JP2003062923A - 透明無機蒸着膜層を有する生分解性フィルム積層体および袋状物 - Google Patents
透明無機蒸着膜層を有する生分解性フィルム積層体および袋状物Info
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Abstract
明無機膜層を持つフィルム積層体を提供する。 【解決手段】透明無機薄膜層(A)、L-乳酸とD-乳酸の
モル比(L/D)が1〜9である脂肪族ポリエステルを含む
ことを特徴とするアンカー層(B)、生分解性フィルム
層(C)、が積層されたことを特徴とする生分解性フィ
ルム積層体。
Description
積層体に関するものであり、より特定的には、透明無機
薄膜層を設けた生分解性ポリ乳酸フィルム積層体に関す
る。さらには、本発明により得られた生分解性フィルム
積層体を用いた袋状物に関する。
ら、天然素材または生分解性構成素材を利用した商品の
開発が盛んに行われている。
など様々な分野でポリL乳酸フィルムの検討が実施され
ている。包装材料のうち、特に食品包装の分野では内容
物を酸素による酸化に起因する風味の変化から守るた
め、ガスバリア性持つフィルムが用いられることが多
い。また、近年内容物が見えるように酸化珪素、酸化ア
ルミニウム、酸化珪素/アルミニウム混合膜を施した透
明無機膜が提案されている。
明絵無機膜を設けようとすると、無機膜層とポリ乳酸フ
ィルムとの接着性が低く、無機膜層とポリ乳酸フィルム
間で層間剥離し、ガスバリア性包装体としての機能を十
分果たせないことがあった。
層間接着力が高く、なおかつ生分解性の高い透明無機膜
層を持つフィルム積層体を提供することにある。
(A)、L-乳酸とD-乳酸のモル比(L/D)が1〜9、反応性
又は極性基濃度が100〜500当量/106gである脂肪族ポリ
エステルを含むことを特徴とするアンカー層(B)、生
分解性フィルム層(C)、が積層されたことを特徴とす
る生分解性フィルム積層体である。また、本発明は上記
の生分解性積層体を用いたことを特徴とする袋状物であ
る。
る。本発明に用いられるアンカー層は、脂肪族ポリエス
テルを非ハロゲン系有機溶剤に溶解させたアンカー剤を
フィルム上に塗布することにより設置される。アンカー
剤に用いられる脂肪族ポリエステルは乳酸残基を好まし
くは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上、
さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90
モル%以上、最も好ましくは95モル%以上含む。乳酸
残基が60モル%未満であると、良好な接着強度、良好
な生分解性が得られないことがある。また、上記脂肪族
ポリエステルの乳酸残基の含有量は接着性の面から9
9.99モル%以下であることが好ましい。また、重量
では、上記脂肪族ポリエステルは乳酸残基を好ましくは
80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さら
に好ましくは95重量%以上含有していることが好まし
い。
−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)は、1〜9の範囲
にあることが好ましい。L/Dが1よりも小さいとき、
すなわちD−乳酸過剰であると、コスト的に高くなって
しまうことがある。またL/Dが9を越えてしまうと、
非ハロゲン系の汎用溶剤に対する溶解性が悪化し、アン
カー剤が塗工し難くなることがある。
ル比は、仕込み量から求めているが、ポリエステル中の
L−乳酸とD−乳酸のモル比を旋光光度計(堀場製作所
SEPA−200)を用いて決定したものと同じである
ことを確認した。
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系
溶剤、テトロヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエー
テル系溶剤等が挙げられる。
3〜1.0dl/gであることが好ましい。還元粘度が
0.3dl/g未満であると、コーティング時にハジキ
が生じたり、接着強度不足が生じたりすることがある。
また、還元粘度が1.0dl/gを超えると、コーティ
ング液の粘度が高くなり、コーティング適性が悪化する
ことがある。
25g/25ml、測定溶剤クロロホルム、測定温度2
5℃で、ウベローデ−粘度管を用いて測定した値であ
る。
Tgは35〜60℃の範囲にあることが好ましい。Tg
が35℃未満であると、蒸着膜の接着強度が不十分とな
ることがあり、Tgが60℃を越えると、蒸着膜にクラ
ックが生じ易くなり、意匠性やガスバリア性に劣ること
がある。Tgの好ましい下限は38℃であり、さらに好
ましい下限は40℃である。また、Tgの好ましい上限
は57℃であり、さらに好ましい上限は55℃である
に取り、アルミニウム蓋をかぶせて強くクリンプし、こ
れをDSC(示差走査熱量計)法により10℃/分の昇温
速度で測定した値である。
濃度は100〜500当量/106gの範囲にあること
が必要である。反応性又は極性基の濃度が100当量/
10 6g未満であると良好な無機蒸着膜との密着性が得
られないことがある。また500当量/106gを越え
ると耐水性が悪化してしまうことがある。反応性基と
は、他の基と反応して共有結合可能な基であり、たとえ
ば、水酸基、エポキシ基、アミノ基、イミノ基、カルボ
ン酸基、などが挙げられる。また極性基としては、たと
えば水酸基、アミノ基、イミノ基、カルボン酸基、スル
ホン酸基、ホスホン酸基、これらの塩(アミノ基、イミ
ノ記の場合は塩素、臭素等のバロゲン塩、酢酸塩など、
カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基の場合はカ
リウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム
塩など)の基などが挙げられる。これら反応性基又は局
性基の中では水酸基が高い密着性が得られる点で好まし
い。これらの基の濃度は仕込量からの計算、滴定、等公
知の様々な方法で測定することができる。
求め方を説明すると、水酸基の濃度は仕込量より計算し
た値(反応に添加する多価アルコールやポリグリセリン
の水酸基価から算出)に酸価を測定して得られた酸価
(ラクチドの分解による酸価=ラクチドの分解による水
酸基価)を足して求めても良いし、さらには、過剰のフ
ェニルイソシアネートを加え樹脂水酸基を反応させ、次
に未反応のフェニルイソシアネートを過剰のジエチルア
ミンと反応させ、未反応ジエチルアミン量を酸により滴
定する等の滴定法で求めることもできる。
る。水酸基を例に取ると、水酸基濃度を上記範囲にする
方法としては、例えば、分子量自体を調整して合わせる
方法、ラクチドを用いてポリ乳酸を重合する際や、重合
中に多価アルコール化合物を添加する方法、ポリ乳酸を
重合後、多価アルコールを加えて解重合する方法、ヒド
ロキシ基含有エポキシ化合物等と反応させて末端部に複
数の水酸基を導入する方法等が挙げられる。
セリン、ポリビニルアルコール、ソルビトール、グルコ
ース、ガラクトース等糖類、ペンタエリスリトールなど
が挙げられる。これらの中でもポリグリセリンが好まし
い。
しく、より好ましくは5以上であり、上限はより好まし
くは15以下である。重合度が3未満では、良好な無機
蒸着膜への密着性が得られないことがある。またポリグ
リセリンの重合度が20を越えると、耐水性が悪化して
しまうことがある。
テル中20重量%以下が好ましく、より好ましくは10
重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ま
しくは3重量%以下である。また、ポリグリセリンの含
有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは
0.05重量%以上、さらに好ましくは0.1重量%以
上、特に好ましくは0.2重量%以上である。ポリグリ
セリンの含有量が20重量%を越えると耐水性が悪化し
てしまうことがある。また、0.01重量%未満では、
無機蒸着層の接着力が低下することがある。
ては、ポリアリルアミン、ポリメタリルアミン、ポリN
エチルアミノアクリレート等、ジエタノールアミン等の
存在下にラクチドを開環重合させる方法が挙げられる。
イミノ基の場合の例としては、ポリエチレンイミン等の
存在下にラクチドを開環重合させる方法が挙げられる。
カルボン酸基の場合の例としては、ポリ(メタ)アクリ
ル酸などの存在下にラクチドを開環重合させる方法が挙
げられる。スルホン酸基の場合には、スルホイソフタル
酸等の存在下にラクチドを開環重合させる方法等が挙げ
られる。
ルにおいて、乳酸以外に他のオキシ酸、ジカルボン酸と
ジオールからなるポリエステルを共重合しても良い。共
重合可能な乳酸以外のオキシ酸としては、グリコール
酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、1
6−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシ−2−
メチル酪酸、12−ヒドロキシステアリン酸、4−ヒド
ロキシ酪酸、10−ヒドロキシステアリン酸、リンゴ
酸、クエン酸、グルコン酸等が挙げられる。また、カプ
ロラクトンのようなヒドロキシ酸の分子内エステル、ラ
クチドのようなα−オキシ酸から水分子を失って生成し
た環状エステルも用いられる。
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられ、ジオ
ールとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオールなどが挙げ
られる。なお、ジカルボン酸とジオールからなるポリエ
ステルを共重合させた場合の乳酸の含有量(モル%)の
算出は、ジカルボン酸、ジオールを個々の単位として計
算する。また、ポリグリセリンもポリオール成分として
モル数計算に入れ算出する。
いて説明する。脂肪族ポリエステルの製造方法として
は、特に限定されず、従来の公知の方法を用いることが
できる。例えば、乳酸の二量体であるラクチドと、他の
オキシ酸等を溶融混合し、公知の開環重合触媒(たとえ
ばオクチル酸スズ、アルミニウムアセチルアセトナー
ト)を使用し、加熱開環重合させる方法や加熱および減
圧により直接脱水重縮合を行う方法等が挙げられる。
ソシアネート、多官能エポキシ、メラミン等の架橋剤、
粘度調整剤、劣化防止剤、着色料等を配合することがで
きる。特には、脂肪族系のイソシアネートが好ましい。
脂肪族系のイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、水添トルイ
レンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシ
アネートなどが挙げられ、これらの3量体がとくに好ま
しい。本発明のアンカー剤は、生分解性の面から、上記
脂肪族ポリエステルを固形分中に70重量%以上、さら
には80重量%以上、特には90重量%以上含むことが
好ましい。
くはポリ乳酸フィルムに塗布される。塗布方法としては
特に限定されず、リバースロールコーター、グラビアコ
ーター、マイクログラビアコーター、コンマコーター、
バーコーター、エアドクターコーター等公知の方法が用
いられる。
が、0.01μm以上、2.0μm以下が好ましく0.
01μm未満であるとフィルムと薄膜層の密着強度が十
分に得られず、2.0μmを越えると薄膜層を真空蒸着
により成型する際に薄膜層に微細なクラックが発生し、
外観上好ましくなくなる場合がある。また、包装材とし
て用いる場合、ガスバリア性が低下することがある。
する際には、フィルムの延伸前にアンカー剤をコートし
その後延伸するインラインコートであってもかまわない
し、延伸後別工程で塗工するオフラインコートであって
もよい。ポリ乳酸フィルム(C)としては、ポリL酸フィ
ルム、特にはL乳酸含有率が97モル%以上の光学純度
のものが好ましく、99モル%以上のものがさらに好ま
しい。
ムには透明無機膜層が施される。透明無機膜層として
は、無機酸化物の蒸着膜が好ましい。蒸着膜の無機酸化
物としては、酸化珪素薄膜、酸化アルミニウム薄膜、酸
化珪素と酸化アルミニウムの2元系の薄膜などが好まし
い。
の金属光沢を持たない無機膜であって、透明蒸着膜を設
ける前の全光線透過率(JIS K7105に準拠して
測定)をa、基材に透明蒸着膜を設けた後の全光線透過
率(JIS K7105に準拠して測定)をbとした
際、b/aが0.25以上のものが好ましく、より好ま
しくは0.5以上、さらに好ましくは0.6以上、特に
好ましくは0.7以上、最も好ましくは0.8以上にな
るものが望ましい。
体の全光線透過率(JIS K7105に準拠して測
定)で25%以上であることが好ましく、より好ましく
は50%以上、さらに好ましくは60%以上、特に好ま
しくは70%以上、最も好ましくは80%以上である。
全光線透過率が25%未満であると、包装体等として用
いた場合に内容物が見えにくく、好ましくない。
等から成り立っていると考えられ、これらの比率も作成
条件異なる。この成分中に、特性が損なわれない範囲で
微量(全成分に対して3%程度まで)の他成分を含んで
もよい。酸化アルミニウム薄膜とはAl、AlO、Al
2O3等から成り立っていると考えられ、これらの比率も
作成条件で異なる。この成分中に、特性が損なわれない
範囲で微量(全成分に対して3%程度まで)の他成分を
含んでもよい。酸化硅素と酸化アルミニウムの2元系薄
膜とは酸化アルミニウムと酸化硅素の混合物、あるいは
化合物等とから成り立っていると考えられる。ここでい
う酸化アルミニウムとは、Al,AlO,Al2O3等の
各種アルミニウム酸化物の混合物から成り立ち、酸化ア
ルミニウム内での各々の含有率等は作成条件で異なる。
酸化珪素とは、Si,SiO,SiO2 等から成り立っ
ていると考えられ、これらの比率も作成条件で異なる。
本発明における該薄膜の酸化アルミニウムの比率として
は、20重量%以上、99重量%以下であって、好まし
くは30重量%以上、95重量%以下である。また、こ
の成分中に、特性が損なわれない範囲で微量(全成分に
対して3%程度まで)の他成分を含んでもよい。
定するものではないが、ガスバリア性及び可尭性の点か
らは、5−800nmが好ましく、更に好ましくは7−
500nmである。
着法、スパッター法、イオンプレーテイングなどのPV
D法(物理蒸着法)、あるいは、CVD法(化学蒸着
法)などが適宜用いられる。例えば、真空蒸着法におい
ては、蒸着源材料として、酸化珪素薄膜の場合にはSi
OやSiとSiO2の混合物等が用いられ、酸化アルミ
ニウム薄膜の場合にはAlやAl2O3等 が用いら
れ、酸化珪素と酸化アルミニウムの2元系薄膜の場合に
はAl2O3とSiO2やAlとSiO2等が用いられる。
また、加熱方式としては、抵抗加熱、高周波誘導加熱、
電子ビーム加熱等を用いることができる。また、反応性
ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾ
ン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着を
用いてもよい。また、基板にバイアス等を加えたり、基
板温度を上昇、あるいは、冷却したり等、本発明の目的
を損なわない限りに於て、作成条件を変更してもよい。
スパッター法やCVD法等のほかの作成法でも同様であ
る。また、本発明品は、そのままで使用されてもよい
が、他の生分解性のフィルム、または薄層をラミネート
またはコーティングして使用してもよい。
けた生分解性フィルム積層体は、高い酸素遮断性能、高
い水分遮断性能を持ち、かつ透明であり、加えて高い生
分解性を持つだけでなく、無機薄膜と基材との間にアン
ダーコート層を設けているために高い層間接着力を持
ち、皺や折り曲げなどによっても基材フィルムと無機薄
膜層とが剥離することないため、様々な取り扱い後も高
度のバリア性を保持する。
s 以下で、水分透過率は5.0g/m2・24hrs
以下であることが好ましい。本発明の生分解性フィルム
積層体は、和洋菓子、水産絞り製品、干し物、もち、佃
煮などの包装に用いることが出来る。本発明の脱酸素剤
入り包装用包装材料の使用形態としては、袋、フタ材、
カップ、チューブ、スタンディングバッグ、トレイなど
がある。ヒートシール層は袋、チューブ、スタンディン
グバッグなどの用途の場合には必要となる。更に、装飾
または、内容物の説明のために印刷を施したり、意匠用
フィルムあるいは、補強剤等と張り合わせてもよい。
又、ゲルボ特性をはじめとする機械特性が優れているた
め、ラミネート工程、印刷工程、製袋工程での劣下が少
なく、袋化したのちも、その取り扱いに対して、必要以
上に注意を要しない。
セリン(ダイセル化学PGL10:水酸基濃度850K
OHmg/g)10部、開環重合触媒として、アルミニ
ウムアセチルアセトナート1部を4つロフラスコに仕込
み、窒素雰囲気下、180℃で3時間加熱溶融させるこ
とにより開環重合させ、残留ラクチドを減圧下留去させ
ることにより、ポリエステル(I)を得た。
を求めるには、理論的には、ポリエステル(I)の水酸
基濃度は、ポリクリセリン由来の水酸基だけで決まり、
また、酸価もOとなるはずだが、実際には、原料には不
純物が含まれていることが一般的であり、この場合、D
Lラクチド中に含まれるラクチル乳酸が不純物の大部分
を占める。このような場合、ポリクリセリンの代わりに
不純物のラクチル乳酸が重合開始剤として働き、不純物
がなければ生じないはずの水酸基が生じることがある。
また、オキシ酸であるラクチル乳酸においては、酸価と
水酸基価は等量であるので、不純物由来の水酸基濃度
は、ポリエステル(I)の酸価を測定することにより知
ることができる。よって、ポリクリセリンの水酸基濃度
と測定した酸価を加えると、求める脂肪族ポリエステル
の水酸基濃度が得られる。
の水酸基濃度を以下のようにして求めた。ポリエステル
(I)中のグリセリン由来の水酸基濃度は、(850×
1000)/56×10/(1000+10)=150
という計算(KOH換算水酸基濃度/KOHの分子量×
ポリクリセリンの重量部/ポリマーの重量部)に基づ
き、150当量/106gであった。また、不純物由来
の水酸基濃度、すなわち、ポリエステル(I)の酸価の
測定値は40当量/106gであった。よって、ポリエ
ステル(I)の水酸基濃度は、合計値の190当量/1
06gと求められた。なお、酸価はポリエステル(I)
0.2gを25mlのクロロホルムに溶解し、0.1N
のKOHエタノール溶液で滴定した。滴定の指示薬とし
てはフェノールフタレインを用いた。
セリン(ダイセル化学PGL10:水酸基濃度850K
OHmg/g)5.6部、開環重合触媒として、アルミ
ニウムアセチルアセトナート1部を4つロフラスコに仕
込み、窒素雰囲気下、180℃で3時間加熱溶融させる
ことにより開環重合させ、残留ラクチドを減圧下留去さ
せることにより、ポリエステル(II)を得た。ここ
で、ポリエステル(II)の水酸基濃度を実施例1と同
様にして求めたところ、ポリクリセリン由来の水酸基濃
度は85当量/106g、不純物由来の水酸基濃度は2
5当量/106gであった。よって、ポリエステル(I
I)の水酸基濃度は合計値110当量/106gであ
る。
セリン(ダイセル化学PGL10:水酸基濃度850K
OHmg/g)16.5部、開環重合触媒として、アル
ミニウムアセチルアセトナート1部を4つロフラスコに
仕込み、窒素雰囲気下、180℃で3時間加熱溶融させ
ることにより開環重合させ、残留ラクチドを減圧下留去
させることにより、ポリエステル(III)を得た。こ
こで、ポリエステル(III)の水酸基濃度を実施例1
と同様にして求めたところ、ポリクリセリン由来の水酸
基濃度は246当量/106g、不純物由来の水酸基濃
度は30当量/106gであった。よって、ポリエステ
ル(III)g水酸基濃度は合計値276当量/106
gである。
セリン (ダイセル化学PGL10:水酸基濃度850
KOHmg/g)26.3部、開環重合触媒としてアル
ミニウムァセチルァセトナート1部を4つロフラスコに
仕込み、窒素雰囲気下、180℃で3時間加熱溶融させ
ることにより開環重合させ、残留ラクチドを減圧下留去
させることにより、ポリエステル(IV)を得た。ここ
で、ポリエステル(IV)の水酸基濃度を実施例1と同
様にして求めたところ、ポリクリセリン由来の水酸基濃
度は409当量/106g、不細物由来の水酸基濃度は
50当量/106gであった。よって、ポリエステル
(IV)の水酸基濃度は合計値459当量/106gで
ある。なお、ポリエステル(I)から(IV)の特性は
表1に示した。
ホルム、測定温度25℃でウベローデ粘度管を用いて測
定した。 ・ガラス転移点 DSC法により測定した。 ・乳酸残基(重量%) 仕込量より計算した。また、500MHzのNMRによ
り、ポリエステル中にも同じ量が含まれていることを確
認した。 ・L/D比 仕込量から求めた。また、旋光度計(堀場製作所SEP
A−200)を用いてポリエステル中の乳酸残基のL/
D比も同じであることを確認した。
の製造例 厚さ50μmのポリL乳酸フィルムの片面に、ポリエス
テル(I)1重量部およびトルエン40重量部からなる
塗液をグラビアコーターで、乾燥膜厚が0.02μmに
なるように塗布してアンカー剤層を形成し、アンカーコ
ートフィルム(I)を得た。ポリエステルを(II)〜
(IV)にした以外は同様にして、アンカーコートフィ
ルム(II)〜(IV)を得た。
の製造例 厚さ50μmのポリL乳酸フィルムの片面に、ポリエス
テル(I)1重量部、脂肪族イソシアネート(商品名デ
ュラネートTPA−100、旭化成工業(株)製)、ト
ルエン36重量部およびシクロヘキサノン4重量部から
なる塗液をグラビアコーターで、乾燥膜厚が0.02μ
mになるように塗布してアンカー剤層を形成し、アンカ
ーコートフィルム(V)を得た。ポリエステル(I)を
ポリエステル(III)に代えて同様にしてアンカーコ
ートフィルム(VI)を得た。
例 厚さ50μmのポリL乳酸フィルムの片面に、バイロン
200(共重合ポリエステル、東洋紡績株式会社製)1
重量部、コロネートL(日本ポリウレタン株式会社製)
0.1部、ジブチルスズラウレート0.02部、トルエ
ン20重量部およびメチルエチルケトン20重量部から
なる塗液をグラビアコーターで、乾燥膜厚が0.02μ
mになるように塗布してアンカー剤層を形成し、アンカ
ーコートフィルム(VII)を得た。
種の透明無機蒸着膜層を設けた。
(純度99.9%)とSiO2 (純度99.9%)を用
い、電子ビーム蒸着法で、上記アンカーコートフィルム
上に酸化硅素系ガスバリア薄膜の形成を行った。蒸着材
料は、混合せずに、2つに区切っていれた。加熱源とし
て、電子銃(以下EB銃)を用い、SiとSiO2 のそ
れぞれを時分割で加熱した。その時のEB銃のエミッシ
ョン電流を1.3Aとし、SiとSiO2 への加熱比
は、30:10とした。フィルム送り速度は、80m/
minとし、約200nm厚の透明酸化珪素系膜を作っ
た。又、蒸気圧は酸素ガスの供給量を調整し、1×10
-5Torrとした。
2O3 (純度99.9%)を用い、電子ビーム蒸着法
で、前記アンカーコートフィルム上に酸化アルミニウム
系ガスバリア薄膜の形成を行った。加熱源として、電子
銃(以下EB銃)を用い、エミッション電流を1.3A
とした。フィルム送り速度は、80m/minとし、2
00nm厚の酸化アルミニウム系膜を作った。又、蒸気
圧は酸素ガスの供給量を調整し、1×10-5Torrと
した。
造 蒸着源として、3−5mm程度の大きさの粒子状のAl
2O3(純度99.5%)とSiO2(純度99.9%)
を用い、電子ビーム蒸着法で、前記アンカーコートフィ
ルム上に酸化アルミニウム、酸化硅素薄膜の形成を行っ
た。蒸着材料は、混合せずに、ハース内をカーボン板で
2つに仕切り、加熱源として一台の電子銃(以下EB
銃)を用い、Al2O3とSiO2のそれぞれを時分割で
加熱した。その時のEB銃のエミッション電流を1.5
Aとし、Al2O3とSiO2への加熱比は、40:10
とした。フィルム送り速度は、80m/minとして、
250nm厚の酸化珪素−酸化アルミニウム2元系膜を
作った。又、蒸気圧は酸素ガスの供給量を調整して、1
×10-5とした。
が積層されたフィルムの特性を評価した。結果は表2、
3に示す。
本)を切り、セロハンテープ剥離により密着性を評価し
た。 ◎:95%以上の蒸着層が残った。 ○:80%以上の蒸着層が残った △:40%以上の蒸着層が残った ×:残った蒸着層は40%未満であった。
mに切り取り、これを25℃の水に浸漬し、1時間後取
り出して指で蒸着面を擦った。 ◎:蒸着層は剥がれなかった。 ○:蒸着層の一部が剥がれた。 △:蒸着層の大部分が剥がれた。 ×:浸漬のみで蒸着層が剥がれた。
蒸着フィルムの蒸着面が上になるように置き、蒸着面を
布で擦った。 ◎:蒸着層は剥がれなかった。 ○:蒸着層の一部が剥がれた。 △:蒸着層の半分程度が剥がれた。 ×:蒸着層の大部分が剥がれた。
cmをコンポスター(生ゴミ処理機、三井ホーム社製
〔MAM〕)中に入れ、7日後にサンプルの形態を目視で
評価した。 ○:フィルムは形をとどめていなかった。 △:フィルムは一部が形をとどめていた。 ×:フィルムはそのままの形をとどめていた。
率をJIS K−7105に準拠して測定した。
lは酸化アルミニウム系蒸着膜、Si−Alは酸化珪素
/酸化アルミニウム2元系蒸着膜を表す。
の蒸着面にポリ乳酸(L/D比=1/1(モル比、還元
粘度=0.47dl/g)のトルエン/メチルエチルケ
トン溶液を乾燥膜厚で5μになるよう塗布し、乾燥させ
た。このフィルムを20cm×10cmに切り取り、塗
布面を内側にして2つ折りにして2方を120℃でシー
ルし、袋状物を得た。中に、中華風味の粉末スープを入
れ、残りの一方をシールした。この袋は、透明で内容物
が見える上、酸素、水蒸気遮断性能も高く、食品等の包
装に適するものであった。
無機蒸着膜との接着性を飛躍的に向上させることができ
た無機透明蒸着膜層を有する生分解性フィルム積層体が
得られる。
Claims (3)
- 【請求項1】 透明無機薄膜層(A)、L-乳酸とD-乳酸
のモル比(L/D)が1〜9である脂肪族ポリエステルを含
むことを特徴とするアンカー層(B)、生分解性フィル
ム層(C)、が積層されたことを特徴とする生分解性フ
ィルム積層体。 - 【請求項2】 請求項1に記載の脂肪族ポリエステルが
反応性又は極性基濃度を有し、これらの合計量の濃度が
100〜500当量/106gであることを特徴とする請求項1に
記載の生分解性フィルム積層体。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の生分解性積層
体を用いたことを特徴とする袋状物。
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- 2001-08-24 JP JP2001255039A patent/JP4892801B2/ja not_active Expired - Fee Related
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