JP2003057337A - 追尾処理装置、追尾処理方法及び追尾処理プログラム - Google Patents

追尾処理装置、追尾処理方法及び追尾処理プログラム

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JP2003057337A
JP2003057337A JP2001249688A JP2001249688A JP2003057337A JP 2003057337 A JP2003057337 A JP 2003057337A JP 2001249688 A JP2001249688 A JP 2001249688A JP 2001249688 A JP2001249688 A JP 2001249688A JP 2003057337 A JP2003057337 A JP 2003057337A
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area
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mht
tracking processing
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JP2001249688A
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Kazuo Ikeba
和夫 池羽
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Original Assignee
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 追尾処理に要する計算量と記憶容量とを低減
する。 【解決手段】 MHTエリア設定処理部2では、高密度
エリア抽出部は、所定の蓄積時間プロット情報を取り込
んで、MHTエリアを設定する。また、低検出率エリア
抽出部は、単一追尾エリアで相関プロットなしの場合
に、単一追尾処理部から、所定の蓄積時間外そう位置情
報を取り込んで、MHTエリアを設定する。相関判定処
理部3では、MHTエリア設定処理部2によるエリア設
定に基づいて、追尾目標が属するエリアがMHTエリア
であるか単一追尾エリアであるかを判定し、MHT処理
と単一追尾処理とを切り換えて、必要なエリアのみMH
T処理を実行し目標を追尾する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、移動体である目
標の追尾処理を行う追尾処理装置、追尾処理方法及び該
追尾処理方法を実施するための追尾処理プログラムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の追尾処理においては、追尾処理装
置が、レーダのスキャンによって複数のプロット(位置
情報)が得られた場合、追尾目標に対して相関関係があ
るプロットを選択し、さらに追尾目標に対して相関関係
があるプロットのうち最も信頼度の高いプロットを唯一
選択して、このプロットの位置を元に追尾目標の位置を
更新して、追尾目標の位置の時間推移状態を確定するよ
うにしていた。しかしながら、上記従来の追尾処理技術
にあっては、複数の目標が近接して存在している場合
や、目標近傍にクラッタが多く存在する場合には、誤っ
た相関判断を行なう場合があるため、追尾継続不可能に
なり、追尾処理に失敗することが多かった。
【0003】このため、多重仮定追尾(MHT:Multip
le Hypothesis Tracking)処理(以下、MHT処理とも
いう)を行って、複数の目標を追尾する装置が提案され
ている。例えば、特表2000−505201号公報
や、「Multiple Hypothesis Tracking System Design a
nd Application」(Samuel S.Blackman著、Artech Hous
e Publishers刊「Design and Analysis of Modern Trac
king Systems」p.1069−(1999年))に、この種の追尾
処理装置が記載されている。この追尾処理装置は、追尾
中の目標と、ある時刻タイミングに得られた複数のプロ
ットとの間で、両者の位置関係等から相関関係があるす
べてのプロットを抽出する。次に、複数の相関関係のあ
るすべてのプロットの中から1つを選択する(以下、相
関確立するという)。すなわち、相関関係の中から信頼
度が最も高いものを選び、追尾中の目標に対する真のプ
ロットとして、相関確立したものと判定する。この後、
相関確立したプロットの位置に基づいて、目標の位置、
速度等を更新する。ここで得られた複数の相関関係は保
存され、以降の時刻タイミングにおける相関確立処理に
おいて相関確立するプロットが得られなかった場合、過
去に遡って、保存されている相関関係の中でそれまでに
選択された相関関係の次に信頼度が高い相関関係のプロ
ットを選択することにより、相関確立するプロットを見
出す。このような手法により、追尾中の目標のプロット
ではないプロットと間違えて相関確立したことにより追
尾が中断しても、一旦過去に遡ることによって、追尾を
継続することができる。
【0004】次に、図11を用いて、MHTを用いた多
重目標相関処理について、詳細に説明する。一例とし
て、図11(a)に示すように、時刻tのとき、追尾
中の目標101、102が存在し、時刻tのとき、プ
ロット103、104が得られ、さらに、時刻tのと
き、プロット105、106、107が得られているも
のとする。追尾目標101に着目した場合に得られる相
関関係について説明する。追尾目標101が、時刻t
のときに取り得る相関関係は、相関関係K13、相関関
係K14である。また、時刻tのときに取り得る相関
関係は、相関関係K35、K36、K37、K45、K
46、K47である。もう一方の追尾目標102につい
ても同様にして複数の相関関係が得られる。このように
して、追尾目標が取り得る相関関係全てを仮定した上
で、時刻t、時刻tそれぞれにおいて、信頼度が最
も高い相関関係をもつプロットと相関確立する。
【0005】図11(b)に多重目標相関時の相関確立
の一例を示す。時刻tのとき追尾中の目標101が存
在する。時刻tのとき、プロット103、104が得
られている。このとき相関関係K13、K14が得られ
たが、信頼度は相関関係K13の方が高い場合には、追
尾目標101は、プロット103と相関確立する。この
結果、時刻tのときの追尾目標の位置は、例えばプロ
ット103の位置に更新される。次に、時刻tのとき
にプロット105、106、107が得られている。こ
のとき、時刻tのときに相関確立したプロット103
の位置に更新された追尾目標と、時刻tのときに得ら
れたプロット105、106、107との間でそれぞれ
相関関係K35、K36、K37が得られたものとす
る。
【0006】さらに、時刻tのときに相関確立しなか
ったプロット104についても、時刻tのときに得ら
れたプロットとの相関関係を調べて、相関関係K45、
K46、K47を得る。時刻tのときの追尾目標の位
置は、プロット103の位置に更新されているので、取
り得る相関関係K35、K36、K37のうち、最も信
頼度の高い相関関係のプロットと相関確立し、時刻t
のときの目標位置が決定する。例えば、相関関係K35
の信頼度が最も高かったとすると、プロット103の位
置にある追尾目標は、プロット105と相関確立する。
この結果、時刻tのときの追尾目標は、プロット10
5の位置に更新される。
【0007】次に、時刻tのときに、プロット108
が得られたものとする。時刻tのときにプロットが得
られたときと同様に、相関確立したプロット105及び
相関確立しなかったプロット106、107について、
プロット108との相関関係を調べる。この結果、時刻
のときの目標位置であるプロット105との相関関
係のあるプロットが時刻tでは得られなかったものと
する。この場合、プロット105の位置に更新された追
尾目標は、時刻tでは位置更新することができないた
め、追尾が維持できなくなる。
【0008】このような場合は、時刻tのときに相関
確立したプロット105は、追尾目標に対する真のプロ
ットではなかったものと考えて、再度相関確立すべきプ
ロットを調査する。この方法は、時刻tのときは、追
尾目標がプロット103の位置に更新されているため、
時刻tのときに取り得る相関関係K35、K36、K
37のうち、誤りと判断された相関関係K35を除いて
最も信頼度の高い相関関係を調査するものである。この
結果、相関関係K36が選択されたものとすると、時刻
のときの追尾目標の位置は、プロット106の位置
に更新される。さらに、時刻tのときに得られたプロ
ットとは、相関関係K68のみが存在するため、目標位
置は、プロット108の位置に更新されて、追尾が継続
されることとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の追尾処理技術にあっては、各観測時において多数の
相関関係を記憶する必要があるので、必要な記憶容量も
膨大となるという問題がある。このため、記憶装置の規
模も大きくなり、コストが嵩むという問題がある。ま
た、追尾目標数や検出されるプロット数が増加すると、
各種判断処理等に要する計算量が飛躍的に増大するとい
う問題がある。このために、特に、短い時間間隔で目標
の位置、速度を更新する必要がある場合に、リアルタイ
ムでの追尾処理が困難となるという問題がある。このた
め、例えばCPUの性能も高性能化し、さらに並列処理
をしなければならない。したがって、ハードウェアの規
模が大きくなり、コストが嵩むという問題がある。
【0010】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、追尾処理に要する計算量と記憶容量とを低減し
て、容易にリアルタイムで追尾処理を行うことができ、
追尾処理に必要なハードウェアの規模を縮小し、コスト
を低減することができる追尾処理装置、追尾処理方法及
び追尾処理プログラムを提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、検出された位置情報として
の複数のプロットを含む所定の観測領域の観測データを
受け取り、目標を追尾する追尾処理装置に係り、上記観
測領域の中で、多重仮定追尾処理を行う多重仮定追尾領
域を必要に応じて設定する領域設定手段と、上記領域設
定手段によって設定された上記多重仮定追尾領域の観測
データに対して上記多重仮定追尾処理を施す多重仮定追
尾処理手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の追
尾処理装置に係り、上記領域設定手段は、上記プロット
の密度が比較的高い領域を上記多重仮定追尾領域として
設定することを特徴としている。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の追尾処理装置に係り、上記領域設定手段は、上記目
標の検出率が比較的低い領域を上記多重仮定追尾領域と
して設定することを特徴としている。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1、2又は
3記載の追尾処理装置に係り、上記領域設定手段は、気
象条件に基づいて上記多重仮定追尾領域を設定すること
を特徴としている。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれか1に記載の追尾処理装置に係り、上記領域設定
手段は、上記観測領域のうち、上記多重仮定追尾領域以
外の領域を、常に唯一の相関目標を選出してその目標の
みの位置を更新する単一追尾処理を行う単一追尾領域と
して設定し、上記単一追尾領域の上記観測データに対し
て上記単一追尾処理を施す単一追尾処理手段を備えたこ
とを特徴としている。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の
いずれか1に記載の追尾処理装置に係り、操作者の指示
に応じて上記多重仮定追尾領域を設定するための入力手
段を備えたことを特徴としている。
【0017】請求項7記載の発明は、検出された位置情
報としての複数のプロットを含む所定の観測領域の観測
データを受け取り、目標を追尾する追尾処理方法に係
り、上記観測領域の中で、多重仮定追尾処理を行う多重
仮定追尾領域を必要に応じて設定する領域設定ステップ
と、上記領域設定ステップで設定した上記多重仮定追尾
領域の観測データに対して上記多重仮定追尾処理を施す
多重仮定追尾処理ステップとを含むことを特徴としてい
る。
【0018】請求項8記載の発明は、請求項7記載の追
尾処理方法に係り、上記領域設定ステップでは、上記プ
ロットの密度が比較的高い領域を上記多重仮定追尾領域
として設定することを特徴としている。
【0019】請求項9記載の発明は、請求項7又は8記
載の追尾処理方法に係り、上記領域設定ステップでは、
上記目標の検出率が比較的低い領域を上記多重仮定追尾
領域として設定することを特徴としている。
【0020】請求項10記載の発明は、請求項7、8又
は9記載の追尾処理方法に係り、上記領域設定ステップ
では、気象条件に基づいて上記多重仮定追尾領域を設定
することを特徴としている。
【0021】請求項11記載の発明は、請求項7乃至1
0のいずれか1に記載の追尾処理方法に係り、上記領域
設定ステップでは、上記観測領域のうち、上記多重仮定
追尾領域以外の領域を、常に唯一の相関目標を選出して
その目標のみの位置を更新する単一追尾処理を行う単一
追尾領域として設定し、上記単一追尾領域の上記観測デ
ータに対して上記単一追尾処理を施す単一追尾処理ステ
ップを含むことを特徴としている。
【0022】請求項12記載の発明は、請求項7乃至1
1のいずれか1に記載の追尾処理方法に係り、操作者の
指示に応じて上記多重仮定追尾領域を設定するための入
力ステップを含むことを特徴としてる。
【0023】請求項13記載の発明に係る追尾処理プロ
グラムは、コンピュータに請求項7乃至12のいずれか
1に記載の追尾処理方法を実行させることを特徴として
いる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用い
て具体的に行う。図1は、この発明の一実施例である追
尾処理装置の構成を示すブロック図、図2は、同追尾処
理装置のMHTエリア設定処理部の構成を示すブロック
図、図3は、同追尾処理装置の相関判定処理部の構成を
示すブロック図である。また、図4は、同追尾処理装置
の動作を説明するための説明図、図5及び図6は、同追
尾処理装置の動作処理手順を示すためのフローチャート
である。また、図7及び図8は、同追尾処理装置の動作
を説明するための説明図、図9は、同追尾処理装置の動
作処理手順を示すためのフローチャート、図10は、同
追尾処理装置の動作を説明するための説明図である。図
1に示すように、この例の追尾処理装置1は、MHTエ
リア設定処理部2と、相関判定処理部3と、追尾目標デ
ータベース4とを備えている。
【0025】MHTエリア設定処理部2は、プロットの
密度や目標検出状況に基づき、観測エリアを、多重仮定
追尾(MHT:Multiple Hypothesis Tracking)処理
(以下、MHT処理という)を行う多重仮定追尾処理エ
リア(以下、MHT処理エリアという)、又は常に唯一
の相関目標を選出してその目標のみの位置を更新する従
来の単一追尾処理を行う単一追尾処理エリアを自動的に
設定する。相関判定処理部3は、相関判定を行うプロッ
トデータのエリアに応じて、MHT処理又は単一追尾処
理のいずれかにより相関判定を行い、追尾目標のもので
あると判断されたプロットの位置情報に基づいて、追尾
目標の位置、速度情報を更新し、追尾目標の次回更新時
刻での予測位置を求める。追尾目標データベース4は、
相関処理に必要な追尾目標情報を相関判定処理部3に対
して提供し、また、相関判定処理部3によって更新され
た追尾目標情報を受信して記録を行う。なお、図1に示
すように、MHTエリア設定処理部2には、操作者がM
HTエリア又は単一追尾エリアを手動で設定するための
設定入力部(入力手段)5が接続されている。
【0026】MHTエリア設定処理部2は、図2に示す
ように、検出されたプロットの密度に基づいてMHTエ
リアを設定する高密度エリア抽出部(領域設定手段)1
2と、追尾目標の検出率に基づいてMHTエリアを設定
する低検出率エリア抽出部(領域設定手段)13とを有
している。高密度エリア抽出部12は、所定の観測エリ
アを分割してなる多数の単位エリアのうち、プロットの
密度が所定の値以上である単位エリアをMHTエリアに
設定する。高密度エリア抽出部12は、図2に示すよう
に、プロット情報蓄積部16と、密度算出部17と、閾
値判定部18と、MHTエリア抽出部19と、MHTエ
リア設定部21とを有している。
【0027】プロット情報蓄積部16は、一定の蓄積時
間ta1(図4参照)の間に入力されたプロット情報を
蓄積する。密度算出部17は、追尾目標データベース4
からプロット情報を読み出し、観測エリア内の各単位エ
リアについてプロット数を求め、プロットの密度を算出
する。閾値判定部18は、各単位エリアについてプロッ
トの密度が所定の閾値を越えているか否かを判定する。
例えばプロット数が2以上の単位エリアでMHT処理を
行うべきMHTエリア候補として選出する。
【0028】MHTエリア抽出部19は、空間的に平滑
化処理を行う。例えば、2×2個の単位エリアからなる
スライディングウィンドウを設定し、スライディングウ
ィンドウ内で2個以上の単位エリアが、閾値判定部18
でMHTエリア候補として選定されていた場合は、この
スライディングウィンドウ内の単位エリアを全てMHT
エリア候補とする。これによって、単位エリアの面積を
小さくした場合であっても、例えば、MHTエリアと単
一追尾エリアとが斑模様に設定され、MHT処理と単一
追尾処理とが頻繁に切り替わることが防止される。
【0029】MHTエリア抽出部19は、スライディン
グウィンドウを、1単位エリアずつ並行移動させ、同様
に処理を行う。なお、結果が重なった単位エリアについ
ては、MHTエリアとする。このMHTエリア抽出処理
は、観測エリアの全体に亘って実行される。MHTエリ
ア選定部21は、上述したMHTエリア抽出部19での
MHTエリア抽出結果に基づいて、最終的に、MHTエ
リアを決定する。
【0030】低検出率エリア抽出部13は、追尾目標の
検出率が所定値以下である単位エリアをMHTエリアに
設定する。低検出率エリア抽出部13は、図2に示すよ
うに、検出状況認識部22と、外そう情報入力部23
と、外そう情報蓄積処理部24と、密度算出部25と、
閾値判定部26と、MHTエリア抽出部27と、MHT
エリア設定部28とを有している。低検出率エリア抽出
部13は、相関判定処理部3の後述する単一追尾処理部
33で、追尾目標に対応する相関プロットがないと判定
された場合に、MHTエリアの設定を実行する。
【0031】検出状況認識部22は、単一追尾処理部3
3で、相関プロットなしと判定されたか否かを調べる。
外そう情報入力部23は、相関プロットがない場合は、
単一追尾処理部33から外そう情報を受け取る。外そう
情報蓄積処理部24は、外そう情報入力部23が受け取
った外そう位置情報を追尾目標データベース4に蓄積す
る。密度算出部25は、観測エリア内の各単位エリアに
ついて、外そうされた箇所の数を求め、外そう箇所の密
度を算出する。閾値判定部26は、各単位エリアについ
て外そう箇所の密度が所定の閾値を越えているか否かを
判定する。例えば外そう箇所の数が2以上の単位エリア
をMHT処理を行うMHTエリア候補として選出する。
MHTエリア抽出部27は、平滑化処理を行う。MHT
エリア設定部28は、上述したMHTエリア抽出部27
でのMHTエリア抽出結果に基づいて、最終的に、MH
Tエリアを決定する。なお、高密度エリア抽出処理も低
検出率エリア抽出処理も行われない通常処理では、MH
Tエリアの新たな設定は行われず、既に高密度エリア抽
出処理又は低検出率エリア抽出処理で設定されているM
HTエリアに基づいて、MHTエリアのプロットについ
ては後述するMHT処理部32がMHT処理を行い、単
一追尾エリアのプロットについては単一追尾処理部33
が単一追尾処理を行う。
【0032】相関判定処理部3は、MHTエリア設定処
理部2によるエリア設定に基づいて、入力されたプロッ
トの位置がMHT処理エリア内にあるか、又は単一追尾
処理エリア内にあるかを判定するエリア判定部31と、
MHT処理を行うMHT処理部(多重仮定追尾処理手
段)32と、単一追尾処理を行う単一追尾処理部(単一
追尾処理手段)33とを有している。MHT処理部32
は、追尾している各目標と、ある時刻に得られた複数の
プロットとの間の相関関係の有無をそれぞれ判定し、追
尾目標に対して相関関係があるすべてのプロットを選択
し、追尾目標データベース4に記憶する。MHT処理部
32は、追尾目標に対して相関関係がある複数のプロッ
トのなかから、最も信頼度の高いプロットを選択して相
関確立する。MHT処理部32は、相関確立するプロッ
トが得られなかった場合には、過去の観測データを参照
し、記憶されている相関関係のうち、これまでに選択さ
れた相関関係を除いて最も信頼度が高い相関関係を選択
し、新たに相関確立して追尾を継続する。MHT処理部
32は、相関確立され、追尾目標のものである判断され
たプロットの位置情報に基づき、測定誤差を軽減するた
めの平滑化処理を施して追尾目標の位置、速度情報を更
新するとともに、追尾目標の次回更新時の予測位置を求
める予測処理を行う。
【0033】単一追尾処理部33は、追尾目標と、ある
時刻に得られた複数のプロットとの間の相関関係の有無
をそれぞれ判定し、追尾目標に対して相関関係があるす
べてのプロットを選択し、追尾目標に対して相関関係が
あるすべてのプロットのうち、最も信頼度の高いプロッ
トを選択し、相関確立を行う。単一追尾処理部33は、
追尾目標に対して相関関係があるプロットであったとし
ても、この最も信頼度の高いプロット以外のプロットは
棄却する処理を行う。また、単一追尾処理部33は、M
HT処理部32と同様に、平滑化処理、更新処理及び予
測処理を行う。
【0034】追尾目標データベース4は、設定されたM
HT処理エリアや単一追尾処理エリア、追尾処理で得ら
れた相関関係、追尾目標の次回更新時刻での予測位置等
を記憶する。上記追尾処理装置1は、CPU(中央処理
装置)と、ROMやRAM等の内部記憶装置と、FDD
(フレキシブルディスクドライバ)、HDD(ハードデ
ィスクドライバ)、CD−ROMドライバ等の外部記憶
装置と、キーボードやマウス等の入力装置と、表示装置
とを有するコンピュータによって構成されている。ま
た、FD(フレキシブルディスク)やHD(ハードディ
スク)やCD−ROM等の記録媒体には、MHTエリア
設定プログラムや、MHT処理プログラム、単一追尾処
理プログラムのほか、観測エリアの位置座標に対応した
標高情報からなる地形情報データ等の目標以外の電波反
射体の位置情報が記録されている。記録媒体は、半導体
メモリその他の記録媒体であっても良い。追尾処理プロ
グラムは、記録媒体からコンピュータに読み込まれ、コ
ンピュータの動作を制御する。コンピュータは、追尾処
理プログラムが起動すると、MHTエリア設定処理部、
相関判定処理部、追尾目標データベースとして機能す
る。
【0035】次に、図4乃至図10を参照して、上記構
成の追尾処理装置1の動作について説明する。MHTエ
リア設定処理部2には、図4に示すように、所定の時刻
,ti+1,…,t,tj+1,…,t,t
k+1,…,t,tp+1,…,t,tq+1
…,t,tr+1,…に、検出されたプロット情報が
入力される。さらに操作員が、設定入力部5を用いて、
任意のMHT処理エリアや単一追尾処理エリアを設定し
た場合には、そのエリア情報が入力される。MHTエリ
ア設定処理部2は、予め指定された一定時間間隔(設定
期間tb1、tb2)で、プロット情報や目標検出状況
に応じて、自動的に設定されたMHT処理エリアの見直
しを行う。見直しの結果、エリア設定の変更があった場
合は、その情報を相関判定処理部3へ送信する。
【0036】相関判定処理部3には、MHTエリア設定
処理部2からのエリア設定情報と、検出されたプロット
情報とが入力され(ステップSA11(図5
(a)))、さらに、相関判定処理部3は追尾中の目標
情報を追尾目標データベース4から読み出して、相関判
定処理を行う。このとき、エリア判定部31は、追尾目
標に対して複数のプロットと相関関係がある場合には、
当該プロットの位置がMHT処理エリア内にあるか、又
は単一追尾処理エリア内にあるかを判定する(ステップ
SA12)。このプロットの位置がMHT処理エリア内
にある場合には、従来の技術の項で説明したように、M
HT処理部32がMHT処理を行い(ステップSA1
3)、さらにステップSA16で次回プロット情報の入
力を待つ。
【0037】また、上記プロットの位置が単一追尾処理
エリア内にある場合は、単一追尾処理部33が単一追尾
処理を行う((ステップSA14)。ここで、低検出率
エリア抽出部13が低検出率エリア抽出処理によるMH
Tエリア設定を行っている場合は、ステップSA15
で、相関プロットの有無を判断して、相関プロット無し
の場合は、目標位置の外そう処理を行い、外そう情報を
低検出率エリア抽出部13へ送信する。さらにステップ
SA16で次回プロット情報の入力を待つ。この単一追
尾処理は、従来から一般的な追尾処理において用いられ
る技術であり、時刻タイミング毎に得られるプロットか
ら最も信頼度の高いプロットを選出して相関確立する点
ではMHT処理と同様であるが、相関確立しなかったプ
ロットについては、それ以降の時刻タイミングでは、当
該追尾目標に対する相関関係を求めることはない。
【0038】このため、ある時刻タイミングにおいて相
関確立するプロットが得られなかった場合でも、MHT
処理のように、過去に遡って別の相関関係を選択するよ
うな処理は行わない。このように、相関確立したプロッ
トから常に追尾目標の更新位置を1つだけ求める処理で
あるため、MHT処理に比較して大幅に計算処理負荷は
軽減される。MHT処理又は単一追尾処理の結果、相関
確立した追尾目標とプロットから最新の追尾目標位置を
算出して、その結果を追尾目標データベース4に記録す
る。MHT処理の場合は、相関確立しなかったプロット
との相関関係も追尾目標データベース4に記録する。
【0039】MHTエリア設定処理部2で自動的に設定
するMHT処理エリアは、プロットの密度が高いエリア
と目標の検出率が低いエリアを抽出して設定している。
プロットの密度が高い場合、複数の追尾目標が密集して
存在している状態と、様々な要因によって追尾目標のも
のではない偽プロットが多数発生している状態がある。
このような状態では、目標が他目標のプロットや偽プロ
ットと誤って相関確立し、他目標への追尾の乗り移りや
追尾はずれが発生する可能性が高くなるため、このよう
なエリアでは、MHT処理が必要となる。また、クラッ
タ状況や電波伝搬状況により、目標の検出率が低下し、
真のプロットを検出できない可能性が高くなる場合があ
る。真のプロットが検出できなかった時刻タイミング
に、他目標のプロットや偽プロットと誤って相関確立し
てしまう場合があり、このようなエリアでもMHTの処
理が必要となる。
【0040】高密度エリア抽出部12では、例えば、前
回の高密度エリア抽出処理によるMHTエリア設定か
ら、設定が有効な設定期間tb1(図4参照)を越えた
場合に、MHTエリア設定処理が実行される。高密度エ
リア抽出部12は、ステップSB11(図5(b))
で、プロット情報を受け取ると、プロット情報の蓄積処
理を行い(ステップSB12)、ステップSB13に進
み、蓄積時間ta1経過したか否か判断する。蓄積時間
a1経過した場合は、ステップSB14に進み、経過
していない場合は、ステップSB11に戻る。ステップ
SB14では、MHTエリアの設定を行い、前回の設定
を更新し、ステップSB15で、蓄積時間ta1をリセ
ットして、ステップSB11に戻る。
【0041】低検出率エリア抽出部13では、例えば、
前回の低検出率エリア抽出処理によるMHTエリア設定
から、設定が有効な設定期間tb2(図4参照)を越え
た場合に、MHTエリア設定が行われる。低検出率エリ
ア抽出部13は、ステップSB21(図5(c))で、
単一追尾処理部33が、単一追尾処理を行った場合に、
相関プロットがないときに、単一追尾処理部33から外
そう情報を受け取る。次に、ステップSB22で、外そ
う位置情報の蓄積を行い、ステップSB23で、蓄積時
間ta2経過したか否か判断する。蓄積時間ta2経過
した場合は、ステップSB24に進み、経過していない
場合は、ステップSA11に戻る。ステップSB24で
は、MHTエリアの設定を行い、前回の設定を更新し、
ステップSB25では、蓄積時間ta2をリセットす
る。この後、ステップSA11に戻る。上記高密度エリ
ア抽出処理又は低検出率エリア抽出処理によるMHTエ
リア設定の結果、エリア設定情報が前回の情報から変更
された場合は、この情報は相関判定処理部3へ送信され
る。
【0042】MHT処理エリアや単一追尾処理エリア
は、操作員が任意に設定することもできる。より確実な
追尾の継続が要求されるようなエリアが存在する場合
に、操作員が設定入力部5からMHT処理エリアを任意
に設定する。また、目標の検出率が低下するが、MHT
処理を必要としないエリア、例えば、目標を探知するセ
ンサの検出能力が限界となる遠方においては、目標の検
出率は低下する。このようなエリアではMHT処理エリ
アが自動的に設定される可能性が高いが、操作員がこの
よな遠方での目標の追尾継続は必要ないと判断した場合
には、MHT処理エリアを解除して、単一追尾処理エリ
アとすることができる。
【0043】次に、図6を参照して、MHTエリア設定
処理部におけるプロット密度によるMHT処理エリアの
設定フローについて詳細に説明する。図6に示すよう
に、ステップSC11で、高密度エリア抽出部12で
は、センサ等からの時刻タイミング毎に検出されたプロ
ット情報が入力されると、プロット情報蓄積部16が、
受け取ったプロット情報を追尾目標データベース4に一
旦記憶する(ステップSC12)。ステップSC13で
は、プロット情報蓄積部16が、所定の蓄積時間ta1
が経過したか否か判断し、経過していない場合は、ステ
ップSC11へ戻ってプロット情報の入力が継続され、
経過した場合は、ステップSC14へ進む。蓄積時間t
a1経過後は、図7(a)に示すように、プロットが得
られる。次に、ステップSC14で、密度算出部17
が、所定の観測エリア51内の各単位エリア52あたり
のプロット数を求め、プロット密度を算出する。
【0044】次に、ステップSC15で、閾値判定部1
8が、各単位エリア52についてプロット密度が所定の
閾値を越えているか否かを判定する。これにより、MH
T処理の対象となるか否か判断する。次に、ステップS
C16で、MHTエリア抽出部19が、平滑化処理を行
う。この平滑化処理は、以下のような理由で行われる。
すなわち、MHT処理による計算負荷の低減を効果的に
実施するためには、単位エリアの面積を小さくして、M
HT処理が必要なエリアをより正確に限定する必要があ
る。しかし、プロットの分布は均一ではないため、単位
エリアの面積を小さくした場合に、閾値判定部18によ
る判定結果は、プロット密度が高い範囲内では、すべて
の単位エリアがMHT処理対象と判定されない可能性が
高くなる。
【0045】MHTによる追尾処理は、継続的に実施す
ることでその効果を現すものであるため、プロット密度
が高いエリアでは、プロットの分布を平滑化して、その
範囲内の単位エリアはMHT処理対象と判定させる必要
がある。こうして、MHTエリア抽出処理を、観測エリ
アの全体に亘って実行する。これによって、MHTエリ
アを必要な箇所のみに設定するために単位エリア52の
面積を小さくした場合であっても、例えば、MHTエリ
アと単一追尾エリアとが斑模様に設定され、MHT処理
と単一追尾処理とが頻繁に切り替わることが防止され
る。次に、ステップSC17で、MHTエリア設定部2
1が、上述したMHTエリア抽出部19でのMHTエリ
ア抽出結果に基づいて、最終的に、MHTエリア54を
決定する。最終決定後,このMHTエリアが前回のMH
Tエリアに代えて採用される。
【0046】次に、図7及び図8を参照して、閾値判定
処理及びMHTエリア抽出処理の具体例について説明す
る。蓄積時間ta1経過後は、図7(a)に示すよう
に、プロットの分布が得られる。ステップSC15で
は、閾値判定部18が、各単位エリア52についてプロ
ット密度が所定の閾値を越えているか否かを判定する。
例えば、MHT処理が必要であると判定する閾値を単位
エリアあたりプロット2つ以上と設定する。この閾値判
定結果から、図7(b)に示すように、プロット数が2
以上の単位エリア52をMHT処理を行うMHTエリア
候補52aとして選出する。次に、ステップSC16
で、MHTエリア抽出部19が、平滑化処理を行う。ま
ず、図8(a)に示すように、2×2個の単位エリア5
2を囲む観測エリア51内で移動可能なスライディング
ウィンドウ53を設定する。このスライディングウィン
ドウ53の大きさは、単位エリアの大きさやプロットの
分布状況によって、適切なものを設定する。ここで、図
8(a)に示すように、例えばスライディングウィンド
ウ53内で2個以上の単位エリア52がMHTエリア候
補52aとして選定されていた場合は、このスライディ
ングウィンドウ53内の単位エリアを全てMHTエリア
候補52aとする。すなわち、MHT処理エリアを決定
する判定条件として、スライディングウィンドウ53内
のMHTエリア候補52aを2つ以上とし、平滑処理結
果として、スライディングウィンドウ53内のすべての
単位エリアがMHT処理対象とされる。
【0047】次に、MHTエリア抽出部19は、図8
(b)に示すように、スライディングウィンドウ53
を、1単位エリア52分右に並行移動させ、同様に処理
を行う。図8(b)の例では、スライディングウィンド
ウ53内のMHTエリア候補52aが1つだけであるた
めに、このスライディングウィンドウ53内のすべての
単位エリアは、非MHTエリア候補とされる。すなわ
ち、平滑処理結果として、スライディングウィンドウ5
3内のすべての単位エリアがMHT処理対象外とされ
る。なお、処理結果が重なったエリアについては、MH
Tエリア候補52aとされた結果を優先させる。図8
(c)の例では、図8(b)に示すスライディングウィ
ンドウ53をさらに、1単位エリア52分右に並行移動
させて、同様に処理を行った結果である。このMHTエ
リア抽出処理は、観測エリアの全体に亘って実行され
る。これによって、MHTエリアを必要な箇所のみに設
定するために単位エリア52の面積を小さくした場合で
あっても、例えば、MHTエリアと単一追尾エリアとが
斑模様に設定され、MHT処理と単一追尾処理とが頻繁
に切り替わることが防止される。次に、ステップSC1
7で、MHTエリア設定部21が、上述したMHTエリ
ア抽出部19でのMHTエリア抽出結果に基づいて、最
終的に、図7(c)に示すように,MHTエリア54を
決定する。最終決定後,このMHTエリアが前回のMH
Tエリアに代えて採用される。
【0048】次に、図9を参照して、主としてMHTエ
リア設定処理部における目標検出状況によるMHT処理
エリアの設定フローについて詳細に説明する。ここで
は、目標の検出率が低い領域に対して自動的にMHT処
理エリアを設定する。相関判定処理部3において、セン
サ等からの時刻タイミング毎に検出されたプロット情報
が入力されると(ステップSD11(図9))、ステッ
プSD12で、MHTエリア設定処理部2によるエリア
設定に基づいて、エリア判定部31が、今回入力された
プロットがMHTエリアにあるか否か判断する。相関判
定を行うプロットがMHTエリアにある場合は、ステッ
プSD13へ進み、プロットがMHTエリアにない場合
は、ステップSD14へ進む。
【0049】ステップSD13では、エリア判定部31
は、プロット情報をMHT処理部32へ送る。MHT処
理部32は、プロット情報を受け取ると、MHT処理を
行う。この後、ステップSD11へ戻る。ステップSD
14では、エリア判定部31は、プロット情報を単一追
尾処理部33へ送る。単一追尾処理部33は、プロット
情報を受け取ると、単一追尾処理を行う。ステップSD
15では、単一追尾処理部33は、相関プロットの有無
を判断して、相関プロット無しの場合は、ステップSD
16へ進み、目標位置の外そう処理を行う。すなわち、
単一追尾処理部33は、追尾目標の位置を、現在の目標
の速度ベクトルを用いて外そう更新する。ステップSD
15で、追尾目標と相関確立するプロットが存在して目
標の更新処理が行われれば、ステップSD11へ戻っ
て、次のプロット情報入力へ移る。
【0050】低検出率エリア抽出部13では、検出状況
認識部22が、単一追尾処理部33で、相関プロット無
しと判定されたか否かを調べる。すなわち、「相関プロ
ット無し」と判定された場合とは、入力されたプロット
のなかで追尾目標との相関があるプロットがないと判定
され、例えば入力されたプロットが全て偽プロットであ
ると判定されたような場合である。相関プロットがない
場合は、外そう情報入力部23が、単一追尾処理部33
から外そう情報を受け取る。
【0051】次に、ステップSD17で、外そう情報蓄
積処理部24が、外そう更新処理が発生したプロットの
位置情報の蓄積処理を行う。すなわち、プロットの位置
情報を追尾目標データベース4に蓄積する。次に、ステ
ップSD18で、外そう情報蓄積処理部24は、所定の
蓄積時間t a2経過したか否か判断し、蓄積時間ta2
経過した場合はステップSD19へ進み、蓄積時間t
a2経過していない場合は、ステップSD11へ戻る。
こうして、予め定められた蓄積時間ta2外そう位置情
報の蓄積を行う。ステップSD19以降の手順は、高密
度エリア抽出処理における処理手順と略同一であるので
簡略に述べる。
【0052】ステップSD19では、密度算出部25
が、観測エリア51内の各単位エリア52について、外
そう処理の結果得られた追尾目標の位置に基づいて、外
そう箇所の数を求め、外そう箇所の密度を算出する。次
に、ステップSD20で、閾値判定部26が、各単位エ
リア52について外そう箇所の密度が所定の閾値を越え
ているか否かを判定し、MHT処理を行うMHTエリア
候補を選出する。次に、ステップSD21で、MHTエ
リア抽出部27が、平滑化処理を行う。次に、ステップ
SD22で、MHTエリア設定部28は、上述したMH
Tエリア抽出部27でのMHTエリア抽出結果に基づい
て、最終的に、MHTエリアを決定する。
【0053】次に、図10を用いて、エリアの設定例に
ついて説明する。図10に示すように、2つの追尾目標
61A、62Aを追尾しており、現時刻タイミングにお
ける追尾目標61Aに対する真のプロット61と、追尾
目標62Aに対する真のプロット62が存在しているも
のとする。また、これら以外に、偽プロット63、6
3、…が多数存在している。ここで、上述したように、
予め、高密度エリア抽出処理及び低検出率エリア抽出処
理で、MHTエリアの設定が行われ、この結果、図10
に示すように、観測エリア51内に、MHTエリア54
a、54bが設けられる。
【0054】例えば、MHTエリア54aは、プロット
密度が比較的高いために、MHTエリア設定処理部2に
よって設定されたエリアであり、MHTエリア54b
は、例えばクラッタの影響や電波伝搬状況の悪化によ
り、単一追尾処理において追尾目標と相関確立するプロ
ットが検出されず、追尾目標位置の外そう更新が多発し
たことにより、MHTエリア設定処理部2によって設定
されたエリアである。MHTエリア54a、54b以外
の領域は、単一追尾エリア55とされる。追尾目標61
Aは、MHTエリア54aの中にあり、真のプロット6
1と多数の偽プロット63、63、…が混在している。
ここで、追尾目標61Aと真のプロット61とを含めた
複数のプロットとの相関関係があった場合には、MHT
処理によって追尾目標61Aと相関確立するプロットを
選択するとともに、その他のプロットとの相関関係も求
めて、その結果が保持される。
【0055】このエリアのように、多数の偽プロット6
3、63、…が存在する場合、追尾目標61Aが偽プロ
ット63と誤相関する可能性が高くなる。しかし、MH
Tによる多重相関処理によって、誤相関による追尾はず
れが発生しても追尾継続が可能となる。また、追尾目標
62Aは、単一追尾エリア55の中にあり、真のプロッ
ト62と多数の偽プロット63、63、…が混在したエ
リアにある。ここで、追尾目標62Aと真のプロット6
2とを含めた複数のプロットとの相関関係があった場合
には、単一追尾処理によって追尾目標62Aと相関確立
するプロットを選択する。このエリアでは、偽プロット
63、63、…は存在するものの、MHT処理エリアと
比較してその数は少ないため、誤相関の可能性も低くな
る。したがって、このエリアでは、相関確立したプロッ
ト以外の相関関係を求めたり記憶する処理は行わない。
【0056】このように、この例の構成によれば、MH
Tエリア設定処理部2が、観測エリア51をMHT処理
エリア54又は単一追尾処理エリア55に区分して設定
し、追尾目標を含むエリアが設定したMHT処理エリア
に属するか又は単一追尾処理エリアに属するかによっ
て、MHT処理と単一追尾処理とを切り換え、必要なエ
リアのみMHT処理を行って目標を追尾するように構成
したので、目標追尾の正確性及び確実性を損なうことな
く、追尾処理に要する計算量と記憶容量とを低減するこ
とができる。したがって、容易にリアルタイムで追尾処
理を行うことができ、追尾処理に必要なハードウェアの
規模を縮小し、コストを低減することができる。また、
観測エリア51における観測状況を的確に把握して自動
的にMHT処理と単一追尾処理とを切り換えて、追尾処
理を行うように構成されているので、操作者の操作上の
負担を軽減することができる。
【0057】以上、この発明の実施例を図面を参照して
詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られる
ものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計
の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、電波
による位置情報等を受け取る場合に限らず、例えば追尾
目標から到来する赤外線や音波(超音波)を検知するセ
ンサに接続して用いても良い。
【0058】また、高速で移動する航空機等の飛翔体の
追尾処理に用いて好適であるが、航空機等に限らず、船
舶や車両等の追尾処理にも用いることができる。また、
この追尾処理装置は固定とは限らず、航空機や船舶、車
両等の移動体に搭載して用いても良い。また、上述した
実施例で、MHT処理や単一追尾処理は、α−β追尾に
よって行っても良いが、加速度を考慮したα−β−γ追
尾によっても良いし、また、カルマンフィルタ等の最適
フィルタを用いた処理によって行うようにしても良い。
また、追尾状況や観測対象箇所によって切り換えるよう
にしても良い。
【0059】また、最初にMHT処理エリアを設定して
も良いし、単一追尾処理エリアを最初に設定するように
しても良い。また、最初に目標の検出率に基づいてMH
T処理エリアを設定し、この後にプロット密度に基づい
てMHT処理エリアを設定するようにしても良い。ま
た、MHT処理エリアを設定する際、プロット密度のみ
に基づいて行っても良い。また、プロット密度、目標の
検出率によるMHT処理エリアの設定は、別々に行って
も良いし、並行して行うようにしても良い。また、遠方
のエリアを自動的に単一追尾処理エリアに設定するよう
にしても良い。また、例えば気象条件等を予測し、MH
T処理エリアの設定箇所をスケジュール管理するように
しても良い。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、領域設定手段が、観測領域の中で、多重仮定追尾領
域を必要に応じて設定し、多重仮定追尾処理手段が、多
重仮定追尾領域の観測データに対して多重仮定追尾処理
を施すので、正確かつ確実に目標の追尾を実行すること
ができるとともに、追尾処理に要する計算量と記憶容量
とを低減して、容易にリアルタイムで追尾処理を行うこ
とができ、追尾処理に必要なハードウェアの規模を縮小
し、コストを低減することができる。また、多重仮定追
尾処理手段による多重仮定追尾処理と、単一追尾処理手
段による単一追尾処理とを、自動的に切り換えて追尾処
理を行うので、操作者の操作上の負担を軽減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である追尾処理装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】同追尾処理装置のMHTエリア設定処理部の構
成を示すブロック図である。
【図3】同追尾処理装置の相関判定処理部の構成を示す
ブロック図である。
【図4】同追尾処理装置の動作を説明するための説明図
である。
【図5】同追尾処理装置の動作処理手順を示すためのフ
ローチャートである。
【図6】同追尾処理装置の動作処理手順を示すためのフ
ローチャートである。
【図7】同追尾処理装置の動作を説明するための説明図
である。
【図8】同追尾処理装置の動作を説明するための説明図
である。
【図9】同追尾処理装置の動作処理手順を示すためのフ
ローチャートである。
【図10】同追尾処理装置の動作を説明するための説明
図である。
【図11】従来技術を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 追尾処理装置 2 MHTエリア設定処理部 3 相関判定処理部 4 追尾目標データベース 5 設定入力部(入力手段) 12 高密度エリア抽出部(領域設定手段) 13 低検出率エリア抽出部(領域設定手段) 16 プロット情報蓄積部 17 密度算出部 18 閾値判定部 19 MHTエリア抽出部 21 MHTエリア設定部 22 検出状況認識部 23 外そう情報入力部 24 外そう情報蓄積処理部 25 密度算出部 26 閾値判定部 27 MHTエリア抽出部 28 MHTエリア設定部 31 エリア判定部 32 MHT処理部(多重仮定追尾処理手段) 33 単一追尾処理部(単一追尾処理手段) 51 観測エリア(観測領域) 52 単位エリア 54 MHT処理エリア(多重仮定追尾領域) 55 単一追尾処理エリア(単一追尾領域) x,y プロット位置

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出された位置情報としての複数のプロ
    ットを含む所定の観測領域の観測データを受け取り、目
    標を追尾する追尾処理装置であって、 前記観測領域の中で、多重仮定追尾処理を行う多重仮定
    追尾領域を必要に応じて設定する領域設定手段と、前記
    領域設定手段によって設定された前記多重仮定追尾領域
    の観測データに対して前記多重仮定追尾処理を施す多重
    仮定追尾処理手段とを備えたことを特徴とする追尾処理
    装置。
  2. 【請求項2】 前記領域設定手段は、前記プロットの密
    度が比較的高い領域を前記多重仮定追尾領域として設定
    することを特徴とする請求項1記載の追尾処理装置。
  3. 【請求項3】 前記領域設定手段は、前記目標の検出率
    が比較的低い領域を前記多重仮定追尾領域として設定す
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の追尾処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記領域設定手段は、気象条件に基づい
    て前記多重仮定追尾領域を設定することを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の追尾処理装置。
  5. 【請求項5】 前記領域設定手段は、前記観測領域のう
    ち、前記多重仮定追尾領域以外の領域を、常に唯一の相
    関目標を選出してその目標のみの位置を更新する単一追
    尾処理を行う単一追尾領域として設定し、 前記単一追尾領域の前記観測データに対して前記単一追
    尾処理を施す単一追尾処理手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれか1に記載の追尾処理装置。
  6. 【請求項6】 操作者の指示に応じて前記多重仮定追尾
    領域を設定するための入力手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれか1に記載の追尾処理装置。
  7. 【請求項7】 検出された位置情報としての複数のプロ
    ットを含む所定の観測領域の観測データを受け取り、目
    標を追尾する追尾処理方法であって、 前記観測領域の中で、多重仮定追尾処理を行う多重仮定
    追尾領域を必要に応じて設定する領域設定ステップと、
    前記領域設定ステップで設定した前記多重仮定追尾領域
    の観測データに対して前記多重仮定追尾処理を施す多重
    仮定追尾処理ステップとを含むことを特徴とする追尾処
    理方法。
  8. 【請求項8】 前記領域設定ステップでは、前記プロッ
    トの密度が比較的高い領域を前記多重仮定追尾領域とし
    て設定することを特徴とする請求項7記載の追尾処理方
    法。
  9. 【請求項9】 前記領域設定ステップでは、前記目標の
    検出率が比較的低い領域を前記多重仮定追尾領域として
    設定することを特徴とする請求項7又は8記載の追尾処
    理方法。
  10. 【請求項10】 前記領域設定ステップでは、気象条件
    に基づいて前記多重仮定追尾領域を設定することを特徴
    とする請求項7、8又は9記載の追尾処理方法。
  11. 【請求項11】 前記領域設定ステップでは、前記観測
    領域のうち、前記多重仮定追尾領域以外の領域を、常に
    唯一の相関目標を選出してその目標のみの位置を更新す
    る単一追尾処理を行う単一追尾領域として設定し、 前記単一追尾領域の前記観測データに対して前記単一追
    尾処理を施す単一追尾処理ステップを含むことを特徴と
    する請求項7乃至10のいずれか1に記載の追尾処理方
    法。
  12. 【請求項12】 操作者の指示に応じて前記多重仮定追
    尾領域を設定するための入力ステップを含むことを特徴
    とする請求項7乃至11のいずれか1に記載の追尾処理
    方法。
  13. 【請求項13】 コンピュータに請求項7乃至12のい
    ずれか1に記載の追尾処理方法を実行させることを特徴
    とする追尾処理プログラム。
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