JP2003060265A - スピンバルブ型薄膜素子およびそのスピンバルブ型薄膜素子を備えた薄膜磁気ヘッド - Google Patents
スピンバルブ型薄膜素子およびそのスピンバルブ型薄膜素子を備えた薄膜磁気ヘッドInfo
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Abstract
に電流を印加することによりフリー磁性層の変動磁化の
方向を制御することができ、耐熱性、信頼性に優れ、ア
シンメトリーの小さいスピンバルブ型薄膜素子を提供す
ること。 【解決手段】 基板上に、反強磁性層2と、固定磁性層
3と、前記固定磁性層3に非磁性導電層4を介して形成
されたフリー磁性層5と、ハードバイアス層と、固定磁
性層3と非磁性導電層4とフリー磁性層5に検出電流i
1を与える導電層8と、前記フリー磁性層5の変動磁化
Hf1方向を制御するためのバイアス導電層B11と、
前記導電層8および前記バイアス導電層B11に電流を
供給する電流供給手段15とを少なくとも備えたスピン
バルブ型薄膜素子とする。
Description
磁化方向と外部磁界の影響を受けるフリー磁性層の変動
磁化方向との関係で電気抵抗が変化するスピンバルブ型
薄膜素子およびそのスピンバルブ型薄膜素子を備えた薄
膜磁気ヘッドに関し、とくに、バイアス導電層を備え、
前記バイアス導電層に電流を印加することによりフリー
磁性層の変動磁化方向を制御することができ、耐熱性、
信頼性に優れ、アシンメトリーの小さいスピンバルブ型
薄膜素子およびそのスピンバルブ型薄膜素子を備えた薄
膜磁気ヘッドに関する。
抗効果を示すGMR(Giant Magnetore
sistive)素子の一種であり、ハードディスクな
どの記録媒体から記録磁界を検出するものである。前記
スピンバルブ型薄膜素子は、GMR素子の中で比較的構
造が単純で、しかも、外部磁界に対して抵抗変化率が高
く、弱い磁界で抵抗が変化するなどの優れた点を有して
いる。前記スピンバルブ型薄膜素子には、シングルスピ
ンバルブ型薄膜素子と、デュアルスピンバルブ型薄膜素
子とがある。
の一例を記録媒体との対向面側から見た場合の構造を示
した断面図である。図21に示すスピンバルブ型薄膜素
子は、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層、フリー
磁性層が一層ずつ形成された、いわゆるボトム型のシン
グルスピンバルブ型薄膜素子である。このスピンバルブ
型薄膜素子では、ハードディスクなどの磁気記録媒体の
移動方向は、図示Z方向であり、磁気記録媒体からの洩
れ磁界の方向は、Y方向である。
されたTa(タンタル)などからなる下地層を示してい
る。この下地層10の上には、NiO合金、FeMn合
金、NiMn合金などからなる反強磁性層20が形成さ
れている。さらに、前記反強磁性層20の上には、C
o、NiFe合金などからなる固定磁性層30が形成さ
れている。前記固定磁性層30は、前記反強磁性層20
に接して形成されることにより、前記固定磁性層30と
反強磁性層20との界面にて交換結合磁界(交換異方性
磁界)が発生し、前記固定磁性層30の固定磁化は、例
えば、図示Y方向に固定されている。
形成された非磁性導電層40が形成され、さらに前記非
磁性導電層40の上には、前記固定磁性層30と同様の
材質などからなるフリー磁性層50が形成されている。
図21に示すように下地層10から保護層70までの積
層体の両側には、例えば、Co−Pt(コバルトー白
金)合金で形成されたハードバイアス層60,60が形
成されている。前記ハードバイアス層60,60が図示
X1方向と反対方向に磁化されていることで、前記フリ
ー磁性層50の変動磁化が図示X1方向と反対方向に揃
えられている。これにより、前記フリー磁性層50の変
動磁化と前記固定磁性層30の固定磁化とが交差する関
係となっている。なお、符号70は、Taなどで形成さ
れた保護層を示し、符号80は、Cuなどで形成され、
固定磁性層30と非磁性導電層40とフリー磁性層50
に検出電流を与える導電層を示している。
ディスクなどの記録媒体からの洩れ磁界により、図示X
1方向と反対方向に揃えられた前記フリー磁性層50の
変動磁化が変動すると、図示Y方向に固定された固定磁
性層30の固定磁化との関係で電気抵抗が変化し、この
電気抵抗値の変化に基づく電圧変化により、記録媒体か
らの洩れ磁界が検出される。
フリー磁性層50の変動磁化と固定磁性層30の固定磁
化との関係は、耐熱性、信頼性に優れ、アシンメトリー
の小さいものとするため、90度に近いほど好ましい。
しかしながら、このスピンバルブ型薄膜素子では、フリ
ー磁性層50の変動磁化の方向が、固定磁性層30の静
磁結合磁界や前記検出電流の電流磁界により傾いて、9
0度になり難いという不都合があった。
30の静磁結合磁界Hp4の方向と前記検出電流i4の
電流磁界Hi4の方向とが同じ方向(アシスト方向)で
ある場合、フリー磁性層50の変動磁化Hf10は、前
記静磁結合磁界Hp4および前記電流磁界Hi4の方
向、すなわち前記静磁結合磁界Hp4と前記電流磁界H
i4との合成磁化モーメントの方向に傾いて、変動磁化
Hf11とされる。
磁性層30の静磁結合磁界Hp5の方向と前記検出電流
i5の電流磁界Hi5の方向とが異なる方向(アゲイン
スト方向)であり、前記静磁結合磁界Hp5が前記電流
磁界Hi5よりも大きい場合、フリー磁性層50の変動
磁化Hf20は、前記静磁結合磁界Hp5の方向、すな
わち前記静磁結合磁界Hp5と前記電流磁界Hi5との
合成磁化モーメントの方向に傾いて、変動磁化Hf21
とされる。
に、固定磁性層30の静磁結合磁界Hp6の方向と前記
検出電流i6の電流磁界Hi6の方向とが異なる方向
(アゲインスト方向)であり、前記静磁結合磁界Hp6
が前記電流磁界Hi6よりも小さい場合、フリー磁性層
50の変動磁化Hf30は、前記電流磁界Hi6の方
向、すなわち前記静磁結合磁界Hp6と前記電流磁界H
i6との合成磁化モーメントの方向に傾いて、変動磁化
Hf31とされる。
磁性層50の変動磁化の方向が傾くと、フリー磁性層5
0の変動磁化の方向と固定磁性層30の固定磁化の方向
とが90度にならないため、耐熱性や信頼性が十分に得
られないことや、アシンメトリーが大きくなり、記録媒
体からの信号の処理が不正確になることが問題となって
いた。
の他の例を記録媒体との対向面側から見た場合の構造を
示した断面図である。このスピンバルブ型薄膜素子は、
フリー磁性層を中心として、その上下に非磁性導電層、
固定磁性層、反強磁性層が1層ずつ形成された、いわゆ
るデュアルスピンバルブ型薄膜素子である。このデュア
ルスピンバルブ型薄膜素子では、フリー磁性層/非磁性
導電層/固定磁性層の3層の組合わせが2組存在するた
め、図21に示したシングルスピンバルブ型薄膜素子と
比べて、大きな抵抗変化率を期待でき、高密度記録化に
対応できるものとなっている。このスピンバルブ型薄膜
素子では、ハードディスクなどの磁気記録媒体の移動方
向は、図示Z方向であり、磁気記録媒体からの洩れ磁界
の方向は、Y方向である。
下から下地層41、反強磁性層42、固定磁性層(下)
43、非磁性導電層44、フリー磁性層45、非磁性導
電層46、固定磁性層47(上)、反強磁性層48、保
護層49の順で積層されている。なお、図25に示すよ
うに下地層41から保護層49までの積層体の両側に
は、ハードバイアス層32、32と導電層33、33が
形成されている。このスピンバルブ型薄膜素子において
は、下地層41、反強磁性層42、48、固定磁性層4
3、47、非磁性導電層44、46、フリー磁性層4
5、ハードバイアス層32、導電層33、保護層49
は、図21〜図24に示すシングルスピンバルブ型薄膜
素子と同様の材質などで形成されている。
記固定磁性層43、47は、前記反強磁性層42、48
と接して形成されることにより、前記固定磁性層43、
47と反強磁性層42、48との界面にて交換結合磁界
(交換異方性磁界)が発生し、前記固定磁性層43、4
7の固定磁化は、例えば、図示Y方向に固定されてい
る。また、前記ハードバイアス層32、32が図示X1
方向と反対方向に磁化されていることで、前記フリー磁
性層45の変動磁化が図示X1方向と反対方向に揃えら
れている。これにより、前記フリー磁性層45の変動磁
化と前記固定磁性層43、47の固定磁化とが交差する
関係となっている。
ディスクなどの記録媒体からの洩れ磁界により、図示X
1方向と反対方向に揃えられた前記フリー磁性層45の
変動磁化が変動すると、図示Y方向に固定された固定磁
性層43、47の固定磁化との関係で電気抵抗が変化
し、この電気抵抗値の変化に基づく電圧変化により、記
録媒体からの洩れ磁界が検出される。
ても、フリー磁性層45の変動磁化と固定磁性層43、
47の固定磁化との関係は、耐熱性、信頼性に優れ、ア
シンメトリーの小さいものとするため、90度に近いほ
ど好ましい。
薄膜素子においては、図26に示すように、フリー磁性
層45の変動磁化Hf40の方向は、固定磁性層43、
47の静磁結合磁界Hp40、Hp50により、前記静
磁結合磁界Hp40、Hp50の方向に傾いて、変動磁
化Hf41とされるという不都合があった。すなわち、
このスピンバルブ型薄膜素子では、検出電流i40、i
50の電流磁界Hi40、Hi50は、図26に示すよ
うに、フリー磁性層45の変動磁化Hf40に対してそ
れぞれ反対の方向に作用し、互いに打ち消し合うため、
フリー磁性層45の変動磁化Hf40の方向に影響を与
えにくいが、固定磁性層43、47の静磁結合磁界Hp
40、Hp50は、フリー磁性層45の変動磁化Hf4
0に対して同じ方向に作用し、フリー磁性層45の変動
磁化Hf40の方向に影響を与える。その結果、フリー
磁性層45の変動磁化Hf40の方向は、前記静磁結合
磁界Hp40、Hp50と前記電流磁界Hi40、Hi
50との合成磁化モーメントの方向、すなわち前記静磁
結合磁界Hp40、Hp50の方向に傾いて、変動磁化
Hf41とされる。
変動磁化Hf41の方向が傾くと、フリー磁性層45の
変動磁化Hf41の方向と固定磁性層43、47の固定
磁化の方向とが90度にならないため、シングルスピン
バルブ型薄膜素子の場合と同様に、耐熱性や信頼性が十
分に得られないことや、アシンメトリーが大きくなり、
記録媒体からの信号の処理が不正確になることが問題と
なっていた。
を制御する方法としては、前記検出電流を調節して電流
磁界の強さを制御し、固定磁性層の前記静磁結合磁界と
前記電流磁界との合成磁化モーメントの方向を変化させ
ることによって行う方法がある。しかしながら、この方
法は、検出電流を調節して電流磁界の強さを制御するた
め、制御できる範囲が狭く、フリー磁性層の変動磁化の
方向の傾きを制御するには不十分であった。
0の静磁結合磁界Hp4の方向と前記検出電流i4の電
流磁界Hi4の方向とが同じ方向(アシスト方向)であ
るスピンバルブ型薄膜素子のフリー磁性層50の変動磁
化Hf10の方向を制御することは困難であった。さら
に、図23に示すような、固定磁性層30の静磁結合磁
界Hp5の方向と前記検出電流i5の電流磁界Hi5の
方向とが異なる方向(アゲインスト方向)であり、前記
静磁結合磁界Hp5が前記電流磁界Hi5よりも大きい
スピンバルブ型薄膜素子のフリー磁性層50の変動磁化
Hf20の方向を制御することも困難であった。さらに
また、図26に示すような、検出電流i40、i50の
電流磁界Hi40、Hi50がフリー磁性層45の変動
磁化Hf40に対してそれぞれ反対の方向に働き、互い
に打ち消し合うデュアルスピンバルブ型薄膜素子のフリ
ー磁性層45の変動磁化Hf40の方向を制御すること
も困難であった。
鑑みてなされたもので、このような問題を解決し、バイ
アス導電層を備え、前記バイアス導電層に電流を印加す
ることによりフリー磁性層の変動磁化の方向を制御する
ことができ、耐熱性、信頼性に優れ、アシンメトリーの
小さいスピンバルブ型薄膜素子を提供することを課題と
している。さらに、このスピンバルブ型薄膜素子を備え
た薄膜磁気ヘッドを提供することを課題としている。
に、本発明のスピンバルブ型薄膜素子は、基板上に、反
強磁性層と、この反強磁性層と接して形成され、前記反
強磁性層との交換結合磁界により固定磁化方向が固定さ
れる固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性導電層を介
して形成されたフリー磁性層と、前記フリー磁性層の変
動磁化方向を前記固定磁性層の固定磁化方向と交差する
方向に揃えるためのハードバイアス層と、固定磁性層と
非磁性導電層とフリー磁性層に検出電流を与える導電層
と、前記フリー磁性層の変動磁化方向を制御するための
バイアス導電層と、前記導電層および前記バイアス導電
層に電流を供給する電流供給手段とを少なくとも備え、
前記バイアス導電層と前記固定磁性層の間に前記反強磁
性層が形成されてなることを特徴とする。
リー磁性層の変動磁化方向を制御するためのバイアス導
電層を備えたものであるので、前記バイアス導電層に電
流を印加することにより、フリー磁性層の変動磁化の方
向を制御することができる。すなわち、フリー磁性層の
変動磁化の方向に影響を与える固定磁性層の静磁結合磁
界や前記検出電流の電流磁界を、前記バイアス導電層の
電流磁界により打ち消して、フリー磁性層の変動磁化の
方向を制御することができるため、耐熱性、信頼性が良
好で、アシンメトリーの小さい優れたスピンバルブ型薄
膜素子とすることができる。ここでのアシンメトリーと
は、再生出力波形の非対称性の度合いを示すものであ
り、図27に示す再生出力波形が与えられた場合、アシ
ンメトリーをAsym、マイナス出力をTAA−、プラ
ス出力をTAA+としたとき、以下の数式(i)によっ
て定義される。 Asym(%)={(TAA+)−(TAA−)}/
{(TAA+)+(TAA−)}×100 したがって、アシンメトリーが0に近づくほど再生出力
波形が対称性に優れていることになる。前記アシンメト
リーは、フリー磁性層の変動磁化の方向と固定磁性層の
固定磁化の方向とが直交しているとき0となる。アシン
メトリーが大きくずれるとメディアからの情報の読みと
りが正確にできなくなり、エラーの原因となる。このた
め、前記アシンメトリーが小さいものほど、再生信号処
理の信頼性が向上することとなり、スピンバルブ型薄膜
素子として優れたものとなる。
いては、前記フリー磁性層の厚さ方向両側に、各々非磁
性導電層と固定磁性層と反強磁性層とが形成されたデュ
アル構造とされてなるものとしてもよい。このようなス
ピンバルブ型薄膜素子とすることで、フリー磁性層/非
磁性導電層/固定磁性層の3層の組み合わせを2組有す
るものとなり、シングルスピンバルブ型薄膜素子と比較
して、大きな△MR(抵抗変化率)が得られ、高密度記
録化に対応できるものとすることができる。
おいては、前記バイアス導電層に電流を印加して、フリ
ー磁性層の変動磁化に作用する前記固定磁性層の静磁結
合磁界と前記検出電流の電流磁界との合成磁化モーメン
トの方向と、反対方向の電流磁界が形成されてなるもの
とすることが望ましい。このようなスピンバルブ型薄膜
素子とすることで、フリー磁性層の変動磁化の方向に影
響を与える前記静磁結合磁界と前記電流磁界との合成磁
化モーメントを、前記合成磁化モーメントと反対方向と
なるように形成された前記バイアス導電層の電流磁界に
より打ち消して、フリー磁性層の変動磁化の方向を所望
の方向に補正することができる。
子においては、フリー磁性層の変動磁化に作用する前記
固定磁性層の静磁結合磁界の方向と、フリー磁性層の変
動磁化に作用する前記検出電流の電流磁界の方向とが同
じ方向であるとき、前記バイアス導電層に電流を印加し
て、前記検出電流の電流磁界の方向と反対方向の電流磁
界が形成されてなるものとすることが望ましい。このよ
うなスピンバルブ型薄膜素子とすることで、フリー磁性
層の変動磁化の方向に影響を与える固定磁性層の静磁結
合磁界や前記検出電流の電流磁界を、前記静磁結合磁界
や前記電流磁界と反対方向となるように形成された前記
バイアス導電層の電流磁界により打ち消して、フリー磁
性層の変動磁化の方向を所望の方向に補正することがで
きる。
ンバルブ型薄膜素子においては、前記バイアス導電層に
電流を印加して、フリー磁性層の変動磁化に作用する前
記固定磁性層の静磁結合磁界の方向と反対方向の電流磁
界が形成されてなるものとすることが望ましい。このよ
うなスピンバルブ型薄膜素子とすることで、フリー磁性
層の変動磁化の方向に影響を与える固定磁性層の静磁結
合磁界を、前記静磁結合磁界と反対方向となるように形
成された前記バイアス導電層の電流磁界により打ち消し
て、フリー磁性層の変動磁化の方向を所望の方向に補正
することができる。
いては、前記バイアス導電層と前記反強磁性層との間
に、絶縁層が形成されてなるものとしてもよい。このよ
うなスピンバルブ型薄膜素子とすることで、シャントロ
スの発生を防ぐことができる。
子においては、前記バイアス導電層と前記導電層とが、
直列に接続されていることが望ましい。このようなスピ
ンバルブ型薄膜素子とすることで、導電層に印加される
電流とバイアス導電層に印加される電流とを一つの電流
供給手段から供給することができ、前記電流供給手段を
別に設ける手間が少なく、容易に製造することができる
スピンバルブ型薄膜素子を得ることができる。
いては、前記バイアス導電層と前記導電層とが、別々の
電流供給手段に接続されているものとしてもよい。この
ようなスピンバルブ型薄膜素子とした場合、バイアス導
電層に、前記検出電流と同じ方向の電流を印加する場合
でも反対方向の電流を印加する場合でも、前記バイアス
導電層と前記電流供給手段とを接続する際の手間などに
差が生じない。したがって、前記バイアス導電層に印加
される電流の方向を、前記検出電流の方向に係わらず、
自由に設定することができる。さらに、前記検出電流の
大きさに影響を与えることなく、前記バイアス導電層の
電流の大きさを自由に調節することができるため、固定
磁性層の静磁結合磁界や前記検出電流の電流磁界による
フリー磁性層の変動磁化の方向の傾きを、十分に制御す
ることが可能である制御しうる範囲の広いスピンバルブ
型薄膜素子を得ることができる。
いては、前記バイアス導電層は、W、Cu、Cr、Au
のいずれか1種からなることが望ましい。
ルブ型薄膜素子が備えられてなることを特徴とする薄膜
磁気ヘッドによって解決できる。このような薄膜磁気へ
ッドとすることで、耐熱性、信頼性に優れ、アシンメト
リーの小さい薄膜磁気へッドとすることができる。
膜素子の実施形態について、図面を参照して詳しく説明
する。 [本発明の基本形態]図1は、本発明の概念を説明する
ための基本形態であるスピンバルブ型薄膜素子を記録媒
体との対向面側から見た場合の構造を示した断面図であ
り、図2は、図1に示したスピンバルブ型磁気素子の固
定磁性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電
層の磁化方向を示した模式図である。本発明のスピンバ
ルブ型薄膜素子が従来のスピンバルブ型薄膜素子と異な
るところは、バイアス導電層が設けられているところで
ある。本発明の第1の実施形態のスピンバルブ型薄膜素
子は、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層、フリー
磁性層が一層ずつ形成されたボトム型のシングルスピン
バルブ型薄膜素子の一種である。このスピンバルブ型薄
膜素子では、ハードディスクなどの磁気記録媒体の移動
方向は、図示Z方向であり、磁気記録媒体からの洩れ磁
界の方向は、Y方向である。
られ、例えば、Ta(タンタル)などで形成された下地
層を示している。この下地層1の上には、反強磁性層2
が形成され、さらに前記反強磁性層2の上には、固定磁
性層3が形成されている。この固定磁性層3の上には、
非磁性導電層4が形成され、さらに、前記非磁性導電層
4の上には、フリー磁性層5が形成されている。前記フ
リー磁性層5の上には、バイアス導電層B11が設けら
れ、前記バイアス導電層B11の上には、Taなどで形
成された保護層7が形成されている。また、符号6、6
は、ハードバイアス層を、符号8、8は、導電層を、符
号15は、電流供給手段を示している。さらに、本発明
の基本形態のスピンバルブ型薄膜素子では、図2に示す
ように、導電層8にバイアス導電層B11が直列に接続
され、電流供給手段15から導電層8を介して、他の層
よりも抵抗の低い非磁性導電層4とバイアス導電層B1
1とに優先的に同じ方向の電流が供給されるようになっ
ている。
子において、前記反強磁性層2は、通常、300Å程度
の厚さとされ、PtMn合金で形成されることが好まし
い。PtMn合金は、従来から反強磁性層2として使用
されているNiMn合金やFeMn合金などに比べて耐
食性に優れ、しかもブロッキング温度が高く、交換結合
磁界(交換異方性磁界)も大きい。また、前記PtMn
合金に代えて、X−Mn(ただし、Xは、Pd、Ru、
Ir、Rh、Osのうちから選択される1種の元素を示
す。)の式で示される合金、あるいは、X’−Pt−M
n(ただし、X’は、Pd、Ru、Ir、Rh、Os、
Au、Ag、Cr、Ni、Ar、Ne、Xe、Krのう
ちから選択される1種または2種以上の元素を示す。)
の式で示される合金で形成されていてもよい。
nの式で示される合金において、PtあるいはXが37
〜63原子%の範囲であることが望ましい。より好まし
くは、47〜57原子%の範囲である。さらにまた、
X’−Pt−Mnの式で示される合金において、X’+
Ptが37〜63原子%の範囲であることが望ましい。
より好ましくは、47〜57原子%の範囲である。さら
に、前記X’−Pt−Mnの式で示される合金として
は、X’が0.2〜10原子%の範囲であることが望ま
しい。ただし、X’がPd、Ru、Ir、Rh、Osの
1種以上の場合は、X’は0.2〜40原子%の範囲で
あることが望ましい。前記反強磁性層2として、上記し
た適正な組成範囲の合金を使用し、これをアニール処理
することで、大きな交換結合磁界を発生する反強磁性層
2を得ることができる。とくに、PtMn合金であれ
ば、800(Oe)を越える交換結合磁界を有し、前記
交換結合磁界を失うブロッキング温度が380℃と極め
て高い優れた反強磁性層2を得ることができる。
なり、例えば、Co、NiFe合金、CoNiFe合
金、CoFe合金、CoNi合金などで形成され、40
Å程度の厚さとされることが好ましい。また、前記非磁
性導電層4は、Cu、Cr、Au、Agなどに代表され
る非磁性体からなり、通常、20〜40Å程度の厚さに
形成されている。
の厚さとされ、前記固定磁性層3と同様の材質などで形
成されることが好ましい。非磁性導電層4を固定磁性層
3とフリー磁性層5とで挟む構造の巨大磁気抵抗効果発
生機構では、固定磁性層3とフリー磁性層5とを同種の
材質で構成する方が、異種の材質で構成するよりも、伝
導電子のスピン依存散乱以外の因子が生じる可能性が低
く、より高い磁気抵抗効果を得ることが可能である。
00Å程度の厚さとされ、Co−Pt合金などで形成さ
れることが好ましい。また、Co−Pt合金以外に、C
o−Cr−Pt合金やCo−Cr−Ta(コバルト−ク
ロム−タンタル)合金で形成してもよい。また、導電層
8、8は、例えば、W、Cu、Cr、Ta、Auなどで
形成されることが好ましい。さらに、前記バイアス導電
層B11は、前記導電層8、8と同様の材質などで形成
されることが好ましい。
ては、前記反強磁性層2が、固定磁性層3に接して形成
され、磁場中でアニール(熱処理)を施すことにより、
反強磁性層2と固定磁性層3との界面にて、交換結合磁
界(交換異方性磁界)が発生し、例えば、図1に示すよ
うに、固定磁性層3の固定磁化P1が図示Y方向に固定
されている。
1は、前記ハードバイアス層6,6が、図示X1方向と
反対方向に磁化されていることで、図1および図2に示
すように、図示X1方向と反対方向に揃えられている。
そして、前記フリー磁性層5の変動磁化Hfと、前記固
定磁性層3の固定磁化P1とが直交する関係とされてい
る。
前記導電層8、8からフリー磁性層5、非磁性導電層
4、固定磁性層3に検出電流i1が与えられる。そし
て、図2に示すように、固定磁性層3の静磁結合磁界H
p1の方向と検出電流i1の電流磁界Hi1の方向と
が、フリー磁性層5の変動磁化Hf1に対して、同じ方
向(アシスト方向)となっている。
れる前記検出電流i1と同じ方向(図示X1と反対方
向)の電流Bi2の電流磁界BHi2は、図2に示すよ
うに、フリー磁性層5の変動磁化Hf1に対して、固定
磁性層3の静磁結合磁界Hp1および検出電流i1の電
流磁界Hi1の方向と反対方向となっている。フリー磁
性層5の変動磁化Hf1に作用するバイアス導電層B1
1からの電流磁界BHi2は、前記変動磁化Hf1に作
用する前記静磁結合磁界Hp1と前記電流磁界Hi1と
の合成磁気モーメントと同等程度の大きさとされること
が好ましい。また、バイアス導電層B11からの電流磁
界BHi2の大きさは、バイアス導電層B11の膜厚を
変化させて抵抗を変えることによって変化する電流Bi
2の強さによって調節されることが好ましい。
出電流i1およびバイアス導電層B11に与えられる電
流Bi2として、適した電流を供給することができれば
どのような電流供給手段でもよく、特に限定されない。
記録媒体から図1および図2に示す図示Y方向に磁界が
与えられると、フリー磁性層5の変動磁化は、図示X1
方向と反対方向からY方向に変動する。このときの非磁
性導電層4とフリー磁性層5との界面、および非磁性導
電層4と固定磁性層3との界面で、スピンに依存した伝
導電子の散乱が起こることにより、電気抵抗が変化し、
記録媒体からの洩れ磁界が検出される。
するには、まず、下から下地層1、反強磁性層2、固定
磁性層3、非磁性導電層4、フリー磁性層5、バイアス
導電層B11、保護層7を成膜し、成膜後の工程におい
て、アニール(熱処理)を施す。ここでのアニールは、
190〜290℃程度の温度で行うことが好ましい。前
記温度を190℃未満とした場合、反強磁性層2を形成
するX−Mnの式で示される合金あるいはX’ーPt−
Mnの式で示される合金の規則化に支障をきたすため好
ましくない。一方、290℃を越える温度とした場合、
反強磁性層2以外の層に悪影響を与える恐れが生じる。
ついで、保護層7上にリフトオフレジストを形成し、前
記リフトオフレジストに覆われていない部分をイオンミ
リングにより除去し、積層体とする。続いて、記録媒体
との対向面側から見た前記積層体の両側に、ハードバイ
アス層6、6、導電層8、8を順次成膜し、前記リフト
オフレジストを除去する。さらに、電流供給手段15と
導電層8とを電気的に接続するとともに、前記導電層8
とバイアス導電層B11とを、前記導電層8からの検出
電流i1の方向と、バイアス導電層B11に与えられる
電流Bi2の方向とが同じ方向となるように接続する方
法によって得られる。
記フリー磁性層5の変動磁化Hf1の方向を制御するた
めのバイアス導電層B11を備えたものであるので、前
記バイアス導電層B11に電流Bi2を印加することに
より、フリー磁性層5の変動磁化Hf1の方向を制御す
ることができる。
と、固定磁性層3の静磁結合磁界Hp1、検出電流i1
の電流磁界Hi1、前記バイアス導電層B11からの電
流磁界BHi2との関係について詳しく説明する。フリ
ー磁性層5の変動磁化Hf1の方向は、記録媒体からの
洩れ磁界の他に、固定磁性層3の静磁結合磁界Hp1
と、検出電流i1の電流磁界Hi1と、前記バイアス導
電層B11に与えられる電流Bi2の電流磁界BHi2
により変動する。
電流i1の電流磁界Hi1は、フリー磁性層5の変動磁
化Hf1を、前記静磁結合磁界Hp1と前記電流磁界H
i1との合成磁気モーメントの方向(図示Y方向と反対
方向)に向けて、図2において符号Hfaで示す方向に
傾けようと作用する。一方、バイアス導電層B11から
の電流磁界BHi2は、フリー磁性層5の変動磁化Hf
1を、前記静磁結合磁界Hp1および前記電流磁界Hi
1の方向と反対方向(図示Y方向)に向けようと作用す
る。このため、フリー磁性層5の変動磁化Hf1に作用
する前記静磁結合磁界Hp1と前記電流磁界Hi1との
合成磁気モーメントは、バイアス導電層B11からの電
流磁界BHi2によって打ち消される。したがって、フ
リー磁性層5の変動磁化Hf1は、前記静磁結合磁界H
p1と前記検出電流i1の電流磁界Hi1との合成磁気
モーメントの方向に傾かず、図示X1方向と反対方向に
揃えられる。
電流Bi2を印加することにより、固定磁性層3の静磁
結合磁界Hp1と検出電流i1の電流磁界Hi1との合
成磁気モーメントと反対方向の電流磁界BHi2を形成
し、これによりフリー磁性層5の変動磁化Hf1に作用
する前記合成磁気モーメントを打ち消して、フリー磁性
層5の変動磁化Hf1の方向を制御することができる。
したがって、フリー磁性層5の変動磁化Hf1の方向
を、固定磁性層3の固定磁化P1の方向と直交する方向
に揃えることができ、耐熱性、信頼性が良好で、アシン
メトリーの小さい優れたスピンバルブ型薄膜素子とする
ことができる。
に作用するバイアス導電層B11からの電流磁界BHi
2を、前記静磁結合磁界Hp1と前記検出電流i1の電
流磁界Hi1との合成磁気モーメントと同等程度の大き
さとすることで、フリー磁性層5の変動磁化Hf1に作
用する前記合成磁気モーメントを十分に打ち消すことが
できるとともに、バイアス導電層B11からの電流磁界
BHi2が必要以上に大きくなり、変動磁化Hf1を前
記電流磁界BHi2の方向に傾けてしまうことを防止す
ることができる。したがって、フリー磁性層5の変動磁
化Hf1の方向を、より確実にかつ簡単に固定磁性層3
の固定磁化P1の方向と直交する方向に揃えることがで
きる。
界BHi2の大きさを、バイアス導電層B11に与えら
れる電流Bi2の強さや、バイアス層B11の膜厚を変
えて抵抗を変化させることにより電流Bi2の大きさを
調節することで、前記電流磁界BHi2とフリー磁性層
5の変動磁化Hf1に作用する前記合成磁気モーメント
とを、容易に同等程度の大きさとすることができる。こ
のため、フリー磁性層5の変動磁化Hf1を、容易に制
御することができ、前記変動磁化Hf1の方向と固定磁
性層3の固定磁化P1の方向とを、簡単に直交する方向
に揃えることができる。
膜素子では、前記バイアス導電層B11と前記導電層8
とが直列に接続されているので、導電層8に印加される
電流、すなわち検出電流i1となる電流と、バイアス導
電層B11に印加される電流Bi2とを、一つの電流供
給手段15から供給することができ、別々の電流供給手
段15から供給されるもの比較して、前記電流供給手段
15を設ける手間が少なく、容易に製造することができ
るとともに、小型のスピンバルブ型薄膜素子を得ること
ができる。
される合金またはX’−Pt−Mnの式で示される合金
を用いたスピンバルブ型薄膜素子とすることで、前記反
強磁性層2に従来から使用されているNiO合金、Fe
Mn合金、NiMn合金などを用いたものと比較して、
交換結合磁界が大きく、またブロッキング温度が高く、
さらに耐食性に優れているなどの優れた特性を有するス
ピンバルブ型薄膜素子とすることができる。
はX’−Pt−Mnの式で示される合金のXまたはX’
+Ptを37〜63原子%の好ましい範囲であるものと
することで、より一層良好な交換結合磁界を得ることが
でき、耐食性に優れたものが得られ、抵抗変化率をより
向上させることができる。
子においては、上述したように、非磁性導電層4の厚さ
方向上下に、固定磁性層3とフリー磁性層5をそれぞれ
単層構造として設けたが、これらを複数構造としてもよ
い。
磁性導電層4と固定磁性層3とフリー磁性層5との界面
で生じる伝導電子のスピン依存散乱によるものである。
Cuなどからなる前記非磁性導電層4に対し、スピン依
存散乱が大きな組み合わせとして、Co層が例示でき
る。このため、固定磁性層3をCo以外の材料で形成し
た場合、固定磁性層3の非磁性導電層4側の部分を図1
の2点鎖線で示すように薄いCo層3aで形成すること
が好ましい。また、フリー磁性層5をCo以外の材料で
形成した場合も固定磁性層3の場合と同様に、フリー磁
性層5の非磁性導電層4側の部分を図1の2点鎖線で示
すように薄いCo層5aで形成することが好ましい。
の実施形態のスピンバルブ型薄膜素子を記録媒体との対
向面側から見た場合の構造を示した断面図であり、図4
は、図3に示したスピンバルブ型薄膜素子の固定磁性層
と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電層の磁化
方向を示した模式図である。本発明の第1の実施形態の
スピンバルブ型薄膜素子が上述した基本形態のスピンバ
ルブ型薄膜素子と異なるところは、図3および図4に示
すように、バイアス導電層B12が、反強磁性層2の固
定磁性層3と反対側の面に絶縁層G1を介して形成され
ているところである。即ち、バイアス導電層B12と固
定磁性層3の間に反強磁性層2が形成されている。前記
絶縁層G1は、例えば、アルミナ、Al2O3、Si
O2、AlNなどで形成されることが好ましい。
薄膜素子では、図4に示すように、導電層8とバイアス
導電層B12とが導体12Bによって直列に接続され、
電流供給手段15から導電層8を介して、非磁性導電層
4とバイアス導電層B12とに180度反対方向の電流
が供給されるようになっている。
ても、前記フリー磁性層5の変動磁化Hf1の方向を制
御するためのバイアス導電層B12を備えたものである
ので、前記バイアス導電層B12に電流Bi3を印加す
ることにより、フリー磁性層5の変動磁化Hf1の方向
を制御することができる。すなわち、前記バイアス導電
層B12に電流Bi3を印加することにより、図1およ
び図2に示す基本形態のスピンバルブ型薄膜素子と同様
に、固定磁性層3の静磁結合磁界Hp1と検出電流i1
の電流磁界Hi1との合成磁気モーメントと反対方向の
電流磁界BHi3を形成し、これによりフリー磁性層5
の変動磁化Hf1に作用する前記合成磁気モーメントを
打ち消して、前記変動磁化Hf1の方向を制御すること
ができる。したがって、フリー磁性層5の変動磁化Hf
1を、固定磁性層3の固定磁化P1の方向と直交する方
向に揃えることができる。
子においては、前記反強磁性層2とバイアス導電層B1
2との間に絶縁層G1が設けられているので、シャント
ロスの発生を防ぐことができる優れたスピンバルブ型薄
膜素子とすることができる。
となる第1の参考形態のスピンバルブ型磁気素子の固定
磁性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電層
の磁化方向を示した模式図である。本実施形態のスピン
バルブ型薄膜素子が上述した基本形態のスピンバルブ型
薄膜素子と異なるところは、図5に示すように、バイア
ス導電層B13とフリー磁性層5との間に絶縁層G2が
設けられているところである。
は、図5に示すように、導電層8とバイアス導電層B1
2とが導体12Cによって直列に接続され、電流供給手
段15から導電層8を介して、非磁性導電層4とバイア
ス導電層B12とに同じ方向の電流が供給されるように
なっている。
ても、前記フリー磁性層5の変動磁化Hf1の方向を制
御するためのバイアス導電層B13を備えたものである
ので、前記バイアス導電層B13に電流Bi4を印加す
ることにより、フリー磁性層5の変動磁化Hf1の方向
を制御することができる。すなわち、前記バイアス導電
層B13に電流Bi4を印加することにより、図4に示
す第1の実施形態のスピンバルブ型薄膜素子と同様に、
固定磁性層3の静磁結合磁界Hp1と検出電流i1の電
流磁界Hi1との合成磁気モーメントと反対方向の電流
磁界BHi4を形成し、これによりフリー磁性層5の変
動磁化Hf1に作用する前記合成磁気モーメントを打ち
消して、前記変動磁化Hf1の方向を制御することがで
きる。したがって、フリー磁性層5の変動磁化Hf1
を、固定磁性層3の固定磁化P1の方向と直交する方向
に揃えることができる。
子においては、バイアス導電層B13とフリー磁性層5
との間に絶縁層G2が設けられているので、シャントロ
スが発生しない優れたスピンバルブ型薄膜素子とするこ
とができる。
る第2の実施形態のスピンバルブ型磁気素子の固定磁性
層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電層の磁
化方向を示した模式図である。本発明の第4の実施形態
のスピンバルブ型薄膜素子は、図1〜図5に示したスピ
ンバルブ型薄膜素子と、固定磁性層3の固定磁化P1の
方向を逆にして形成したボトム型のシングルスピンバル
ブ型薄膜素子である。第2の実施形態のスピンバルブ型
薄膜素子においては、図6に示すように、反強磁性層2
の下に、前記反強磁性層2と接してバイアス導電層B2
0が設けられている。即ち、バイアス導電層B20と固
定磁性層4の間に反強磁性層2が形成されている。
薄膜素子では、図6に示すように、導電層8とバイアス
導電層B20とが直列に接続され、電流供給手段15か
ら導電層8を介して、他の層よりも抵抗の低い非磁性導
電層4とバイアス導電層B20とに優先的に同じ方向の
電流が供給されるようになっている。
図6に示すように、フリー磁性層5に作用する固定磁性
層13の静磁結合磁界Hp2の方向と検出電流i2の電
流磁界Hi2の方向とが、フリー磁性層5の変動磁化H
f2に対して、異なる方向(アゲインスト方向)となっ
ている。そして、前記静磁結合磁界Hp2が、前記電流
磁界Hi2よりも大きくなっている。
れる前記検出電流i2と同じ方向(図示X1方向と反対
方向)の電流Bi5の電流磁界BHi5は、図6に示す
ように、フリー磁性層5の変動磁化Hf2に対して、固
定磁性層13の静磁結合磁界Hp2の方向と反対方向と
なっている。フリー磁性層5の変動磁化Hf2に与えら
れるバイアス導電層B20からの電流磁界BHi5は、
前記変動磁化Hf2に作用する前記静磁結合磁界Hp2
と前記検出電流i2の電流磁界Hi2との合成磁気モー
メントと同等程度の大きさとされることが好ましい。ま
た、バイアス導電層B20からの電流磁界BHi5の大
きさは、バイアス導電層B20に与えられる電流Bi5
の強さや、バイアス導電層B20の膜厚を変化させて抵
抗を変えることにより電流Bi5を調節することによっ
て調節されることが好ましい。
記フリー磁性層5の変動磁化Hf2の方向を制御するた
めのバイアス導電層B20を備えたものであるので、前
記バイアス導電層B20に電流Bi5を印加することに
より、フリー磁性層5の変動磁化Hf2の方向を制御す
ることができる。
と、固定磁性層13の静磁結合磁界Hp2、検出電流i
2の電流磁界Hi2、前記バイアス導電層B20からの
電流磁界BHi5との関係について詳しく説明する。フ
リー磁性層5の変動磁化Hf2の方向は、記録媒体から
の洩れ磁界の他に、固定磁性層13の静磁結合磁界Hp
2と、検出電流i2の電流磁界Hi2と、前記バイアス
導電層B20に与えられる電流Bi5の電流磁界BHi
5により変動する。
フリー磁性層5の変動磁化Hf2を、前記静磁結合磁界
Hp2の方向(図示Y方向)に向けて、図6において符
号Hfbで示す方向に傾けようと作用する。また、検出
電流i2の電流磁界Hi2は、フリー磁性層5の変動磁
化Hf2を、前記静磁結合磁界Hp2と反対の方向(図
示Y方向と反対方向)に傾けようと作用する。図6に示
すスピンバルブ型薄膜素子では、前記静磁結合磁界Hp
2が、前記電流磁界Hi2よりも大きくなっている。し
たがって、前記静磁結合磁界Hp2と前記電流磁界Hi
2との合成磁気モーメントは、フリー磁性層5の変動磁
化Hf2を、前記合成磁気モーメントの方向、すなわち
前記静磁結合磁界Hp2の方向(図示Y方向)に向け
て、符号Hfbで示す方向に傾けようと作用する。
界BHi5は、フリー磁性層5の変動磁化Hf2を、前
記合成磁気モーメントの方向と反対方向(図示Y方向と
反対方向)に向けようと作用する。このため、フリー磁
性層5の変動磁化Hf2に作用する前記静磁結合磁界H
p2と前記電流磁界Hi2との合成磁気モーメントは、
バイアス導電層B20からの電流磁界BHi5によって
打ち消される。したがって、変動磁化Hf2は、前記静
磁結合磁界Hp2と前記検出電流i2の電流磁界Hi2
との合成磁気モーメントの方向に傾かず、図示X1方向
と反対方向に揃えられる。
電流Bi5を印加することにより、固定磁性層13の静
磁結合磁界Hp2と検出電流i2の電流磁界Hi2との
合成磁気モーメントと反対方向の電流磁界BHi5を形
成し、これによりフリー磁性層5の変動磁化Hf2に作
用する前記合成磁気モーメントを打ち消して、前記変動
磁化Hf2の方向を制御することができる。したがっ
て、フリー磁性層5の変動磁化Hf2を、固定磁性層1
3の固定磁化P2の方向と直交する方向に揃えることが
でき、耐熱性、信頼性が良好で、アシンメトリーの小さ
い優れたスピンバルブ型薄膜素子とすることができる。
磁性層2と接して形成されてなるスピンバルブ型薄膜素
子とすることで、バイアス導電層B20に電流を供給す
るための専用導電層を設ける必要がないため、容易に製
造することができる。
る第3の実施形態のスピンバルブ型磁気素子の固定磁性
層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電層の磁
化方向を示した模式図である。本発明の第3の実施形態
のスピンバルブ型薄膜素子が上述した第2の実施形態の
スピンバルブ型薄膜素子と異なるところは、図7に示す
ように、反強磁性層2とバイアス導電層B22との間に
絶縁層G3が設けられているところである。
薄膜素子では、図7に示すように、導電層8とバイアス
導電層B22とが導体12Eによって直列に接続され、
電流供給手段15から導電層8を介して、非磁性導電層
4とバイアス導電層B22とに同じ方向の電流が供給さ
れるようになっている。
ても、前記フリー磁性層5の変動磁化Hf2の方向を制
御するためのバイアス導電層B22を備えたものである
ので、前記バイアス導電層B22に電流Bi7を印加す
ることにより、フリー磁性層5の変動磁化Hf2の方向
を制御することができる。すなわち、前記バイアス導電
層B22に電流Bi7を印加することにより、図6に示
す第2の実施形態のスピンバルブ型薄膜素子と同様に、
固定磁性層13の静磁結合磁界Hp2と検出電流i2の
電流磁界Hi2との合成磁気モーメントと反対方向の電
流磁界BHi7を形成し、これによりフリー磁性層5の
変動磁化Hf2に作用する前記合成磁気モーメントを打
ち消して、前記変動磁化Hf2の方向を制御することが
できる。したがって、フリー磁性層5の変動磁化Hf2
を、固定磁性層13の固定磁化P2の方向と直交する方
向に揃えることができる。
子においては、前記反強磁性層2とバイアス導電層B2
2との間に絶縁層G3が設けられているので、シャント
ロスの発生を防ぐことができる優れたスピンバルブ型薄
膜素子とすることができる。
る第2の参考形態のスピンバルブ型磁気素子の固定磁性
層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電層の磁
化方向を示した模式図である。本発明の第2の参考形態
のスピンバルブ型薄膜素子が上述した第2の実施形態の
スピンバルブ型薄膜素子と異なるところは、図8に示す
ように、バイアス導電層B23が、フリー磁性層5の非
磁性導電層4と反対側の面に絶縁層G4を介して接形成
されているところである。
は、図8に示すように、導電層8とバイアス導電層B1
2とが導体12Fによって直列に接続され、電流供給手
段15から導電層8を介して、非磁性導電層4とバイア
ス導電層B23とに180度反対方向の電流が供給され
るようになっている。
ても、前記フリー磁性層5の変動磁化Hf2の方向を制
御するためのバイアス導電層B23を備えたものである
ので、前記バイアス導電層B23に電流Bi8を印加す
ることにより、フリー磁性層5の変動磁化Hf2の方向
を制御することができる。すなわち、前記バイアス導電
層B23に電流Bi8を印加することにより、図8に示
す本実施形態のスピンバルブ型薄膜素子と同様に、固定
磁性層13の静磁結合磁界Hp2と検出電流i2の電流
磁界Hi2との合成磁気モーメントと反対方向の電流磁
界BHi8を形成し、これによりフリー磁性層5の変動
磁化Hf2に作用する前記合成磁気モーメントを打ち消
して、前記変動磁化Hf2の方向を制御することができ
る。したがって、フリー磁性層5の変動磁化Hf2を、
固定磁性層13の固定磁化P2の方向と直交する方向に
揃えることができる。
子においては、バイアス導電層B23とフリー磁性層5
との間に絶縁層G4が設けられているので、シャントロ
スを防ぐことができる。
る第3の参考形態のスピンバルブ型磁気素子の固定磁性
層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電層の磁
化方向を示した模式図である。本発明の第3の参考形態
のスピンバルブ型薄膜素子は、上記の第2、第3の実施
形態及び第2の参考形態と同様に、図1〜図5に示した
スピンバルブ型薄膜素子と、固定磁性層3の固定磁化P
1の方向を逆にして形成したボトム型のシングルスピン
バルブ型薄膜素子である。本実施形態のスピンバルブ型
薄膜素子が、上記の第1の実施形態のスピンバルブ型磁
気素子と異なるところは、固定磁性層23の静磁結合磁
界Hp3が、検出電流i3の電流磁界Hi3よりも小さ
いところである。
は、図9に示すように、導電層8とバイアス導電層B3
1とが直列に接続され、電流供給手段15から導電層8
を介して、非磁性導電層4とバイアス導電層B31とに
同じ方向の電流が供給されるようになっている。
図9に示すように、フリー磁性層5に作用する固定磁性
層23の静磁結合磁界Hp3の方向と検出電流i3の電
流磁界Hi3の方向とが、フリー磁性層5の変動磁化H
f3に対して、異なる方向(アゲインスト方向)となっ
ている。そして、前記静磁結合磁界Hp3が、前記電流
磁界Hi3よりも小さくなっている。
れる前記検出電流i3と同じ方向(図示X1方向と反対
方向)の電流Bi10の電流磁界BHi10は、図9に
示すように、フリー磁性層5の変動磁化Hf3に対し
て、検出電流i3の電流磁界Hi3と反対方向となって
いる。フリー磁性層5の変動磁化Hf3に与えられるバ
イアス導電層B31からの電流磁界BHi10は、前記
変動磁化Hf3に作用する前記静磁結合磁界Hp3と前
記検出電流i3の電流磁界Hi3との合成磁気モーメン
トと同等程度の大きさとされることが好ましい。また、
バイアス導電層B31からの電流磁界BHi10の大き
さは、バイアス導電層B31に与えられる電流Bi10
の強さ、または、バイアス導電層B31の膜厚を変化さ
せて抵抗を変えることにより変化する電流Bi10の強
さによって調節されることが好ましい。
記フリー磁性層5の変動磁化Hf3の方向を制御するた
めのバイアス導電層B31を備えたものであるので、前
記バイアス導電層B31に電流Bi10を印加すること
により、フリー磁性層5の変動磁化Hf3の方向を制御
することができる。
と、固定磁性層23の静磁結合磁界Hp3、検出電流i
3の電流磁界Hi3、前記バイアス導電層B31からの
電流磁界BHi10との関係について詳しく説明する。
フリー磁性層5の変動磁化Hf3の方向は、記録媒体か
らの洩れ磁界の他に、固定磁性層23の静磁結合磁界H
p3と、検出電流i3の電流磁界Hi3と、前記バイア
ス導電層B31に与えられる電流Bi10の電流磁界B
Hi10により変動する。
磁性層5の変動磁化Hf3を、前記電流磁界Hi3の方
向(図示Y方向と反対方向)に向けて、図9において符
号Hfcで示す方向に傾けようと作用する。また、固定
磁性層23の静磁結合磁界Hp3は、前記変動磁化Hf
3を、前記検出電流i3の電流磁界Hi3と反対の方向
(図示Y方向)に傾けようと作用する。図9に示すスピ
ンバルブ型薄膜素子では、前記静磁結合磁界Hp3が、
前記検出電流i3の電流磁界Hi3よりも小さくなって
いる。したがって、前記静磁結合磁界Hp3と前記電流
磁界Hi3の合成磁気モーメントは、フリー磁性層5の
変動磁化Hf3を、前記合成磁気モーメントの方向、す
なわち前記電流磁界Hi3の方向(図示Y方向と反対方
向)に向けて、符号Hfcで示す方向に傾けようと作用
する。
界BHi10は、フリー磁性層5の変動磁化Hf3を、
前記静磁結合磁界Hp3と前記検出電流i3の電流磁界
Hi3との合成磁気モーメントの方向と反対方向(図示
Y方向)に向けようと作用する。このため、フリー磁性
層5の変動磁化Hf3に作用する前記合成磁気モーメン
トは、バイアス導電層B31からの電流磁界BHi10
によって打ち消される。したがって、フリー磁性層5の
変動磁化Hf3は、前記合成磁気モーメントの方向に傾
かず、図示X1方向と反対方向に揃えられる。
電流Bi10を印加することにより、固定磁性層23の
静磁結合磁界Hp3と検出電流i3の電流磁界Hi3と
の合成磁気モーメントと反対方向の電流磁界BHi10
を形成し、これによりフリー磁性層5の変動磁化Hf3
に作用する前記合成磁気モーメントを打ち消して、前記
変動磁化Hf3の方向を制御することができる。したが
って、フリー磁性層5の変動磁化Hf3を、固定磁性層
23の固定磁化P3の方向と直交する方向に揃えること
ができ、耐熱性、信頼性が良好で、アシンメトリーの小
さい優れたスピンバルブ型薄膜素子とすることができ
る。
ける第4の参考形態のスピンバルブ型磁気素子の固定磁
性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電層の
磁化方向を示した模式図である。本実施形態のスピンバ
ルブ型薄膜素子が上述した第3の参考の実施形態のスピ
ンバルブ型薄膜素子と異なるところは、図10に示すよ
うに、バイアス導電層B32が、反強磁性層2の固定磁
性層23と反対側の面に絶縁層G5を介して形成されて
いるところである。
は、図10に示すように、導電層8とバイアス導電層B
32とが導体12Hによって直列に接続され、電流供給
手段15から導電層8を介して、非磁性導電層4とバイ
アス導電層B32とに同じ方向の電流が供給されるよう
になっている。
いても、前記フリー磁性層5の変動磁化Hf3の方向を
制御するためのバイアス導電層B32を備えたものであ
るので、前記バイアス導電層B32に電流Bi11を印
加することにより、フリー磁性層5の変動磁化Hf3の
方向を制御することができる。すなわち、前記バイアス
導電層B32に電流Bi11を印加することにより、図
9に示す第7の実施形態のスピンバルブ型薄膜素子と同
様に、固定磁性層23の静磁結合磁界Hp3と検出電流
i3の電流磁界Hi3との合成磁気モーメントと反対方
向の電流磁界BHi11を形成し、これによりフリー磁
性層5の変動磁化Hf3に作用する前記合成磁気モーメ
ントを打ち消して、前記変動磁化Hf3の方向を制御す
ることができる。したがって、フリー磁性層5の変動磁
化Hf3を、固定磁性層23の固定磁化P3の方向と直
交する方向に揃えることができる。
素子においては、前記反強磁性層2とバイアス導電層B
32との間に絶縁層G5が設けられているので、シャン
トロスの発生を防ぐことができる優れたスピンバルブ型
薄膜素子とすることができる。
ける第5の参考形態のスピンバルブ型磁気素子の固定磁
性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電層の
磁化方向を示した模式図である。本実施形態のスピンバ
ルブ型薄膜素子が上述した第3の参考形態のスピンバル
ブ型薄膜素子と異なるところは、図11に示すように、
バイアス導電層B33とフリー磁性層5との間に絶縁層
G6が設けられているところである。
は、図11に示すように、導電層8とバイアス導電層B
33とが導体12Iによって直列に接続され、電流供給
手段15から導電層8を介して、非磁性導電層4とバイ
アス導電層B33とに同じ方向の電流が供給されるよう
になっている。
いても、前記フリー磁性層5の変動磁化Hf3の方向を
制御するためのバイアス導電層B33を備えたものであ
るので、前記バイアス導電層B33に電流Bi12を印
加することにより、フリー磁性層5の変動磁化Hf3の
方向を制御することができる。すなわち、前記バイアス
導電層B33に電流Bi12を印加することにより、図
9に示す第3の参考形態のスピンバルブ型薄膜素子と同
様に、固定磁性層23の静磁結合磁界Hp3と検出電流
i3の電流磁界Hi3との合成磁気モーメントと反対方
向の電流磁界BHi12を形成し、これによりフリー磁
性層5の変動磁化Hf3に作用する前記合成磁気モーメ
ントを打ち消して、前記変動磁化Hf3の方向を制御す
ることができる。したがって、フリー磁性層5の変動磁
化Hf3を、固定磁性層23の固定磁化P3の方向と直
交する方向に揃えることができる。
素子においては、バイアス導電層B33とフリー磁性層
5との間に絶縁層G6が設けられているので、シャント
ロスを防ぐことができる。
ける第4の実施形態のスピンバルブ型磁気素子の固定磁
性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電層の
磁化方向を示した模式図である。本発明の第4の実施形
態のスピンバルブ型薄膜素子が、図4に示す第1の実施
形態のスピンバルブ型薄膜素子と異なるところは、導電
層8からの検出電流i4とバイアス導電層B60に印加
される電流Bi13とが、別々の電流供給手段16、1
7から供給されているところである。
前記フリー磁性層5の変動磁化Hf1の方向を制御する
ためのバイアス導電層B60を備えたものであるので、
前記バイアス導電層B60に電流Bi13を印加するこ
とにより、フリー磁性層5の変動磁化Hf1の方向を制
御することができる。すなわち、前記バイアス導電層B
60に電流Bi13を印加することにより、図4に示す
第1の実施形態のスピンバルブ型薄膜素子と同様に、固
定磁性層3の静磁結合磁界Hp1と検出電流i4の電流
磁界Hi4との合成磁気モーメントと反対方向の電流磁
界BHi13を形成し、これによりフリー磁性層5の変
動磁化Hf1に作用する前記合成磁気モーメントを打ち
消して、前記変動磁化Hf1の方向を制御することがで
きる。したがって、フリー磁性層5の変動磁化Hf1
を、固定磁性層3の固定磁化P1の方向と直交する方向
に揃えることができる。
ては、前記バイアス導電層B60に印可される電流Bi
13と検出電流Hi4とが、別々の電流供給手段16、
17から供給されているので、バイアス導電層B60
に、前記検出電流Hi4と同じ方向の電流を印加する場
合でも反対方向の電流を印加する場合でも、前記バイア
ス導電層B60と前記電流供給手段17とを接続する際
の手間などに差が生じない。したがって、前記バイアス
導電層B60に印加される電流の方向を、前記検出電流
Hi4の方向に係わらず、自由に設定することができ
る。さらに、前記検出電流Hi4の大きさに影響を与え
ることなく、前記バイアス導電層B60の電流Bi13
の大きさを自由に調節することができるため、固定磁性
層3の静磁結合磁界Hp1や前記検出電流i4の電流磁
界Hi4によるフリー磁性層5の変動磁化Hf1の方向
の傾きを、十分に制御することが可能である制御しうる
範囲の広いスピンバルブ型薄膜素子を得ることができ
る。
明の概念を説明するための別の基本形態であるのトップ
型スピンバルブ型薄膜素子を記録媒体との対向面側から
見た場合の構造の例を示した断面図である。この別の基
本形態のトップ型スピンバルブ型薄膜素子は、図1に示
した最初の基本形態のスピンバルブ型薄膜素子の膜構成
を逆にして形成したトップ型のシングルスピンバルブ型
薄膜素子の一種である。ただし、固定磁性層の磁化方向
が図1に示すスピンバルブ型薄膜素子と逆方向となって
いる。このスピンバルブ型薄膜素子では、ハードディス
クなどの磁気記録媒体の移動方向は、図示Z方向であ
り、磁気記録媒体からの洩れ磁界の方向は、Y方向であ
る。
に設けられている下地層を示している。この下地層12
1の上には、バイアス導電層B40が形成され、前記バ
イアス導電層B40の上には、フリー磁性層125が形
成され、さらに前記フリー磁性層125の上には、非磁
性導電層124が形成されている。この非磁性導電層1
24の上には、固定磁性層123が形成され、前記固定
磁性層123の上には、反強磁性層122が形成されて
いる。さらに、前記反強磁性層122の上には、保護層
127が形成されている。また、符号126、126
は、ハードバイアス層を、符号128、128は、導電
層を、符号15は、電流供給手段を示している。さら
に、この別の基本形態のスピンバルブ型薄膜素子では、
導電層128とバイアス導電層B40とが導体によって
電気的に直列に接続されていることが望ましい。また、
固定磁性層123の磁化方向は、Y方向と反対方向に固
定されている。
子では、下地層121、バイアス導電層B40、フリー
磁性層125、非磁性導電層124、固定磁性層12
3、ハードバイアス層126、126、保護層127、
導電層128、128の構成材料は、上述した最初の基
本形態のスピンバルブ型薄膜素子と同等とされる。ま
た、反強磁性層122の構成材料も、上述した最初の基
本形態のスピンバルブ型薄膜素子と同様とされるが、良
好な交換結合磁界が得られる好ましい組成範囲が若干異
なる。
−Mnの式で示される合金において、Mnは37〜63
原子%の範囲とすることが好ましく、500(Oe)以
上の交換結合磁界が得られる42〜47原子%の範囲と
することがより好ましい。また、X’ーPt−Mnの式
で示される合金においても、Mnは37〜63原子%の
範囲とすることが好ましく、500(Oe)以上の交換
結合磁界が得られる42〜47原子%の範囲とすること
がより好ましい。
子においても、前記フリー磁性層125の変動磁化の方
向を制御するためのバイアス導電層B40を備えたもの
であるので、前記バイアス導電層B40に電流を印加す
ることにより、フリー磁性層125の変動磁化の方向を
制御することができる。
固定磁性層123の固定磁化の方向がY方向と反対方向
に形成され、固定磁性層123の静磁結合磁界の方向と
前記検出電流の電流磁界の方向とが同じ方向(アシスト
方向)となっている場合、前記バイアス導電層B40に
前記検出電流と同一方向の電流を印加することにより、
前記静磁結合磁界および前記検出電流の電流磁界の方向
と反対方向の電流磁界を形成する。
流を印加することにより、固定磁性層123の静磁結合
磁界と検出電流の電流磁界との合成磁気モーメントと反
対方向の電流磁界を形成し、これによりフリー磁性層1
25の変動磁化に作用する前記合成磁気モーメントを打
ち消して、前記変動磁化の方向を制御することができ
る。したがって、フリー磁性層125の変動磁化を、固
定磁性層123の固定磁化の方向と直交する方向に揃え
ることができ、耐熱性、信頼性が良好で、アシンメトリ
ーの小さい優れたスピンバルブ型薄膜素子とすることが
できる。
ルブ型薄膜素子は、最初の基本形態の模式図を矢印A方
向、すなわち背面方向から見て、かつZ方向に平行な上
下を逆にした状態に等しくなる。すなわち、基板の上に
フリー磁性層、非磁性導電層、固定磁性層、反強磁性層
の順に形成したトップ型のスピンバルブ型薄膜素子の模
式図は、基板の上に反強磁性層、固定磁性層、非磁性導
電層、フリー磁性層の順に形成したボトム型のスピンバ
ルブ型薄膜素子の模式図を背面方向から見て、かつZ方
向に平行な上下を逆にした状態に等しくなるものであ
る。
B40とフリー磁性層125との間に絶縁層は形成され
ていないが、第1の参考形態の図5に示す模式図を矢印
A方向、すなわち背面方向から見て、かつZ方向に平行
な上下を逆にした状態にして、フリー磁性層とバイアス
導電層との間に絶縁層を形成してもよいし、また、第1
の実施形態の図4に示す模式図を矢印A方向、すなわち
背面方向から見て、かつZ方向に平行な上下を逆にした
状態にして、バイアス導電層をフリー磁性層の側ではな
く、反強磁性層の側に形成し、バイアス導電層と反強磁
性層との間に絶縁層を形成してもよい。
薄膜素子において、固定磁性層123の静磁結合磁界の
方向と前記検出電流の電流磁界の方向とが異なる方向
(アゲインスト方向)であり、前記静磁結合磁界が前記
電流磁界よりも大きい場合には、前記バイアス導電層B
40に前記検出電流と同じ方向の電流を印加することに
より、前記静磁結合磁界の方向と反対方向の電流磁界を
形成する。
ブ型薄膜素子の模式図は、ボトム型のシングルスピンバ
ルブ型薄膜素子の第2の実施形態の図6に示す模式図、
第3の実施形態の図7に示す模式図、第2の参考形態の
図8に示す模式図を、矢印A方向、すなわち背面方向か
ら見て、かつZ方向に平行な上下を逆にした状態に等し
いものである。
合磁界の方向と前記検出電流の電流磁界の方向とが異な
る方向(アゲインスト方向)であり、前記静磁結合磁界
が前記電流磁界よりも小さい場合、前記バイアス導電層
B40に前記検出電流と180度反対方向の電流を印加
することにより、前記電流磁界の方向と反対方向の電流
磁界を形成する。
ブ型薄膜素子の模式図は、ボトム型のシングルスピンバ
ルブ型薄膜素子の第3の参考形態の図9に示す模式図、
第4の参考形態の図10に示す模式図、第5の参考形態
の図11に示す模式図を、矢印A方向、すなわち背面方
向から見て、かつZ方向に平行な上下を逆にした状態に
等しいものである。
流を印加することにより、固定磁性層123の静磁結合
磁界と検出電流の電流磁界との合成磁気モーメントと反
対方向の電流磁界を形成し、これによりフリー磁性層1
25の変動磁化に作用する前記合成磁気モーメントを打
ち消して、前記変動磁化の方向を制御することができ
る。したがって、フリー磁性層125の変動磁化を、固
定磁性層123の固定磁化の方向と直交する方向に揃え
ることができ、耐熱性、信頼性が良好で、アシンメトリ
ーの小さい優れたスピンバルブ型薄膜素子とすることが
できる。
型薄膜素子においては、反強磁性層122またはフリー
磁性層125とバイアス導電層B40との間に絶縁層を
設けることにより、シャントロスの発生を防ぐことがで
きる優れたスピンバルブ型薄膜素子とすることができ
る。
バルブ型薄膜素子においては、前記バイアス導電層B4
0と前記導電層128とが、直列に接続されている場
合、導電層128に印加される電流とバイアス導電層B
40に印加される電流とを、一つの電流供給手段15か
ら供給することができ、前記電流供給手段15を設ける
手間が少なく、容易に製造することができるスピンバル
ブ型薄膜素子を得ることができる。
型薄膜素子においては、図12に示すように、前記バイ
アス導電層B40を、反強磁性層122の固定磁性層1
23と反対側の面に形成したが、フリー磁性層125の
非磁性導電層124と反対側の面に形成してもよい。即
ち、バイアス導電層B40と固定磁性層123の間に反
強磁性層122を形成しても良い。
バルブ型薄膜素子においては、前記バイアス導電層B4
0に検出電流と同じ方向の電流を印加する場合には、バ
イアス導電層B40と反強磁性層2とが接して形成され
てなるスピンバルブ型薄膜素子としてもよい。このよう
なスピンバルブ型薄膜素子とすることで、バイアス導電
層に電流を供給するための専用導電層を形成する必要が
ないため、容易に製造することができる。
グルスピンバルブ型薄膜素子では、前記バイアス導電層
B40を、フリー磁性層125の非磁性導電層124と
反対側の面に形成した場合、バイアス導電層B40とフ
リー磁性層125との間に絶縁層が設けられていてもよ
い。バイアス導電層B40とフリー磁性層125との間
に絶縁層を設けることで、直列または別回路とすること
ができ、シャントロスを防ぐことができる。
グルスピンバルブ型薄膜素子においては、前記バイアス
導電層B40と前記導電層128とが、別々の電流供給
手段に接続されているものとしてもよい。
場合、バイアス導電層B40に、前記検出電流と同じ方
向の電流を印加する場合でも反対方向の電流を印加する
場合でも、バイアス導電層B40と前記電流供給手段と
を接続する際の手間などに差が生じない。したがって、
前記バイアス導電層B40に印加される電流の方向を、
前記検出電流の方向に係わらず、自由に設定することが
できる。さらに、前記検出電流の大きさに影響を与える
ことなく、前記バイアス導電層B40の電流の大きさを
自由に調節することができるため、固定磁性層123の
静磁結合磁界や前記検出電流の電流磁界によるフリー磁
性層125の変動磁化の方向の傾きを、十分に制御する
ことが可能である制御しうる範囲の広いスピンバルブ型
薄膜素子を得ることができる。
5の実施形態のスピンバルブ型薄膜素子を記録媒体との
対向面側から見た場合の構造を示した断面図である。本
実施形態のスピンバルブ型薄膜素子は、フリー磁性層を
中心として、その上下に非磁性導電層、固定磁性層、反
強磁性層が1層ずつ形成された、いわゆるデュアルスピ
ンバルブ型薄膜素子である。このスピンバルブ型薄膜素
子では、ハードディスクなどの磁気記録媒体の移動方向
は、図示Z方向であり、磁気記録媒体からの洩れ磁界の
方向は、Y方向である。
基板K上に設けられ、下から下地層141、反強磁性層
142、固定磁性層(下)143、非磁性導電層14
4、フリー磁性層145、非磁性導電層146、固定磁
性層147(上)、反強磁性層148、バイアス導電層
B50、保護層149の順で積層されている。なお、図
13に示すように下地層141から保護層149までの
積層体の両側には、ハードバイアス層132、132と
導電層133、133が形成されている。また、符号1
5は、電流供給手段を示している。
素子では、図14に示すように、導電層133とバイア
ス導電層B50とが直列に接続され、電流供給手段15
から導電層133を介して、他の層よりも抵抗の低い非
磁性導電層146とバイアス導電層B50とに優先的に
同じ方向の電流が供給されるようになっている。
は、下地層141、フリー磁性層145、非磁性導電層
144、146、固定磁性層143、147、バイアス
導電層B50、反強磁性層142、148、ハードバイ
アス層132、保護層149、導電層133は、上述し
た実施形態のシングルスピンバルブ型薄膜素子と同様の
材質などで形成されている。
記固定磁性層143、147は、前記反強磁性層14
2、148と接して形成されることにより、前記固定磁
性層143、147と反強磁性層142、148との界
面にて交換結合磁界(交換異方性磁界)が発生し、前記
固定磁性層143、147の固定磁化は、例えば、図示
Y方向に固定されている。
2が図示X1方向と反対方向に磁化されていることで、
前記フリー磁性層145の変動磁化が図示X1方向と反
対方向に揃えられている。これにより、図13および図
14に示すように、前記フリー磁性層145の変動磁化
HF4と前記固定磁性層143、147の固定磁化P
4、P5とが直交する関係となっている。
図14に示すように、固定磁性層143の静磁結合磁界
Hp20と固定磁性層147の静磁結合磁界Hp10の
方向とは、フリー磁性層145の変動磁化Hf4に対し
て、同じ方向(図示Y方向と反対方向)となっている。
また、検出電流i10、i20は、図示X1方向と反対
方向とされている。そして、検出電流i10の電流磁界
Hi10と検出電流i20の電流磁界Hi20の方向と
は、フリー磁性層145の変動磁化Hf4に対して、異
なる方向となっている。
れる図示X1方向と反対方向の電流Bi14の電流磁界
BHi14は、図14に示すように、フリー磁性層14
5の変動磁化Hf4に対して、固定磁性層143および
固定磁性層147の静磁結合磁界Hp10、Hp20の
方向と反対方向(図示Y方向)となっている。前記フリ
ー磁性層145の変動磁化Hf4に作用するバイアス導
電層B50からの電流磁界BHi14は、前記変動磁化
Hf4に作用する固定磁性層143の静磁結合磁界Hp
20と固定磁性層147の静磁結合磁界Hp10との合
成磁気モーメントと同等程度の大きさとされることが好
ましい。また、バイアス導電層B50からの電流磁界B
Hi14の大きさは、バイアス導電層B50に与えられ
る電流Bi14の強さによって調節されることが好まし
い。
前記バイアス導電層B50に与えられる電流Bi14と
は、図14に示すように、直列に接続され、1つの電流
供給手段15から供給されている。本実施形態のスピン
バルブ型薄膜素子では、導体12Jおよび電流供給手段
15は、上述した実施形態のスピンバルブ型薄膜素子と
同様の導体および電流供給手段などが好ましく使用され
る。
ハードディスクなどの記録媒体からの洩れ磁界により、
図示X1方向と反対方向に揃えられた前記フリー磁性層
45の変動磁化Hf4が変動すると、図示Y方向に固定
された固定磁性層143、147の固定磁化P4、P5
との関係で電気抵抗が変化し、この電気抵抗値の変化に
基づく電圧変化により、記録媒体からの洩れ磁界が検出
される。
記フリー磁性層145の変動磁化Hf4の方向を制御す
るためのバイアス導電層B50を備えたものであるの
で、前記バイアス導電層B50に電流Bi14を印加す
ることにより、フリー磁性層145の変動磁化Hf4の
方向を制御することができる。
4と、固定磁性層143、147の静磁結合磁界Hp1
0、Hp20、検出電流i10、i20の電流磁界Hi
10、Hi20、前記バイアス導電層B50からの電流
磁界BHi14との関係について詳しく説明する。フリ
ー磁性層145の変動磁化Hf4の方向は、記録媒体か
らの洩れ磁界の他に、固定磁性層143、147の静磁
結合磁界Hp10、Hp20と、検出電流i10、i2
0の電流磁界Hi10、Hi20と、前記バイアス導電
層B50からの電流磁界BHi14により変動する。
および固定磁性層147の静磁結合磁界Hp10は、フ
リー磁性層145の変動磁化Hf4を、前記静磁結合磁
界Hp10および前記静磁結合磁界Hp20の方向(図
示Y方向と反対方向)に向けて、図14において符号H
fdで示す方向に傾けようと作用する。また、検出電流
i10の電流磁界Hi10と検出電流i20の電流磁界
Hi20は、フリー磁性層145の変動磁化Hf4に対
して、それぞれ反対の方向に作用し、互いに打ち消し合
う。このため、フリー磁性層145の変動磁化Hf4の
方向に影響を与えないとみなされる。
界BHi14は、フリー磁性層145の変動磁化Hf4
を、前記静磁結合磁界Hp10、Hp20の方向と反対
方向(図示Y方向)に向けようと作用する。このため、
フリー磁性層145の変動磁化Hf4に作用する前記静
磁結合磁界Hp10、Hp20、すなわち静磁結合磁界
Hp10と静磁結合磁界Hp20の合成磁気モーメント
は、バイアス導電層B50からの電流磁界BHi14に
よって打ち消される。したがって、フリー磁性層145
の変動磁化Hf4は、前記静磁結合磁界Hp10、Hp
20の方向に傾かず、図示X1方向と反対方向に揃えら
れる。
電流Bi14を印加することにより、固定磁性層143
の静磁結合磁界Hp20と固定磁性層147の静磁結合
磁界Hp10との合成磁気モーメントと反対方向の電流
磁界BHi14を形成し、これによりフリー磁性層14
5の変動磁化Hf4に作用する前記静磁結合磁界Hp1
0、Hp20を打ち消して、前記変動磁化Hf4の方向
を制御することができる。したがって、フリー磁性層1
45の変動磁化Hf4を、固定磁性層143、147の
固定磁化P4、P5の方向と直交する方向に揃えること
ができ、耐熱性、信頼性が良好で、アシンメトリーの小
さい優れたスピンバルブ型薄膜素子とすることができ
る。
f4に作用するバイアス導電層B50からの電流磁界B
Hi14を、前記変動磁化Hf4に作用する静磁結合磁
界Hp10と静磁結合磁界Hp20との合成磁気モーメ
ントと同等程度の大きさとすることで、フリー磁性層1
45の変動磁化Hf4に作用する前記合成磁気モーメン
トを十分に打ち消すことができるとともに、バイアス導
電層B50からの電流磁界BHi14が必要以上に大き
くなり、フリー磁性層145の変動磁化Hf4を、バイ
アス導電層B50からの電流磁界BHi14の方向に傾
けてしまうことを防止することができる。したがって、
フリー磁性層145の変動磁化Hf4と固定磁性層14
3、147の固定磁化P4、P5の方向とを、より確実
にかつ簡単に直交する方向に揃えることができる。
界BHi14の大きさを、バイアス導電層B50に与え
られる電流Bi14の強さによって調節することで、バ
イアス導電層B50からの電流磁界BHi14とフリー
磁性層145の変動磁化Hf4に作用する前記合成磁気
モーメントとを、容易に同等程度の大きさとすることが
できる。このため、フリー磁性層145の変動磁化Hf
4を、容易に制御することができ、フリー磁性層145
の変動磁化Hf4と固定磁性層143、147の固定磁
化P4、P5の方向とを、簡単に直交する方向に揃える
ことができる。
膜素子では、前記バイアス導電層B50と前記導電層1
33とが直列に接続されているので、導電層133に印
加される電流、すなわち検出電流i10となる電流と、
バイアス導電層B50に印加される電流Bi14とを、
一つの電流供給手段15から供給することができ、前記
電流供給手段15を設ける手間が少なく、容易に製造す
ることができる。
記フリー磁性層145の厚さ方向両側に、各々非磁性導
電層144、146と固定磁性層143、147と反強
磁性層142、148とが形成されたデュアル構造とさ
れてなるものであるので、フリー磁性層/非磁性導電層
/固定磁性層の3層の組み合わせを2組有するものとな
り、シングルスピンバルブ型薄膜素子と比較して、大き
な△MR(抵抗変化率)が得られ、高密度記録化に対応
できるものとすることができる。
磁性層148と接して形成されてなるスピンバルブ型薄
膜素子とすることで、バイアス導電層に電流を供給する
ために専用の導電層を形成する必要がないため、容易に
製造することができる。
のスピンバルブ型薄膜素子においては、前記バイアス導
電層B50と前記導電層133とが、別々の電流供給手
段に接続されているものとしてもよい。このようなスピ
ンバルブ型薄膜素子とした場合、バイアス導電層B50
に、前記検出電流i10、i20と同じ方向の電流Bi
14を印加する場合でも反対方向の電流を印加する場合
でも、容易にバイアス導電層B50と前記電流供給手段
とを接続する際の手間などに差が生じない。
印加される電流の方向を、前記検出電流i10、i20
の方向に係わらず、自由に設定することができる。さら
に、前記検出電流i10、i20の大きさに影響を与え
ることなく、前記バイアス導電層B50の電流の大きさ
を、または、バイアス導電層B50の膜厚を変化させて
抵抗を変えることにより電流の大きさを自由に調節する
ことができるため、固定磁性層143、147の静磁結
合磁界Hp10、Hp20によるフリー磁性層125の
変動磁化の方向の傾きを、十分に制御することが可能で
ある制御しうる範囲の広いスピンバルブ型薄膜素子を得
ることができる。
ける第6の実施形態のスピンバルブ型磁気素子の固定磁
性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電層の
磁化方向を示した模式図である。本発明の第6の実施形
態のスピンバルブ型薄膜素子が、図14に示す第5の実
施形態のスピンバルブ型薄膜素子と異なるところは、図
15に示すように、反強磁性層148とバイアス導電層
B52との間に絶縁層G7が設けられているところであ
る。
は、図15に示すように、導電層133とバイアス導電
層B52とが導体12Kによって直列に接続され、電流
供給手段15から導電層133を介して、非磁性導電層
146とバイアス導電層B52とに同じ方向の電流が供
給されるようになっている。
いても、前記フリー磁性層145の変動磁化Hf4の方
向を制御するためのバイアス導電層B52を備えたもの
であるので、前記バイアス導電層B52に電流Bi16
を印加することにより、フリー磁性層145の変動磁化
Hf4の方向を制御することができる。すなわち、前記
バイアス導電層B52に電流Bi16を印加することに
より、固定磁性層147の静磁結合磁界Hp10と固定
磁性層143の静磁結合磁界Hp20との合成磁気モー
メントと反対方向の電流磁界BHi16を形成し、これ
によりフリー磁性層145の変動磁化Hf4に作用する
前記合成磁気モーメントを打ち消して、前記変動磁化H
f4の方向を制御することができる。したがって、フリ
ー磁性層145の変動磁化Hf4を、固定磁性層14
3、147の固定磁化P4、P5の方向と直交する方向
に揃えることができる。
素子においては、前記反強磁性層148とバイアス導電
層B52との間に絶縁層G7が設けられているので、シ
ャントロスの発生を防ぐことができる優れたスピンバル
ブ型薄膜素子とすることができる。
ける第7の実施形態のスピンバルブ型磁気素子の固定磁
性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電層の
磁化方向を示した模式図である。本実施形態のスピンバ
ルブ型薄膜素子が、図14に示す第5の実施形態のスピ
ンバルブ型薄膜素子と異なるところは、図16に示すよ
うに、バイアス導電層B35が、反強磁性層142の固
定磁性層143(下)と反対側の面に、絶縁層G8を介
して形成されているところである。
薄膜素子では、図16に示すように、導電層133とバ
イアス導電層B53とが導体12Lによって直列に接続
され、電流供給手段15から導電層133を介して、非
磁性導電層144とバイアス導電層B53とに180度
反対方向の電流が供給されるようになっている。
いても、前記フリー磁性層145の変動磁化Hf4の方
向を制御するためのバイアス導電層B53を備えたもの
であるので、前記バイアス導電層B53に電流Bi17
を印加することにより、フリー磁性層145の変動磁化
Hf4の方向を制御することができる。すなわち、前記
バイアス導電層B53に電流Bi17を印加することに
より、固定磁性層147の静磁結合磁界Hp10と固定
磁性層143の静磁結合磁界Hp20との合成磁気モー
メントと反対方向の電流磁界BHi17を形成し、これ
によりフリー磁性層145の変動磁化Hf4に作用する
前記合成磁気モーメントを打ち消して、前記変動磁化H
f4の方向を制御することができる。したがって、フリ
ー磁性層145の変動磁化Hf4を、固定磁性層14
3、147の固定磁化P4、P5の方向と直交する方向
に揃えることができる。
素子においては、バイアス導電層B53と反強磁性層1
42との間に絶縁層G8が設けられているので、シャン
トロスを防ぐことができる。
しく説明する。図18は、本発明の薄膜磁気ヘッドの一
例を示した斜視図である。この薄膜磁気ヘッドは、ハー
ドディスク装置などの磁気記録媒体に搭載される浮上式
のものである。この薄膜磁気ヘッドのスライダ251
は、図18において符号235で示す側がディスク面の
移動方向の上流側に向くリーディング側で、符号236
で示す側がトレーリング側である。このスライダ251
のディスクに対向する面では、レール状のABS面(エ
アーベアリング面:レール部の浮上面)251a、25
1a、251bと、エアーグルーブ251c、251c
とが形成されている。そして、このスライダ251のト
レーリング側の端面251dには、磁気コア部250が
設けられている。
250は、図19および図20に示す構造の複合型磁気
ヘッドであり、スライダ251のトレーリング側端面2
51d上に、MRヘッド(読出ヘッド)h1と、インダ
クティブヘッド(書込ヘッド)h2とが順に積層されて
構成されている。
スライダ251のトレーリング側端部に形成された磁性
合金からなる下部シールド層253上に、下部ギャップ
層254が設けられている。そして、下部ギャップ層2
54上には、磁気抵抗効果素子層245が積層されてい
る。この磁気抵抗効果素子層245上には、上部ギャッ
プ層256が形成され、その上に上部シールド層257
が形成されている。この上部シールド層257は、その
上に設けられるインダクティブヘッドh2の下部コア層
と兼用にされている。このMRヘッドh1は、ハードデ
ィスクのディスクなどの磁気記録媒体からの微小の漏れ
磁界の有無により、磁気抵抗効果素子層245の抵抗を
変化させ、この抵抗変化を読み取ることで記録媒体の記
録内容を読み取るものである。
抵抗効果素子層245には、上述したスピンバルブ型薄
膜素子が備えられている。前記スピンバルブ型薄膜素子
は、薄膜磁気へッド(再生用ヘッド)を構成する最も重
要なものである。
コア層257の上に、ギャップ層264が形成され、そ
の上に平面的に螺旋状となるようにパターン化されたコ
イル層266が形成されている。前記コイル層266
は、第1の絶縁材料層267Aおよび第2の絶縁材料層
267Bに囲まれている。第2絶縁材料層267Bの上
に形成された上部コア層268は、ABS面251bに
て、その磁極端部268aを下部コア層257に、磁気
ギャップGの厚みをあけて対向させ、図19および図2
0に示すように、その基端部268bを下部コア層25
7と磁気的に接続させて設けられている。また、上部コ
ア層268の上には、アルミナなどからなる保護層26
9が設けられている。
は、コイル層266に記録電流が与えられ、コイル層2
66からコア層に記録電流が与えられる。そして、前記
インダクティブヘッドh2は、磁気ギャップGの部分で
の下部コア層257と上部コア層268の先端部からの
漏れ磁界により、ハードディスクなどの磁気記録媒体に
磁気信号を記録するものである。
まず、図19に示す磁性材料製の下部シールド層253
上に下部ギャップ層254を形成した後、磁気抵抗効果
素子層254を形成する前記スピンバルブ型薄膜素子を
成膜する。その後、前記スピンバルブ型薄膜素子の上
に、上部ギヤップ層256を介して上部シールド層25
7を形成すると、MRヘッド(読出ヘッド)h1が完成
する。続いて、前記MRヘッドh1の上部シールド層2
57と兼用である下部コア層257の上に、ギャップ層
264を形成し、その上に螺旋状のコイル層266を、
第1の絶縁材料層267Aおよび第2の絶縁材料層26
7Bで囲むように形成する。さらに、第2絶縁材料層2
67Bの上に上部コア層268を形成し、上部コア層2
68の上に、保護層269を設けることによって薄膜磁
気へッドとされる。
ピンバルブ型薄膜素子が備えられてなる薄膜磁気へッド
であるので、耐熱性、信頼性に優れ、アシンメトリーの
小さい薄膜磁気へッドとなる。
成およびインダクティブヘッドの構成は、図18〜図2
0に示すものに限定されず、その他の種々の構造のスラ
イダおよびインダクティブヘッドを採用することができ
るのは勿論である。
ルブ型薄膜素子は、フリー磁性層の変動磁化方向を制御
するためのバイアス導電層を備えたものであるので、前
記バイアス導電層に電流を印加することにより、フリー
磁性層の変動磁化の方向を制御することができる。すな
わち、フリー磁性層の変動磁化の方向に影響を与える固
定磁性層の静磁結合磁界や前記検出電流の電流磁界を、
前記バイアス導電層の電流磁界により打ち消して、フリ
ー磁性層の変動磁化の方向を制御することができるた
め、耐熱性、信頼性が良好で、アシンメトリーの小さい
優れたスピンバルブ型薄膜素子とすることができる。
いては、前記フリー磁性層の厚さ方向両側に、各々非磁
性導電層と固定磁性層と反強磁性層とが形成されたデュ
アル構造とされてなるものとすることで、フリー磁性層
/非磁性導電層/固定磁性層の3層の組み合わせを2組
有するものとなり、シングルスピンバルブ型薄膜素子と
比較して、大きな△MR(抵抗変化率)が得られ、高密
度記録化に対応できるものとすることができる。
して、フリー磁性層の変動磁化に作用する前記固定磁性
層の静磁結合磁界と前記検出電流の電流磁界との合成磁
化モーメントの方向と、反対方向の電流磁界が形成され
てなるものとすることで、フリー磁性層の変動磁化の方
向に影響を与える前記静磁結合磁界と前記電流磁界との
合成磁化モーメントを、前記合成磁化モーメントと反対
方向となるように形成された前記バイアス導電層の電流
磁界により打ち消して、フリー磁性層の変動磁化の方向
を所望の方向に補正することができる。
ンバルブ型薄膜素子においては、前記バイアス導電層に
電流を印加して、フリー磁性層の変動磁化に作用する前
記固定磁性層の静磁結合磁界の方向と反対方向の電流磁
界が形成されてなるものとすることで、フリー磁性層の
変動磁化の方向に影響を与える固定磁性層の静磁結合磁
界を、前記静磁結合磁界と反対方向となるように形成さ
れた前記バイアス導電層の電流磁界により打ち消して、
フリー磁性層の変動磁化の方向を所望の方向に補正する
ことができる。
上記のスピンバルブ型薄膜素子が備えられてなるもので
あるので、耐熱性、信頼性に優れ、アシンメトリーの小
さい薄膜磁気へッドとすることができる。
子を記録媒体との対向面側から見た場合の構造を示した
断面図である。
定磁性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電
層の磁化方向を説明するための模式図である。
ルブ型薄膜素子を記録媒体との対向面側から見た場合の
構造を示した断面図である。
定磁性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス導電
層の磁化方向を説明するための模式図である。
の固定磁性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス
導電層の磁化方向を説明するための模式図である。
ルブ型薄膜素子の固定磁性層と非磁性導電層とフリー磁
性層とバイアス導電層の磁化方向を説明するための模式
図である。
ルブ型薄膜素子の固定磁性層と非磁性導電層とフリー磁
性層とバイアス導電層の磁化方向を説明するための模式
図である。
の固定磁性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス
導電層の磁化方向を説明するための模式図である。
の固定磁性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス
導電層の磁化方向を説明するための模式図である。
子の固定磁性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイア
ス導電層の磁化方向を説明するための模式図である。
子の固定磁性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイア
ス導電層の磁化方向を説明するための模式図である。
薄膜素子を記録媒体との対向面側から見た場合の構造を
示した断面図である。
バルブ型薄膜素子を記録媒体との対向面側から見た場合
の構造を示した断面図である。
の固定磁性層と非磁性導電層とフリー磁性層とバイアス
導電層の磁化方向を説明するための模式図である。
バルブ型薄膜素子の固定磁性層と非磁性導電層とフリー
磁性層とバイアス導電層の磁化方向を説明するための模
式図である。
バルブ型薄膜素子の固定磁性層と非磁性導電層とフリー
磁性層とバイアス導電層の磁化方向を説明するための模
式図である。
バルブ型薄膜素子の固定磁性層と非磁性導電層とフリー
磁性層とバイアス導電層の磁化方向を説明するための模
式図である。
る。
ア部を示した断面図である。
概略斜視図である。
記録媒体との対向面側から見た場合の構造を示した断面
図である。
において、固定磁性層の静磁結合磁界と検出電流の電流
磁界の方向とが同じ方向である場合の固定磁性層と非磁
性導電層とフリー磁性層の磁化方向を説明するための模
式図である。
において、固定磁性層の静磁結合磁界と検出電流の電流
磁界の方向とが異なる方向であり、静磁結合磁界が電流
磁界よりも大きい場合の固定磁性層と非磁性導電層とフ
リー磁性層の磁化方向を説明するための模式図である。
において、固定磁性層の静磁結合磁界と検出電流の電流
磁界の方向とが異なる方向であり、静磁結合磁界が電流
磁界よりも小さい場合の固定磁性層と非磁性導電層とフ
リー磁性層の磁化方向を説明するための模式図である。
を記録媒体との対向面側から見た場合の構造を示した断
面図である。
の固定磁性層と非磁性導電層とフリー磁性層の磁化方向
を説明するための模式図である。
る。
磁性層 3、13、23、30、123 固定磁性層 43、143 固定磁性層(下) 47、147 固定磁性層(上) 4、40、44、46、124、144、146 非磁
性導電層 5、45、50、125、145 フリー磁性層 7、49、70、127、149 保護層 6、32、60、126、132 ハードバイアス層 8、33、80、128、133 導電層 Hf1、Hf2、Hf3、Hf4、Hfa、Hfb、H
fc、Hfd 変動磁化 B11、B12、B13、B20、B22、B23、B
31、B32、B33、B40、B50、B52、B5
3、B60 バイアス導電層 Bi2、Bi3、Bi4、Bi5、Bi7、Bi8、B
i10、Bi11、Bi12、Bi13、Bi14、B
i16、Bi17 電流 i1、i2、i3、i4、i10、i20 検出電流 Hp1、Hp2、Hp3、Hp10、Hp20 静磁結
合磁界 BHi2、BHi3、BHi4、BHi5、BHi7、
BHi8、BHi10、BHi11、BHi12、BH
i13、BHi14、BHi16、BHi17、Hi
1、Hi2、Hi3、Hi10、Hi20 電流磁界 P1、P2、P4、P5 固定磁化 G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8 絶
縁層 12B、12C、12E、12F、12H、12I、1
2K、12L 導体 K 基板 15、16、17 電流供給手段
Claims (10)
- 【請求項1】 基板上に、反強磁性層と、 この反強磁性層と接して形成され、前記反強磁性層との
交換結合磁界により固定磁化方向が固定される固定磁性
層と、 前記固定磁性層に非磁性導電層を介して形成されたフリ
ー磁性層と、 前記フリー磁性層の変動磁化方向を前記固定磁性層の固
定磁化方向と交差する方向に揃えるためのハードバイア
ス層と、 固定磁性層と非磁性導電層とフリー磁性層に検出電流を
与える導電層と、 前記フリー磁性層の変動磁化方向を制御するためのバイ
アス導電層と、 前記導電層および前記バイアス導電層に電流を供給する
電流供給手段とを少なくとも備え、 前記バイアス導電層と前記固定磁性層の間に前記反強磁
性層が形成されてなることを特徴とするスピンバルブ型
薄膜素子。 - 【請求項2】 前記フリー磁性層の厚さ方向両側に、
各々非磁性導電層と固定磁性層と反強磁性層とが形成さ
れたデュアル構造とされてなることを特徴とする請求項
1に記載のスピンバルブ型膜厚素子。 - 【請求項3】 前記バイアス導電層に電流を印加し
て、フリー磁性層の変動磁化に作用する前記固定磁性層
の静磁結合磁界と前記検出電流の電流磁界との合成磁化
モーメントの方向と、反対方向の電流磁界が形成されて
なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
スピンバルブ型薄膜素子。 - 【請求項4】 フリー磁性層の変動磁化に作用する前
記固定磁性層の静磁結合磁界の方向と、フリー磁性層の
変動磁化に作用する前記検出電流の電流磁界の方向とが
同じ方向であるとき、前記バイアス導電層に電流を印加
して、前記検出電流の電流磁界の方向と反対方向の電流
磁界が形成されてなることを特徴とする請求項1ないし
請求項3のいずれかに記載のスピンバルブ型薄膜素子。 - 【請求項5】 前記バイアス導電層に電流を印加し
て、フリー磁性層の変動磁化に作用する前記固定磁性層
の静磁結合磁界の方向と反対方向の電流磁界が形成され
てなることを特徴とする請求項2に記載のスピンバルブ
型薄膜素子。 - 【請求項6】 前記バイアス導電層と前記反強磁性層
との間に、絶縁層が形成されてなることを特徴とする請
求項1に記載のスピンバルブ型薄膜素子。 - 【請求項7】 前記バイアス導電層と前記導電層と
が、直列に接続されていることを特徴とする請求項1な
いし請求項6のいずれかに記載のスピンバルブ型薄膜素
子。 - 【請求項8】 前記バイアス導電層と前記導電層と
が、別々の電流供給手段に接続されていることを特徴と
する請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のスピン
バルブ型薄膜素子。 - 【請求項9】 前記バイアス導電層は、W、Cu、C
r、Auのいずれか1種からなることを特徴とする請求
項1ないし請求項8のいずれかに記載のスピンバルブ型
薄膜素子。 - 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれか
に記載のスピンバルブ型薄膜素子が備えられてなること
を特徴とする薄膜磁気ヘッド。
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JP2018115972A (ja) * | 2017-01-19 | 2018-07-26 | 旭化成エレクトロニクス株式会社 | 磁気センサ |
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- 2002-04-26 JP JP2002127428A patent/JP3803069B2/ja not_active Expired - Fee Related
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