JP2003063912A - 抗菌・防汚材及び導電性可視光感応型酸化チタンの作製方法 - Google Patents

抗菌・防汚材及び導電性可視光感応型酸化チタンの作製方法

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JP2003063912A
JP2003063912A JP2001251629A JP2001251629A JP2003063912A JP 2003063912 A JP2003063912 A JP 2003063912A JP 2001251629 A JP2001251629 A JP 2001251629A JP 2001251629 A JP2001251629 A JP 2001251629A JP 2003063912 A JP2003063912 A JP 2003063912A
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visible light
titanium oxide
antibacterial
conductive
tio
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JP2001251629A
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Hirohiko Murakami
村上  裕彦
Chizuru Koakutsu
千鶴 小圷
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Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化されやすい金属に対する抗菌・防汚
作用を有する導電性可視光感応型酸化チタンを含む抗菌
・防汚材及びこの酸化チタンの作製方法の提供。 【解決手段】 式:TiO2−x(0<x<1、0
<y<1)を有する導電性可視光感応型酸化チタンから
なる。この導電性可視光感応型酸化チタンは、全可視光
領域で作用し、100μΩcm〜100kΩcmの範囲
の電気伝導度を有する。この酸化チタンは、TiO
純NHガス又はNH含有混合ガス雰囲気中で500
℃以上に加熱することにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌・防汚材及び
導電性可視光感応型酸化チタンの作製方法に関する。特
に、本発明は、太陽光の大部分(約50〜60%)を占
める可視光を吸収することが可能な、抗菌・防汚などの
光触媒作用を持つ導電性可視光感応型酸化チタンを含む
抗菌・防汚材及びその導電性可視光感応型酸化チタンの
作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から知られている二酸化チタン光触
媒は、触媒として作用させるには短波長の紫外光の照射
が必要とされるため、太陽光を用いる場合には効率が悪
い。これは、二酸化チタンは紫外光領域の光の波長(3
80nm以下)で価電子帯の電子が伝導帯に励起されて
種々の酸化・還元作用を示すからである。二酸化チタン
の酸化・還元作用には、抗菌・防汚・脱臭などの効果が
あり、近年、これらの効果を期待して窓ガラスや壁面、
道路などにコーティングされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
二酸化チタンは、上記したように、太陽光に約5%しか
含まれていない380nmよりも短波長の光しか利用で
きない。また、金属基板、特に酸化されやすいステンレ
ス、鉄などからなる金属基板に二酸化チタンをコーティ
ングした場合、光触媒作用によりこれらの金属が酸化さ
れて腐食する。それ故に、二酸化チタンは、これまで、
ステンレス製流し台などへの抗菌コートには利用できな
かった。
【0004】本発明の課題は、酸化されやすい金属に対
する抗菌・防汚作用を有する導電性可視光感応型酸化チ
タンを含む抗菌・防汚材及びこの導電性可視光感応型酸
化チタンの作製方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、TiO
を窒化したTiO2−xに導電性があることを見い
だし、上記課題を解決することに成功し、本発明を完成
するに至った。
【0006】本発明の抗菌・防汚材は、式:TiO
2−x(0<x<1、0<y<1)を有する導電性
可視光感応型酸化チタンを含むものである。この導電性
可視光感応型酸化チタンは、全可視光領域、すなわち4
00〜700nmで作用し、100μΩcm〜100k
Ωcmの範囲の電気伝導度を有するものである。このよ
うな導電性可視光感応型酸化チタンは、抗菌・防汚等の
光触媒作用を持つ。
【0007】本発明の可視光感応型酸化チタンの作製方
法は、TiOを、例えば、純NH ガス又はNH
有混合ガスからなる窒素含有ガス雰囲気中、500℃以
上、好ましくは600℃以上の温度で加熱して、TiO
を窒化することにより、式:TiO2−x(0<
x<1、0<y<1)を有し、抗菌・防汚の光触媒作用
を持つ導電性可視光感応型酸化チタンを得ることからな
る。焼成温度が500℃未満であると、得られた酸化チ
タンは、紫外光領域の波長の光は吸収できるが、可視光
領域の波長の光を吸収し難いため、可視光の照射では機
能しないという問題がある。特に、600℃以上で加熱
処理して得たTiO2−xの場合、その可視光領域
の光吸収率は、従来の未処理のTiOの場合と比較す
ると大幅に増大する。加熱処理するTiOの形状につ
いては、特に制限はない。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例1)ステンレス(SUS304)基板上に塗布
したTiO薄膜(膜厚:500nm)を、ランプ加熱
方式の電気炉中でNHガス雰囲気中において、650
℃、30分間加熱処理し、焼成した。得られた薄膜中の
窒素含有量を燃焼法にて測定したところ、得られた窒化
TiOの組成はTiO2−x(x=0.2、y=
0.2)であることがわかった。また、得られた薄膜
は、100Ωcmの電気伝導度(抵抗値)持ち、導電性
窒化酸化チタンからなっていた。
【0009】NHガス雰囲気中における加熱処理後、
作製されたTiO2−x薄膜について、蛍光分光光
度計によって吸収波長の評価を行った。なお、加熱処理
しなかった未処理TiO薄膜についても、同様に吸収
波長の評価を行った。それぞれの結果を図1(未処理)
及び図2(加熱処理)に示す。これらの図から明らかな
ように、未処理薄膜の場合は、200〜400程度の紫
外光領域の波長を吸収することができたに過ぎなかった
が、650℃で加熱処理した薄膜は、200〜700n
mの波長の光を吸収することができた。
【0010】次に、上記のようにして加熱処理した薄膜
及び加熱処理しなかった未処理薄膜について、光触媒能
を評価するために抗菌試験を行った。菌として大腸菌を
薄膜表面に散布し、大腸菌の付着した薄膜表面に対して
所定の温度で所定の時間光照射した後、菌数の変化を測
定した。この結果、試験開始時の菌数は500個であっ
たが、1000ルクスの蛍光灯を24時間照射後の菌数
は、加熱処理した薄膜の場合、10個以下であり、未処
理薄膜の場合、500個であった。加熱処理した薄膜の
場合、顕著な抗菌性を有することがわかる。
【0011】また、上記加熱処理薄膜及び未処理薄膜に
ついて、耐食性試験を行った。NaCl水溶液(濃度:
10%)を各薄膜の表面に噴霧した後、50℃で5時間
乾燥させ、次いで、40℃で2.5時間湿潤状態(湿
度:100%)に放置した。この結果、加熱処理した薄
膜を有するステンレス基板の場合、ステンレス基板の腐
食は観測されなかったが、未処理薄膜を有するステンレ
ス基板の場合、ステンレス基板の腐食が観察された。
【0012】(実施例2)ステンレス(SUS316)
基板上に塗布したTiO薄膜(膜厚:500nm)
を、ランプ加熱方式の電気炉中でNHガス雰囲気中に
おいて、700℃、30分間加熱処理し、焼成した。得
られた薄膜中の窒素含有量を燃焼法にて測定したとこ
ろ、得られた各窒化TiOの組成はTiO2−x
(x=0.3、y=0.3)であることがわかった。ま
た、得られた薄膜は、100mΩcmの電気伝導度(抵
抗値)を持ち、導電性酸化チタンからなっていた。NH
ガス雰囲気中における加熱処理後、作製されたTiO
2−x薄膜について、蛍光分光光度計によって吸収
波長の評価を行ったところ、実施例1の場合と同様に、
全可視光領域で作用することがわかった。
【0013】次に、上記のようにして加熱処理した薄膜
について、実施例1の場合と同様に、光触媒能を評価す
るために抗菌試験を行った。大腸菌の付着した薄膜表面
に対して所定の温度で所定の時間光照射した後、菌数の
変化を測定した。この結果、試験開始時の菌数は500
個であったが、1000ルクスの蛍光灯を24時間照射
後の菌数は、10個以下であり、顕著な抗菌性を示し
た。また、上記加熱処理薄膜について、実施例1の場合
と同様に、耐食性試験を行った。NaCl水溶液を薄膜
の表面に噴霧した後、50℃で5時間乾燥させ、次い
で、40℃で2.5時間湿潤状態に放置した。この結
果、ステンレス基板の腐食は観測されなかった。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、全可視光領域において
も光触媒能を有し、抗菌性を有すると共に、酸化されや
すい金属基板にコーティングしても腐食作用をもたらさ
ない導電性可視光感応型酸化チタンを作製し、この導電
性可視光感応型酸化チタンからなる抗菌・防汚材を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 未処理TiO薄膜の、分光光度計による吸
収波長の測定結果を示すグラフ。
【図2】 実施例1で作製した650℃加熱処理薄膜
の、分光光度計による吸収波長の測定結果を示すグラ
フ。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G047 CA01 CB04 CC03 CD03 4G069 AA03 AA08 BA13A BA13B BA18 BA48A BB11A BB11B BC50A BC50B BD02A BD02B BD06A BD06B CA10 CA11 EA08 FB29 4H011 AA02 AA03 AD01 BA01 BB18 BC18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式:TiO2−x(0<x<1、0
    <y<1)を有する導電性可視光感応型酸化チタンを含
    むことを特徴とする抗菌・防汚材。
  2. 【請求項2】 前記導電性可視光感応型酸化チタンは、
    全可視光領域で作用するものである請求項1記載の抗菌
    ・防汚材。
  3. 【請求項3】 前記導電性可視光感応型酸化チタンは、
    100μΩcm〜100kΩcmの範囲の電気伝導度を
    有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載
    の抗菌・防汚材。
  4. 【請求項4】 TiOを、純NHガス又はNH
    有混合ガスからなる窒素含有ガス雰囲気中、500℃以
    上の温度で加熱して、TiOを窒化し、式:TiO
    2−x(0<x<1、0<y<1)を有し、抗菌・
    防汚の光触媒作用を持つ導電性可視光感応型酸化チタン
    を得ることを特徴とする導電性可視光感応型酸化チタン
    の作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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