JP2003055518A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JP2003055518A JP2001245191A JP2001245191A JP2003055518A JP 2003055518 A JP2003055518 A JP 2003055518A JP 2001245191 A JP2001245191 A JP 2001245191A JP 2001245191 A JP2001245191 A JP 2001245191A JP 2003055518 A JP2003055518 A JP 2003055518A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温で焼付けが可能で、印刷後に熟成する必
要が無く、印刷直後に耐溶剤性、耐薬品性等の諸耐性が
発現し、又硬化時にホルムアルデヒド等の有害ガスを発
生しない硬化システムを有し、諸耐性を有することから
使い分けする必要がなく、室温では極めて安定であり、
長時間にわたる印刷加工工程においても安定的に生産す
ることができるトップコート剤を提供すること。 【解決手段】 (1)アルコキシメチル(メタ)アクリ
ルアミド、(2)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート及び(メタ)アクリルアミドから選ばれる少なく
とも1種、及び(3)メタクリレートの少なくとも1種
を共重合してなる自己架橋性樹脂と、ワックス及び/又
はシリコーンを含有することを特徴とする硬化性樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001 】
【発明の属する技術分野】本発明は家具、建具、家電
品、住宅機器等の表面化粧用に使用される化粧紙又は化
粧シート、包装等に使用される紙/フィルム貼合紙、ア
ルミ/紙貼合紙、紙、プラスチック、アルミ、ガラス等
の表面に塗布して加熱処理することにより耐摩耗性、耐
擦傷性、耐溶剤性、耐薬品性及び耐候性に優れた艶有/
艶消塗膜等を形成することができる熱硬化性樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧紙又は化粧シートの表面保護
のためにアクリルポリオール系樹脂にイソシアネート系
硬化剤を併用して硬化させたウレタン系トップコート
剤、又はアミノアルキッド系樹脂等に有機酸系触媒を併
用して硬化させたメラミン系トップコート剤、そのほか
にはジアリルフタレート系樹脂や不飽和ポリエステル系
樹脂に過酸化物系触媒を併用して硬化させたDAP系ト
ップコート剤やポリエステル系トップコート剤が長年に
わたって使用されている。又、容器包装等の表面保護に
は内容物による劣化を防止する目的でラッカータイプの
コート層が設けられている。これらのトップコート剤は
完全硬化塗膜とすることにより、或いは内容物に耐性を
持つ樹脂を適宜選定することにより、耐候性、耐水性、
耐磨耗性及び耐薬品性等に優れた保護性能を有する化粧
紙又は化粧シート又は包装材料が提供されている。
【0003】このような表面保護コート層のうち反応性
基による硬化反応を利用したものは、ポリマー中の残存
(遊離)ヒドロキシル基やカルボキシル基を、イソシア
ネート化合物又はメラミン樹脂と反応させて架橋させる
タイプのものや、過酸化物系触媒を用いてラジカル的に
架橋させることにより硬化塗膜を得るタイプのものがあ
る。又、ラッカータイプのコート層としては、例えば、
耐油性、離型性等を有するポリアミド樹脂系、MMA
(メチルメタクリレート)を主成分とするメタクリル樹
脂系のコート材などを適宜使い分けて使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらイソシア
ネート系硬化剤を併用するコート剤は反応速度が遅く、
40℃〜80℃の雰囲気中で数日間熟成させる必要があ
り、コーティング直後には全く諸耐性を示さない。又、
メラミン系硬化剤を使用するコート剤では、反応速度は
速く、焼付け直後に十分な諸耐性を示す。しかし、メラ
ミン樹脂の硬化に伴い発生するホルムアルデヒドは塗
膜、又はその化粧紙中に残存し、それを使用した家具等
から除々に遊離することによりシックハウス症候群等の
弊害をもたらす問題がある。過酸化物系触媒を使用する
コート剤は反応速度が極めて速く、得られる塗膜も諸耐
性に優れている。しかし、反応が速すぎるため、印刷に
際しての粘度等の制御が難しく、均一な印刷物を安定的
に生産することは極めて困難である。ラッカータイプの
コート剤は、焼付け、熟成の必要は無いが、内容物にあ
わせて樹脂タイプを選定しなければならず極めて煩雑で
ある。
【0005】本発明は、上記従来技術の問題点を解消す
るためになされたものであり、本発明の目的は低温で焼
付けが可能で、印刷後に熟成する必要が無く、印刷直後
に耐溶剤性、耐薬品性等の諸耐性が発現し、又硬化時に
ホルムアルデヒド等の有害ガスを発生しない硬化システ
ムを有し、諸耐性を有することから基材によって使い分
けする必要がなく、室温では極めて安定であり、長時間
にわたる印刷加工工程においても安定的に生産すること
ができるトップコート剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究の結果、縮合によって自己架橋する
モノマーとしてアルコキシメチル(メタ)アクリルアマ
イド(自己縮合成分)と、2−ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリルアマイド等の活性
水素を含有するモノマーの少なくとも1種と(メタ)ア
クリレートを分子中に含有してなる自己架橋性重合体を
硬化性樹脂として含有する熱硬化性樹脂組成物は、硬化
剤を使用せずに加熱により容易に硬化し、耐溶剤性、耐
薬品性等の諸耐性を有する優れた塗膜を形成し得ること
を見いだし本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、(1)一般式 CH2
CR1CONHCH2OR2で表されるアルコキシメチル
(メタ)アクリルアミド、(2)一般式 CH2=CR1
COOCH2 CH2OHで表される2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート及び一般式 CH2=CR1CO
NH2で表される(メタ)アクリルアミドから選ばれる
少なくとも1種、及び(3)一般式 CH2=CCH3
OOR2で表されるメタクリレートの少なくとも1種を
共重合してなる自己架橋性樹脂(上記式中のR1は水素
原子又はメチル基を、R2は炭素数が1〜4のアルキル
基を表す。)とワックス及び/又はシリコーンを含有す
ることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
【0008】
【発明の実施の態様】次に本発明を詳細に説明する。本
発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂成分として縮合
によって自己架橋するモノマーを構成成分として含有す
る自己架橋性重合体を使用することが特徴である。本発
明の自己架橋性重合体を構成する自己架橋性モノマー
は、下記の一般式〔1〕で表されるアルコキシメチル
(メタ)アクリルアミドと、このモノマーと縮合反応し
て架橋を形成する成分である活性水素を有する下記の一
般式〔2〕で表される2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート及び一般式〔3〕で表される(メタ)アクリ
ルアミドから選ばれる少なくとも1種である。
【0009】 CH2=CR1CONHCH2OR2 〔1〕 CH2=CR1COOCH2CH2OH 〔2〕 CH2=CR1CONH2 〔3〕 (上記式中のR1は水素原子又はメチル基を、R2は炭素
数が1〜4のアルキル基を表す。)
【0010】上記一般式〔1〕で表されるアルコキシメ
チル(メタ)アクリルアミドは、具体的には、メトキシ
メチルアクリルアミド、エトキシメチルアクリルアミ
ド、ブトキシメチルアクリルアミド、メトキシメチルメ
タクリルアミド、エトキシメチルメタクリルアミド、ブ
トキシメチルメタクリルアミドである。このモノマーの
アルコキシメチル基は反応性に富み、以下に説明するモ
ノマーの活性水素原子と反応して架橋を形成するために
必要な成分である。
【0011】上記一般式〔2〕で表される2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレートは、重合体に、紙、金
属、ガラス、セラミックス、プラスチック等に対して優
れた接着性を賦与する成分である。又、このモノマーの
末端ヒドロキシル基の水素原子は反応性が高く、アルコ
キシメチル(メタ)アクリルアミドのアルコキシメチル
基と反応し易く、熱や紫外線によってこれらの基は縮合
反応を生じ、重合体は容易に自己架橋する。
【0012】上記一般式〔3〕で表される(メタ)アク
リルアミドは、アクリルアミド及びメタクリルアミドで
あり、アルコキシメチル基と縮合反応しやすいアミド基
の水素原子を有しており、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート同様、アルコキシメチルアクリルアミ
ドのアルコキシメチル基と縮合反応し、架橋を形成す
る。
【0013】従って、本発明の自己架橋性重合体には、
アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドと共に、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び(メタ)ア
クリルアミドの少なくともいずれか一方が重合体構成成
分として含まれていることが重合体が自己架橋性を有す
る上で必要である。
【0014】本発明の自己架橋性重合体を構成する他の
モノマーはメタクリレート(メタクリル酸アルキルエス
テル(アルキル基の炭素数は1〜4))であり、具体的
にはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレートである。このモノマーは、重合体に
高い硬度や耐熱性等、即ち、グラビア印刷時の乾燥性や
耐ブロッキング性を付与する成分である。
【0015】本発明の自己架橋性重合体は、その構成成
分である(1)アルコキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、(2)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
及び(メタ)アクリルアミドの少なくとも1種、及び
(3)メタクリレートの割合は特に限定されないが、自
己架橋性及び形成される被膜の諸耐性を考慮すれば、好
ましくは、(1)が1〜80重量%、更に好ましくは1
0〜50重量%、(2)が10〜80重量%、更に好ま
しくは20〜50重量%、(3)が10〜80重量%、
更に好ましくは20〜60重量%である。
【0016】本発明の自己架橋性重合体は、上記モノマ
ーを共重合することにより得られるが、重合方法は、特
に限定されない。得られる重合体の使用形態(溶液とし
て使用する)から溶液重合(ラジカル重合)が好まし
い。尚、本発明においては、必要により、本発明の主旨
が損なわれない範囲で上記のモノマーと共重合可能なモ
ノマーを更に共重合させることができる。重合に用いる
有機溶剤は、モノマー及び生成重合体を溶解する溶剤で
あれば特に限定されない。又、ラジカル重合開始剤も特
に限定されず、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル、1,1′−アゾビス−1−シクロヘキサンカ
ルボニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のア
ゾビス系重合開始剤、ベンゾイルパーオキシド、オクタ
ノイルパーオキシド、コハク酸パーオキシド、シクロヘ
キサノンパーオキシド、t−ブチルパーオキシアセテー
ト等の有機過酸化物重合開始剤等が挙げられる。
【0017】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記の自
己架橋性重合体を硬化性樹脂成分とし、ワックス及び/
又はシリコーンを配合してなるものである。ワックスと
しては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックス、テフロン(登録商標)ワックス、カルナウ
バワックス、木蝋、ステアリン酸アマイド、エルシル酸
アマイド、オレイン酸アマイド、ステアリン酸ビスアマ
イド、ステアリン酸アルミ、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げ
られ、これらは1種又は2種以上で使用される。シリコ
ーンとしては、例えば、従来公知のシリコンオイルやシ
ランカップリング剤、エチルシリケート、プロピルシリ
ケート、ブチルシリケート等のシリコンアルコキシド
〔Si(OR)4:Rは炭素数が1〜4程度のアルキル
基〕及びそれらの加水分解物等が挙げられ、これらは1
種又は2種以上で使用される。ワックス及び/又はシリ
コーンの使用割合は特に限定されないが、通常、自己架
橋性重合体に対して1〜10重量%である。少なすぎる
と被膜の表面保護性能が不充分となり、多すぎると被膜
表面がはじき現象等を起こしたり、被膜が不透明となる
場合がある。
【0018】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に
より顔料、抗菌・防黴剤、脱臭剤等の各種添加剤を必要
量含有させることができる。添加剤は特に限定されな
い。顔料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、
クレー、ベントナイト、アルミシリケート、硫酸バリウ
ム、酸化アルミ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシ
ウム、酸化鉄等が挙げられる。抗菌・防黴剤としては、
例えば、銀ゼオライト等の無機金属系、第四アンモニウ
ム系、キトサン等の天然物系、イミダゾール系、チアゾ
ール系、ヨード系、ブロム系、ニトリル系、フェノール
系、ハロアルキルチオ系、ピリジン系、トリアジン系、
両性界面活性剤系、ピグアナイド系等のものが挙げられ
る。脱臭剤としては、例えば、活性炭等の物理吸着系、
多価カルボン酸、グリオキザール、硫酸亜鉛等の化学吸
着系等が挙げられる。これらの添加剤は1種又は2種以
上で使用される。
【0019】本発明の自己架橋性重合体は、酸の共存下
で加熱すると、縮合反応がさらに促進され、熱硬化性を
高めることができる。又、ホルムアルデヒドを発生させ
ず活性水素と反応して架橋するイソシアネート系硬化
剤、エポキシ系硬化剤、アジリジン系硬化剤などを併用
し架橋密度を更に高めることも可能である。酸として
は、例えば、パラトルエンスルホン酸等の有機酸類、硝
酸等の無機酸類等が用いられる。
【0020】本発明においては、自己架橋性重合体と共
に、(イ)2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、アミノエチル(メタ)アクリレート及び(メタ)ア
クリル酸(アクリル酸、メタクリル酸)から選ばれる少
なくとも1種と、(ロ)(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル(アルキル基の炭素数は1〜4程度)及びスチレ
ンの少なくとも1種を共重合してなる樹脂を併用するこ
とで被膜の硬度、耐熱性や光沢等を向上させることがで
きる。この重合体は活性水素を有しているので自己架橋
性重合体と架橋を形成することができる。
【0021】好ましい重合体は上記の(イ)の2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリ
ル酸と(ロ)の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと
の共重合体であり、重量平均分子量(GPCで測定。標
準ポリスチレン換算)が10,000〜200,00
0、水酸基価が20〜250、酸価が2〜40、ガラス
転移温度(計算値)が40〜90℃となるようにこれら
のモノマーで構成した共重合体である。この共重合体
は、自己架橋性重合体に対して、通常、1〜50重量%
の範囲で使用される。この共重合体に加えて耐熱性を有
するセルロース系樹脂、ケトン系樹脂、及び石油系樹脂
の少なくとも1種の樹脂を使用することにより被膜の耐
熱性、耐ブロッキング性や光沢が改善される。耐熱性を
有する樹脂は、自己架橋性重合体に対して1〜20重量
%の範囲で使用することが好ましい。
【0022】本発明の硬化性樹脂組成物は、以上に説明
した硬化性樹脂成分である自己架橋性重合体及びその他
の成分を含む固形分が10〜50重量%程度の溶液とし
て使用される。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、相互に
縮合反応することにより自己架橋するアルコキシメチル
(メタ)アクリレートと、活性水素を有する2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート及び/又は(メタ)アク
リルアミドを構成成分として含む共重合体を硬化性樹脂
成分として使用することから、例えば100℃以下の低
温でも、重合体側鎖のアルコキシメチル基が、活性水素
を有する側鎖であるヒドロキシル基又はアミド基と縮合
反応して架橋結合を形成する。このため、有機溶剤に不
溶性の硬化皮膜を形成することができる。
【0023】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体
的に説明する。以下の文中の部及び%は重量基準であ
る。
【0024】実施例1 窒素ガス導入管を有するフラスコに、表1に示す単量
体、重合開始剤及び酢酸ブチルを仕込み、窒素ガス雰囲
気下に80℃で8時間攪拌しながら重合した。重合開始
剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
を用いた。
【0025】
【0026】生成した淡黄色の重合体溶液を更に酢酸エ
チルで希釈し、30%濃度の溶液とした。この溶液の2
0℃の粘度は1000mPa・sであった。この溶液1
00部にシリカ5部、シリコンオイル1部を分散混合
し、酢酸エチル、イソプロピルアルコールで希釈して粘
度100mPa・sに調整し(コート剤A)、グラビア
印刷を行った。グラビアシリンダーは100Line/inch
の彫刻版を用いた。グラビア印刷は坪量30g/m2
一般紙に硝化綿系インキ(THインキ:大日精化社製)
で柄印刷を行った印刷物上に上記条件でコート剤Aをグ
ラビア印刷し、150℃で10秒間乾燥した。このコー
トした印刷物をメチルエチルケトンを含ませた綿で20
回ラビングしたが印刷面の劣化は見られなかった。この
ことはコート剤Aによる被膜が架橋構造を有しているこ
とを示している。
【0027】実施例2 実施例1のモノマー組成を表2に示すように変更する以
外は、実施例1と同様にして重合し、自己架橋性重合体
を得た。
【0028】
【0029】得られた重合体50部に対し、別途合成し
たアクリルポリオールを50部混合した。このアクリル
ポリオールは、メチルメタアクリレート/2−ヒドロキ
シメチルメタアクリレート/ブチルメタアクリレート/
メチルメタアクリル酸よりなり、水酸基価が200、酸
価が10、重量平均分子量(GPCで測定)が20,0
00、ガラス転移温度(計算値:上記各構成モノマーの
ホモポリマーのガラス転移温度と各モノマーの重量分率
から計算)が80℃の共重合体である。ここで水酸基価
及び酸価は。いずれも重合体固形分当たりの値である。
【0030】この溶液100部に粒経10μmのアルミ
ナ粒子を10部、シランカップリング剤(信越化学工業
社製 KBM−602)1部、エチルシリケート(テト
ラエトキシシラン)1部を分散混合し、酢酸エチル、イ
ソプロピルアルコールで希釈して粘度を100mPa・
sに調整した(コート剤B)。コート剤Bを用いてグラ
ビア印刷を行った。グラビアシリンダーは100Line/
inchの彫刻版を用いた。グラビア印刷は、厚さが25μ
mのポリエステルフィルムにウレタン系インキ(NB5
00インキ:大日精化社製)で柄印刷を行った印刷物
に、上記条件でコート剤Bを印刷し、100℃で10秒
間乾燥した。その後、40℃で2日間熟成を行った。こ
の印刷物をメチルエチルケトンを含ませた綿で50回ラ
ビングしたが印刷面の劣化はなかった。このことはコー
ト剤Bのコート被膜が架橋構造を有していることを示す
ものである。
【0031】比較例1 窒素ガス導入管を有するフラスコに、表3に示すモノマ
ー、重合開始剤及び酢酸ブチルを仕込み、80℃で3時
間攪拌しながら窒素ガス雰囲気下に重合した。重合開始
剤としては、AIBNを用いた。
【0032】生成した淡黄色の重合体溶液を酢酸エチル
で希釈して濃度30%の溶液とした。この溶液の20℃
の粘度は800mPa・sであった。この溶液100部
にシリカ5部、シリコンオイル1部を分散混合し、酢酸
エチル、イソプロピルアルコールで希釈して粘度を10
0mPa・sに調整した(コート剤C)。コート剤Cを
用いてグラビア印刷を行った。グラビアシリンダーは1
00Line/inchの彫刻版を用いた。グラビア印刷は、坪
量30g/m2 の一般紙に硝化綿系インキ(THイン
キ:大日精化工業社製)で柄印刷を行った印刷物に、上
記条件でコート剤Cをグラビア印刷した。150℃で3
0秒間乾燥し、40℃で2日間熟成した。この印刷物を
メチルエチルケトンを含ませた綿で20回ラビングした
ところ印刷面は容易に溶解した。従ってこのことはコー
ト剤Cのコート被膜は架橋構造を有していないことを示
すものである。
【0033】〔コート被膜の性能試験〕実施例1、2及
び比較例1の各コート剤のそれぞれを、シナ合板に貼着
した木目印刷した一般紙(坪量30g/m2)に3〜4
g/m2(乾燥基準)となるように塗布し、下記の条件
で焼付けした。木目印刷は印刷版としてグラビアシリン
ダー100Line/inchの彫刻版(10秒、Zahn Cup#
4)を用いてグラビア印刷により行った。 焼付け条件 コート剤A(実施例1):150℃で10秒 コート剤B(実施例2):100℃で10秒、更に40
℃で2日間熟成 コート剤C(比較例1):150℃で30秒、更に40
℃で2日間熟成 下記の方法で各コート被膜の性能を評価し、結果を表3
に示した。表3の結果から本発明の硬化性樹脂組成物を
用いることにより諸特性に優れたコート被膜が形成され
ることが分かる。
【0034】(試験方法) (1)摩耗C試験 JAS規格に基づき、CS−17摩耗輪使用して試験。
柄が半分取れた時点の摩耗輪回転数を摩耗値とする。合
格基準は摩耗値200以上。 (2)耐セロハンテープ性 24mm幅のセロハンテープにて同一個所を付着・剥離
を繰り返し、柄がとれ始めた回数を測定する。 (3)碁盤目試験 コート面に1mm幅の格子の切り目を作り、セロハンテ
ープを付着させ、剥離したときの剥離されずに残ってい
る格子の数を数える。
【0035】(4)耐メチルエチルケトン(MEK)性
試験 荷重200Gでラビングテスター(太平理化工業社製ラ
ビングテスター)で擦り、塗布された皮膜が劣化するま
での回数(往復) を測定する。 (4)耐アルカリ試験 JAS規格に基づき試験。1%炭酸ナトリウム水をコー
ト面に滴下した後、時計皿で滴下部を覆い、6時間経過
後水洗し、更に24時間放置後の滴下部の汚染の程度を
5段階法で評価する。 5:汚染なし 4:極僅かの汚染 3:若干の汚染
2:かなりの汚染 1:著しい汚染 (5)耐酸試験 JAS規格に基づき試験。5%酢酸水溶液をコート面に
滴した後、時計皿で滴下部を覆い、6時間経過後に水洗
し、更に24時間放置した後の滴下部の汚染の程度を5
段階法(同上)で評価する。
【0036】(6)汚染A試験 JAS規格に基づき試験。黒マジック、赤クレヨン、青
インキでコート面に10mm幅の線を引き、4時間後イ
ソプロピルアルコール(IPA)にて拭き取り汚染の程
度を5段階法で評価する。 (7)汚染B試験 JAS規格に基づき試験。黒マジック、赤クレヨンでコ
ート面に10mm幅の線を引き、2時間後にIPAにて
拭き取り汚染の程度を5段階法で評価する。 (7)透明性 目視で判定する。
【0037】
【0038】
【発明の効果】以上の本発明によれば、耐摩耗性、基材
との接着性、耐溶剤性、耐アルカリ・酸性、耐汚染性等
の諸耐性を有し、透明性に優れたコート被膜が形成され
る硬化性樹脂組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 57/02 C08L 57/02 71/10 71/10 83/04 83/04 91/06 91/06 C09D 101/02 C09D 101/02 125/14 125/14 133/14 133/14 133/24 ZAB 133/24 ZAB 157/02 157/02 161/02 161/02 183/04 183/04 191/06 191/06 (72)発明者 側 雅裕 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 (72)発明者 高木 誠 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 (72)発明者 近藤 猛 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 (72)発明者 高橋 正行 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AB015 AE035 BA015 BC074 BG05Y BG07X BG12W CH095 CJ005 CP035 4J038 BA022 BA212 CB032 CB092 CD122 CG141 CG142 CG171 CH031 CH032 CH042 CH121 CH122 CR012 DA022 DL022 DL032 JA46 JA47 JB13 MA12 MA13 MA14 NA01 NA03 NA11 NA12 NA27 PB02 PB05 PB09 PC02 PC03 PC08 PC10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)一般式 CH2=CR1CONHC
    2OR2で表されるアルコキシメチル(メタ)アクリル
    アミド、(2)一般式 CH2=CR1COOCH 2CH2
    OHで表される2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
    レート及び一般式CH2=CR1CONH2で表される
    (メタ)アクリルアミドから選ばれる少なくとも1種、
    及び(3)一般式 CH2=CCH3COOR2 で表され
    るメタクリレートの少なくとも1種を共重合してなる自
    己架橋性樹脂(上記式中のR1は水素原子又はメチル基
    を、R2は炭素数が1〜4のアルキル基を表す。)と、
    ワックス及び/又はシリコーンを含有することを特徴と
    する硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 更に、(イ)一般式 CH2=CR1CO
    OCH2CH2OHで表される2−ヒドロキシエチル(メ
    タ)アクリレート、一般式 CH2=CR1 COOCH2
    CH2NH2で表されるアミノエチル(メタ)アクリレー
    ト及び一般式CH2=CR1COOHで表される(メタ)
    アクリル酸から選ばれる少なくとも1種と、(ロ)一般
    式 CH2=CCH3COOR2で表されるメタクリレー
    ト(上記式中のR1は水素原子又はメチル基を、R2は炭
    素数が1〜4のアルキル基を表す。)及びスチレンの少
    なくとも1種を共重合してなる樹脂を含む請求項1に記
    載の硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 更に、耐熱性を有するセルロース系樹
    脂、ケトン系樹脂、及び石油系樹脂の少なくとも1種の
    樹脂を含む請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
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