初速度が大
きくなるため原料面5が濡れてしまうことが確認され
た。
【0054】次に、ノズル先端を交換することにより散
水粒子径を大きくして散水した際の炉頂ガス中の水素濃
度変化を把握し、比較した。結果を図7に示す。
【0055】この図から明らかなように散水粒子径が大
きい場合は炉頂ガス中の水素濃度が増加するので、原料
を濡らしてしまうことが確認された。この発明は、散水
粒径 (さらに必要により散水流量) を調整することによ
り、散水による高炉への熱的悪影響を少なくすることが
できる。
【0056】
【発明の効果】この発明によれば、散水粒子の運動方程
式と伝熱計算により設計された散水粒径、さらに必要に
より調整された散水流量で散水することにより、散水時
の高炉への熱的影響を少なくし炉頂設備への熱負荷を低
減することができる高炉炉頂散水設備が提供される。こ
れにより高炉炉頂の原料を濡らすことなく散水ができ、
過剰な水が高炉に供給されることを防止することができ
る。結果として高炉の安定操業下での燃料コスト悪化抑
制およびコスト削減、炉頂設備の熱負荷低減による延命
効果により設備費の削減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉内の半径方向のガス流速分布を示すグラフ
である。
【図2】この発明の散水方法を実施するための設備の一
例を示す模式図である。
【図3】この発明にしたがって炉頂部全周に散水ノズル
を設置した場合の炉頂部断面の模式的説明図である。
【図4】原料面を濡らさずに散水できる粒子径を説明す
るための模式的説明図である。
【図5】この発明にかかる方法による炉頂設備への熱負
荷低減の実施例の結果を示すグラフである。
【図6】同じく散水流量調整による実施例の結果を示す
グラフである。
【図7】同じく散水流量調整による実施例の結果を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山▲崎▼ 比呂志 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属工 業株式会社和歌山製鉄所内 Fターム(参考) 4K012 BB00 4K056 AA01 CA02 DB05 FA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉内部の炉頂部に設置した1以上の散
    水ノズルより散水して炉頂ガスを冷却する方法におい
    て、散水ノズル毎に各散水ノズルからの散水粒子径を、
    炉頂部の散水領域における炉頂ガスによる散水粒子への
    揚力および炉頂ガスから散水粒子への伝熱による蒸発量
    に基づいて、散水粒子が原料表面に到達しないで消失す
    る最大散水粒子径を決定し、この決定された最大散水粒
    子径より小さい散水粒径をもって散水を行うことを特徴
    とする、高炉炉頂散水方法。
  2. 【請求項2】 高炉内部の炉頂部に設置した散水ノズル
    より散水して炉頂ガスを冷却する方法において、散水ノ
    ズルからの散水粒子径を、炉頂部の散水領域における炉
    頂ガスによる散水粒子への揚力および炉頂ガスから散水
    粒子への伝熱による蒸発量に基づいて、散水粒子が原料
    表面に到達しないで消失する最大散水粒子径を決定し、
    この最大散水粒子径以下であって、かつ炉頂ガスによっ
    て吹き上げられない大きさの散水粒子径の散水を行う条
    件下で散水を行うことを特徴とする、高炉炉頂散水方
    法。
  3. 【請求項3】 制御目標温度に基づいて散水流量を決定
    して、この決定された流量およびそれ以下の散水を行う
    請求項1または2記載の高炉炉頂散水方法。
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