JP2003057833A - 多重露光描画装置および多重露光描画装置の露光領域変形防止機構 - Google Patents

多重露光描画装置および多重露光描画装置の露光領域変形防止機構

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JP2003057833A
JP2003057833A JP2001243398A JP2001243398A JP2003057833A JP 2003057833 A JP2003057833 A JP 2003057833A JP 2001243398 A JP2001243398 A JP 2001243398A JP 2001243398 A JP2001243398 A JP 2001243398A JP 2003057833 A JP2003057833 A JP 2003057833A
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Hiroyuki Washiyama
裕之 鷲山
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70425Imaging strategies, e.g. for increasing throughput or resolution, printing product fields larger than the image field or compensating lithography- or non-lithography errors, e.g. proximity correction, mix-and-match, stitching or double patterning

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マトリクス状に配置された多数の変調素子を
持つ露光ユニットを用いて回路パターンを描画する際
に、各変調素子に対応する露光領域の変形を防止して回
路パターンを高精度に描画する。 【解決手段】 マトリクス状に配列された多数のマイク
ロミラーM(m,n)を持つ露光ユニット2001を用い
て、多重露光により描画面上に所定パターンを描画す
る。描画面と光源との間にマイクロミラーM(m,n)
の露光作動に同期して回転するシャッタ部材23を設け
る。マイクロミラーM(m,n)の静止時にはシャッタ
部材23の光透過領域23Aが光路を横切って光源から
の照明光を描画面へ導く。マイクロミラーM(m,n)
の相対移動時にはシャッタ部材23の遮光領域23Bが
光路を横切って光源からの照明光を遮断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマトリクス状に配置
された多数の変調素子を持つ露光ユニットを用いて描画
面上に所定のパターンを描画する描画装置に関し、特に
個々の変調素子のパターン切り替え時に発生する露光領
域の変形を防止する露光領域変形防止機構に関する。
【0002】
【従来の技術】上述したような描画装置は一般的には適
当な被描画体の表面に微細なパターンや文字等の記号を
光学的に描画するために使用される。代表的な使用例と
しては、フォトリゾグラフィ(photolithography)の手
法によりプリント回路基板を製造する際の回路パターン
の描画が挙げられ、この場合には被描画体はフォトマス
ク用感光フィルム或いは基板上のフォトレジスト層であ
る。
【0003】近年、回路パターンの設計プロセスから描
画プロセスに至るまでの一連のプロセスは統合されてシ
ステム化され、描画装置はそのような統合システムの一
翼を担っている。統合システムには、描画装置の他に、
回路パターンを設計するためのCAD(Computer Aided
Design)ステーション、このCADステーションで得
られた回路パターンのベクタデータを編集するCAM
(Computer Aided Manufacturing)ステーション等が設
けられる。CADステーションで作成されたベクタデー
タ或いはCAMステーションで編集されたベクタデータ
は描画装置に転送され、そこでラスタデータに変換され
た後にビットマップメモリに格納される。
【0004】露光ユニットの一タイプとして、例えばD
MD(Digital Micromirror Device)或いはLCD(Li
quid Crystal Display)アレイ等から構成されるものが
知られている。周知のように、DMDの反射面には、マ
イクロミラーがマトリクス状に配置され、個々のマイク
ロミラーの反射方向が独立して制御されるようになって
おり、このためDMDの反射面の全体に導入された光束
は個々のマイクロミラーによる反射光束として分割され
るようになっており、このため各マイクロミラーは変調
素子として機能する。また、LCDアレイにおいては、
一対の透明基板間に液晶が封入され、その双方の透明基
板には互いに整合させられた多数対の微細な透明電極が
マトリクス状に配置され、個々の一対の透明電極に電圧
を印加するか否かにより光束の透過および非透過が制御
されるようになっており、このため各一対の透明電極が
変調素子として機能する。
【0005】描画装置には被描画体の感光特性に応じた
適当な光源装置、例えば超高圧水銀灯、キセノンラン
プ、フラッシュランプ、LED(Light Emitting Diod
e)、レーザ等が設けられ、また露光ユニットには結像
光学系が組み込まれる。光源装置から射出した光束は照
明光学系を通して露光ユニットに導入させられ、露光ユ
ニットの個々の変調素子はそこに入射した光束を回路パ
ターンのラスタデータに従って変調し、これにより回路
パターンが被描画体上に露光されて光学的に描画され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上で述べたような従
来の描画装置にあっては、個々のマイクロミラーは略正
方形を呈し、その対角線を回転軸として異なる2つの反
射位置の間で相対回転するように構成されている。一
方、光源はその光出力を一定に保つために常時点灯させ
られており、マイクロミラーは2つの反射位置で位置決
めされている間であっても相対回転時であっても常に照
明光に照らされている。このため、描画面上には本来マ
イクロミラーに対応した正方形の領域が露光されるべき
であるのに、マイクロミラーの回転時にも照明光が供給
されるために、その露光領域は菱形に変形して回路パタ
ーンを高精度に描画できないという問題点が生じる。
【0007】従って、本発明の目的は、マトリクス状に
配置された多数の変調素子を持つ露光ユニットを複数個
用いて描画面上に所定のパターンを描画する描画装置に
おいて、各変調素子に対応する露光領域の変形を防止し
て回路パターンを高精度に描画することができる多重露
光描画装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多重露光描
画装置は、マトリクス状に配置された多数の変調素子を
有する露光ユニットを用いて所定のパターンを描画面上
に多重露光により描画する多重露光描画装置であって、
変調素子に対して常時照明光を供給する光源と、個々の
変調素子を、照明光を描画面へ導く第1状態と照明光の
描画面への到達を阻止する第2状態とのいずれか一方に
設定する変調素子制御手段と、光源と描画面との間の光
路上に設けられたシャッタ部材を有し、このシャッタ部
材が、全ての変調素子が第1状態または第2状態で安定
している安定期間においては変調された照明光を描画面
に導くと共に変調素子が第1状態と第2状態との間を遷
移する遷移期間においては照明光を遮断することによ
り、変調素子のそれぞれに対応した描画面における個々
の露光領域の変形を防止する露光領域変形防止機構とを
備えることを特徴としている。
【0009】上記多重露光描画装置において、変調素子
に常時照明光を供給する光源としては、例えば超高圧水
銀ランプ、キセノンランプまたはフラッシュランプが含
まれる。
【0010】上記多重露光描画装置のシャッタ部材は、
照明光の光路を横切るように回転自在な円板部材であっ
てよく、好ましくはこの円板部材には安定期間において
光路を横断する光透過領域と遷移期間において光路を横
断する遮光領域とが設けられる。
【0011】さらに、この円板部材は光透過性の良好な
部材から形成され、その一部が遮光フィルタにより覆わ
れてもよく、このとき遮光フィルタを除く領域が光透過
領域に定められると共に、遮光フィルタに覆われる領域
が遮光領域に定められる。またさらに、円板部材が遮光
性の良好な部材から形成され、その一部に開口が形成さ
れてもよく、この場合開口が光透過領域に定められると
共に、開口を除く領域が遮光領域に定められる。さらに
好ましくは、シャッタ部材の遮光領域が光路を横断する
通過期間が遷移期間より長く、かつ遮光領域の光路横断
開始が遷移期間の開始より早く設定されると共に、シャ
ッタ部材の光透過領域が光路を横断する通過期間が安定
期間より短く、かつ光透過領域の光路横断開始が安定期
間の開始より遅く設定される。
【0012】また、本発明に係る多重露光描画装置は、
マトリクス状に配置された多数の変調素子を有する露光
ユニットを用いて所定のパターンを描画面上に多重露光
により描画する多重露光描画装置であって、個々の変調
素子を、照明光を描画面へ導く第1状態と照明光の描画
面への到達を阻止する第2状態とのいずれか一方に設定
する変調素子制御手段と、全ての変調素子が第1状態ま
たは第2状態で安定している安定期間においては点灯さ
れて変調素子に照明光を供給すると共に、変調素子が第
1状態と第2状態との間を遷移する遷移期間においては
消灯されることにより、変調素子のそれぞれに対応した
描画面における個々の露光領域の変形を防止する光源と
を備えることを特徴としている。
【0013】上記多重露光描画装置において、変調素子
に照明光を供給するまたは供給を停止する光源には、例
えば複数のLED(Light Emitting Diode)素子が含ま
れる。
【0014】上記多重露光描画装置において、光源の消
灯期間が遷移期間より長くかつ消灯開始が遷移期間の開
始より早く設定されると共に、光源の点灯期間は安定期
間より短く、かつ点灯開始が安定期間の開始より遅く設
定されてもよい。
【0015】また本発明に係る露光領域変形防止機構
は、マトリクス状に配置された個々の変調素子を、照明
光を描画面へ導く第1状態と照明光の描画面への到達を
阻止する第2状態とのいずれか一方に設定可能な露光ユ
ニットを用いて所定のパターンを描画面上に多重露光に
より描画する多重露光描画装置に適用されるものであっ
て、変調素子に対して常時照明光を供給する光源と描画
面との間の光路上に設けられるシャッタ部材を備え、こ
のシャッタ部材が、全ての変調素子が第1状態または第
2状態で安定している安定期間においては変調された照
明光を描画面に導くと共に変調素子が第1状態と第2状
態との間を遷移する遷移期間においては照明光を遮断す
ることにより、変調素子のそれぞれに対応した描画面に
おける個々の露光領域の変形を防止することを特徴とす
る。
【0016】また本発明に係る露光領域変形防止機構
は、マトリクス状に配置された個々の変調素子を、照明
光を描画面へ導く第1状態と照明光の描画面への到達を
阻止する第2状態とのいずれか一方に設定可能な露光ユ
ニットを用いて所定のパターンを描画面上に多重露光に
より描画する多重露光描画装置に適用されるものであっ
て、全ての変調素子が第1状態または第2状態で安定し
ている安定期間においては光源を点灯して変調素子に照
明光を供給すると共に、変調素子が第1状態と第2状態
との間を遷移する遷移期間においては光源を消灯するこ
とにより、変調素子のそれぞれに対応した描画面におけ
る個々の露光領域の変形を防止することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して、本発
明による多重露光描画装置の一実施形態について説明す
る。
【0018】図1には、本発明による多重露光描画装置
の実施形態が斜視図として概略的に示される。この多重
露光描画装置はプリント回路基板を製造するための基板
上に形成されたフォトレジスト層に回路パターンを直接
描画するように構成されている。
【0019】図1に示すように、多重露光描画装置10
は床面上に据え付けられる基台12を備える。基台12
上には一対のガイドレール14が平行に敷設され、さら
にそれらガイドレール14上には描画テーブル16が搭
載される。この描画テーブル16は図示されない適当な
駆動機構、例えばボール螺子等をステッピングモータ等
のモータにより駆動させられ、これにより一対のガイド
レール14に沿ってそれらの長手方向であるX方向に相
対移動する。描画テーブル16上には被描画体30とし
てフォトレジスト層を持つ基板が設置され、このとき被
描画体30は図示されない適当なクランプ手段によって
描画テーブル16上に適宜固定される。
【0020】基台12上には一対のガイドレール14を
跨ぐようにゲート状構造体18が固設され、このゲート
状構造体18の上面には複数の露光ユニットが描画テー
ブル16の移動方向(X方向)に対して直角なY方向に
2列に配列される。第1列目に配された8個の露光ユニ
ットを図の左側から順に符号2001、2003、2005
2007、2009、2011、2013および2015で示し、
その後方に配された第2列目の7個の露光ユニットを図
の左側から符号2002、2004、2006、20 08、20
10、2012および2014で示している。
【0021】第1列目の露光ユニット2001、2003
2005、2007、2009、2011、2013および2015
と、第2列目の露光ユニット2002、2004、2006
20 08、2010、2012および2014とは所謂千鳥状に
配置される。即ち、隣り合う2つの露光ユニット間の距
離は、全て1つの露光ユニットの幅に略等しく設定さ
れ、第2列目の露光ユニット2002、2004、2006
2008、2010、2012および2014の配列ピッチは第
1列目の露光ユニット2001、2003、2005、2
07、2009、2011、2013および2015の配列ピッ
チに対して半ピッチだけずらされている。
【0022】本実施形態では、15個の露光ユニット2
01〜2015はそれぞれDMDユニットとして構成され
ており、各露光ユニットの反射面は例えば1024×1
280のマトリクス状に配列された1310720個の
変調素子(以下、マイクロミラーと記載する)から形成
される。各露光ユニット2001〜2015は、X軸に沿っ
て1024個、Y軸に沿って1280個のマイクロミラ
ーが配列されるように設置される。
【0023】ゲート状構造体18の上面の適当な箇所、
例えば第1露光ユニット2001の図中左方には光源装置
22が設けられる。この光源装置22には図示しない超
高圧水銀ランプが用いられており、この超高圧水銀ラン
プから発した光は集光されて平行光束として光源装置2
2の射出口から射出される。光源装置22は、その光出
力を所定レベルに安定させるために、多重露光描画装置
10の電源(図示せず)が投入されてから切断されるま
で、常時所定レベルの照明光を出射する。光源装置22
には超高圧水銀ランプの他、キセノンランプ、フラッシ
ュランプおよびレーザ等を用いてもよい。
【0024】光源装置22の射出口には15本の光ファ
イバケーブル束が接続され、個々の光ファイバケーブル
24は15個の露光ユニット2001〜2015のそれぞれ
に対して延設され、これにより光源装置22から各露光
ユニット2001〜2015へ照明光が導入される。各露光
ユニット2001〜2015は、光源装置22からの照明光
を描くべき回路パターンに応じて変調し、図の下方即ち
ゲート状構造体18の内側を進む描画テーブル16上の
被描画体30に向かって出射する。これにより、被描画
体30の上面に形成されたフォトレジスト層において照
明光が照射された部分だけが感光する。
【0025】図2には、第1露光ユニット2001の主要
構成が概念的に図示されている。他の14個の露光ユニ
ット2002〜2015は第1露光ユニット201と同じ構
成および機能を有しており、ここでは説明を省略する。
第1露光ユニット201には、照明光学系26および結
像光学系28が組み込まれ、両者の間の光路上にはDM
D素子27が設けられる。このDMD素子27は、例え
ばウェハ上にアルミスパッタリングで作りこまれた、反
射率の高い正方形マイクロミラーを静電界作用により動
作させるデバイスであり、このマイクロミラーはシリコ
ンメモリチップの上に1024×1280のマトリクス
状に1310720個敷き詰められている。それぞれの
マイクロミラーは、対角線を中心に回転傾斜することが
でき、後で詳述する安定した2つの姿勢、即ち露光位置
(第1状態)および非露光位置(第2状態)に位置決め
できる。
【0026】照明光学系26は凸レンズ26Aおよびコ
リメートレンズ26Bを含み、凸レンズ26Aは光源装
置22から延設された光ファイバケーブル24と光学的
に結合される。このような照明光学系26により、光フ
ァイバケーブル30から射出した光束は第1露光ユニッ
ト2001のDMD素子27の反射面全体を照明するよう
な平行光束LBに成形される。
【0027】光ファイバケーブル24と第1露光ユニッ
ト201との間には、一定速度で回転する円板状のシャ
ッタ部材23が設けられており、第1露光ユニット20
1の作動させるべきマイクロミラーが露光位置または非
露光位置で静止している安定期間には、図に示すように
シャッタ部材23の光透過領域23Aが光路を横断し、
照明光が第1露光ユニット201に導入される。一方、
第1露光ユニット201の作動させるべきマイクロミラ
ーが露光位置と非露光位置との間で相対移動する遷移期
間にはシャッタ部材23の遮光領域23Bが光路を横断
し、照明光は第1露光ユニット201へ導入されない。
シャッタ部材23についは後で詳述する。
【0028】結像光学系28には2つの凸レンズ28A
および28Cと、2つの凸レンズ28Aおよび28C間
に配されるリフレクタ28Bとが含まれ、この結像光学
系28の倍率は例えば等倍(倍率1)に設定される。
【0029】第1露光ユニット2001に含まれる個々の
マイクロミラーはそれぞれに入射した光束を結像光学系
28に向けて反射させる露光位置と該光束を結像光学系
28から逸らすように反射させる非露光位置との間で回
動変位するように動作させられる。任意のマイクロミラ
ーM(m,n)(1≦m≦1024,1≦n≦128
0)が露光位置に位置決めされると、そこに入射したス
ポット光は一点鎖線LB 1で示されるように結像光学系
28に向かって反射され、同マイクロミラーM(m,
n)が非露光位置に位置決めされると、スポット光は一
点鎖線LB2で示されるように光吸収板29に向かって
反射されて結像光学系28から逸らされる。
【0030】マイクロミラーM(m,n)から反射され
たスポット光LB1は、結像光学系28によって描画テ
ーブル16上に設置された被描画体30の描画面32上
に導かれる。例えば、第1露光ユニット2001に含まれ
る個々のマイクロミラーM(m,n)のサイズがC×C
であるとすると、結像光学系28の倍率は等倍であるか
ら、マイクロミラーM(m,n)の反射面は描画面32
上のC×Cの露光領域U(m,n)として結像される。
Cは例えば20μmである。
【0031】なお、1つのマイクロミラーM(m,n)
によって得られるC×Cの露光領域は以下の記載では単
位露光領域U(m,n)として言及され、全てのマイク
ロミラーM(1,1)〜M(1024,1280)によ
って得られる(C×1024)×(C×1280)の露
光領域は、全面露光領域Ua01として言及される。
【0032】図2の左上隅のマイクロミラーM(1,
1)に対応する単位露光領域U(1,1)は全面露光領
域Ua01の左下隅に位置し、左下隅のマイクロミラーM
(1024,1)に対応する単位露光領域U(102
4,1)は全面露光領域Ua01の左上隅に位置する。ま
た、右上隅のマイクロミラーM(1,1280)に対応
する単位露光領域U(1,1280)は全面露光領域U
01の右下隅に位置し、右下隅のマイクロミラーM(1
024,1280)に対応する単位露光領域U(102
4,1280)は全面露光領域Ua01の右上隅に位置す
る。
【0033】第1露光ユニット2001では、個々のマイ
クロミラーM(m,n)は通常は非露光位置に位置決め
されているが、露光時には非露光位置から露光位置に回
動変位させられる。マイクロミラーM(m,n)の非露
光位置から露光位置への回動変位の制御については、後
述するように回路パターンのラスタデータに基づいて行
われる。なお、結像光学系28から逸らされたスポット
光LB2は描画面32に到達しないように光吸収板29
によって吸収される。
【0034】第1露光ユニット2001に含まれる131
0720個の全てのマイクロミラーが露光位置に置かれ
たときは、全マイクロミラーから反射された全スポット
光が結像光学系28に入射させられ、描画面32上には
第1露光ユニット2001による全面露光領域Ua01が形
成される。全面露光領域Ua01のサイズについては、単
位露光領域U(m,n)の一辺長さCが20μmであれ
ば、25.6mm(=1024×20μm)×20.4
8mm(=1280×20μm)となり、そこに含まれ
る総画素数は勿論1024×1280個となる。
【0035】図3(a)〜(c)を参照して、多重露光
描画装置における描画処理について説明する。図3
(a)〜(c)は描画処理の経時変化を段階的に示す図
であり、被描画体30の描画面32の平面図である。以
下の説明の便宜上、描画面32を含む平面上にはX−Y
直交座標系が定義される。破線で囲まれた長方形の領域
は、15個の露光ユニット2001〜2015のそれぞれに
よってX−Y平面上で得られる全面露光領域Ua01〜U
15である。第1列の全面露光領域Ua01、Ua03、U
05、Ua07、Ua09、Ua11、Ua13およびUa15
その図中下辺がY軸に一致するように配置させられ、第
2列の全面露光領域Ua02、Ua04、Ua06、Ua08
Ua10、Ua12およびUa14はその図中下辺がY軸から
負側に距離Sだけ離れた直線に一致するように配され
る。
【0036】X−Y直交座標系のX軸は露光ユニット2
01〜2015の配列方向に対して直角とされ、このため
各露光ユニット2001〜2015内のそれぞれ13107
20(1024×1280)個のマイクロミラーもX−
Y直交座標系のX軸およびY軸に沿ってマトリクス状に
配列される。
【0037】図3では、X−Y直交座標系の座標原点は
第1列目の第1露光ユニット2001によって得られる全
面露光領域Ua01の図中左下角に一致しているように図
示されているが、正確には、座標原点は第1露光ユニッ
ト2001のY軸に沿う第1ラインのマイクロミラーのう
ちの先頭のマイクロミラーM(1,1)によって得られ
る単位露光領域U(1,1)の中心に位置する。上述し
たように、本実施形態では単位露光領域U(1,1)の
サイズは20μm×20μmであるので、Y軸は第1露
光ユニット20による全面露光領域Ua01の境界から1
0μmだけ内側に進入したものとなっている。換言すれ
ば、第1列目の8つの露光ユニット20 01、2003、2
05、2007、2009、2011、2013および2015
それぞれの第1ラインに含まれる1280個のマイクロ
ミラーM(1,n)(1≦n≦1280)の全ての中心
がY軸上に位置する。
【0038】描画面32は描画テーブル16により白抜
き矢印で示すようにX軸に沿ってその負の方向に向かっ
て移動させられるので、全面露光領域Ua01〜Ua15
描画面32に対してX軸の正の方向に相対移動すること
になる。
【0039】描画面32に設定された描画開始位置SL
がY軸、即ち第1列目の8個の露光ユニット2001、2
03、2005、2007、2009、2011、2013および
20 15に対応する第1列目の全面露光領域Ua01、Ua
03、Ua05、Ua07、Ua09、Ua11、Ua13およびU
15の境界に一致すると、まず第1列目の露光ユニット
2001、2003、2005、2007、2009、2011、2
13および2015により描画面32の露光が開始され
る。図3(a)に示すように、第1列目の全面露光領域
Ua01、Ua03、Ua05、Ua07、Ua09、Ua11、U
13およびUa15のY軸に達していない部分に対応する
マイクロミラーについては非露光位置に位置決めされた
まま露光は行われず、また第2列目の全面露光領域Ua
02、Ua04、Ua06、Ua08、Ua10、Ua12およびU
14もY軸に達していないため、露光ユニット2002
2004、2006、2008、2010、2012および2014
による露光も停止させられている。図3では、第1列目
の8個の露光ユニット2001、2003、2005、2
07、2009、2011、2013および2015によって露
光された領域を右上がりのハッチングで示している。
【0040】さらに描画面32が移動し、全面露光領域
Ua02、Ua04、Ua06、Ua08、Ua10、Ua12およ
びUa14の境界がY軸に一致すると、第2列目の7個の
露光ユニット2002、2004、2006、2008、2
10、2012および2014による露光が開始される。図
3(b)に示すように、第2列目の露光ユニット2002
2004、2006、2008、2010、2012および2014
による露光は、第1列目の露光ユニット2001、2
03、2005、2007、2009、2011、2013および
2015による露光よりも常に距離Sだけ遅れて進行す
る。図3では、第2列目の露光ユニット2002、2
04、2006、2008、2010、2012および2014
よって露光された領域を右下がりのハッチングで示して
いる。
【0041】さらに描画面32が相対移動して、図3
(c)に示すように第1列目の全面露光領域Ua01、U
03、Ua05、Ua07、Ua09、Ua11、Ua13および
Ua15の境界が描画終了位置ELに達すると、第1列目
の露光ユニット2001、2003、2005、2007、20
09、2011、2013および2015による露光が停止させ
られる。厳密にいえば、描画終了位置ELに達した単位
露光領域U(m,n)に対応するマイクロミラーM
(m,n)から順に非露光位置に静止させられる。図3
(c)の状態からさらに描画面32が距離Sだけ進む
と、第2列目の全面露光領域Ua02、Ua04、Ua06
Ua08、Ua10、Ua12およびUa14の境界が描画終了
位置ELに達し、第2列目の露光ユニット2002、20
04、2006、20 08、2010、2012および2014によ
る露光が停止させられる。
【0042】以上のように、15個の露光ユニット20
01〜2015は、X軸に平行な帯状領域をそれぞれ露光
し、この帯状領域の幅はそれぞれ全面露光領域Ua01
Ua15の幅に実質的に一致する。隣り合う2つの帯状領
域の境界部分は微少量だけ重ね合わされている。なお、
同一ライン上に描かれるべき回路パターンを一致させる
ために、第1列目の露光ユニット2001、2003、20
05、2007、2009、2011、2013および2015に所
定ラインの回路パターンに応じた露光データが与えられ
ると、第2列目の露光ユニット2002、2004、2
06、2008、2010、2012および2014には描画面
32が距離Sを移動する時間だけ遅れたタイミングで同
一ラインの露光データが与えられる。
【0043】露光方式としては、描画テーブル16を走
査方向に沿って間欠的に移動させる動作と、描画テーブ
ル16の停止時に回路パターンを部分的に順次露光によ
り描画する動作とを交互に繰り返すことにより、各描画
領域を継ぎ足して全体の回路パターンを得るステップ・
アンド・リピート(Step & Repeat)方式を採用しても
よいし、描画テーブル16を一定速度で移動させつつ同
時に露光を行う方式であってもよい。
【0044】本実施形態の多重露光描画装置10におい
ては、露光1回当たりの描画テーブル16の移動量が全
面露光領域Uaの一辺長さより短く、これにより描画面
32は多数回に渡って露光される、即ち多重露光される
ことになる。
【0045】なお、露光時間、即ち個々のマイクロミラ
ーM(m,n)が露光位置に留められる時間について
は、描画面32における一画素領域内での露光回数、描
画面32(本実施形態では、フォトレジスト層)の感
度、光源装置22の光強度等に基づいて決められ、これ
により描画面32上の各一画素露光領域について所望の
露光量が得られるように設定される。
【0046】図4は多重露光描画装置10の制御ブロッ
ク図である。同図に示すように、多重露光描画装置10
にはマイクロコンピュータから構成されるシステムコン
トロール回路34が設けられる。即ち、システムコント
ロール回路34は中央演算処理ユニット(CPU)、種
々のルーチンを実行するためのプログラムや定数等を格
納する読出し専用メモリ(ROM)、演算データ等を一
時的に格納する書込み/読出し自在なメモリ(RA
M)、および入出力インターフェース(I/O)から成
り、多重露光描画装置10の作動全般を制御する。
【0047】描画テーブル16は、駆動モータ36によ
ってX軸方向に沿って駆動させられる。この駆動モータ
36は例えばステッピングモータとして構成され、その
駆動制御は駆動回路38から出力される駆動パルスに従
って行われる。描画テーブル16と駆動モータ36との
間には先に述べたようにボール螺子等を含む駆動機構が
介在させられるが、そのような駆動機構については図4
では破線矢印で象徴的に示されている。
【0048】駆動回路38は描画テーブル制御回路40
の制御下で動作させられ、この描画テーブル制御回路4
0は描画テーブル16に設けられた描画テーブル位置検
出センサ42に接続される。描画テーブル位置検出セン
サ42は描画テーブル16の移動経路に沿って設置され
たリニアスケール44からの光信号を検出して描画テー
ブル16のX軸方向に沿うその位置を検出するものであ
る。なお、図4では、リニアスケール44からの光信号
の検出が破線矢印で象徴的に示されている。
【0049】描画テーブル16の移動中、描画テーブル
位置検出センサ42はリニアスケール44から一連の光
信号を順次検出して一連の検出信号(パルス)として描
画テーブル制御回路40に対して出力する。描画テーブ
ル制御回路40では、そこに入力された一連の検出信号
が適宜処理され、その検出信号に基づいて一連の制御ク
ロックパルスが作成される。描画テーブル制御回路40
からは一連の制御クロックパルスが駆動回路38に対し
て出力され、駆動回路38ではその一連の制御クロック
パルスに従って駆動モータ36に対する駆動パルスが作
成される。要するに、リニアスケール44の精度に応じ
た正確さで描画テーブル16をX軸方向に沿って移動さ
せることができる。なお、このような描画テーブル16
の移動制御自体は周知のものである。
【0050】図4に示すように、描画テーブル制御回路
40はシステムコントロール回路34に接続され、これ
により描画テーブル制御回路40はシステムコントロー
ル回路34の制御下で行われる。一方、描画テーブル位
置検出センサ42から出力される一連の検出信号(パル
ス)は描画テーブル制御回路40を介してシステムコン
トロール回路34にも入力され、これによりシステムコ
ントロール回路34では描画テーブル16のX軸に沿う
移動位置を常に監視することができる。
【0051】システムコントロール回路34はLAN
(Local Area Network)を介してCADステーション或
いはCAMステーションに接続され、CADステーショ
ン或いはCAMステーションからはそこで作成処理され
た回路パターンのベクタデータがシステムコントロール
回路34に転送される。システムコントロール回路34
にはデータ格納手段としてハードディスク装置46が接
続され、CADステーション或いはCAMステーション
から回路パターンのベクタデータがシステムコントロー
ル回路34に転送されると、システムコントロール回路
34は回路パターンのベクタデータを一旦ハードディス
ク装置46に書き込んで格納する。また、システムコン
トロール回路34には外部入力装置としてキーボード4
8が接続され、このキーボード48を介して種々の指令
信号や種々のデータ等がシステムコントロール回路34
に入力される。
【0052】ラスタ変換回路50はシステムコントロー
ル回路34の制御下で動作させられる。描画作動に先立
って、ハードディスク装置46から回路パターンのベク
タデータが読み出されてラスタ変換回路50に出力さ
れ、このベクタデータはラスタ変換回路50によってラ
スタデータに変換され、このラスタデータはビットマッ
プメモリ52に書き込まれる。要するに、ビットマップ
メモリ52には回路パターンデータとして0または1で
表されるビットデータとして格納される。ラスタ変換回
路50でのデータ変換処理およびビットマップメモリ5
2へのデータ書き込み処理についてはキーボード48を
介して入力される指令信号により行われる。
【0053】読出しアドレス制御回路58は各露光ユニ
ット2001〜2015に与えるべきビットデータをビット
マップメモリ52から露光作動毎に読み出し、DMD駆
動回路56に順次出力する。DMD駆動回路56は個々
の露光ユニット2001〜20 15のマイクロミラーを露光
位置または非露光位置に位置決めさせるためのビットデ
ータを生成し、そのビットデータに基づいて露光ユニッ
ト2001〜2015をそれぞれ独立して作動し、これによ
り各露光ユニット2001〜2015の個々のマイクロミラ
ーは選択的に露光作動を行うことになる。露光データは
露光ユニット2001〜2015による露光作動が繰り返さ
れる度毎に書き換えられる。
【0054】なお、図4では、個々のマイクロミラーの
露光作動が破線矢印で象徴的に図示されている。また、
図4では図の複雑化を避けるために露光ユニットは1つ
しか示されていないが、実際には15個(2001〜20
15)存在し、DMD駆動回路56によってそれぞれ駆動
されることは言うまでもない。
【0055】図4〜図6を参照して、露光領域変形防止
機構の構成および動作について説明する。露光領域変形
防止機構は円板状のシャッタ部材23を備え、このシャ
ッタ部材23は駆動モータ232により光束に略平行な
回転軸LR周りに等速で回転する。シャッタ部材23は
照明光を透過可能な部材、例えば石英ガラスや透明な合
成樹脂材から形成され、ハッチングで示す遮光領域23
Bには遮光フィルタが貼付されている。ハッチングされ
ていない即ち遮光フィルタに覆われていない扇形の領域
は光透過領域23Aに相当する。
【0056】駆動モータ232はシャッタ駆動回路23
4により駆動制御される。シャッタ部材23の相対回転
位置はシャッタ位置検出センサ236により検出され
る。具体的には、シャッタ位置検出センサ236はシャ
ッタ部材23の外縁を挟むように互いに対向する発光素
子236Aおよび受光素子236Bを備え、発光素子2
36Aからの光がシャッタ部材23の検出穴238を通
って受光素子236Bにより受光されると、シャッタ部
材23の相対回転位置がシャッタ駆動回路234により
認識される。
【0057】図6は、露光ユニット2001の任意のマイ
クロミラーM(m,n)と、シャッタ部材23とのそれ
ぞれの動作タイミングを示すタイミングチャートであ
る。マイクロミラーM(m,n)は、一定周期で露光位
置および非露光位置間で相対移動する遷移状態(遷移期
間t1)と各位置で静止する安定状態(安定期間t2)
とを交互に繰り返す。なお、遷移状態には露光位置から
非露光位置への移動および非露光位置から露光位置への
移動の場合だけでなく、連続して露光位置(または非露
光位置)に位置決めされる場合も含み、このとき遷移状
態ではマイクロミラーM(m,n)は実質的に動かな
い。
【0058】一方、シャッタ部材23は一定速度で回転
するため、遮光領域23Bが光路を通過する期間t3
と、光透過領域23Aが光路を通過する期間t4とが交
互に一定周期で繰り返される。マイクロミラーM(m,
n)の周期とシャッタ部材23の周期とは一致している
(t1+t2=t3+t4)、即ちシャッタ部材23は
マイクロミラーM(m,n)に同期して回転する。期間
t3とt4との和は、シャッタ部材23が一回転するの
に要する時間に相当する。
【0059】マイクロミラーM(m,n)の遷移期間t
1より遮光領域23Bの通過期間t3の方が長く、かつ
相対移動期間t1の開始タイミングより通過期間t3の
開始タイミングが早い。即ち、マイクロミラーM(m,
n)の相対移動は、シャッタ部材23が照明光を遮断し
ている間に行われる。一方、マイクロミラーM(m,
n)の安定期間t2より光透過領域23Aの通過期間t
4の方が短く、かつ安定期間t2の開始タイミングより
通過期間t4の開始タイミングが遅い。即ち、マイクロ
ミラーM(m,n)が静止している間に照明光が露光ユ
ニット2001に導入される。従って、マイクロミラーM
(m,n)による露光期間は通過期間t4に実質的に一
致する。
【0060】このように、マイクロミラーM(m,n)
が露光位置および非露光位置間で相対移動している間
は、シャッタ部材23により照明光が遮断されて露光ユ
ニット2001〜2015内に導入されないので、相対移動
中に照明光が照射されることによる単位露光領域U
(m,n)の変形が防止され、回路パターンを高精度に
描画できる。
【0061】なお、第1実施形態においてはシャッタ部
材23を光ファイバケーブル24と露光ユニット2001
との間に設けているが、特に設ける位置は限定されず、
光源22から描画面32に至るまでの光路上にあればよ
い。従って、例えば個々の露光ユニット2001〜2015
内にそれぞれ設ける場合、凸レンズ26Aとコリメート
レンズ26Bとの間、コリメートレンズ26BとDMD
素子27との間、DMD素子27と凸レンズ28Aとの
間、凸レンズ28Aとリフレクタ28Bとの間、リフレ
クタ28Bと凸レンズ28Cとの間、凸レンズ28Cと
描画面32との間のいずれかの位置に設けてもよい。
【0062】また、第1実施形態では遮光フィルタ(2
3B)はシャッタ部材23の略90度に渡って貼付され
ているが、特に限定されることは無く、光透過領域23
Aの通過時間t4がマイクロミラーM(m,n)の安定
期間t2を超えないように設定されることが好ましく、
シャッタ部材23の回転速度や大きさ、光束断面の面積
等に応じて適宜変更され得る。
【0063】図7および図8を参照して多重露光描画装
置の第2実施形態について説明する。図7は多重露光描
画装置のブロック図であり、図8は露光ユニット2001
の任意のマイクロミラーM(m,n)と、LED光源装
置322とのそれぞれの動作タイミングを示すタイミン
グチャートである。
【0064】第2実施形態においては、光源装置が複数
のLED(Light Emitting Diode)を備えたLED光源
装置である点と、シャッタ部材およびこれを駆動するた
めの構成を設けていない点が第1実施形態と異なってい
るが、その他の構成については同様である。ここでは第
1実施形態と共通する構成については同符号を付し説明
を省略する。
【0065】LED光源装置322の複数のLEDは、
システムコントロール回路34により点灯および消灯が
制御される。多重露光描画装置の電源が投入された時点
では消灯させられており、露光ユニット2001のマイク
ロミラーM(m,n)が作動するときにのみ全LEDが
同時に点灯する。
【0066】図8を参照して詳述すると、LED光源装
置322はマイクロミラーM(m,n)に同期して消灯
(期間t5)および点灯(期間t6)を交互に繰り返し
ており、消灯期間t5はマイクロミラーM(m,n)の
遷移期間t1より長く、かつ遷移期間t1の開始タイミ
ングより早く開始される。即ち、マイクロミラーM
(m,n)の相対移動は、LED光源装置322の消灯
中に行われる。一方、LED光源装置322の点灯期間
t6は、マイクロミラーM(m,n)の安定期間t2よ
り短く、かつ安定期間t2の開始タイミングより遅く開
始される。即ち、マイクロミラーM(m,n)が静止し
ている間にLED光源装置322が点灯して照明光が露
光ユニット2001に導入される。従って、マイクロミラ
ーM(m,n)による露光期間は点灯期間t6に実質的
に一致する。このように、第2実施形態ではLED光源
装置322そのものが露光領域変形防止機能を備えてい
る。
【0067】なお、LEDの数は1個であってもよく、
必要とされる露光量に応じてその数が適宜決定される。
LEDは被描画体30の分光感度に応じて、紫外光を発
するタイプ、可視光(赤色光、緑色光、青色光など)を
発するタイプのものが適宜選択される。
【0068】このように、第2実施形態においても第1
実施形態と同様、マイクロミラーM(m,n)が露光位
置および非露光位置間で相対移動している遷移期間に
は、LED光源装置322から照明光が露光ユニットへ
供給されないので、相対移動中に照明光が照射されるこ
とによる単位露光領域U(m,n)の変形が防止され、
回路パターンを高精度に描画できる。
【0069】さらに、第2実施形態の利点としては、L
ED光源装置322は、第1実施形態の超高圧水銀ラン
プ、キセノンランプ、フラッシュランプおよびレーザ等
を用いた光源装置22と比較すると、光出力が極めて安
定しており、また電気的制御が簡単であるという利点を
有する。また、LED光源装置322は各LEDのON
が指令された時のみ、即ちマイクロミラーM(m,n)
の作動時のみ照明光を出力するので、無駄な電力を消費
せず、長期にわたって安定して使用することができる。
また、DMD素子27に対する照明光の照射が必要最小
限に抑えられるので、照明光の長時間照射に起因する熱
疲労、紫外光成分による早期劣化が防止できる。
【0070】また、複数のLEDを用いる場合には、そ
の内の1つが故障しても光量への影響は小さくなり、残
りのLEDの光量を増幅させればよいので、常に安定し
た光量を得ることができる。
【0071】なお、第1および第2実施形態においては
変調素子としてマイクロミラーを用いているが、LCD
(Liquid Crystal Display)であってもよい。詳述する
と、DMDデバイス27のかわりに、一対の透明基板間
に液晶が封入されその双方の透明基板に互いに整合させ
られた多数対の微細な透明電極をマトリクス状に配した
LCDアレイが用いられる。このLCDアレイにおいて
は、個々の一対の透明電極に電圧を印加するか否かによ
り光束の透過および非透過が制御されるようになってお
り、このため各一対の透明電極が変調素子として機能す
る。このようなLCDアレイを用いる場合においても、
高速で変調した場合には個々の透明電極により得られる
単位露光領域が変形する可能性がある。従って、第1お
よび第2実施形態のように、光束を透過する露光状態お
よび光束を透過しない非露光状態に遷移する遷移期間に
は、シャッタ部材23あるいはLED光源装置322の
切替によって照明光が露光ユニットへ供給されないよう
に構成すれば、遷移期間中に照明光が照射されることに
よる単位露光領域の変形が防止され、回路パターンを高
精度に描画できる。
【0072】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
にあっては、各マイクロミラーに対応する露光領域の変
形を防止して回路パターンを高精度に描画することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多重露光描画装置の第1実施形態
を示す概略斜視図である。
【図2】本発明による多重露光描画装置で用いる露光ユ
ニットの機能を説明するための概略概念図である。
【図3】図1に示す多重露光描画装置の描画テーブル上
の被描画体の描画面および各露光ユニットによる露光領
域を説明するための平面図である。
【図4】本発明による多重露光式描画装置のブロック図
である。
【図5】多重露光装置の露光領域変形防止機構を示す斜
視図である。
【図6】露光ユニットの個々のマイクロミラーとシャッ
タ部材との動作タイミングを示すタイミングチャートで
ある。
【図7】本発明による多重露光描画装置の第2実施形態
を示すブロック図である。
【図8】図7に示す露光ユニットの個々のマイクロミラ
ーとLED光源装置との動作タイミングを示すタイミン
グチャートである。
【符号の説明】
10 多重露光描画装置 2001、…2015 露光ユニット 22 光源装置 23 シャッタ部材 27 DMD素子 30 被描画体 32 描画面 34 システムコントロール回路 M(1,1)、…M(1024,1280) マイクロ
ミラー(変調素子)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリクス状に配置された多数の変調素
    子を有する露光ユニットを用いて所定のパターンを描画
    面上に多重露光により描画する多重露光描画装置であっ
    て、 前記変調素子に対して常時照明光を供給する光源と、 個々の前記変調素子を、前記照明光を前記描画面へ導く
    第1状態と前記照明光の前記描画面への到達を阻止する
    第2状態とのいずれか一方に設定する変調素子制御手段
    と、前記光源と前記描画面との間の光路上に設けられた
    シャッタ部材を有し、このシャッタ部材が、全ての前記
    変調素子が前記第1状態または前記第2状態で安定して
    いる安定期間においては変調された前記照明光を前記描
    画面に導くと共に前記変調素子が前記第1状態と前記第
    2状態との間を遷移する遷移期間においては前記照明光
    を遮断することにより、前記変調素子のそれぞれに対応
    した前記描画面における個々の露光領域の変形を防止す
    る露光領域変形防止機構とを備えることを特徴とする多
    重露光描画装置。
  2. 【請求項2】 前記光源が超高圧水銀ランプ、キセノン
    ランプまたはフラッシュランプを含むことを特徴とする
    請求項1に記載の多重露光描画装置。
  3. 【請求項3】 前記シャッタ部材が前記照明光の光路を
    横切るように回転自在な円板部材であり、この円板部材
    には前記安定期間において光路を横断する光透過領域と
    前記遷移期間において光路を横断する遮光領域とが設け
    られることを特徴とする請求項1に記載の多重露光描画
    装置。
  4. 【請求項4】 前記円板部材が光透過性の良好な部材か
    ら形成され、その一部が遮光フィルタにより覆われるこ
    とにより、前記遮光フィルタを除く領域が前記光透過領
    域に定められると共に、前記遮光フィルタに覆われる領
    域が前記遮光領域に定められることを特徴とする請求項
    3に記載の多重露光描画装置。
  5. 【請求項5】 前記シャッタ部材の前記遮光領域が前記
    光路を横断する通過期間が前記遷移期間より長く、かつ
    前記遮光領域の光路横断開始が前記遷移期間の開始より
    早く設定されると共に、前記シャッタ部材の前記光透過
    領域が前記光路を横断する通過期間が前記安定期間より
    短く、かつ前記光透過領域の光路横断開始が前記安定期
    間の開始より遅く設定されることを特徴とする請求項3
    に記載の多重露光描画装置。
  6. 【請求項6】 マトリクス状に配置された多数の変調素
    子を有する露光ユニットを用いて所定のパターンを描画
    面上に多重露光により描画する多重露光描画装置であっ
    て、 個々の前記変調素子を、前記照明光を前記描画面へ導く
    第1状態と前記照明光の前記描画面への到達を阻止する
    第2状態とのいずれか一方に設定する変調素子制御手段
    と、全ての前記変調素子が前記第1状態または前記第2
    状態で安定している安定期間においては点灯されて前記
    変調素子に照明光を供給すると共に、前記変調素子が前
    記第1状態と前記第2状態との間を遷移する遷移期間に
    おいては消灯されることにより、前記変調素子のそれぞ
    れに対応した前記描画面における個々の露光領域の変形
    を防止する光源とを備えることを特徴とする多重露光描
    画装置。
  7. 【請求項7】 前記光源が、複数のLED(Light Emit
    ting Diode)素子を含むことを特徴とする請求項6に記
    載の多重露光描画装置。
  8. 【請求項8】 前記光源の消灯期間が前記遷移期間より
    長くかつ消灯開始が前記遷移期間の開始より早く設定さ
    れると共に、前記光源の点灯期間は前記安定期間より短
    く、かつ点灯開始が前記安定期間の開始より遅く設定さ
    れることを特徴とする請求項6に記載の多重露光描画装
    置。
  9. 【請求項9】 マトリクス状に配置された個々の前記変
    調素子を、照明光を前記描画面へ導く第1状態と前記照
    明光の前記描画面への到達を阻止する第2状態とのいず
    れか一方に設定可能な露光ユニットを用いて所定のパタ
    ーンを描画面上に多重露光により描画する多重露光描画
    装置に適用される露光領域変形防止機構であって、 前記変調素子に対して常時前記照明光を供給する光源と
    前記描画面との間の光路上に設けられるシャッタ部材を
    備え、このシャッタ部材が、全ての前記変調素子が前記
    第1状態または前記第2状態で安定している安定期間に
    おいては変調された前記照明光を前記描画面に導くと共
    に前記変調素子が前記第1状態と前記第2状態との間を
    遷移する遷移期間においては前記照明光を遮断すること
    により、前記変調素子のそれぞれに対応した前記描画面
    における個々の露光領域の変形を防止することを特徴と
    する露光領域変形防止機構。
  10. 【請求項10】 マトリクス状に配置された個々の前記
    変調素子を、照明光を前記描画面へ導く第1状態と前記
    照明光の前記描画面への到達を阻止する第2状態とのい
    ずれか一方に設定可能な露光ユニットを用いて所定のパ
    ターンを描画面上に多重露光により描画する多重露光描
    画装置に適用される露光領域変形防止機構であって、 全ての前記変調素子が前記第1状態または前記第2状態
    で安定している安定期間においては光源を点灯して前記
    変調素子に照明光を供給すると共に、前記変調素子が前
    記第1状態と前記第2状態との間を遷移する遷移期間に
    おいては前記光源を消灯することにより、前記変調素子
    のそれぞれに対応した前記描画面における個々の露光領
    域の変形を防止することを特徴とする露光領域変形防止
    機構。
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