JP2003057423A - 回折光学素子の製造方法,回折光学素子用基板の形成方法 - Google Patents

回折光学素子の製造方法,回折光学素子用基板の形成方法

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JP2003057423A
JP2003057423A JP2001249532A JP2001249532A JP2003057423A JP 2003057423 A JP2003057423 A JP 2003057423A JP 2001249532 A JP2001249532 A JP 2001249532A JP 2001249532 A JP2001249532 A JP 2001249532A JP 2003057423 A JP2003057423 A JP 2003057423A
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substrate
mask
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manufacturing
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Shigeto Omori
滋人 大森
Hiroshi Toyoda
宏 豊田
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Japan Science and Technology Agency
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Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回折光学素子の製造方法であって,回折面で切
った断面形状が任意の非対称ブレーズド形状の回折光学
素子を製造する方法において,とりわけシャープな非対
称鋸歯形状の回折光学素子を製造する方法,望ましくは
アスペクト比が1〜1.5程度であって,直角三角形ブ
レーズド形状の回折光学素子とするため方法を提供する
こと。 【解決手段】回折格子状のマスクが形成されてなる基板
を,反応性イオンエッチングによって非対称形状の回折
格子に形成してなる回折光学素子の製造方法において,
基板上に回折格子状に形成されてなるマスクを2以上の
異なるエッチングレートを具備した領域よりなるマスク
とすること,或いは反応性イオンエッチングのイオン束
流れ方向を基板法線方向に対して斜め方向からとするこ
とによって,異方性エッチング特性を任意に制御するこ
とが可能となり,任意の非対称ブレーズド形状の回折光
学素子が製造可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,回折面で切った断
面形状が任意角度に傾斜した非対称形状の回折光学素子
の製造方法,とりわけ直角三角形を成す鋸歯状の回折光
学素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯電話,PDA等の携帯情報端末で
は,視認性および低消費電力等を考慮して,明るい場所
では太陽光などの外光を用いて照明し,暗い場所では内
蔵した光源を用いて照明を行なう反射型表示部を用いて
いる場合が多い。このような反射型表示部に設けられる
照明部材である導光板の一形態として,上記表示部と対
向する側の面に回折光学素子を設けることにより,環境
光を透過させて表示部に導く一方,該導光板の端部より
入射する光源部からの照明光を回折光学素子によって回
折することにより表示部に導き,表示部によって変調,
反射された光を透過させて使用者に導く構造を有するも
のがある。例えば,特願2000−376169号公報
においては,入射した入射光の進路に沿う方向,すなわ
ち回折面の方向について入射光の波長以下の周期を有
し,回折面で切った断面形状が直角三角形状を成す鋸歯
状である回折光学素子(以下略して直角三角形ブレーズ
ド形状の回折光学素子と称す)とすることにより,質の
高い映像を提供することが可能であることが開示されて
いる。このような直角三角形ブレーズ形状の回折光学素
子は,回折面で切った断面形状が任意角度に傾斜した非
対称ブレーズド形状の回折光学素子の一典型例である。
また,回折効率の面からは,上記鋸歯状である回折光学
素子のアスペクト比(回折光学素子の高さと底辺長さの
比)が1〜1.5程度のシャープな鋸歯形状の回折光学
素子であることが望ましい。ここで,回折光学素子の製
造方法としては,PRODUCTION OF BLA
ZED HOLOGRAMS,VOL.12,NO.
9,APPLIEDPHYSICS LETTERS.
が知られており,この従来技術においてはホログラフィ
による方法が開示されている。また,特開昭52−75
341号公報においてはエッチングによる方法が開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし,前述のいずれ
の方法でも任意角度傾斜した非対称ブレーズド形状の回
折光学素子を得るには不向きであり,また上記公報(特
願2000−376169号公報)において開示されて
いる直角三角形ブレーズド形状,特にシャープな鋸歯形
状の回折光学素子を製造することは不可能である。ま
ず,上記ホログラフィ法においては,レーザーなどの光
源からの光を分岐し,再度これらの光波を干渉させた時
に発生する干渉縞により,フォトレジストを露光し,該
フォトレジストを現像処理することにより凹凸形状を得
る方法である。更にこの方法では,干渉縞に対してフォ
トレジスト基板を傾けることにより,前述の非対称ブレ
ーズド形状を得る。しかしながらこの方法では,形成さ
れる凹部の角度が略直角となるため,回折光学素子を直
角三角形ブレーズド形状,特にシャープな非対称形状に
形成することはできない。一方,エッチングとは,基板
上に形成されてなるレジストをマスクとして,反応性イ
オンエッチングにより選択的に加工することにより,イ
オン束の流れ方向に対して平行な面と,流れ方向に略直
行する面とを形成する方法である。この場合は,イオン
束の流れ方向に対して基板を傾けることにより,非対称
の鋸歯状回折面形状を得ようとするものである。そのた
め,この方法においても任意角度に傾いた非対称のブレ
ーズド形状,特にシャープな非対称形状の回折光学素子
を形成することはできない。また,上記以外の製造手段
として,バイトを用いた機械切削加工も考えられる。し
かし,ブレーズド形状を決定するバイトの刃先形状は,
耐久性の確保のために50度以上となるため,切削され
る回折格子はアスペクト比が1未満となってしまい,シ
ャープな非対称ブレーズド形状の回折光学素子を形成す
ることはできない。そこで,本発明は上記問題に鑑みて
なされたものであり,その目的とするところは,第一に
任意の非対称ブレーズド形状の回折光学素子を製造しう
る方法を提供することである。また,第二の目的はシャ
ープな非対称鋸歯形状の回折光学素子を製造する方法,
望ましくはアスペクト比が1〜1.5程度である回折光
学素子を製造しうる方法を提供することである。更に,
本発明の第3の目的は,直角三角形ブレーズド形状の回
折光学素子を製造するための方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は,回折格子状のマスクが形成されてなる基板
を,エッチングによって非対称形状の回折格子に形成し
てなる回折光学素子の製造方法において,異方性エッチ
ングを用いることを特徴とする回折光学素子の製造方法
として構成されている。このように構成されることによ
って,イオン束流れに対して水平な方向への加工量と,
イオン束流れに対して垂直な方向への加工量との比(以
下略して異方性エッチング特性と称す)を反応ガスのプ
ラズマ生成状態により任意に制御することが可能とな
る。従って,回折格子状のマスクが形成されてなる基板
を,エッチングによって非対称形状の回折格子に形成し
てなる回折光学素子の製造方法において,異方性エッチ
ングを用いることにより,任意のアスペクト比の回折格
子を形成することが可能となる。
【0005】また,基板がイオン束流れ方向に対して斜
めに設置されても良い。このように構成されることによ
って,イオン束流れ方向が基板の法線方向に対して傾斜
することになり,異方性エッチングにおけるイオン束流
れ方向に対して水平な方向への加工成分と,垂直な方向
への加工成分とが基板の法線方向に対して傾斜すること
になる。また,上記基板を斜めに設置する治具の材質と
してはガラス等の非導電性材質が望ましい。従って,基
板上に回折格子状に形成されてなるマスクに,反応性イ
オンエッチングを用いて回折格子を形成する回折光学素
子の製造方法において,基板をイオン束流れ方向に対し
て任意角度斜めに設置することにより,基板法線方向に
対して任意角度に傾斜した非対称ブレーズド形状の回折
光学素子を製造可能となる。その時の基板の設置治具を
非導電性材質とすることで,イオン束の流れに乱れが生
じることが防止される。
【0006】また,イオン束流れ方向の基板に対する投
影成分が,上記回折格子と略垂直となる様に基板を設置
しても良い。上記斜め方向からの反応性イオンエッチン
グとすることによって,形成される回折格子を一様に基
板法線方向に対して傾斜させることが可能となる。従っ
て,イオン束流れ方向の上記基板に対しての投影成分
が,回折格子と略垂直となる方向からの反応性イオンエ
ッチングを行なうことによって,基板法線方向に対して
任意角度に傾斜したブレーズド形状の回折光学素子が製
造可能となる。
【0007】また,上記マスクが2以上の異なるエッチ
ングレートを具備した領域よりなるものであっても良
い。このように構成されることによって,マスクの一方
の領域における異方性エッチング特性と,他方の領域に
おける異方性エッチング特性とを独立して設定すること
が可能となる。すなわち,異方性エッチングによる加工
量が左右非対称となるため,形成される回折格子が基板
法線方向に対して非対称な鋸歯状となる。従って,基板
上に回折格子状に形成されてなるマスクに,反応性イオ
ンエッチングを用いて回折格子を形成する回折光学素子
の製造方法において,マスクが2以上の異なるエッチン
グレートを具備した領域よりなるものであることによ
り,基板法線方向に対して任意角度に傾斜した非対称ブ
レーズド形状の回折光学素子を製造可能となる。
【0008】また,上述の2以上の異なるエッチングレ
ートを具備した領域よりなるものであるマスクの一例と
して,該マスクが2以上の異なる材質により区割された
領域よりなるものであっても良い。この様に構成される
ことによって,上述同様にマスクの一方の領域における
異方性エッチング特性と,他方の領域における異方性エ
ッチング特性とを独立して設定することが可能となり,
上述の通り基板法線方向に対して任意角度に傾斜した非
対称ブレーズド形状の回折光学素子を製造可能となる。
【0009】また,上述の2以上の異なるエッチングレ
ートを具備した領域よりなるものであるマスクの一例と
して,該マスクが2以上の異なるマスク厚みを具備した
領域よりなるものであっても良い。この様に構成される
ことによっても,上述同様にマスクの一方の領域におけ
る異方性エッチング特性と,他方の領域における異方性
エッチング特性とを独立して設定することが可能とな
り,上述の通り基板法線方向に対して任意角度に傾斜し
た非対称ブレーズド形状の回折光学素子を製造可能とな
る。
【0010】また,マスクに用いられる材料が金属であ
っても良い。このように構成されることによって,レジ
ストを用いた場合と比較して異方性エッチング特性の制
御性が向上する。加えて,レジストを用いた場合には,
エッチングによる加工速度が金属に比べて大きいため,
任意のブレーズド形状の回折光学素子を得ることは難し
い。
【0011】また,マスクに用いられる金属が,クロ
ム,アルミであって,基板に用いられる材料が,シリコ
ン,石英またはガラスであっても良い。反応性イオンエ
ッチングでは,マスク材質と,基板材質と,反応ガスと
を選定し,各要素を変更,調整することにより,基板
と,マスク部分とに対して選択的な加工を行なうことが
可能である。マスクの材料としてクロム,アルミを,基
板の材料としてシリコン,石英,あるいはガラスを用い
る場合,反応ガスにはC4F8と,CH2F2との混合
ガスを用いることにより,高アスペクト比の異方性エッ
チングが実現可能となる。
【0012】また,マスクが,直交する格子周期方向に
形成されてなる2以上の回折格子状のマスクの1つであ
っても良い。このように構成されることによって,ある
一つの領域には上述の通り基板法線方向に対して任意角
度に傾斜した非対称ブレーズド形状の回折格子を形成
し,他の領域には基板法線方向に対して左右対称な二等
辺三角形状の回折格子を形成してなる回折光学素子を製
造することが可能となる。
【0013】また,基板に回折格子状に形成されてなる
2以上の異なるエッチングレートを具備した領域よりな
るマスクを形成する回折光学素子用基板の形成方法であ
って,基板を金属の蒸着粒子流れ方向に対して斜めに設
置して金属を蒸着する工程を含んでなることを特徴とし
て構成されている。このように構成されることによっ
て,垂直方向からの蒸着のみによって形成された場合と
比較して,形成されうるマスクの任意性を向上させるこ
とが可能となる。
【0014】また,基板に回折格子状に形成されてなる
2以上の異なるエッチングレートを具備した領域よりな
るマスクを形成する回折光学素子用基板の形成方法であ
って,基板を第1の金属の蒸着粒子流れ方向に対して斜
めに設置して第1の金属を蒸着する第1の工程と,基板
を第2の金属の蒸着粒子流れ方向に対して略垂直に設置
して第2の金属を蒸着する第2の工程とを含んでなるこ
とを特徴として構成されている。このように構成される
ことによって,垂直方向からの蒸着のみによって形成さ
れた場合と比較して,形成されうるマスクの任意性を向
上させることが可能となる。
【0015】また,第1のマスク金属の蒸着粒子流れ方
向の基板に対する投影成分が,回折格子と略垂直であっ
ても良い。上記斜め方向からの金属蒸着とすることによ
って,形成されるマスクを基板法線方向に対して非対称
とすることが可能となる。
【0016】また,基板に回折格子状に形成されてなる
2以上の異なるエッチングレートを具備した領域よりな
るマスクを形成する回折光学素子用基板をエッチングに
よって非対称形状の回折格子に形成してなる回折光学素
子の製造方法において,異方性エッチングを用いること
を特徴として構成されている。このように構成されるこ
とによって,上述の通りマスクの一方の領域における異
方性エッチング特性と,他方の領域における異方性エッ
チング特性とを独立して設定することが可能となり,基
板法線方向に対して任意角度に傾斜した非対称ブレーズ
ド形状の回折光学素子を製造可能となる。
【0017】また,製造された回折光学素子を転写する
ことで金型を作成し,この金型を用いて樹脂成形等によ
り回折光学素子を製造しても良い。このように構成され
ることによって,同一形状の回折光学素子を効率的に量
産することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照しながら,本
発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の
理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本
発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を
限定する性格のものではない。ここで,図1は本発明の
一実施の形態に係る,基板上に形成されてなる金属マス
クに対する反応性イオンエッチングの概略説明図,図2
は本発明の他の実施例となる基板上に形成されてなる金
属マスクに対する斜め方向からの反応性イオンエッチン
グの概略説明図,図3は本発明の更に他の実施例である
基板上に形成されてなる二種類の金属からなるマスクに
対する反応性イオンエッチングの概略説明図,図4は本
発明の更に別の実施例である基板上に形成されてなるマ
スク厚みの異なる金属からなるマスクに対する反応性イ
オンエッチングの概略説明図,図5は基板上に形成され
てなる周期が非一様なマスクに対する反応性イオンエッ
チングの実施例図,図6はアスペクト比が一定且つ,複
数の周期を有するブレーズド形状の回折光学素子の一例
を示す図,図7は基板上に形成されてなる周期およびマ
スク厚みが非一様なマスクに対する反応性イオンエッチ
ングの実施例図,図8は複数のアスペクト比および周期
を有し,且つ高さが均一なブレーズド形状の回折光学素
子の一例を示す図,図9は本発明の更に別の実施例に係
る,周期方向の直行する二つの回折格子を有するブレー
ズド形状の回折光学素子の一例を示す図,図10は2以
上の異なるエッチングレートを具備した領域よりなるマ
スクを形成する回折光学素子用基板の形成方法の手順例
を示す図である。
【0019】反応性イオンエッチングは,マスク材質
と,基板材質と,反応ガス種類とを選定することによ
り,マスク部分と非マスク部分(基板)に対して選択的
な加工を行なう手法であり,マスクとしてアルミ,クロ
ム等を,基板としてシリコン,石英,あるいはガラス等
を用いる場合には,プラズマ反応性ガスとしてはC4F
8と,CH2F2とを所定の割合で混合したものを用い
ると良い。ここで,本実施の形態では, 基板:合成石英 マスク:クロム(二種の場合にはクロムとアルミ) ガス圧力:0.5Pa アンテナパワー:1500W バイアスパワー:450W C4F8:16sccm CH2F2:14sccm エッチング時間:60秒 として行なった。勿論,本発明の回折光学素子の製造方
法は上記エッチング条件だけに限定されて適用されるも
のではなく,本発明の回折光学素子の製造方法を採用す
ることで同様の効果が得られるものであれば如何なる条
件を適用しても良い。
【0020】先ず,図1を用いて本発明の実施の形態に
係る平行な格子状のマスクが形成されてなる基板を反応
性イオンエッチングによって回折格子に形成する回折光
学素子の製造方法について説明する。第一に,石英,ガ
ラス等よりなる基板(エッチング前形状)5上に対し
て,リフトオフ等を用いることにより所定厚さの金属マ
スク2を平行格子状に形成する。第二に,上記金属マス
ク2が平行格子状に蒸着された基板(エッチング前形
状)5を,不図示の反応性イオンエッチング装置内にセ
ットし,反応性ガスを流して異方性エッチングを行なう
ことにより,回折格子を形成する。異方性エッチングに
おいて,異方性エッチング特性(矢印4で示すマスクエ
ッチング量(イオン束流れに水平の成分)と,矢印3で
示すマスクエッチング量(イオン束流れに垂直の成分)
との比)は反応ガスの混合比と,流量とで調整されるプ
ラズマ生成状態を変えることで制御することが可能であ
る。すなわち,上記プラズマ生成状態を変えることで異
方性エッチング特性を任意に制御可能となり,任意のア
スペクト比(回折格子の高さ10:回折格子の底辺長さ
11)の三角形断面の回折格子を形成することが可能と
なる。ここで,ガス混合比は,一例としてC4F8:C
H2F2=1〜9:1の範囲内で調整可能であり,CH
2F2の割合が増加するにつれてアスペクト比の高いシ
ャープな三角形断面の回折格子形状が得られる。また,
ガス流量を減少させると,反応ガスに対するエネルギー
供給が大きくなり,プラズマ生成が活性化されてイオン
束流れの指向性が強まる。この結果,異方性エッチング
特性が大きくなり,上述同様にアスペクト比の高いシャ
ープな三角形断面の回折格子形状が得られる。従って,
回折格子状の金属マスク2が形成されてなる基板(エッ
チング前形状)5に対して異方性エッチング用いた場
合,プラズマ生成状態を変えることで異方性エッチング
特性を任意に制御することが可能となり,最終的に形成
される基板(エッチング後形状)6は任意のアスペクト
比の左右対称な二等辺三角形状の回折光学素子となる。
【0021】次に,図2を用いて非対称ブレーズド形状
を得るための方法の一つとして,本発明の一実施の形態
に係る基板(エッチング前形状)5上に形成されてなる
金属マスク2に対する斜め方向からの反応性イオンエッ
チングについて説明する。任意角度の斜め方向からの反
応性イオンエッチングを用いることによって,イオン束
流れ方向は,基板(エッチング前形状)5の法線方向に
対して傾斜している。ここで,上述の通り異方性エッチ
ングは,イオン束流れ方向に対して水平な方向と,垂直
な方向に加工が進行することにより,最終的にはイオン
束流れ方向に対して左右対称な二等辺三角形状の回折格
子を形成する手法であるが,この実施形態では基板(エ
ッチング前形状)5自身が,イオン束流れ方向に対して
傾いているので,基板(エッチング前形状)5に形成さ
れる回折格子は,基板(エッチング前形状)5の法線方
向に対して任意角度に傾斜した三角形状となる。そし
て,この場合,前記図1に示した異方性エッチングを用
いることから,そのプラズマ生成状態を調整すること
で,任意のアスペクト比の三角形断面の回折格子を得る
ことができる。
【0022】上記実施形態では,基板に対してイオン束
流れを相対的に傾けた場合について説明した。次に上記
マスクが2以上の異なるエッチングレートを具備した領
域よりなるものであることによって基板法線方向に対し
て傾斜した非対称ブレーズド形状の回折光学素子を形成
する実施形態の手法について以下説明する。ここで,2
以上の異なるエッチングレートを具備した領域よりなる
ものであるマスクを形成しうる条件としては,以下の2
通りの場合が考えられる。一方は,マスクが異なるエッ
チングレートを具備してなる2以上の異材質の金属によ
り形成される場合であり,他方は,マスクが2以上の異
なるマスク厚みを具備してなる場合である。そこで,上
記のそれぞれの場合について以下に実施形態を示す。
【0023】まず,図3を用いて非対称ブレーズド形状
を得るための方法の一つとして,マスクが異なるエッチ
ングレートを具備してなる2種類の金属により構成され
る場合を考える。マスクがエッチングレートの異なる2
種の隣接する金属マスクにより構成されることによっ
て,マスク左部(マスク2)と,右部(マスク2a)とに
おけるエッチング異方性が異なることになる。ここで,
上述の通り異方性エッチング特性はプラズマ生成状態に
より決定される特性であるため,プラズマ生成状態を調
整することにより,マスク2における異方性エッチング
特性(矢印4で示すマスクエッチング量(イオン束流れ
に平行の成分)と,矢印3で示すマスクエッチング量
(イオン束流れに垂直の成分)との比)と,マスク2a
における異方性エッチング特性(矢印4cで示すマスク
エッチング量(イオン束流れに平行の成分)と,矢印3
cで示すマスクエッチング量(イオン束流れに垂直の成
分)との比)とを任意に設定することが可能である。仮
に,マスク2aがマスク2に対して異方性エッチングが
高い金属とすると,マスク2a側のイオン束流れに対し
て垂直な方向へのエッチング量は,マスク2側のイオン
束流れに対して垂直な方向へのエッチング量に対して少
なくなるため,エッチング後に最終的に形成される基板
(エッチング後形状)6は,基板法線方向に対して非対
称な鋸歯状の回折光学素子となる。
【0024】次に,図4を用いて非対称ブレーズド形状
を得るための方法の他の一つとして,マスクが2種類の
異なるマスク厚みを具備してなる場合を考える。マスク
が2種のマスク厚みにより構成されることによって,マ
スク左部(マスク薄部)と,右部(マスク厚部)とにおけ
るエッチング異方性が異なることになる。ここで,上述
の通り異方性エッチング特性はプラズマ生成状態により
決定される特性であるため,プラズマ生成状態を調整す
ることにより,マスク薄部における異方性エッチング特
性と,マスク厚部における異方性エッチング特性とを任
意に設定することが可能である。マスク厚部はマスク薄
部に対して異方性エッチングが高いと考えられるため,
マスク厚部のイオン束流れに対して垂直な方向へのエッ
チング量は,マスク薄部のイオン束流れに対して垂直な
方向へのエッチング量に対して少なくなる。そのため,
上述同様エッチング後に最終的に形成される基板(エッ
チング後形状)6は,基板法線方向に対して非対称な鋸
歯状の回折光学素子となる。
【0025】また,図3と,図4とにおいて,更に基板
法線方向に対して斜め方向(イオン束流れ1a)からの
反応性イオンエッチングを用いることにより,形状の任
意性を向上させた実施形態も考えられる。この場合,上
述同様にイオン束流れ方向が,基板法線方向に対して傾
斜することになり,異方性エッチングにおけるイオン束
流れ方向に水平な方向への加工成分と,垂直な方向への
加工成分も基板法線方向に対して傾斜する。従って,基
板(エッチング前形状)5上に回折格子状に形成された
2以上の異なるエッチングレートを具備した領域よりな
るものである金属マスクに対してイオン束流1aによっ
て斜め方向から反応性イオンエッチングを行なった場
合,図3や図4に示した基板法線方向がイオン束流れ方
向(矢印1で示す)に対して傾斜していない場合と較べ
てエッチング後に最終的に形成される基板(エッチング
後形状)6は,基板法線方向に対してより大きく傾いた
非対称ブレーズド形状の回折光学素子を得ることができ
る。
【0026】次に,図9を用いて基板上に形成されてな
る直行する回折格子状のマスク(領域8および領域9)
の一方(領域9)に対して上述の製造方法を適用した場
合について考える。ここで,領域9に形成されてなるマ
スクに対して斜め方向からのエッチングを適用する,あ
るいは領域9に形成されてなるマスクを2以上の異なる
エッチングレートを具備した領域よりなるものとするこ
とによって,上述の通り領域9に形成されてなるマスク
に対する異方性エッチング特性を左右非対称とすること
ができる。しかし一方で,領域8に形成されてなるマス
クに対するイオン束流れ方向は基板法線方向あるいは基
板に形成されてなる回折格子に対して水平方向であるた
め,領域8に形成されてなるマスクに対する異方性エッ
チング特性は左右対称である。従って,基板上に形成さ
れてなる直行する回折格子状のマスク(領域8および領
域9)の一方(領域9)に対して上述の製造方法を適用
することによって,一方の領域9には基板法線方向に対
して非対称ブレーズド形状の回折格子を形成し,他方の
領域8には基板法線方向に対して対称な二等辺三角形状
の回折格子を形成してなる回折光学素子を製造すること
が可能となる。当然ながら,図2〜図4及び図9に示し
た手法を適宜組み合わせることによっても幅広く任意形
状を持つ回折光学素子を形成することが可能である。
【0027】次に,図10を用いて2以上の異なるエッ
チングレートを具備した領域よりなるマスクを形成する
回折光学素子用基板の形成方法について説明する。まず
電子線描画した箇所を現像により除去処理することによ
り基板5上にピラー状の電子線レジスト12を形成する
(図10(a))。勿論,電子線描画のほかレーザー描
画,ステッパ,ホログラフィック法等でも同様の効果が
得られるものを使っても良い。次に,基板5を第1の金
属の蒸着粒子流れ方向(矢印13)に対して斜めに設置
して第1の金属マスク15を蒸着する(図10
(b))。続いて基板5にリフトオフを用いても良い
し,さらに基板5を第2の金属の蒸着粒子流れ方向(矢
印14)に対して略垂直に設置して第2の金属マスク1
6を蒸着した(図10(c))後の基板5にリフトオフ
を用いても良い。前者の場合,電子線レジスト12を全
て除去することによって,2種類の異なるマスク厚みを
具備した金属よりなるマスクが基板5上に形成された回
折光学素子用基板を形成できる(図10(e))。後者
の場合,電子線レジスト12を全て除去することによっ
て,3種類の異なるエッチングレートを具備した金属よ
りなるマスクが基板5上に形成された回折光学素子用基
板を形成できる(図10(d))。
【0028】最後に,2以上の異なるエッチングレート
を具備した金属よりなるマスクが基板5上に形成された
上記回折光学素子用基板に対して異方性エッチングを適
用した場合を考える。図10(d)に示す通り,上記回
折光学素子用基板に形成されてなるマスクは,第2の金
属マスク16のみの領域と,第2の金属マスク16と薄
く蒸着された第1の金属マスク15が重なった領域と,
第2の金属マスク16と厚く蒸着された金属15マスク
とが重なった領域とからなるため,異方性エッチング特
性を更に細かく設定することが可能となる。従って,製
造されうる回折光学素子形状の任意性を向上させること
が可能となる。
【0029】
【実施例】前記実施の形態では,一様な周期を有する回
折格子状のマスクとして構成されているが,例えば図5
に示す様に基板上に形成されてなるマスクが非一様な周
期を有するマスクであっても良い。このように構成され
たマスクに対して斜め方向からエッチングすることによ
って,図6に示す様にアスペクト比一定,且つ異なる周
期を有する非対称ブレーズド形状の回折光学素子を製造
することが可能となる。また,図7に示す様に基板上に
形成されてなるマスクが非一様な周期を有し,且つ,厚
みの異なるマスクであっても良い。このように構成され
たマスクに対して斜め方向からエッチングすることによ
って,図8に示す様にアスペクト比不定,且つ異なる周
期を有し,回折格子の高さが一定である非対称ブレーズ
ド形状の回折光学素子を製造することが可能となる。な
お,上述した方法により製作された回折光学素子を原型
として公知の技術である電気鋳造法等を用いて金型を作
成し,この金型を用いて樹脂成形等を行なうことで回折
光学素子を効率的に量産することも可能である。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
回折格子状のマスクが形成されてなる基板を,エッチン
グによって非対称形状の回折格子に形成してなる回折光
学素子の製造方法において,異方性エッチングを用いる
ことを特徴とする回折光学素子の製造方法として構成さ
れている。このように構成されるので,イオン束流れに
対して水平な方向への加工量と,イオン束流れに対して
垂直な方向への加工量との比(以下略して異方性エッチ
ング特性と称す)を反応ガスのプラズマ生成状態により
任意に制御することが可能となる。従って,回折格子状
のマスクが形成されてなる基板を,エッチングによって
非対称形状の回折格子に形成してなる回折光学素子の製
造方法において,異方性エッチングを用いることによ
り,任意のアスペクト比の回折格子を形成することが可
能となる。
【0031】また,基板がイオン束流れ方向に対して斜
めに設置されても良い。このように構成されるので,イ
オン束流れ方向が基板の法線方向に対して傾斜すること
になり,異方性エッチングにおけるイオン束流れ方向に
対して水平な方向への加工成分と,垂直な方向への加工
成分とが基板の法線方向に対して傾斜することになる。
また,上記基板を斜めに設置する治具の材質としてはガ
ラス等の非導電性材質が望ましい。従って,基板上に回
折格子状に形成されてなるマスクに,反応性イオンエッ
チングを用いて回折格子を形成する回折光学素子の製造
方法において,基板をイオン束流れ方向に対して任意角
度斜めに設置することにより,基板法線方向に対して任
意角度に傾斜した非対称ブレーズド形状の回折光学素子
を製造可能となる。その時の基板の設置治具を非導電性
材質とすることで,イオン束の流れに乱れが生じること
が防止される。
【0032】また,イオン束流れ方向の基板に対する投
影成分が,上記回折格子と略垂直となる様に基板を設置
しても良い。上記斜め方向からの反応性イオンエッチン
グされるので,形成される回折格子を一様に基板法線方
向に対して傾斜させることが可能となる。従って,イオ
ン束流れ方向の上記基板に対しての投影成分が,回折格
子と略垂直となる方向からの反応性イオンエッチングを
行なうことによって,基板法線方向に対して任意角度に
傾斜したブレーズド形状の回折光学素子が製造可能とな
る。
【0033】また,上記マスクが2以上の異なるエッチ
ングレートを具備した領域よりなるものであっても良
い。このように構成されるので,マスクの一方の領域に
おける異方性エッチング特性と,他方の領域における異
方性エッチング特性とを独立して設定することが可能と
なる。すなわち,異方性エッチングによる加工量が左右
非対称となるため,形成される回折格子が基板法線方向
に対して非対称な鋸歯状となる。従って,基板上に回折
格子状に形成されてなるマスクに,反応性イオンエッチ
ングを用いて回折格子を形成する回折光学素子の製造方
法において,マスクが2以上の異なるエッチングレート
を具備した領域よりなるものであることにより,基板法
線方向に対して任意角度に傾斜した非対称ブレーズド形
状の回折光学素子を製造可能となる。
【0034】また,上述の2以上の異なるエッチングレ
ートを具備した領域よりなるものであるマスクの一例と
して,該マスクが2以上の異なる材質により区割された
領域よりなるものであっても良い。この様に構成される
ので,上述同様にマスクの一方の領域における異方性エ
ッチング特性と,他方の領域における異方性エッチング
特性とを独立して設定することが可能となり,上述の通
り基板法線方向に対して任意角度に傾斜した非対称ブレ
ーズド形状の回折光学素子を製造可能となる。
【0035】また,上述の2以上の異なるエッチングレ
ートを具備した領域よりなるものであるマスクの一例と
して,該マスクが2以上の異なるマスク厚みを具備した
領域よりなるものであっても良い。この様に構成される
ので,上述同様にマスクの一方の領域における異方性エ
ッチング特性と,他方の領域における異方性エッチング
特性とを独立して設定することが可能となり,上述の通
り基板法線方向に対して任意角度に傾斜した非対称ブレ
ーズド形状の回折光学素子を製造可能となる。
【0036】また,マスクに用いられる材料が金属であ
っても良い。このように構成されるので,レジストを用
いた場合と比較して異方性エッチング特性の制御性が向
上する。加えて,レジストを用いた場合には,エッチン
グによる加工速度が金属に比べて大きいため,任意のブ
レーズド形状の回折光学素子を得ることは難しい。
【0037】また,マスクに用いられる金属が,クロ
ム,アルミであって,基板に用いられる材料が,シリコ
ン,石英またはガラスであっても良い。反応性イオンエ
ッチングでは,マスク材質と,基板材質と,反応ガスと
を選定し,各要素を変更,調整することにより,基板
と,マスク部分とに対して選択的な加工を行なうことが
可能である。マスクの材料としてクロム,アルミを,基
板の材料としてシリコン,石英,あるいはガラスを用い
る場合,反応ガスにはC4F8と,CH2F2との混合
ガスを用いることにより,高アスペクト比の異方性エッ
チングが実現可能となる。
【0038】また,マスクが,直交する格子周期方向に
形成されてなる2以上の回折格子状のマスクの1つであ
っても良い。このように構成されるので,ある一つの領
域には上述の通り基板法線方向に対して任意角度に傾斜
した非対称ブレーズド形状の回折格子を形成し,他の領
域には基板法線方向に対して左右対称な二等辺三角形状
の回折格子を形成してなる回折光学素子を製造すること
が可能となる。
【0039】また,基板に回折格子状に形成されてなる
2以上の異なるエッチングレートを具備した領域よりな
るマスクを形成する回折光学素子用基板の形成方法であ
って,基板を金属の蒸着粒子流れ方向に対して斜めに設
置して金属を蒸着する工程を含んでなることを特徴とし
て構成されている。このように構成されるので,垂直方
向からの蒸着のみによって形成された場合と比較して,
形成されうるマスクの任意性を向上させることが可能と
なる。
【0040】また,基板に回折格子状に形成されてなる
2以上の異なるエッチングレートを具備した領域よりな
るマスクを形成する回折光学素子用基板の形成方法であ
って,基板を第1の金属の蒸着粒子流れ方向に対して斜
めに設置して第1の金属を蒸着する第1の工程と,基板
を第2の金属の蒸着粒子流れ方向に対して略垂直に設置
して第2の金属を蒸着する第2の工程とを含んでなるこ
とを特徴として構成されている。このように構成される
ので,垂直方向からの蒸着のみによって形成された場合
と比較して,形成されうるマスクの任意性を向上させる
ことが可能となる。
【0041】また,第1のマスク金属の蒸着粒子流れ方
向の基板に対する投影成分が,回折格子と略垂直であっ
ても良い。上記斜め方向からの金属蒸着されるので,形
成されるマスクを基板法線方向に対して非対称とするこ
とが可能となる。
【0042】また,基板に回折格子状に形成されてなる
2以上の異なるエッチングレートを具備した領域よりな
るマスクを形成する回折光学素子用基板をエッチングに
よって非対称形状の回折格子に形成してなる回折光学素
子の製造方法において,異方性エッチングを用いること
を特徴として構成されている。このように構成されるの
で,上述の通りマスクの一方の領域における異方性エッ
チング特性と,他方の領域における異方性エッチング特
性とを独立して設定することが可能となり,基板法線方
向に対して任意角度に傾斜した非対称ブレーズド形状の
回折光学素子を製造可能となる。
【0043】また,製造された回折光学素子を転写する
ことで金型を作成し,この金型を用いて樹脂成形等によ
り回折光学素子を製造しても良い。このように構成され
るので,同一形状の回折光学素子を効率的に量産するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板上に形成されてなる金属マスクに対する反
応性イオンエッチングの概略説明図。
【図2】基板上に形成されてなる金属マスクに対する斜
め方向からの反応性イオンエッチングの概略説明図。
【図3】基板上に形成されてなる二種類の金属からなる
マスクに対する反応性イオンエッチングの概略説明図。
【図4】基板上に形成されてなる厚みが一様でない金属
からなるマスクに対する反応性イオンエッチングの概略
説明図。
【図5】基板上に形成されてなる周期が非一様なマスク
に対する反応性イオンエッチングの実施例図。
【図6】アスペクト比が一定且つ,複数の周期を有する
ブレーズド形状の回折光学素子の一例を示す図。
【図7】基板上に形成されてなる周期およびマスク厚み
が非一様なマスクに対する反応性イオンエッチングの実
施例図。
【図8】複数のアスペクト比および周期有し,且つ高さ
が均一なブレーズド形状の回折光学素子の一例を示す
図。
【図9】周期方向の直行する二つの回折格子を有するブ
レーズド形状の回折光学素子の一例を示す図。
【図10】2以上の異なるエッチングレートを具備した
領域よりなるマスクの形成方法の手順例を示す図。
【符号の説明】
1…イオン束流れ 1a…斜め方向からのイオン束流れ 2…金属マスク 2a…異種金属マスク 3…マスクエッチング量(イオン束流れに垂直の成分) 3a…斜め方向からの反応性イオンエッチングにおける
マスクエッチング量1(イオン束流れに垂直の成分) 3b…斜め方向からの反応性イオンエッチングにおける
マスクエッチング量2(イオン束流れに垂直の成分) 3c…異種金属マスクに対するマスクエッチング量(イ
オン束流れに垂直の成分) 3d…厚部金属マスクに対するマスクエッチング量(イ
オン束流れに垂直の成分) 4…マスクエッチング量(イオン束流れに水平の成分) 4a…斜め方向からの反応性イオンエッチングにおける
マスクエッチング量1(イオン束流れに水平の成分) 4b…斜め方向からの反応性イオンエッチングにおける
マスクエッチング量2(イオン束流れに水平の成分) 4c…異種金属マスクに対するマスクエッチング量(イ
オン束流れに水平の成分) 4d…厚部金属マスクに対するマスクエッチング量(イ
オン束流れに水平の成分) 5…基板(エッチング前形状) 6…基板(エッチング後形状) 8…二等辺三角形状の回折格子を形成する領域 9…非対称な鋸歯形状の回折格子を形成する領域 10…回折格子の高さ 11…回折格子の底辺長さ 12…電子線レジスト 13…第1の金属の蒸着粒子流れ 14…第2の金属の蒸着粒子流れ 15…第1の金属マスク 16…第2の金属マスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊田 宏 大阪府和泉市桑原町247番地の5 ファロ ー和泉102号 Fターム(参考) 2H049 AA33 AA37 AA44 AA45 AA46 AA63 2H096 AA28 HA14 HA23

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回折格子状のマスクが形成されてなる基板
    を,エッチングによって非対称形状の回折格子に形成し
    てなる回折光学素子の製造方法において,異方性エッチ
    ングを用いることを特徴とする回折光学素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】上記基板が,イオン束流れ方向に対して斜
    めに設置されてなる請求項1に記載の回折光学素子の製
    造方法。
  3. 【請求項3】上記イオン束流れ方向の上記基板に対する
    投影成分が,上記回折格子と略垂直である請求項2に記
    載の回折光学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】上記マスクが,2以上の異なるエッチング
    レートを具備した領域よりなるものである請求項1〜3
    のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。
  5. 【請求項5】上記マスクが,2以上の異なる材質により
    区割された領域よりなるものである請求項4に記載の回
    折光学素子の製造方法。
  6. 【請求項6】上記マスクが,2以上の異なるマスク厚み
    を具備した領域よりなるものである請求項4に記載の回
    折光学素子の製造方法。
  7. 【請求項7】上記マスクに用いられる材料が,金属であ
    る請求項1〜6のいずれかに記載の回折光学素子の製造
    方法。
  8. 【請求項8】上記金属が,クロム,アルミである請求項
    7に記載の回折光学素子の製造方法。
  9. 【請求項9】上記基板に用いられる材料が,シリコン,
    石英またはガラスである請求項1〜8のいずれかに記載
    の回折光学素子の製造方法。
  10. 【請求項10】上記マスクが,直交する格子周期方向に
    形成されてなる2以上の回折格子状のマスクの1つであ
    る請求項1〜9のいずれかに記載の回折光学素子の製造
    方法。
  11. 【請求項11】上記基板をイオン束流れ方向に対して傾
    斜して設置するための治具が非導電性材質により構成さ
    れてなる請求項1〜10のいずれかに記載の回折光学素
    子の製造方法。
  12. 【請求項12】基板に回折格子状に形成されてなる2以
    上の異なるエッチングレートを具備した領域よりなるマ
    スクを形成する回折光学素子用基板の形成方法であっ
    て,上記基板を金属の蒸着粒子流れ方向に対して斜めに
    設置して金属を蒸着する工程を含んでなることを特徴と
    する回折光学素子用基板の形成方法。
  13. 【請求項13】基板に回折格子状に形成されてなる2以
    上の異なるエッチングレートを具備した領域よりなるマ
    スクを形成する回折光学素子用基板の形成方法であっ
    て,上記基板を第1の金属の蒸着粒子流れ方向に対して
    斜めに設置して第1の金属を蒸着する第1の工程と,上
    記基板を第2の金属の蒸着粒子流れ方向に対して略垂直
    に設置して第2の金属を蒸着する第2の工程と,を含ん
    でなることを特徴とする回折光学素子用基板の形成方
    法。
  14. 【請求項14】上記第1のマスク金属の蒸着粒子流れ方
    向の上記基板に対する投影成分が,上記回折格子と略垂
    直である請求項12,あるいは13のいずれかに記載の
    回折光学素子用基板の形成方法。
  15. 【請求項15】上記基板に回折格子状に形成されてなる
    2以上の異なるエッチングレートを具備した領域よりな
    るマスクを形成する上記回折光学素子用基板をエッチン
    グによって非対称形状の回折格子に形成してなる回折光
    学素子の製造方法において,異方性エッチングを用いる
    ことを特徴とする回折光学素子の製造方法。
  16. 【請求項16】請求項1〜11或いは15に記載の方法
    により製造された回折光学素子を転写することで金型を
    作成し,この金型を用いて樹脂成形等により回折光学素
    子を製造する回折光学素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102629073A (zh) * 2012-04-13 2012-08-08 中国科学院光电技术研究所 一种用于表面等离子体光刻的纳米光栅掩模制备方法
KR20190055180A (ko) * 2016-09-21 2019-05-22 몰레큘러 임프린츠 인코퍼레이티드 구조물들의 마이크로리소그래픽 제조

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