JP2003055727A - 高強度アルミニウムブレージングシート及びそれを使用した熱交換器 - Google Patents
高強度アルミニウムブレージングシート及びそれを使用した熱交換器Info
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Abstract
両面における優れたろう付性とを実現したろう付性が優
れた高強度アルミニウムブレージングシート及びそれを
使用した熱交換器を提供する。 【解決手段】 Mn:0.5乃至2.0質量%、Mg:
0.05乃至0.3質量%を含む芯材(1,10)の一
方の面に、Al−Si系又はAl−Si−Zn系合金ろ
う材(2,12)が積層され、他方の面にMnを0.5
乃至2.0質量%を含み、Mgの含有量が0.1質量%
未満であるAl−Mn系合金からなる皮材3が積層され
ている。
Description
ータコア等の自動車用熱交換器部材等に使用されるろう
付性が優れた高強度アルミニウムブレージングシート及
び熱交換器に関し、特にヘッダ材及び補強材等の部材に
好適な高強度アルミニウムブレージングシート及びそれ
を組み込んだ熱交換器に関する。
されるアルミニウムブレージングシートは、芯材にJI
S3003合金等のAl−Mn系合金を使用し、その一
方の面にJIS4343又は4045合金等のAl−S
i系合金からなるろう材をクラッドした2層材、又は、
前記芯材の他方の面にJIS7072合金等のAl−Z
n系合金からなる皮材をクラッドした3層材が使用され
ている。これらの芯材に使用されるJIS3003芯材
のろう付後強度は高々110乃至120MPa程度であ
り、自動車用熱交換器の補強材としては、更に一層の高
強度化が要求されている。
て高強度化する技術が提案されている(特開平5−23
0575号公報)。この技術では、芯材中に添加したM
gが、ろう付加熱時に、ろう材から拡散するSiと共に
時効硬化に寄与することにより、強度の向上が図られ
る。
うに、皮材にTi−Mn−Mg−Znを添加して高強度
化を図ったチューブ用材料も提案されている。
の適用部位及び熱交換器の構造によっては、補強材を構
成するアルミニウムブレージングシートの両面でろう付
が行われる。この場合に、ろう材がない面(以下、反対
面という)には、別途ろう材及びフラックスが供給され
て、ろう付がされる。図1はアルミニウムブレージング
シートをT字状にろう付けする方法を示す図である。水
平のブレージングシートにおいては、芯材10の上面上
にろう材12が積層されており、垂直のブレージングシ
ートにおいては、芯材1の片面にろう材2が積層され、
他方の面に皮材3が積層されている。そして、水平ブレ
ージングシートのろう材12と垂直ブレージングシート
のろう材2とがそのままろう付けされると共に、皮材3
はろう材12によってろう付けがなされる。なお、ろう
付けされる隅部には、フィレット4,5が形成される。
特開平5−230580号公報に記載されたブレージン
グシートは、反対面は皮材であり、高濃度のMgが存在
するため、フッ化物系フラックスでろう付を行う際に
は、このMgと供給されたフラックスとが反応し、高融
点のフッ化物を形成してしまい、ろう付が著しく阻害さ
れるという問題点があった。
のであって、ろう付後の高強度と、ろう材面及び皮材面
の両面における優れたろう付性とを実現したろう付性が
優れた高強度アルミニウムブレージングシート及びそれ
を使用した熱交換器を提供することを目的とする。
ミニウムブレージングシートは、Mn:0.5乃至2.
0質量%、Mg:0.05乃至0.3質量%を含有する
芯材と、この芯材の一方の面に積層されAl−Si系合
金又はAl−Si−Zn系合金からなるろう材層と、前
記芯材の他方の面に積層されMnを0.5乃至2.0質
量%を含有し、Mgの含有量が0.1質量%未満である
Al−Mn系合金からなる皮材とを有することを特徴と
する。
トにおいて、前記芯材は、更に、Si:0.3乃至1.
0質量%、及びCu:0.3乃至1.0質量%からなる
群から選択された少なくとも1種を含有することができ
る。
0.3質量%、Zr:0.05乃至0.3質量%、及び
Ti:0.05乃至0.3質量%からなる群から選択さ
れた少なくとも1種を含有することができる。
至1.0質量%、及びCu:0.3乃至1.0質量%か
らなる群から選択された少なくとも1種を含有すること
ができる。
0.3質量%、Zr:0.05乃至0.3質量%、及び
Ti:0.05乃至0.3質量%からなる群から選択さ
れた少なくとも1種を含有することができる。
量%を含有することができる。
1乃至6のいずれか1項に記載のアルミニウムブレージ
ングシートを使用し、これをフッ化物系フラックスを使
用する不活性雰囲気中でろう付けすることにより構成さ
れたものであることを特徴とする。
細に説明する。本発明では、芯材におけるろう材の反対
側の面に高強度の皮材層を積層することによって、ろう
付後の高強度と、ろう材面及び皮材面の両面の優れたろ
う付性とを実現したものである。
理由について説明する。
5質量%未満では強度が不足し、Mnが2.0質量%を
超えると、巨大な晶出物により圧延加工性が低下すると
共に、強度の向上効果が得られ難くなる。よって、Mn
の含有量は0.5質量%乃至2.0質量%とする。
添加するが、Mgの含有量が0.05質量%未満では強
度が向上せず、逆に0.3質量%を超えると、ろう付中
にろう材側及び皮材側の各表面までMgが拡散し、フラ
ックスと反応してMgのフッ化物を生成させ、ろう付性
を阻害する。このため、芯材中のMgの含有量は0.0
5乃至0.3質量%である必要がある。
含有量は0.1質量%以下にする必要があり、できるだ
け低いことが望ましい。皮材中のMg含有量が0.1質
量%以上では、このMgが供給されたフラックスと反応
し、高融点の化合物を形成してしまい、ろう付が著しく
阻害される。
加すると、各芯材及び皮材の強度を更に一層向上させる
ことができる。これらのSi及びCuは単独で添加して
も良いし、複合添加してもよい。しかし、Si及びCu
が夫々1.0質量%を超えると、芯材又は皮材の融点を
低下させてしまい、ろう付けが困難になる。このため、
芯材又は皮材にSi及びCuを添加する場合は、Si及
びCuの含有量は夫々0.3乃至1.0質量%とする。
また、Si及びCuは芯材又は皮材の一方のみに添加し
てもよいし、両方に添加してもよい。
果があるため、必要に応じて、芯材及び皮材に添加す
る。この場合に、Cr、Zr及びTiが夫々0.05質
量%未満では、その添加効果が少なく、逆にCr、Zr
及びTiが夫々0.3質量%を超えると、素材の成形性
を低下させる。このため、これらのCr、Zr及びTi
を添加する場合は、その添加量は0.05乃至0.3質
量%とすることが必要である。また、芯材及び皮材のい
ずれか一方にこれらの元素を添加してもよいし、双方に
添加してもよい。
電位を卑とし、芯材との電位差を確保でき、耐食性を更
に向上させる効果が得られる。このため、必要に応じ
て、皮材にZnを0.5乃至5質量%添加する。これ
は、特に、皮材側が厳しい耐食環境にある場合は、特に
有効である。Znは5質量%を超えると圧延加工性が劣
化するので好ましくない。
S4343等のAl−Si系合金又はAl−Si−Zn
系合金等の任意の材料を使用することができる。
ウムブレージングシートを製造し、その特性を比較例と
比較した結果について具体的に説明する。
材、芯材及び皮材は、下記表1乃至表4に示す組成とな
るように、溶解し、鋳造し、均熱処理した後、ろう材の
クラッド率が10%、犠牲材のクラッド率が5%となる
ように、各鋳塊を一定の厚さの板材に圧延した。その
後、ろう材、芯材及び皮材を積層させて450℃×1時
間に加熱し、その後、全体の厚さが3.5mmになるま
で熱間圧延した。その後、全体の厚さが1.5mmにな
るまで冷間圧延し、昇温速度及び降温速度を40℃/時
として、400℃×6時間の焼鈍を行い、ブレージング
シートを作製した。
いては、ろう付後強度は、ブレージングシートを幅10
0mm、長さ230mmのサイズに切断した後、不活性
雰囲気炉中で600℃×5分保持するろう付想定加熱を
施したものを、JISZ2201による引張り試験に供
した。
03/4343)の強度(110乃至120MPa)と
比較して、同程度の140MPa未満のものを×、14
0乃至160MPaで強度が優れたものを○、160M
Paを超え、遥かに高強度のものを◎とした。
で、ろう材側及び反対側(皮材側)のフィレット形成状
況を評価した。従来材(7072/3003/434
3)に対する比較として、ろう切れなどの発生が無くフ
ィレットが良好なものを◎、フィレットが少し小さいが
良好に形成されているものを○、ろう切れが発生し、更
にフィレット形成が極めて小さいものを×として相対評
価した。
乃至30はいずれもろう付後強度及びろう付性が優れて
いた。これに対して、比較例No.34は芯材のMg含有
量が本発明の上限値を超えているので、ろう材側のろう
付性が劣化した。比較例No.32は皮材のMg含有量が
本発明の上限値を超えているので、皮材側のろう付性が
劣化した。比較例No.33は芯材及び皮材のMg含有量
が本発明の上限値を超えているので、ろう材側及び皮材
側のろう付性が劣化した。比較例No.34は芯材のMg
含有量が本発明の上限値を超えているので、ろう材側の
ろう付性が劣化した。比較例No.35は芯材のMnの含
有量が本発明の上限値を超えているので、圧延加工性が
低下し、芯材に圧延割れが生じた。比較例No.36は芯
材のMnの含有量が本発明の下限値未満であるので、ろ
う付後の強度が不足した。比較例No.37は皮材のMn
の含有量が本発明の上限値を超えているので、圧延加工
性が低下し、皮材に圧延割れが生じた。比較例No.38
は皮材のMnの含有量が本発明の下限値未満であるの
で、ろう付後の強度が不足した。比較例No.39は皮材
のMg含有量が本発明の上限値を超えているので、皮材
側のろう付性が劣化した。
材中にMn及びMgを所定量添加し、皮材中にMnを所
定量添加し、皮材のMg量を規制しているので、高強度
で、かつ芯材の両面ともろう付性が優れたアルミニウム
ブレージングシートを得ることができる。また、芯材又
は皮材中に、Si及びCu又はCr、Zr及びTiを所
定量添加することにより、更に一層の強度の向上を図る
ことができる。更に、皮材中に、Znを所定量添加する
ことにより、耐食性を向上させることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 Mn:0.5乃至2.0質量%、Mg:
0.05乃至0.3質量%を含有する芯材と、この芯材
の一方の面に積層されAl−Si系合金又はAl−Si
−Zn系合金からなるろう材層と、前記芯材の他方の面
に積層されMnを0.5乃至2.0質量%を含有し、M
gの含有量が0.1質量%未満であるAl−Mn系合金
からなる皮材とを有することを特徴とする高強度アルミ
ニウムブレージングシート。 - 【請求項2】 前記芯材は、更に、Si:0.3乃至
1.0質量%、及びCu:0.3乃至1.0質量%から
なる群から選択された少なくとも1種を含有することを
特徴とする請求項1に記載の高強度アルミニウムブレー
ジングシート。 - 【請求項3】 前記芯材は、更に、Cr:0.05乃至
0.3質量%、Zr:0.05乃至0.3質量%、及び
Ti:0.05乃至0.3質量%からなる群から選択さ
れた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項
1又は2に記載の高強度アルミニウムブレージングシー
ト。 - 【請求項4】 前記皮材は、更に、Si:0.3乃至
1.0質量%、及びCu:0.3乃至1.0質量%から
なる群から選択された少なくとも1種を含有することを
特徴とする請求項1に記載の高強度アルミニウムブレー
ジングシート。 - 【請求項5】 前記皮材は、更に、Cr:0.05乃至
0.3質量%、Zr:0.05乃至0.3質量%、及び
Ti:0.05乃至0.3質量%からなる群から選択さ
れた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項
1又は4に記載の高強度アルミニウムブレージングシー
ト。 - 【請求項6】 前記皮材は、Zn:0.5乃至5質量%
を含有することを特徴とする請求項1、4又は5のいず
れか1項に記載の高強度アルミニウムブレージングシー
ト。 - 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
アルミニウムブレージングシートを使用し、これをフッ
化物系フラックスを使用する不活性雰囲気中でろう付け
することにより構成されたものであることを特徴とする
アルミニウム合金製熱交換器。
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JP2001244867A JP3984444B2 (ja) | 2001-08-10 | 2001-08-10 | 高強度アルミニウムブレージングシート及びそれを使用した熱交換器 |
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WO2012138042A1 (ko) | 2011-04-08 | 2012-10-11 | 한국기계연구원 | 박판 주조된 알루미늄 합금을 이용한 브레이징용 고강도 클래드 판재 및 이의 제조 방법 |
JP2013204892A (ja) * | 2012-03-28 | 2013-10-07 | T Rad Co Ltd | 耐圧強度に優れるタンク材及び熱交換器 |
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2001
- 2001-08-10 JP JP2001244867A patent/JP3984444B2/ja not_active Expired - Fee Related
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