JP2003054918A - 窒素ガス発生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤ販売店等においてタイヤに窒素ガスを
充填するときに、重くて高圧の窒素ガスボンベを使用必
要がなく、空気から直接窒素ガスを生成させてタイヤに
充填することができる窒素ガス発生装置を提供する。 【解決手段】 分離膜からなる中空糸８ｂを多数束ねて
窒素ガス収集エレメントに形成し、更に該窒素ガスエレ
メントを耐圧容器８ａ内に収容して窒素ガス分離器８に
形成し、該窒素ガス分離器８の入口側の圧縮空気供給管
路Ａに水分捕獲フィルター４と塵芥捕獲フィルター５と
オイルミスト捕獲フィルター６とを連設すると共に該窒
素ガス分離器８の出口側の窒素ガス排出管路Ｂに窒素ガ
ス流量調整弁９と逆止弁１０と窒素ガスの貯蔵タンク１
１と窒素ガス取り出し口１２及び１５とを設置して窒素
ガス発生装置を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動車のタイヤ等に
充填するための窒素ガスを容易に供給できる窒素ガス発
生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】地上の空気は、体積比で７８％乃至７９
％の窒素と、２０％乃至１９％の酸素とを含んでいる。

【０００３】従来の自動車タイヤは、一般に空気が充填
されているが、空気の代りに窒素ガスを充填したタイヤ
は、熱膨張係数が小さいこと、タイヤ内圧の低下が少な
いこと、タイヤとホイールの酸化が防止されることなど
の利点があるので、近年増加の傾向にある。

【０００４】然して、自動車用タイヤに窒素ガスを充填
するには、従来は窒素ボンベに封入された窒素ガスを用
いていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記窒素ボンベは高圧
なため、その取り扱いには危険を伴い、又、窒素ガスの
生産者から消費者であるタイヤ販売店等へ重いボンベを
運搬してくる必要があるので、不便であるという問題が
あった。

【０００６】本発明はこれらの問題点を解消し、タイヤ
販売店等において、直接に窒素ガスの生成とタイヤへの
充填とを安全に行なうことができる窒素ガス発生装置を
提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成すべく、空気中の酸素ガスを選択的に透過させる性
質を有する分離膜からなる中空糸を多数束ねて窒素ガス
収集エレメントを形成すると共に該窒素ガス収集エレメ
ントを耐圧容器内に収容して該耐圧容器の一方から供給
した圧縮空気を窒素ガスと富酸素ガスとに分離する窒素
ガス分離器に形成し、該窒素ガス分離器の窒素ガス排出
管路に窒素ガス流量調整弁と逆止弁と窒素ガス取り出し
口とを設置してなることを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の第１の実施の形態を図１
及び図２により説明する。

【０００９】図１は、本発明の窒素ガス発生装置を具備
したタイヤ充填装置の管路図である。

【００１０】１はエアー接続口で、図示していないエア
ーコンプレッサーに接続している。

【００１１】Ａは該エアー接続口１から窒素ガス分離器
８の流入口との間を接続する圧縮空気供給管路を示し、
該圧縮空気供給管路Ａに、その上流側から下流側へ開閉
コック２、水分捕獲フィルター４、塵芥捕獲フィルター
５及びオイルミスト捕獲フィルター６を順次介在した。

【００１２】３は供給エアーの圧力を表示する圧力計、
７はこれらフィルター後の供給エアーの圧力を表示する
圧力計を示し、これら圧力計３、７は前記水分捕獲フィ
ルター４、塵芥捕獲フィルター５及びオイルミスト捕獲
フィルター６の上流側と下流側において前記圧縮空気供
給管路Ａに連通接続されており、前記圧力計７と前記圧
力計３との差圧を検出して前記一連のフィルター４、
５、６の目詰まり具合を判断する手段としている。

【００１３】前記窒素ガス分離器８は、耐圧容器８ａの
中に中空糸８ｂを多数束ねて形成した窒素ガス収集エレ
メント（図示せず）を収容した構造となっている。

【００１４】前記中空糸８ｂは、空気中の酸素を選択的
に透過させる性質を有する分離膜からなる細管状で、図
２に示すように、中空糸８ｂの一端に矢印Ｘの如く圧縮
空気を供給すれば、該中空糸８ｂの外周からは矢印Ｚの
如く富酸素ガス（酸素濃度が濃くなったガス）が透過放
出され、中空糸８ｂの他端からは富酸素ガス（窒素濃度
が濃くなったガス）が矢印Ｙの如く吐出されてくる。

【００１５】尚、こうして中空糸８ｂにより生成される
富窒素ガスは、９９．５％の窒素ガス濃度となってい
る。

【００１６】Ｂは前記窒素ガス分離器８の窒素ガス流出
口８ｃに接続した窒素ガス排出管路を示し、該窒素ガス
排出管路Ｂに、その上流側から下流側に、キャリブレー
ション器９及び逆止弁１０を順次介在している。

【００１７】前記キャリブレーション器９は前記窒素ガ
ス分離器８により生成される窒素ガスの濃度を常に測定
し、又、前記逆止弁１０はその出口側に大きな圧力がか
かっても逆流を生じないようにしている。

【００１８】１１は前記窒素ガス排出管路Ｂの吐出口に
連通接続した貯蔵タンクで、３００乃至５００リットル
の容量のものが使われる。

【００１９】１２及び１５は前記窒素ガス排出管路Ｂの
先端部において分岐した各分岐管路Ｂ１、Ｂ２の先端の
窒素ガス取り出し口である。

【００２０】１３は該分岐管路Ｂ２に介在した窒素ガス
圧調整器で、必要なタイヤ圧に応じて窒素ガスの供給圧
力を調節する。

【００２１】１４は該窒素ガス圧調整器１３に連通接続
した窒素ガス圧表示圧力計で、タイヤ内の窒素ガス圧を
表示する。

【００２２】尚、前記窒素ガス取り出し口１５には、タ
イヤチャック又はタイヤインフレーター等のタイヤへの
窒素ガス供給手段を接続する。

【００２３】次に本実施の形態のタイヤ充填装置の使用
方法及びその利点について図１により説明する。

【００２４】本実施の形態のタイヤ充填装置を作動させ
るときは、圧力が１０kgf/cm²程度の圧縮空気源をエア
ー接続口１に接続し、開閉コック２を開くと、圧縮空気
が圧縮空気供給管路Ａに流入し、水分捕獲フィルター
４、塵芥捕獲フィルター５及びオイルミスト捕獲フィル
ター６を順次通過して窒素ガス分離器８へと流れ、該窒
素ガス分離器８内の中空糸８ｂによって窒素ガス（充填
ガス濃度９９．５％）が生成される。

【００２５】尚、該中空糸８ｂから透過放出された前記
富酸素ガスは、窒素ガス分離器８の富酸素ガス排出口８
ｄから大気中に排気される。

【００２６】前記窒素ガス分離器８内で生成された窒素
ガスは窒素ガス排出管路Ｂへ送り出され、キャリブレー
ション器９によって濃度測定された後、逆止弁１０を経
て貯蔵タンク１１に貯蔵されると共に、窒素ガス取り出
し口１２、１５に接続したタイヤチャック又はタイヤイ
ンフレーター等により、タイヤへの窒素ガス充填に使用
される。

【００２７】尚、窒素ガス取り出し口１５への窒素ガス
供給圧力は、窒素ガス圧調整器１３によって貯蔵タンク
１１又は窒素ガス取り出し口１２よりも低い圧力に設定
されているので、乗用車用タイヤの如くタイヤの設定圧
が低い場合には窒素ガス取り出し口１５から窒素ガスを
供給し、トラックやバス等の設定圧の高いタイヤに対し
ては窒素ガス取り出し口１２から窒素ガスを供給するよ
うにしてもよい。

【００２８】又、貯蔵タンク１１の圧力は、供給する圧
縮空気の圧力と同等の圧力に迄上昇可能なので、窒素ガ
スを必要としない時には入口側の開閉コック２を閉じて
おく必要がある。

【００２９】尚、窒素ガス管路Ｂに貯蔵タンク１１を連
通接続したので、窒素ガス取り出し口１５から連続して
窒素ガスを取り出すことができる。

【００３０】又、水分捕獲フィルター４、塵芥捕獲フィ
ルター５及びオイルミスト捕獲フィルター６の３つのフ
ィルターを設けたことにより、中空糸８ｂよりなる窒素
ガス収集エレメントの寿命をのばし、窒素ガスの生成を
長時間に渡り良好に保つ効果を有している。

【００３１】尚、これら３つのフィルターの前後に設け
た圧力計３及び圧力計７の圧力差が圧力計３の指示値の
１０％以上になったときは、フィルターが目詰まりをし
たものと見なして、フィルターカートリッジの交換を行
なうようにしている。

【００３２】本発明の第２の実施の形態を図３及び図４
により説明する。

【００３３】図３は本発明の窒素ガス発生装置を具備し
たタイヤ充填装置の管路図である。

【００３４】本実施の形態は、前記第１の実施の形態に
おけるタイヤ充填装置の窒素ガス圧調整器１３と窒素ガ
ス取り出し口１５との間の窒素ガス排出管路Ｂに３ポー
ト式の方向切換弁又は３方コック１６を介在させると共
に、該３方コック１６の３個の接続口の内の１つの接続
口１７をガス吸引手段、例えば真空ポンプ１８に接続し
た点が前記第１の実施の形態とは異なる。

【００３５】図４は、これら３方コック１６及び真空ポ
ンプ１８の接続関係を示す斜視図である。

【００３６】尚、１９はタイヤインフレーターである。

【００３７】次に本実施の形態のタイヤ充填装置の使用
方法について説明する。

【００３８】タイヤに窒素ガスを充填する時には、先
ず、タイヤ内に残存するガスを充分に抜き去ることが望
ましい。

【００３９】このため、窒素ガスを充填したいタイヤの
内圧を大気圧と同じにした後、該タイヤの空気弁に前記
タイヤインフレーター１９を係着し、三方コック１６を
操作して該タイヤと前記真空ポンプ１８との管路を接続
させ、真空ポンプ１８を作動させてタイヤ内の残存ガス
を排出させてバキュームとする。

【００４０】然る後に前記三方コック１６を切り換え
て、前記窒素ガス排出管路Ｂと前記タイヤとを接続さ
せ、前記第１の実施の形態におけるのと同様の方法によ
りタイヤに窒素ガスを充填する。本実施の形態によれ
ば、タイヤ内の窒素ガスの純度を高くすることができる
利点を有する。

【００４１】

【発明の効果】このように本発明によれば、タイヤ販売
店等において、空気から直接窒素ガスを生成させてタイ
ヤに充填することができるので、従来の窒素ガスボンベ
を使う方法よりも作業が安全で且つ便利となる効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態のタイヤ充填装置の
管路図である。

【図２】前記タイヤ充填装置の一部、中空糸の作動の説
明図である。

【図３】本発明の第２の実施の形態のタイヤ充填装置の
管路図である。

【図４】前記第２の実施の形態の一部の斜視図である。

【符号の説明】 ３、７、１４ 圧力測定手段（圧力計） ４ 水分捕獲フィルター ５ 塵芥捕獲フィルター ６ オイルミスト捕獲フィルター ８ 窒素ガス分離器 ８ａ 耐圧容器 ８ｂ 中空糸 ９ 窒素ガス流量調整弁 １０ 逆止弁 １１ 窒素ガス貯蔵タンク １２、１５ 窒素ガス取り出し口 １３ 窒素ガス供給圧力調整手段 １６ 切換弁（３方コック） １８ ガス吸引手段（真空ポンプ） １９ タイヤへの窒素ガス供給手段（タイヤ
インフレーター）

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１３年９月４日（２００１．９．４）

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気中の酸素ガスを選択的に透過させる
   性質を有する分離膜からなる中空糸を多数束ねて窒素ガ
   ス収集エレメントを形成すると共に該窒素ガス収集エレ
   メントを耐圧容器内に収容して該耐圧容器の一方から供
   給した圧縮空気を窒素ガスと富酸素ガスとに分離する窒
   素ガス分離器に形成し、該窒素ガス分離器の窒素ガス排
   出管路に窒素ガス流量調整弁と逆止弁と窒素ガス取り出
   し口とを設置してなる窒素ガス発生装置。
2. 【請求項２】 前記窒素ガス分離器の入口側に設けた圧
   縮空気供給管路に、圧縮空気中の水分を除去する水分捕
   獲フィルターと、圧縮空気中の塵芥を除去する塵芥捕獲
   フィルターと、圧縮空気中のオイルミストを除去するオ
   イルミスト捕獲フィルターとを介在すると共に、これら
   一連のフィルターの前後の管路の圧力差を測定する差圧
   測定手段を具備した請求項１に記載の窒素ガス発生装
   置。
3. 【請求項３】 前記窒素ガス排出管路の窒素ガス取り出
   し口部に、窒素ガス供給圧力調節手段を介してタイヤへ
   の窒素ガス供給手段を装着した請求項１又は請求項２に
   記載の窒素ガス発生装置。
4. 【請求項４】 前記圧縮空気供給管路に具備した差圧測
   定手段によって前記一連のフィルターの目詰まり状態を
   判断するようにした請求項２に記載の窒素ガス発生装
   置。
5. 【請求項５】 前記窒素ガス供給圧力調節手段と前記タ
   イヤへの窒素ガス供給手段との間の窒素ガス排出管路に
   方向切換弁を介在させると共に該方向切換弁の接続口の
   １つをガス吸引手段に接続した請求項３に記載の窒素ガ
   ス発生装置。
6. 【請求項６】 前記窒素ガス排出管路の窒素ガス取り出
   し口部に、窒素ガスの貯蔵タンクを具備した請求項１に
   記載の窒素ガス発生装置。