JP2003061593A - プロポリス組成物及びその顆粒製剤 - Google Patents

プロポリス組成物及びその顆粒製剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 健康食品及び化粧品素材として高い効能を発
揮することができるように構成されたプロポリス組成物
及びその顆粒製剤を提供する。 【解決手段】 プロポリス組成物は、親水性有機溶媒抽
出プロポリス、水抽出プロポリス及び超臨界抽出プロポ
リスを含有するとともに、超臨界抽出プロポリス1重量
部に対して親水性有機溶媒抽出プロポリスを1〜20重
量部及び水抽出プロポリスを0.5〜6重量部含有す
る。水抽出プロポリス及び超臨界抽出プロポリスは、プ
ロポリス原塊を親水性有機溶媒で抽出した後の残渣より
抽出されたものであるのが好ましい。このプロポリス組
成物は、親水性有機溶媒抽出物粉末と、水抽出物粉末
と、超臨界抽出物粉末とを含有するように構成するのが
好ましい。プロポリス組成物顆粒製剤は、プロポリス組
成物を含有するものであって、親水性有機溶媒抽出物顆
粒と、水抽出物顆粒と、超臨界抽出物顆粒とを含有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、健康食品製剤や
美容製剤等として利用されるプロポリス組成物、及びそ
の組成物を含有するプロポリス組成物顆粒製剤に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】プロポリス(プロポリス原塊)は蜂ヤニ
ともいわれ、セイヨウミツバチの巣の巣壁を構成する樹
脂状ないしは蝋状の物質である。このプロポリスは、ミ
ツバチが周辺の植物から採取してきた樹液や植物体であ
ってしばしば蜜蝋や花粉が混入されており、一般に茶褐
色ないし黒褐色を呈し、多種多様な成分を含有してい
る。
【0003】このプロポリスは、ヨーロッパにおいては
医薬品或いは健康食品の素材として古くから用いられて
きたが、近年日本においても健康食品や化粧品の素材と
して多くの製品に使用されるようになった。プロポリス
の主要な生理活性としては、活性酸素消去能及び免疫賦
活作用が知られており、健康食品の素材としての効能を
裏付けている。また、消炎作用や鎮痛作用、抗アレルギ
ー作用や広い範囲の病原菌に対する抗菌作用も知られて
いる。中でも著しい抗癌・抗腫瘍作用があることが学会
において報告され、複数の新しい殺癌物質が成分中から
発見報告されたことからプロポリスの優れた効能が一躍
世の注目を集めることとなった。
【0004】このプロポリス中に含まれる化学成分とし
ては、極性の高い有機酸化合物からフラボノイド類、ポ
リフェノール類等さらには極性の低いテルペ丿イド類等
非常に多くの化合物が確認されている。これらの物質の
生理活性が複雑に作用しあってプロポリスの優れた生理
活性を形成しているものと考えられる。
【0005】プロポリス原塊は、そのままの状態で摂取
するのは極めて困難であることから、エタノール等の親
水性有機溶媒又は水で抽出された抽出物として摂取され
るのが一般的である。このプロポリスの親水性有機溶媒
抽出物又は水抽出物には、種々の生理活性物質が含有さ
れており、健康食品分野においてその薬理作用を利用し
た様々な製品が市販されている。また、特開2000−
325032号公報では、アルコール抽出プロポリスに
水抽出プロポリスを徐々に添加・混合することにより、
アルコール抽出プロポリス特有の樹脂成分を沈澱濾過し
て取り除いたプロポリス製品について開示されている。
そして、このプロポリス製品は、アルコール抽出プロポ
リス及び水抽出プロポリスの夫々が有する難点を克服す
るとともに、単独の溶媒(アルコール又は水)で抽出さ
れたプロポリス抽出物と比較して、夫々の成分の相乗効
果が期待できるうえ飲用に適しているとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
アルコール抽出プロポリスと水抽出プロポリスを含有す
るプロポリス製品では、プロポリス原塊中の成分のう
ち、アルコールに可溶な成分と水に可溶な成分のみしか
含有されておらず、しかも沈澱濾過工程において樹脂成
分を除去することで多くの有効成分を失っていて、プロ
ポリス有効成分の一部しか摂取することができなかっ
た。このため、前記相乗効果は、プロポリス原塊をまる
ごと摂取したときの多数の有効成分による生理活性の相
乗効果と比べると、著しく低いものに過ぎなかった。
【0007】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、健康食品及び化粧品素材として高い効能
を発揮することができるように構成されたプロポリス組
成物及びその顆粒製剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明のプロポリス組成物は、親
水性有機溶媒抽出プロポリスと、水抽出プロポリスと、
超臨界抽出プロポリスとを含有するプロポリス組成物で
あって、超臨界抽出プロポリス1重量部に対して、親水
性有機溶媒抽出プロポリスを1〜20重量部、及び水抽
出プロポリスを0.5〜6重量部含有することを特徴と
するものである。
【0009】請求項2に記載の発明のプロポリス組成物
は、請求項1に記載の発明において、前記水抽出プロポ
リス及び超臨界抽出プロポリスから選ばれる少なくとも
1種は、プロポリス原塊を親水性有機溶媒で抽出した後
の残渣より抽出されたものであることを特徴とするもの
である。
【0010】請求項3に記載の発明のプロポリス組成物
は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、超臨
界抽出プロポリス1重量部に対して、親水性有機溶媒抽
出プロポリスを10重量部を越え、かつ18重量部以
下、及び水抽出プロポリスを1〜5重量部含有すること
を特徴とするものである。
【0011】請求項4に記載の発明のプロポリス組成物
は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明にお
いて、前記親水性有機溶媒抽出プロポリスを粉末化した
親水性有機溶媒抽出物粉末と、前記水抽出プロポリスを
粉末化した水抽出物粉末と、前記超臨界抽出プロポリス
を粉末化した超臨界抽出物粉末とを含有することを特徴
とするものである。
【0012】請求項5に記載の発明のプロポリス組成物
顆粒製剤は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の
プロポリス組成物を含有するプロポリス組成物顆粒製剤
であって、前記親水性有機溶媒抽出プロポリスを顆粒状
に造粒した親水性有機溶媒抽出物顆粒と、前記水抽出プ
ロポリスを顆粒状に造粒した水抽出物顆粒と、前記超臨
界抽出プロポリスを顆粒状に造粒した超臨界抽出物顆粒
とを含有することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した実施
形態を詳細に説明する。実施形態のプロポリス組成物
は、親水性有機溶媒抽出プロポリス(以下、親水性有機
溶媒抽出物と記載する)と、水抽出プロポリス(以下、
水抽出物と記載する)と、超臨界抽出プロポリス(以
下、超臨界抽出物と記載する)とを含有するものであ
る。このプロポリス組成物は、健康食品製剤や美容製剤
等の種々の製剤の形態で、経口又は経皮投与されて利用
される。このプロポリス組成物は、異なる抽出方法によ
る3種類の抽出物に含まれる有効成分の相乗効果によっ
て、極めて高い健康増進作用と美容効果が発揮される。
前記健康増進作用及び美容効果は、浮腫抑制活性、ヒア
ルロニダーゼ阻害活性、白血球貪食促進活性及び活性酸
素消去能の指標となるラジカル捕捉促進活性を測定比較
することで推定、確認される。
【0014】各抽出物を抽出するための出発原料(以
下、プロポリス原料と記載する)は、それぞれ別個のプ
ロポリス原塊を3種類準備して3種類の抽出操作に用い
ることが可能である。しかしながら、抽出工程の作業性
及び有効成分の回収率(経済性)を考慮すると、プロポ
リス原塊を2種類以上の抽出操作により抽出するように
構成するのが好ましい。すなわち、プロポリス原塊をま
ず親水性有機溶媒で抽出した後、その残分(親水性有機
溶媒に不溶性の残渣)を水抽出又は超臨界抽出に供して
も良いし、逆に超臨界抽出を行った後の残分を親水性有
機溶媒抽出又は水抽出に供してもよい。
【0015】最も好ましくは、プロポリス原塊を用いて
先に親水性有機溶媒抽出を行った後、その残分(残渣)
を水抽出又は超臨界抽出するように構成するとよい。こ
のとき、水及び親水性有機溶媒で抽出され得る境界域に
位置する親水性成分、又は超臨界抽出及び親水性有機溶
媒で抽出され得る境界域に位置する疎水性成分がプロポ
リス組成物中に重複して含有されることがないことか
ら、健康増進効果等に対する抑制効果を低減させること
が容易である。すなわち、前記親水性成分又は疎水性成
分を一度に多量に摂取すると、かえって健康増進を抑制
する働きがある。また、先に親水性有機溶媒抽出に供し
た後の残分は、親水性有機溶媒の作用で浸透性が良好に
なっていることから、その後の水抽出又は超臨界抽出に
おいての収率を容易に向上させることができる。
【0016】なお、前記プロポリス原塊は、ブラジル、
中国、日本、米国、ヨーロッパ等のいずれの産地のもの
も使用可能であるが、水抽出においては抽出収率の高い
ブラジル産を使用するのが特に好ましい。
【0017】親水性有機溶媒抽出物は、抽出溶媒として
親水性有機溶媒又はその水希釈液を用いて、プロポリス
原料中の親水性有機溶媒に可溶な成分を抽出することに
よって得られるが、健康食品としての組成物の製造には
親水性有機溶媒としてはエタノールを用いることが好ま
しい。この親水性有機溶媒抽出物には、フラボノイド
類、ポリフェノール類、有機酸類、テルぺノイド類等の
種々の有効成分が含まれており、活性酸素消去作用、免
疫賦活作用、消炎作用、抗癌作用等の健康増進作用を発
揮する。
【0018】前記親水性有機溶媒は、水に溶解する性質
を有するエタノール、メタノール、イソプロパノール等
の低級アルコールのほか、アセトンやメチルエチルケト
ン等のケトン類が適宜選択して使用することができる
が、溶媒の性質及びプロポリス組成物を食品として経口
することを考えればエタノールが最も好ましい。親水性
有機溶媒としてエタノールを用いるときその濃度は、好
ましくは60〜100容量%、より好ましくは80〜1
00容量%である。この濃度が60容量%未満の場合に
は、エタノールに可溶な有効成分を本実施形態の構成に
適した比率でかつ効率良く抽出することができない。エ
タノールの使用量は、プロポリス原料に対して好ましく
は1〜20倍量、より好ましくは2〜10倍量、さらに
好ましくは3〜8倍量である。この使用量が1倍量未満
の場合には、有効成分の収率が低下する。逆に20倍量
を超える場合には、装置が不必要に大きくなるばかりで
なく濃縮等の工程に時間がかかり作業性が著しく低下す
る。
【0019】抽出温度は10〜30℃の常温付近の温度
でよく、その抽出温度で攪拌しながら24時間以上抽出
操作を行うとよい。なお、前記抽出温度が10℃未満の
場合には、有効成分の収率が低下する。逆に30℃を超
える場合には、抽出後の濾過性が悪くなって作業性が低
下する。そして、上記の抽出条件で有効成分を充分に抽
出した後、濾紙濾過又は珪藻土濾過を行うことにより親
水性有機溶媒抽出物液を得る。この親水性有機溶媒抽出
物液の溶媒を蒸発し乾燥することで親水性有機溶媒抽出
物が得られる。この親水性有機溶媒抽出物は、褐色ない
し黒褐色の樹脂状固体で、これを粉砕すれば純粋の親水
性有機溶媒抽出物粉末が得られるが、粉末物性が劣るの
で、前記親水性有機溶媒抽出物液を、必要に応じて希
釈、濃縮した後、乳糖やデキストリン等の賦形剤を添加
して乾燥し、粉末化して親水性有機溶媒抽出物粉末とし
てもよい。
【0020】水抽出物は、抽出溶媒として水を用いて、
プロポリス原料中の水に可溶な成分を抽出することによ
って得られる。この水抽出物には、有機酸類、多糖類、
蛋白質等の種々の有効成分が含まれており、抗酸化作
用、ラジカル捕捉促進作用、ヒアルロニダーゼ阻害活
性、抗癌作用等の健康増進作用を発揮する。抽出溶媒の
使用量は、プロポリス原料に対して好ましくは1〜20
倍量、より好ましくは2〜15倍量、さらに好ましくは
5〜12倍量である。この抽出溶媒の使用量が1倍量未
満の場合には、有効成分の収率が低下する。逆に20倍
量を超える場合には、濃縮等の工程に時間がかかり作業
性が著しく低下する。
【0021】抽出温度は、好ましくは20〜90℃、よ
り好ましくは30〜80℃、さらに好ましくは40〜6
0℃である。この抽出温度が20℃未満の場合には、抽
出工程に長時間を要し、品質の低下を招くばかりでなく
有効成分の収率も低下する。逆に90℃を越える場合に
は、有効成分の変性が起こり相乗効果が低下することが
予想される。また、抽出時間は抽出溶媒の使用量にもよ
るが、充分な量の有効成分を抽出するために、2時間以
上かけて抽出するのが望ましい。
【0022】そして、上記の抽出条件で充分に有効成分
を抽出した後、濾紙濾過又は珪藻土濾過を行うことによ
って水抽出物液を得る。さらに、必要に応じて、この水
抽出物液を濃縮した後に凍結乾燥すれば、純粋な水抽出
物凍結乾燥粉末が得られる。さらに物性のよい粉末を得
るためには、前記の水抽出物液に乳糖やデキストリン等
の賦形剤を添加した後に凍結乾燥して粉末特性に優れた
水抽出物凍結乾燥粉末としてもよい。また、前記の純粋
な水抽出物凍結乾燥粉末に乳糖やデキストリン等の賦形
剤を添加しても粉末特性のよい水抽出物凍結乾燥粉末
(以下、水抽出物粉末と記載する)が得られる。
【0023】超臨界抽出物は、公知の超臨界流体抽出装
置を用い、超臨界流体を臨界温度以上及び臨界圧力以上
の条件下で超臨界状態にした超臨界流体とプロポリス原
料とを接触させることにより、プロポリス原料から所定
の成分を抽出したものである。超臨界流体として二酸化
炭素を用いる場合は、31.1℃の臨界温度以上及び7
2.8気圧(7.4MPa)の臨界圧力以上として超臨
界流体状態となった二酸化炭素によってプロポリス原料
を抽出する。この二酸化炭素を用いた超臨界抽出物に
は、フラボノイド類、テルぺノイド、その他の疎水性生
理活性物質等が含まれており、ヒアルロニダーゼ阻害活
性、抗癌作用、浮腫抑制作用等の健康増進作用を発揮す
ることが確認されている。
【0024】前記超臨界流体は、エタン、プロパン、二
酸化炭素、亜酸化窒素等が使用可能であるが、二酸化炭
素を用いるのが最も好ましい。この二酸化炭素は、臨界
温度が常温に近いうえに極性がエタノールより低いとい
う抽出対象化合物に適合する物理的、化学的性質を有し
ている。二酸化炭素はこのように抽出工程での物性が優
れているばかりでなく無味・無臭で超臨界抽出製品の味
にも影響を及ぼさないことから本実施形態に用いる超臨
界流体としては二酸化炭素が最も好ましい。
【0025】超臨界流体抽出における操作には、超臨界
流体が臨界点近傍において、わずかな温度差、圧力差に
対して密度と溶解性が大きく変化する性質を利用するた
め処理の温度及び圧力には適切な上下幅が必要である。
二酸化炭素を用いる場合の操作温度は、好ましくは32
〜80℃、より好ましくは32〜50℃である。また、
その操作圧力は、好ましくは73〜500気圧(7.4
〜50.7MPa)、より好ましくは73〜400気圧
(7.4〜40.5MPa)である。超臨界流体として
の二酸化炭素の流量(流速)は、プロポリス原料1kg
に対して、好ましくは1〜10kg/時間、より好まし
くは3〜7kg/時間である。処理時間は、プロポリス
原料の量や状態により異なるが、テスト又は処理実績か
ら抽出が完了する時間を確認することで適宜に決定する
ことが可能である。
【0026】そして、上記の抽出条件で抽出されたプロ
ポリスの超臨界抽出物の性状は、抽出の経過時間によっ
ても変化する。多くはペースト状であるが一部は粉末な
いし塊状の固体として得られることもある。エントレー
ナーとしてエタノールを用いるときは、エタノールを含
んだ液状となる。超臨界抽出物は、抽出直後は抽出原料
に含まれるエタノール、エントレーナーとしてのエタノ
ール等が含まれるほか、断熱膨張で固体化した二酸化炭
素が含まれる。さらに抽出経過時間によって異なる組成
を持つ不均一な抽出物として得られるので、均一に攪拌
しながらエタノールと二酸化炭素を除去して固形の超臨
界抽出物とした後、粉砕すれば純粋な超臨界抽出物粉末
となる。さらによりよい粉末特性を与えるために、必要
に応じて、超臨界抽出物に乳糖やデキストリン等の賦形
剤を添加して粉末化した超臨界抽出物粉末としてもよ
い。
【0027】本実施形態のプロポリス組成物中の親水性
有機溶媒抽出物の配合割合は、超臨界抽出物1重量部に
対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは1
0重量部を越え、かつ18重量部以下である。超臨界抽
出物1重量部に対して親水性有機溶媒抽出物の配合割合
が1重量部未満の場合には、健康食品又は美容製剤とし
ての充分な効能及び効果を発揮させることができない。
逆に超臨界抽出物1重量部に対して親水性有機溶媒抽出
物の配合割合が20重量部を超える場合には、水抽出物
に対する超臨界抽出物の含有量が相対的に低下すること
から、それら水抽出物と超臨界抽出物との相乗効果が充
分に発揮されない。
【0028】本実施形態のプロポリス組成物中の水抽出
物の配合割合は、超臨界抽出物1重量部に対して、好ま
しくは0.5〜6重量部、より好ましくは1〜5重量部
である。超臨界抽出物1重量部に対して水抽出物の配合
割合が0.5重量部未満の場合には、健康食品又は美容
製剤としての充分な効能及び効果を発揮させることがで
きない。逆に超臨界抽出物1重量部に対して水抽出物の
配合割合が6重量部を超える場合には、親水性有機溶媒
抽出物に対する超臨界抽出物の含有量が相対的に低下す
ることから、それら親水性有機溶媒抽出物と超臨界抽出
物との相乗効果が充分に発揮されない。
【0029】上記のように構成されるプロポリス組成物
は、健康食品製剤や美容製剤等として経口又は経皮投与
されて利用される。その際、このプロポリス組成物中に
は、上記有効成分の健康増進効果を損なわない範囲内
で、例えば、デキストリン、シクロデキストリン、乳糖
等の賦形剤、炭酸水素ナトリウム等の膨化剤、カルナバ
ロウ、シェラック、ミツロウ等の光沢剤、ペクチンカル
ボキシメチルセルロース、カンテン、デンプン等のゲル
化剤、アルギン酸、カラギナン、キサンタンガム、キト
サン等の増粘剤、砂糖、蜂蜜、カンゾウ抽出物、ステビ
ア、サッカリンナトリウム、オリゴ糖、エリスリトー
ル、水飴、異性化糖等の甘味剤、キラヤ抽出物、レシチ
ン、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、大豆サポ
ニン等の乳化剤、シナモン精油、ジャスミン精油、ロー
ズマリー精油、ライム精油等の香味料、カラメル、アカ
キャベツ、クチナシ、ムラサキイモ、ブドウ、ウコン等
の色素、乳酸、乳酸塩、クエン酸、リンゴ酸、炭酸ナト
リウム等のpH調整剤を添加してもよい。
【0030】健康食品製剤としては、上記プロポリス組
成物を食品素材、飲料品素材又は医薬品素材中に添加す
ることによって、粉末状、液状、顆粒状、錠剤、カプセ
ル状、スティック状等の形状に加工され、健康食品、健
康飲料又は医薬部外品として使用される。医薬部外品と
しては、石鹸、歯磨き粉等に配合されて使用される。美
容製剤としては、上記プロポリス組成物を食品素材、飲
料品素材又は化粧品素材に添加することによって、液
状、乳液状、半固形状、粉末状等の形状に加工され、美
容食品、美容飲料又は化粧品として使用される。前記化
粧品は、化粧の種類に応じて、アルコール類、油脂類界
面活性剤、精製水等が適宜添加される。
【0031】一方、このプロポリス組成物を経口剤とし
て利用する場合には、錠剤、カプセル剤、顆粒、散剤、
シロップ剤、ドリンク剤等の諸形態に加工される。錠剤
及びカプセル剤に加工する場合には、結合剤、賦形剤、
膨化剤、光沢剤、甘味剤、香味剤等が好適に添加され
る。錠剤は、シェラック又は砂糖で被覆することもでき
る。また、カプセル剤の場合には、上記の材料にさらに
油脂等の液体担体を含有させることができる。一方、非
経口剤として利用する場合には、軟膏剤、クリーム剤、
水剤等の外用剤の形態で経皮投与されて使用される。こ
の外用剤の基剤としては、ワセリン、パラフィン、油脂
類、ラノリン、マクロゴール等が好適に用いられ、通常
の方法によって軟膏剤やクリーム剤等とすることができ
る。
【0032】一方、上記プロポリス組成物を粉末状、特
に微小な粒子径の粉末状にした場合には、プロポリス組
成物中の成分が吸湿等により保存中に固結する可能性が
高いため、粒子径の大きな顆粒状の顆粒製剤とすること
が望ましい。
【0033】このプロポリス組成物を顆粒製剤とする場
合には、3種類の抽出物を混合した後に粉末化し、造粒
装置にて定法に従って顆粒状に成形して顆粒製剤とする
ことができる。或いは、造粒装置を用いて3種類の粉末
化された抽出物を混合しながら顆粒状に造粒して顆粒製
剤とすることもできる。或いは、コーティング造粒装置
を用いて、精製白糖やトウモロコシデンプン等で予め顆
粒状に造粒された原料顆粒の表面に、3種類の抽出物を
混合した液体(液状のプロポリス組成物)を直接噴霧す
るか、又は3種類の粉末化された抽出物を糊剤を介して
付着させながら混合し、その後乾燥させることによって
プロポリス組成物顆粒製剤とすることも可能である。
【0034】しかしながら、上記顆粒製剤の製造方法で
は、各抽出物の性質(脂溶性の強弱等)の相違により混
合時又は保存時に分離等の問題が生じる可能性が高いこ
とから、各抽出物毎に顆粒状にした後に所定の比率で混
合することによって顆粒製剤とするのが最も好ましい。
すなわち、まず、親水性有機溶媒抽出物顆粒、水抽出物
顆粒及び超臨界抽出物顆粒をそれぞれ別々に造粒した
後、3種類の顆粒を混合することにより顆粒製剤を製造
するように構成するのが最も好ましい。
【0035】親水性有機溶媒抽出物顆粒は、親水性有機
溶媒抽出物に乳糖やデキストリン等の賦形剤を添加する
ことにより粉末化した後、造粒装置にて常法に従って顆
粒状に造粒される。或いは、コーティング造粒装置を用
いて、精製白糖やトウモロコシデンプン等で予め顆粒状
に造粒された原料顆粒の表面に、液状の親水性有機溶媒
抽出物を直接噴霧するか、又は粉末化された親水性有機
溶媒抽出物を糊剤を介して付着させ、その後乾燥させる
ことによって造粒することも可能である。この顆粒中に
含まれる親水性有機溶媒抽出物の含有量は、固形分で5
〜50重量%であるのが好ましい。この親水性有機溶媒
抽出物の含有量が5重量%未満の場合には、プロポリス
組成物顆粒製剤中に充分な量の有効成分を含有させるこ
とができない。逆に50重量%を超える場合には、粉末
化及び造粒工程が著しく困難になる。
【0036】水抽出物顆粒は、上記親水性有機溶媒抽出
物顆粒と同様の製造方法により顆粒とすることが可能で
あるが、フリーズドライ法により粉末化した後、造粒装
置を用いて顆粒状にすることもできる。この水抽出物顆
粒中に含まれる水抽出物の含有量は、上記親水性有機溶
媒抽出物顆粒の場合と同様の理由で、固形分で5〜50
重量%であるのが好ましい。
【0037】超臨界抽出物顆粒は、前記親水性有機溶媒
抽出物顆粒と同様の製造方法により顆粒とすることが可
能である。さらに、この超臨界抽出物顆粒を製造する際
には、予めペースト状又は乳化液状の超臨界抽出物を粉
末化することが好ましい。この粉末化には前記賦形剤と
ともにカルシウムや二酸化ケイ素等の付着防止剤を添加
して粉末化するように構成するのが好ましい。このと
き、超臨界抽出物粉末中の超臨界抽出物の含有量は、好
ましくは10〜35重量%、より好ましくは15〜25
重量%である。この超臨界抽出物の含有量が10重量%
未満の場合には、プロポリス組成物顆粒製剤中に充分な
量の有効成分を含有させることができない。逆に35重
量%を越える場合には、粉末化及び造粒工程が著しく困
難になる。
【0038】さらに、付着防止剤の配合割合は、超臨界
抽出物1に対して重量比で好ましくは0.01〜2、よ
り好ましくは0.05〜1である。この付着防止剤の重
量比が0.01未満の場合には、超臨界抽出物を粉末化
する際に油分が分離したり、粉末同士の固結が生じたり
する。逆に2を越える場合には、プロポリス特有の味及
び匂いが弱まって商品の品質が損なわれる。これら3種
類の抽出法ごとの顆粒を個別に用意して、それらを混合
して本実施形態のプロポリス組成物とすることにより、
超臨界抽出物中に多く含まれる油分の分離や、粉末同士
の付着による固結の発生を効果的に防止することが可能
である。
【0039】また、この超臨界抽出物顆粒中に含まれる
超臨界抽出物の含有量は、好ましくは3〜35重量%、
より好ましくは5〜20重量%である。この超臨界抽出
物の含有量が3重量%未満の場合には、プロポリス組成
物顆粒製剤中に充分な量の有効成分を含有させることが
できない。逆に35重量%を越える場合には、粉末化及
び造粒工程が著しく困難になる。
【0040】さらに、上記の様に各々造粒した親水性有
機溶媒抽出物顆粒、水抽出物顆粒及び超臨界抽出物顆粒
においては、造粒後の顆粒の表面にコーティング剤をコ
ーティングすることによってコーティング顆粒とするの
が好ましい。なお、前記コーティング剤としては、デキ
ストリン又はコーンスターチが好適に用いられる。この
とき、保存時における顆粒製剤同士又は顆粒同士の付着
による品質低下を容易に防止することができるうえ、有
効成分の体内への分散時期及び吸収時期を適宜コントロ
ールすることが可能となる。特に、3種類の抽出物顆粒
からなるプロポリス組成物顆粒製剤の場合には、有効成
分の体内への吸収時期を各顆粒毎にコントロールするこ
とができることから、3種類の抽出物の体内における生
理活性発現のピークを揃えて相乗効果を顕著に高めるこ
とが可能となる。
【0041】親水性有機溶媒抽出物のコーティング顆粒
は、コーティング造粒装置を用いて、親水性有機溶媒抽
出物顆粒の表面に、液状のコーティング剤を直接噴霧す
るか、又は粉末化されたコーティング剤を糊剤を介して
付着させ、その後乾燥させることにより調製される。水
抽出物のコーティング顆粒、超臨界抽出物のコーティン
グ顆粒及び造粒前に3種類の抽出物を混合した後に造粒
したプロポリス組成物顆粒製剤も同様に調製される。
【0042】親水性有機溶媒抽出物のコーティング顆粒
のコーティング比、すなわちコーティング顆粒の固形分
重量に対するコーティング剤重量の比率(割合)は、
0.2〜0.4であるのが好ましい。このコーティング
比が0.2未満の場合には、胃内での崩壊時間が短いた
めに胃液にさらされる時間が長くなり、親水性有機溶媒
抽出物中の成分が凝集しやすくなる。その結果、胆汁酸
による乳化作用を受け難くなって体内への吸収率が低下
する。逆に0.4を超える場合には、胃内で充分に崩壊
されないことから有効成分の吸収が著しく遅れる傾向に
ある。
【0043】水抽出物のコーティング顆粒のコーティン
グ比は、0.4〜0.6であるのが好ましい。このコー
ティング比が0.4未満の場合には、コーティング顆粒
の表面付近に存在する水抽出物中の成分が吸湿し、コー
ティング顆粒同士の付着が起こるおそれがある。また、
胃内において有機酸等の低分子物質が容易に溶出して希
釈され、腸管の膜透過性が低下することにより体内への
吸収率が低下するおそれもある。逆に0.6を超える場
合には、有効成分の含有量が低下することから充分な抗
炎症効果が発揮されない。
【0044】超臨界抽出物のコーティング顆粒のコーテ
ィング比は、好ましくは0.05〜0.2、より好まし
くは0.05〜0.1である。このコーティング比が
0.05未満の場合には、胃内での崩壊時間が短いため
に胃液にさらされる時間が長くなり、超臨界抽出物中の
成分が凝集しやすくなる。逆に0.2を超える場合に
は、胃内で充分に崩壊されずに有効成分の吸収が著しく
遅れる傾向にある。
【0045】上記実施形態によって発揮される効果につ
いて、以下に記載する。 ・ 実施形態のプロポリス組成物は、親水性有機溶媒抽
出物と、水抽出物と、超臨界抽出物との3種類の抽出物
を含有するものである。前記各抽出物は、それぞれ異な
る抽出溶媒(抽出方法)により抽出されたものであるこ
とから、互いに異なる有効成分を含有している。このプ
ロポリス組成物は、これら異なる有効成分の相乗効果に
より、1種類の抽出物又は2種類の抽出物の混合物と比
較して、健康食品及び美容製剤としてのより高い効能と
効果を発揮することができ、優れた健康食品及び美容製
剤を得ることができる。
【0046】さらに、このプロポリス組成物は、水溶性
の物質、親油性の物質及びその中間の性質を有する物質
が含有されていることから、プロポリス原塊に含まれる
健康増進活性を有する多種類の生理活性物質であって抽
出可能な物質を実質上すべてを含むと言うことができ
る。このため、プロポリス原塊をまるごと摂取するのと
同様にプロポリス中のほとんどすべての生理活性物質を
摂取できるばかりでなく、前記3種類の抽出物の組合わ
せ比率の組成物はプロポリス原塊そのものよりさらに高
い効能を相乗効果として発揮し得るものである。
【0047】一方、特開2001−78686号公報で
は、アルコール抽出プロポリスと水抽出プロポリスに超
臨界抽出プロポリスを加えたプロポリス組成物調製の試
みも行われている。しかしながら、この試みでは、均一
な3種の抽出物からなる組成物を調製することのみを目
的としており、有効成分の効能に相乗的な向上効果をも
たらすことに関しては全く配慮が払われていない。さら
に、生理活性物質(有効成分)にとっては極めて過酷な
製造条件が採用されており、例えば熱に弱いとされる水
抽出プロポリスを含む組成物の粉末化に、組成物の品温
が高温化するスプレードライヤーが使用されている。こ
のため、3種の抽出物による相乗効果が期待できないば
かりでなく、かえって効能が減殺される可能性が高い。
【0048】・ 水抽出物又は超臨界抽出物として、プ
ロポリス原塊を親水性有機溶媒で抽出した後の残渣より
抽出されたものとすることによって、親水性有機溶媒で
抽出される成分のうち、極度な親水性を有する親水性成
分又は極度な疎水性を有する疎水性成分がプロポリス組
成物中に重複して多量に含有されることがない。本発明
者らによる鋭意研究の結果、これらの成分を一度に多量
に摂取した場合には、健康増進効果等をかえって抑制す
る働きがあることが解明されたことから、前記水抽出物
又は超臨界抽出物を含有するプロポリス組成物は、健康
増進効果を極めて良好に発揮させることができる。な
お、超臨界抽出及び水で抽出され得る境界域に位置する
成分はほとんど存在しない。さらにこのとき、親水性有
機溶媒の作用でプロポリス原塊(プロポリス原料)の浸
透性が容易に高められることから、その抽出物を得る工
程を容易に行うことができるうえ、原料費を容易に節約
することが可能である。
【0049】・ 超臨界抽出物1重量部に対して、親水
性有機溶媒抽出物を1〜20重量部、及び水抽出物を
0.5〜6重量部含有することによって、3種類の抽出
物による相乗効果を極めて効果的に発揮させることがで
きる。さらに、超臨界抽出プロポリス1重量部に対し
て、親水性有機溶媒抽出プロポリスを10重量部を越
え、かつ18重量部以下、及び水抽出プロポリスを1〜
5重量部含有することによって、3種類の抽出物による
相乗効果をより一層顕著に発揮させることができる。
【0050】・ 本実施形態のプロポリス組成物は、親
水性有機溶媒抽出物粉末と、水抽出物粉末と、超臨界抽
出物粉末とを含有するように構成されている。すなわ
ち、このプロポリス組成物は、3種類の異なる抽出法に
より抽出された各抽出物粉末が、それぞれに最も安定性
の高い条件で粉末化されていることから、各抽出物粉末
の変質を来たすことがなく、より一体化した組成物とし
て存在し得る。さらに、このプロポリス組成物は、粉末
特性が著しく高いことから極めて高い品質を長期間保持
することができる。さらにこのとき、優れた相乗効果が
期待できる混合比を自由に変化させることが容易である
ことから、優れた商品性を製品に付与することができ
る。
【0051】・ 実施形態のプロポリス組成物顆粒製剤
は、上記プロポリス組成物を含有するものであって、親
水性有機溶媒抽出物顆粒と、水抽出物顆粒と、超臨界抽
出物顆粒とを含有するものである。このため、上記プロ
ポリス組成物と同じ組成を有することから、3種類の抽
出物による相乗効果を極めて効果的に発揮させることが
できる。さらに、各抽出物毎にその抽出物の物性に対応
させた顆粒となっていることから、異なった成分の混合
による物性の劣化を回避することができ、プロポリス組
成物が吸湿すること等により固結するのを効果的に防止
することができるうえ、各抽出物中の油溶成分が混合時
又は保存時に分離する等の問題も効果的に防止すること
ができる。従って、3種類の抽出物をそれぞれ顆粒とし
て組合わせることによって、極めて高い品質のプロポリ
ス組成物顆粒製剤を提供することができる。
【0052】・ 超臨界抽出物を顆粒とする場合、予め
超臨界抽出物1に対して重量比で付着防止剤を0.01
〜2配合することにより容易に製造することができる。
特に、付着防止剤としてカルシウムを用いることによっ
て、ペースト状又は乳化液状の超臨界抽出物を粉末化す
る工程において、超臨界抽出物中の油分の分離や、粉末
同士の付着による固結の発生を効果的に防止することが
できる。
【0053】加えて、前記3種類の抽出物の顆粒をそれ
ぞれコーティング顆粒とすることによって、各抽出物の
体内への分散時期及び吸収時期を任意にコントロールす
ることが可能である。このため、3種類の抽出物の体内
への吸収をより一層促進することができるとともに、3
種類の抽出物による抗炎症作用の相乗効果を顕著に高め
ることができる。特に、親水性有機溶媒抽出物、水抽出
物及び超臨界抽出物のコーティング顆粒のコーティング
比を、それぞれ0.2〜0.4、0.4〜0.6及び
0.05〜0.2となるように構成することによって、
前記各抽出物の体内への吸収及び相乗効果を著しく顕著
に高めることができる。
【0054】すなわち、各抽出物の吸収面においては、
親水性有機溶媒抽出物は疎水性であるため、胃での分散
及び溶解がされ難いことから腸内での吸収は遅くなる傾
向がある。水抽出物は、胃で極めて迅速に溶解及び分散
されることから、腸管内に移行したときには消化液によ
り大幅に希釈された状態となっており、腸管内での吸収
が濃度依存的に行われることから、その吸収率は低い傾
向にあった。このように、3種類の抽出物の吸収時期が
揃わない場合には、充分な相乗効果を発揮することがで
きずに各抽出物単独又は2種類の抽出物の相加的効果が
発揮されるに止まってしまう可能性が高かった。しかし
ながら、前記コーティング比でコーティングされた3種
類の抽出物のコーティング顆粒を含有するプロポリス組
成物顆粒製剤では、体内への吸収時期を適切にコントロ
ールすることができることから、各抽出物の吸収時期を
揃えてそれらの相乗効果を発揮させやすくすることが可
能となる。
【0055】
【実施例】以下、前記実施形態を具体化した実施例及び
比較例について説明する。 (比較例1)ブラジル産プロポリス原塊6kgを粉砕機
((株)石崎電機製作所製のこなどん)で粉砕した後、
95容量%エタノール30リットルを加えて室温で24
時間攪拌抽出した。次に、前記プロポリス粉砕物を含む
抽出液を濾紙(アドバンテック東洋(株)製のNo.
2)で濾過して残渣を除去することによって、プロポリ
スのエタノール抽出液27kg(固形分8.9重量%)
を得た。得られた抽出液をエバポレーターにて20重量
%になるまで減圧濃縮し、エタノール抽出液12kgを
得た。さらにこのエタノール抽出液3kgを減圧で濃縮
乾固してエタノール抽出物600gを得た。このエタノ
ール抽出物を乳鉢で粉砕することによってエタノール抽
出物粉末とした。
【0056】(比較例2)比較例1で得られたエタノー
ル抽出後のプロポリス残渣を固形分換算で2kg計量
し、水20リットルを加えて45℃で5時間攪拌抽出し
た。次に、前記プロポリス残渣を含む抽出液を粗濾過用
布(ポリエステル生糸織物)にて残渣の水気がなくなる
まで粗濾過して粗濾過液19.0kgを得た。この粗濾
過液に珪藻土(中央シリカ(株)製のシリカ100F)
340gを加えて攪拌した後、濾紙(アドバンテック東
洋(株)製のNo.2)を用いて再度濾過することによ
って濾過液18.7kgを得た。この濾過液をエバポレ
ーターにて20重量%になるまで減圧濃縮し、水抽出液
1.1kgを得た。この水抽出液0.6kgを凍結真空
乾燥機を用いて凍結乾燥した。得られた凍結乾燥物を粉
砕することによって水抽出物粉末120gを得た。
【0057】(比較例3)比較例1で得られたエタノー
ル抽出後のプロポリス残渣を固形分換算で1kg計量
し、超臨界流体処理装置(三菱化工機(株)製)で2時
間超臨界流体処理を行った。なおこのとき、超臨界ガス
として二酸化炭素を用い、流量5kg/時間、最高圧力
345気圧(35.0MPa)、温度40℃の条件で抽
出した。抽出物を均一に混合することによって超臨界抽
出物59.3gが得られた。
【0058】(比較例4)ブラジル産プロポリス原塊2
kgを粉砕機(こなどん)で粉砕した後、水20リット
ルを加えて45℃で5時間攪拌抽出した。次に、前記プ
ロポリス粉砕物を含む抽出液を粗濾過用布(ポリエステ
ル生糸織物)にて残渣の水気がなくなるまで粗濾過して
粗濾過液17.0kgを得た。この粗濾過液に珪藻土
(中央シリカ(株)製のシリカ100F)340gを加
えて攪拌した後、濾紙(アドバンテック東洋(株)製の
No.2)を用いて再度濾過することによって濾過液1
6.5kgを得た。この濾過液をエバポレーターにて2
0重量%になるまで減圧濃縮し、水抽出液1.4kgを
得た。この水抽出液0.7kgを凍結真空乾燥機を用い
て凍結乾燥した。得られた凍結乾燥物を粉砕することに
よって水抽出物粉末140gを得た。
【0059】(比較例5)ブラジル産プロポリス原塊1
kgを粉砕機(こなどん)で粉砕した後、超臨界流体処
理装置(三菱化工機(株)製)で2時間超臨界流体処理
を行った。なおこのとき、超臨界ガスとして二酸化炭素
を用い、流量5kg/時間、最高圧力345気圧(3
5.0MPa)、温度40℃の条件で抽出した。抽出物
を均一に混合することによって超臨界抽出物98.3g
が得られた。
【0060】(実施例1)比較例1で得られたエタノー
ル抽出物粉末10.7gと、比較例2で得られた水抽出
物粉末1.3gと、比較例3で得られた超臨界抽出物
1.0gとを混合しプロポリス組成物13.0gを得
た。
【0061】(実施例2)比較例1で得られたエタノー
ル抽出物粉末12.0gと、比較例2で得られた水抽出
物粉末4.5gと、比較例3で得られた超臨界抽出物
1.0gとを混合しプロポリス組成物17.5gを得
た。
【0062】(実施例3)比較例1で得られたエタノー
ル抽出物粉末17.0gと、比較例2で得られた水抽出
物粉末3.0gと、比較例3で得られた超臨界抽出物
1.0gとを混合しプロポリス組成物21.0gを得
た。
【0063】(実施例4)比較例1で得られたエタノー
ル抽出物粉末5.0gと、比較例2で得られた水抽出物
粉末3.0gと、比較例3で得られた超臨界抽出物1.
0gとを混合しプロポリス組成物9.0gを得た。
【0064】(実施例5)比較例1で得られたエタノー
ル抽出物粉末10.7gと、比較例4で得られた水抽出
物粉末1.3gと、比較例5で得られた超臨界抽出物
1.0gとを混合しプロポリス組成物13.0gを得
た。
【0065】(実施例6)比較例1で得られたエタノー
ル抽出物粉末12.0gと、比較例4で得られた水抽出
物粉末4.5gと、比較例5で得られた超臨界抽出物
1.0gとを混合しプロポリス組成物17.5gを得
た。
【0066】<ラジカル捕捉能試験>健康食品製剤及び
美容製剤として重要な生理活性作用である活性酸素消去
作用をラジカル捕捉能試験によって比較した。
【0067】比較例1〜5及び実施例1〜6の各組成物
を無水エタノール中に各々0.001重量%の濃度で溶
解させた試料溶液を調製した。各試料溶液2mlに、6
0μMのDPPH(1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl)
無水エタノール溶液2mlを加えて混合し、DPPHエ
タノール試料溶液を調製した後、室温で20分間反応さ
せた。その後、分光光度計(PERKIN ELMER UV Spectrom
eter Lambda40)を用いて、各DPPHエタノール試
料溶液の波長517nmにおける吸光度を測定した。ま
た、対照として水を用いて同操作を行った後、そのとき
の吸光度を100%として各DPPHエタノール試料溶
液の紫色除去能力(ラジカル捕捉率(%))を計算し
た。なお、このラジカル捕捉率の値が高いほど抗酸化活
性が高いことを示している。結果を表1に示す。
【0068】
【表1】 その結果、3種類の抽出物を含有する実施例1〜6のプ
ロポリス組成物は、比較例1〜5の組成物と比較して、
抗酸化活性が顕著に高いことが確認された。特に、実施
例1〜3のプロポリス組成物の活性酸素消去作用は、実
施例4〜6と比較してより高いことが確認された。
【0069】<ヒアルロニダーゼ阻害活性試験>アレル
ギー発現の機作の一つであるヒアルロニダーゼ作用を阻
害する活性の強さを測定比較することで、抗アレルギー
作用を比較した。
【0070】比較例1〜5及び実施例1〜6の各組成物
を、0.1M酢酸緩衝液(pH3.5)に各々0.00
1〜0.1重量%の各種濃度で溶解させた試料溶液を調
製した。次に、予めヒアルロニダーゼを0.125ml
(1100ユニット(U))ずつ分注し、37℃で20
分間保温しておいた溶液中に前記各試料溶液を加え、さ
らに37℃で20分間加温して反応させた。続いて、ヒ
アルロン酸カリウム(1.5mg/ml)を含む酢酸緩
衝液を加えて37℃で40分間反応させた。反応停止後
に発色させ、各試料(サンプル)の585nmにおける
吸光度を測定し、ヒアルロニダーゼ活性阻害率(%)を
下記数1の算出式により求めた。また、対照として0.
1M酢酸緩衝液を用いて同操作を行い、コントロールと
した。
【0071】
【数1】 さらに、前記各種濃度の試料溶液で算出されたヒアルロ
ニダーゼ活性阻害率の値を用いて、コントロールのヒア
ルロニダーゼ活性を50%阻害する濃度IC50(重量
%)を求めた。結果を上記表1に示す。その結果、3種
類の抽出物を含有する実施例1〜6のプロポリス組成物
は、比較例1〜5の組成物と比較して、ヒアルロニダー
ゼに対して著しく高い阻害効果を有していることが確認
された。特に、実施例1〜3のプロポリス組成物は、実
施例4〜6と比較してより高い効果があることが確認さ
れた。
【0072】<白血球貪食能試験>免疫賦活作用の指標
として白血球貪食能を検討するために、死滅したイース
ト菌に対するラット白血球の貪食能促進効果について試
験を行った。試料としては、比較例1〜3及び実施例1
〜4の組成物をそれぞれ110μg/mlの濃度になる
ようにジメチルスルフォキシド(DMSO)に溶解させ
た試料溶液を使用した。また、陽性対照としてクレスチ
ン粉末(三共製薬(株)製)を用いて同様に対照試料溶
液を調製した。
【0073】まず、Wistar系ラット(体重220g前
後)の腹腔中にグリコーゲンを投与した。4時間後にラ
ットを脱血到死させ、生理食塩水を腹腟内に注入して腹
腔内を洗浄した後、腹腔内に存在する白血球とともに前
記洗浄液を回収した。この洗浄液をリン酸緩衝液(PB
S)で2回洗浄し、セルカウントを行った後、5×10
6個/mlの細胞濃度となるように細胞浮遊液を調製し
た。また、予めイースト死滅菌液YEAST(Bakers yeast)T
ypeII(SIGMA社製)を0.2容量%になるようにPBS
中に懸濁させた後にラット血清0.1mlを加え、12
1℃で15分間オートクレーブ殺菌処理することによっ
てイースト死滅菌溶液を調製した。
【0074】次に、前記細胞浮遊液0.2mlに各試料
溶液を0.04ml加え、室温で10分間インキュベー
トした各反応液に、前記イースト死滅菌溶液0.1ml
を加えて37℃で30分間インキュベートした。冷却
後、95容量%エタノールに塩基性フクシンを1重量%
になるように溶解し、0.45μmのフィルターで濾過
することにより調製したフクシン染色液を0.05ml
加えて染色した。また、対照としてはPBSを用いて同
操作を行った。最後に、前記フクシン染色液で染色され
なかった細胞数(イースト菌を貪食しなかった白血球
数)及びフクシン染色液で染色された細胞数(イースト
菌を貪食した白血球数)をカウントし、白血球貪食率
(%)すなわち全細胞数に対するイースト菌を貪食した
細胞数の割合を求めた。結果を上記表1に示す。
【0075】その結果、3種類の抽出物を含有する実施
例1〜4のプロポリス組成物は、比較例1〜3の組成物
と比較して、高い白血球貪食作用が発揮され、免疫賦活
作用が確認された。特に、実施例1〜3のプロポリス組
成物の白血球貪食能は極めて高いことが確認された。な
お、陽性対照としてのクレスチン粉末の白血球貪食率は
150.4%であった。
【0076】(実施例7)遠心流動型コーティング造粒
装置(フロイント産業(株)製)を用い、回転数200
r.p.m.、80℃の条件下で、精製白糖及びトウモロコシ
デンプンからなる原料顆粒(ノンパレル−101:商標
登録)100gに、比較例1のエタノール抽出液250
gをドライエアーで乾燥しながら徐々に噴霧した。同時
にコーンスターチ210gを徐々に添加し、前記原料顆
粒表面にエタノール抽出物及びコーンスターチを付着さ
せたエタノール抽出物顆粒299gを得た。
【0077】また、同条件にて、同原料顆粒100g
に、比較例2の水抽出液67.5gを品温が50℃を越
えないように、ドライエアーで乾燥しながら徐々に噴霧
した。同時にコーンスターチ12.5gを徐々に添加
し、原料顆粒表面に水抽出物及びコーンスターチを付着
させた水抽出物顆粒113.5gを得た。また、回転数
180r.p.m.、室温下で原料顆粒100gに、60重量
%のコーンスターチ懸濁液37.5gを噴霧しながら、
予め17重量%含有粉末とした比較例3の超臨界抽出物
75g及びコーンスターチ57.5gを徐々に添加し、
乾燥して、超臨界抽出物顆粒223.5gを得た。
【0078】なお、前記超臨界抽出物の粉末化は以下の
ように行った。比較例3の超臨界抽出物25gに卵殻カ
ルシウムを20g混合し、さらにパインフロー55gを
混合して粉末とした後、50gのコーンスターチを混合
し17重量%含有超臨界抽出物粉末150gを作製し
た。最後に、前記エタノール抽出物顆粒77.0g(エ
タノール抽出物として10.7g相当)と、水抽出物顆
粒12.1g(水抽出物として1.3g相当)と、超臨
界抽出物顆粒20g(超臨界抽出物として1g相当)と
を混合してプロポリス組成物顆粒製剤とした。
【0079】(実施例8)実施例7のエタノール抽出物
顆粒75gに、コーティング剤としてコーンスターチ3
2.15gを添加(コーティング)し、エタノール抽出
物のコーティング顆粒107.15gを得た。なお、こ
の顆粒のコーティング比は0.3である。また、実施例
7の水抽出物顆粒50gに、コーティング剤としてコー
ンスターチ50gを添加し、水抽出物のコーティング顆
粒100g(コーティング比は0.5)を得た。また、
実施例7の超臨界抽出物顆粒100gに、コーティング
剤としてコーンスターチ11.2gを添加し、超臨界抽
出物のコーティング顆粒111.2g(コーティング比
は0.10)を得た。最後に、前記エタノール抽出物の
コーティング顆粒110.2g(エタノール抽出物とし
て10.7g相当)と、水抽出物のコーティング顆粒2
4.1g(水抽出物として1.3g相当)と、超臨界抽
出物のコーティング顆粒22.2g(超臨界抽出物とし
て1g相当)とを混合してプロポリス組成物顆粒製剤と
した。
【0080】<浮腫抑制試験>抗炎症作用の指標となる
浮腫抑制作用を検討するために急性炎症モデルラットを
作製し、その炎症抑制効果について試験を行った。ま
ず、Wistar系ラット(体重220g前後)を一日絶食さ
せ、右後股足蹠に1重量%カラゲニン溶液0.1mlを
皮下注射し、4時間後に足の体積を測定した。試料とし
ては、比較例1〜3、実施例1〜4、実施例7及び実施
例8の各組成物を10%アラビアゴム溶液中に溶解さ
せ、プロポリス(抽出物)濃度が20mg/mlになる
ように調整した。各試料溶液をカラゲニン投与の1時間
前、3時間前又は5時間前に、それぞれ200mg/k
g/10mlになるように経口投与した。また、対照と
しては滅菌水を用いた。そして、ラットの足の体積の測
定結果からカラゲニン浮腫抑制率(%)を求めた。結果
を表2に示す。
【0081】
【表2】 その結果、3種類の抽出物を含有する実施例1〜4、実
施例7及び実施例8のプロポリス組成物顆粒製剤は、比
較例1〜3の組成物と比較して、カラゲニン投与3時間
前に投与した群において、急性炎症による浮腫に対して
著しく高い抑制効果が確認された。各抽出物(比較例1
〜3の組成物)はそれぞれ抗炎症作用(浮腫抑制作用)
を発揮するが、3種類の抽出物を混合したプロポリス組
成物(実施例1〜4、実施例7及び実施例8)は相乗的
に高められた抗炎症効果を発揮することが確認された。
さらに、エタノール抽出物の混合比率を高めることによ
りフラボノイド類の含有量を増大させるとともに、補助
的に水抽出物に含まれる有機酸類及び多糖類と超臨界抽
出物に含まれる疎水性の高い物質(油脂成分等)とが加
わることにより、抗炎症作用をより一層顕著に高めるこ
とができる。
【0082】一方、実施例8のプロポリス組成物顆粒製
剤は、実施例7の顆粒製剤よりも高い抑制効果が確認さ
れた。この現象は、エタノール抽出物顆粒及び超臨界抽
出物顆粒がコーティングされることより、それらに含ま
れる有効成分の胃酸への接触が抑制されて凝集が防止さ
れ、腸内で分散されるようになって吸収量が著しく増加
したことによるものと推測される。さらに、水抽出物顆
粒のコーティング比を増加させて分散時期を遅らせるこ
とにより、その有効成分がエタノール抽出物及び超臨界
抽出物の吸収時期とほぼ同時期に吸収されるようにな
り、3種類の抽出物中の有効成分の吸収時期が揃うとと
もに吸収量が増大したことによるものと推測される。従
って、3種類の抽出物中の有効成分による相乗効果が極
めて顕著に発揮されたことによるものと予想される。
【0083】なお、上記各実施形態は、次のように変更
して具体化することも可能である。 ・ プロポリス原塊を用いて先に親水性有機溶媒抽出を
行った後、その残分を水抽出し、さらにその残分を超臨
界抽出するように構成すること。或いは、プロポリス原
塊を用いて先に親水性有機溶媒抽出を行った後、その残
分を超臨界抽出し、さらにその残分を水抽出するように
構成すること。このように構成した場合、原料費節減効
果をさらに効果的に発揮させることができる。
【0084】さらに、前記実施形態より把握できる技術
的思想について以下に記載する。 ・ 前記親水性有機溶媒抽出プロポリス、水抽出プロポ
リス及び超臨界抽出プロポリスの配合割合を、重量比で
2〜15:0.6〜5:1としたことを特徴とする請求
項1から請求項4のいずれかに記載のプロポリス組成
物。
【0085】・ 前記親水性有機溶媒抽出プロポリスの
顆粒をコーティング比0.2〜0.4のコーティング顆
粒とし、前記水抽出プロポリスの顆粒をコーティング比
0.4〜0.6のコーティング顆粒とするとともに、前
記超臨界抽出プロポリスの顆粒をコーティング比0.0
5〜0.2のコーティング顆粒とすることを特徴とする
請求項5に記載のプロポリス組成物顆粒製剤。但し、前
記コーティング比は、コーティング顆粒重量に対するコ
ーティング剤重量の割合を示す。
【0086】・ 前記超臨界抽出プロポリスの顆粒は、
超臨界抽出プロポリス1に対して付着防止剤を重量比で
0.01〜2配合して粉末化したものであることを特徴
とする請求項5に記載のプロポリス組成物顆粒製剤。
【0087】・ 請求項1から請求項4のいずれかに記
載のプロポリス組成物を含有することを特徴とする健康
食品製剤。このように構成した場合、健康食品及び化粧
品として高い効能を発揮することができる健康食品製剤
を効率良く安価に提供することができる。
【0088】・ 請求項1から請求項4のいずれかに記
載のプロポリス組成物を含有することを特徴とする美容
製剤。このように構成した場合、健康食品及び化粧品と
して高い効能を発揮することができる美容製剤を効率良
く安価に提供することができる。
【0089】・ 請求項5に記載のプロポリス組成物顆
粒を含有することを特徴とする健康食品製剤。このよう
に構成した場合、健康食品及び化粧品として高い効能を
発揮することができるとともに、安定性に優れた健康食
品を提供することができる。
【0090】・ 親水性有機溶媒抽出プロポリスと、水
抽出プロポリスと、超臨界抽出プロポリスとを含有する
プロポリス組成物であって、前記水抽出プロポリス及び
超臨界抽出プロポリスから選ばれる少なくとも1種は、
プロポリス原塊を親水性有機溶媒で抽出した後の残渣よ
り抽出されたものであることを特徴とするプロポリス組
成物。このように構成した場合、健康食品及び化粧品素
材として高い効能を発揮することができる。
【0091】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。請求項1から請求項4に
記載の発明のプロポリス組成物、並びに請求項5に記載
のプロポリス組成物顆粒製剤によれば、健康食品及び化
粧品素材として高い効能を発揮することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/04 A61P 31/04 35/00 35/00 37/04 37/04 37/08 37/08 39/06 39/06 43/00 111 43/00 111 (72)発明者 山田 英生 岡山県苫田郡鏡野町市場194番地 株式会 社山田養蜂場内 (72)発明者 徳永 勝彦 岐阜市加納桜田町1丁目1番地 アピ 株 式会社内 (72)発明者 丸山 広恵 岐阜市加納桜田町1丁目1番地 アピ 株 式会社内 (72)発明者 坂本 貴 岐阜市加納桜田町1丁目1番地 アピ 株 式会社内 (72)発明者 三島 敏 岐阜市加納桜田町1丁目1番地 アピ 株 式会社内 Fターム(参考) 4B041 LD06 LE01 LK35 4C076 AA31 BB01 CC04 CC31 EE38H FF26 GG12 4C083 AA071 CC01 4C087 AA01 AA02 BB22 CA03 MA01 MA36 NA05 ZB05 ZB07 ZB11 ZB13 ZB22 ZB26 ZB35 ZC20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性有機溶媒抽出プロポリスと、水抽
    出プロポリスと、超臨界抽出プロポリスとを含有するプ
    ロポリス組成物であって、 超臨界抽出プロポリス1重量部に対して、親水性有機溶
    媒抽出プロポリスを1〜20重量部、及び水抽出プロポ
    リスを0.5〜6重量部含有することを特徴とするプロ
    ポリス組成物。
  2. 【請求項2】 前記水抽出プロポリス及び超臨界抽出プ
    ロポリスから選ばれる少なくとも1種は、プロポリス原
    塊を親水性有機溶媒で抽出した後の残渣より抽出された
    ものであることを特徴とする請求項1に記載のプロポリ
    ス組成物。
  3. 【請求項3】 超臨界抽出プロポリス1重量部に対し
    て、親水性有機溶媒抽出プロポリスを10重量部を越
    え、かつ18重量部以下、及び水抽出プロポリスを1〜
    5重量部含有することを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載のプロポリス組成物。
  4. 【請求項4】 前記親水性有機溶媒抽出プロポリスを粉
    末化した親水性有機溶媒抽出物粉末と、前記水抽出プロ
    ポリスを粉末化した水抽出物粉末と、前記超臨界抽出プ
    ロポリスを粉末化した超臨界抽出物粉末とを含有するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載
    のプロポリス組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    のプロポリス組成物を含有するプロポリス組成物顆粒製
    剤であって、 前記親水性有機溶媒抽出プロポリスを顆粒状に造粒した
    親水性有機溶媒抽出物顆粒と、前記水抽出プロポリスを
    顆粒状に造粒した水抽出物顆粒と、前記超臨界抽出プロ
    ポリスを顆粒状に造粒した超臨界抽出物顆粒とを含有す
    ることを特徴とするプロポリス組成物顆粒製剤。
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