JP2008085185A - 磁気抵抗効果素子、その製造方法、および磁気記憶装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、その製造方法、および磁気記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】上部端子と磁気抵抗効果膜との磁気的な相互作用を抑制すると共にリードギャップ長の短小化が可能な磁気抵抗効果素子、その製造方法、およびその磁気抵抗効果素子を備える磁気記憶装置を提供する。
【解決手段】固定磁化積層体33、非磁性金属層37、および自由磁化層38が順次積層された磁気抵抗効果膜30と、自由磁化層38を覆う第1磁気結合遮断層25および第2磁気結合遮断層26と、磁気抵抗効果膜30の膜面に対して垂直方向にセンス電流を供給する軟磁性材料の下部端子21および上部端子22とから構成する。第1磁気結合遮断層25は自由磁化層38との間にスピン依存界面散乱を生じさせる非磁性材料からなり、第2磁気結合遮断層26はAl、Ti、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、Pt、およびAuからなる群のうち少なくとも1種を含む材料からなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気記憶装置において情報を再生するための磁気抵抗効果素子、その製造方法、および磁気記憶装置に係り、特に、磁気抵抗効果素子を構成する積層膜に垂直にセンス電流を流すCPP(Current−Perpendicular−to−Plane)型の構造を有する磁気抵抗効果素子に関する。
近年、磁気記憶装置の磁気ヘッドには、磁気記録媒体に記録された情報を再生するための再生用素子として磁気抵抗効果素子が用いられている。磁気抵抗効果素子は磁気記録媒体から漏洩する信号磁界の向きの変化を電気抵抗の変化に変換する磁気抵抗効果を利用して磁気記録媒体に記録された情報を再生する。
磁気記憶装置の高記録密度化に伴い、スピンバルブ膜を備えたものが主流となっている。スピンバルブ膜は磁化が所定の方向に固定された固定磁化層と、非磁性層と、磁気記録媒体からの漏洩磁界の方向や強度に応じて磁化の方向が変わる自由磁化層が積層して構成されている。スピンバルブ膜は、固定磁化層の磁化と自由磁化層の磁化とがなす角に応じて電気抵抗値が変化する。電気抵抗値の変化を、スピンバルブ膜に一定値のセンス電流を流して電圧変化として検出することで、磁気抵抗効果素子が磁気記録媒体に記録されたビットを再生する。
従来、磁気抵抗効果素子は、スピンバルブ膜の面内方向にセンス電流を流すCIP(Current−In−Plane)構造が採用されてきた。しかし、さらなる高記録密度化を図るためには、磁気記録媒体の線記録密度およびトラック密度を増加させる必要がある。磁気抵抗効果素子では、磁気記録媒体のトラック幅に対応する素子幅および素子の奥行き(素子高さ)、すなわち素子断面積を低減する必要がある。この場合、CIP構造では、センス電流の電流密度が大きくなるため過熱によりスピンバルブ膜を構成する材料のマイグレーション等による性能劣化が生じるおそれがある。
そこで、スピンバルブ膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流を流すCPP(Current−Perpendicular−to−Plane)型の構造が提案され、次世代の再生用素子として盛んに研究が行われている。CPP型では、コア幅(磁気記録媒体のトラック幅に対応するスピンバルブ膜の幅)が縮小されても出力がほとんど変化しないという特長を有するため、高記録密度化に適している(例えば、特許文献1参照。)。
図1に示すように、CPP型の磁気抵抗効果素子100は、スピンバルブ膜101が磁気的なシールドを兼ねる下部端子102と上部端子103に挟まれている。スピンバルブ膜101は、下部端子102側から、下地層111、反強磁性層112、固定磁化層113、非磁性導電層114、自由磁化層115からなり、さらに、自由磁化層115を覆う保護膜104が形成されている。
スピンバルブ膜101の自由磁化層115は、下部端子102および上部端子103に挟まれた領域を通過する信号磁界の向きを検出する。下部端子102の上面と上部端子103の下面との距離、いわゆるリードギャップ長が短いほど、より微細に信号磁界の変化を検出でき、高密度記録に適している。
下部端子102および上部端子103は軟磁性材料からなり、スピンバルブ膜101の磁気シールドとして機能する。すなわち、下部端子102および上部端子103は、記録素子の磁極やコイルからの磁界がスピンバルブ膜101の固定磁化層113や自由磁化層115を磁化して悪影響を及ぼすことを回避している。
一方、上部端子103と自由磁化層115とは近接しているため、磁気的に結合しやすい。そのため、保護膜104が自由磁化層115と上部端子103との間に配置され磁気的な結合を遮断している。
特開2003−318461号公報
ところで、リードギャップ長を短小化することにより高記録密度での再生出力およびSN比(信号対雑音比)が向上して、さらなる記録密度の向上が可能となる。
しかし、リードギャップ長を短小化するため、図1に示す保護膜104を単に薄膜化すると、自由磁化層115の磁化Maと、上部端子103に現れた磁化MELとが磁気的に結合してしまう。このような状態では信号磁界に対する自由磁化層115の磁化Maの挙動が鈍くなったり偏ったりしてしまう。このため、再生出力に歪みが生じてSN比が低下するという問題を生じる。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、上部端子と磁気抵抗効果膜との磁気的な相互作用を抑制すると共にリードギャップ長の短小化が可能な磁気抵抗効果素子、その製造方法、およびその磁気抵抗効果素子を備える磁気記憶装置を提供することである。
本発明の一観点によれば、磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流が供給される磁気抵抗効果素子であって、前記磁気抵抗効果膜の上下にそれぞれ設けられた軟磁性材料からなる上部端子および下部端子と、下部端子側から固定磁化層と、非磁性金属層と、自由磁化層とがこの順に積層された磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜と上部端子との間に、前記自由磁化層を覆う第1の磁気結合遮断層および該第1の磁気結合遮断層を覆う第2の磁気結合遮断層と、を備え、前記第1の磁気結合遮断層は、自由磁化層を覆うと共にスピン依存界面散乱を生じさせる非磁性材料からなり、前記第2の磁気結合遮断層は、Al、Ti、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、Pt、およびAuからなる群のうち少なくとも1種を含み、かつ、第1の磁気結合遮断層とは異なる非磁性材料からなることを特徴とする磁気抵抗効果素子が提供される。
本発明によれば、第1の磁気結合遮断層は、自由磁化層に接して形成され、スピン依存界面散乱を生じさせる非磁性材料からなるので、磁気抵抗変化量が増加する。さらに、第2の磁気結合遮断層はAl、Ti、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、Pt、およびAuからなる群のうち少なくとも1種を含み、かつ、第1の磁気結合遮断層とは異なる非磁性材料からなり、従来用いられているCu膜よりも薄い膜厚で自由磁化層と上部端子との磁気的結合を遮断する効果を有する。したがって、第1の磁気結合遮断層および第2の磁気結合遮断層の膜厚の総計は、自由磁化層と上部端子との交換結合磁界を増加させずに、従来のCu膜のみからなるよりも薄膜化が可能となりリードギャップ長を短小化できる。その結果、磁気抵抗変化量の増加およびリードギャップ長を短小化による相乗的な効果により高記録密度化が可能な磁気抵抗効果素子を実現できる。
本発明の他の観点によれば、磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流が供給される磁気抵抗効果素子であって、前記磁気抵抗効果膜の上下にそれぞれ設けられた軟磁性材料からなる上部端子および下部端子と、固定磁化層と、非磁性層と、自由磁化層とが積層された磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜と上部端子との間に磁気結合遮断層と、を備え、前記磁気結合遮断層はTaからなり、その膜厚が0.9nm〜5nmの範囲に設定されてなることを特徴とする磁気抵抗効果素子が提供される。
本発明によれば、磁気抵抗効果素子は、磁気抵抗効果膜と上部端子との間に上記所定の膜厚のTa膜を設けることで、自由磁化層と上部端子との交換結合磁界を抑制できると共にリードギャップ長のいっそうの短小化が可能となる。
本発明のその他の観点によれば、磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流が供給される磁気抵抗効果素子の製造方法であって、下部端子上に前記磁気抵抗効果膜を形成する工程と、前記磁気抵抗効果膜上に非磁性材料からなる第1の磁気結合遮断層および第2の磁気結合遮断層をこの順に形成する工程と、前記第2の磁気結合遮断層の表面に接触する上部端子を形成する工程とを含み、前記第1の磁気結合遮断層は、自由磁化層を覆うと共にスピン依存界面散乱を生じさせる非磁性材料からなり、前記第2の磁気結合遮断層は、Al、Ti、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、Pt、およびAuからなる群のうち少なくとも1種を含み、かつ、第1の磁気結合遮断層とは異なる非磁性材料からなることを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法が提供される。
本発明によれば、上記の磁気抵抗効果素子を形成でき、リードギャップ長を短小化できるので、高記録密度化が可能な磁気抵抗効果素子を実現できる。
本発明のその他の観点によれば、磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流が供給される磁気抵抗効果素子の製造方法であって、下部端子上に前記磁気抵抗効果膜を形成する工程と、前記磁気抵抗効果膜上に非磁性材料からなる磁気結合遮断層、および軟磁性材料からなる軟磁性保護膜をこの順に形成する工程と、前記磁気抵抗効果膜、磁気結合遮断層、および軟磁性保護膜を熱処理する工程と、前記軟磁性保護膜の一部を除去する工程と、前記除去工程により露出した軟磁性保護膜の表面を覆う上部端子を形成する工程とを含み、前記磁気結合遮断層は、Al、Ti、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、Pt、およびAuからなる群のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法が提供される。
本発明によれば、磁気結合遮断層は軟磁性保護膜によりエッチング等から保護されているので、磁気結合遮断層の膜厚は堆積時の膜厚のまま維持される。したがって、磁気結合遮断層の膜厚制御は堆積時の管理のみでよく、磁気結合遮断層の膜厚はその後のエッチング量やそのばらつきの影響を受けない。その結果、磁気結合遮断層の膜厚制御が良好となり、リードギャップ長の制御性が良好になる。さらに、磁気結合遮断層は、Al、Ti、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、Pt、およびAuからなる群のうち少なくとも1種を含むので、磁気抵抗効果膜の磁性層(例えば、自由磁化層や、反強磁性層、固定磁化層等)と上部端子との磁気的結合を遮断する効果を有する。したがって、磁気抵抗効果膜の磁性層と上部端子との交換結合磁界を増加させずに、従来のCu膜のみからなるよりも薄膜化が可能となる。これらの結果により、リードギャップ長を制御良く短小化でき、高記録密度化が可能な磁気抵抗効果素子を実現できる。
本発明のその他の観点によれば、上記いずれかの磁気抵抗効果素子を有する磁気ヘッドと、磁気記録媒体と、を備える磁気記憶装置が提供される。
本発明によれば、高密度記録が可能な磁気記憶装置を提供できる。
本発明によれば、上部端子と磁気抵抗効果膜との磁気的な相互作用を抑制すると共にリードギャップ長の短小化が可能な磁気抵抗効果素子、その製造方法、およびその磁気抵抗効果素子を備える磁気記憶装置を提供できる。
以下図面を参照しつつ実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
[第1例の磁気抵抗効果素子]
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る第1例の磁気抵抗効果素子を有する磁気ヘッドの媒体対向面の要部を示す図である。図2中、X軸方向が磁気抵抗効果素子に対向する磁気記録媒体(不図示)の移動方向、Y軸方向がコア幅方向、Z軸方向が奥行き(素子高さ)方向である。
図2を参照するに、磁気ヘッド10は、大略して、ヘッドスライダの基体となるAl23−TiC等の平坦なセラミック基板11上に形成された磁気抵抗効果素子20と、その上に形成された誘導型記録素子13から構成される。
誘導型記録素子13は、媒体対向面に磁気記録媒体のトラック幅に相当する幅を有する上部磁極14と、非磁性材料からなる記録ギャップ層15を挟んで上部磁極14に対向する下部磁極16と、上部磁極14と下部磁極16とを磁気的に接続するヨーク(図示されず)と、ヨークを巻回し、記録電流により記録磁界をする誘起するコイル(図示されず)等からなる。上部磁極14、下部磁極16、およびヨークは軟磁性材料、例えば、十分な記録磁界を確保するために飽和磁束密度の大なる材料、例えば、Ni80Fe20、CoZrNb、FeN、FeSiN、FeCo、CoNiFe等からなる。なお、誘導型記録素子13はこれに限定されるものではなく、公知の構造の誘導型記録素子を用いることができる。
第1例の磁気抵抗効果素子20は、セラミック基板11の表面に形成されたアルミナ膜12上に、下部端子21、磁気抵抗効果膜30(詳しくは次の図3で説明する。)、第1磁気結合遮断層25、第2磁気結合遮断層26、および上部端子22が積層された構成からなる。磁気抵抗効果膜30は、下部端子21および上部端子22(第1および第2磁気結合遮断層25,26を介して)にそれぞれ電気的に接続されている。
磁気抵抗効果膜30のY軸方向両側には、絶縁膜23を介して磁区制御膜24が設けられている。磁区制御膜24は、例えば、Cr膜と強磁性のCoCrPt膜との積層体からなる。磁区制御膜24は、磁気抵抗効果膜30を構成する自由磁化層(図4に示す。)の単磁区化を図り、バルクハウゼンノイズの発生を防止する。
下部端子21および上部端子22はセンス電流Isの流路としての機能に加え、磁気シールドとしての機能も兼ねる。そのため、下部端子21および上部端子22は、Co、Ni、およびFeのうち、少なくともいずれかを含む軟磁性材料からなり、例えばNi80Fe20、CoZrNb、FeN、FeSiN、FeCo、CoNiFe等が挙げられる。さらに下部端子21と磁気抵抗効果膜30との界面に導電膜、例えば、Cu膜、Ta膜、Ti膜等を設けてもよい。
また、磁気抵抗効果素子20および誘導型記録素子13は、媒体対向面側以外は腐食等を防止するためアルミナ膜や水素化カーボン膜等により覆われている。
センス電流Isは、例えば上部端子22から、第2磁気結合遮断層26、第1磁気結合遮断層25、および磁気抵抗効果膜30をその膜面に略垂直に流れ下部端子21に達する。磁気抵抗効果膜30は、磁気記録媒体からの漏洩する信号磁界の強度および方向に対応して電気抵抗、いわゆる磁気抵抗が変化する。磁気抵抗効果素子20は、磁気抵抗効果膜30の磁気抵抗の変化を、所定の電流量のセンス電流Isを流して電圧変化として検出する。このようにして、磁気抵抗効果素子20は磁気記録媒体に記録された情報を再生する。なお、センス電流Isの流れる方向は図1に示す方向に限定されず、逆向きでもよい。また、磁気記録媒体の移動方向も逆向きでもよい。また、所定の定電圧を磁気抵抗効果膜30に印加して磁気抵抗値の変化を電流変化として検出してもよい。
図3は、第1例の磁気抵抗効果素子の要部拡大図であり、磁気抵抗効果膜付近の積層構成を示している。
図3を図2と共に参照するに、磁気抵抗効果膜30は、下部端子21側から、下地層31、反強磁性層32、固定磁化積層体33、非磁性金属層37、および自由磁化層38が順次積層された構成からなり、いわゆるシングルスピンバルブ構造を有する。
下地層31は、下部端子21の表面にスパッタ法等により形成され、例えば、NiCr膜や、Ta膜(例えば膜厚5nm)とNiFe膜(例えば膜厚5nm)との積層体等から構成される。このNiFe膜は、Feの含有量が17原子%〜25原子%の範囲内であることが好ましい。このような組成のNiFe膜を用いることにより、NiFe膜の結晶成長方向である(111)結晶面およびこれに結晶学的に等価な結晶面の表面に、反強磁性層32がエピタキシャル成長する。これにより、反強磁性層32の結晶性を向上させることができる。
反強磁性層32は、例えば膜厚4nm〜30nm(好ましくは4nm〜10nm)のMn−TM合金(TMは、Pt、Pd、Ni、IrおよびRhのうち少なくとも1種を含む。)から構成される。Mn−TM合金としては、例えば、PtMn、PdMn、NiMn、IrMn、PtPdMnが挙げられる。反強磁性層32は、固定磁化積層体33の第1固定磁化層34に交換相互作用を及ぼして第1固定磁化層34の磁化を所定の向きに固定する。
固定磁化積層体33は、反強磁性層32側から第1固定磁化層34、非磁性結合層35、第2固定磁化層36が順に積層されてなり、いわゆる積層フェリ構造を有する。固定磁化積層体33は、第1固定磁化層34の磁化と第2固定磁化層36の磁化とが反強磁性的に交換結合し、磁化の向きが互いに反平行になる。すなわち、第1固定磁化層34の磁化は反強磁性層32により所定の向きに固定され、第2固定磁化層36の磁化は、第1固定磁化層34は反強磁性交換結合により第1固定磁化層34の磁化の向きと反対の向きに固定される。なお、固定磁化積層体33は、第1固定磁化層34のみからなる単層の固定磁化層としてもよい(以下の第2例〜第5例の磁気抵抗効果素子においても同様である。)。
第1および第2固定磁化層34,36は、それぞれ膜厚1〜30nmのCo、Ni、およびFeのうち、少なくともいずれかを含む強磁性材料から構成される。第1および第2固定磁化層34,36に好適な強磁性材料としては、例えば、CoFe、CoFeB、CoFeAl、NiFe、FeCoCu、CoNiFe等が挙げられる。なお、第1および第2固定磁化層34,36のそれぞれは、1層のみならず、互いに組成の異なる2層以上の積層体としてもよい。
また、第1固定磁化層34として好適な強磁性材料としては、比抵抗が低い点で、CoFe、NiFeが挙げられる。これは、第1固定磁化層34の磁化は、第2固定磁化層36の磁化の向きに対して逆向きとなるので、第1固定磁化層34が磁気抵抗変化量ΔRAを低下させる方向に働く場合がある。このような場合、比抵抗の低い強磁性材料を用いることで、磁気抵抗変化量ΔRAの低下を抑制することができる。
非磁性結合層35は、その膜厚が第1固定磁化層34と第2固定磁化層36とが反強磁性的に交換結合する範囲に設定される。その範囲は、例えば0.2nm〜1.5nm(好ましくは0.2nm〜0.9nm)である。非磁性結合層35は、Ru、Rh、Ir、Ru系合金、Rh系合金、Ir系合金等の非磁性材料から構成される。Ru系合金としてはRuに、Co、Cr、Fe、Ni、およびMnのうちいずれか一つ、あるいはこれらの合金との非磁性材料が好適である。
さらに、図示を省略するが、第1固定磁化層34と反強磁性層32との間に第1固定磁化層34よりも飽和磁束密度が高い強磁性材料からなる強磁性接合層を設けてもよい。これにより、第1固定磁化層34と反強磁性層32との交換相互作用を増加でき、第1固定磁化層34の磁化の向きが所定の向きから変位したり反転したりする問題を回避できる。ただし、強磁性接合層は、磁気抵抗変化量ΔRAの低下を抑制するため、第1固定磁化層34よりも極めて薄い膜厚、例えば0.5〜2.0nmにすべきである。
非磁性金属層37は、例えば、膜厚1.5nm〜10nmの非磁性金属から構成される。非磁性金属層37は、スピン依存界面散乱を生じさせる非磁性材料であれば、その材料は特に限定されない。非磁性金属層37として好ましい材料は、Cu、Al、Au、AgおよびCrのうちいずれか1種の純金属あるいはそれを含む金属(合金)が挙げられる。
自由磁化層38は、例えば膜厚が2nm〜12nmのCo、Ni、およびFeのうち、少なくともいずれかを含む軟磁性材料から構成される。自由磁化層38に好適な強磁性材料としては、例えば、CoFe、CoFeB、CoFeAl、NiFe、FeCoCu、CoNiFe等が挙げられる。なお、自由磁化層38は1層のみならず、互いに組成の異なる2層以上の積層体としてもよい。
次に、磁気抵抗効果膜30上に形成された第1磁気結合遮断層25および第2磁気結合遮断層26について説明する。
第1磁気結合遮断層25は、自由磁化層38に接して形成され、スピン依存界面散乱を生じさせる非磁性材料であれば、その材料は特に限定されない。第1磁気結合遮断層25の膜厚は例えば0.2nm〜2nmに設定される。第1磁気結合遮断層25として好ましい材料は、Cu、Al、Au、AgおよびCrのうちいずれか1種の純金属あるいはそれを含む金属(合金)が挙げられる。
第1磁気結合遮断層25は、第2磁気結合遮断層26と共に、自由磁化層38と上部端子22との距離を離隔して磁気的な相互作用を弱める、あるいは切る作用を有する。これと共に、第1磁気結合遮断層25は、自由磁化層38との界面においてスピン依存界面散乱を生じせることにより、磁気抵抗変化量を増加させる。
第2磁気結合遮断層26は、Al、Ti、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、Pt、およびAuからなる群のうち少なくとも1種を含み、かつ、第1磁気結合遮断層25とは異なる非磁性材料からなる。第2磁気結合遮断層26は、上記の材料を用いることにより、従来用いられているCu膜よりも薄い膜厚で自由磁化層38と上部端子22との磁気的結合を遮断する効果を有する。すなわち、第1および第2磁気結合遮断層25,26を形成した場合と、単にCu膜を形成した場合では、第1および第2磁気結合遮断層25,26の膜厚の総計とCu膜の膜厚を同等としたとき、自由磁化層38と上部端子22との間の交換結合磁界は、第1および第2磁気結合遮断層25,26の場合の方がCu膜の場合よりも小さくなる。
なお、第2磁気結合遮断層26の作用は、スピン方向の情報を持つ電子が第2磁気結合遮断層26を通過する際にそのスピン方向の情報を失わせることである(いわゆる、スピン情報消失効果。)。第2磁気結合遮断層26中で電子がスピン情報を失うため、自由磁化層38と上部端子22との間の磁気的な相互作用が抑制される。
また、第2磁気結合遮断層26の膜厚は限定されないが、例えば0.2nm〜2nmに設定される。
さらに、第2磁気結合遮断層26は、上記の材料のうち比抵抗がCu膜(比抵抗1.7μΩcm)よりも大きいことが好ましい。比抵抗がCu膜よりも大きい材料は、スピン拡散長がCu膜よりも小さいので、自由磁化層38と上部端子22との間を、スピン情報を有する電子が伝導することを抑制することができる。その結果、自由磁化層38と上部端子22との磁気的結合を弱め、さらには遮断することができる。
さらには、第2磁気結合遮断層26は、比抵抗が10μΩcm以上の材料からなることが好ましい。これにより、自由磁化層38と上部端子22との間の磁気的結合をさらに弱めることができ、第2磁気結合遮断層26を薄膜化できる。なお、第2磁気結合遮断層26は、上記の材料から選択された異なる材料からなる層が積層された積層体でもよい。
次に第1の実施の形態の磁気抵抗効果素子の形成方法を、図4A〜図4Fを参照しつつ説明する。なお、図4A〜図4Fは、図2と同様に媒体対向面側から視た図である。
最初に、図4Aの工程では、セラミック基板(ウェハ)上に堆積したアルミナ膜(不図示)の表面に、めっき法あるいは真空蒸着法により下部端子21を形成する。さらに、下部端子21上に、図4の構成の磁気抵抗効果膜30、第1磁気結合遮断層25、および第2磁気結合遮断層26を順次形成する。具体的には、磁気抵抗効果膜30、第1磁気結合遮断層25、および第2磁気結合遮断層26を例えばDCマグネトロンスパッタ法により形成する。
図4Aの工程ではさらに、図3に示した固定磁化積層体33と自由磁化層38の磁化方向を略垂直になるようにするため、外部磁界を印加しつつ熱処理(磁化固定化熱処理)を行う。外部磁界の方向は、固定磁化積層体33の磁化方向を決める熱処理では例えば図2に示すZ軸方向に印加し、自由磁化層38の磁化方向(外部磁界が印加されない状態で向く方向)を決める熱処理ではY軸方向に印加する。磁化固定化熱処理により、第2磁気結合遮断層26の表面が酸化され酸化部分が形成されるが、第1磁気結合遮断層25は第2磁気結合遮断層26に覆われているので酸化されない。なお、酸化部分は磁化固定化熱処理の条件や第2磁気結合遮断層の種類にもよるが、厚さが1nm〜3nm程度である。
図4Aの工程ではさらに、第2磁気結合遮断層26上に所定の形状のレジスト膜40aおよび40bを形成する。具体的には、レジスト膜40aおよび40bは、フォトリソグラフィ法により、磁気抵抗効果膜30を最終的に残す位置に形成する。レジスト膜40aは、レジスト膜40bよりも幅が狭いので、リフトオフの際にレジスト膜40a、40bの残渣が残り難い。なお、レジスト膜40aおよび40bの形状はこれに限定されるものではない。例えば、レジスト膜40aおよび40bを一体化して逆角錐台形状としてもよい。これにより、レジスト膜40aおよび40bと同様の効果を有すると共に、レジスト膜40の形成工程の工数を低減できる。
次いで、図4Bの工程では、例えばイオンミリング法によりレジスト膜40bをマスクとして第2磁気結合遮断層26、第1磁気結合遮断層25、および磁気抵抗効果膜30をエッチングして下部端子21を露出させる。これにより形成された磁気抵抗効果膜30の幅は、レジスト膜40bの幅に支配される。また、磁気抵抗効果膜30は上層側よりも下層側の幅が若干広くなる。
次いで、図4Cの工程では、図4Bの構造体の表面に絶縁膜23と磁区制御膜24を形成する。絶縁膜23は下部端子21の表面、磁気抵抗効果膜30、第1磁気結合遮断層25、および第2磁気結合遮断層26の側壁を覆うように形成される。絶縁膜23はさらに第2磁気結合遮断層26の表面のレジスト膜40aが形成された領域以外を覆うように形成される。さらに、磁区制御膜24を絶縁膜23の表面に堆積する。
次いで、図4Dの工程では、有機溶剤等を用いてレジスト膜40aおよび40bを溶解し、レジスト膜40b上の絶縁膜23および磁区制御膜24をレジスト膜40a,40bと共に除去する。なおさらに、必要に応じて酸素アッシングを行ってレジスト膜の残渣を除去してもよい。
次いで、図4Eの工程では、エッチングにより第2磁気結合遮断層26の一部を除去して第2磁気結合遮断層26の金属面26aを露出させる。これにより、図4Aの工程の磁化固定加熱処理等により第2磁気結合遮断層26の表面に形成された高抵抗を有する酸化部分が除去され、第2磁気結合遮断層26と次に形成される上部端子22との間の接続抵抗が低減される。この際のエッチング量はエッチング速度を予め求めておき、エッチング時間によりエッチング量を制御する。また、エッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングのいずれでもよいが、第2磁気結合遮断層26のエッチング量を精度良く行える点でドライエッチングを用いることが好ましい。
次いで、図4Fの工程では、図4Eの構造体を覆う上部端子22をめっき法等により形成する。これにより上部端子22は第2磁気結合遮断層26の金属面26aと接触する。以上により図2に示す磁気抵抗効果素子20が形成される。なお、次いで磁気抵抗効果素子20の表面に図3の構成の誘導型記録素子13を公知の方法により形成する。
本実施の形態によれば、第1磁気結合遮断層25は自由磁化層38に接して形成され、スピン依存界面散乱を生じさせる非磁性材料からなるので、磁気抵抗変化量が増加する。さらに、第2磁気結合遮断層26は上述した材料からなり、従来用いられているCu膜よりも薄い膜厚で自由磁化層38と上部端子22との磁気的結合を遮断する効果を有する。
したがって、第1磁気結合遮断層25および第2磁気結合遮断層26の膜厚の総計は、自由磁化層と上部端子との交換結合磁界を増加させずに、従来のCu膜のみからなるよりも薄膜化が可能となる。その結果、リードギャップ長を短小化できる。よって、磁気抵抗変化量の増加およびリードギャップ長の短小化の相乗効果により、高記録密度化が可能な磁気抵抗効果素子を実現できる。
[第2例の磁気抵抗効果素子]
第1の実施の形態に係る第2例の磁気抵抗効果素子は、第1例の磁気抵抗効果素子の変形例であり、第2磁気結合遮断層と上部端子との間に第3磁気結合遮断層を設けた構成を有する。
図5は、第1の実施の形態に係る第2例の磁気抵抗効果素子の媒体対向面の要部を示す図である。なお、磁気抵抗効果素子の上に、図2において示した誘導型記録素子を設けてもよく設けなくともよい。これは後に説明する第3例〜第5例の磁気抵抗効果素子においても同様である。また、図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図5を参照するに、第2例の磁気抵抗効果素子50は、セラミック基板11の表面に形成されたアルミナ膜12上に、下部端子21、磁気抵抗効果膜30、第1磁気結合遮断層25、第2磁気結合遮断層26、第3磁気結合遮断層51、および上部端子22が積層された構成からなる。磁気抵抗効果膜30は先の図3に示す構成を有し、第1磁気結合遮断層25は、磁気抵抗効果膜30の自由磁化層38と接している。磁気抵抗効果膜30は下部端子21および上部端子22(第1〜第3磁気結合遮断層25,26,51を介して)にそれぞれ電気的に接続されている。第2例の磁気抵抗効果素子50は、第2磁気結合遮断層26と上部端子22との間に第3磁気結合遮断層51が設けられている以外は第1例の磁気抵抗効果素子20と同様の構成を有する。
第3磁気結合遮断層51は、Cu、Al、Au、AgおよびCrのうちいずれか1種の純金属あるいはそれを含む金属(合金)から選択される。第3磁気結合遮断層51は、第1磁気結合遮断層25と同一の材料であることが好ましい。これにより、第1磁気結合遮断層25と第3磁気結合遮断層51との間に第2磁気結合遮断層26を挿入した積層体とすることで、第2磁気結合遮断層26を設けない場合よりも第1〜第3磁気結合遮断層25,26,51の積層体全体の厚さを低減できる。
また、第1磁気結合遮断層25は、磁気抵抗変化量が増加する点でCu膜からなることが好ましく、さらに、第3磁気結合遮断層51もCu膜からなることが好ましい。さらに、この場合、第2磁気結合遮断層26はTa膜あるいはRu膜からなることが上記積層体全体の厚さをさらに低減できる点でさらに好ましい。
第2例の磁気抵抗効果素子50は、第1例の磁気抵抗効果素子と同様の効果を有する。さらに、第2例の磁気抵抗効果素子50は、第1磁気結合遮断層25と、第1磁気結合遮断層25と同様の材料からなる第3磁気結合遮断層51との間に、第2磁気結合遮断層26を設けることにより、第2磁気結合遮断層26を設けない場合よりも第1〜第3磁気結合遮断層25,26,51の積層体全体の厚さを低減できる。
なお、第2例の磁気抵抗効果素子50の製造方法は、第2磁気結合遮断層26上に第3磁気結合遮断層51を形成する以外は図4A〜図4Fに示す第1例の磁気抵抗効果素子20と略同様であるのでその説明を省略する。
[第3例の磁気抵抗効果素子]
第1の実施の形態に係る第3例の磁気抵抗効果素子は、第1例の磁気抵抗効果素子の変形例であり、第2磁気結合遮断層と上部端子との間に軟磁性保護膜を設けた構成を有する。
図6は、第1の実施の形態に係る第3例の磁気抵抗効果素子の媒体対向面の要部を示す図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図6を参照するに、第3例の磁気抵抗効果素子60は、セラミック基板11の表面に形成されたアルミナ膜12上に、下部端子21、磁気抵抗効果膜30、第1磁気結合遮断層25、第2磁気結合遮断層26、軟磁性保護膜61、および上部端子22が積層された構成からなる。磁気抵抗効果膜30は先の図3に示す構成を有し、第1磁気結合遮断層25は、磁気抵抗効果膜30の自由磁化層38と接している。磁気抵抗効果膜30は下部端子21および上部端子22(第1〜第2磁気結合遮断層25,26および軟磁性保護膜61を介して)にそれぞれ電気的に接続されている。第3例の磁気抵抗効果素子60は、第2磁気結合遮断層26と上部端子22との間に軟磁性保護膜61が設けられている以外は第1例の磁気抵抗効果素子と同様の構成を有する。
軟磁性保護膜61は、金属あるいは合金の軟磁性材料であれば、その材料は特に限定されず、膜厚は例えば1nm〜10nmに設定される。軟磁性保護膜61は、例えばCo、Ni、およびFeからなる群のうち少なくとも1種を含む軟磁性材料からなり、具体例として、Ni80Fe20、CoZrNb、FeN、FeSiN、FeCo、CoNiFe等が挙げられる。軟磁性保護膜61は、その上に形成される上部端子22と同組成の材料が、良好な格子整合性による結晶成長が可能な点で好ましい。軟磁性保護膜61は、後ほど説明する熱処理において、第1および第2磁気結合遮断層25,26の酸化を防止する機能を有する。
また、軟磁性保護膜61は、その上側の上部端子22と金属面61aで接触している。軟磁性保護膜61は接触部分のY軸方向(コア幅方向)両側の表面には酸化部分61bが形成されている。これに対して、金属面61aでは、軟磁性保護膜61の材料自体の比抵抗を有しているので、上部端子22と軟磁性保護膜61との間の抵抗(電気抵抗)が低く抑えられる。そのため、磁気抵抗効果素子60の素子抵抗を低く抑えることができる。
なお、磁気抵抗効果素子60の素子抵抗は、磁気抵抗効果、つまり図3に示す自由磁化層38の磁化と固定磁化積層体33のうち第2固定磁化層36の磁化との相対的な方向に依存する、自由磁化層38と固定磁化積層体33とから生じる抵抗(磁気抵抗)と、磁気抵抗効果膜30と下部端子21および上部端子22のそれぞれとの間の抵抗(接続抵抗)と、自由磁化層38と固定磁化積層体33からなる磁気抵抗効果膜30以外の膜の抵抗(寄生抵抗)と、下部端子21および上部端子22自体の抵抗(端子抵抗)との総和、すなわち、素子抵抗=磁気抵抗+接続抵抗+寄生抵抗+端子抵抗である。また、磁気抵抗変化率=磁気抵抗変化量÷素子抵抗×100(%)で表される。磁気抵抗変化量は自由磁化層38の磁化と第2固定磁化層36の磁化とが反平行状態での磁気抵抗から自由磁化層38の磁化と第2固定磁化層36の磁化とが平行状態での磁気抵抗を差し引いた形で表される。
第3例の磁気抵抗効果素子60は、自由磁化層38と上部端子22との間に、自由磁化層38側から、第1磁気結合遮断層25、第2磁気結合遮断層26、および軟磁性保護膜61がこの順に積層されている。上部端子22は、軟磁性保護膜61の金属面61aに接触しているので、上部端子22と軟磁性保護膜61との接続抵抗が低く抑えられる。したがって、磁気抵抗効果素子60の素子抵抗を低く抑えることができる。さらに、軟磁性保護膜61が軟磁性材料からなるので、リードギャップ長は、下部端子21の表面から軟磁性保護膜61の下面、すなわち下部端子21の表面から第2磁気結合遮断層26の表面までの距離となる。第2磁気結合遮断層26は軟磁性保護膜61によりエッチング等から保護されているので、第1および第2磁気結合遮断層25,26の膜厚は堆積時の膜厚のまま維持される。したがって、第1および第2磁気結合遮断層25,26の膜厚制御は、堆積時の管理のみでよく、その後のエッチング量やそのばらつきの影響を受けない。その結果、第1および第2磁気結合遮断層25,26の膜厚制御が良好となり、リードギャップ長の制御性が良好になる。ひいては、リードギャップ長が短小化された磁気抵抗効果素子を実現できるので、高記録密度化が可能な磁気抵抗効果素子を実現できる。
次に第3例の磁気抵抗効果素子60の製造方法を説明する。
第3例の磁気抵抗効果素子60の製造方法は、第2磁気結合遮断層26上に軟磁性保護膜61を形成する工程および軟磁性保護膜61の酸化部分61bを除去して金属面61aを露出する工程以外は先の図4A〜図4Fに示す第1例の磁気抵抗効果素子20と略同様である。異なる工程のみを図7Aおよび図7Bを参照しつつ説明する。
図7Aの工程では、セラミック基板(ウェハ)上に堆積したアルミナ膜(不図示)の表面に、めっき法あるいは真空蒸着法により下部端子21を形成する。さらに、下部端子21上に、図3の構成の磁気抵抗効果膜30、第1磁気結合遮断層25、および第2磁気結合遮断層26を順次形成する。具体的には、磁気抵抗効果膜30、第1磁気結合遮断層25、および第2磁気結合遮断層26を例えばDCマグネトロンスパッタ法により形成する。
図7Aの工程ではさらに、第2磁気結合遮断層26上に上述した材料の軟磁性保護膜61を形成する。軟磁性保護膜61の形成は、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法のいずれでもよい。
図7Aの工程ではさらに、図3に示した固定磁化積層体33と自由磁化層38の磁化方向を略垂直に設定するため外部磁界を印加しつつ熱処理(磁化固定加熱処理)を行う。この熱処理の条件は、図4Aと同様である。
なお、軟磁性保護膜61を形成した後で磁化固定化熱処理を行う前後や、次の工程のレジスト膜を形成する際は、セラミック基板21(磁気抵抗効果膜30から軟磁性保護膜61までが形成されている。)は成膜装置から取り出され、熱処理装置やエッチング処理装置に搬送される。この際、軟磁性保護膜61が大気に曝露される。そのため、軟磁性保護膜61の表面には自然酸化膜等の酸化部分61bが形成される。酸化部分61bは、軟磁性保護膜61の種類にもよるが、1nm〜3nm程度の厚さを有する。
次いで、図7Bの工程では、先の図4B〜図4Dと同様の工程を行う。この際、磁気抵抗効果膜30、第1磁気結合遮断層25、第2磁気結合遮断層26、および軟磁性保護膜61の両側面には、軟磁性保護膜61の表面と同様に、酸化部分(不図示)が形成される場合がある。
図7Bの工程ではさらに、エッチングにより軟磁性保護膜61の一部を除去して酸化部分61bを除去し、軟磁性保護膜61の金属面61aを露出させる。これにより、図7Aの工程の磁化固定加熱処理等により軟磁性保護膜61の表面に形成された高抵抗を有する酸化部分61bが除去され、軟磁性保護膜61と、次に形成される上部端子22との間の接続抵抗が低減される。この際のエッチング量はエッチング速度を予め求めておき、エッチング時間によりエッチング量を制御する。また、エッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングのいずれでもよいが、軟磁性保護膜61のエッチング量を精度良く設定可能な点でドライエッチングを用いることが好ましい。
図7Bの工程の後の工程は、図4Fの工程と略同様である。以上により、図6に示す第3例の磁気抵抗効果素子60が形成される。
この製造方法では、軟磁性保護膜61の表面に形成された酸化部分61bを除去して金属面61aを露出することで、上部端子を軟磁性保護膜61との接続抵抗を低く抑えることができる。これと共に、磁気抵抗効果素子60のリードギャップ長は、下部端子21の表面から第2磁気結合遮断層26の表面までの距離となる。第2磁気結合遮断層26は、磁化固定加熱処理による酸化部分も生ぜず、エッチングされることもないため、堆積時の膜厚によってリードギャップ長が決まる。よって、リードギャップ長の制御性が良好な磁気抵抗効果素子を形成できる。なお、軟磁性保護膜61と上部端子22との接触部分(金属面61a)のコア幅方向両側の軟磁性保護膜61の表面には、上記エッチング処理により研削されていないので酸化部分61bが存在する。
なお、上記エッチングにより軟磁性保護膜61の表面全体を除去してもよい。この場合は金属面61aが軟磁性保護膜61のコア幅方向の両側端まで延びるので、軟磁性保護膜61の表面の酸化部分61bは残留しない。
[第4例の磁気抵抗効果素子]
図8は、第1の実施の形態に係る第4例の磁気抵抗効果素子の媒体対向面の要部を示す図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図8を参照するに、第4例の磁気抵抗効果素子70は、セラミック基板11の表面に形成されたアルミナ膜12上に、下部端子21、磁気抵抗効果膜30、Ta膜71、および上部端子22が積層された構成からなる。磁気抵抗効果膜30は先の図3に示す構成を有し、Ta膜71は磁気抵抗効果膜30の自由磁化層38と接している。磁気抵抗効果膜30は下部端子21および上部端子22(Ta膜71を介して)にそれぞれ電気的に接続されている。第4例の磁気抵抗効果素子70は、磁気抵抗効果膜30と上部端子22との間にTa膜71が設けられている以外は第1例の磁気抵抗効果素子20と同様の構成を有する。
Ta膜71は、従来用いられているCu膜よりも、自由磁化層38と上部端子22との交換結合磁界を抑制する効果を有する。すなわち、Ta膜71は、図8中に示す厚さL1(磁気抵抗効果膜30の表面と上部端子22の下面との距離)で形成した場合、同じ膜厚で形成したCu膜の場合と比較すると、Cu膜の場合よりも自由磁化層38と上部端子22との交換結合磁界を抑制できる。そのため、Ta膜71は、交換結合磁界を増加させることなく、Cu膜よりも薄膜化が可能となる。
Ta膜71の膜厚(L1)は、自由磁化層38と上部端子22との交換結合磁界を10Oe以下とした場合、後ほど説明する実施例2により0.9nmまで薄膜化が可能となる。これは、Ta膜71の場合がCu膜の場合(後ほど説明する比較例1)よりも1.5nmあるいはそれ以上も薄膜化できることになる。したがって、Ta膜の膜厚(L1)は、0.9nm以上に設定する。さらに、Ta膜71の膜厚(L1)は、リードギャップ長が過度に長くなり高記録密度での再生出力に悪影響を与えない点で5nm以下であることが好ましい。さらに、Ta膜の膜厚(L1)は、交換結合磁界を抑制する効果と高記録密度での良好な再生出力およびSN比を両立する点で、0.9nm〜5nmであることがとりわけ好ましい。さらには、極めて交換結合磁界を抑制する点で、実施例2において説明するように0.9nm〜2.3nmであることが極めて好ましい。
第4例の磁気抵抗効果素子70は、磁気抵抗効果膜30と上部端子22との間に上記所定の膜厚のTa膜71を設けることで、自由磁化層38と上部端子22との交換結合磁界を抑制できると共にリードギャップ長のいっそうの短小化が可能となる。
なお、第4例の磁気抵抗効果素子70の製造方法は、磁気抵抗効果膜30上にTa膜71を形成する以外は図4A〜図4Fに示す第1例の磁気抵抗効果素子20と略同様であるのでその説明を省略する。
なお、第4例の磁気抵抗効果素子70は図3に示す磁気抵抗効果膜30を有するが、非磁性金属層37の代わりに、非磁性の絶縁材料からなる非磁性絶縁層とした強磁性トンネル磁気効果(TMR)膜としてもよい。TMR膜は強磁性トンネル磁気抵抗効果を生じ、磁気抵抗効果膜と同様にして磁気記録媒体からの信号磁界を検出する。非磁性絶縁層は、例えば厚さが0.2nm〜2.0nmからなり、Mg、Al、Ti、およびZrからなる群のうちいずれか1種の酸化物からなる。このような酸化物としては、MgO、AlOx、TiOx、ZrOxが挙げられる。ここで、xは各々材料の化合物の組成からずれた組成でもよいことを示す。また、非磁性絶縁層はAl、Ti、およびZrからなる群のうちいずれか1種の窒化物、あるいは酸窒化物から構成されてもよい。このような窒化物としては、AlN、TiN、ZrNが挙げられる。このような非磁性絶縁層は、次の第5例の磁気抵抗効果素子に適用してもよい。
[第5例の磁気抵抗効果素子]
第1の実施の形態に係る第5例の磁気抵抗効果素子は、第3例および第4例の磁気抵抗効果素子の変形例であり、Ta膜と上部端子との間に軟磁性保護膜が設けられた構成を有する。
図9は、第1の実施の形態に係る第5例の磁気抵抗効果素子の媒体対向面の要部を示す図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図9を参照するに、第5例の磁気抵抗効果素子75は、セラミック基板11の表面に形成されたアルミナ膜12上に、下部端子21、磁気抵抗効果膜30、Ta膜71、軟磁性保護膜61、および上部端子22が積層された構成からなる。磁気抵抗効果膜30は先の図3に示す構成を有する。Ta膜71は磁気抵抗効果膜30の自由磁化層38上に形成され、Ta膜71上に軟磁性保護膜61が形成され、軟磁性保護膜61の金属面61aに上部端子22が接触している。
軟磁性保護膜61は上述した第3例の磁気抵抗効果素子の軟磁性保護膜と同様の材料および膜厚から選択される。
さらに、軟磁性保護膜61は第3例の磁気抵抗効果素子の軟磁性保護膜と同様の工程および工程の順序により形成される。すなわち、第5例の磁気抵抗効果素子75は、第3例の磁気抵抗効果素子の製造方法において、図7Aの工程では、磁気抵抗効果膜30上にTa膜71および軟磁性保護膜61が順次形成され、次いで、磁化固定化熱処理を行う。そして、図7Bの工程を同様に行う。これにより、Ta膜71は磁化固定化熱処理による酸化が回避され、さらに、エッチングによる膜厚の変化も回避される。したがって、Ta膜71の最終的な膜厚は堆積時の膜厚のまま維持される。したがって、Ta膜71の膜厚制御は堆積時の管理のみでよく、Ta膜71の膜厚はその後のエッチング量やそのばらつきの影響を受けない。その結果、Ta膜71の膜厚制御が良好となり、リードギャップ長の制御性が良好になる。
ひいては、Ta膜71が自由磁化層と上部端子との交換結合磁界を抑制できると共に薄膜化が可能であるので、より狭いリードギャップ長の磁気抵抗効果素子を実現できるので、高記録密度化が可能な磁気抵抗効果素子を実現できる。
第5例の磁気抵抗効果素子75は、上部端子22と軟磁性保護膜61との接続抵抗が低く抑えられるので、磁気抵抗効果素子75の素子抵抗を低く抑えることができる。さらに、軟磁性保護膜61が軟磁性材料からなるので、リードギャップ長は、下部端子21の表面から軟磁性保護膜61の下面、すなわち下部端子21の表面からTa膜71の表面までの距離となる。Ta膜71は軟磁性保護膜61によりエッチング等から保護されているので、Ta膜71の膜厚は堆積時の膜厚のまま維持される。したがって、Ta膜71の膜厚制御は堆積時の管理のみでよく、その後のエッチング量やそのばらつきの影響を受けない。さらにTa膜は、自由磁化層と上部端子との交換結合磁界を抑制できると共に薄膜化が可能であるので、その結果、Ta膜71の膜厚制御が良好となり、リードギャップ長の制御性が良好になる。ひいては、より狭いリードギャップの磁気抵抗効果素子を実現できるので、高記録密度化が可能な磁気抵抗効果素子を実現できる。
なお、第5例の磁気抵抗効果素子75では、Ta膜71の代わりに図2に示す第1例の磁気抵抗効果素子の第2磁気結合遮断層26(但しTaは除く)を適用してもよい。
また、第4例および第5例の磁気抵抗効果素子では、磁気抵抗効果膜は次の図10に示す第1変形例あるいは図11に示す第2変形例の構成を有してもよい。
図10は磁気抵抗効果膜の第1変形例の断面図、図11は磁気抵抗効果膜の第2変形例の断面図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図10を参照するに、第1変形例の磁気抵抗効果膜80は、下部端子(不図示)側から、下地層31、自由磁化層38、非磁性金属層37、固定磁化積層体33(第2固定磁化層36、非磁性結合層35、第1固定磁化層34)、反強磁性層32が順次積層された構成を有する。先の第4例および第5例の磁気抵抗効果素子では、反強磁性層32上にTa膜71が形成される。
また、図11を参照するに、磁気抵抗効果膜90は、下部端子側から、下地層31、下部反強磁性層32、下部固定磁化積層体33、下部非磁性金属層37、自由磁化層38、上部非磁性金属層97、上部固定磁化積層体93、および上部反強磁性層92が順次積層された構成からなり、いわゆるデュアルスピンバルブ構造を有する。磁気抵抗効果膜90の自由磁化層38から下側の構造は、図10に示す磁気抵抗効果膜80と同様の構成を有し、対応する層には同じ符号を付している。また、上部非磁性金属層97、上部固定磁化積層体93、および上部反強磁性層92は、それぞれ、上述した下部非磁性金属層37、下部固定磁化積層体33、下部反強磁性層32と同様の材料および膜厚から選択される。但し、上部固定磁化積層体93は、上部非磁性金属層97側から、上部第2固定磁化層96、上部非磁性結合層95、および上部第1固定磁化層94が順に積層されてなる。
第1および第2変形例の磁気抵抗効果膜80,90をこのような構成とすることで、反強磁性層32あるいは上部反強磁性層92上に形成されたTa膜71により、反強磁性層32あるいは上部反強磁性層92(あるいは第1固定磁化層34や上部第1固定磁化層94)と上部端子22との磁気的な結合を抑制可能であり、リードギャップ長のいっそう短小化された磁気抵抗効果素子を実現できる。
次に第1の実施の形態に係る実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1(実施例1−1〜1−3)では、図3に示す第1の実施の形態の第1例の磁気抵抗効果素子20を構成する第1磁気結合遮断層25および第2磁気結合遮断層26が自由磁化層38と上部端子22との交換結合磁界を遮断する程度を測定するために以下の構成を有する積層体を作製し交換結合磁界を測定した。
[実施例1−1]
実施例1−1の積層体の構成は以下の通りである。なお、括弧内の数値は膜厚を表し、以下の実施例および比較例においても同様に示す。また、下側の層から順に示しており、複数の層からなる場合は右側の層が左側の層の上に形成されていることを示す。
下地層:Ta膜(5nm)/Ru膜(5nm)
反強磁性層:IrMn(5nm)
第1磁性層:Ni80Fe20(5nm)
第1磁気結合遮断層:Cu膜(0.25nmから2.0nmまで異ならせた。)
第2磁気結合遮断層:Ta膜(0.5nm)
第2磁性層:Ni80Fe20(10nm)
保護膜:Ru膜(5nm)
実施例1−1の積層体を以下のようにして作製した。最初に熱酸化膜が形成されたシリコン基板上に、DCマグネトロン法により下地層のTa膜(5nm)から保護膜まで、上記の組成および膜厚を有する積層体を超高真空(真空度:2×10-6Pa以下)雰囲気でスパッタ装置を用いて基板の加熱を行わないで形成した。
次いで、得られた積層体の磁化固定熱処理を行った。磁化固定熱処理の条件は、加熱温度300℃、処理時間3時間、印加磁界1952kA/mとした。
次いで、このようにして得られた積層体を以下のようにして第1磁性層と第2磁性層との交換結合磁界を測定した。上記の構成の実施例1−1の積層体において第1磁性層の磁化の向きは反強磁性層の作用により固定されている。第2磁性層の磁化は磁界を印加しない状態では第1磁性層との交換結合磁界により、第1磁性層の磁化の向きと逆向きになっている。振動試料型磁力計(VSM)により膜面内でかつ第1磁性層の磁化の向きと同じ向きおよびその逆向きに磁界を印加して磁化量のヒステリシスループを測定する。ヒステリシスループ(縦軸:磁化量、横軸:磁界)は磁化量軸(磁界=零)に対して左右対象とならず、磁界軸方向に変位する。この変位量を交換結合磁界とした。以下の実施例および比較例でも同様にして交換結合磁界を得た。
[実施例1−2]
実施例1−2は実施例1−1の第2磁気結合遮断層のTa膜の膜厚を1.0nmとし、第1磁気結合遮断層のCu膜の膜厚を1.0nmから2.0nmまで異ならせた以外は実施例1−1と同様の構成とした。このような構成の積層体を実施例1−1と略同様にして作製し、交換結合磁界を得た。
[実施例1−3]
実施例1−3は実施例1−1の第1磁気結合遮断層のCu膜の膜厚を1.0nmとし、第2磁気結合遮断層のTa膜の膜厚を0.5nmから1.5nmまで異ならせた以外は実施例1−1と同様の構成とし、交換結合磁界を得た。
(実施例2)
実施例2では、図8に示す第1の実施の形態の第4例の磁気抵抗効果素子70を構成するTa膜71が自由磁化層38と上部端子22との交換結合磁界を遮断する程度を測定するために以下の構成を有する積層体を作製し交換結合磁界を測定した。
下地層:Ta膜(5nm)/Ru膜(5nm)
反強磁性層:IrMn(5nm)
第1磁性層:Ni80Fe20(5nm)
Ta膜71:Ta膜(0.5nmから2.0nmまで異ならせた。)
第2磁性層:Ni80Fe20(10nm)
保護膜:Ru膜(5nm)
実施例2の積層体の作製方法は実施例1−1と略同様であるので、その説明を省略する。
(比較例1)
比較例1では、実施例2のTa膜をCu膜に置き換えた以外は実施例2と同様の構成とした。比較例1の磁気抵抗効果素子の作製方法は実施例1と略同様である。
図12Aは、実施例1−1〜1−3、2および比較例1の交換結合磁界と磁気結合遮断層の膜厚との関係図、図12Bは図12Aの縦軸を拡大して示す図である。
なお、図12Aおよび図12Bの縦軸は第1磁性層と第2磁性層との交換結合磁界を示しており、横軸は第1磁気結合遮断層および第2磁気結合遮断層が設けられている場合はそれらの膜厚の総計を示し、磁気結合遮断層としてのTa膜のみが設けられている場合はそれ自体の膜厚を示している。なお、以下の説明では、特に断らない限り第1磁気結合遮断層および第2磁気結合遮断層の積層体および磁気結合遮断層としてのTa膜を単に「磁気結合遮断層」と称する。また、図中、実施例1−1は"○"、実施例1−2は"△"、実施例1−3は"X"、実施例2は"□"、比較例1は"●"で示している。
図12Aおよび図12Bを参照するに、実施例1−1〜1−3および実施例2は、比較例1よりも、磁気結合遮断層を薄膜化するに伴う、第1磁性層と第2磁性層との交換結合磁界の増加の割合が少なくなっていることが分かる。このことから、実施例1−1〜1−3の第2磁気結合遮断層や実施例2の磁気結合遮断層にTa膜を用いることにより、第1の実施の形態に係る各例の磁気抵抗効果素子の自由磁化層と上部端子との磁気的な相互作用を抑制できることが分かる。
比較例1では、第1磁性層と第2磁性層との交換結合磁界を10Oe以下に設定するためには、2.4nmかそれ以上の膜厚のCu膜が必要である。これに対して、実施例1−1では1.3nmかそれ以上、実施例2では0.9nmかそれ以上の膜厚の磁気結合遮断層が必要である。このことにより、実施例1−1では1.1nm、実施例2では1.5nmも磁気結合遮断層を薄膜化可能であることが分かる。なお、本願発明者の検討によれば、交換結合磁界が10Oe以下であれば、実際の磁気抵抗効果素子の自由磁化層は、実用上、上部端子からの磁気的な悪影響を受けないことが確認されている。
さらに、比較例1では、第1磁性層と第2磁性層との交換結合磁界を5Oe以下に設定するためには、2.9nmかそれ以上の膜厚のCu膜が必要である。これに対して、実施例1−1〜1−3および実施例2では、1.7nmあるいは1.8nmかそれ以上の膜厚の磁気結合遮断層が必要である。このことにより、実施例1−1〜1−3および実施例2の方が、1.1nmも磁気結合遮断層を薄膜化可能であることが分かる。
また、実施例1−1〜1−3および実施例2を比較すると、磁気結合遮断層に占めるTa膜の膜厚の割合が大きいほど交換結合磁界が小さくなることが分かる。すなわち、実施例2が最も交換結合磁界を低減できることが分かる。
(実施例3および比較例2)
実施例3では、図2および図3に示す第1の実施の形態の第1例の磁気抵抗効果素子20の構成を有する磁気抵抗効果素子を作製し、磁気抵抗変化率を測定した。なお、実施例3は磁気抵抗変化率を測定することが目的であり、実施例3の磁気抵抗効果素子では下部端子および上部端子にはCu膜を使用したが、磁気抵抗変化率は影響しない。
実施例3の構成は以下の通りである。なお、括弧内の数値は膜厚を表し、以下の実施例において同様である。
下部端子:Cu膜(300nm)
下地層:Ta膜(5nm)/Ru膜(5nm)
反強磁性層:IrMn膜(5nm)
第1固定磁化層:Co90Fe10膜(3nm)
非磁性結合層:Ru膜(0.8nm)
第2固定磁化層:Co90Fe10膜(3nm)
非磁性金属層:Cu膜(4nm)
自由磁化層:Co90Fe10膜(3nm)
第1磁気結合遮断層:Cu膜(1.0nmから2.0nmまで異ならせた。)
第2磁気結合遮断層:Ta膜(5nm)
上部端子:Cu膜(300nm)
なお、実施例3および比較例2の作製方法を以下に示す。最初に熱酸化膜が形成されたシリコン基板上に、DCマグネトロンスパッタ法により下部端子層を形成し、続けて上記の組成および膜厚を有する下地層〜第2磁気結合遮断層までの積層体を超高真空(真空度:2×10-6Pa以下)雰囲気でDCマグネトロンスパッタ法を用い基板の加熱を行わないで形成した。
次いで、得られた積層体の磁化固定熱処理を行った。磁化固定熱処理の条件は、加熱温度300℃、処理時間3時間、印加磁界1952kA/mとした。
次いで、このようにして得られた積層体上にマスクを形成し、さらにイオンミリングにより研削して、先の図4Bに示す整形された積層体を作製した。
次いで、このようにして得られた積層体をシリコン酸化膜で覆い、次いでドライエッチングにより保護層を露出させ、さらに保護層に接触するようにDCマグネトロンスパッタ法により上部端子を形成した。
また比較のため、第1磁気結合遮断層のCu膜を設けない磁気抵抗効果素子(比較例2とする。)を作製した。なお、比較例2の作製方法は実施例3と略同様である。
次いで、磁気抵抗変化量ΔRの測定は、センス電流の電流値を2mAに設定し、外部磁界を第2固定磁化層の磁化方向に平行に−79kA/m〜79kA/mの範囲で掃引し、下部電極と上部電極との間の電圧をデジタルボルトメータにより測定し、磁気抵抗曲線を得た。そして、磁気抵抗曲線の最大値と最小値との差から磁気抵抗変化量ΔRを求めた。そして、磁気抵抗変化量ΔRと磁気抵抗効果素子の接合面積Aの積を求め単位面積の磁気抵抗変化量ΔRAを求めた。磁気抵抗変化率は、磁気抵抗効果素子の素子抵抗RALL
との比(ΔRA/RALL×100(%))である。
図13は、実施例3および比較例2の磁気抵抗変化率と第1磁気結合遮断層の膜厚との関係図である。図中、実施例3は"○"、比較例2は"●"で示している。
図13を参照するに、比較例2の場合は磁気抵抗変化率が0.65%であるのに対して、実施例3の場合は磁気抵抗変化率が0.8%である。すなわち、第1磁気結合遮断層Cu膜を設けることにより磁気抵抗変化率が2割程度増加していることが分かる。自由磁化層上に第1磁気結合遮断層としてCu膜を設けることで、スピン依存界面散乱が増加して磁気抵抗変化率が増加することが分かる。
(実施例4)
実施例4(実施例4−1〜4−2)では、図5に示す第1の実施の形態の第2例の磁気抵抗効果素子50を構成する第1磁気結合遮断層25、第2磁気結合遮断層26、および第3磁気結合遮断層51が自由磁化層38(図3に示す。)と上部端子22との交換結合磁界を遮断する程度を測定するために以下の構成を有する積層体を作製し交換結合磁界を測定した。なお、作製方法は実施例1と略同様の方法であるので、その説明を省略する。
[実施例4−1]
実施例4−1の構成は以下の通りである。なお、括弧内の数値は膜厚を表し、以下の実施例において同様である。
下地層:Ta膜(5nm)/Ru膜(5nm)
反強磁性層:IrMn(5nm)
第1磁性層:Ni80Fe20(5nm)
第1磁気結合遮断層:Cu膜(1.0nm)
第2磁気結合遮断層:Ta膜(0.5nmから1.1nmまで異ならせた)
第3磁気結合遮断層:Cu膜(1.0nm)
第2磁性層:Ni80Fe20(10nm)
保護膜:Ru膜(5nm)
[実施例4−2]
実施例4−2は実施例4−1の第2磁気結合遮断層をRu膜とし、その膜厚を0.25nmから0.75nmまで異ならせた以外は実施例4−1と同様の構成とした。
(比較例3)
比較例3は、実施例4−1の第1〜第3磁気結合遮断層を単層のCu膜とし、その膜厚を3.0nmから4.0nmまで異ならせた以外は実施例4−1と同様の構成とした。
図14は、実施例4および比較例3の交換結合磁界と磁気結合遮断層の膜厚との関係図である。なお、図14の縦軸は第1磁性層と第2磁性層との交換結合磁界を示しており、横軸は第1〜第3磁気結合遮断層の膜厚の総計を示している。なお、以下では特に断らない限り第1〜第3磁気結合遮断層の積層体を単に「磁気結合遮断層」と称する。また、図中、実施例4−1は"○"、実施例4−2は"□"、比較例3は"●"で示している。
図14を参照するに、実施例4−1〜4−2は、比較例3よりも、磁気結合遮断層を薄膜化するに伴う第1磁性層と第2磁性層との交換結合磁界の増加の割合が少なくなっていることが分かる。このことから、実施例4−1〜4−2の第2磁気結合遮断層にTa膜やRu膜を用いることにより、第1の実施の形態の第2例の磁気抵抗効果素子50の自由磁化層と上部端子との磁気的な相互作用を抑制できることが分かる。
さらに、比較例3では、自由磁化層と上部端子との交換結合磁界を5Oe以下に設定するためには、4.0nmかそれ以上の膜厚のCu膜が必要である。これに対して、実施例4−1および実施例4−2では、それぞれ2.6nm、2.4nmかそれ以上の膜厚の磁気結合遮断層が必要である。このことにより、実施例4−1〜4−2の方が、2.4nm(あるいはそれ以上)も磁気結合遮断層を薄膜化可能であることが分かる。
(第2の実施の形態)
図15は、本発明の実施の第2の実施の形態に係る磁気記憶装置の要部を示す平面図である。
図15を参照するに、磁気記憶装置100は大略ハウジング101からなる。ハウジング101内には、スピンドル(図示されず)により駆動されるハブ102、ハブ102に固定されスピンドルにより回転される磁気記録媒体103、アクチュエータユニット104、アクチュエータユニット104に支持され、磁気記録媒体103の径方向に駆動されるアーム105およびサスペンション106、サスペンション106に支持された磁気ヘッド108が設けられている。
磁気記録媒体103は面内磁気記録方式あるいは垂直磁気記録方式のいずれの磁気記録媒体でもよく、斜め異方性を有する記録媒体でもよい。
磁気ヘッド108は、図2に示したように、セラミック基板11の上に形成された磁気抵抗効果素子20と、その上に形成された誘導型記録素子13から構成される。誘導型記録素子13は面内記録用のリング型の記録素子でもよく、垂直磁気記録用の単磁極型の記録素子でもよく、他の公知の記録素子でもよい。
磁気抵抗効果素子は、第1の実施の形態の第1例〜第5例のいずれかの磁気抵抗効果素子からなる。したがって、磁気抵抗効果素子は、上部および下部端子と磁気抵抗効果膜との磁気的な相互作用を抑制すると共にリードギャップ長の短小化が可能であるので、高記録密度での再生出力およびSN比の向上が可能である。その結果、磁気記憶装置100は、高記録密度記録に好適である。なお、第2の実施の形態に係る磁気記憶装置100の基本構成は、図15に示すものに限定されるものではない。
以上本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
また、第2の実施の形態では、磁気記録媒体がディスク状の場合を例に説明したが、本発明は、磁気記録媒体がテープ状である磁気テープ装置でも適用できることはいうまでもない。また、磁気抵抗効果素子と記録素子とを備える磁気ヘッドを一例として説明したが、磁気抵抗効果素子のみを備える磁気ヘッドでもよい。さらに、複数の磁気抵抗効果素子が配置された磁気ヘッドでもよい。
なお、以上の説明に関してさらに以下の付記を開示する。
(付記1)
磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流が供給される磁気抵抗効果素子であって、
前記磁気抵抗効果膜の上下にそれぞれ設けられた軟磁性材料からなる上部端子および下部端子と、
下部端子側から固定磁化層と、非磁性金属層と、自由磁化層とがこの順に積層された磁気抵抗効果膜と、
前記磁気抵抗効果膜と上部端子との間に、前記自由磁化層を覆う第1の磁気結合遮断層および該第1の磁気結合遮断層を覆う第2の磁気結合遮断層と、を備え、
前記第1の磁気結合遮断層は、自由磁化層を覆うと共にスピン依存界面散乱を生じさせる非磁性材料からなり、
前記第2の磁気結合遮断層は、Al、Ti、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、Pt、およびAuからなる群のうち少なくとも1種を含み、かつ、第1の磁気結合遮断層とは異なる非磁性材料からなることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
(付記2)
前記第2の磁気結合遮断層は、比抵抗がCu膜よりも大きな材料からなることを特徴とする付記1記載の磁気抵抗効果素子。
(付記3)
前記第2の磁気結合遮断層は、比抵抗が10μΩcm以上である材料からなることを特徴とする付記1記載の磁気抵抗効果素子。
(付記4)
前記第1の磁気結合遮断層は、Cu、Al、Au、AgおよびCrからなる群のうちいずれか1種の純金属あるいはそれを含む金属からなることを特徴とする付記1記載の磁気抵抗効果素子。
(付記5)
前記第2の磁気結合遮断層を覆う第3の磁気結合遮断層をさらに備え、
前記第3の磁気結合遮断層は、Cu、Al、Au、AgおよびCrからなる群のうちいずれか1種の純金属あるいはそれを含む金属からなることを特徴とする付記1〜4のうちいずれか1項記載の磁気抵抗効果素子。
(付記6)
前記第2の磁気結合遮断層を覆う軟磁性保護膜をさらに備え、
前記軟磁性保護膜は、金属または合金の軟磁性材料からなることを特徴とする付記1〜4のうち、いずれか1項記載の磁気抵抗効果素子。
(付記7)
前記上部端子は、前記軟磁性保護膜の金属面に接触してなることを特徴とする付記6記載の磁気抵抗効果素子。
(付記8)
前記上部端子が接触する前記金属面のコア幅方向両側の表面に酸化部分が形成されてなることを特徴とする付記7記載の磁気抵抗効果素子。
(付記9)
前記第2の磁気結合遮断層は、TaまたはRuからなることを特徴とする付記1〜8のうち、いずれか一項記載の磁気抵抗効果素子。
(付記10)
磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流が供給される磁気抵抗効果素子であって、
前記磁気抵抗効果膜の上下にそれぞれ設けられた軟磁性材料からなる上部端子および下部端子と、
固定磁化層と、非磁性層と、自由磁化層とが積層された磁気抵抗効果膜と、
前記磁気抵抗効果膜と上部端子との間に磁気結合遮断層と、を備え、
前記磁気結合遮断層はTaからなり、その膜厚が0.9nm〜5nmの範囲に設定されてなることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
(付記11)
前記磁気結合遮断層を覆う軟磁性保護膜をさらに備え、
前記軟磁性保護膜は、金属または合金の軟磁性材料からなることを特徴とする付記10記載の磁気抵抗効果素子。
(付記12)
前記上部端子は、前記軟磁性保護膜の金属面に接触してなることを特徴とする付記11記載の磁気抵抗効果素子。
(付記13)
前記上部端子が接触する前記金属面のコア幅方向両側の表面に酸化部分が形成されてなることを特徴とする付記12記載の磁気抵抗効果素子。
(付記14)
前記非磁性層は自由磁化層との間にスピン依存界面散乱を生じさせる非磁性金属からなることを特徴とする付記10または11記載の磁気抵抗効果素子。
(付記15)
前記非磁性層は非磁性絶縁材料からなることを特徴とする付記10または11記載の磁気抵抗効果素子。
(付記16)
磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流が供給される磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
下部端子上に前記磁気抵抗効果膜を形成する工程と、
前記磁気抵抗効果膜上に非磁性材料からなる第1の磁気結合遮断層および第2の磁気結合遮断層をこの順に形成する工程と、
前記第2の磁気結合遮断層の表面に接触する上部端子を形成する工程とを含み、
前記第1の磁気結合遮断層は、自由磁化層を覆うと共にスピン依存界面散乱を生じさせる非磁性材料からなり、
前記第2の磁気結合遮断層は、Al、Ti、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、Pt、およびAuからなる群のうち少なくとも1種を含み、かつ、第1の磁気結合遮断層とは異なる非磁性材料からなることを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
(付記17)
磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流が供給される磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
下部端子上に前記磁気抵抗効果膜を形成する工程と、
前記磁気抵抗効果膜上に非磁性材料からなる磁気結合遮断層、および軟磁性材料からなる軟磁性保護膜をこの順に形成する工程と、
前記磁気抵抗効果膜、磁気結合遮断層、および軟磁性保護膜を熱処理する工程と、
前記軟磁性保護膜の一部を除去する工程と、
前記除去工程により露出した軟磁性保護膜の表面を覆う上部端子を形成する工程とを含み、
前記磁気結合遮断層は、Al、Ti、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、Pt、およびAuからなる群のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
(付記18)
前記磁気結合遮断層は、Ta膜であることを特徴とする付記17記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
(付記19)
付記1〜15のうち、いずれか一項記載の磁気抵抗効果素子を有する磁気ヘッドと、
磁気記録媒体と、を備える磁気記憶装置。
従来の磁気抵抗効果素子の問題点を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態に係る第1例の磁気抵抗効果素子を有する磁気ヘッドの媒体対向面の要部を示す図である。 第1例の磁気抵抗効果素子の要部拡大図である。 第1例の磁気抵抗効果素子の製造工程図(その1)である。 第1例の磁気抵抗効果素子の製造工程図(その2)である。 第1例の磁気抵抗効果素子の製造工程図(その3)である。 第1例の磁気抵抗効果素子の製造工程図(その4)である。 第1例の磁気抵抗効果素子の製造工程図(その5)である。 第1例の磁気抵抗効果素子の製造工程図(その6)である。 第1の実施の形態に係る第2例の磁気抵抗効果素子の媒体対向面の要部を示す図である。 第1の実施の形態に係る第3例の磁気抵抗効果素子の媒体対向面の要部を示す図である。 第3例の磁気抵抗効果素子の製造工程図(その1)である。 第3例の磁気抵抗効果素子の製造工程図(その2)である。 第1の実施の形態に係る第4例の磁気抵抗効果素子の媒体対向面の要部を示す図である。 第1の実施の形態に係る第5例の磁気抵抗効果素子の媒体対向面の要部を示す図である。 磁気抵抗効果膜の第1変形例の断面図である。 磁気抵抗効果膜の第2変形例の断面図である。 実施例1、2および比較例1の交換結合磁界と磁気結合遮断層の膜厚との関係図である。 図12Aの縦軸を拡大して示す図である。 実施例3および比較例2の磁気抵抗変化率と第1磁気結合遮断層の膜厚との関係図である。 実施例4および比較例3の交換結合磁界と磁気結合遮断層の膜厚との関係図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気記憶装置の要部を示す平面図である。
符号の説明
10,108 磁気ヘッド
11 セラミック基板
12,18,19 アルミナ膜
13 誘導型記録素子
14 上部磁極
15 記録ギャップ層
16 下部磁極
20,50,60,70,75 磁気抵抗効果素子
21 下部端子
22 上部端子
23 絶縁膜
24 磁区制御膜
25 第1磁気結合遮断層
26 第2磁気結合遮断層
26a 金属面
30,80,90 磁気抵抗効果膜
31 下地層
32 反強磁性層(下部反強磁性層)
33 固定磁化積層体(下部固定磁化積層体)
34 第1固定磁化層(下部第1固定磁化層)
35 非磁性結合層(下部非磁性結合層)
36 第2固定磁化層(下部第2固定磁化層)
37 非磁性金属層(下部非磁性金属層)
38 自由磁化層
40a,40b レジスト膜
51 第3磁気結合遮断層
61 軟磁性保護膜
71 Ta膜
92 上部反強磁性層
93 上部固定磁化積層体
94 上部第1固定磁化層
95 上部非磁性結合層
96 上部第2固定磁化層
97 上部非磁性金属層
100 磁気記憶装置

Claims (8)

  1. 磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流が供給される磁気抵抗効果素子であって、
    前記磁気抵抗効果膜の上下にそれぞれ設けられた軟磁性材料からなる上部端子および下部端子と、
    下部端子側から固定磁化層と、非磁性金属層と、自由磁化層とがこの順に積層された磁気抵抗効果膜と、
    前記磁気抵抗効果膜と上部端子との間に、前記自由磁化層を覆う第1の磁気結合遮断層および該第1の磁気結合遮断層を覆う第2の磁気結合遮断層と、を備え、
    前記第1の磁気結合遮断層は、自由磁化層を覆うと共にスピン依存界面散乱を生じさせる非磁性材料からなり、
    前記第2の磁気結合遮断層は、Al、Ti、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、Pt、およびAuからなる群のうち少なくとも1種を含み、かつ、第1の磁気結合遮断層とは異なる非磁性材料からなることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記第2の磁気結合遮断層は、比抵抗が10μΩcm以上である材料からなることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記第2の磁気結合遮断層を覆う軟磁性保護膜をさらに備え、
    前記軟磁性保護膜は、金属または合金の軟磁性材料からなることを特徴とする請求項1または2項記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流が供給される磁気抵抗効果素子であって、
    前記磁気抵抗効果膜の上下にそれぞれ設けられた軟磁性材料からなる上部端子および下部端子と、
    固定磁化層と、非磁性層と、自由磁化層とが積層された磁気抵抗効果膜と、
    前記磁気抵抗効果膜と上部端子との間に磁気結合遮断層と、を備え、
    前記磁気結合遮断層はTaからなり、その膜厚が0.9nm〜5nmの範囲に設定されてなることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  5. 前記磁気結合遮断層を覆う軟磁性保護膜をさらに備え、
    前記軟磁性保護膜は、金属または合金の軟磁性材料からなることを特徴とする請求項4記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流が供給される磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
    下部端子上に前記磁気抵抗効果膜を形成する工程と、
    前記磁気抵抗効果膜上に非磁性材料からなる第1の磁気結合遮断層および第2の磁気結合遮断層をこの順に形成する工程と、
    前記第2の磁気結合遮断層の表面に接触する上部端子を形成する工程とを含み、
    前記第1の磁気結合遮断層は、自由磁化層を覆うと共にスピン依存界面散乱を生じさせる非磁性材料からなり、
    前記第2の磁気結合遮断層は、Al、Ti、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、Pt、およびAuからなる群のうち少なくとも1種を含み、かつ、第1の磁気結合遮断層とは異なる非磁性材料からなることを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  7. 磁気抵抗効果膜の膜面に対して垂直方向にセンス電流が供給される磁気抵抗効果素子の製造方法であって、
    下部端子上に前記磁気抵抗効果膜を形成する工程と、
    前記磁気抵抗効果膜上に非磁性材料からなる磁気結合遮断層、および軟磁性材料からなる軟磁性保護膜をこの順に形成する工程と、
    前記磁気抵抗効果膜、磁気結合遮断層、および軟磁性保護膜を熱処理する工程と、
    前記軟磁性保護膜の一部を除去する工程と、
    前記除去工程により露出した軟磁性保護膜の表面を覆う上部端子を形成する工程とを含み、
    前記磁気結合遮断層は、Al、Ti、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Hf、Ta、W、Ir、Pt、およびAuからなる群のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  8. 請求項1〜5のうち、いずれか一項記載の磁気抵抗効果素子を有する磁気ヘッドと、
    磁気記録媒体と、を備える磁気記憶装置。
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