JP2003059090A - 記録媒体の情報再生及び記録装置 - Google Patents

記録媒体の情報再生及び記録装置

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JP2003059090A
JP2003059090A JP2001245491A JP2001245491A JP2003059090A JP 2003059090 A JP2003059090 A JP 2003059090A JP 2001245491 A JP2001245491 A JP 2001245491A JP 2001245491 A JP2001245491 A JP 2001245491A JP 2003059090 A JP2003059090 A JP 2003059090A
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Mizuki Nakamura
瑞木 中村
Atsushi Kitamura
厚 北村
Kozo Matsumoto
公三 松本
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Minebea Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発振波長の長い、安価なレーザダイオードのみ
で、記録密度の異なる記録媒体の情報再生及び記録装置
を提供する。 【解決手段】CD用レーザダイオード(波長780n
m)12、コリメーティングレンズ13、フォトディテ
クタ90、ハーフミラー11、反射ミラー15を設けて
ある。高NA対物レンズ16の直前には、中央部に円環
状をした金属反射膜を有する超解像遮断フィルタ10が
配置されている。DVD再生時には、高NA対物レンズ
16と超解像遮断フィルタ10とが光路中に配置され
る。又、CD再生時には低NA対物レンズ17が光路中
に配置される。ディスク18から反射した前記レーザ光
は、前記入射時とは逆の光路を通り、前記ハーフミラー
11を通過して電気信号に変換するフォトディテクタ9
0で受光されるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクドライ
ブに用いられる光ディスクなどの記録媒体の情報再生及
び記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、CD(コンパクトディスク)など
の光を利用した情報入出力装置においては、ディスク状
の記録媒体に設けられたトラック溝にレーザ光源からの
出射光を微小スポットとして集光することによって記録
ピットを生成し、このピットの有無を情報として記録
し、さらにこのトラックに微小スポットを照射し、反射
光によりトラック上のピットの有無を検出し、情報の読
み出しを行うようになっている。
【0003】一方、近年の大記録容量化の市場要求に伴
い、CDの約7倍の記憶容量を持つDVD(ディジタル
ビデオディスク)の普及が目覚ましい。記憶容量の増大
はすなわち記録密度の向上を意味し、記録媒体(以下デ
ィスクと称する)上に生成できる記録ピットの数に依存
する。DVDにおいては、この記録ピットを小さくする
こと、すなわちディスク上に照射する光ビームのスポッ
ト径を小さくすることが一つの高密度化要因となってい
る。ディスク上に照射される微小スポットの大きさは、
レーザの波長に比例し、対物レンズの開口数に反比例す
る。すなわち、レーザの波長を短く、対物レンズの開口
数を大きくする必要がある。
【0004】しかしながら、DVDは、そのソフト資産
継承の面からCDとの互換性が強く求められている。当
初、DVDには波長635〜650nm帯のレーザ光源
と開口数0.6程度の対物レンズを、CDには波長78
0nm帯のレーザ光源と開口数0.45程度の対物レン
ズを一つの光ヘッド装置に搭載することで、両ディスク
の互換性を確保していた。
【0005】しかし、対物レンズの開口数を大きくする
と、ディスクの傾きに対してコマ収差により光ビームの
集束状態が劣化する。コマ収差は対物レンズの開口数の
3乗と、ディスク基板の厚さに比例するため、DVDで
はディスク基板の厚さをCDの半分の0.6mmにして
ある。
【0006】対物レンズは基板の厚みが設計値からずれ
て変化すると、レンズ中心部を通る光と外周部を通る光
の収束位置に球面収差が発生する。従ってDVDの基板
の厚さに対して最適化設計された開口数0.6の対物レ
ンズを用いてCDを再生する場合、レンズへ入射する外
周部の光束を制限したり、レンズへの入射角を若干発散
させるなどして球面収差を補正する必要がある。
【0007】このように対物レンズに対しては、DVD
とCDで共用可能であるが、レーザ光源に関しては、追
記型CDとの互換性を考慮して、上述した二つの波長の
レーザ光源を用いる必要がある。これは、追記型CDの
反射記録層は有機色素材料から成り、DVDの対応波長
である635nm〜650nm帯の光ビームに対して反
射率が6%と低いことに起因する。
【0008】係る理由により、現行のDVD用光ヘッド
装置ではDVDに対応した波長635nm〜650nm
帯と、CDに対応した波長780nm帯の二つのレーザ
光源を搭載しており、また、この二つの光源から出射す
るそれぞれの光ビームを二つの対物レンズに導くため、
プリズムや、開口制限手段等の部品が別途必要となり、
装置の小型化、低廉化に向かない。
【0009】前記問題点を解決する手段として、例えば
図10から図13に示すような各種の光ピックアップ装
置が提案されている。以下、従来の光ピックアップ装置
についてその概略を説明する。
【0010】図10は従来例1のブロック図であって、
DVDに対応した波長650nmと、CDに対応した波
長780nmのそれぞれのレーザ光を発するレーザ光源
91及び12と前記レーザ光を同一光路に導く波長選択
プリズム92を有している。前記レーザ光をコリメーテ
ィングレンズ13に導くと共にディスクから反射された
レーザ光をフォトディテクタ90に入射させるハーフミ
ラー11を設けてある。前記コリメーティングレンズ1
3を通過したレーザ光を対物レンズ16又は17に導く
反射ミラー15も有し、前記対物レンズからディスク1
8に入射されるようになっている。ディスク18はDV
DまたはCDを用途に応じて図示していない駆動機構に
乗せられ、該駆動機構より回転される。
【0011】対物レンズ16はDVD用の高い開口数
(高NA)の対物レンズであり、又、17はCD用の低
い開口数(低NA)の対物レンズである。係る対物レン
ズは図示していない駆動機構によりDVD用とCD用と
で切換えられるようになっている。ディスク18から反
射した前記レーザ光は、前記ハーフミラー11を通過し
て電気信号に変換するフォトディテクタ90で受光され
るようになっている。
【0012】図9は、前記の波長選択プリズム92を説
明する図である。波長選択プリズム92は、図9(c)
に示すような波長透過特性を有する光路調整膜80が設
けられている。光路調整膜80は波長700nm以下の
光を遮断し、波長750nm以上の光を透過させるよう
な特性を有する。従って、光路調整膜80に入射した波
長780nmの光81は光路調整膜80で遮断されない
ので図9(a)のように直進し、これと直交する方向か
ら光路調整膜80に入射した波長650nmの光82は
光路調整膜80で遮断され、図9(b)のように90度
方向を変えて反射されて波長780nmの光と同一光路
上を直進する。
【0013】前記図10に示した従来例1の光ピックア
ップ装置の動作は以下のようである。即ち、光源となる
DVD用レーザダイオード(波長650nm)91、C
D用レーザダイオード(波長780nm)12を直交し
て配置し、各々のレーザダイオード91、12からの出
射光を波長選択性プリズム92により同一光路へ導く。
そしてハーフミラー11により光軸を90度反射させ、
コリメーティングレンズ13により光ビームを平行光束
化する。前記平行光束化された光ビームは反射ミラー1
5により、ディスク18の記録層のある面へ方向を変え
られて、対物レンズ16又は17へ入射される。
【0014】対物レンズは前記したようにDVD用の高
NA対物レンズ16とCD用の低NA対物レンズ17
が、図示していない駆動機構により切り替えられる構成
となっている。DVD再生時には、DVD用レーザダイ
オード91が発振するようになっていて、DVD用高N
A対物レンズ16が光路中に配置され、DVDディスク
18aに集光される。CD再生時には、CD用レーザダ
イオード12が発振するようになっていて、CD用の低
NA対物レンズ17が光路中に配置され、CDディスク
18bに集光される。上記切替機構は、図示していない
軸摺動型のアクチュエータ装置に組み込まれる。各ディ
スクで反射した光ビームは、同様の経路を逆にたどっ
て、ハーフミラー11を透過し、フォトディテクタ90
へ導かれて電気信号に変換される。
【0015】図11は従来例2のブロック図であって、
従来例1に対して、DVD及びCDのレーザダイオード
とフォトディテクタを1つの筐体にパッケージングされ
た集積レーザユニットを用いた例で部品点数の削減効果
が期待できる。即ち、CD用集積レーザユニット201
には、CDに対応した波長780nmのレーザ光源とC
D用フォトディテクタとが一体になって集積化されてい
る。また、DVD用集積レーザユニット202には、D
VDに対応した波長650nmのレーザ光源とDVD用
フォトディテクタとが一体になって集積化されている。
CD用集積レーザユニット201とDVD用集積レーザ
ユニット202とのレーザ光は、波長選択プリズム92
に各々入射されている。係る光ピックアップ装置の動作
は、図10の従来例1と同様であり説明を省略する。
【0016】図12は従来例3のブロック図であって、
対物レンズ16の直前に開口制限フィルタ103を用い
ている点と、ディスクから反射されたレーザ光をレーザ
光の波長により分離する波長選択プリズム92及び該波
長選択プリズム92からの光を受光する2つのフォトデ
ィテクタ101と102が設けられている点が、図10
の従来例1と異なる。ここでフォトディテクタ101は
CD用フォトディテクタであり、102はDVD用フォ
トディテクタである。
【0017】図7は、前記開口制限フィルタ103を説
明する図である。板ガラス60の一方の面30Aの全
面、及び他方の面30Bの中央部に反射防止膜NRを各
々、生成し、他方の面30Bの反射防止膜NRの生成さ
れていない箇所に波長選択膜61が生成されている。
【0018】図8は、前記開口制限フィルタ103に用
いている波長選択膜61における、波長と透過率との関
係を示した図である。図8より明らかなように波長72
5nm以上で透過率が減少している。即ち、CDに対応
した波長780nmのレーザ光源を反射する。
【0019】前記図12に示した従来例3の光ピックア
ップ装置の動作は以下のようである。即ち、光源となる
DVD用レーザダイオード(波長650nm)、CD用
レーザダイオード(波長780nm)を直交して配置
し、各々のレーザダイオード91、12からの出射光を
波長選択性プリズム92により同一光路へ導く。ハーフ
ミラー11により光軸を90度変化して、コリメーティ
ングレンズ13によりレーザ光を平行光束化する。前記
平行光束化された光ビームは更に反射ミラー15によ
り、ディスク18の記録層のある面へ方向を変えられ
て、DVD用の高い開口数を有する対物レンズ16の直
前に設けた開口制限フィルタ103を介して、前記対物
レンズ16へ入射される。対物レンズ16の作用は図1
1と同一であり、説明を省略する。
【0020】前記のように開口制限フィルタ103は、
中央円形部と外周部で異なる光学膜特性を持ち、外周部
は波長650nmに対しては透過、780nmに対して
は反射する性質を有し、一方の中央円形部は両波長とも
透過する性質となる。DVDを再生する場合には、開口
制限フィルタ103による影響を受けず全光束が対物レ
ンズ16へ入射し、ディスク18に集光する。CDを再
生する場合には、開口制限フィルタ103の中心円形部
を透過した光束のみが対物レンズ16に入射すること
で、実効的なNAが小さくなり低収差にディスク18に
集光することが出来る。
【0021】ただし、開口を制限し実効的なNAを小さ
くすることだけでは、球面収差が存在する。係る球面収
差を打ち消すようにCD用レーザダイオード12の位置
をコリメーティングレンズ13側に近づけて配置し、若
干の発散光として対物レンズ16に入射させる必要があ
る。そのためにディスク18からの反射光の収束位置も
その距離に応じて変化するため、CD用フォトディテク
タ101とDVD用フォトディテクタ102との距離を
同じくできず、2つのフォトディテクタが必要となる。
波長選択性プリズム92により、前記2つのフォトディ
テクタには各々異なる波長のレーザが受光される。
【0022】図13は従来例4のブロック図であって、
従来例3に対して、レーザダイオードとフォトディテク
タとが1つの筐体にパッケージングされたCD用集積レ
ーザユニット201とDVD用集積レーザユニット20
2を用いた例で、部品点数の削減効果が期待できる。係
るCD用集積レーザユニット201とDVD用集積レー
ザユニット202作用は図11と同一であり説明を省略
する。又、動作は図12の従来例3と同様であり説明を
省略する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】前記従来例1から4に
おける装置においては、以下のような問題点があった。
即ち、従来例1では、DVD、CD、CD−R/RW
(CDレコーダブル/リライタブル)の互換性を確保す
るために、波長の異なる二つのレーザダイオードが必要
であり、また、これら2つのレーザ光を同一光路へ導く
ための手段が必要であった。
【0024】従来例2では、従来例1の問題点のほかに
高価な集積レーザユニットが必要であり、装置の低価格
化が難しかった。
【0025】従来例3では、波長の異なる2つのレーザ
ダイオードが必要であり、又開口制限フィルタは異なる
透過特性を示す2種類の膜間で発生する位相差を補償す
る必要があることから高価となり、装置の低価格化が難
しかった。
【0026】従来例4では、従来例3の問題点のほかに
高価な集積レーザユニットが必要であり、やはり装置の
低価格化が難しかった。
【0027】本発明は、係る問題を解決して、従来の超
解像遮断フィルタに比べて高性能で雑音の混入が少ない
超解像遮断フィルタにより、構成が単純で、小型化、薄
型化、コストの安い、シンプルな構成に向く記録媒体の
情報再生及び記録装置を提供し、発振波長の長い、安価
なレーザダイオードのみで、記録密度の異なるDVD、
CD、CD−R/RW等の記録媒体を互換再生する記録
媒体の情報再生及び記録装置を提供することを目的とし
てなされたものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1記載の記録媒体の情報再生及び
記録装置では、1個の半導体レーザと、各々異なる記録
密度を有する2種類の記録媒体からの反射光を検出する
1個の光検出器と、前記半導体レーザから出射する光ビ
ームの拡散角を変換するコリメーティングレンズと、前
記光ビームを記録媒体に集光し、前記記録媒体の記録及
び再生にそれぞれ適した開口数を有する2個の対物レン
ズと、前記記録媒体の高密度の記録媒体に対応した対物
レンズの直前に、透光性を有する基板面の中央部に円環
状の反射手段が形成された超解像遮断フィルタとを少な
くとも具備し、各々異なる記録密度を有する2種類の記
録媒体の情報を再生及び記録することを特徴とする。
【0029】請求項2に記載の超解像遮断フィルタは、
透光性を有する基板の一方の面の全面、及び他方の面の
中央部の円環状をした箇所を除いた箇所に反射防止膜が
各々、形成され、前記他方の面の前記反射防止膜の設け
られていない箇所に金属反射膜が形成されていることを
特徴とする。
【0030】請求項3に記載の超解像遮断フィルタは、
透光性を有する基板の一方の面の全面、及び他方の面の
中央部の円環状をした箇所を除いた箇所に反射防止膜が
各々、形成され、前記他方の面の前記反射防止膜の設け
られていない箇所に誘電体多層膜からなる反射膜が形成
されていることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明は、1個の半導体レーザと
高密度の記録媒体に対応した対物レンズの直前に超分解
能を用いたフィルタ(超解像遮断フィルタ)を設けるこ
とにより、CD用レーザダイオード(波長780nm)
のみを用いて、記録密度の高い、例えばDVDディスク
のような微小ピット情報を再生可能としたものである。
【0032】ここで本発明に用いる超解像遮断フィルタ
について概略を説明する。超解像遮断フィルタは、超分
解能と呼ばれる技術を用いて実現したコヒーレント光に
おける光学フィルタである。超分解能は光技術コンタク
トVOL.33 NO.11(1995)などに詳述さ
れている周知の技術であるので説明を省略する。
【0033】光学機器の分解能は、対物レンズで集光さ
れる光スポット径に関係している。良く知られているよ
うに、近軸近似での集光スポットのメインローブ径W
は、光の波長λ、開口数をNAとすると、W=1.22
λ/NAで表せられ、メインローブ径Wを小さく、即ち
高解像度とするためには波長λは短く、開口数NAは大
きいことが必要である。
【0034】図5は、レーザ光を集光した時における集
光スポットのメインローブMとサイドローブSの分布を
説明する図である。メインローブ径Wの値は回折限界ス
ポット径と呼ばれ、通常はこの値が実現可能な最小スポ
ット径であり、図5(a)に示すような対物レンズ16
にレーザ光50を入射した時には図5(b)に示すよう
な分布になる。即ち、メインローブMに対してn次のサ
イドローブの発生は僅かである。
【0035】しかし、図5(c)に示すように、対物レ
ンズ16の直前に円形の遮光板15を設けてレンズ開口
面内振幅分布を中央部で小さく、外周部で大きくなるよ
うに変形すれば、焦点スポットのメインローブ径Wを通
常の回折限界値より小さくでき、図5(d)に示すよう
な分布にすることができる。
【0036】メインローブ径Wを通常の回折限界値より
小さくできるので、高解像度とすることができる。一
方、メインローブ径Wを通常の回折限界値より小さくで
きるが、図5(d)に示すように、n次のサイドローブ
(S1、S2、S3)の振幅も増加する。係るn次のサ
イドローブの光は、記録媒体の情報再生及び記録装置に
用いる場合、記録媒体の隣接ピット、隣接トラックに影
響して、隣接ピット、隣接トラックからの信号を混入さ
せて信号品質の劣化、装置の誤動作の原因となる。
【0037】図3は、本発明における超解像遮断フィル
タ10の構造を説明する図である。板ガラス30におけ
る一方の面30Aの全面、及び他方の面30Bにおける
中央部の円環状をした箇所32を除いた箇所に、単層膜
又は多層膜からなる反射防止膜NRが形成され、前記他
方の面33の前記反射防止膜の設けられていない円環状
をした箇所32に金属反射膜MCが形成されている。な
お、反射防止膜NRがなくても超解像遮断フィルタとし
ての機能は発揮できる。又、板ガラス30に代えて透光
性を有する樹脂材料を基板として用いてもよい。又、金
属反射膜の代わりに誘電体多層膜で反射膜を形成するこ
とも可能で、その場合は反射防止膜を形成する際同じ製
造プロセスを適用できるメリットがある。
【0038】図4は、前記の超解像遮断フィルタ10の
効果を示す特性図であって、図4(a)は従来の、図4
(b)は本発明の、各々、超解像遮断フィルタにおける
メインローブとn次のサイドローブ(S1、S2、S
3)との関係を示す図である。又、図4(c)は、図4
(a)、図4(b)の測定系を説明する図、図4(d)
は従来の超解像遮断フィルタと本発明における超解像遮
断フィルタの寸法を示す図である。但し、超解像遮断フ
ィルタ10は、本発明の超解像遮断フィルタの構造を示
していて、図4(a)を測定する場合には従来の超解像
遮断フィルタを用いる。
【0039】図4(c)において、符号201は、CD
用レーザダイオード(波長780nm)である。対物レ
ンズ16にはNA=0.6のレンズを、超解像遮断フィ
ルタ10には前記図3で述べた板ガラス30における一
方の面30Aの全面、及び他方の面30Bの中央部を除
いた箇所に反射防止膜NRを設け、他方の面30Bの反
射防止膜NRが設けられていない中央部分に金属反射膜
MCを設けた。又、符号20は、NA=0.6に対応し
たビームスポット測定装置であり、符号13はコリメー
ティングレンズである。
【0040】又、図4(d)において、従来の超解像遮
断フィルタ10における金属反射膜MCの直径をAとす
ると、本発明における超解像遮断フィルタ10における
中央部の円環状をした箇所32の外径はA、内径はBで
あって、B/Aは1/2程度にする。そして中央部の円
環状をした箇所32には金属反射膜MCが形成されてい
る。
【0041】前記の構成図4(c)により得られた結果
について、図4(a)と図4(b)により説明する。従
来の超解像遮断フィルタは、図4(a)に示すように、
メインローブに対して1次のサイドローブS1の振幅P
1は10%以上に達している。一方、本発明における超
解像遮断フィルタでは、図4( b)に示すように、メ
インローブに対して1次のサイドローブS1の振幅P2
は5%以下となって半減している。
【0042】図6は、前記超解像遮断フィルタ10の中
央部の円環状をした箇所32の外径Aを定めるための実
測データを示す図である。前記したように、従来の超解
像遮断フィルタ10における金属反射膜MCの直径A
と、本発明における超解像遮断フィルタ10の直径Aは
等しく、メインローブの幅も同程度なので従来の超解像
遮断フィルタを用いて測定した。
【0043】図6において、左縦軸にCD用集積レーザ
ユニット201内のフォトディテクタに集光されるレー
ザ光のスポット径を、右縦軸にレーザビームの強度(相
対強度)をとってある。図6から明らかなように、レー
ザ光のスポット径の変化を示すデータ42は、超解像遮
断フィルタ10の直径を増加するとレーザ光のスポット
径も小さくなる。又、それと共にレーザビームの強度の
変化を示すデータ41も減少することがわかる。
【0044】DVD用にはスポット径として0.9μm
程度が必要であり、係るスポット径を得るには超解像遮
断フィルタ10の直径Aを2.5mm程度とすれば良い
ことが分かる。又、本発明における超解像遮断フィルタ
10の外径Aと内径Bの比B/Aは1/2と定めたの
で、内径Bは1.25mm程度となる。このときのレー
ザビームの強度は60%に減少するが、装置に使用する
ときには係る超解像遮断フィルタ10の直径において、
DVDの記録及び再生に必要な強度の半導体レーザを用
いるようにレーザ光源の強度を図示していない駆動回路
で調整する。
【0045】図1は、前記した超解像遮断フィルタ10
を用いた本発明の一実施例のブロック図である。図1に
おいて、CD用レーザダイオード(波長780nm)1
2と該レーザ光をコリメーティングレンズ13に導くと
共に、ディスクから反射されたレーザ光をCD用レーザ
ダイオードの波長に対応したフォトディテクタ90に入
射させるためのビームスプリッタ素子であるハーフミラ
ー11を設けてある。又、前記コリメーティングレンズ
13を通過したレーザ光を対物レンズ16又は17に導
く反射ミラー15を設けて前記対物レンズからディスク
18に入射されるようになっている。なお、反射ミラー
15は必須の光学部品ではなく、反射ミラーを用いない
光学系の構成は可能である。ディスク18はDVDまた
はCDを用途に応じて図示していない駆動機構に乗せら
れ、該駆動機構より回転される。
【0046】対物レンズ16はDVD用の高い開口数
(高NA)のレンズであり、又、17はCD用の低い開
口数(低NA)のレンズである。対物レンズ16の直前
には図3に示したような、中央部に円環状をした金属反
射膜を有する超解像遮断フィルタ10が配置されてい
る。DVD再生時には、対物レンズ16と超解像遮断フ
ィルタ10とが光路中に配置される。又、CD再生時に
は対物レンズ17が光路中に配置される。係る対物レン
ズ16及び超解像遮断フィルタ10と対物レンズ17と
は互いに切り替える手段と共に記録媒体の記録面に対し
て位置制御が可能なアクチュエータ駆動系に一体構成さ
れていて、図示していない駆動機構によりDVD用とC
D用とで切り換えられるようになっている。
【0047】ディスク18で反射した前記レーザ光は、
前記入射時とは逆の光路を通り、前記ハーフミラー11
を通過して、入射光を電気信号に変換するフォトディテ
クタ90で受光されるようになっている。
【0048】前記図1における記録媒体の情報再生及び
記録装置の動作は以下のようである。即ち、DVDの記
録及び再生に用いる場合、CD用レーザダイオード(波
長780nm)12から出射されたレーザ光は、ハーフ
ミラー11で反射されてコリメーティングレンズ13に
入射する。コリメーティングレンズ13で拡散角を変換
されて平行光となったレーザ光は、反射ミラー15によ
り光路変更され、超解像遮断フィルタ10を介して対物
レンズ16により前記図4で述べたビームスポット径に
されて、DVDディスク18aの記録面に入射される。
【0049】ここで、対物レンズ16及び超解像遮断フ
ィルタ10と対物レンズ17とは、互いに切り替える手
段と共に記録媒体の記録面に対して位置制御が可能なア
クチュエータ駆動系に一体構成されていて、図示してい
ない駆動機構によりDVD用の対物レンズ16及び超解
像遮断フィルタ10が予め選択されて動作するものとす
る。
【0050】DVD18の記録面で反射されたレーザ光
は、入射時とは逆の光路を通り、対物レンズ16及び超
解像遮断フィルタ10を介して反射ミラー15に入射す
る。反射ミラー15によって光路変更されたレーザ光
は、コリメーティングレンズ13によって集光されてハ
ーフミラー11を通過し、フォトディテクタ90に入射
して電気信号に変換される。
【0051】DVDに信号を記録する場合にはレーザ光
の強度を所定の強度まで増加し、記録されている情報を
再生する場合にもレーザ光の強度を所定の強度まで減少
する。係る調整は図示していない制御回路とレーザ駆動
回路により行う。
【0052】CDの再生に用いる場合には、対物レンズ
16及び超解像遮断フィルタ10と対物レンズ17と
は、互いに切り替える手段と共に記録媒体の記録面に対
して位置制御が可能なアクチュエータ駆動系に一体構成
されていて、図示していない駆動機構によりCD用の対
物レンズ17が予め選択されて動作するものとする。更
にCDに記録されている情報を再生する場合にもレーザ
光の強度を所定の強度に調整する。係る調整は図示して
いない制御回路とレーザ駆動回路により行う。
【0053】図2は、前記した超解像遮断フィルタ10
を用いた本発明における他の実施例のブロック図であ
る。図2において、CD用の半導体レーザと該半導体レ
ーザに対応したフォトディテクタとを1つの筐体にパッ
ケージングされたCD用集積レーザユニット201と、
該レーザ光を平行光束とするコリメーティングレンズ1
3と、前記コリメーティングレンズ13を通過したレー
ザ光を対物レンズ16又は17に導く反射ミラー15を
有し、前記対物レンズからディスク18に入射されるよ
うになっている。
【0054】対物レンズ16は、DVD用の高い開口数
(高NA)のレンズであり、又、17はCD用の低い開
口数(低NA)の対物レンズである。対物レンズ16の
直前には超解像遮断フィルタ10が配置されている。D
VD再生時には、対物レンズ16と超解像遮断フィルタ
10とが光路中に配置される。又CD再生時には対物レ
ンズ17が光路中に配置される。
【0055】係る対物レンズ16及び超解像遮断フィル
タ10と対物レンズ17とは、互いのレンズを切り替え
る手段と共に記録媒体の記録面に対して位置制御が可能
なアクチュエータ駆動系に一体構成されていて、図示し
ていない駆動機構によりDVD用とCD用とで切換えら
れるようになっている。CD用集積レーザユニット20
1は、CDに対応した波長780nmのレーザ光源とC
D用フォトディテクタとが、一体になって集積化されて
いる。
【0056】前記図2における記録媒体の情報再生及び
記録装置の動作は、以下の部分を除いて図1と同様であ
り、異なる部分のみを以下に説明し共通の部分について
は説明を省略する。即ち、CD用集積レーザユニット2
01から出たレーザ光は、コリメーティングレンズ13
によって平行光束とされる。
【0057】前記コリメーティングレンズ13を通過し
たレーザ光は、図1と同様にして反射ミラー15により
光路変更される。係るレーザ光は、超解像遮断フィルタ
10を介して対物レンズ16により前記図4で述べたビ
ームスポット径にされて、DVDディスク18aの記録
面に入射される。DVDディスク18aの記録面で反射
されたレーザ光は、入射時とは逆の光路を通り、対物レ
ンズ16及び超解像遮断フィルタ10を介して反射ミラ
ー15に入射する。反射ミラー15によって光路変更さ
れたレーザ光は、コリメーティングレンズ13によって
集光されてフォトディテクタ90に入射して電気信号に
変換される。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の記録媒体の情報再生及び
記録装置によれば、1個の半導体レーザと、各々異なる
記録密度を有する2種類の記録媒体からの反射光を検出
する1個の光検出器と、前記半導体レーザから出射する
光ビームの拡散角を変換するコリメーティングレンズ
と、前記光ビームを記録媒体に集光し、前記記録媒体の
記録及び再生にそれぞれ適した開口数を有する2個の対
物レンズと、前記記録媒体の高密度の記録媒体に対応し
た対物レンズの直前に、透光性を有する基板面の中央部
に円環状の反射手段が形成された超解像遮断フィルタと
を少なくとも設けることによりサイドローブの影響を低
減し、各々異なる記録密度を有する2種類の記録媒体の
情報を再生及び記録することにより、低記録密度用の安
価なレーザダイオードのみで、記録密度の異なるDVD,C
D,CD一R/RW等の記録媒体の互換使用ができた。
【0059】請求項2及び請求項3に記載の記録媒体の
情報再生及び記録装置によれば、透光性を有する基板の
一方の面の全面、及び他方の面の中央部の円環状をした
箇所を除いた箇所に反射防止膜が各々、形成され、前記
他方の面の前記反射防止膜の設けられていない箇所に金
属反射膜又は誘電体多層膜による反射膜が形成されてい
ることにより、記録、再生時におけるサイドローブの影
響を低減すると共に、反射防止膜と波長選択膜との位相
補償の必要がなく、シンプルな構成によって記録媒体の
情報再生及び記録装置のコストメリットを高めることが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック図である。
【図2】本発明における他の実施例のブロック図であ
る。
【図3】本発明における超解像遮断フィルタの構造を説
明する図である。
【図4】超解像遮断フィルタ10の効果を示す特性図で
あって、図4(a)は従来の、図4(b)は本発明の、
各々、超解像遮断フィルタにおけるメインローブとn次
のサイドローブ(S1、S2、S3)との関係を示す図
である。又、図4(c)は、図4(a)、図4(b)の
測定系を説明する図、図4(d)は、従来の超解像遮断
フィルタと本発明の超解像遮断フィルタの寸法を示す図
である。
【図5】レーザ光を集光した時における集光スポットの
メインローブMとサイドローブSの分布を説明する図で
あって、図5(a)と図5(c)は光学系の説明図、図
5(b)と図5(d)は集光スポットの分布図である。
【図6】超解像遮断フィルタの円環状箇所の外径を定め
るための実測データを示す図である。
【図7】従来の開口制限フィルタを説明する図である。
【図8】従来の開口制限フィルタに用いている波長選択
膜における、波長と透過率との関係を示した図である。
【図9】従来の波長選択プリズムを説明する図であって
図9(a)と図9(b)は入射光の光路説明図、図9
(c)は光路調整膜の特性である。
【図10】従来例1のブロック図である。
【図11】従来例2のブロック図である。
【図12】従来例3のブロック図である。
【図13】従来例4のブロック図である。
【符号の説明】
10 超解像遮断フィルタ 11 ハーフミラー 12 CD用レーザダイオード 13 コリメーティングレンズ 15 反射ミラー 16、17 対物レンズ 18 ディスク 18a DVDディスク 18b CDディスク 90 フォトディテクタ 91 DVD用レーザダイオード 201 CD用集積レーザユニット 202 DVD用集積レーザユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 公三 静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ ア株式会社浜松製作所内 Fターム(参考) 5D119 AA05 AA11 AA24 AA42 BA01 BB01 BB02 BB04 CA16 EB02 EB11 EC37 FA05 JA49 JA63 JA65 JB02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1個の半導体レーザと、各々異なる記録密
    度を有する2種類の記録媒体からの反射光を検出する1
    個の光検出器と、前記半導体レーザから出射する光ビー
    ムの拡散角を変換するコリメーティングレンズと、前記
    光ビームを記録媒体に集光し、前記記録媒体の記録及び
    再生にそれぞれ適した開口数を有する2個の対物レンズ
    と、前記記録媒体の高密度の記録媒体に対応した対物レ
    ンズの直前に、透光性を有する基板面の中央部に円環状
    の反射手段が形成された超解像遮断フィルタとを少なく
    とも具備し、各々異なる記録密度を有する2種類の記録
    媒体の情報を再生及び記録することを特徴とする記録媒
    体の情報再生及び記録装置。
  2. 【請求項2】前記超解像遮断フィルタは、透光性を有す
    る基板の一方の面の全面、及び他方の面の中央部の円環
    状をした箇所を除いた箇所に反射防止膜が各々、形成さ
    れ、前記他方の面の前記反射防止膜の設けられていない
    箇所に金属反射膜が形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の記録媒体の情報再生及び記録装置。
  3. 【請求項3】前記超解像遮断フィルタは、透光性を有す
    る基板の一方の面の全面、及び他方の面の中央部の円環
    状をした箇所を除いた箇所に反射防止膜が各々、形成さ
    れ、前記他方の面の前記反射防止膜の設けられていない
    箇所に誘電体多層膜からなる反射膜が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の記録媒体の情報再生及
    び記録装置。
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