JP2003059754A - 金属化フィルムコンデンサの製造方法及び金属化フィルムコンデンサ用の絶縁剤含浸装置 - Google Patents

金属化フィルムコンデンサの製造方法及び金属化フィルムコンデンサ用の絶縁剤含浸装置

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JP2003059754A
JP2003059754A JP2001248694A JP2001248694A JP2003059754A JP 2003059754 A JP2003059754 A JP 2003059754A JP 2001248694 A JP2001248694 A JP 2001248694A JP 2001248694 A JP2001248694 A JP 2001248694A JP 2003059754 A JP2003059754 A JP 2003059754A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 金属化フィルム間に絶縁剤を確実に含浸させ
ることのできる金属化フィルムコンデンサの製造方法の
実現。 【解決手段】 ヒートプレス前に、積層巻回された一対
の金属化フィルムを、ヒートプレス時の圧力より小さい
圧力で仮プレスし(S12)、この仮プレスされた状態
で固定した金属化フィルムを、先ず、高真空状態におい
て、シリコン油中に浸漬させることにより、シリコン油
を金属化フィルム間へ真空含浸(S16)させ、その
後、高圧状態において、上記仮プレスされた状態で固定
した金属化フィルムをシリコン油中に浸漬させることに
より、シリコン油を金属化フィルム間へ加圧含浸(S1
8)させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンデンサ素子
の金属化フィルム間に絶縁剤を含浸させて成る金属化フ
ィルムコンデンサの製造方法と、当該金属化フィルムコ
ンデンサ用の絶縁剤含浸装置に係り、特に、金属化フィ
ルム間に絶縁剤を確実に含浸させることのできる金属化
フィルムコンデンサの製造方法と、当該金属化フィルム
コンデンサ用の絶縁剤含浸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、誘電体フィルムの表面に電極金属
を蒸着させた金属化フィルムを積層又は巻回して成るコ
ンデンサ素子を用いた金属化フィルムコンデンサは、コ
ンデンサ素子に部分的な絶縁破壊を生じても再び絶縁性
を回復する自己回復性に優れているため、家庭用電気製
品をはじめとする種々の電気・電子機器等に広く用いら
れている。
【0003】図6は、斯かる金属化フィルムコンデンサ
の一例を示すものであり、この金属化フィルムコンデン
サ80は、コンデンサ素子82の両端面にメタリコンを施し
て形成した外部電極84,84に、半田86を介してリード端
子88,88を接続して成り、該金属化フィルムコンデンサ
80を、絶縁材より成る略直方体形状のケース90内に収納
すると共に、上記リード端子88,88の一端をケース90外
に導出し、さらに上記ケース90内に樹脂材料92を充填し
てケース90の開口部を封止している。
【0004】上記金属化フィルムコンデンサの製造方法
を、図7及び図8に基づいて説明する。先ず、一対の誘
電体フィルム94の表面に、その一側辺に沿ってマージン
部95が残されるように電極膜96を蒸着させた一対の金属
化フィルム98を、それぞれのマージン部95が反対側に配
されるように積層した後に、図示しない巻取機によって
巻回して終端部を止着する(図8のS50)。次に、所定
温度及び所定圧力でのヒートプレス処理を施して扁平化
させてコンデンサ素子82を形成する(S52)。その後、
コンデンサ素子82の両端面に、金属材料を溶射するメタ
リコンを施すことにより外部電極84を形成する(S5
4)。次に、外部電極84を介してコンデンサ素子82に、
その定格電圧より高い電圧を印加するセルフヒーリング
処理を行う(S56)。このセルフヒーリング処理は、誘
電体フィルム94において絶縁耐力の脆弱な部分に意図的
な絶縁破壊を生じさせて電極膜間を短絡させた後、その
絶縁性を自己回復させることにより、製造後の金属化フ
ィルムコンデンサ80の特性安定化を図るために行われる
ものである。
【0005】上記セルフヒーリング処理後、コンデンサ
素子82の各外部電極84,84に、半田86を介してリード端
子88,88を接続する(S58)。その後、コンデンサ素子
82をシリコン油等の絶縁剤中に浸漬し、真空含浸法によ
り、コンデンサ素子82の両端面(外部電極84形成面)か
ら、絶縁剤を外部電極84の金属粒子間を透して金属化フ
ィルム98,98間に含浸させれば(S60)、上記金属化フ
ィルムコンデンサ80が完成する。このように、絶縁剤を
含浸させるのは、一対の金属化フィルム98,98を積層・
巻回する際に、金属化フィルム98,98間に空気が存在し
ていると、空気は誘電体フィルム94よりも誘電率が低い
ため、当該空隙箇所が高電界となって部分放電が発生
し、遂にはコンデンサ素子82が破壊されてしまう虞れが
あるので、金属化フィルム98,98を積層・巻回した後に
絶縁剤を含浸させることで、金属化フィルム98,98間に
存在する空気を外部に排斥するためである。
【0006】金属化フィルムコンデンサ80の完成後、リ
ード端子88,88の一端が外部に導出されるようにして、
金属化フィルムコンデンサ80をケース90内に収納し(S
62)、その後、ケース90内に樹脂材料92が充填されるの
である(S64)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り従来は、真
空含浸法を用いて、金属化フィルム98,98間に絶縁剤を
含浸させて金属化フィルム98,98間に存在する空気を外
部に排斥させていたが、緻密に積層・巻回されると共
に、ヒートプレス処理の施された金属化フィルム98,98
間は強固に密着されており、上記真空含浸法によって
は、金属化フィルム98,98間に絶縁剤を万遍なく含浸さ
せることは困難であった。
【0008】本発明は、上記した従来の問題点を解決す
るために案出されたものであり、その目的とするところ
は、金属化フィルム間に絶縁剤を確実に含浸させること
のできる金属化フィルムコンデンサの製造方法と、斯か
る金属化フィルムコンデンサ用の絶縁剤含浸装置を実現
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る金属化フィルムコンデンサの製造方
法は、一側辺に沿ってマージン部が残されるように、誘
電体フィルムの表面に金属材料より成る電極膜を蒸着し
て成る複数の金属化フィルムを、上記複数の金属化フィ
ルム同士のマージン部が反対側に配されるように積層
し、又は積層巻回し、これをヒートプレスしてコンデン
サ素子を形成すると共に、該コンデンサ素子の両端面に
金属材料を溶射して外部電極を形成し、さらに、上記コ
ンデンサ素子内部の金属化フィルム間に絶縁剤を含浸さ
せて成る金属化フィルムコンデンサの製造方法であっ
て、上記金属化フィルム間への絶縁剤の含浸が、先ず、
高真空状態において、積層又は積層巻回された複数の金
属化フィルムを絶縁剤中に浸漬させることにより、絶縁
剤を金属化フィルム間へ真空含浸させ、その後、高圧状
態において、金属化フィルムを絶縁剤中に浸漬させるこ
とにより、絶縁剤を金属化フィルム間へ加圧含浸させる
ことにより行われることを特徴とする。
【0010】本発明の金属化フィルムコンデンサの製造
方法においては、金属化フィルム間へ絶縁剤を含浸させ
るに際し、先ず、真空含浸法によって含浸させた後、さ
らに、圧力を加えて絶縁剤を含浸させる加圧含浸を行う
ことから、絶縁剤を金属化フィルム間へ万遍なく含浸さ
せることができ、この結果、金属化フィルム間に存在す
る空気を確実に外部へ排斥させることが可能となる。
【0011】上記ヒートプレス前に、積層又は積層巻回
された複数の金属化フィルムを、ヒートプレス時の圧力
より小さい圧力で仮プレスし、この仮プレスされた状態
で固定した金属化フィルムを、先ず、高真空状態におい
て、絶縁剤中に浸漬させることにより、絶縁剤を金属化
フィルム間へ真空含浸させ、その後、高圧状態におい
て、上記仮プレスされた状態で固定した金属化フィルム
を絶縁剤中に浸漬させることにより、絶縁剤を金属化フ
ィルム間へ加圧含浸させるのが望ましい。
【0012】このように、絶縁剤の含浸処理を、金属化
フィルム間が強固に密着されてしまうヒートプレス処理
前において、該ヒートプレス時の圧力より小さい圧力で
仮プレスした状態で固定した金属化フィルムに対して行
えば、金属化フィルム間はヒートプレス後のように強固
に密着されておらず、従って、絶縁剤を金属化フィルム
間へ含浸させることが容易となる。
【0013】また、本発明に係る金属化フィルムコンデ
ンサ用の絶縁剤含浸装置は、一側辺に沿ってマージン部
が残されるように、誘電体フィルムの表面に金属材料よ
り成る電極膜を蒸着して成る複数の金属化フィルムを、
上記複数の金属化フィルム同士のマージン部が反対側に
配されるように積層し、又は積層巻回し、これをヒート
プレスしてコンデンサ素子を形成すると共に、該コンデ
ンサ素子の両端面に金属材料を溶射して外部電極を形成
し、さらに、上記コンデンサ素子内部の金属化フィルム
間に絶縁剤を含浸させて成る金属化フィルムコンデンサ
用の絶縁剤含浸装置であって、上記積層又は積層巻回さ
れた複数の金属化フィルムを収納すると共に、絶縁剤が
充填される含浸処理槽と、該含浸処理槽内を高真空状態
と成す減圧手段と、上記含浸処理槽内を高圧状態と成す
加圧手段とを少なくとも備えていることを特徴とする。
上記減圧手段には真空ポンプを用いることができ、ま
た、加圧手段としては、コンプレッサを用いることがで
きる。
【0014】本発明の金属化フィルムコンデンサ用の絶
縁剤含浸装置にあっては、含浸処理槽内に、積層又は積
層巻回された複数の金属化フィルムを収納すると共に、
絶縁剤を充填した上で、減圧手段を用いて含浸処理槽内
を高真空状態と成すことにより、金属化フィルム間へ絶
縁剤を真空含浸させることができる。次に、加圧手段を
用いて含浸処理槽内を高圧状態と成すことにより、金属
化フィルム間へ絶縁剤を加圧含浸させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る製造方法で
得られた金属化フィルムコンデンサ10を示すものであ
り、この金属化フィルムコンデンサ10は、扁平略直方体
形状のコンデンサ素子12の両端面にメタリコンを施して
形成した外部電極14,14に、半田16を介してリード端子
18,18を接続して成る。尚、外部電極14,14とリード端
子18,18は、電気溶接で接続しても良い。そして、この
金属化フィルムコンデンサ10を、樹脂やセラミック等よ
り成る略直方体形状のケース20内に収納すると共に、上
記リード端子18,18の一端をケース20外に導出し、さら
に上記ケース20内にウレタン樹脂等の樹脂材料22を充填
してケース20の開口部を封止している。
【0016】上記金属化フィルムコンデンサ10の製造方
法を、図2乃至図5に基づいて説明する。先ず、一対の
誘電体フィルム24の表面に、その一側辺に沿ってマージ
ン部26が残されるように電極膜28を蒸着させた一対の金
属化フィルム30を、図2に示すように、それぞれのマー
ジン部26が反対側に配されるように積層した後に、図示
しない巻取機によって巻回して終端部を止着する(図5
のS10)。次に、10〜15kg/cmの圧力で、巻
回した金属化フィルム30を仮プレスして若干扁平化さ
せ、この仮プレスされた状態の金属化フィルム30を図示
しないクランパにより固定(クランピング)する(S1
2)。この仮プレスは、後述するヒートプレス時の圧力
より小さい圧力で行われるものである。
【0017】上記S12により仮プレス状態で固定された
金属化フィルム30は、図4に示す本発明に係る金属化フ
ィルムコンデンサ用の絶縁剤含浸装置32によって、液状
と成された絶縁剤の含浸処理が施される。この絶縁剤含
浸装置32は、絶縁剤としてのシリコン油が充填された含
浸剤貯留槽34と、金属化フィルム30を収納して含浸処理
を行う含浸処理槽36と、該含浸処理槽36へ空気を供給す
るコンプレッサ38と、上記含浸剤貯留槽34及び含浸処理
槽36内の空気を抜いて減圧する真空ポンプ40を有してい
る。尚、絶縁剤として上記シリコン油以外に、例えば、
エポキシ系樹脂やポリウレタン系樹脂等を使用すること
もできる。含浸剤貯留槽34内部と含浸処理槽36内部と
は、送液管42を介して連通接続されており、該送液管42
の中途部には第1の電磁弁44aが設けられている。ま
た、含浸処理槽36内部とコンプレッサ38とは、送気管46
を介して連通接続されており、該送気管46の中途部には
第2の電磁弁44bが設けられている。さらに、真空ポン
プ40と含浸剤貯留槽34内部、真空ポンプ40と含浸処理槽
36内部とは、それぞれ送気管46を介して連通接続されて
おり、各送気管46の中途部には、第3の電磁弁44c、第
4の電磁弁44dが設けられている。また、含浸処理槽36
には、排気管48が接続されると共に、該排気管48の中途
部に排気バルブ50が設けられている。
【0018】上記絶縁剤含浸装置32による金属化フィル
ム30,30間への絶縁剤含浸処理は以下の手順で行われ
る。先ず、上記S12により仮プレス状態で固定された金
属化フィルム30を含浸処理槽36内に収納した後、第4の
電磁弁44dを開き、上記真空ポンプ40により、含浸処理
槽36内を0.01torr以下の高真空状態と成した
後、第4の電磁弁44dを閉じ、その後、85℃の温度で
1.5時間の真空乾燥を行う(S14)。
【0019】次に、第1の電磁弁44aを開いて、含浸剤
貯留槽34内のシリコン油を、含浸処理槽36内に流入させ
て、金属化フィルム30をシリコン油中に浸漬させること
により、シリコン油を金属化フィルム30,30間へ真空含
浸させる(S16)。この真空含浸は、0.01torr
以下の真空度において、85℃の温度で1時間行われ
る。尚、上記シリコン油は、30cp(センチポアズ)
の粘度のものが使用される。真空含浸後、第1の電磁弁
44aを閉じると共に、第2の電磁弁44bを開き、コンプ
レッサ38により大量の空気を含浸処理槽36内に供給し
て、含浸処理槽36内を真空状態から高圧状態に移行させ
て、シリコン油を金属化フィルム30,30間へ加圧含浸さ
せる(S18)。この加圧含浸は、7kg/cmの圧力
で、1時間行われる。上記加圧含浸が終了したら、第2
の電磁弁44bを閉じると共に排気バルブ50を開き、排気
管48を介して含浸処理槽36内の空気を排出し、以て、含
浸処理槽36内を大気圧のレベルまで減圧する。次に、第
1の電磁弁44a及び第3の電磁弁44cを開くと共に、真
空ポンプ40を用いて含浸剤貯留槽34内を大気圧以下に減
圧させることにより、含浸処理槽36内のシリコン油を含
浸剤貯留槽34内へと移動させるのである。
【0020】上記の通り、本発明においては、金属化フ
ィルム30,30間へシリコン油(絶縁剤)を含浸させるに
際し、先ず、真空含浸法によって含浸させた後、さら
に、圧力を加えてシリコン油を含浸させる加圧含浸を行
うことから、シリコン油を金属化フィルム30,30間へ万
遍なく含浸させることができ、金属化フィルム30,30間
に存在する空気を確実に外部へ排斥させることが可能と
なる。しかも、本発明においては、シリコン油(絶縁
剤)の含浸処理を、金属化フィルム30,30間が強固に密
着されてしまうヒートプレス処理前において、該ヒート
プレス時の圧力より小さい圧力で仮プレスした状態で固
定した金属化フィルム30に対して行うので、金属化フィ
ルム30,30間はヒートプレス処理後のように強固に密着
されておらず、従って、シリコン油を金属化フィルム3
0,30間へ含浸させることが容易である。
【0021】上記絶縁剤含浸装置32による絶縁剤含浸処
理の終了後、図示しない遠心分離機を用いることによ
り、仮プレス状態で固定された金属化フィルム30の外表
面に付着しているシリコン油を分離させる(S20)。こ
のシリコン油の遠心分離処理は、85℃の温度下におい
て、10〜40Hz回転で1時間行われる。次に、仮プ
レス状態の金属化フィルム30に、115℃の温度及び4
5kg/cmの圧力でのヒートプレス処理を施して完
全に扁平化させ、上記コンデンサ素子12を形成するので
ある(S22)。尚、このヒートプレス処理は、高温・高
圧で行われることから、その処理過程で金属化フィルム
30に歪みの生じる場合がある。そこで、110℃の温度
で12時間、コンデンサ素子12に熱処理を施し(S2
4)、上記ヒートプレスの処理過程で生じた金属化フィ
ルム30の歪みを治癒させる。
【0022】上記S20により、金属化フィルム30の外表
面に付着しているシリコン油の遠心分離処理がなされて
いるが、この遠心分離処理だけでは、金属化フィルム30
の外表面に付着したシリコン油を完全に除去することは
困難である。そして、コンデンサ素子12の端面に、上記
シリコン油が付着していると、外部電極14の形成のため
に金属材料を溶射しても、金属材料がコンデンサ素子12
の端面に付着せず、外部電極14の形成に支障が生じる。
そこで、本発明においては、所定温度で気化する性質を
備えた洗浄剤を用いてコンデンサ素子12洗浄し(S2
6)、コンデンサ素子12の外表面に付着しているシリコ
ン油を完全に除去しているのである。この洗浄剤とし
て、本発明においては、上記シリコン油(30cp)よ
り低粘度の3cp(センチポアズ)のシリコン油を使用
している。この3cp(センチポアズ)の低粘度のシリ
コン油は、30〜40℃の温度で気化する性質を備えて
いるものである。このように、洗浄剤として、絶縁剤と
同一材料のものを使用すれば、洗浄剤と絶縁剤とが化学
反応することがなく、コンデンサの諸特性に悪影響を生
じさせることがない。
【0023】上記洗浄後、コンデンサ素子12を約80℃
の温度で5分間の真空乾燥を行う(S27)。コンデンサ
素子12の端面には、上記洗浄処理で使用した低粘度(3
cp)のシリコン油が付着しているが、このシリコン油
は上記真空乾燥時の加熱(約80℃)で完全に気化し、
端面から除去されることとなる。尚、含浸剤として用い
た30cpの粘度のシリコン油の気化温度は260℃程
度であるため、真空乾燥時の加熱(約80℃)で気化す
ることはない。因みに、絶縁剤として用いるシリコン油
としては、10〜100cp(センチポアズ)の粘度の
ものが好適に使用でき、一方、洗浄剤として用いるシリ
コン油としては、1〜5cp(センチポアズ)の粘度の
ものが好適に使用できる。尚、上記S27の真空乾燥は、
洗浄剤として用いたシリコン油の気化温度より高く、且
つ、絶縁剤として用いたシリコン油の気化温度より低い
温度で行われるものである。上記真空乾燥後、コンデン
サ素子12の一方の端面に、金属材料を溶射するメタリコ
ンを施すことにより外部電極14を形成する(S28)。次
に、再度、コンデンサ素子12を、3cp(センチポア
ズ)の低粘度のシリコン油を洗浄剤として用いて洗浄す
る(S30)。すなわち、コンデンサ素子12の一方の端面
に外部電極14を形成すると、金属化フィルム30,30間に
含浸されていた30cpの粘度のシリコン油が、コンデ
ンサ素子12の他方の端面から若干ながら漏出する場合が
ある。そこで、コンデンサ素子12の一方の端面に外部電
極14を形成した後、再度、コンデンサ素子12を3cp
(センチポアズ)の低粘度のシリコン油で洗浄すること
により、コンデンサ素子12の他方の端面から漏出した3
0cpの粘度のシリコン油を除去しているのである。
【0024】その後、再度、コンデンサ素子12を約80
℃の温度で5分間の真空乾燥を行う(S31)。上記の通
り、コンデンサ素子12の端面には、上記洗浄処理で使用
した低粘度(3cp)のシリコン油が付着しているが、
このシリコン油は斯かる真空乾燥時の加熱(約80℃)
で完全に気化し、端面から除去されることとなる。その
後、コンデンサ素子12の他方の端面に、金属材料を溶射
するメタリコンを施すことにより外部電極14を形成する
(S32)。
【0025】次に、外部電極14を介してコンデンサ素子
12に、その定格電圧より高い電圧を印加するセルフヒー
リング処理を行う(S34)。このセルフヒーリング処理
により、誘電体フィルム24において絶縁耐力の脆弱な部
分に意図的な絶縁破壊が生じて電極膜28間の短絡後、そ
の絶縁性を自己回復するので、製造後の金属化フィルム
コンデンサ10の特性安定化が図られる。上記セルフヒー
リング処理後、コンデンサ素子12の各外部電極14,14
に、半田16を介してリード端子18,18を接続すれば(S
36)、上記金属化フィルムコンデンサ10が完成する。
【0026】金属化フィルムコンデンサ10の完成後、リ
ード端子18,18の一端が外部に導出されるようにして、
金属化フィルムコンデンサ10をケース20内に収納し(S
38)、その後、ケース20内に樹脂材料が充填されるので
ある(S40)。
【0027】
【発明の効果】本発明の金属化フィルムコンデンサの製
造方法にあっては、金属化フィルム間へ絶縁剤を含浸さ
せるに際し、先ず、真空含浸法によって含浸させた後、
さらに、圧力を加えて絶縁剤を含浸させる加圧含浸を行
うことから、絶縁剤を金属化フィルム間へ万遍なく含浸
させることができ、この結果、金属化フィルム間に存在
する空気を確実に外部へ排斥させることが可能となる。
【0028】また、本発明の金属化フィルムコンデンサ
用の絶縁剤含浸装置にあっては、含浸処理槽内に、積層
又は積層巻回された複数の金属化フィルムを収納すると
共に、絶縁剤を充填した上で、減圧手段を用いて含浸処
理槽内を高真空状態と成すことにより、金属化フィルム
間へ絶縁剤を真空含浸させることができる。次に、加圧
手段を用いて含浸処理槽内を高圧状態と成すことによ
り、金属化フィルム間へ絶縁剤を加圧含浸させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法で得られた金属化フィル
ムコンデンサを、ケース内に収納した状態を示す概略断
面図である。
【図2】一対の金属化フィルムの積層状態を示す断面図
である。
【図3】コンデンサ素子の内部構造を示す断面図であ
る。
【図4】本発明に係る金属化フィルムコンデンサ用の絶
縁剤含浸装置を示す説明図である。
【図5】金属化フィルムコンデンサの製造方法を示す工
程説明図である。
【図6】従来の金属化フィルムコンデンサを、ケース内
に収納した状態を示す概略断面図である。
【図7】従来のコンデンサ素子の内部構造を示す断面図
である。
【図8】従来の金属化フィルムコンデンサの製造方法を
示す工程説明図である。
【符号の説明】
10 金属化フィルムコンデンサ 12 コンデンサ素子 14 外部電極 18 リード端子 20 ケース 22 樹脂材料 30 金属化フィルム 32 絶縁剤含浸装置 34 含浸剤貯留槽 36 含浸処理槽 38 コンプレッサ 40 真空ポンプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一側辺に沿ってマージン部が残されるよ
    うに、誘電体フィルムの表面に金属材料より成る電極膜
    を蒸着して成る複数の金属化フィルムを、上記複数の金
    属化フィルム同士のマージン部が反対側に配されるよう
    に積層し、又は積層巻回し、これをヒートプレスしてコ
    ンデンサ素子を形成すると共に、該コンデンサ素子の両
    端面に金属材料を溶射して外部電極を形成し、さらに、
    上記コンデンサ素子内部の金属化フィルム間に絶縁剤を
    含浸させて成る金属化フィルムコンデンサの製造方法で
    あって、 上記金属化フィルム間への絶縁剤の含浸が、先ず、高真
    空状態において、積層又は積層巻回された複数の金属化
    フィルムを絶縁剤中に浸漬させることにより、絶縁剤を
    金属化フィルム間へ真空含浸させ、その後、高圧状態に
    おいて、金属化フィルムを絶縁剤中に浸漬させることに
    より、絶縁剤を金属化フィルム間へ加圧含浸させること
    により行われることを特徴とする金属化フィルムコンデ
    ンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記ヒートプレス前に、積層又は積層巻
    回された複数の金属化フィルムを、ヒートプレス時の圧
    力より小さい圧力で仮プレスし、この仮プレスされた状
    態で固定した金属化フィルムを、先ず、高真空状態にお
    いて、絶縁剤中に浸漬させることにより、絶縁剤を金属
    化フィルム間へ真空含浸させ、その後、高圧状態におい
    て、上記仮プレスされた状態で固定した金属化フィルム
    を絶縁剤中に浸漬させることにより、絶縁剤を金属化フ
    ィルム間へ加圧含浸させることを特徴とする請求項1に
    記載の金属化フィルムコンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 一側辺に沿ってマージン部が残されるよ
    うに、誘電体フィルムの表面に金属材料より成る電極膜
    を蒸着して成る複数の金属化フィルムを、上記複数の金
    属化フィルム同士のマージン部が反対側に配されるよう
    に積層し、又は積層巻回し、これをヒートプレスしてコ
    ンデンサ素子を形成すると共に、該コンデンサ素子の両
    端面に金属材料を溶射して外部電極を形成し、さらに、
    上記コンデンサ素子内部の金属化フィルム間に絶縁剤を
    含浸させて成る金属化フィルムコンデンサ用の絶縁剤含
    浸装置であって、該絶縁剤含浸装置は、上記積層又は積
    層巻回された複数の金属化フィルムを収納すると共に、
    絶縁剤が充填される含浸処理槽と、該含浸処理槽内を高
    真空状態と成す減圧手段と、上記含浸処理槽内を高圧状
    態と成す加圧手段とを少なくとも備えていることを特徴
    とする金属化フィルムコンデンサ用の絶縁剤含浸装置。
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