JP2003054289A - 車両用走行制御装置 - Google Patents

車両用走行制御装置

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JP2003054289A
JP2003054289A JP2001242165A JP2001242165A JP2003054289A JP 2003054289 A JP2003054289 A JP 2003054289A JP 2001242165 A JP2001242165 A JP 2001242165A JP 2001242165 A JP2001242165 A JP 2001242165A JP 2003054289 A JP2003054289 A JP 2003054289A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 先行車が停止との判断時、車間距離検出値に
代えて第2の車間距離演算値を用いることにより、乗り
心地が良好な車間距離制御を行うことができる車両用走
行制御装置を提供すること。 【解決手段】 センサ切り替え部5において、車間距離
検出値L1と相対速度検出値VR1及び第2の車間距離演算
値L2と相対速度値VR2を入力し、先行車停止判断部2か
ら入力される先行車停止信号VPR_STOPが先行車停止を示
すVPR_STOP=1である時には車間距離制御部6に対し第2
車間距離検出値L2を車間距離Lとして出力し、相対速度
値VR2を相対速度VRとして出力し、車間距離制御部6に
おいて、車間距離Lと相対速度VRを入力情報とし、相対
速度VRによるフィードバック制御を加え、車間距離Lが
車間距離目標値LCMDに一致するように車速及び制駆動力
が制御される構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車間距離制御中に
先行車が停止する場合や、既に停止している先行車への
車間距離制御が要求される場合において適切な車間距離
制御を行う車両用走行制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】レーダ等を用いて先行車との車間距離を
検出し、車間距離が車速に応じた適値となるようにエン
ジン出力やブレーキ圧力を制御するアダプティブ・クル
ーズ・コントロール・システム(ACC)や、渋滞時に
先行車追従を行うインチングシステムが公知となってい
る。
【0003】従来例(特開平11−268558号公
報)では、先ず車間距離コントローラで車間距離や相対
速度のフィードバックを行い、各信号の目標値との偏差
に制御ゲインを乗じて車間距離を目標値に追従させるた
めの車速指令値を演算する。次に車速コントローラで車
速を指令値に追従させるための駆動軸トルク指令値を演
算している。駆動軸コントローラでは、駆動軸が指令値
に応じた値になるようにエンジントルク操作量と、ブレ
ーキアクチュエータ操作量を演算する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、渋滞時
等、低速時において車間距離を制御する従来のシステム
にあっては、車間距離制御中に先行車が停止する場合
や、既に停止している先行車への車間距離制御が要求さ
れる場合、制御精度と乗り心地を両立させるのが難しい
という問題点が生じる。
【0005】一般に、停車時の車間距離制御精度を向上
させる場合は、制御ゲインを大きくし、ノミナル値から
の車重変化や、勾配変化の影響を受け難くすることが必
要である。ところが、自車の停止間際等での近距離の車
間距離計測において、自車の加減速で発生するピッチ変
化等で測定距離にノイズがのりやすくなる。以上によ
り、特に、停止間際の車間距離制御精度を上げるために
制御ゲインを大きくすると車間距離センサにのっている
ノイズを増幅することになり乗り心地が悪化する。逆
に、乗り心地を良くするために制御ゲインを下げると制
御精度が悪化するため所望の距離で車両を停止させるの
が難しくなる。よって、制御精度と乗り心地を両立させ
るのが難しい。
【0006】このような問題を解決するため、複数のレ
ーダを有し、走行状況に適した車間距離センサを切り替
えて使用することが考えられるが、複数のレーダを搭載
する必要があることから、コストが高くなる。また、測
定した距離の信頼度に応じて、車間距離のみを用いた制
御と、車間距離と相対速度を用いた制御とを切り替える
方式も出願されている(特開平07−89369号公
報)。しかし、一般に車間距離制御の安定性や収束性を
向上させるためには相対速度のフィードバックが必要で
あり、この方式では車間距離のみを用いた車間距離制御
を行う場合の車間距離の目標値への収束性が劣ってしま
うという問題点が生じる。
【0007】本発明は、上記問題点に着目してなされた
もので、その目的とするところは、先行車が停止との判
断時、車間距離検出値に代えて第2の車間距離演算値を
用いることにより、乗り心地が良好な車間距離制御を行
うことができる車両用走行制御装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明では、車間距離を検出し、車間
距離検出値を出力する車間距離検出手段と、自車速を検
出する自車速検出手段と、先行車の停止を判断する先行
車停止判断手段と、先行車の停止判断以降の経過時間と
自車速検出値により自車移動量を算出する自車移動量算
出手段と、先行車停止判断時の車間距離検出値から前記
先行車停止判断以降の自車移動量を減じることで先行車
停止時車間距離である第2の車間距離を演算する第2の
車間距離演算手段と、前記車間距離検出値と前記第2の
車間距離演算値を入力し、前記先行車停止判断手段によ
り先行車が非停止との判断時には車間距離検出値を出力
し、先行車が停止との判断時には第2の車間距離演算値
を出力する車間距離切り替え手段と、前記車間距離切り
替え手段から出力される車間距離検出値または第2の車
間距離演算値が目標車間距離に応じた値になるように、
車速あるいは制駆動力を制御する車間距離制御手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0009】請求項2に係る発明では、請求項1に記載
の車両用走行制御装置において、前記車間距離検出手段
は、車間距離と相対速度を検出し、車間距離検出値と相
対速度検出値を出力する手段であり、前記車間距離切り
替え手段は、車間距離検出値と相対速度検出値と第2の
車間距離演算値と自車速検出値を入力し、前記先行車停
止判断手段により先行車が非停止との判断時には車間距
離検出値と相対速度検出値を出力し、先行車が停止との
判断時には第2の車間距離演算値と自車速に応じた相対
速度値を出力する手段であり、前記車間距離制御手段
は、車間距離切り替え手段から出力される車間距離と相
対速度が目標車間距離と目標相対速度に応じた値になる
ように、車速あるいは制駆動力を制御する手段であるこ
とを特徴とする。
【0010】請求項3に係る発明では、請求項1または
請求項2に記載の車両用走行制御装置において、前記先
行車停止判断手段により先行車が停止と判断した場合、
前記車間距離制御手段の制御ゲインを増加する制御ゲイ
ン設定手段を設けたことを特徴とする。
【0011】請求項4に係る発明では、請求項3に記載
の車両用走行制御装置において、前記先行車停止判断手
段により先行車が停止と判断した場合であって、車間距
離検出値が所定値よりも大きいとき、或いは、車間距離
検出値と第2の車間距離演算値の偏差が所定値より大き
いときは、前記車間距離切り替え手段は、車間距離検出
値、または、車間距離検出値と相対速度検出値を出力
し、前記制御ゲイン設定手段は、車間距離制御手段の制
御ゲインを増加しないことを特徴とする。
【0012】請求項5に係る発明では、請求項3に記載
の車両用走行制御装置において、前記先行車停止判断手
段により先行車が停止と判断した場合であって、車間距
離検出手段からの信号が非検出となったとき、前記車間
距離切り替え手段は、第2の車間距離演算値、第2の車
間距離演算値と自車速に応じた相対速度値を出力し、前
記制御ゲイン設定手段は、車間距離制御手段の制御ゲイ
ンを増加することを特徴とする。
【0013】
【発明の作用および効果】請求項1に係る発明にあって
は、車間距離検出手段において、車間距離が検出され、
車間距離検出値が出力される。また、第2の車間距離演
算手段において、先行車停止判断手段による先行車停止
判断時の車間距離検出値から自車移動量算出手段により
算出される先行車停止判断以降の自車移動量を減じるこ
とで先行車停止時車間距離である第2の車間距離が演算
される。そして、車間距離切り替え手段において、車間
距離検出値と第2の車間距離演算値を入力し、先行車停
止判断手段により先行車が非停止との判断時には車間距
離検出値が出力され、先行車が停止との判断時には第2
の車間距離演算値が出力され、車間距離制御手段におい
て、車間距離切り替え手段から出力される車間距離検出
値または第2の車間距離演算値が目標車間距離に応じた
値になるように、車速あるいは制駆動力が制御される。
よって、先行車が停止との判断時には、第2の車間距離
演算値が目標車間距離に応じた値になるように車間距離
が制御されるため、車間距離検出手段からの車間距離検
出値のような自車の加減速で発生する車両ピッチ変化等
のノイズによる変動がなく、車間距離検出値より滑らか
な値となる第2の車間距離演算値を用いることで、乗り
心地が良好な車間距離制御を行うことができる。
【0014】請求項2に係る発明にあっては、車間距離
検出手段において、車間距離と相対速度が検出され、車
間距離検出値と相対速度検出値が出力される。そして、
車間距離切り替え手段において、車間距離検出値と相対
速度検出値と第2の車間距離演算値と自車速検出値を入
力し、先行車停止判断手段により先行車が非停止との判
断時には車間距離検出値と相対速度検出値が出力され、
先行車が停止との判断時には第2の車間距離演算値と自
車速に応じた相対速度値が出力され、車間距離制御手段
において、車間距離切り替え手段から出力される車間距
離と相対速度が目標車間距離と目標相対速度に応じた値
になるように、車速あるいは制駆動力が制御される。よ
って、車間距離と相対速度を用いた車間距離制御となる
ため、相対速度によるフィードバック制御が加わること
で、車間距離の目標車間距離への収束性や安定性を向上
させることができる。
【0015】請求項3に係る発明にあっては、制御ゲイ
ン設定手段において、先行車停止判断手段により先行車
が停止と判断した場合、車間距離制御手段の制御ゲイン
が増加されるため、先行車停止時に高い車間距離制御精
度と良好な乗り心地を両立させることができる。すなわ
ち、先行車停止時には、第2の車間距離演算値を車間距
離制御に用いているため、車間距離制御精度を上げるた
めに制御ゲインを増加させても車間距離検出値のように
ノイズを増幅させることがない。
【0016】請求項4に係る発明にあっては、先行車停
止判断手段により先行車が停止と判断した場合であっ
て、車間距離検出値が所定値よりも大きいとき、或い
は、車間距離検出値と第2の車間距離演算値の偏差が所
定値より大きいときは、車間距離切り替え手段におい
て、車間距離検出値、または、車間距離検出値と相対速
度検出値が出力され、制御ゲイン設定手段において、車
間距離制御手段の制御ゲインが増加されないため、自車
速から自車移動量を算出する際の積分誤差が少ない正確
な車間距離制御を行うことができる。これは、車間距離
が長く車間距離検出値が所定値よりも大きいときは、車
間距離制御の制御ゲインを増加させる必要がないこと、
路面の滑りやすい状況等で車間距離検出値と第2の車間
距離演算値の偏差が所定値より大きいときは、第2の車
間距離演算に用いる自車速検出値が実際の車体速度と異
なる可能性が大きいことの理由による。
【0017】請求項5に係る発明にあっては、先行車停
止判断手段により先行車が停止と判断した場合であっ
て、車間距離検出手段からの信号が非検出となったと
き、車間距離切り替え手段において、第2の車間距離演
算値、第2の車間距離演算値と自車速に応じた相対速度
値が出力され、制御ゲイン設定手段において、車間距離
制御手段の制御ゲインが増加されるため、自車が停止す
るまでの車間距離制御を続行することができる。すなわ
ち、先行車停止判断の途中で車間距離検出手段からの信
号が非検出になった場合は、先行車停止判断条件が非成
立になる可能性が大きいが、既に先行車停止判断が行わ
れている状態では先行車が停止し、自車の止まり際であ
るため、そのまま車間距離制御による停止動作を継続さ
せるほうが望ましいことによる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明における車両用走行
制御装置を実現する実施の形態を、請求項1〜請求項5
に対応する第1実施例と第2実施例に基づいて説明す
る。
【0019】(第1実施例)まず、構成を説明する。図
1は第1実施例の車両用走行制御装置を示す全体システ
ムであり、図中1は車間距離相対速度検出部(車間距離
検出手段)、2は先行車停止判断部(先行車停止判断手
段)、3は車速検出部(自車速検出手段)、4は第2の
車間距離演算部(第2の車間距離演算手段)、5はセン
サ切り替え部(車間距離切り替え手段)、6は車間距離
制御部(制御ゲイン設定手段、車間距離制御手段)、7
は車両駆動系である。
【0020】前記車間距離相対速度検出部1は、例え
ば、レーダ等を用いて車間距離と相対速度を検出し、車
間距離検出値L1と相対速度検出値VR1を出力する。な
お、相対速度を直接検出できない場合は、車間距離測定
値の変化率を演算して相対速度を求めても良い。
【0021】前記先行車停止判断部2は、相対速度検出
値VR1と自車速VSPとから先行車車速VPRを演算し、演算
された先行車車速VPRが予め設定された停止判断車速以
下であるとき、先行車停止信号VPR_STOPを第2の車間距
離演算部4とセンサ切り替え部5と車間距離制御部6に
出力する。
【0022】前記車速検出部3は、例えば、車輪と同期
して回転するロータ歯車の位置変化を電磁ピックアップ
で検出し、ロータ歯車と同期して出力されるパルス信号
の周期をマイクロコンピュータで検知することで、自車
速VSPを測定する。
【0023】前記第2の車間距離演算部4は、自車速VS
Pと先行車停止信号VPR_STOPを入力し、先行車が停止し
ていると判断したときの第2の車間距離演算値L2を求め
る。
【0024】前記センサ切り替え部5は、先行車停止信
号VPR_STOPに応じて、車間距離制御部6で使用する車間
距離Lと相対速度VRの切り替えを行う。
【0025】前記車間距離制御部6は、センサ切り替え
部5から入力される車間距離Lと相対速度VRを目標値に
一致させるためのエンジントルク指令値とブレーキ液圧
指令値を演算する。また、先行車停止判断部2からの先
行車停止信号VPR_STOPに基づいて、制御ゲインfD,fVを
変更する。
【0026】前記車両駆動系7は、図2に示すように、
エンジントルクをエンジントルク指令値TERに応じた値
とするエンジンコントローラ7-1と、エンジン7-2と、自
動変速機7-3と、ディファレンシャルギア7-4と、ブレー
キ液圧をブレーキ液圧指令値PBRに応じた値とするブレ
ーキ液圧サーボ系7-5と、ブレーキ7-6と、タイヤ7-7と
を有して構成される。
【0027】前記車間距離制御部6の構成について、図
3〜図6に基づいて説明する。先ず、車間距離制御系を
設計する際の制御対象について説明する。図3に示すよ
うに、車間距離制御系から見た場合、制御対象への入力
は車速指令値VCMD、出力は車間距離Lと相対速度VR(=dL/
dt)となり、先行車車速VPRが外乱となる。また、車速制
御系は、後述するように、車速指令値VCMDに対する自車
速VSPの時定数がTV(すなわちカットオフ周波数がωV=1
/TV)となる一次遅れ系GV(s)に制御されているとする。
従って、制御対象は次式で表される。 L(s)=s-1・(VPR(s)-GV(s)・VCMD(s)) (1) 但し、 GV(s)=BV(s)/AV(s) (2) BV(s)=1 (3) AV(s)=TV・s+1 (4) 車間距離制御部6は、車間距離制御演算部6-1と、制駆
動力制御部6-2とから構成されている。以下、車間距離
制御演算部6-1と制駆動力制御部6-2について説明する。
【0028】[車間距離制御演算部6-1]図4に車間距
離制御演算部6-1のブロック図を示す。自車と先行車が
共に一定走行している場合の最終的な車間距離目標値LC
MDは、確保したい車間時間をTHW、先行車の車速をVPRと
すると、例えば、次式で算出することができる。 LCMD=THW・VPR+LO (5) 但し、LOは先行車停止時の目標車間距離である。VPRは
先行車車速であり、次式で演算する。 VPR=VR+VSP (6) 但し、VSPは自車速、VRはセンサ切り替え部5が出力す
る相対速度信号である。車間距離を目標値に一致させる
ための車速指令値VCMDを、例えば次式で演算する。 VCMD=-fD・(LCMD-L)-fV・VR+VSP+VR (7) (7)式で演算される車速指令値VCMDを時定数がTVの車速
制御系に入力したときの車間距離目標値LCMDに対する車
間距離Lの応答は次式となる。 L(s)=s・GD(s)・VPR(s)+GM(s)・LCMD(s) (8) 但し、 GD(s)=1/AM(s) (9) GM(s)=BM(s)/AM(s) (10) BM(s)=(1/TV)・fD (11) AM(s)=s2+(1/TV)(1-fV)・s+(1/TV)・fD (12) (12)式から、車間距離制御系の固有振動数ωと、減衰率
ζは以下となる。 ω=√(fD/TV) (13) ζ=(1-fV)/(2√(fD・TV) (14) 従って、固有振動数ωをより大きく、減衰率ζを1以上
となるように車間距離ゲインfD、及び相対速度ゲインfV
を調整すれば、車間距離目標値LCMDに対する実車間距離
Lの応答性が向上し、制御誤差が少なくなることがわか
る。ところが、これらのゲインfD,fVを増加させること
は、車間距離信号や相対速度信号に含まれるノイズまで
増幅することになり、乗り心地が悪化する。そこで、先
行車停止判断部2からの信号に基づき、以下のようにゲ
インfD,fVを切り替える構成とする。 先行車停止判断部2からの信号が、先行車非停止の場
合:ω=ωL,ζ=ζL 先行車停止判断部2からの信号が、先行車停止の場合:
ω=ωH,ζ=ζH 但し、ωH>ωL,ζH>ζLであり、ωL,ζLは乗り心地を
重視したゲインとなるように、ωH,ζHは先行車停止時
の車間距離位置決め精度が向上するように、実験やシミ
ュレータ等で調整する。実際の車間距離制御ゲインfD,f
Vは、固有振動数ωと減衰率ζとから次式で求める。 fD=TV・ω2 (15) fV=1-2・ζ・ω・TV (16) また、これらのゲインfD,fVの切り替えは、ゲインfD,fV
がステップ適に変化するのではなく徐々に変更させても
良い。
【0029】[制駆動力制御部6-2]次に、制駆動力制
御部6-2について説明する。制駆動力制御部6-2は、車速
制御部6-2-1と駆動軸トルク制御部6-2-2とから構成され
ている。車速制御部6-2-1は、車間距離制御演算部6-1か
らの車速指令値VCMDに対する自車速VSPの応答が、時定
数TVとなる一次遅れ系となるような駆動力指令値FWCMD
を演算する。車速制御系は、例えば、図5に示す構成と
なる。ここで、駆動力制御系の伝達遅れは無視できると
する。車速制御系から見た制御対象は、入力が駆動力指
令値FWCMD、出力が自車速VSP、空気抵抗と転がり抵抗の
和FDと勾配抵抗FGが外乱となり、次式で表すことができ
る。 VSP(s)=GP(s)・{FWCMD(s)-FG(s)-FD(s)} (17) GP(s)=s-1・KP (18) KP=1/M (19) 但し、Mは車重である。上式で空気抵抗と転がり抵抗の
和FDは、次式で予め計算し、制御対象に加えることでこ
れらの影響を除去する。 FD=μA・SV・VSP2+μR・M・g (20) 但し、μAは空気抵抗係数、SVは前面投影面積、μRは転
がり抵抗係数、gは重力加速度である。勾配抵抗FGは、
駆動力指令値FWCMDと自車速VSPとから、次式を用いて推
定する。 FGH(s)=GVP(s)・VSP(s)-GVH(s)・FWCMD(s) (21) 但し、 GVH(s)=BVH(s)/AVH(s) (22) BH(s)=ωVH (23) AVH(s)=s+ωVH (24) GVP(s)=GVH(s)/GP(s) (25) 次に、入力FWCMD0に対して次式のように駆動力指令値FW
CMDを演算することで、入力FWCMD0から自車速VSPまでの
伝達特性への勾配抵抗等の影響を排除する。 FWCMD=FWCMD0-FGH (26) 車速制御が演算した駆動軸トルク指令値TWCMDは、タイ
ヤ半径をRWとすると、次式となる。 TWCMD=RW・(FWCMD+FD) (27) 以上の走行抵抗補償により、入力FWCMD0から自車速VSP
までの伝達特性への外乱が除去されたと仮定すると、入
力FWCMD0から自車速VSPまでの伝達特性は次式となるこ
とから、 VSP(s)=GP(s)・FWCMD0(s) (28) 上記システムに対して入力FWCMD0を次式のように発生さ
せれば、 FWCMD0=KSP・(VCMD-VSP) (29) 車速指令値VCMDから自車速VSPまでの応答GV(s)は次式と
なる。GV(s)=BV(s)/AV(s)
(30) BV(s)=KSP/M (31) AV(s)=s+(KSP/M) (32) 上式で、 KSP/M=1/TV (33) となるようにKSPを設定すれば、車速制御系は時定数がT
V、すなわちカットオフ周波数ωV(=1/TV)の一次遅れ系
となる。
【0030】[駆動軸トルク制御部6-2-2]次に、駆動
軸トルク制御部6-2-2について説明する。駆動軸トルク
制御系は、車速制御部で演算された駆動軸トルク指令値
TWCMDを実現するためのエンジントルク指令値TERと、ブ
レーキ液圧指令値PBRを演算する。トルクコンバータの
トルク増幅率をRT、変速ギア比をRAT、ディファレンシ
ャルギア比をRDEF、エンジンイナーシャJE、エンジン回
転数をNEとすると、駆動軸トルクTWとエンジントルクT
E、ブレーキトルクTBRの関係は、次式となる。 TW=KGEAR・{TE-JE・(dNE/dt)}-TBR (34) 但し、 KGEAR=RT・RAT・RDEF (35) ここで、アダプティブ・クルーズ・コントロール・シス
テム(ACC)等で加速度が所定値内に制限されてお
り、エンジン回転数NEの変化率が小さい場合は、エンジ
ンイナーシャJEの影響は小さいとみなせるので、これを
ゼロをおくと、(34)式は次式となる。 TW=KGEAR・TE-TBR (36) (36)式により駆動軸トルク指令値TWCMDに対して、次式
でエンジントルク指令値TERを計算し、 TER=TWCMD/KGEAR (37) エンジントルク指令値TERがエンジンブレーキトルクTE_
IDLEよりも大きいか否かを判断する。エンジンブレーキ
トルクTE_IDLEは、概ねエンジン回転数NEで定まるた
め、図6に示すような、エンジン回転数NEに応じたテー
ブルマップを参照することで求める。エンジントルク指
令値TERが、エンジンブレーキトルクTE_IDLE以上であれ
ば、ブレーキを使わずにエンジントルクのみで駆動軸ト
ルク指令値TWCMD通りのトルクを実現できる。エンジン
トルク指令値TERが、エンジンブレーキトルクTE_IDLE以
下となれば、エンジンブレーキトルクによる制動トルク
を考慮して駆動軸トルクを駆動軸トルク指令値TWCMDに
一致させるためのブレーキ操作量を演算する。以上によ
り、エンジントルク指令値TERと、ブレーキトルク指令
値TBRの分配制御則は以下のようになる。 (A)エンジントルク指令値TER≧TE_IDLEのとき TBR=0 (38) TER=TWCMD/KGEAR (39) (B)エンジントルク指令値TER<TE_IDLEのときスロッ
トル開度がゼロ、又はスロットルがアイドルポジション
自のエンジントルクをTE_IDLEとすると、(36)式は次式
となる。 TW=KGEAR・TE_IDLE-TER (40) 従って、駆動軸トルク指令値TWCMDに対して次式のブレ
ーキトルクを発生させればよい。 TBR=KGEAR・TE_IDLE-TWCMD (41) ブレーキシリンダー面積をAb、ロータ有効半径をRb、パ
ッド摩擦係数をμbとすると、ブレーキトルク指令値TBR
に対して、ブレーキ操作量であるブレーキ液圧指令値PB
Rは次式となる。 PBR=TBR/KBRK (42) KBRK=8・Ab・Rb・μb (43) 次に、本発明の特徴である第2の車間距離演算部4と、
先行車停止判断部2と、センサ切り替え部5の動作につ
いて説明する。
【0031】[第2の車間距離演算部4]先ず、第2の
車間距離演算部4の動作について説明する。先行車が停
止した時の車間距離をL0とすると、第2の車間距離演算
値L2は、先行車停止時車間距離L0から自車の移動距離LH
を差し引くことで演算できる。自車の移動距離LHは、自
車速信号を積分することで演算する。この積分は、先行
車停止判断部2からの先行車停止信号VPR_STOPがクリア
されているとき常時ゼロクリアされ、先行車停止信号VP
R_STOPがセットされると積分を開始する。先行車停止時
車間距離L0は、先行車停止信号VPR_STOPがセットされた
ときの車間距離検出値L1をラッチした値とし、先行車停
止信号VPR_STOPがセットされているときの車速積分値で
ある自車移動距離LHとすると、第2の車間距離演算値L2
は、次式で演算できる。 L2=L0-LH (44) また、先行車停止信号VPR_STOPがクリアされているとき
は、L0=L1、LH=0となるので、L2=L1-0となり、第2の車
間距離演算値L2には車間距離検出値L1が代入される。
【0032】[先行車停止判断部2]前述のように、第
2の車間距離演算値L2を演算するには、少なくとも先行
車が停止していることが必要である。また、車間距離が
長い場合では車間距離制御ゲインを増加させる必要がな
いこと、路面の滑りやすい状況等では車速センサ信号が
実際の車体速度と異なる可能性が大きいこと等の理由か
ら、下記の条件が全て成立した場合に先行車停止信号VP
R_STOPをセットする構成とする。 (1)先行車車速VPRが所定値以下の場合 (2)車間距離検出値L1が所定値以下の場合 (3)第2の車間距離演算値L2と車間距離検出値L1との
偏差が所定値以下の場合図7は先行車停止判断部2で実
行される先行車停止判断処理の流れを示すフローチャー
トで、以下、各ステップについて説明する。
【0033】ステップS1〜ステップS4では、先行車
停止信号VPR_STOPを保持するか否かを判定する。ステッ
プS1では、先行車停止信号過去値VPR_STOP_1が、VPR_
STOP_1=1(先行車停止信号VPR_STOPがセット状態)
で、かつ、先行車非検知かどうかが判断される。ステッ
プS2では、車間距離制御キャンセル無し、かつ、自車
非停止、かつ、アクセル介入無しかどうかが判断され
る。そして、ステップS1とステップS2の両条件が成
立する時は、ステップS3へ進み、先行車停止信号VPR_
STOPのセット状態を保持させるための保持フラグHOJIが
HOJI=1(セット)とされる。また、ステップS1とステ
ップS2の少なくとも一方の条件が成立しない時は、ス
テップS4へ進み、先行車停止信号VPR_STOPのセット状
態を保持させるための保持フラグHOJIがHOJI=0(セット
状態の保持解除)される。
【0034】ステップS5〜ステップS8では、先行車
車速VPRが所定値VCNST1以下か否かを判定する。ステッ
プS5では、先行車車速VPRが、車間距離相対速度検出
部1が出力する相対速度VR、或いは、車間距離相対速度
検出部1が出力する車間距離検出値L1変化率を演算する
ことで求めた相対速度VRに、自車速VSPを加えることで
先行車車速VPRが求められる。 VPR=VR+VSP (45) ステップS6では、先行車車速VPRが所定値VCNST1以下
か否かが判断される。つまり、車間距離相対速度検出部
1の出力に基づいて得られる信号である相対速度VRのノ
イズを考慮し、先行車車速VPRがゼロか否かで先行車停
止を判断するのではなく、先行車車速VPRが所定値VCNST
1以下であれば先行車停止と判断し、先行車車速VPRが所
定値VCNST1を超えていれば先行車非停止と判断し、先行
車停止フラグCHANG_OK_Vをセット/クリアする。つま
り、VPR≦VCNST1が成立した場合、ステップS7へ進
み、先行車停止フラグCHANG_OK_Vがセットされる。ま
た、VPR>VCNST1が成立した場合、ステップS8へ進
み、先行車停止フラグCHANG_OK_Vがクリアされる。
【0035】ステップS9〜ステップS11では、車間
距離検出値L1が所定値LCNST1以下か否かを判定する。ス
テップS9では、車間距離検出値L1が所定値LCNST1以下
か否かが判断され、L1≦LCNST1が成立した場合、ステッ
プS10へ進み、車間距離フラグCHANG_OK_Lがセットさ
れる。また、L1>LCNST1が成立した場合、ステップS1
1へ進み、車間距離フラグCHANG_OK_Lがクリアされる。
【0036】ステップS12〜ステップS15では、第
2の車間距離演算値L2と車間距離検出値L1との偏差ABS_
ERRが所定値LCNST2以下か否かを判定する。ステップS
12では、第2の車間距離演算値L2と車間距離検出値L1
との差の絶対値により偏差ABS_ERRが演算される。 ABS_ERR=ABS(L1-L2) (46) ステップS13では、偏差ABS_ERRが所定値LCNST2以下
か否かが判断され、ABS_ERR≦LCNST2が成立した場合、
ステップS14へ進み、車間距離偏差フラグCHANG_OK_L
ERRがセットされる。また、ABS_ERR>LCNST2が成立した
場合、ステップS15へ進み、車間距離偏差フラグCHAN
G_OK_LERRがクリアされる。
【0037】ステップS16〜ステップS19では、先
行車停止条件と車間距離条件と車間距離偏差条件に基づ
いて先行車停止信号VPR_STOPのセット/クリアを行う。
ステップS16では、保持フラグHOJIがHOJI=0(クリ
ア)かどうかが判断される。保持フラグHOJIがクリアさ
れている場合には、ステップS17へ進み、先行車停止
フラグCHANG_OK_V=1、かつ、車間距離フラグCHANG_OK_L
=1、かつ、車間距離偏差フラグCHANG_OK_LERR=1の場合
のみ、車間信号切り替えと車間距離ゲイン増加をおこな
うため、各信号のANDをとり、先行車停止信号VPR_STOP
を演算する。 VPR_STOP=(CHANG_OK_V)AND(CHANG_OK_L)AND(CHANG_OK_LERR) (47) 保持フラグHOJIがセットされている場合には、ステップ
S18へ進み、先行車停止信号VPR_STOPをVPR_STOP=1と
して、先行車停止信号VPR_STOPのセット状態を保持す
る。そして、ステップS19へ進み、先行車停止信号VP
R_STOPの過去値VPR_STOP_1に現在の値を代入する。
【0038】[センサ切り替え部5]次に、センサ切り
替え部5の動作について説明する。センサ切り替え部5
は、先行車停止判断部2からの先行車停止信号VPR_STOP
に基づいて、車間距離制御に使用する車間距離信号と相
対速度信号の切り替えを行う。 VPR_STOP=0の場合 車間距離出力信号:車間距離相対速度検出部1からの車
間距離検出値(L1) 相対速度出力信号:車間距離相対速度検出部1からの相
対速度検出値(VR1) VPR_STOP=1の場合 車間距離出力信号:第2の車間距離演算部4からの第2
の車間距離演算値(L2) 相対速度出力信号:自車速VSPの符号をマイナスとした
相対速度値(VR2) [車間距離制御作用]まず、車間距離制御システムの作
動中であり、先行車に追従して自車が走行していると
き、車間距離相対速度検出部1において、検出された車
間距離検出値L1と相対速度検出値VR1が先行車停止判断
部2とセンサ切り替え部5に出力される。一方、第2の
車間距離演算部4において、先行車停止時車間距離L0か
ら自車の移動距離LHを差し引くことで第2の車間距離演
算値L2が求められる。さらに、車速検出部3により検出
される自車速VSPの符号をマイナスとすることで相対速
度値VR2(=-VSP)が求められる。
【0039】そして、センサ切り替え部5において、車
間距離検出値L1と相対速度検出値VR1及び第2の車間距
離演算値L2と相対速度値VR2を入力し、先行車停止判断
部2から入力される先行車停止信号VPR_STOPがVPR_STOP
=0である時には車間距離制御部6に対し、車間距離検出
値L1が車間距離Lとして出力され、相対速度検出値VR1が
相対速度VRとして出力され、また、先行車停止判断部2
から入力される先行車停止信号VPR_STOPがVPR_STOP=1で
ある時には車間距離制御部6に対し第2車間距離検出値
L2が車間距離Lとして出力され、相対速度値VR2が相対速
度VRとして出力される。
【0040】そして、車間距離制御部6において、セン
サ切り替え部5からの車間距離Lと相対速度VRを入力情
報とし、相対速度VRによるフィードバック制御を加え、
車間距離Lが車間距離目標値LCMDに一致するように車速
及び制駆動力が制御される。また、この車間距離制御部
6では、先行車停止判断部2から先行車停止信号VPR_ST
OPを入力し、VPR_STOP=0である時には、車間距離制御系
の固有振動数ωをωLとし減衰率ζをζLとし、VPR_STOP
=1である時には、車間距離制御系の固有振動数ωをωH
(>ωL)とし減衰率ζをζH(>ζL)とし、車間距離ゲイ
ンfD及び相対速度ゲインfVが設定される。ここで、ωL,
ζLは乗り心地を重視したゲインとなるように、ωH,ζH
は先行車停止時の車間距離位置決め精度を向上させるゲ
インとなるように調整される。
【0041】ちなみに、図8及び図9に従来例(先行車
が停止しても車間距離検出値L1及び相対速度検出値VR1
を用いる例)と第1実施例とのシミュレーション結果を
示す。なお、両者共に車間距離センサの出力信号にはノ
イズ成分として、±0.1mのランダムノイズを含ませてい
る。両者の対比から明らかなように、図9に示す第1実
施例では、先行車が停止したと判断した場合、車間距離
信号をノイズが少ない第2の車間距離演算値L2とし、相
対速度信号を自車速VSPの極性を変えた相対速度値VR2と
しているため、図8に示す従来例と比較して止まり際で
加速度信号のノイズ成分が減少している。また、図9に
示す第1実施例では、先行車が停止と判断した場合に、
制御ゲインfD,fVを増加させているため、図8に示す従
来例と比較して停止時の車間距離誤差が減少しているこ
とがわかる。
【0042】次に、効果を説明する。
【0043】(1)先行車が停止との判断時には、車間距
離制御部6において、センサ切り替え部5からの車間距
離Lを入力情報とし、車間距離Lが車間距離目標値LCMDに
一致するように車速及び制駆動力が制御されるため、車
間距離相対速度検出部1からの車間距離検出値L1のよう
な自車の加減速で発生する車両ピッチ変化等のノイズに
よる変動がなく、車間距離検出値L1より滑らかな値とな
る第2の車間距離演算値L2を用いることで、乗り心地が
良好な車間距離制御を行うことができる。
【0044】(2)先行車が停止との判断時には、車間距
離制御部6において、センサ切り替え部5からの車間距
離Lと相対速度VRを入力情報とし、相対速度VRによるフ
ィードバック制御を加え、車間距離Lが車間距離目標値L
CMDに一致するように車速及び制駆動力が制御されるた
め、車間距離Lの車間距離目標値LCMDへの収束性や安定
性を向上させることができる。
【0045】(3)先行車が停止との判断時には、車間距
離制御の制御ゲインfD,fVが増加されるため、先行車停
止時に高い車間距離制御精度と良好な乗り心地を両立さ
せることができる。
【0046】(4)先行車車速VPRが所定値以下の場合、車
間距離検出値L1が所定値以下の場合、第2の車間距離演
算値L2と車間距離検出値L1との偏差が所定値以下の場合
の条件が全て成立した場合に先行車停止信号VPR_STOPを
セットする構成としたため、車間距離検出値L1が所定値
よりも大きいとき、或いは、第2の車間距離演算値L2と
車間距離検出値L1との偏差が所定値より大きいときは、
センサ切り替え部5において、車間距離検出値L1と相対
速度検出値VR1が出力され、車間距離制御の制御ゲインf
D,fVが増加されないため、第2の車間距離演算値L2を用
いる場合のように、自車速VSPから自車の移動距離LHを
算出する際の積分誤差が少ない正確な車間距離制御を行
うことができる。
【0047】(5)先行車停止判断部2により先行車が停
止と判断した場合であって、車間距離相対速度検出部1
からの信号が非検出となったとき、センサ切り替え部5
において、第2の車間距離演算値L2と自車速VSPに応じ
た相対速度値VR2が出力され、車間距離制御の制御ゲイ
ンfD,fVが増加されるため、自車が停止するまでの車間
距離制御を続行することができる。すなわち、図7のス
テップS1→ステップS2→ステップS3と進んで保持
フラグHOJIがセットされると、ステップS16からステ
ップS18へ進み、先行車停止信号VPR_STOPのセットが
維持される。
【0048】(第2実施例)第1実施例は、車輪と同期
して回転するロータ歯車の位置変化を電磁ピックアップ
で検出し、ロータ歯車と同期して出力されるパルス信号
をマイクロコンピュータで検知することで得られた車速
信号を積分することで自車移動量を求めていたが、第2
実施例では、ロータ歯車と同期して出力されるパルス信
号を直接カウントすることで求めた自車移動量を使用す
る例について説明する。
【0049】図10において、8は自車移動量検出部で
あり、例えば、車輪と同期して回転するロータ歯車の位
置変化を電磁ピックアップで検出し、ロータ歯車と同期
して出力されるパルス信号の数をマイクロコンピュータ
でカウントすることで自車移動量LHSを測定する。例え
ば、ロータの歯数がm(枚)、タイヤ半径がr(m)と
すると、1パルス当たりの自車両移動量LHSは次式で演
算することができる。 LHS=2πr/m (48) 9は自車両移動量LHSの変化量演算部であり、自車速VSP
を演算する。自車速VSPの演算は、自車両移動量LHSにバ
ンドパスフィルタ処理を施すことで変化率を計算しても
よいし、前述のパルス信号の周期をマイクロコンピュー
タで検知してもよい。
【0050】4'は第2の車間距離演算部であり、車両
移動量LHSと先行車停止信号VPR_STOPを入力し、先行車
が停止していると判断したときの第2の車間距離演算値
L2を演算する。先行車停止判断部2からの先行車停止信
号VPR_STOPがセットされたときの移動距離をLHLとする
と、自車移動量LH2は、 LH2=LHS-LHL (49) となる。また、第1実施例と同様に、先行車停止信号VP
R_STOPがセットされた時の車間距離検出値L1をL0とする
と、第2の車間距離演算値L2は次式で求めることができ
る。 L2=L0-LH2 (50) 他の動作は第1実施例と同様である。
【0051】(他の実施例)以上、本発明の車両用走行
制御装置を第1実施例及び第2実施例に基づき説明して
きたが、具体的な構成については、これらの実施例に限
られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る
発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許
容される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の車両用走行制御装置を示す全体シ
ステム図である。
【図2】第1実施例の車両用走行制御装置における車両
制駆動系ブロック図である。
【図3】第1実施例の車両用走行制御装置における車間
距離制御系の制御対象ブロック図である。
【図4】第1実施例の車両用走行制御装置における車間
距離制御系ブロック図である。
【図5】第1実施例の車両用走行制御装置における制駆
動力制御部ブロック図である。
【図6】第1実施例の車両用走行制御装置における駆動
軸トルク制御部で用いられるエンジン回転数に応じたエ
ンジントルクマップを示す図である。
【図7】第1実施例の先行車停止判断部で行われる先行
車停止判断処理を示すフローチャートである。
【図8】従来例のシミュレーション結果図である。
【図9】第1実施例のシミュレーション結果図である。
【図10】第2実施例の車両用走行制御装置を示す全体
システム図である。
【符号の説明】
1 車間距離相対速度検出部(車間距離検出手段) 2 先行車停止判断部(先行車停止判断手段) 3 車速検出部(自車速検出手段) 4 第2の車間距離演算部(第2の車間距離演算手段) 5 センサ切り替え部(車間距離切り替え手段) 6 車間距離制御部(制御ゲイン設定手段、車間距離制
御手段) 6-1 車間距離制御演算部 6-2 制駆動力制御部 7 車両駆動系 8 自車両移動量検出部 9 変化量演算部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60T 7/12 B60T 7/12 C F02D 29/02 301 F02D 29/02 301D G08G 1/16 G08G 1/16 E Fターム(参考) 3D044 AA25 AB01 AC05 AC19 AC22 AC26 AC59 AD02 AD16 AD21 AE01 AE04 AE14 AE18 AE22 3D046 BB18 CC02 EE01 GG02 HH07 HH17 HH20 HH22 HH36 KK12 3G093 AA05 BA23 CB10 DA01 DB05 DB11 DB16 EA02 EB03 EB04 EC04 FA02 FA05 FA07 FA11 FA12 5H180 AA01 CC14 LL04 LL09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車間距離を検出し、車間距離検出値を出
    力する車間距離検出手段と、 自車速を検出する自車速検出手段と、 先行車の停止を判断する先行車停止判断手段と、 先行車の停止判断以降の経過時間と自車速検出値により
    自車移動量を算出する自車移動量算出手段と、 先行車停止判断時の車間距離検出値から前記先行車停止
    判断以降の自車移動量を減じることで先行車停止時車間
    距離である第2の車間距離を演算する第2の車間距離演
    算手段と、 前記車間距離検出値と前記第2の車間距離演算値を入力
    し、前記先行車停止判断手段により先行車が非停止との
    判断時には車間距離検出値を出力し、先行車が停止との
    判断時には第2の車間距離演算値を出力する車間距離切
    り替え手段と、 前記車間距離切り替え手段から出力される車間距離検出
    値または第2の車間距離演算値が目標車間距離に応じた
    値になるように、車速あるいは制駆動力を制御する車間
    距離制御手段と、 を備えていることを特徴とする車両用走行制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用走行制御装置に
    おいて、 前記車間距離検出手段は、車間距離と相対速度を検出
    し、車間距離検出値と相対速度検出値を出力する手段で
    あり、 前記車間距離切り替え手段は、車間距離検出値と相対速
    度検出値と第2の車間距離演算値と自車速検出値を入力
    し、前記先行車停止判断手段により先行車が非停止との
    判断時には車間距離検出値と相対速度検出値を出力し、
    先行車が停止との判断時には第2の車間距離演算値と自
    車速に応じた相対速度値を出力する手段であり、 前記車間距離制御手段は、車間距離切り替え手段から出
    力される車間距離と相対速度が目標車間距離と目標相対
    速度に応じた値になるように、車速あるいは制駆動力を
    制御する手段であることを特徴とする車両用走行制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の車両用
    走行制御装置において、 前記先行車停止判断手段により先行車が停止と判断した
    場合、前記車間距離制御手段の制御ゲインを増加する制
    御ゲイン設定手段を設けたことを特徴とする車両用走行
    制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の車両用走行制御装置に
    おいて、 前記先行車停止判断手段により先行車が停止と判断した
    場合であって、車間距離検出値が所定値よりも大きいと
    き、或いは、車間距離検出値と第2の車間距離演算値の
    偏差が所定値より大きいときは、前記車間距離切り替え
    手段は、車間距離検出値、または、車間距離検出値と相
    対速度検出値を出力し、前記制御ゲイン設定手段は、車
    間距離制御手段の制御ゲインを増加しないことを特徴と
    する車両用走行制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の車両用走行制御装置に
    おいて、 前記先行車停止判断手段により先行車が停止と判断した
    場合であって、車間距離検出手段からの信号が非検出と
    なったとき、前記車間距離切り替え手段は、第2の車間
    距離演算値、第2の車間距離演算値と自車速に応じた相
    対速度値を出力し、前記制御ゲイン設定手段は、車間距
    離制御手段の制御ゲインを増加することを特徴とする車
    両用走行制御装置。
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