JP2003054938A - ホウ素系アルカリ金属塩の製造方法、それに用いるアルカリ金属テトラアルキルボーレートおよびその製造方法 - Google Patents

ホウ素系アルカリ金属塩の製造方法、それに用いるアルカリ金属テトラアルキルボーレートおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホウ素系アルカリ金属塩を簡便に、かつ高収
率で合成できる方法を提供する。また、ホウ素系アルカ
リ金属塩の製造に極めて有用な物質としてアルカリ金属
テトラアルキルボーレートおよびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 ホウ素系アルカリ金属塩の製造方法を、
アルカリ金属テトラアルキルボーレートを含む第1原料
を準備する第1原料準備工程と、前記アルカリ金属テト
ラアルキルボーレートのアルコキシ基と交換可能な配位
子を含む第2原料を準備する第2原料準備工程と、前記
第1原料と前記第2原料とを反応させ、前記アルカリ金
属テトラアルキルボーレートの前記アルコキシ基と前記
配位子とを交換させることによりホウ素系アルカリ金属
塩を合成する合成工程とを含むよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホウ素系アルカリ
金属塩の製造方法、それに用いるアルカリ金属テトラア
ルキルボーレートおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロエレクトロニクスの進歩
により蓄電デバイスの需要が高まっている。かかる蓄電
デバイスとして注目されているのがリチウム二次電池
と、電気二重層キャパシタに代表される高容量キャパシ
タである。一般に、リチウム二次電池や電気二重層キャ
パシタ等の蓄電デバイスは、有機溶媒等に電解質を溶解
させた電解液を含んで構成される。電解質としてはホウ
素系アルカリ金属塩等が用いられている。その一例とし
て、リチウム二次電池ではLiBF4等のホウ素系リチ
ウム塩が用いられている。このように、ホウ素系アルカ
リ金属塩は、蓄電デバイス等において重要な材料の一つ
となっているが、その合成が極めて困難であるという問
題を有していた。例えば、ホウ素系アルカリ金属塩の一
つであるリチウムカテコールボーレートの合成に関し
て、ホウ酸を原料とし、下記式1、式2に示す反応によ
りホウ素を核とするアニオンを得る方法が、J.Electroc
hem.Soc.,p.2527〜2531,Vol.142,No.8,(1995)に記載さ
れている。 B(OH)4 - + C6H4(OH)2 → [(HO)2B(C6H4O2)]- + 2H2O ・・・式1 [(HO)2B(C6H4O2)]- + C6H4(OH)2 → [B(C6H4O2)2]- + 2H2O・・・式2
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法で
は、ホウ素に結合している水酸基(−OH)の4つすべ
てを置換することは難しい。つまり、式1の反応におけ
る平衡定数は、2×104L/mol程度であるのに対
し、式2の反応における平衡定数は、5L/mol程度
であり、目的とするアニオン([B(C6
422-)の収率は64%程度にとどまる。本発明
は、上記実状に鑑みてなされたものであり、合成が困難
とされるホウ素系アルカリ金属塩を簡便に、かつ高収率
で合成できる方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のホウ素系アルカ
リ金属塩の製造方法は、アルカリ金属テトラアルキルボ
ーレートを含む第1原料を準備する第1原料準備工程
と、前記アルカリ金属テトラアルキルボーレートのアル
コキシ基と交換可能な配位子を含む第2原料を準備する
第2原料準備工程と、前記第1原料と前記第2原料とを
反応させ、前記アルカリ金属テトラアルキルボーレート
の前記アルコキシ基と前記配位子とを交換させることに
よりホウ素系アルカリ金属塩を合成する合成工程とを含
むことを特徴とする。すなわち、本発明のホウ素系アル
カリ金属塩の製造方法では、後に説明する本発明のアル
カリ金属テトラアルキルボーレートを原料の一つとして
用いることがポイントとなる。本発明のアルカリ金属テ
トラアルキルボーレートを用いることで、それに所定の
配位子を反応させるだけで、容易にアルコキシ基が配位
子と交換され、ホウ素に結合しているアルコキシ基がす
べて交換された4交換のホウ素系アルカリ金属塩を得る
ことができる。したがって、本発明のホウ素系アルカリ
金属塩の製造方法は、ホウ素系アルカリ金属塩を簡便
に、かつ高収率で合成できる方法となる。
【0005】また、本発明のアルカリ金属テトラアルキ
ルボーレートは、組成式MB(OR)4(Mはアルカリ
金属、ORはアルコキシル基)で表されるものである。
本発明者は、ホウ素系アルカリ金属塩の合成について研
究を重ねる中で、ホウ素系アルカリ金属塩の製造に極め
て有用な物質としてアルカリ金属テトラアルキルボーレ
ートを合成することに成功した。本発明のアルカリ金属
テトラアルキルボーレートは、その用途を特に限定する
ものではないが、本発明のアルカリ金属テトラアルキル
ボーレートを原料の一つとして用いることで、ホウ素系
アルカリ金属塩を簡便に、かつ高収率で合成できる。
【0006】また、本発明のアルカリ金属テトラアルキ
ルボーレートの製造方法は、アルカリ金属アルコキサイ
ドとトリアルキルボーレートとを反応させてアルカリ金
属テトラアルキルボーレートを得る方法である。本製造
方法によれば、上記有用な本発明のアルカリ金属テトラ
アルキルボーレートを簡便に製造することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のホウ素系アルカリ金属塩
の製造方法は、上述したように、第1原料準備工程と、
第2原料準備工程と、合成工程とを含む。以下、本発明
のホウ素系アルカリ金属塩の製造方法を、各工程に分け
て詳細に説明する。また、本発明のアルカリ金属テトラ
アルキルボーレートおよびその製造方法については、本
発明のホウ素系アルカリ金属塩の製造方法について説明
する中で適宜説明することにする。
【0008】(1)第1原料準備工程 本工程は、アルカリ金属テトラアルキルボーレートを含
む第1原料を準備する工程である。つまり第1原料は、
本発明のアルカリ金属テトラアルキルボーレートを含む
ものである。本発明のアルカリ金属テトラアルキルボー
レートは、組成式MB(OR)4(Mはアルカリ金属、
ORはアルコキシル基)で表されるものであり、陽イオ
ンとなるアルカリ金属Mは、特に限定されるものではな
い。アルカリ金属としては、例えば、Li、K、Na等
が挙げられる。本工程では、アルカリ金属を、目的とす
るホウ素系アルカリ金属塩に応じて適宜選択した本発明
のアルカリ金属テトラアルキルボーレートを用いればよ
い。例えば、ホウ素系リチウム塩を合成する場合には、
アルカリ金属をLiとしたリチウムテトラアルキルボー
レートを採用すればよい。本発明のアルカリ金属テトラ
アルキルボーレートは、そのアルコキシ基(−OR)が
特に限定されるものではない。本工程における第1原料
として用いる場合には、ホウ素が求電子性の強い元素で
あることを考慮して、アルコキシ基は電子供与性の低い
ものであることが望ましい。つまり、酸素と結合してい
る炭素数が少ない方がホウ素への電子供与性が少なくな
ることから、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プ
ロポキシ基、イソプロポキシ基等であることが望まし
い。また、嵩高いアルコキシ基は後述する配位子交換反
応における配位子の求核攻撃を阻害する恐れがある。し
たがって、これらを考慮した場合には、アルコキシ基は
メトキシ基であることが望ましい。なお、ホウ素には4
つアルコキシ基が結合しているが、アルコキシ基の種類
は1種類、つまり4つとも同じアルコキシ基であっても
よいし、2種類以上が混在していてもよい。特に、配位
子交換反応の均一性を考慮した場合には、アルコキシ基
は1種類であることが望ましい。以上をまとめると、ア
ルコキシ基は4つすべてがメトキシ基であることが望ま
しい。つまり、本工程における第1原料として用いる場
合には、アルカリ金属テトラアルキルボーレートはアル
カリ金属テトラメチルボーレート(MB(OCH34
とすることが望ましい。さらに、例えば、ホウ素系リチ
ウム塩を合成する場合には、アルカリ金属をLiとした
リチウムテトラメチルボーレートとすることが望まし
い。
【0009】本発明のアルカリ金属テトラアルキルボー
レートは、その合成方法が特に限定されるものではな
い。本発明者は鋭意研究を重ね、本発明のアルカリ金属
テトラアルキルボーレートの簡便な合成方法を確立する
に至った。したがって、本合成方法によれば、本発明の
アルカリ金属テトラアルキルボーレートを簡便に合成で
きることに加え、本発明のホウ素系アルカリ金属塩の製
造方法も、さらに簡便な製造方法とすることができる。
すなわち、本発明のアルカリ金属テトラアルキルボーレ
ートの製造方法は、アルカリ金属アルコキサイドとトリ
アルキルボーレートとを反応させてアルカリ金属テトラ
アルキルボーレートを得る方法である。また、本発明の
ホウ素系アルカリ金属塩の製造方法における第1原料準
備工程は、さらに、アルカリ金属アルコキサイドとトリ
アルキルボーレートとを反応させてアルカリ金属テトラ
アルキルボーレートを合成する工程を含む態様とするこ
とができる。ここで、アルカリ金属アルコキサイド(M
(OR1))およびトリアルキルボーレート(B(O
23)(Mはアルカリ金属、OR1およびOR2はアル
コキシ基)は、そのアルコキシ基が特に限定されるもの
ではない。目的とするアルカリ金属テトラアルキルボー
レートに応じて適宜選択すればよい。例えば、上述した
アルカリ金属テトラメチルボーレート(MB(OC
34)を合成する場合には、両アルコキシ基(O
1、OR2)がメトキシ基である、アルカリ金属メトキ
シドとトリメチルボーレートとを用いればよい。そし
て、アルカリ金属アルコキサイドとトリアルキルボーレ
ートとを、それぞれ等モル量ずつ反応させればよい。ま
た、反応させる時間は24時間程度とすればよい。この
合成反応は発熱反応であるため、反応速度を抑制すべく
溶媒中で反応させることが望ましい。溶媒は、アルカリ
金属アルコキサイドおよびトリアルキルボーレートと反
応せず、これらを溶解することができるものであればよ
い。例えば、アルカリ金属メトキシドとトリメチルボー
レートとを反応させる場合には、溶媒としてメタノール
を用いることが望ましい。溶媒量は、1molのテトラ
アルキルボーレートイオンに対して、500mL以上5
000mL以下とすることが望ましい。500mL未満
であると反応時の熱により溶媒が沸騰するおそれがある
からであり、5000mLを超えると反応効率が低下す
るからである。
【0010】また、アルカリ金属アルコキサイドは、目
的とするするアルカリ金属テトラアルキルボーレートに
応じて、そのアルカリ金属の種類を適宜選択すればよ
い。例えば、リチウムテトラアルキルボーレートを合成
する場合には、アルカリ金属アルコキサイドをリチウム
アルコキサイドとすればよい。なお、リチウムテトラア
ルキルボーレートを合成する場合であっても、リチウム
以外のアルカリ金属を陽イオンとするアルカリ金属アル
コキサイドを用いることができる。この場合には、本第
1原料準備工程は、リチウムを除くアルカリ金属を陽イ
オンとするアルカリ金属アルコキサイドとトリアルキル
ボーレートとを反応させて、リチウムを除くアルカリ金
属を陽イオンとするアルカリ金属テトラアルキルボーレ
ートを合成する工程と、合成されたアルカリ金属テトラ
アルキルボーレートと、リチウムを陽イオンとするリチ
ウム塩とを反応させ、アルカリ金属テトラアルキルボー
レートのアルカリ金属とリチウム塩のリチウムとを置換
させることにより、リチウムテトラアルキルボーレート
を合成する工程とを含んだ態様とすることができる。こ
れは、本発明のアルカリ金属テトラアルキルボーレート
の製造方法においても同様である。本態様を採用すれ
ば、例えば、安価で入手が容易なナトリウムアルコキサ
イドを用いて、ナトリウムテトラアルキルボーレートを
合成しておき、そのナトリウムとリチウムとを置換させ
ることにより、容易にリチウムテトラアルキルボーレー
トを合成することができる。上記態様において、リチウ
ムを陽イオンとするリチウム塩は、特に限定されるもの
ではない。例えば、塩化リチウム、臭化リチウム、炭酸
リチウム等を用いることができる。特に、溶媒であるメ
タノールへの溶解性が高く、かつ副生成物が塩化ナトリ
ウムとして沈殿するという理由から、塩化リチウムを用
いることが望ましい。なお、アルカリ金属テトラアルキ
ルボーレートとリチウム塩との反応は、リチウム塩をア
ルカリ金属テトラアルキルボーレートを合成した反応溶
液に直接添加して行うことができる。この場合、反応を
促進させるため、リチウム塩の添加は、予め上記アルカ
リ金属テトラアルキルボーレートの合成反応で用いたメ
タノール等の溶媒にリチウム塩を溶解させて行うことが
望ましい。
【0011】第1原料は、本発明のアルカリ金属テトラ
アルキルボーレートを含むものであれば、特に限定され
るものではない。例えば、本発明のアルカリ金属テトラ
アルキルボーレートに所定の溶媒を添加して、アルカリ
金属テトラアルキルボーレート液として準備することが
できる。この場合、添加する溶媒は特に限定されるもの
ではない。後に説明する配位子交換反応をより迅速に進
行させることを考慮すると、溶媒は、アルカリ金属テト
ラアルキルボーレートと第2原料として用いる配位子と
の少なくとも一方が溶解するものであることが望まし
い。特に、第2原料として用いる配位子が容易に溶解
し、リチウム二次電池の電解液として用いることが可能
であることからテトラヒドロフラン(THF)を用いる
ことが望ましい。また、添加する溶媒量は、特に限定さ
れるものではなく、1mmolのアルカリ金属テトラア
ルキルボーレートに対して、0.5mL〜10mL程度
を添加すればよい。特に、配位子交換反応を迅速に進行
させるためには、反応物の濃度が高いことが望ましいこ
とから、添加する溶媒は5mL以下とすることが望まし
い。また、溶媒が少なすぎると、目的物であるホウ素系
アルカリ金属塩の析出や、液の粘度が高い等の理由によ
り、配位子交換反応の進行が遅くなるおそれがある。よ
って、添加する溶媒は1mL以上とすることが望まし
い。なお、上記態様における添加する溶媒として、本発
明のアルカリ金属テトラアルキルボーレートと第2原料
として用いる配位子とのいずれも溶解しないものを用い
ることも可能である。この場合であっても、配位子交換
反応をより迅速に進行させる観点から、例えば、アルカ
リ金属テトラアルキルボーレートとしてリチウムテトラ
アルキルボーレートを用いた場合には、さらに水を添加
してリチウムテトラアルキルボーレートを溶解させ、第
1原料をリチウムテトラアルキルボーレートが溶解した
リチウムテトラアルキルボーレート液として準備するこ
とが望ましい。この場合、水を過剰に添加しすぎると、
後の配位子交換反応において目的とするホウ素系リチウ
ム塩の収率が低下するおそれがある。したがって、水の
添加量は、リチウムテトラアルキルボーレートが溶解す
る程度の量とすることが望ましい。
【0012】(2)第2原料準備工程 本工程は、アルカリ金属テトラアルキルボーレートのア
ルコキシ基と交換可能な配位子を含む第2原料を準備す
る工程である。配位子は、アルコキシ基と交換可能なも
のであれば特に限定されない。例えば、カルボキシル
基、スルホン酸基、イミド基、水酸基や、より求核性の
強い条件下にあるアルコキシ基等の求核電子性の官能基
を有する物質が挙げられる。配位子は、これら官能基の
1種または2種以上を有していればよい。官能基の数
も、特に限定されるものではなく、官能基を1つ有する
ものでもよいし2つ以上有するものでもよい。配位子の
なかでも、特に、後述する配位子交換反応が進行しやす
いという理由から、キレート化合物を用いることが望ま
しい。キレート化合物としては、シュウ酸、フマル酸、
フタル酸、マロン酸、コハク酸、ヒドロキシフタル酸等
のジカルボン酸、カテコール、2−2’ビフェニルジオ
ール、2−2’バイナフトール等のジオール、サリチル
酸やピルビン酸等が挙げられる。第2原料は、上記配位
子を含むものであれば、特に限定されるものではない。
例えば、配位子に所定の溶媒を添加して、配位子液とし
て準備することができる。この場合、添加する溶媒は上
記同様、特に限定されるものではない。上述したよう
に、配位子交換反応をより迅速に進行させる等の理由か
ら溶媒にはテトラヒドロフラン(THF)を用いること
が望ましい。なお、添加する溶媒量は、1mmolの配
位子に対して、0.5mL〜10mL程度を添加すれば
よい。
【0013】(3)合成工程 本工程は、第1原料と第2原料とを反応させ、アルカリ
金属テトラアルキルボーレートのアルコキシ基と配位子
とを交換させることによりホウ素系アルカリ金属塩を合
成する工程である。第1原料と第2原料との反応は、準
備した両原料を混合すればよい。第1原料と第2原料と
の混合比は、目的とするホウ素系アルキル金属塩に応じ
て化学量論的に決定すればよい。例えば、ホウ素に結合
しているアルコキシ基がすべて配位子に交換された4交
換のホウ素系アルカリ金属塩を合成する場合であって、
配位子が1価のものであれば、アルカリ金属テトラアル
キルボーレート1当量に対して、配位子が4当量となる
ように混合すればよい。また、配位子が2価のものであ
れば、アルカリ金属テトラアルキルボーレート1当量に
対して、配位子が2当量となるように混合すればよい。
なお、反応速度や、後の精製効率等を考慮した場合に
は、アルカリ金属テトラアルキルボーレートに対して配
位子が過剰となるように第2原料を混合することが望ま
しい。具体的には、アルカリ金属テトラアルキルボーレ
ート1当量に対して、配位子が1価であれば配位子を4
当量以上6当量以下とすることが望ましい。配位子が化
学量論量より少ない場合には、配位子交換反応において
中間生成物が生成しやすくなるからである。反対に過剰
に加えすぎると、生成物の精製が困難となる。上記反応
は、反応条件を特に限定するものではない。例えば、反
応温度は常温程度でよい。なお、反応に用いる原料によ
って、配位子交換反応が進行しにくい場合は、加熱下等
における還流や、蒸留、抽出等による副生成物の除去等
を行えばよい。また、原料に溶媒を使用した場合には、
配位子交換反応後に溶媒を除去することによりホウ素系
アルカリ金属塩を得ることができる。さらに、反応生成
物を精製することにより過剰に加えた原料等の不純物を
除去することが望ましい。不純物は、例えば、反応生成
物を真空乾燥等することにより除去することができる。
【0014】なお、第1原料として、リチウム以外のア
ルカリ金属を陽イオンとする本発明のアルカリ金属テト
ラアルキルボーレートを用いて、ホウ素系リチウム塩を
合成することも可能である。この場合には、本合成工程
の後に、得られたホウ素系アルカリ金属塩と、リチウム
を陽イオンとするリチウム塩とを反応させ、ホウ素系ア
ルカリ金属塩のアルカリ金属とリチウム塩のリチウムと
を交換させる工程を含む態様を採用すればよい。つま
り、一旦ホウ素系アルカリ金属塩を合成した後で、ホウ
素系アルカリ金属塩の陽イオンであるアルカリ金属をリ
チウムに交換する工程を付加すればよい。本態様で用い
るリチウム塩としては、上記同様、塩化リチウム等を使
用することができる。
【0015】(4)他の実施形態の許容 これまでに説明した本発明のホウ素系アルカリ金属塩の
製造方法、それに用いるアルカリ金属テトラアルキルボ
ーレートおよびその製造方法の実施形態は例示にすぎ
ず、本発明のホウ素系アルカリ金属塩の製造方法、それ
に用いるアルカリ金属テトラアルキルボーレートおよび
その製造方法は、上記実施形態を始めとして、当業者の
知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施す
ることができる。
【0016】
【実施例】上記実施形態に基づいて、本発明のアルカリ
金属テトラアルキルボーレートを合成し、ホウ素系アル
カリ金属塩を種々製造した。そして、本発明の製造方法
によれば、ホウ素系アルカリ金属塩を簡便に、かつ高収
率で合成できることを確認した。以下、第1原料となる
アルカリ金属テトラアルキルボーレートの合成、ホウ素
系アルカリ金属塩の合成について順に説明する。
【0017】〈アルカリ金属テトラアルキルボーレート
の合成〉本実施例では本発明のアルカリ金属テトラアル
キルボーレートとして、リチウムテトラメチルボーレー
ト(LiB(OCH34 )と、ナトリウムテトラメチ
ルボーレート(NaB(OCH34 )とを合成し、そ
れぞれをホウ素系アルカリ金属塩の製造における第1原
料として用いた。以下、合成方法を説明する。ナトリウ
ムを陽イオンとするアルカリ金属アルコキサイドとし
て、ナトリウムメトキシドを用いた。まず、193gの
ナトリウムメトキシドをメタノールに溶解し、28wt
%のナトリウムメトキシド−メタノール溶液を調製し
た。この溶液を窒素交換した三口フラスコに入れ、さら
に200mLのメタノールを加えた。次いで、トリアル
キルボーレートとして103.9gのトリメチルボーレ
ートを上記溶液に等圧滴下ロートにて滴下し、ナトリウ
ムテトラメチルボーレートを得た。滴下時間は30分と
した。この反応を下記式3に示す。 NaOCH3+B(OCH33 → NaB(OCH34 ・・・式3 一方、リチウム塩である42.4gの塩化リチウムを2
00mLのメタノールに溶解させ、30分間水冷して塩
化リチウム溶液を調製した。上記反応溶液を約3時間放
置して発熱反応が収束して室温となった後、反応溶液に
塩化リチウム溶液を等圧滴下ロートにて加えた。この
際、反応熱および白色沈澱を確認した。白色沈澱の炎色
反応が橙色を示したこと、および硝酸銀水溶液に反応す
ることから、沈殿物はNaClであることを確認した。
この反応を下記式4に示す。 NaB(OCH34+LiCl → LiB(OCH34+NaCl・・・式4 さらに、反応溶液を室温にて12時間放置した後、Na
Clをろ別し、得られた溶液に対して再結晶を行った。
その結果、白色の針状結晶88.8gが得られた。この
結晶は、赤色の炎色反応を示し、さらにIR測定のスペ
クトルよりリチウムテトラメチルボーレート(LiB
(OCH34 )であると認定された。
【0018】〈ホウ素系アルカリ金属塩の合成〉 (1)リチウムジカテコールボーレートの合成 (a)本発明の製造方法による合成 上記合成したリチウムテトラメチルボーレートから、リ
チウムジカテコールボーレートを合成した。反応式を下
記式5に示す。
【化1】 まず、7.2g(50mmol相当)のリチウムテトラ
メチルボーレート(LiB(OCH3 4 )を三口フラ
スコに入れ、テトラヒドロフラン(THF)を100m
Lを加え第1原料を準備した。次いで、メトキシ基と交
換可能な配位子として水酸基を2つ有するカテコールの
11.0g(50×2mmol相当)を100mLのT
HFに溶解させて第2原料を準備した。第1原料が入っ
た三つ口フラスコに第2原料を加え、約5時間加熱した
後、約24時間放置した。そして、エバポレーターによ
り反応溶液が約15mLになるまでTHFを除去し、そ
の後1Lのn−ヘキサンを加えて再沈澱処理を行った。
得られた沈澱物を120℃で真空乾燥し、8.6g(3
5mmol相当)の濃褐色のリチウムジカテコールボー
レートを得た。収率は約85%であった。ゲル浸透クト
マトグラフィーにより、生成物中にカテコールが存在し
ないことを確認した。さらに、IR測定および元素分析
から、生成物がリチウムジカテコールボーレートである
ことを確認した。なお、本実施例では、収率は、以下の
式により算出した値を採用している。収率=得られた生
成物の重量(g)/生成物の理論合成重量(g)×10
0(%) (b)従来法による合成 比較のため、従来法によりリチウムジカテコールボーレ
ートを合成した。反応式を下記式6に示す。
【化2】 まず、500gのカテコールと、95.27gの水酸化
リチウム1水和物と、140.31gのホウ酸とを25
0mLの蒸留水に加えてアルゴン雰囲気下にて、105
℃で還流を行った。その後、室温にて14時間放置し、
−3℃で再結晶を行った。得られた結晶物に対して11
5℃で50時間の真空乾燥を行い、結晶水を除去し、3
23.9gのリチウムジカテコールボーレートを得た。
収率は約61%であった。 (c)本発明の製造方法と従来法との比較 上記本発明の製造方法と従来法とを比較した場合、収率
に関して、本発明の製造方法の方が20%以上高かっ
た。また、本発明の製造方法では、反応溶媒としてTH
Fを用いているので水の混合が無く、生成物から結晶水
を除去する必要が無い。このことは、リチウムジカテコ
ールボーレートをリチウム二次電池用の電解質に用いる
場合に大変有益となる。したがって、本発明の製造方法
は、ホウ素系アルカリ金属塩を簡便に、かつ高収率で合
成できる方法であることが確認できた。
【0019】(2)リチウムビス(2−2’ビフェニル
ジオール)ボーレートの合成 上記(1)と同様、リチウムテトラメチルボーレートか
ら、リチウムビス(2−2’ビフェニルジオール)ボー
レートを合成した。反応式を下記式7に示す。
【化3】 まず、7.2g(50mmol相当)のリチウムテトラ
メチルボーレート(LiB(OCH3 4 )を三口フラ
スコに入れ、THFを100mLを加え第1原料を準備
した。次いで、メトキシ基と交換可能な配位子として水
酸基を2つ有する2−2’ビフェニルジオールの18.
6g(50×2mmol相当)を100mLのTHFに
溶解させて第2原料を準備した。第1原料が入った三つ
口フラスコに第2原料を加え、約5時間加熱した後、約
24時間放置した。析出した白色の物質を100℃にて
乾燥したところ、理論量19.3gに対し18.3gの
粗生成物を得た。GPCにて分子サイズによる分離を行
ったところ、目的物と思われるピークのほか2−2’ビ
フェニルジオールに由来するピークが検出された。ピー
ク強度から2−2’ビフェニルジオールは1%以下であ
った。上記粗生成物を100mLのトルエンで2回洗浄
して2−2’ビフェニルジオールを除去し、リチウムビ
ス(2−2’ビフェニルジオール)ボーレートを得た。
収量は17.4gで、収率は約90%であった。
【0020】(3)リチウムジサリチル酸ボロキサイド
の合成 上記(1)と同様、リチウムテトラメチルボーレートか
ら、リチウムジサリチル酸ボロキサイドを合成した。反
応式を下記式8に示す。
【化4】 まず、7.2g(50mmol相当)のリチウムテトラ
メチルボーレート(LiB(OCH3 4 )を三口フラ
スコに入れ、THFを100mLを加え第1原料を準備
した。次いで、メトキシ基と交換可能な配位子として水
酸基とカルボキシル基とをそれぞれ1つずつ有するサリ
チル酸の12.6g(50×2mmol相当)を50m
LのTHFに溶解させて第2原料を準備した。第1原料
が入った三つ口フラスコに第2原料を加え、常温にて放
置した。30分後にLiB(OCH3 4 が消滅したた
め、反応が進行したことが確認された。さらに、2日間
放置した後、ろ過し、エバポレータによりTHFを除去
して、約10mLの無色で高粘度の液体を得た。この液
体に、n−ヘキサンを1000mLを加え12時間放置
し再沈澱処理を行った。白色の沈澱物をろ別し、60℃
で真空乾燥後、昇華精製装置を用いて未反応のサリチル
酸を除去した。得られた白色粉末に対し、GPCによる
測定を行った結果、リチウムジサリチル酸ボロキサイド
であることが確認された。収量は13.5g、収率は約
91%であった。
【0021】(4)リチウムジフタル酸ボロキサイドの
合成 上記(1)と同様、リチウムテトラメチルボーレートか
ら、リチウムジフタル酸ボロキサイドを合成した。反応
式を下記式9に示す。
【化5】 まず、7.2g(50mmol相当)のリチウムテトラ
メチルボーレート(LiB(OCH3 4 )を三口フラ
スコに入れ、THFを100mLを加え第1原料を準備
した。次いで、メトキシ基と交換可能な配位子としてカ
ルボキシル基を2つ有するフタル酸の16.6g(50
×2mmol相当)を50mLのTHFに溶解させて第
2原料を準備した。第1原料が入った三つ口フラスコに
第2原料を加え還流を行った。還流を行ってから1時間
ほどで、LiB(OCH3 4 が消滅したため、反応が
進行したことが確認された。上記反応溶液をろ過した
後、0℃で冷却すると白色の固体が析出した。この固体
を回収し80℃で真空乾燥を行い、白色の粉末7.9g
を得た。収率は約46%であった。IR測定の結果よ
り、本物質がリチウムジフタル酸ボロキサイドであるこ
とが確認された。
【0022】(5)リチウムジピルビン酸ボロキサイド
の合成 上記(1)と同様、リチウムテトラメチルボーレートか
ら、リチウムジピルビン酸ボロキサイドを合成した。反
応式を下記式10に示す。
【化6】 まず7.2g(50mmol)のリチウムテトラメチル
ボーレート(LiB(OCH3 4 )を三口フラスコに
入れ、THFを100mLを加え第1原料を準備した。
次いで、メトキシ基と交換可能な配位子としてカルボキ
シル基と水酸基とを有するピルビン酸の8.8g(10
0mmol)を第2原料として準備した。第1原料が入
った三つ口フラスコに第2原料を加え、64℃でTHF
の還流を行いながら5時間反応させた。その後、反応溶
液中の不溶成分をろ別し、約100mLの薄黄色の液体
を得た。この液体をGPC測定した結果、1成分である
ことを確認した。さらに、反応溶媒を留去し、80℃で
真空乾燥を行って4.5gの白色粉末状のリチウムジピ
ルビン酸ボロキサイドを得た。収率は約54%であっ
た。
【0023】(6)リチウムジマロン酸ボロキサイドの
合成 上記(1)と同様、リチウムテトラメチルボーレートか
ら、リチウムジマロン酸ボロキサイドを合成した。反応
式を下記式11に示す。
【化7】 まず、3.6g(25mmol相当)のリチウムテトラ
メチルボーレート(LiB(OCH3 4 )を三口フラ
スコに入れ、THFを50mL加え第1原料を準備し
た。次いで、メトキシ基と交換可能な配位子としてカル
ボキシル基を2つ有するマロン酸の5.2g(50×2
mmol相当)を50mLのTHFに溶解させて第2原
料を準備した。第1原料が入った三つ口フラスコに第2
原料を加え還流を行った。還流を行ってから1時間ほど
で、LiB(OCH3 4 が消滅し、リチウムジマロン
酸ボロキサイドが白色粉末として析出した。上記反応溶
液に20mLの水を加え、一旦析出物を溶解させた後、
0℃で冷却し、再び白色の針状結晶を析出させた。この
結晶を回収し80℃で真空乾燥を行い、白色の固体3.
3gを得た。IR測定の結果から、本物質がリチウムジ
マロン酸ボロキサイドであることが確認された。収率は
約54%であった。
【0024】(7)リチウムジコハク酸ボロキサイドの
合成 上記(1)と同様、リチウムテトラメチルボーレートか
ら、リチウムジコハク酸ボロキサイドを合成した。反応
式を下記式12に示す。
【化8】 まず、3.6g(25mmol相当)のリチウムテトラ
メチルボーレート(LiB(OCH3 4 )を三口フラ
スコに入れ、THFを50mL加え第1原料を準備し
た。次いで、メトキシ基と交換可能な配位子としてカル
ボキシル基を2つ有するコハク酸の5.9g(50×2
mmol相当)を50mLのTHFに溶解させて第2原
料を準備した。第1原料が入った三つ口フラスコに第2
原料を加え還流を行った。還流を行ってから1時間ほど
で、LiB(OCH3 4 が消滅し、リチウムジコハク
酸ボロキサイドが白色粉末として析出した。上記反応溶
液に20mLの水を加え、一旦析出物を溶解させた後、
0℃で冷却し、再び白色の針状結晶を析出させた。この
結晶を回収し80℃で真空乾燥を行い、白色の固体3.
4gを得た。IR測定の結果から、本物質がリチウムジ
コハク酸ボロキサイドであることが確認された。収率は
約53%であった。
【0025】(8)リチウムジシュウ酸ボロキサイドの
合成 上記(1)と同様、リチウムテトラメチルボーレートか
ら、リチウムジシュウ酸ボロキサイドを合成した。反応
式を下記式13に示す。
【化9】 まず、7.2g(50mmol相当)のリチウムテトラ
メチルボーレート(LiB(OCH3 4 )を三口フラ
スコに入れ、THFを100mL加え第1原料を準備し
た。次いで、メトキシ基と交換可能な配位子としてカル
ボキシル基を2つ有するシュウ酸の10g(110mm
ol相当)を100mLのTHFに溶解させて第2原料
を準備した。第1原料が入った三つ口フラスコに第2原
料を加え還流を行った。還流を行ってから24時間ほど
で、LiB(OCH3 4 が消滅した。ここで、ゲル浸
透クトマトグラフ法により反応溶液の成分分離を行う
と、反応中間体が確認されたので、そのまま常温で3週
間放置し反応を進行させた。3週間後、反応溶液をろ過
し、THFを蒸留により留去して固体の生成物を得た。
そして、過剰のシュウ酸を完全に昇華蒸発させるため、
この生成物を100℃で2日の真空乾燥した。その結
果、褐色の粉末4.4gを得た。IR測定の結果より、
本物質がリチウムジシュウ酸ボロキサイドであることが
確認された。収率は約45%であった。
【0026】(9)ナトリウムジカテコールボーレート
の合成 上記合成したナトリウムテトラメチルボーレートから、
ナトリウムジカテコールボーレートを合成した。反応式
を下記式14に示す。
【化10】 まず、3.9g(25mmol相当)のナトリウムテト
ラメチルボーレート(NaB(OCH3 4 )を三口フ
ラスコに入れ、THFを50mLを加え第1原料を準備
した。次いで、メトキシ基と交換可能な配位子として水
酸基を2つ有するカテコールの11.0g(50×2m
mol相当)を50mLのTHFに溶解させて第2原料
を準備した。第1原料が入った三つ口フラスコに第2原
料を加え、約1時間放置した。その後、NaB(OCH
3 4 が消滅したことを確認したため、反応溶液をろ過
し、エバポレーターによりTHFを除去し、得られた固
体を約80℃で真空乾燥を行った。乾燥後、3.6gの
淡黄色の固体を得た。IR測定から、この固体がリチウ
ムジカテコールボーレートであることを確認した。収率
は約60%であった。
【0027】
【発明の効果】本発明のホウ素系アルカリ金属塩の製造
方法は、本発明のアルカリ金属テトラアルキルボーレー
トを原料の一つとして用い、それに所定の配位子を反応
させて、4置換のホウ素系アルカリ金属塩を製造する方
法である。本発明の製造方法によれば、合成が困難とさ
れるホウ素系アルカリ金属塩を簡便に、かつ高収率で合
成できる。また、本発明のアルカリ金属テトラアルキル
ボーレートの製造方法によれば、上記有用な本発明のア
ルカリ金属テトラアルキルボーレートを簡便に製造する
ことができるため、ホウ素系アルカリ金属塩をより簡便
に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 右京 良雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4H048 AA02 AB78 AB91

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属テトラアルキルボーレート
    を含む第1原料を準備する第1原料準備工程と、 前記アルカリ金属テトラアルキルボーレートのアルコキ
    シ基と交換可能な配位子を含む第2原料を準備する第2
    原料準備工程と、 前記第1原料と前記第2原料とを反応させ、前記アルカ
    リ金属テトラアルキルボーレートの前記アルコキシ基と
    前記配位子とを交換させることによりホウ素系アルカリ
    金属塩を合成する合成工程とを含むホウ素系アルカリ金
    属塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ金属テトラアルキルボーレ
    ートはアルカリ金属テトラメチルボーレートであり、前
    記アルコキシ基はメトキシ基である請求項1に記載のホ
    ウ素系アルカリ金属塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記配位子は、カルボキシル基と水酸基
    との少なくとも一方を有する物質である請求項1または
    請求項2に記載のホウ素系アルカリ金属塩の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1原料準備工程は、アルカリ金属
    アルコキサイドとトリアルキルボーレートとを反応させ
    て前記アルカリ金属テトラアルキルボーレートを合成す
    る工程を含む請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    のホウ素系アルカリ金属塩の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記アルカリ金属はリチウムであり、 ホウ素系リチウム塩を合成する請求項1ないし請求項4
    のいずれかに記載のホウ素系アルカリ金属塩の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記アルカリ金属テトラアルキルボーレ
    ートはリチウムテトラアルキルボーレートであり、 前記第1原料準備工程は、 リチウムを除くアルカリ金属を陽イオンとするアルカリ
    金属アルコキサイドとトリアルキルボーレートとを反応
    させて、リチウムを除くアルカリ金属を陽イオンとする
    アルカリ金属テトラアルキルボーレートを合成する工程
    と、 前記リチウムを除くアルカリ金属を陽イオンとするアル
    カリ金属テトラアルキルボーレートと、リチウムを陽イ
    オンとするリチウム塩とを反応させ、該アルカリ金属テ
    トラアルキルボーレートのアルカリ金属と該リチウム塩
    のリチウムとを置換させることにより、前記リチウムテ
    トラアルキルボーレートを合成する工程とを含み、 ホウ素系リチウム塩を合成する請求項1ないし請求項3
    に記載のホウ素系アルカリ金属塩の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記アルカリ金属テトラアルキルボーレ
    ートはリチウムを除くアルカリ金属を陽イオンとするア
    ルカリ金属テトラアルキルボーレートであり、 前記合成工程の後に、該合成工程で得られた前記ホウ素
    系アルカリ金属塩と、リチウムを陽イオンとするリチウ
    ム塩とを反応させ、該ホウ素系アルカリ金属塩のアルカ
    リ金属と該リチウム塩のリチウムとを置換させる工程を
    含み、 ホウ素系リチウム塩を合成する請求項1ないし請求項3
    に記載のホウ素系アルカリ金属塩の製造方法。
  8. 【請求項8】 組成式MB(OR)4(Mはアルカリ金
    属、ORはアルコキシル基)で表されるアルカリ金属テ
    トラアルキルボーレート。
  9. 【請求項9】 アルカリ金属アルコキサイドとトリアル
    キルボーレートとを反応させてアルカリ金属テトラアル
    キルボーレートを得るアルカリ金属テトラアルキルボー
    レートの製造方法。
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