JP2003060259A - 磁気検出素子及びその製造方法 - Google Patents

磁気検出素子及びその製造方法

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JP2003060259A JP2001244312A JP2001244312A JP2003060259A JP 2003060259 A JP2003060259 A JP 2003060259A JP 2001244312 A JP2001244312 A JP 2001244312A JP 2001244312 A JP2001244312 A JP 2001244312A JP 2003060259 A JP2003060259 A JP 2003060259A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バイアス下地層をbcc構造に保持することに
より、バイアス層の磁気特性を改善し、狭トラック幅に
対応した磁気検出素子を得る。 【解決手段】基板上に形成されたギャップ層22と、ギ
ャップ層22上に形成された、多層抵抗膜20を構成す
る、少なくとも反強磁性層26、固定磁性層27、非磁
性導電層28及びフリー磁性層29と、多層抵抗膜20
の、フリー磁性層29、非磁性導電層28、固定磁性層
27のトラック幅方向の両側に形成される、バイアス下
地層33、バイアス層34とを含む。そしてアモルファ
ス導電層32が反強磁性層26の両側領域上に形成さ
れ、バイアス下地層33、バイアス層34がアモルファ
ス導電層32上に下から順に形成され、バイアス層34
が、反強磁性層26の両側領域、アモルファス導電層3
2とバイアス層34との下層として構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気検出素子及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】磁気検出素子、例えばスピ
ンバルブ型磁気抵抗効果素子は、反強磁性層と、固定磁
性層と、非磁性導電層と、フリー磁性層とを有する多層
膜のトラック領域の両側領域に、バイアス層と電極層と
を備えている。このスピンバルブ型磁気抵抗効果素子素
子では、固定磁性層の磁化とフリー磁性層の磁化とがほ
ぼ交叉する方向に設定されており、フリー磁性層の磁化
は記録媒体からの漏れ磁束によって変動することによ
り、固定磁性層との磁化の関係で電気抵抗が変化し、こ
れにより漏れ磁界が再生される。
【0003】図14は、従来のスピンバルブ型磁気抵抗
効果素子を記録媒体の対向面(ABS面)側から見た断面
図である。同図に示すスピンバルブ型磁気抵抗効果素子
(第1従来例)は、下地層101の上に形成される反強
磁性層102が図示するトラック幅Tw方向(X方向)
に長く形成され、トラック幅領域の中心(以下、便宜的
にX方向の中央ということがある)では反強磁性層10
2が高さ寸法d1だけ突出して形成されている。そし
て、この突出した反強磁性層102上に、固定磁性層1
03、非磁性導電層104、フリー磁性層105及び保
護層106が形成されており、下地層101から保護層
106までの積層体が多層膜107を構成している。
【0004】この第1従来例のスピンバルブ型薄膜素子
では、反強磁性層102がPt−Mn(白金−マンガ
ン)合金膜などにより形成される。固定磁性層103の
磁化は反強磁性層102との界面で発生する交換結合磁
界により、ハイト方向(図示Y方向)に固定される。固
定磁性層103及びフリー磁性層105は、Ni−Fe
(ニッケル−鉄)合金、Co(コバルト)、Fe−Co(鉄
−コバルト)合金、Fe−Co−Ni合金などで形成さ
れている。非磁性導電層104は、Cu(銅)などの電気
抵抗の低い非磁性導電材料で形成されている。Z方向
は、薄膜の積層方向である。
【0005】そして、図中X方向に延ばされて形成され
た反強磁性層102上から、及び多層膜107の側面に
かけて、Cr(クロム)などで形成された緩衝膜及び配
向膜となるバイアス下地層108が形成されており、こ
のバイアス下地層108上には、例えばCo−Pt(コ
バルト−白金)合金などで形成したハードバイアス層
(硬磁性層)109が積層されている。
【0006】このハードバイアス層109は、図中X方
向(トラック幅方向)に着磁されており、このハードバ
イアス層109からX方向へのバイアス磁界により、フ
リー磁性層105の磁化は同一のX方向に揃えられてい
る。バイアス下地層108は、ハードバイアス層109
から発生するバイアス磁界を増大させる。
【0007】さらに、このハードバイアス層109の上
には、Cr(クロム),Au(金),Ta(タンタ
ル),W(タングステン)などで形成された電極層11
1が積層されている。
【0008】上述したように、反強磁性層102及び多
層膜107の側面にかけて設けたバイアス下地層108
の存在により、ハードバイアス層109から発生するバ
イアス磁界を増大できるようになっている。ところで、
このハードバイアス層109は、フリー磁性層105の
磁化方向を揃えるためのものであるが、フリー磁性層1
05付近においてこのハードバイアス層(硬磁性層)1
09から発生するバイアス磁界を増大させることが必要
である。
【0009】しかしながら、このようなスピンバルブ型
薄膜素子では、つまり、反強磁性層102を中央部の他
に両側領域にも残して、その両側の反強磁性層102上
にバイアス下地層108及びハードバイアス層109を
積層させる構成のものにあっては、反強磁性層102上
のハードバイアス層109の結晶配向が好ましくない方
向になるといった現象を起こし、ハードバイアス層10
9の磁気特性が劣化するトラブルを生じている。その結
果、再生波形の直線性や安定性の劣化をもたらしてい
る。
【0010】即ち、ハードバイアス層109のバイアス
特性は、これを形成する際のバイアス下地層108の配
向構造に非常に強く依存しているが、このバイアス下地
層108は、例えばCrの場合、本来の結晶配向から、
その直下にある反強磁性層102との積層構造により、
この反強磁性層102の結晶配向に拘束されて変化する
のではないか、と考えられている。このため、そのバイ
アス下地層108上に積層されたハードバイアス層10
9の保磁力が低下してしまうわけである。
【0011】そこで、例えば図15に示すように、下部
シールド層112及び下部ギャップ層113の上に、多
層膜107を形成後、電極層111及びハードバイアス
層109形成の際に、前処理ミリングを過剰に行い、多
層膜107に形成された反強磁性層102において、こ
の両側に延出する部分さらにその直下にある下部ギャッ
プ層113の一部までオーバエッチによって取り除いた
後に、バイアス下地層108を積層させたスピンバルブ
型薄膜素子(第2従来例)も知られている。
【0012】このような構成のスピンバルブ型薄膜素子
では、良好なハードバイアス特性が得られるが、多層膜
107の側面においてバイアス層109が先細りの状態
(フリー層105近傍でのハードバイアス層109の膜
厚が減少してしまう)を呈している。そのため、フリー
磁性層105の側面付近では、ハードバイアス層109
が所望の膜厚を形成することが不可能な状態である。従
って、フリー磁性層105付近において、ハードバイア
ス層(硬磁性層)109から発生するバイアス磁界をよ
り有効に印加させることが困難であった。
【0013】従って、所要の保磁力を発揮するために
は、多層膜107の両側領域での前処理ミリング量につ
いては、少なくとも多層膜107の全てを除去するか、
それより深くイオンミリングすること(オーバーエッ
チ)が好ましい。ところが、このように多層膜を全て除
去し、若しくはそれより深くイオンミリングすると、ハ
ードバイアス層109が先細りの状態となり、フリー磁
性層105に有効なバイアス磁界を印加することが難し
くなり、再生波形の直線性や安定性が欠如してしまう。
【0014】
【発明の目的】本発明の目的は、上記した事情に鑑み、
再生波形の直線性や安定性に優れた磁気検出素子及びそ
の製造方法を得ることにある。
【0015】
【発明の概要】前記目的を達成するため、本発明に係る
磁気検出素子は、基板上に形成されたギャップ層と、前
記ギャップ層上に形成された、多層抵抗膜を構成する、
少なくとも反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層及び
フリー磁性層と、前記多層抵抗膜のフリー磁性層、非磁
性導電層、固定磁性層のトラック幅方向の両側に形成さ
れる、バイアス下地層、バイアス層とを含む磁気検出素
子であって、前記反強磁性層が、少なくとも前記多層抵
抗膜の、フリー磁性層、非磁性導電層、固定磁性層より
もトラック幅方向の両側に延びた両側領域を有し、アモ
ルファス導電層が、前記反強磁性層の両側領域上に形成
され、前記バイアス下地層、バイアス層が前記アモルフ
ァス導電層上に下から順に形成され、前記バイアス層
が、前記反強磁性層の両側領域、前記アモルファス導電
層及び前記バイアス層の下地層で嵩上げされて前記フリ
ー磁性層の高さ位置に形成されていることを特徴する。
【0016】また前記バイアス下地層が、bcc構造の
結晶構造体から形成され、少なくとも[211]面または
[200]面が膜面垂直方向に配向されていることが望ま
しい。また前記バイアス層が、少なくとも[100]面が
膜面垂直方向に配向された磁性材料から形成されている
ことが望ましい。また前記バイアス下地層が、前記バイ
アス層と前記フリー磁性層との間に介在されていてもよ
い。
【0017】また前記アモルファス導電層が非磁性材料
であることが望ましい。また前記アモルファス導電層
は、Co−T−Z合金から形成され、TはZr、Hfの
うち少なくとも1種を含む元素であり、ZはTa、Nb
のうち少なくとも1種を含む元素であるもの、或いはN
i−X合金からなり、Xは少なくともPを含む元素から
なるものであってもよい。
【0018】また前記反強磁性層の両側領域の膜厚がト
ラック幅領域の膜厚より薄く、前記アモルファス導電層
が前記反強磁性層の両側領域上に所望の膜厚で形成され
ていることが望ましい。また前記アモルファス導電層の
膜厚が、60Å以上300Å以下であることが望まし
い。
【0019】また前記多層抵抗膜が、下から順に反強磁
性層、固定磁性層、非磁性導電層及びフリー磁性層を有
し、前記固定磁性層が、非磁性中間層を挟んで形成され
た一対の強磁性層を備え、前記一対の強磁性層の磁化方
向が互いに反平行である構造であってもよい。また前記
ギャップ層と前記反強磁性層との間にシードレイヤ層が
形成されていることが望ましい。
【0020】また前記多層抵抗膜が、下から順に反強磁
性層、固定磁性層、非磁性導電層及びフリー磁性層を有
し、前記フリー磁性層が、非磁性中間層を挟んで形成さ
れた一対の強磁性層を備え、前記一対の強磁性層の磁化
方向が互いに反平行である構造であってもよい。
【0021】また本発明の磁気検出素子の製造方法は、
基板のギャップ層上に、少なくとも反強磁性層、固定磁
性層、非磁性導電層及びフリー磁性層からなる多層抵抗
膜を形成する工程と、前記多層抵抗膜をエッチングによ
りパターニングし、かつ前記反強磁性層の両側をオーバ
ーエッチングする工程と、前記反強磁性層の両側のオー
バーエッチングされた領域上にアモルファス導電層を形
成する工程と、前記アモルファス導電層上にバイアス下
地層を形成する工程と、前記バイアス下地層上にバイア
ス層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0022】また前記バイアス下地層の形成工程におい
て、bcc構造の結晶構造体からなる前記バイアス下地
層の成膜角度を、少なくとも[211]面または[200]
面が膜面垂直方向に配向される角度に制御することによ
り、前記バイアス下地層の成膜を行なうことが望まし
い。
【0023】また前記バイアス層の形成工程において、
前記バイアス層の成膜角度を、少なくとも[100]面が
膜面垂直方向に配向される角度に制御することにより、
前記バイアス層の成膜を行なうことが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら説明する。
【0025】図1は、本発明の第1の実施形態に係る磁
気検出素子を記録媒体との対向面(ABS面)側から見
た断面図、図2は、図1の右側形状を拡大した断面図で
ある。
【0026】この第1の実施形態に係る磁気検出素子
は、記録媒体に記録されたデータを再生するための巨大
磁気抵抗型素子であり、この磁気検出素子は再生用の磁
気ヘッドに用いられ、記録媒体からの信号磁界により電
気抵抗が変化し、その抵抗の変化を利用して記録媒体の
記録データを再生する。
【0027】なお、図1には再生用の磁気ヘッドに用い
られる磁気検出素子のみが開示されているが、この磁気
検出素子の多層抵抗膜20上(Z方向)に記録用のイン
ダクティブヘッドが積層形成された構造のものであって
もよい。このインダクティブヘッドは、磁性材料で形成
したコア層とコア層に巻付けたコイル層とを有し、コイ
ル層に記録用電流を通電しコア層に発生する磁界により
記録媒体にデータを書き込む構造に構成されている。
【0028】再生用磁気ヘッドに用いられる図1の磁気
検出素子は、例えばアルミナ−チタンカーバイト(Al
23−TiC)で形成されたスライダのトレーリング端
面に設けられる。このスライダは、記録媒体との対向面
と逆面側で、ステンレス材などによる弾性変形可能なサ
スペンションに接合され、磁気ヘッド装置が構成され
る。
【0029】この磁気検出素子は、基板B上に、NiF
e合金やセンダストなどの磁性材料からなる下部シール
ド層21が形成され、下部シールド層21上に、Al2
3やSiO2などの絶縁材料を用いて下部ギャップ層2
2が形成され、下部ギャップ層22の形成面α上に多層
抵抗膜20が形成される。
【0030】この多層抵抗膜20は、いわゆるスピンバ
ルブ型多層抵抗膜と呼ばれるものである。以下、この多
層抵抗膜20を構成する各層について説明する。
【0031】まず、下部ギャップ層22の上面に位置す
る形成面αには、反強磁性層26が形成される。この反
強磁性層26は、例えば、元素X(ただしXは、Pt、
Pd、Ir、Rh、Ru、Osのうち1種または2種以
上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料、あ
るいは、元素Xと元素X′合金(ただし元素X′は、N
e、Ar、Kr、Xe、Be、B、C、N、Mg、A
l、Si、P、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、C
d、Sn、Hf、Ta、W、Re、Au、Pb、及び希
土類元素のうち1種または2種以上の元素である)とM
nを含有する反強磁性材料により形成される。一般的に
は反強磁性層26はPtMn(プラチナマンガン)から
形成される。さらに反強磁性層26の両側領域26bの
膜厚t2がトラック幅領域26aの膜厚t1より薄く形
成され、反強磁性層26は下部ギャップ層22上に凸型
形状に形成される。
【0032】これらの反強磁性材料は、耐食性に優れ、
しかもブロッキング温度も高く、反強磁性層26上に形
成される固定磁性層27との界面で大きな交換結合磁界
を発生し得る。
【0033】前記反強磁性層26上には固定磁性層27
が形成されている。この固定磁性層27はNiFe合
金、CoFe合金、Co、CoNiFe合金などにより
形成される。この固定磁性層27が反強磁性層26上に
形成された後、ハイト方向(図示Y方向)への磁場雰囲
気中でアニールを施すことにより、固定磁性層27と反
強磁性層26との界面に発生する交換結合磁界により、
固定磁性層27の磁化はハイト方向(図示Y方向)に固
定される。この固定磁性層27は、例えば、20Å以上
60Å以下程度の膜厚で形成される。
【0034】前記固定磁性層27上には非磁性導電層2
8が形成される。この非磁性導電層28は、例えばCu
などの電気抵抗の低い導電性材料により形成される。こ
の非磁性導電層28は例えば25Å程度の膜厚で形成さ
れる。
【0035】前記非磁性導電層28上にはフリー磁性層
29が形成される。このフリー磁性層29は、NiFe
合金、CoFe合金、Co、CoNiFe合金などによ
り形成される。また、このフリー磁性層29は、X方向
の幅が磁気的な再生に対応するトラック幅Twの寸法に
設定されている。また、このフリー磁性層29は、20
Å以上40Å以下程度の膜厚で形成される。また、この
フリー磁性層29は、非磁性導電層28と対向する側に
Cr又はCoFe膜等が形成されていてもよい。これに
より、非磁性導電層28との界面での金属元素等の拡散
を防止でき、抵抗変化率(ΔGMR)を大きくすること
ができる。
【0036】前記フリー磁性層29上には保護層30が
形成される。この保護層30はTaなどで形成される。
この保護層30は30Å程度の膜厚で形成される。
【0037】上記した反強磁性層26から保護層30の
各層で構成される、すなわちABS面方向から見たとき
の断面形状が略台形形状を有する領域、具体的には図1
においてX1(底辺側)〜X2(上辺側)との間の幅を
有する各層の領域(以下、これをトラック領域という)
にある多層抵抗膜20は、トラック幅方向(図示X方
向)の両側端面20a、20aが、反強磁性層26の上
面部側から保護層30の上面まで連続した傾斜面状に成
形されている。なお、このトラック幅領域の寸法は、反
強磁性層26をオーバーエッチングする量に応じて変化
する。例えば反強磁性層26のオーバーエッチング量が
最大の場合に後述するアモルファス導電層32の膜厚が
最大(t大)となり、前記トラック幅領域の寸法は最大
のX1となる。また反強磁性層26のオーバーエッチン
グ量が最小の場合に後述するアモルファス導電層32の
膜厚が最小(t小)となり、前記トラック幅領域の寸法
は最小のX1′となる。これにより、反強磁性層26が
フリー磁性層29のトラック幅Tw寸法よりトラック幅
方向の両側に延びて形成される。この場合、反強磁性層
26のオーバーエッチング量が可及的に大きくすること
が、多層抵抗膜20の電気抵抗の変化率を大きくなる傾
向にあることが技術的に確かめられている。
【0038】多層抵抗膜20は、まず各層を下部ギャッ
プ層22の形成面α上に成膜した後、この多層抵抗膜2
0の中央部分上にのみリフトオフ用のレジスト(図6参
照)を形成し、このレジストに覆われていない多層抵抗
膜20の両側領域がイオンミリングなどでエッチングし
て除去される。この際に多層抵抗膜20の両側面が傾斜
面状にエッチング形成される。
【0039】この実施形態では、多層抵抗膜20の両側
端面20a、20aよりも外側にある、すなわちトラッ
ク領域よりもトラック幅方向の外側からトラック領域を
臨むように位置し、X0、Z0を同時に満足する領域
(以下、両側領域という)にある各層について、反強磁
性層26の一部のみを残し、その上側の各層全てを除去
し、例えば図1に示すような略台形形状に形成する。ま
た反強磁性層26のトラック領域はオーバーエッチング
されて凸型状に形成され、その凸型状の反強磁性層26
のトラック幅方向の両側でオーバーエッチングされた部
分にアモルファス導電層32が形成される。
【0040】図1に示すように略台形状の多層抵抗膜2
0の両側には、下から順にアモルファス導電層32、バ
イアス下地層33、ハードバイアス層34、電極層36
及び保護層37がそれぞれ形成されている。各層につい
ては主に図2を参照しながら説明する。
【0041】図2は、図1に示す磁気検出素子の右側部
分のみを拡大した断面図である。図2に示すように、ア
モルファス導電層32は、多層抵抗膜20の凸型状反強
磁性層26の両側、特にオーバーエッチングされた領域
上に形成され、アモルファス導電層32の多層抵抗膜2
0側の端面32aは、多層抵抗膜20の両側端面20a
と接触して形成される。またアモルファス導電層32
は、反強磁性層26のトラック領域26aの膜厚t1よ
り膜厚t2が薄い両側領域26b上に形成され、所望の
膜厚が確保されている。アモルファス導電層32の膜厚
は、60Å以上300Å以下であることが望ましい。
【0042】このアモルファス導電層32は、この上に
形成されるバイアス下地層33及びハードバイアス層3
4の結晶配向について、このアモルファス導電層32直
下に位置する反強磁性層26からの結晶配向特性が悪影
響をもたらさぬようにするためのものであって、結晶構
造が規則化されていないアモルファス状態の非磁性材料
のアモルファス導電層32を介在させることにより、反
強磁性層26の結晶配向がバイアス下地層33の結晶配
向に悪影響を与えないように機能している。
【0043】しかも、このアモルファス導電層32は、
バイアス下地層33及びハードバイアス層34の嵩上げ
用の基材としても機能しており、これを介して形成され
るハードバイアス層34を多層抵抗膜20の両側領域内
で高い位置に嵩上げして形成し、フリー磁性層29の両
側に十分な体積を有してハードバイアス層34を対向さ
せる。さらに、このアモルファス導電層32の膜厚は、
バイアス下地層33の結晶配向に悪影響を与えないよう
にするため、60Å〜300Åの範囲に設定する。
【0044】後述する製造方法で説明するように、この
アモルファス導電層32は、スパッタ成膜の際、形成面
α上の反強磁性層26に対してほぼ垂直方向からのイオ
ン照射により成膜される。特に、このアモルファス導電
層32は、イオンビームスパッタ法、ロングスロースパ
ッタ法、コリメーションスパッタ法などを用いて成膜さ
れる。またアモルファス導電層32はスパッタ成膜によ
り一部が多層抵抗層20の傾斜面20aに付着するた
め、エッチング処理により、多層抵抗膜20の傾斜面2
0aに付着した余分なアモルファス導電層32を除去す
る。
【0045】また、アモルファス導電層32の上面32
bは、反強磁性層26の下面26aよりも上側(図示Z
方向)に位置していることが好ましい。これによって、
ハードバイアス層34を、多層抵抗膜20の両側領域内
において高い位置で形成でき、フリー磁性層29の両側
に十分な体積を有してハードバイアス層34を対向させ
ることが可能である。
【0046】また前記アモルファス導電層32上にはバ
イアス下地層33が形成される。この場合、バイアス下
地層33は、アモルファス導電層32上の平坦部33a
と、多層抵抗膜20の両側端面20a上の延出部33b
とが形成される。さらにバイアス下地層32は、bcc
構造の結晶構造体から形成され、少なくとも[211]面
または[200]面が膜面垂直方向に配向されている。
【0047】後述する製造方法で説明する通り、バイア
ス下地層33を形成するときの形成面αの垂直方向に対
するスパッタ粒子入射角度は、アモルファス導電層32
の形成時のスパッタ粒子入射角度よりも大きい。これに
よって、バイアス下地層33は、アモルファス導電層3
2上のみならず多層抵抗膜20の両側端面20a上にも
形成されるが、バイアス下地層33は少なくとも[21
1]面または[200]面が膜面垂直方向に配向されてい
るため、フリー磁性層29と対向するハードバイアス層
34の磁気特性がバイアス下地層33により改善され
る。このことは、後述する実施例によって実証する。
【0048】なお、多層抵抗膜20の両側領域に形成さ
れるバイアス下地層33の下方には、アモルファス導電
層32が形成され直接には反強磁性層26が形成されな
い。このため、バイアス下地層33が反強磁性層26の
結晶配向の影響を強く受けることはない。したがって、
バイアス下地層33上に形成されるハードバイアス層3
4の保磁力を大きくすることが可能である。
【0049】また、前述したように、形成面α上の反強
磁性層26上でのアモルファス導電層32は、この形成
面α上において、バイアス下地層33を嵩上げさせる機
能も有している。これによって、バイアス下地層33上
に形成されるハードバイアス層34を多層抵抗膜20の
フリー磁性層29の高さ位置に対応する高い位置に形成
することができ、フリー磁性層29の両側に一層十分な
体積を有してハードバイアス層34を対向させることが
できる。
【0050】前記バイアス下地層33上にはハードバイ
アス層34が形成される。この実施形態では、反強磁性
層26のオーバーエッチングした箇所にアモルファス導
電層32及びバイアス下地層33を介した位置、すなわ
ちバイアス下地層33の平坦部33a上における、ハー
ドバイアス層34の下面34aは、フリー磁性層29の
下面29aよりも図示下側(図示Z方向の逆方向)に位
置し、かつ、平坦部33a上におけるハードバイアス層
34の上面34bは、フリー磁性層29の下面29aよ
りも図示上側(図示Z方向)に位置することが好まし
い。これによって、ハードバイアス層34を、フリー磁
性層29の両側に十分な大きさの体積を有して対向させ
ることが可能である。またハードバイアス層34が、少
なくとも[100]面が膜面垂直方向に優先配向された磁
性材料から形成されている。このハードバイアス層34
が少なくとも[100]面が膜面垂直方向に配向されてい
ること、バイアス下地層33が少なくとも[211]また
は[200]面が膜面垂直方向に配向されていること、及
びアモルファス導電層32により反強磁性層26の影響
を受けないことにより、ハードバイアス層34の磁気特
性が改善され、ハードバイアス層34の保磁力Hcが実
用に供する160KA/m以上の値となる。この場合、
ハードバイアス層34の角型比Sが0.8以上となる。
このことは、実施例によって実証する。
【0051】またバイアス下地層33の平坦部33a上
におけるハードバイアス層34の上面34bは、フリー
磁性層29の上面29bと略同一面上に位置するか、あ
るいはフリー磁性層29の上面29bよりも図示上側
(図示Z方向)に位置することが更に好ましい。これに
よって、フリー磁性層29の下面29a及び上面29b
から、形成面αと平行な方向に仮想線D、Eを引いた
時、多層抵抗膜20の両側領域における2本の仮想線
D、E内には、バイアス下地層33の延出部33bとハ
ードバイアス層34のみが存在することになるため、ハ
ードバイアス層34からより十分なバイアス磁界をフリ
ー磁性層29に供給することが可能になる。
【0052】また、ハードバイアス層34とフリー磁性
層29との間に、テーパー状の膜厚の薄いバイアス下地
層33の延出部33bのみが介在すると、ハードバイア
ス層34からのバイアス磁界は極端に小さくならず、十
分な大きさのバイアス磁界をフリー磁性層29に供給で
きる。
【0053】上記の構成であれば、ハードバイアス層3
4からフリー磁性層29に適切な大きさのバイアス磁界
を供給でき、これによりフリー磁性層29の磁化を図示
X方向に適切に単磁区化することが可能である。
【0054】前記ハードバイアス層34上には電極層3
6が形成され、電極層36上にはTaなどで形成された
保護層37が形成される。
【0055】次に、アモルファス導電層32及びバイア
ス下地層33の材質について、以下に説明する。
【0056】アモルファス導電層32は前述したよう
に、そのアモルファス(非晶質)の性質により、直下に
反強磁性層26が存在しても、この配向特性の影響を絶
ち切る作用があり、アモルファス導電層32が非磁性材
料で形成されている。
【0057】またアモルファス導電層32がCo−T−
Z合金から形成される場合には、TはZr、Hfのうち
少なくとも1種を含む元素であり、ZはTa、Nbのう
ち少なくとも1種を含む元素である。またアモルファス
導電層32がNi−X合金から形成される場合には、X
は少なくともPを含む元素からなる。またアモルファス
導電層32の膜厚が、60Å以上300Å以下の範囲に
設定されている。
【0058】一方、バイアス下地層33は、結晶構造が
bcc構造(体心立方構造)の金属膜で形成されること
が望ましい。またバイアス下地層33を成膜する場合
は、その成膜方向を制御することにより、少なくとも
[211]面または[200]面を膜面垂直方向に配向させ
る。
【0059】上記のように、バイアス下地層33の下に
アモルファス導電層32が形成され、直接反強磁性層2
6が形成されていないため、バイアス下地層の結晶構造
を体心立方構造(bcc構造)に適正に調整できる。こ
のような結晶構造及び結晶配向性を有する金属膜によっ
てバイアス下地層33を形成する理由は、このバイアス
下地層33上に形成されるハードバイアス層34の保磁
力(Hc)と角型比(S)を高めるためである。
【0060】また、ハードバイアス層34は、CoPt
合金やCoPtCr合金などで形成される。これら合金
の結晶構造は、稠密六方構造(hcp)となっている。
また、ハードバイアス層34は、膜面垂直方向が[10
0]面の配向を有するように成膜する。
【0061】ここで、金属膜で形成されたbcc構造の
バイアス下地層33とハードバイアス層34を構成する
CoPt系合金のhcp構造は、その格子のマッチング
関係で、例えばハードバイアス層34のhcp構造のc
軸は、膜面内に配向する。これは、膜面内に着磁してい
るハードバイアス層34として非常に有利な構造であ
る。このため、より大きな保磁力と良好な角型比を併せ
もつことができる。
【0062】バイアス下地層33は結晶構造が体心立方
構造(bcc構造)を有するため、その金属膜は、C
r、W、Mo、V、Mn、Nb、Taのいずれか1種ま
たは2種以上の元素で形成されることが好ましいが、特
にCr膜で形成されることが好ましい。このCr膜は、
ハードバイアス層34の結晶配向を整える機能に優れ、
ハードバイアス層34の保磁力を適切に大きくすること
ができるからである。
【0063】形成面α上に形成された多層抵抗膜20上
には、図1に示すように、絶縁材料を使用して上部ギャ
ップ層38が形成され、上部ギャップ層38上には磁性
材料を使用して上部シールド層39が形成される。
【0064】次に、本発明の第2の実施形態について、
図3を参照しながら説明する。この磁気検出素子も、記
録媒体に記録されたデータを再生するための磁気ヘッド
に用いられる。図3には、この磁気検出素子のみが図示
されているが、第1の実施形態と同様に、この磁気検出
素子による磁気ヘッド上に記録用のインダクティブヘッ
ドが形成されていてもよい。
【0065】この実施形態の第1実施形態と異なる部分
は、多層抵抗膜20の反強磁性層26とギャップ層22
との間にシードレイヤ層25を有する点である。即ち、
この実施形態では、下部シールド層21上に形成された
下部ギャップ層22上にシードレイヤ層25が形成され
ている。
【0066】このシードレイヤ層25は、下地層23
と、反強磁性層26との界面と平行方向に面心立方晶の
[111]面或いは体心立方晶の[110]面が優先配向し
た、非磁性材料或いは磁性材料で形成された配向膜24
とで形成される。
【0067】シードレイヤ層25は、一層の非磁性材料
あるいは磁性材料で形された配向層24のみで構成され
ていてもよいが、配向層24の結晶配向を整えるために
は下地層23が形成されている方が好ましい。
【0068】下地層23は、Ta(タンタル)、Hf
(ハフニウム)、Nb(ニオブ)、Zr(ジルコニウ
ム)、Ti(チタン)、Mo(モリブデン)、W(タン
グステン)のうち少なくとも1種以上で形成されること
が好ましい。また、配向層24は、上記のように磁性材
料あるいは非磁性材料で形成されるが、特に高抵抗材料
で形成することが好ましい。この配向層24は、例えば
NiFeY合金(ただしYは、Cr、Rh、Ta、H
f、Nb、Zr、Tiから選ばれる少なくとも1種以
上)で形成されることが好ましい。このうち、配向層2
4はNiFeCr合金で形成されることがより好まし
い。この配向層24の[111]面を、より適切に反強磁
性層26との界面と平行な方向に優先配向させることが
でき、さらに高比抵抗にできるからである。
【0069】配向層24が高比抵抗であると、後述する
電極層36から流れるセンス電流のシードレイヤ層25
への分流を抑制することが可能である。これによって抵
抗変化率(ΔMR)を向上させることができ、またバル
クハウゼンノイズを減少させることができる。またシー
ドレイヤ層25はCr単層で形成してもよい。Cr単層
で形成すると、その濡れ性の大きい性質により、各結晶
粒が均一な高さに成長するため、膜表面のうねりがなく
なり、出力信号の対称性が向上する。
【0070】なお、シードレイヤ層25のうち下地層2
3は、0Å以上で50Å以下程度の膜厚で、配向層24
は10Å以上で100Å以下程度の膜厚で形成される。
【0071】前記シードレイヤ層25上には反強磁性層
26が形成されるが、これは先の第1の実施形態のもの
と同様の構成である。即ち、この反強磁性層26は、耐
食性に優れ、しかもブロッキング温度も高く、反強磁性
層26上に形成される固定磁性層27との界面で大きな
交換結合磁界を発生し得る。また、この反強磁性層26
は50Å以上で250Å以下の膜厚で形成されることが
好ましい。
【0072】上記したように、シードレイヤ層25は、
反強磁性層26との界面と平行な方向に面心立方晶の
[111]面あるいは体心立方晶の[110]面が優先配向
していることにより、シードレイヤ層25上に形成され
る反強磁性層26の[111]面、さらには反強磁性層2
6上に形成される各層の[111]面、さらには反強磁性
層26上に形成される各層の[111]面と平行な方向に
優先配向させることが可能であり、これによって結晶粒
径が大きくなり、低抵抗率(ΔGMR)を向上させるこ
とができる。
【0073】固定磁性層27は、20Å以上で60Å以
下程度の膜厚で形成されることが好ましい。一方、非磁
性導電層28は例えば25Å程度の膜厚で形成される。
フリー磁性層29は、20Å以上で40Å以下程度の膜
厚で形成されることが好ましい。また、フリー磁性層2
9は、2層構造で形成され、非磁性導電層28と対向す
る側にCo膜が形成されていることが好ましい。これに
より、非磁性導電層28との界面での金属元素等の拡散
を防止でき、抵抗変化率(ΔGMR)を大きくすること
ができる。フリー磁性層29上の保護層30はTaなど
で形成され、その膜厚は30Å程度である。
【0074】この第2の実施形態でも、シードレイヤ層
25から保護層30の各層で構成される多層抵抗膜20
のトラック幅方向(図示X方向)の両側端面20a、2
0aが、シードレイヤ層25の下面から保護層30の上
面まで連続した傾斜面となっている。
【0075】多層抵抗膜20は、先の第1の実施形態と
同様に、まず各層を形成面α上に成膜した後、多層抵抗
膜20の中央部上にのみリフトオフ用のレジスト層を形
成し、レジスト層に覆われていない多層抵抗膜20の両
側領域をエッチングで除去する。
【0076】この多層抵抗膜20の両側領域は、形成面
αが露出するまで深くエッチングせず、シードレイヤ層
25の一部を残すか、若しくは反強磁性層26の一部を
残すような構成である。
【0077】なお、多層抵抗膜20の両側領域には、先
の第1の実施形態と同様に、下から順にアモルファス導
電層32、バイアス下地層33、ハードバイアス層3
4、電極層36、及び保護層37がそれぞれ形成され
る。
【0078】アモルファス導電層32は、多層抵抗膜2
0の両側領域の形成面α上に形成されるが、アモルファ
ス導電層32の多層抵抗膜20側の端面32aは、多層
抵抗膜20の両側端面20aと接して形成される。アモ
ルファス導電層32上にバイアス下地層33を介して形
成されるハードバイアス層34は、多層抵抗膜20の両
側領域内で高い位置に形成され、フリー磁性層29の両
側に十分な体積を有して対向される。
【0079】この形成面α上でのアモルファス導電層3
2の膜厚は60Å以上300Å以下であることが好まし
い。また、バイアス下地層33の膜厚は35Å以上で7
5Å以下であることが好ましい。
【0080】この実施形態でも、アモルファス導電層3
2は、スパッタの際、形成面αに対してほぼ垂直方向か
らのイオン照射により成膜される。嵩上げ用のアモルフ
ァス導電層32の一部が多層抵抗膜20の両側端面20
a上に形成されるが、この部分はエッチングにより除去
される。
【0081】なお、アモルファス導電層32の上面32
bは、反強磁性層26の下面26aよりも上側(図示Z
方向)に位置していることが好ましい。これによって、
ハードバイアス層34を、多層抵抗膜20の両側領域内
において高い位置で形成でき、フリー磁性層29の両側
に十分な体積を有して対向させることが可能である。
【0082】この実施形態では、多層抵抗膜20の両側
領域に形成されるバイアス下地層33の下には、アモル
ファス導電層32が存在し、その下方にシードレイヤ層
25及び反強磁性層26が存在する。このため、バイア
ス下地層33がシードレイヤ層25及び反強磁性層26
の結晶配向の影響を受けることはない。よって、バイア
ス下地層33上に形成されるハードバイアス層34の保
磁力を大きくすることが可能である。しかも、バイアス
下地層33の下にアモルファス導電層32及び反強磁性
層26の両側領域を介在させ、バイアス下地層33やハ
ードバイアス層34の嵩上げを図っているため、バイア
ス下地層33が先細りした状態となってこれらの体積が
低下するといった不都合を解消することができる。
【0083】バイアス下地層33の平坦部33a上にお
ける、ハードバイアス層34の下面34aは、フリー磁
性層29の下面29aよりも図示下側(図示Z方向の逆
方向)に位置し、かつ、平坦部33a上におけるハード
バイアス層34の上面34bは、フリー磁性層29の下
面29aよりも図示上側(図示Z方向)に位置すること
が好ましい。
【0084】さらに、この実施形態では、上記の構成に
加えて、バイアス下地層33の平坦部33a上における
ハードバイアス層34の上面34bは、フリー磁性層2
9の上面29bと同一面上に位置するか、あるいはフリ
ー磁性層29の上面29bよりも図示上側(図示Z方
向)に位置することがさらに好ましい。これによって、
フリー磁性層29の下面29a及び上面29bから、そ
れぞれ形成面αと平行な方向に仮想線(図略)を引いた
とき、多層抵抗膜31の両側領域における2本の仮想線
内には、バイアス下地層33の延出部33bとハードバ
イアス層34のみが存在することになるため、ハードバ
イアス層34からより十分なバイアス磁界をフリー磁性
層29に供給することが可能になる。
【0085】さらに、この実施形態では、先の実施形態
のように、ハードバイアス層34とフリー磁性層29と
の間には、テーパー状の膜厚の薄いバイアス下地層33
の延出部33bが介在するため、ハードバイアス層34
からのバイアス磁界は極端に小さくならず、十分な大き
さのバイアス磁界をフリー磁性層29に供給できる。
【0086】この実施形態では、バイアス下地層33の
下には、アモルファス導電層32が存在し、その下方に
シードレイヤ層25及び反強磁性層26が存在してい
る。そのため、バイアス下地層33の結晶構造を体心立
方構造(bcc構造)に適正に調整できる。また、先の
実施形態と同様に、バイアス下地層33は、結晶構造が
体心立方構造(bcc構造)の金属膜で形成されること
が好ましく、バイアス下地層33の結晶配向は[20
0]、[211]面配向を有する。
【0087】この実施形態のハードバイアス層34も、
CoPt合金やCoPtCr合金などで形成され、これ
ら合金の結晶構造は、稠密六方構造(hcp)となって
いる。
【0088】この実施形態でも、上記の金属膜で形成さ
れたbcc構造のバイアス下地層33とハードバイアス
層34を構成するCoPt系合金の(hcp)構造は、
その格子のマッチングの関係で、ハードバアイス層34
のhcp構造のc軸は、膜面内に配向される。その結
果、膜面内に着磁して用いるハードバイアス層34とし
て、非常に有利な構造である。すなわち、より大きな保
磁力(Hc)と良好な角型比を併せもつことができる。
【0089】なお、この実施形態でも、図3に示すよう
に、形成面α上に形成された多層抵抗膜20上には、絶
縁材料を使用して上部ギャップ層38が形成され、この
上部ギャップ層38の上には磁性材料を使用して上部シ
ールド層39が形成される。
【0090】従って、この第2の実施形態によれば、最
下層にシードレイヤ層25を形成し、その上に反強磁性
層26を形成することにより、反強磁性層26の結晶配
向が整えられ、多層抵抗膜20の抵抗変化率を向上させ
ることができる。
【0091】また、この実施形態によれば、多層抵抗膜
20の両側に形成されるバイアス下地層33の下側に
は、アモルファス導電層32が存在し、その下方にシー
ドレイヤ層25が存在するため、バイアス下地層33を
適切な結晶構造及び結晶配向を有して形成することがで
きる。これによって、バイアス下地層33上に形成され
るハードバイアス層34の保磁力を高めることができ
る。
【0092】次に、本発明の第3の実施形態について、
図4を参照しながら説明する。図4は、本発明における
第3の実施形態に係る磁気検出素子を記録媒体との対向
面(ABS面)側から見た部分断面図である。
【0093】この磁気検出素子も、記録媒体に記録され
たデータを再生するための磁気ヘッドに用いられる。図
4には、この磁気検出素子のみが図示されているが、第
1の実施形態と同様に、この磁気検出素子による磁気ヘ
ッド上に記録用のインダクティブヘッドが形成されてい
てもよい。
【0094】図4の第3の実施形態と図1の第1の実施
形態との相違点は、固定磁性層27及びフリー磁性層2
9の構造にある。図1では固定磁性層27及びフリー磁
性層29は共に単層で形成されていたが、図4では固定
磁性層27及びフリー磁性層29が共に3層で形成され
ている。
【0095】固定磁性層27は、強磁性層40、非磁性
中間層41及び強磁性層42で構成されている。強磁性
層40と42は、例えばCo(コバルト)で形成され、非
磁性中間層41は、例えばRu(ルテニウム)などの非
磁性層で形成される。この3層構成により、強磁性層4
0と強磁性層42の磁化方向は互いに反平行状態にされ
る。これは、いわゆるフェリ状態と呼ばれるものであ
り、固定磁性層27の磁化を安定した状態にでき、また
固定磁性層27と反強磁性層26との界面で発生する交
換結合磁界を大きくすることができる。
【0096】同様に、フリー磁性層29は、Coなどで
形成した強磁性層43、強磁性層45と、この強磁性層
43、45間のRuなどの非磁性中間層44とで構成さ
れている。これにより、強磁性層43、45の磁化は互
いに反平行にされ、フリー磁性層29の磁化を安定した
状態に保持でき、各強磁性層43、45の磁気的な膜厚
を薄く形成できる。その結果、フリー磁性層29の磁化
は、強磁性層43、45が外部磁界に対し反平行を保ち
ながら反転しやすくなり、再生特性の向上を図ることが
できる。このフェリ構造は、固定磁性層27及びフリー
磁性層29のどちらか一方において形成されていてもよ
い。
【0097】この強磁性層40、42および強磁性層4
3、45の膜厚はそれぞれ10〜70Å程度で形成され
る。また非磁性中間層41、44の膜厚は3Å〜10Å
程度で形成される。
【0098】この第3の実施形態においても、多層抵抗
膜46の最下層はシードレイヤ層25であり、また多層
抵抗膜46のトラック幅方向(図示X方向)における両
側端面46a、46aは、シードレイヤ層25の下面か
ら保護層30の上面にまで連続する傾斜面となってい
る。また、バイアス下地層33の下側には、アモルファ
ス導電層32が存在し、その下方にシードレイヤ層25
及び反強磁性層26が存在するため、バイアス下地層3
3を所定の結晶配向に保つことができる。
【0099】しかも、前記多層抵抗膜46の凸形状反強
磁性層26の両側(特にオーバーエッチングされた箇
所)にはアモルファス導電層32を形成することによ
り、保磁力の大きいハードバイアス層34をフリー磁性
層29の両側に十分な膜厚を有して対向させることがで
きる。また、このフリー磁性層29とハードバイアス層
34間に介在するバイアス下地層33の膜厚も薄く形成
できることから、ハードバイアス層34からのバイアス
磁界をフリー磁性層29に十分に供給でき、フリー磁性
層29の単磁区化を促進させることができる。
【0100】さらに、固定磁性層27の中間層41の上
面までアモルファス導電層32を形成することが望まし
い。すなわち、固定磁性層27の中間層41、磁性層4
0、反強磁性層26へのセンス電流の流れ込みを少なく
することにより、シャントロスが低減し出力を大きくす
ることができる。
【0101】次に、図5〜図10は、図1に示す磁気検
出素子の製造方法を工程順に示す断面図である。なお、
各図は記録媒体との対向面(ABS面)側から見た部分
断面図である。
【0102】図5に示す工程では、基板B上に、パーマ
ロイやセンダストなどの磁性材料で形成された下部シー
ルド層21を形成し、下部シールド層21上に、アルミ
ナなどの絶縁材料で形成された下部ギャップ層22を形
成する。
【0103】次に、下部ギャップ層22上の全面に、磁
気検出素子の多層抵抗膜20を構成する各層を成膜す
る。即ち、まず、下部ギャップ層22上にPtMn合金
などで形成された反強磁性層26を形成する。さらに反
強磁性層26上に、NiFe合金などの磁性材料で形成
された固定磁性層27、Cuなどで形成された非磁性導
電層28、NiFe合金などで形成されたフリー磁性層
29、及びTaなどで形成された保護層30を形成す
る。
【0104】また、図3に示すシードレイヤ層25を形
成するには、まず、下部ギャップ層22上にTaなどの
下地層23及びNiFeCr合金などの非磁性材料層2
4で構成されるシードレイヤ層25を形成する。次に、
シードレイヤ層25上にPtMn合金などで形成された
反強磁性層26を形成する。また図4に示す多層抵抗膜
46を成膜するには、固定磁性層27及びフリー磁性層
29をフェリ状態にして形成する。
【0105】次に図5に示すように、保護層30上の中
央部部分にリフトオフ用のレジストRを塗布工程・露光
現像工程によりパターニング形成する。図5に示すよう
に、レジストRの下面57bには、切り込み部57a、
57aが設けられる。
【0106】次に図6に示す工程では、レジストRによ
って覆われていない多層抵抗膜20のトラック幅方向
(図示X方向)における両側領域20b、20bをエッ
チングにより除去する。
【0107】この実施形態では、多層抵抗膜20の両側
領域20b、20bを、下部ギャップ層22の上面(磁
気抵抗効果素子の形成面α)が露出することがない程度
の深さまで浅く反強磁性膜26の一部をオーバーエッチ
ングして削り込む。これにより、残された多層抵抗膜2
0の両側端面20a、20aは、反強磁性膜26の上面
から保護層30の上面にまで連続した傾斜面となり、多
層抵抗膜31はほぼ台形状となる。
【0108】次に図7に示すように、凸型形状の反強磁
性層26の両側(特にオーバーエッチングされた箇所)
上にアモルファス導電層32をスパッタ成膜する。な
お、このとき、このアモルファス導電層32の多層抵抗
膜20側の端面32aが多層抵抗膜20の両側端面20
aに接するようにする。
【0109】図7に示すように、アモルファス導電層3
2のスパッタ成膜は、形成面αの垂直方向(図示Z方
向)に対して、第1のスパッタ粒子入射角度θ1を有し
て行なわれる。この第1のスパッタ粒子入射角度θ1
は、具体的には、0°以上で10°以下であることが好
ましい。このとき、レジストRにもアモルファス層32
と同一の材料の層32′が付着する。
【0110】即ち、アモルファス導電層32は、前記形
成面αに対してほぼ垂直方向からスパッタ成膜される。
具体的には、ロングスロースパッタ法(LTS)、イオ
ンビームスパッタ法(IBD)、コリメーションスパッ
タ法などにより行うことが好ましい。
【0111】さらに多層抵抗膜20の両側領域20aに
付着したアモルファス導電層32をエッチングにより除
去する。この場合、アモルファス導電層32を完全にエ
ッチングにより除去することが理想的であるが、アモル
ファス導電層32は導電性を有するものであるため、フ
リー磁性層29を流れるセンス電流を遮断させることが
なく、多少残留しても問題がない。これにより、エッチ
ング処理時間を短縮して多層抵抗層20をエッチングか
ら保護することができる。
【0112】またアモルファス導電層32の上面32b
は、反強磁性層26の下面26aよりも上側に位置する
ようにアモルファス導電層32の膜厚を制御して成膜す
ることが好ましい。なお、アモルファス導電層32の膜
厚は、60Å〜300Åの範囲であることが好ましい。
【0113】また、以下の工程で成膜されるバイアス下
地層33、ハードバイアス層34、電極層36、及び保
護層37もまた上記のスパッタ法によって成膜すること
が好ましい。
【0114】また、この実施形態では、バイアス下地層
33を、結晶構造が(bcc)構造の金属膜で形成する
ことが好ましい。この金属膜にはCr、W、Mo、V、
Mn、Nb、Taを挙げることができ、これら1種以上
あるいは2種以上の元素を選択することが可能である
が、この実施形態では特にCr膜でバイアス下地層33
をスパッタ成膜することが好ましい。
【0115】次に図8に示す工程では、アモルファス導
電層32の上面32bから多層抵抗膜20の両側端面2
0aにかけてバイアス下地層33をスパッタ成膜する。
同図に示すように、バイアス下地層33は、形成面αの
垂直方向(図示Z方向)に対して、第2のスパッタ粒子
入射角度θ2を有してスパッタ成膜されるが、第2のス
パッタ粒子入射角度θ2は、第1のスパッタ粒子入射角
度θ1よりも大きいことが好ましい。この第2のスパッ
タ粒子入射角度θ2は、具体的には15°以上で60°
以下であることが好ましい。より好ましくは30°以上
で60°以下である。このとき、レジストR上にもバイ
アス下地層33と同一の材料の層33′が形成される。
【0116】即ち、バイアス下地層33は、アモルファ
ス導電層32の形成のときよりも、形成面αの垂直方向
に対してより傾いた方向からスパッタ成膜される。この
ため、同図に示すように、バイアス下地層33は、アモ
ルファス導電層32上のみならず、多層抵抗膜20の両
側端面20a上にも成膜されやすい。なお、このよう
に、バイアス下地層33が多層抵抗膜20の両側端面2
0a上に延出形成されるときは、バイアス下地層33は
フリー磁性層29の両側端面にまで延出形成されること
が好ましいが、バイアス下地層33がフリー磁性層29
の両側端面の下側までしか延出していなくてもかまわな
い。また、バイアス下地層33は、多層抵抗膜20の両
側端面上に延出せずアモルファス導電層32上にのみ形
成されていてもよい。
【0117】また、形成面α上におけるバイアス下地層
33の上面33cが、フリー磁性層29の下面29aよ
りも下側に位置するように、図8での工程時におけるア
モルファス導電層32及び図9での工程時におけるバイ
アス下地層33の膜厚を適切に調整しながらスパッタ成
膜することが好ましい。これによって、ハードバイアス
層34をフリー磁性層29の両側に十分な体積を有して
対向させることが可能である。
【0118】また、この実施形態では、前述したよう
に、バイアス下地層33を、結晶構造が(bcc)構造
の金属膜で形成することが好ましく、そのような金属膜
としてはCr、W、Mo、V、Mn、Nb、Taのうち
いずれか1種以上を選択できる。このうちCr膜でバイ
アス下地層33を形成することが好ましい。このCr膜
は、次の工程で形成されるハードバイアス層34の結晶
構造を(hcp)構造にしやすく、ハードバイアス層3
4の保磁力を大きくすることができるからである。
【0119】次に図9に示す工程では、バイアス下地層
33上にCoPtCr合金などによるハードバイアス層
34をスパッタ成膜する。このとき、レジストR上にも
ハードバイアス層34と同一の材料の層34′が形成さ
れる。この実施形態では、上記したように、凸型状の反
強磁性層26の両側にアモルファス導電層32を形成し
ており、これによってアモルファス導電層32上にバイ
アス下地層33を介して形成されるハードバイアス層3
4を、フリー磁性層29の両側に十分な体積を有して対
向させることが可能である。
【0120】したがって、この実施形態の製造方法によ
って形成された磁気検出素子によれば、ハードバイアス
層34からのバイアス磁界を適切にフリー磁性層29に
供給でき、フリー磁性層29の磁化を適切に単磁区化す
ることが可能になっている。
【0121】また、この実施形態では、バイアス下地層
33の下にアモルファス導電層32が形成されるため、
直接に反強磁性層26が形成されておらず、バイアス下
地層33の結晶配向を適切に整えることができ、よって
バイアス下地層33上に形成されるハードバイアス層3
4の保磁力を高めることができる。
【0122】また、この実施形態では、図9に示す工程
時において、ハードバイアス層34の上面34bが、フ
リー磁性層29の上面29bよりも上側に位置するよう
に、ハードバイアス層34を成膜することが好ましい。
【0123】さらに、ハードバイアス層34の下面34
aが、フリー磁性層29の下面29aよりも下側に位置
していれば、フリー磁性層29の両側には、形成面αと
平行な方向におけるフリー磁性層29の膜厚範囲内にバ
イアス下地層33を介してハードバイアス層34のみが
対向するため、ハードバイアス層34からフリー磁性層
29に、より十分なバイアス磁界を供給でき、より適切
にフリー磁性層29の磁化の単磁区化を促進させること
ができる。
【0124】次に図10に示す工程では、ハードバイア
ス層34上にCrやAuなどの電極層36をスパッタ成
膜した後、電極層36上にTaなどの保護層37をスパ
ッタ成膜する。このとき、レジストR上に、電極層36
と同一の材料の層36′、保護層37と同一の材料の層
37′が重ねられて形成される。
【0125】そして図10に示すリフトオフ用のレジス
トRを除去し、続いて多層抵抗膜20上に、図示しない
上部ギャップ層38及び上部シールド層39を形成する
と、図1に示す磁気検出素子が完成する。
【0126】以上のように、この実施形態では、多層抵
抗膜20上に一つのリフトオフ用のレジストRを用いる
ことにより、多層抵抗膜20の両側領域のエッチング工
程及びアモルファス導電層32、バイアス下地層33、
ハードバイアス層34、電極層36及び保護層37のス
パッタ成膜を連続して行うことができる。このため、上
記の製造方法を用いればこの実施形態に係る磁気検出素
子を容易に製造することができる。
【0127】また、この実施形態では、アモルファス導
電層32の形成時における第1のスパッタ粒子入射角度
θ1をバイアス下地層33の形成時における第2のスパ
ッタ粒子入射角度θ2よりも小さくすることで、アモル
ファス導電層32及びバイアス下地層33を容易に所定
の形状で形成できる。さらにこの製造方法によれば、ハ
ードバイアス層34をフリー磁性層29の両側に十分な
体積を有して対向させることが容易に行える。
【0128】(実施例)次にバイアス下地層33の下層
にアモルファス金属層32を形成し、アモルファス金属
層32上にバイアス下地層33と、ハードバイアス層3
4とを順に形成し、さらにバイアス下地層33としてC
rを用い、ハードバイアス層34としてCoPtを用い
た場合において、バイアス下地層33の成膜角度に対す
るハードバイアス層34のX線回折(XRD)ピーク比
の依存性について実験を行なった。
【0129】図11(a)は、バイアス下地層33とし
て用いたCrの成膜角度と、ハードバイアス層34とし
て用いたCoPtの[200]面と[100]面とのX線回
折(XRD)ピーク比との関係を数値で示す図、図11
(b)は、図11(a)に示された数値をグラフに表し
た図、図11(c)は、ハードバイアス層34として用
いたCoPtの[200]面と[100]面とのXRDピー
ク比と、CoPtからなるバイアス層33の保磁力(H
c)との関係を数値で示す図、図11(d)は、図11
(c)に示す数値をグラフに表した図である。また図1
2(a)はCrの成膜角度が20°の場合の配向状態、
図12(b)はCrの成膜角度が50°の場合の配向状
態、図12(c)はCrの成膜角度に対する、CoPt
の配向依存性及びCoPtの保磁力Hcの依存性を多重
記録して示すものである。
【0130】ここで、Crからなるバイアス下地層33
の成膜角度と、CoPtからなるハードバイアス層34
の成膜角度とは、基板Bに対する垂直方向に対するスパ
ッタ粒子の入射方向がなす角度(図7のθ1、図8のθ
2に相当する)に設定する。またC0Pt膜の成膜角度
は20°に制御して固定している。
【0131】図11及び図12に示すように、Crの成
膜角度が20°の場合には、Cr膜は[110]面が膜面
垂直方向に優先配向するのみであり、しかもCoPt膜
は[100]面と[200]面とのピーク比(I([100]
/[200]))が小さく(0.08)、CoPt膜の保
磁力Hcは小さい(136KA/m)。
【0132】Crの成膜角度を50°、すなわちCrの
粒子入射方向を基板B側(水平面側)に寝かせると、C
r膜は[110]面に加えて[200]面、[211]面が優
先配向され、これにより、CoPt膜は[100]面と
[200]面とのピーク比(I([100]/[200]))
が増大し(0.15)、CoPt膜の保磁力Hcも増大
する(171KA/m)。
【0133】また、バイアス下地層33としてのCrの
成膜角度を60°にして、Crの粒子入射方向を基板B
側(水平面側)に寝かせると、Cr膜は[110]面に加
えて[200]面、[211]面が優先配向され、これによ
り、CoPt膜は[100]面と[200]面とのピーク比
(I([100]/[200]))が増大し(0.44)、
CoPt膜の保磁力Hcも増大する(191KA/
m)。
【0134】さらにCrの成膜角度を70°、すなわち
Crの粒子入射方向をさらに基板B側(水平面側)に寝
かせると、Cr膜は[110]面に加えて[200]面、
[211]面が優先配向され、これにより、CoPt膜は
[100]面と[200]面とのピーク比(I([100]/
[200]))が増大し(1.15)、CoPt膜の保磁
力Hcも増大する(197KA/m)。
【0135】ハードバイアス層34としてのCoPt膜
の保磁力Hcが160KA/m以上であれば、実用に供
することができるものであり、Cr膜の結晶の配向状態
及びCoPt膜の検証の配向状態を制御することによ
り、CoPt膜(ハードバイアス層34)の保磁力を実
用に耐える値に向上させることができることが分かる。
また本発明では、CoPt膜の[100]面と[200]面
のピーク比(I([100]/[200]))は0.5以上
であることが好ましい。0.5以上であると、約190
KA/m以上の安定した保磁力(Hc)が得られる。こ
のときのバイアス下地層の成膜角度は61°以上が好ま
しい。また、より好ましくは、そのピーク比(I([1
00]/[200]))が1.0以上である。ピーク比が
1.0以上であると、[100]面を[200]面に対して
優先配向することができ、約195KA/m以上の大き
くて安定した保磁力が得られる。このとき、バイアス下
地層の成膜速度は67°以上が好ましい。
【0136】このことは、バイアス下地層33としてC
rに代えてW(タングステン)を用いた場合についても
同様な結果が得られており、バイアス下地層33として
bcc構造の結晶構造体を用いる限り同様の特性を示す
ことが確かめられている。またハードバイアス層34と
してのCoPt合金に代えてCoCrPt合金を用いた
場合にも同様な特性を示すことが確かめられている。こ
の場合、ハードバイアス層34の成膜角度は20°付近
がよいことが確かめられている。
【0137】なお、本発明の磁気検出素子は磁気ヘッド
に適用したが、これに限定されるものではなく、磁気セ
ンサにも同様に適用してもよい。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、多
層抵抗膜の両側領域のギャップ層若しくは反強磁性層上
に、アモルファス導電層を介してバイアス下地層、バイ
アス層が形成され、反強磁性層上に直接バイアス下地層
が形成されない構成とするため、反強磁性層の強力な配
向特性がバイアス下地層に直接影響を及ぼすのをアモル
ファス導電層で防止することができ、良好なハード膜特
性(例えばHc≧160KA/m、S≧0.8)をバイ
アス層の先細りのない形状で実現することができる。こ
れにより、安定性を確保でき、かつ狭ギャップ・狭トラ
ック幅に対応することができる。
【0139】さらに、アモルファス導電層を介してバイ
アス下地層、バイアス層が積層されており、このアモル
ファス導電層がバイアス下地層やバイアス層の嵩上げ機
能を果たしているから、特にボトムタイプのスピンバル
ブ型の磁気検出素子でも、バイアス下地層上に形成され
るバイアス層を、多層抵抗膜の両側領域内で高い位置に
形成でき、フリー磁性層の両側に十分な体積を有して対
向させることができる。
【0140】さらに、アモルファス導電層が多層抵抗膜
とバイアス下地層及びバイアス層との界面に残留したと
しても、導電性を有するものであるため、接合抵抗が増
大することがなく、磁気ヘッドとしての特性劣化を防止
することができる。
【0141】さらに、センス電流が多層抵抗膜のフリー
磁性層/非磁性層/固定磁性層の近傍を流れることな
り、シャントロスを低減して出力を向上させることがで
きる。
【0142】さらに、アモルファス導電層を成膜する工
程において、多層抵抗膜の両側領域のうちバイアス下地
層、バイアス層が接合すべき領域にアモルファス導電層
が付着したとしても、アモルファス導電層が導電性を有
するため、このアモルファス導電層を完全に除去する必
要がなく、エッチング処理により多層抵抗膜に損傷を与
えることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る磁気検出素子を
記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【図2】図1に示す磁気検出素子の右側形状を拡大した
部分断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る磁気検出素子の
右側形状を拡大した部分断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る磁気検出素子を
記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る磁気検出素子を
記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【図6】図1に示す磁気検出素子の製造方法を工程順に
示す断面図である。
【図7】図1に示す磁気検出素子の製造方法を工程順に
示す断面図である。
【図8】図1に示す磁気検出素子の製造方法を工程順に
示す断面図である。
【図9】図1に示す磁気検出素子の製造方法を工程順に
示す断面図である。
【図10】図1に示す磁気検出素子の製造方法を工程順
に示す断面図である。
【図11】図11(a)は、バイアス下地層のCr成膜
角度と、バイアス層のCoPtのXRDピーク比との関
係を数値で示す図、図11(b)は、図11(a)に示
された数値をグラフに表した図、図11(c)は、バイ
アス層のCoPtのXRDピーク比と、CoPtからな
るバイアス層の保磁力(Hc)との関係を数値で示す
図、図11(d)は、図11(c)に示す数値をグラフ
に表した図である。
【図12】図12(a)はCrの成膜角度が20°の場
合の配向状態、図12(b)はCrの成膜角度が50°
の場合の配向状態、図12(c)はCrの成膜角度に対
する、CoPtの配向依存性及びCoPtの保磁力Hc
の依存性を多重記録して示す図である。
【図13】従来例の磁気検出素子を記録媒体との対向面
側から見た部分断面図である。
【図14】従来例の磁気検出素子を記録媒体との対向面
側から見た部分断面図である。
【符号の説明】
20 多層抵抗膜 21 下部シールド層 22 下部ギャップ層 25 シードレイヤ層 26 反強磁性層 27 固定磁性層 28 非磁性導電層 29 フリー磁性層 30 保護層 32 アモルファス導電層 33 バイアス下地層 34 ハードバイアス層 36 電極層 46 多層抵抗膜

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成されたギャップ層と、前記ギ
    ャップ層上に形成された、多層抵抗膜を構成する、少な
    くとも反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層及びフリ
    ー磁性層と、前記多層抵抗膜の、フリー磁性層、非磁性
    導電層、固定磁性層のトラック幅方向の両側に形成され
    る、バイアス下地層、バイアス層とを含む磁気検出素子
    であって、 前記反強磁性層が、少なくとも前記多層抵抗膜の、フリ
    ー磁性層、非磁性導電層、固定磁性層よりもトラック幅
    方向の両側に延びた両側領域を有し、 アモルファス導電層が前記反強磁性層の両側領域上に形
    成され、前記バイアス下地層、バイアス層が前記アモル
    ファス導電層上に下から順に形成され、 前記バイアス層が、前記反強磁性層の両側領域、前記ア
    モルファス導電層及び前記バイアス下地層で嵩上げされ
    て前記フリー磁性層の高さ位置に形成されていることを
    特徴する磁気検出素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の磁気検出素子において、 前記バイアス下地層が、bcc構造の結晶構造体から形
    成され、少なくとも[211]面または[200]面が膜面
    垂直方向に配向されていることを特徴する磁気検出素
    子。
  3. 【請求項3】請求項1記載の磁気検出素子において、 前記バイアス層が、少なくとも[100]面が膜面垂直方
    向に優先配向された磁性材料から形成されていることを
    特徴する磁気検出素子。
  4. 【請求項4】請求項2記載の磁気検出素子において、 前記バイアス下地層が、前記バイアス層と前記フリー磁
    性層との間に介在されていることを特徴とする磁気検出
    素子。
  5. 【請求項5】請求項1記載の磁気検出素子において、 前記アモルファス導電層が非磁性材料であることを特徴
    とする磁気検出素子。
  6. 【請求項6】請求項1記載の磁気検出素子において、 前記アモルファス導電層がCo−T−Z合金から形成さ
    れ、TはZr、Hfのうち少なくとも1種を含む元素で
    あり、ZはTa、Nbのうち少なくとも1種を含む元素
    であることを特徴とする磁気検出素子。
  7. 【請求項7】請求項1記載の磁気検出素子において、 前記アモルファス導電層がNi−X合金からなり、Xは
    少なくともPを含む元素からなるものであることを特徴
    とする磁気検出素子。
  8. 【請求項8】請求項1記載の磁気検出素子において、 前記反強磁性層の両側領域の膜厚がトラック幅領域の膜
    厚より薄く、前記アモルファス導電層が前記反強磁性層
    の両側領域上に所望の膜厚で形成されていることを特徴
    とする磁気検出素子。
  9. 【請求項9】請求項8記載の磁気検出素子において、 前記アモルファス導電層の膜厚が、60Å以上300Å
    以下であることを特徴とする磁気検出素子。
  10. 【請求項10】請求項1記載の磁気検出素子において、 前記多層抵抗膜が、下から順に反強磁性層、固定磁性
    層、非磁性導電層及びフリー磁性層を有し、 前記固定磁性層が、非磁性中間層を挟んで形成された一
    対の強磁性層を備え、前記一対の強磁性層の磁化方向が
    互いに反平行であることを特徴とする磁気検出素子。
  11. 【請求項11】請求項1記載の磁気検出素子において、 前記ギャップ層と前記反強磁性層との間にシードレイヤ
    層が形成されていることを特徴とする磁気検出素子。
  12. 【請求項12】請求項1記載の磁気検出素子において、 前記多層抵抗膜が、下から順に反強磁性層、固定磁性
    層、非磁性導電層及びフリー磁性層を有し、 前記フリー磁性層が、非磁性中間層を挟んで形成された
    一対の強磁性層を備え、前記一対の強磁性層の磁化方向
    が互いに反平行であることを特徴とする磁気検出素子。
  13. 【請求項13】基板のギャップ層上に、少なくとも反強
    磁性層、固定磁性層、非磁性導電層及びフリー磁性層か
    らなる多層抵抗膜を形成する工程と、 前記多層抵抗膜をエッチングによりパターニングし、か
    つ前記反強磁性層の両側をオーバーエッチングする工程
    と、 前記反強磁性層の両側のオーバーエッチングされた領域
    上にアモルファス導電層を形成する工程と、 前記アモルファス導電層上にバイアス下地層を形成する
    工程と、 前記バイアス下地層上にバイアス層を形成する工程とを
    含むことを特徴とする磁気検出素子の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項13記載の磁気検出素子の製造方
    法において、 前記バイアス下地層の形成工程において、bcc構造の
    結晶構造体からなる前記バイアス下地層の成膜角度を、
    少なくとも[211]面または[200]面が膜面垂直方向
    に配向される角度に制御することにより、前記バイアス
    下地層の成膜を行なうことを特徴する磁気検出素子の製
    造方法。
  15. 【請求項15】請求項13記載の磁気検出素子の製造方
    法において、 前記バイアス層の形成工程において、前記バイアス層の
    成膜角度を、少なくとも[100]面が膜面垂直方向に配
    向される角度に制御することにより、前記バイアス層の
    成膜を行なうことを特徴する磁気検出素子の製造方法。
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