JP2003063135A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

インクジェット記録媒体

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JP2003063135A
JP2003063135A JP2002168398A JP2002168398A JP2003063135A JP 2003063135 A JP2003063135 A JP 2003063135A JP 2002168398 A JP2002168398 A JP 2002168398A JP 2002168398 A JP2002168398 A JP 2002168398A JP 2003063135 A JP2003063135 A JP 2003063135A
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ink
binder
fine particles
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JP2002168398A
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Manabu Kaneko
学 金子
Kazumasa Matsumoto
和正 松本
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高光沢でインク吸収速度が速く、しかも柔軟
なインク吸収層を形成し、丸めたり折り曲げたりしても
ひび割れたり、細片が剥がれ落ちたりしないインクジェ
ット記録媒体を提供すること。 【解決手段】 支持体上に無機微粒子とバインダーを含
むインク吸収層を設けたインクジェット記録媒体におい
て、無機微粒子の平均粒径が5〜100nmであり、バ
インダーが少なくとも水酸基を有する高分子分散剤で乳
化重合されたエマルジョン樹脂を含んで構成され、無機
微粒子とバインダーの質量比が2:1〜10:1である
ことを特徴とするインクジェット記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
媒体(以下、単に記録媒体ともいう)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録は急速に画質
が向上してきており、写真画質に迫りつつある。特に最
終的なプリント品質については、記録媒体の重要性が非
常に高まっている。
【0003】このような高画質な記録媒体の例として、
支持体上に親水性バインダーを主として構成される膨潤
型インク吸収層を有するインクジェット記録媒体があ
り、このような記録媒体は記録後に写真に近い風合いを
与える。しかしながら、一方でインクジェット記録方法
の高速化が進み、記録媒体には高インク吸収性や速乾燥
性も求められているが、膨潤型インク吸収層を有するイ
ンクジェット記録媒体は、インク吸収速度が遅く、高速
記録した場合にインク液滴同士の合体などにより画像が
マダラ状のムラが起こりやすくなるという問題点があっ
た。
【0004】上記のような問題点を克服するため、少量
の親水性バインダーと架橋剤、および多量の無機微粒子
で構成される多孔質な空隙層からなるインク吸収層を設
ける事により、インクの吸収速度を速めたインクジェッ
ト記録媒体が知られている。この空隙型のインクジェッ
ト記録媒体の無機粒子としては、粒径が1μmほどの粒
子を使用するものと、粒径が100nm以下の微粒子を
使用したものがある。
【0005】無機粒子として1μm程度の粒子を使用し
たものは、インクの吸収性が非常に良いものの、インク
吸収層の表面の平滑性が悪く、低光沢である。一方、粒
径が100nm以下の無機微粒子を使用した場合、イン
クの吸収性が良い上に、インク吸収層の表面の平滑性が
高く、高光沢で写真に近い風合いを与える。
【0006】しかしながら、上記のような空隙型の記録
媒体は、そのインク吸収層が脆弱であり、空気が非常に
乾燥している状態で記録媒体を丸めたり折ったりする
と、インク吸収層が割れてヒビが入ることがある。無機
粒子として1μm程度のものを使用した場合は、もとも
とインク吸収層の光沢が低いため折ったときの割れは目
立たないが、100nm以下の無機微粒子を使用した高
光沢な記録媒体の場合は、折ったときの割れがよく目立
ってしまうことがわかった。
【0007】更に、支持体としてプラスチック樹脂フィ
ルムや紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した支持体の
ような非吸水性支持体を使用した場合、インク吸収層と
支持体の表面との接着性が弱く、インク吸収層が割れた
ときに、細片となって剥がれ落ちるといった問題も生じ
ることがわかった。
【0008】これら問題を解決するために、これまでエ
マルジョン樹脂やラテックス粒子をインク吸収層に添加
する方法が試みられているが、添加量が多くなるとイン
ク吸収層にしわが生じたり、クラックが発生するなどの
理由で光沢が低下する問題があるため、添加量を増やす
ことができず、いまだ十分な改良がなされていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決することにあり、特に高光沢でインク吸収速
度が速く、しかも柔軟なインク吸収層を形成し、丸めた
り折り曲げたりしてもひび割れたり、細片が剥がれ落ち
たりしないインクジェット記録媒体を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の構成により達成される。
【0011】1.支持体上に無機微粒子とバインダーを
含むインク吸収層を設けたインクジェット記録媒体にお
いて、無機微粒子の平均粒径が5〜100nmであり、
バインダーが水酸基を有する高分子分散剤で乳化重合さ
れたエマルジョン樹脂を含んで構成され、無機微粒子と
バインダーの質量比が2:1〜10:1であることを特
徴とするインクジェット記録媒体。
【0012】2.前記高分子分散剤が、ポリビニルアル
コールであることを特徴とする前記1項に記載のインク
ジェット記録媒体。
【0013】3.前記ポリビニルアルコールの平均重合
度が、1500〜5000であることを特徴とする前記
2項に記載のインクジェット記録媒体。
【0014】4.前記エマルジョン樹脂のTgが、20
℃以下であることを特徴とする前記1〜3項のいずれか
1項に記載のインクジェット記録媒体。
【0015】5.前記バインダーが、ポリビニルアルコ
ールを分散剤として乳化重合されたエマルジョン樹脂と
水溶性樹脂とを含んで構成されることを特徴とする前記
1〜4項のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒
体。
【0016】6.前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコ
ールであることを特徴とする前記5項に記載のインクジ
ェット記録媒体。
【0017】7.前記無機微粒子が、気相法により合成
されたシリカであることを特徴とする前記1〜6項のい
ずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
【0018】8.前記インク吸収層の少なくとも1層
が、硬膜剤を含有していることを特徴とする前記1〜7
項のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
【0019】9.前記硬膜剤が、ホウ酸またはその塩で
あり、かつインク吸収層中のホウ酸またはその塩の含有
量が、0.1〜2g/m2であることを特徴とする前記
8項に記載のインクジェット記録媒体。
【0020】10.支持体が、非吸水性支持体であるこ
とを特徴とする前記1〜9項のいずれか1項に記載のイ
ンクジェット記録媒体。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、支持体上に設けられた吸収層が、少なくとも無機微
粒子とバインダーを含み、多孔質な空隙層を形成してな
る空隙型のインクジェット記録媒体に適用される。
【0022】本発明に使用される無機微粒子の例とし
て、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリ
ン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸
亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソ
ウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質
シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアル
ミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、
ゼオライト、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0023】これら無機微粒子は1次粒子のままでバイ
ンダー中に均一に分散された状態で用いられても、また
2次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された状態
で用いられてもよい。
【0024】無機微粒子の平均粒径は5〜100nmの
ものが好ましく、平均粒径が100nmを超えると高光
沢の維持が困難になる。
【0025】ここでいう無機微粒子の平均粒径は、空隙
層の断面や表面を走査型電子顕微鏡で観察し、複数個の
任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均
値)として求めることができる。ここにおいて、個々の
粒径はその投影面積に等しい円を想定した時の直径で表
したものである。
【0026】本発明においては、特に微細な空隙が形成
できる観点から、シリカまたは擬ベーマイトが好まし
く、特に平均粒径が10〜90nmの気相法により合成
されたシリカまたは擬ベーマイトが好ましい。
【0027】インク吸収層に用いられる無機微粒子の使
用量は、無機微粒子の種類およびバインダーの種類に依
存するが、記録媒体1m2あたり通常5〜30g、好ま
しくは10〜25gである。
【0028】本発明において、インク吸収層に使用され
るバインダーは、水酸基を含む高分子分散剤で乳化重合
されたエマルジョン樹脂を含む。
【0029】ここで言うエマルジョン樹脂とは、油溶性
のモノマーを分散剤を含む水溶液中でエマルジョン状態
に保ち、重合開始剤を使って乳化重合させた樹脂であ
る。
【0030】エマルジョンの重合時に使用される分散剤
としては、一般的には、アルキルスルホン酸塩、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルアミン、エチレンジ
アミン、4級アンモニウム塩のような低分子の分散剤の
他に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポ
リエキシエチレンラウリル酸エーテル、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドンのような高分子の
分散剤が挙げられる。
【0031】本発明に係るエマルジョン樹脂とは、水系
媒体中に微細な(平均粒径0.01〜2μm)樹脂粒子
がエマルジョン状態で分散されている樹脂で、油溶性の
モノマーを水酸基を有する高分子分散剤を用いてエマル
ジョン重合して得られる。用いる分散剤の種類によっ
て、得られるエマルジョン樹脂のポリマー成分に基本的
な違いは見られないが、水酸基を有する高分子分散剤を
用いてエマルジョン重合すると、微細な微粒子の少なく
とも表面に水酸基の存在が推定され、他の分散剤を用い
て重合したエマルジョン樹脂とはエマルジョンの化学
的、物理的性質が異なる。
【0032】水酸基を含む高分子分散剤とは、平均分子
量が10000以上の高分子の分散剤で、側鎖または末
端に水酸基が置換されたものであり、例えばポリアクリ
ル酸ソーダ、ポリアクリルアミドのようなアクリル系の
高分子で2−エチルヘキシルアクリレートが共重合され
たもの、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリ
コールのようなポリエーテル、ポリビニルアルコールな
どが挙げられ、特にポリビニルアルコールが好ましい。
【0033】高分子分散剤として使用されるポリビニル
アルコールは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる
通常のポリビニルアルコールの他に、カチオン変性した
ポリビニルアルコールやカルボキシル基のようなアニオ
ン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール、シ
リル基を有するシリル変性ポリビニルアルコール等の変
性ポリビニルアルコールも含まれる。ポリビニルアルコ
ールは、平均重合度は高い方がインク吸収層を形成する
際のクラックの発生を抑制する効果が大きいが、平均重
合度が5000以内であると、エマルジョン樹脂の粘度
が高くなく、製造時に取り扱いやすい。したがって、平
均重合度は300〜5000のものが好ましく、150
0〜5000のものがより好ましく、3000〜450
0のものが特に好ましい。ポリビニルアルコールのケン
化度は70〜100モル%のものが好ましく、80〜9
9.5モル%のものがより好ましい。
【0034】上記の高分子分散剤で乳化重合される樹脂
としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、ビニル系化合物、スチレン系化合物といったエチレ
ン系単量体、ブタジエン、イソプレンといったジエン系
化合物の単独重合体または共重合体が挙げられ、例えば
アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
【0035】これらエマルジョン樹脂は、空隙層形成時
に柔軟性を付与するものであり、室温でも柔軟な性質を
持つものが適しており、より好ましくは室温で融着して
当該層を形成するものであって、このときエマルジョン
樹脂をフィルム化した場合のTgが20℃以下であるこ
とが好ましく、−40〜10℃であることがより好まし
い。
【0036】本発明に係る水酸基を含む高分子分散剤で
乳化重合されたエマルジョン樹脂の平均粒径は0.01
〜2μmが好ましいが、インク吸収層を構成する材料で
平均粒径が大きいものが含まれると、インク吸収層中に
おける光の散乱により透明性が低下し、印字濃度の低下
が起きてしまう。したがって、より好ましい態様は、無
機微粒子の平均粒径が5〜100nmであり、バインダ
ーが水酸基を有する高分子分散剤で乳化重合された0.
05〜1.0μmのエマルジョン樹脂を含んで構成さ
れ、無機微粒子とバインダーの質量比が2:1〜10:
1である。さらにエマルジョン樹脂は平均粒径が0.0
5〜0.5μmであることが特に好ましい。
【0037】本発明の水酸基を含む高分子分散剤で乳化
重合されたエマルジョン樹脂の製造法は特に制限はな
く、公知の乳化重合法で製造される。
【0038】このようなエマルジョン樹脂で市販されて
いるものとしては、例えば大同化学工業社製のビニゾー
ル480やビニゾール2023等の酢酸ビニル系エマル
ジョン、日信化学工業社製のビニブラン1108W、ビ
ニブラン1084W等の酢酸ビニル系エマルジョンや、
ビニブラン2597、ビニブラン2561等のアクリル
系エマルジョン、住友化学工業社製ののスミカフレック
スS−400、スミカフレックスS−405等の酢酸ビ
ニル−エチレン系エマルジョンなどが挙げられる。
【0039】本発明において、水酸基を有する高分子分
散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂を使用すること
で、それ以外のエマルジョン樹脂の使用により製造時に
発生するインク吸収層のしわやクラックを減少させるこ
とができる。
【0040】その機構は明らかではないが、無機微粒子
とエマルジョン樹脂の相互作用により、しわやクラック
の発生が抑制されているものと考えられる。すなわち、
水酸基を有する高分子分散剤で乳化重合されたエマルジ
ョン樹脂は、その表面に高分子分散剤由来の水酸基が存
在し、それが無機微粒子表面にある水酸基と水素結合す
ることにより、エマルジョン樹脂と無機微粒子との接着
性が向上すると考えられる。更に、有機化合物であるエ
マルジョン樹脂は、同じ有機化合物であるバインダーと
もなじみが良く、結果として無機微粒子とエマルジョン
樹脂、バインダーの三者が強固に結合するようになり、
インク吸収層の脆弱性が改善され、クラックが無い、柔
軟なインク吸収層が形成されるものと思われる。
【0041】無機微粒子として気相法により合成された
シリカを使用し、バインダーとしてポリビニルアルコー
ルを用いた多孔質のインクジェット記録媒体が知られて
いるが、この記録媒体は、低湿環境下でのインク吸収層
の脆弱性が悪く、折り曲げた時にインク吸収層にひびが
入る問題点がある。本発明では、上記構成のインクジェ
ット記録媒体に、特に効果が大きい。その理由として、
気相法により合成されたシリカは、微粒子表面の水酸基
の数が約2〜3個/nm2と少なく、分子内水素結合が
起こりにくいため、孤立の水酸基の数が多くなり、他分
子との水素結合性が強い。本発明においては高分子分散
剤由来の水酸基と無機微粒子表面にある水酸基との水素
結合により効果が発現するものと考えられるため、気相
法により合成されたシリカで特に高い効果が得られてい
ると考えられる。同様の理由で、無機微粒子の平均粒径
がより小さい方が、無機微粒子の比表面積が大きく、水
素結合をする水酸基の数が増えるため、本発明の効果が
高い。
【0042】バインダーとしては、水酸基を含む高分子
分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂単独で使用し
ても、他の水溶性樹脂または疎水性樹脂と組み合わせて
使用してもよいが、組み合わせて使用する場合は水溶性
樹脂が好ましい。
【0043】併用する水溶性樹脂としては、ゼラチン、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエ
チレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、寒天、
プルラン、デキストリン、アクリル酸、カルボキシメチ
ルセルロース、カゼイン、アルギン酸等が挙げられ、2
種以上を併用することもできる。これらの中で好ましい
水溶性樹脂はポリビニルアルコールである。
【0044】併用するポリビニルアルコールには、カチ
オン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有
するアニオン変性ポリビニルアルコール、シリル基を置
換したシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビ
ニルアルコールも含まれる。
【0045】併用するポリビニルアルコールは、平均重
合度が300以上のものが好ましく、平均重合度が10
00〜5000のものがより好ましく、特に好ましくは
2000〜4500である。また、ケン化度は70〜1
00モル%のものが好ましく、80〜99.5モル%の
ものが特に好ましい。
【0046】他の水溶性樹脂または疎水性樹脂と組み合
わせて使用する場合、バインダー中に含まれる水酸基を
含む高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂の
割合は5質量%以上であることが好ましく、10質量%
以上が特に好ましい。
【0047】空隙型のインク吸収層を形成するために、
使用される無機微粒子とバインダーの比率は、質量比で
2:1〜10:1である。これ以上無機微粒子に対する
バインダーの量が多いと空隙が形成されず、インク吸収
性に劣り、逆にバインダーの量が少なすぎると、造膜性
が悪く、塗布乾燥時にひび割れて膜形成が困難になる。
【0048】本発明において、皮膜の造膜性を改善し、
また皮膜の耐水性を高めるために硬膜剤を使用すること
ができる。硬膜剤としては、例えばジグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールグリシジルエーテル、ソルビト
ールポリグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジル−
4−グリシジルオキシアニリン等のエポキシ系硬膜剤、
ホルムアルデヒド、グリオキザール等のアルデヒド系硬
膜剤、2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5
−s−トリアジン等の活性ハロゲン系硬膜剤、ビスビニ
ルスルホニルメチルエーテル等の活性ビニル系硬膜剤、
イソシアネート系化合物、ほう酸またはその塩等が挙げ
られるが、ほう酸またはその塩が特に好ましい。
【0049】ほう酸、またはその塩としては、硼素原子
を中心原子とする酸素酸およびその塩のことを示し、具
体的にはオルトほう酸、メタほう酸、次ほう酸、四ほう
酸、五ほう酸およびそれらの塩が含まれる。
【0050】硬膜剤は2種以上を併用してもよく、その
使用量は塗布液中の無機微粒子やバインダーの量によっ
て変り得るが、好ましくは記録媒体におけるインク吸収
層中の使用量は1m2あたり0.1〜4gであり、硬膜
剤としてほう酸またはその塩を使用した場合、ほう酸ま
たはその塩の量は0.1〜2gが好ましい。
【0051】ここでインク吸収層中のほう酸またはその
塩の量とは、インクジェット記録媒体1m2のインク吸
収層を熱水にて抽出し、溶出されたほう酸イオンをイオ
ンクロマトグラフィーにて測定した量を表す。
【0052】インク吸収層への硬膜剤の添加方法として
は、インク吸収層形成用塗布液を塗布する際に該塗布液
中に添加してもよく、あるいは塗布液を塗布、乾燥後に
硬膜剤溶液をオーバーコートしてもよい。
【0053】本発明のインクジェット記録媒体のインク
吸収層および必要に応じて設けられるその他の層には、
前記した以外に各種の添加剤を添加することができる。
【0054】例えば、印字記録後の耐水性、滲み耐性を
向上させるために、カチオン性の樹脂あるいは水溶性の
多価金属イオンを添加することもできる。
【0055】カチオン性の樹脂としては、1級〜3級ア
ミノ基および4級アンモニウム塩基を有するポリマー樹
脂から任意に選択して使用することができるが、経時で
の変色や耐光性の劣化が少ないことから、好ましくは第
4級アンモニウム塩基を有するポリマーであり、4級ア
ンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合体または他
の共重合し得る1または2以上のモノマーとの共重合体
または重縮合体で、平均分子量が2000〜10万のも
のが好ましい。
【0056】水溶性の多価金属イオンとしては、M
2+、Ca2+、Zn2+のような2価の金属イオン、Al
3+などの3価の金属イオンあるいはTi4+などの4価以
上の金属イオンが挙げられ、これらの水溶性の多価金属
イオンは、亜硫酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、酢酸
塩、炭酸塩、p−トルエンスルホン酸塩といった塩とし
て添加される。また、水溶性の多価金属イオンの塩とし
て、ポリ塩化アルミニウムのような水溶性無機ポリマー
を使用してもよい。
【0057】カチオン性の樹脂あるいは水溶性の多価金
属イオンの添加方法としては、塗布液に直接添加して塗
布する方法のほか、記録媒体の塗布乾燥後にカチオン性
の樹脂や水溶性の多価金属イオンの水溶液をオーバーコ
ートして乾燥するといった方法でも構わない。
【0058】上記以外に、例えば特開昭57−7419
3号、同57−87988号および同62−26147
6号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192
号、同57−87989号、同60−72785号、同
61−146591号、特開平1−95091号および
同3−13376号等に記載されている褪色防止剤、特
開昭59−42993号、同59−52689号、同6
2−280069号、同61−242871号および特
開平4−219266号等に記載されている蛍光増白
剤、硫酸、燐酸、枸櫞酸、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐
剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加
剤を含有させることもできる。
【0059】多孔質のインク吸収層は2層以上から構成
されてもよく、この場合、それらのインク吸収層の構成
はお互いに同じであっても異なってもよい。
【0060】本発明のインクジェット記録媒体の支持体
としては従来知られている公知の支持体を使用すること
ができるが、特に支持体が非吸水性支持体である場合に
起こり易いインク吸収層が細片となって剥がれ落ちると
いった現象を、本発明によって防ぐ効果がある。
【0061】従来の無機微粒子を使用した高光沢の空隙
型記録媒体は、支持体が非吸水性のプラスチック樹脂フ
ィルムや、支持体の表面がプラスチック樹脂等で被覆さ
れているような非吸水性支持体の場合、低湿度下で折り
曲げる事によって硬いインク吸収層が細かくひび割れ、
細片となって剥がれ落ちることがある。これは吸水性の
支持体と比較して非吸水性支持体は支持体表面の平滑性
が高く、支持体とインク吸収層の接着性が低いために生
じる。
【0062】本発明の構成によれば、柔軟なインク吸収
層は低湿度下でもひび割れることが無くなり、更にイン
ク吸収層と支持体の接着性が水酸基を有する高分子分散
剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂により高まるた
め、剥がれ落ちることが無くなったものと考えられる。
【0063】非吸水性支持体としてはプラスチック樹脂
フィルム支持体、あるいは紙の両面をプラスチック樹脂
フィルムで被覆した支持体が挙げられる。
【0064】プラスチック樹脂フィルム支持体として
は、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、
ポリプロピレンフィルム、セルローストリアセテートフ
ィルム、ポリスチレンフィルムあるいはこれらの積層し
たフィルム支持体等が挙げられる。これらのプラスチッ
ク樹脂フィルムは、透明または半透明なものも使用でき
る。
【0065】紙の両面をプラスチック樹脂フィルムで被
覆した支持体として好ましいものは、紙の両面をポリオ
レフィン樹脂で被覆した支持体である。紙の両面を被覆
するポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げら
れるが、プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレ
フィン類が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
【0066】支持体の厚さは50〜350μmが好まし
く、特に80〜300μmのものが好ましい。
【0067】本発明のインクジェット記録媒体のインク
吸収層および下引き層など、必要に応じて適宜設けられ
る各種の親水性層を支持体上に塗布する方法は、公知の
方法から適宜選択して行うことができる。好ましい方法
は、各層を構成する塗布液を支持体上に塗設して乾燥し
て得られる。この場合、2層以上を同時に塗布すること
もでき、特に全ての層を1回の塗布で済ます同時塗布が
好ましい。
【0068】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法ある
いは米国特許第2,681,294号に記載のホッパー
を使用するエクストルージョンコート法が好ましく用い
られる。
【0069】本発明のインクジェット記録媒体の記録面
の膜面pHは、3.5〜9が好ましい。膜面pHが3.
5以上の場合には、インクジェットで記録した際に染料
が析出して金属状に光沢が変化する、いわゆるブロンジ
ングを顕著に防ぐことができる。また、膜面pHが9以
下であれば、記録画像が滲む現象を顕著に防止すること
ができる。
【0070】本発明に係る記録面の膜面pHの測定は、
J.TAPPI紙パルプ試験方法No.49に記載の方
法に従って、蒸留水を用い、30秒後に測定した。
【0071】本発明において記録面の膜面pHは、記録
面を形成した後、適当なpH調整剤をオーバーコートす
ることにより所定の範囲にすることもできる。pH調整
剤としては、適当な酸やアルカリの水溶液を用いること
もでき、この場合、使用する酸やアルカリの種類、濃度
は、調整するpHの幅によって適宜選択することができ
る。
【0072】本発明のインクジェット記録媒体を用いて
画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好
ましく用いられ、水性インクとしては水性染料インクで
あっても水性顔料インクであってもよい。水性染料イン
クまたは水性顔料インクとは、下記着色剤および液媒
体、その他の添加剤を有する記録液体である。
【0073】着色剤としては、インクジェットで公知の
直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料あるいは
食品用色素等の水溶性染料、あるいはアゾ顔料、フタロ
シアニン顔料、染料レーキ等の有機顔料やカーボンブラ
ック等の無機顔料といった水性顔料を使用することがで
きる。
【0074】その他の水性インクの添加剤としては、例
えば水溶性有機溶剤(例えば、プロパノール、ヘキサノ
ール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グ
リセリン、ヘキサンジオール、尿素等)、界面活性剤、
水溶性ポリマー、防腐剤、防黴剤、粘度調整剤、pH調
整剤等を挙げることができる。
【0075】エマルジョン樹脂製造例を以下に示す。5
%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液(重合度17
00、けん化度88.5モル%)400gをpH3.5
に調整し、攪拌しながらメタクリル酸メチル50gとア
クリル酸ブチル50gを加えて60℃に昇温し、5%過
硫酸アンモニウム水溶液10gを添加して重合を開始し
た。15分後、メタクリル酸メチル100gとアクリル
酸ブチル100gを3時間かけて徐々に添加し、5時間
後、重合率が99.9%となったところで冷却した。こ
れをpH7.0に中和し、エマルジョン(1)を合成し
た。このエマルジョンを真空乾燥器にて60℃で乾燥
し、示差走査熱量計によりTgを測定したところ、5℃
であった。
【0076】同様の方法で、表1に示すエマルジョン
(2)〜(14)を合成した。
【0077】
【表1】
【0078】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて具体的に説
明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
なお、実施例中で「%」は、特に断りのない限り質量%
を示す。
【0079】実施例1 硝酸でpH2.5に調整した純水に、微粒子の気相法シ
リカ(トクヤマ製:レオロシールQS−20)を分散し
て20%のシリカ分散液を400g調製した。これにp
H2.5に調整したカチオン性ポリマー(1)の20%
水溶液80g、ホウ酸2.1gおよびホウ砂1.5gを
溶解した水溶液60mlを添加し、高圧ホモジナイザー
で分散した。得られた分散液を40℃で攪拌しながら、
表1に記載したエマルジョン(1)18.2g、ポリビ
ニルアルコール(クラレ製:PVA235)の10%水
溶液80mlを加え、全体の液が1000mlになるよ
うに純水を加えて半透明状の塗布液(1)を得た。
【0080】
【化1】
【0081】次に、坪量200g/m2の原紙両面をポ
リエチレンで被覆した支持体(厚さ260μm、記録面
側のポリエチレン層中に6質量%のアナターゼ型二酸化
チタン含有。)上の記録面側に、上記の塗布液(1)を
湿潤膜厚が180μmになるように塗布し、8℃で10
秒間冷却した後、20〜40℃の風で乾燥させてインク
ジェット記録媒体1を得た。
【0082】実施例2 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)18.2gに代えて表1記載のエマルジョ
ン(2)4.5gを使用し、10%ポリビニルアルコー
ル水溶液80mlを180mlに代えた以外は、同様に
してインクジェット記録媒体2を得た。
【0083】実施例3 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)を表1記載の同量のエマルジョン(3)に
代えた以外は、同様にしてインクジェット記録媒体3を
得た。
【0084】実施例4 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)18.2gに代えて表1記載のエマルジョ
ン(4)10.9gを使用し、10%ポリビニルアルコ
ール水溶液80mlを112mlに代えた以外は、同様
にしてインクジェット記録媒体4を得た。
【0085】実施例5 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)を表1記載の同量のエマルジョン(5)に
代え、10%ポリビニルアルコール水溶液80mlを1
87mlに代えた以外は、同様にしてインクジェット記
録媒体5を得た。
【0086】実施例6 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)18.2gに代えて表1記載のエマルジョ
ン(6)10.9gを使用し、10%ポリビニルアルコ
ール水溶液80mlを112mlに代えた以外は、同様
にしてインクジェット記録媒体6を得た。
【0087】実施例7 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)18.2gに代えて表1記載のエマルジョ
ン(7)3.2gを使用し、10%ポリビニルアルコー
ル水溶液80mlを186mlに代えた以外は、同様に
してインクジェット記録媒体7を得た。
【0088】実施例8 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)を表1記載の同量のエマルジョン(8)に
代えた以外は、同様にしてインクジェット記録媒体8を
得た。
【0089】実施例9 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)18.2gに代えて表1記載のエマルジョ
ン(9)3.6gを使用し、10%ポリビニルアルコー
ル水溶液80mlを144mlに代えた以外は、同様に
してインクジェット記録媒体9を得た。
【0090】実施例10 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)18.2gに代えて表1記載のエマルジョ
ン(10)6.1gを使用し、10%ポリビニルアルコ
ール水溶液80mlを240mlに代えた以外は、同様
にしてインクジェット記録媒体10を得た。
【0091】実施例11 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)18.2gに代えて表1記載のエマルジョ
ン(11)16.0gを使用し、10%ポリビニルアル
コール水溶液80mlを112mlに代えた以外は、同
様にしてインクジェット記録媒体11を得た。
【0092】実施例12 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)18.2gに代えて表1記載のエマルジョ
ン(12)16.0gを使用し、10%ポリビニルアル
コール水溶液80mlを112mlに代えた以外は、同
様にしてインクジェット記録媒体12を得た。
【0093】実施例13 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)18.2gに代えて表1記載のエマルジョ
ン(3)1.9gを使用し、10%ポリビニルアルコー
ル水溶液80mlを259mlに代えた以外は、同様に
してインクジェット記録媒体13を得た。
【0094】実施例14 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)18.2gに代えて大同化学工業社製エマ
ルジョン、ビニゾール480(固形分濃度55%)1
4.6gを使用した以外は、同様にしてインクジェット
記録媒体14を得た。
【0095】比較例1 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)を添加せず、10%ポリビニルアルコール
水溶液80mlを160mlに代えた以外は、同様にし
てインクジェット記録媒体13を得た。
【0096】比較例2 実施例1において、使用する気相法シリカ(トクヤマ
製:レオロシールQS−20)を同質量の湿式法シリカ
(トクヤマ製:ファインシールX−37)に代えた以外
は、同様にしてインクジェット記録媒体14を得た。
【0097】比較例3 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)を表1記載の同量のエマルジョン(11)
に代えた以外は、同様にしてインクジェット記録媒体1
5を得た。
【0098】比較例4 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)18.2gに代えて表1記載のエマルジョ
ン(12)13.6gを使用し、10%ポリビニルアル
コール水溶液80mlを140mlに代えた以外は、同
様にしてインクジェット記録媒体16を得た。
【0099】比較例5 実施例1における塗布液(1)の調製において、エマル
ジョン(1)18.2gに代えて表1記載のエマルジョ
ン(4)36.4gを使用し、10%ポリビニルアルコ
ール水溶液80mlを373mlに代えた以外は、同様
にしてインクジェット記録媒体17を得た。
【0100】以上のようにして得られたインクジェット
記録媒体1〜17について、以下の項目について評価し
た。
【0101】(1)記録面の柔軟性 各インクジェット記録媒体を23℃、相対湿度20%で
24時間調湿した後、直径がそれぞれ10mm、20m
m、30mm、40mmの円筒状のステンレス棒に巻き
つけ、インク吸収層のひび割れが生じる棒の直径を調べ
た。当該値が小さいものほどインク吸収層は柔軟であ
り、20mm以下のものは実用上問題ないが、40mm
では乾燥した室内等で丸めた時に記録面が割れる問題が
生じる。
【0102】(2)接着性 各インクジェット記録媒体を23℃、相対湿度20%で
24時間調湿した後、記録面を外側に向けて折り曲げた
時、インク吸収層が粉状の細片となって剥がれ落ちる具
合を観察し、4段階評価した。
【0103】 ◎:粉落ちがない ○:わずかに粉落ちする △:粉落ちがみられる ×:粉の他に0.5mm程度の破片も剥がれている (3)光沢度 各インクジェット記録媒体の記録面の未印字部分を、日
本電色工業株式会社製変角光度計(VGS−101D
P)で75度鏡面光沢を測定した。
【0104】(4)インク吸収性 各インクジェット記録媒体を、セイコーエプソン社製イ
ンクジェットプリンターPM800Cで緑のベタ印字を
行い、印字直後の印字部分を指でこすって画像の乱れを
目視評価した。評価は以下の4段階で行った。
【0105】 ◎:指でこすってもまったく画像の乱れがない ○:指でこするとわずかに画像が乱れる △:指でこすると一部画像が乱れるが、原型の判別は可
能 ×:画像全体がこすれて汚れてしまい、原型をとどめな
い (5)インク吸収層のクラック 記録媒体のインク吸収面100cm2をルーペで観察
し、下記の4段階で評価した。
【0106】 ◎:クラックの発生がみられない ○:0.5mm程度のクラックが5個未満で、1.0m
m以上のクラックはない △:0.5mm程度のクラックが5個以上あり、1.0
mm以上も数個発生している ×:1.0mm以上のクラックが全面に多数発生してい
る なお、記録媒体16は印字面がざらついて低光沢であ
り、クラックを判別できなかった。
【0107】以上の結果を表2に示す。
【0108】
【表2】
【0109】表2に示す結果のとおり、本発明のインク
ジェット記録媒体は、記録面の柔軟性、接着性、光沢
度、インク吸収性のいずれも優れたものであった。これ
に対して比較のインクジェット記録媒体では記録面の柔
軟性や接着性に乏しかったり、光沢度あるいはインク吸
収性に劣るものであった。
【0110】
【発明の効果】本発明により、高光沢でインク吸収速度
が速く、しかも柔軟なインク吸収層を形成し、丸めたり
折り曲げたりしてもひび割れたり、細片が剥がれ落ちた
りしないインクジェット記録媒体を提供することができ
た。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に無機微粒子とバインダーを含
    むインク吸収層を設けたインクジェット記録媒体におい
    て、無機微粒子の平均粒径が5〜100nmであり、バ
    インダーが水酸基を有する高分子分散剤で乳化重合され
    たエマルジョン樹脂を含んで構成され、無機微粒子とバ
    インダーの質量比が2:1〜10:1であることを特徴
    とするインクジェット記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記高分子分散剤が、ポリビニルアルコ
    ールであることを特徴とする請求項1に記載のインクジ
    ェット記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記ポリビニルアルコールの平均重合度
    が、1500〜5000であることを特徴とする請求項
    2に記載のインクジェット記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記エマルジョン樹脂のTgが、20℃
    以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載のインクジェット記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記バインダーが、ポリビニルアルコー
    ルを分散剤として乳化重合されたエマルジョン樹脂と水
    溶性樹脂とを含んで構成されることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコー
    ルであることを特徴とする請求項5に記載のインクジェ
    ット記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記無機微粒子が、気相法により合成さ
    れたシリカであることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記インク吸収層の少なくとも1層が、
    硬膜剤を含有していることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記硬膜剤が、ホウ酸またはその塩であ
    り、かつインク吸収層中のホウ酸またはその塩の含有量
    が、0.1〜2g/m2であることを特徴とする請求項
    8に記載のインクジェット記録媒体。
  10. 【請求項10】 支持体が、非吸水性支持体であること
    を特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のイン
    クジェット記録媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005088410A (ja) * 2003-09-18 2005-04-07 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録媒体及びインクジェット記録方法
JP2005178188A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Toyobo Co Ltd インクジェット用記録材及び記録物の製造方法
JP2019508365A (ja) * 2015-12-07 2019-03-28 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 角質表面を改質するための処置組成物、装置及び方法

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