JP3552479B2 - 車両用追従走行制御装置 - Google Patents

車両用追従走行制御装置 Download PDF

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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象車に対し、該対象車の前方を走行する先行車との間の目標車間距離を確保するための走行制御を行って、対象車を先行車に自動追従させる車両用追従走行制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
対象車に対し、該対象車の前方を走行する先行車との間の目標車間距離を確保するための走行制御を行って、対象車を先行車に自動追従させる車両用追従走行制御装置は、既に種々のものが開発され車両に搭載されている。
【0003】
しかし、従来の車両用追従走行制御装置は、停車中の対象車が先行車の発進に追従して自動発進する場合には、定速走行中の対象車が先行車の加速に追従して加速する場合と異なり、トルクコンバータのすべり、スロットルアクチュエータの無駄時間、走行抵抗の違い等に起因して対象車が先行車から出遅れ、対象車の運転者にもたつき感を与えてしまう。
【0004】
このため、例えば特開平5−286380号公報に開示されている技術のように、自動発進時のフィードバックゲインを大きく設定して、自動発進時のもたつき感を軽減するものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両用追従走行制御装置では、先行車に追従して対象車が減速し停車した場合に、対象車と先行車との間の停車時の車間距離は、先行車が急停車すればする程、目標車間距離より短くなってしまう。このため、車両用追従走行制御装置では、安全を考慮して、目標車間距離を予め大きく設定している。
【0006】
その結果、従来の車両用追従走行制御装置では、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い状況下で先行車が発進した場合に、対象車は、予め大きく設定された目標車間距離のため、先行車との車間距離が十分確保されているにも係わらず、車間距離が目標車間距離とほぼ等しくなるまで停車したままとなる。
【0007】
従って、従来の車両用追従走行制御装置では、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い状況下で先行車が発進した場合に、対象車は、例え特開平5−286380号公報記載の従来技術のように自動発進時のフィードバックゲインが大きく設定されていても、自動発進するまでに時間が掛かり、運転者にもたつき感を与えてしまう。
【0008】
図25は、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い状況下において、従来の車両用追従走行制御装置により対象車が追従発進を行った場合の結果を示す図であり、(a)は対象車及び先行車の車速の経時変化を、(b)は実際の車間距離及び目標車間距離の経時変化を、(c)は対象車のブレーキ圧の経時変化をそれぞれ示している。
【0009】
図25に示されているように、対象車は、先行車が発進した時点において、実際の車間距離が目標車間距離より短いため停車したままであり、実際の車間距離が目標車間距離とほぼ等しくなって初めて発進している。そして、対象車は、その発進時点で先行車の車速が既に大きくなっているため、発進時に急加速を伴っており、この発進時の急加速は、その結果としてオーバーシュート(先行車への接近)を引き起こすことがある。
【0010】
以上説明したように、従来の車両用追従走行制御装置には、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い状況下で先行車が発進した場合に、対象車と先行車との間の車間距離が目標車間距離とほぼ等しくなるまで対象車が発進せず、対象車の運転者にもたつき感を与えてしまう、という問題点がある。
【0011】
従来技術の前記問題点に鑑み、本発明では、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い状況下で先行車が発進した場合に、対象車の運転者に与えるもたつき感を軽減し得る車両用追従走行制御装置を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、請求項1の発明では、走行制御を行う対象車と該対象車の前方を走行する先行車との間の実際の車間距離を検出する車間距離検出手段と、前記対象車の速度を検出する速度検出手段と、前記対象車と先行車との間の目標車間距離を算出する目標車間距離算出手段と、前記算出された目標車間距離と前記検出された実際の車間距離との偏差である車間距離偏差に基づく原動機及び制動の制御によって前記対象車を先行車に自動追従させる追従制御手段とを有する車両用追従走行制御装置において、前記先行車が停車から発進したか否かを判断する先行車発進判断手段と、該先行車発進判断手段が先行車発進と判断した場合には、前記追従制御手段による前記制動の制御を解除して、前記目標車間距離に係わらず前記対象車を発進させ、前記実際の車間距離が前記目標車間距離より長くなったら、前記追従制御手段による前記制動の制御を復帰させる発進制御手段とを備えた、という構成を採用している。
【0013】
この請求項1の発明では、先行車発進判断手段は、先行車が停車から発進したか否かを判断し、発進制御手段は、先行車発進判断手段が先行車発進と判断した場合には、対象車と先行車との間の目標車間距離に係わらず対象車を発進させるので、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い状況下で先行車が発進した場合であっても、発進制御手段は対象車を発進させる。
【0014】
また、この請求項1の発明では、対象車は、先行車が発進して先行車発進判断手段が先行車発進と判断すると、先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い場合であっても、追従制御手段による制動の制御が発進制御手段によって解除され、その結果、ブレーキ圧が零になって発進する。従って、先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い場合には、対象車は、先行車が発進して先行車発進判断手段が先行車発進と判断すると、ブレーキ圧が零になって、加速が小さい原動機のクリープトルクで発進する。
【0015】
更に、請求項1の発明では、対象車は、先行車との実際の車間距離が目標車間距離より長くなると、追従制御手段による制動の制御を発進制御手段が復帰させ、追従制御手段による原動機及び制動の制御によって先行車に対する自動追従を開始する。
【0016】
前記課題を解決するための手段として、請求項2の発明では、走行制御を行う対象車と該対象車の前方を走行する先行車との間の実際の車間距離を検出する車間距離検出手段と、前記対象車の速度を検出する速度検出手段と、前記対象車と先行車との間の目標車間距離を算出する目標車間距離算出手段と、前記算出された目標車間距離と前記検出された実際の車間距離との偏差である車間距離偏差に基づく原動機及び制動の制御によって前記対象車を先行車に自動追従させる追従制御手段とを有する車両用追従走行制御装置において、前記追従制御手段は、前記車間距離偏差から目標加減速度又は原動機の目標トルクの少なくとも一方の目標値を算出する目標値算出手段を備え、前記目標値算出手段が算出した前記目標値と、該目標値に対して予め設定した設定値とを比較して前記目標値が設定値以下であるか否かを判断する目標値判断手段と、前記先行車が停車から発進したか否かを判断する先行車発進判断手段と、前記先行車発進判断手段が先行車発進と判断した場合であって、前記目標値判断手段が前記目標値を設定値以下と判断したときには、前記目標値を設定値に変更し、該変更した設定値に基づいて前記追従制御手段に原動機及び制動の制御を行わせる発進制御手段とを備えた、という構成を採用している。
【0017】
この請求項2の発明では、先行車発進判断手段は、先行車が停車から発進したか否かを判断し、発進制御手段は、先行車発進判断手段が先行車発進と判断した場合には、対象車と先行車との間の目標車間距離に係わらず対象車を発進させるので、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い状況下で先行車が発進した場合であっても、発進制御手段は対象車を発進させる。
【0018】
また、請求項2の発明では、設定値を予め所定の値に設定することにより、先行車が発進したら、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い場合であっても、所定の設定値に基づく原動機及び制動の制御を追従制御手段に行わせて、対象車を自動発進させることができる。
【0019】
なお、請求項2の発明では、目標値算出手段が算出した目標値を目標値判断手段が設定値以下と判断した場合にのみ、その設定値に基づく原動機及び制動の制御を発進制御手段が追従制御手段に行わせるので、対象車と先行車との間の実際の車間距離が目標車間距離より長くなって前記目標値が設定値より大きくなったら、発進制御手段によって行われる追従制御手段に対する規制を解除して、前記目標値に基づく原動機及び制動の通常制御を開始させることができる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項2記載の車両用追従走行制御装置であって、前記発進制御手段は、前記先行車発進判断手段が先行車発進と判断した場合には、前記目標値算出手段が算出した前記目標値に、該目標値に対して予め設定したフィードフォワード項を付加し、該付加した付加目標値に基づいて前記追従制御手段に原動機及び制動の制御を行わせることを特徴とするものである。
【0021】
このため、請求項3の発明では、フィードフォワード項を予め所定の値に設定することにより、先行車が発進したら、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い場合であっても、所定の値のフィードフォワード項を付加した付加目標値に基づく原動機及び制動の制御を追従制御手段に行わせて、対象車を自動発進させることができる。
【0022】
請求項4の発明は、請求項3記載の車両用追従走行制御装置であって、前記フィードフォワード項は、時間経過と共に減少し、所定時間が経過したら零となるように設定されていることを特徴とするものである。
【0023】
このため、請求項4の発明では、フィードフォワード項を予め所定の値に設定することにより発進制御手段によって自動発進した対象車は、目標値算出手段が算出した目標値に付加されたフィードフォワード項が時間経過と共に減少し、所定時間が経過するとフィードフォワード項が零になって、前記目標値に基づく原動機及び制動の通常制御を追従制御手段が開始し、先行車に対して追従制御手段による自動追従を開始する。
【0024】
請求項5の発明は、請求項3記載の車両用追従走行制御装置であって、前記フィードフォワード項は、前記対象車の速度に応じて変化し、前記対象車の速度が所定速度以上になったら零となるように設定されていることを特徴とするものである。
【0025】
このため、請求項5の発明では、フィードフォワード項を予め所定の値に設定することにより発進制御手段によって自動発進した対象車は、目標値算出手段が算出した目標値に付加されたフィードフォワード項が対象車の速度上昇と共に減少し、対象車の速度が所定速度以上になったらフィードフォワード項が零になって、前記目標値に基づく原動機及び制動の通常制御を追従制御手段が開始し、先行車に対して追従制御手段による自動追従を開始する。
【0026】
前記課題を解決するための手段として、請求項6の発明では、走行制御を行う対象車と該対象車の前方を走行する先行車との間の実際の車間距離を検出する車間距離検出手段と、前記対象車の速度を検出する速度検出手段と、前記対象車と先行車との間の目標車間距離を算出する目標車間距離算出手段と、前記算出された目標車間距離と前記検出された実際の車間距離との偏差である車間距離偏差に基づく原動機及び制動の制御によって前記対象車を先行車に自動追従させる追従制御手段とを有する車両用追従走行制御装置において、前記先行車が停車から発進したか否かを判断する先行車発進判断手段と、前記対象車の速度が所定値以上であるか否かを判断する速度判断手段と、該先行車発進判断手段が先行車発進と判断した場合には、前記追従制御手段による前記制動の制御を解除して、前記目標車間距離に係わらず前記対象車を発進させ、前記速度判断手段が前記対象車の速度を所定値以上と判断した場合には、前記追従制御手段により前記車間距離偏差に基づく制動の制御に移行させる発進制御手段とを備えた、という構成を採用している。
【0027】
この請求項6の発明では、先行車発進判断手段は、先行車が停車から発進したか否かを判断し、発進制御手段は、先行車発進判断手段が先行車発進と判断した場合には、対象車と先行車との間の目標車間距離に係わらず対象車を発進させるので、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い状況下で先行車が発進した場合であっても、発進制御手段は対象車を発進させる。
【0028】
また、請求項6の発明では、対象車は、先行車が発進して先行車発進判断手段が先行車発進と判断すると、先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い場合であっても、追従制御手段による制動の制御が発進制御手段によって解除され、その結果、ブレーキ圧が零になって発進する。従って、先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い場合には、対象車は、先行車が発進して先行車発進判断手段が先行車発進と判断すると、ブレーキ圧が零になって、加速が小さい原動機のクリープトルクで発進する。
【0029】
更に、請求項6の発明では、発進制御手段によって自動発進した対象車は、その後、所定の速度に達すると、発進制御手段によって行われる追従制御手段に対する規制が解除され、追従制御手段による原動機及び制動の通常制御が行われて、先行車に対する自動追従を開始する。
【0033】
請求項の発明は、請求項1〜請求項の何れかに記載の車両用追従走行制御装置であって、前記先行車発進判断手段は、前記先行車に対する前記対象車の相対車速に基づいて先行車が発進したか否かを判断することを特徴とするものである。
【0034】
このため、請求項の発明では、請求項1の発明と比べて、先行車発進判断手段による先行車発進の判断をより的確かつ迅速に行うことができる。
【0035】
【発明の効果】
請求項1の発明では、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い状況下で先行車が発進した場合であっても、発進制御手段が対象車を発進させるので、対象車の運転者に与えるもたつき感を軽減することができる。また、請求項1の発明では、対象車は、先行車が発進して先行車発進判断手段が先行車発進と判断すると、先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い場合には、ブレーキ圧が零になって、加速が小さい原動機のクリープトルクで発進するので、対象車の運転者に与えるもたつき感を軽減することができると共に、安全性が向上する。更に、請求項1の発明では、対象車と先行車との間の実際の車間距離が目標車間距離より長くなると、追従制御手段による制動の制御を発進制御手段が復帰させ、追従制御手段による原動機及び制動の制御によって対象車が先行車に対する自動追従を開始するので、発進制御手段による自動発進から追従制御手段による自動追従への移行をスムーズに行うことができる。
【0036】
請求項2の発明では、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い状況下で先行車が発進した場合であっても、発進制御手段が対象車を発進させるので、対象車の運転者に与えるもたつき感を軽減することができる。また、請求項2の発明では、追従制御手段は、車間距離偏差から目標加減速度又は原動機の目標トルクの少なくとも一方の目標値を算出する目標値算出手段を備え、該目標値算出手段が算出した前記目標値に基づいて原動機及び制動を制御するので、目標車間距離を確保しつつ先行車に自動追従するための追従制御手段による対象車の走行制御を、より的確に行うことができる。また、請求項2の発明では、設定値を予め所定の値に設定することにより、先行車が発進したら、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い場合であっても、対象車を自動発進させることができるので、対象車の運転者に与えるもたつき感を軽減することができる。更に、請求項2の発明では、対象車と先行車との間の実際の車間距離が目標車間距離より長くなって、目標値算出手段が算出した目標値が設定値より大きくなると、発進制御手段によって行われる追従制御手段に対する規制を解除して、前記目標値に基づく原動機及び制動の通常制御を開始させることができるので、発進制御手段による自動発進から追従制御手段による自動追従への移行をスムーズに行うこともできる。
【0037】
請求項3の発明では、フィードフォワード項を予め所定の値に設定することにより、先行車が発進したら、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い場合であっても、対象車を自動発進させることができるので、対象車の運転者に与えるもたつき感を軽減することができる。
【0038】
請求項4の発明では、フィードフォワード項を予め所定の値に設定することにより発進制御手段によって自動発進した対象車は、目標値算出手段が算出した目標値に付加されたフィードフォワード項が時間経過と共に減少し、所定時間が経過するとフィードフォワード項が零になって、前記目標値に基づく原動機及び制動の通常制御を追従制御手段が開始するので、発進制御手段による自動発進から追従制御手段による自動追従への移行をスムーズに行うことができる。
【0039】
請求項5の発明では、フィードフォワード項を予め所定の値に設定することにより発進制御手段によって自動発進した対象車は、目標値算出手段が算出した目標値に付加されたフィードフォワード項が対象車の速度上昇と共に減少し、対象車の速度が所定速度以上になったらフィードフォワード項が零になって、前記目標値に基づく原動機及び制動の通常制御を追従制御手段が開始するので、発進制御手段による自動発進から追従制御手段による自動追従への移行をスムーズに行うことができる。
【0040】
請求項6の発明では、対象車と先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い状況下で先行車が発進した場合であっても、発進制御手段が対象車を発進させるので、対象車の運転者に与えるもたつき感を軽減することができる。また、請求項6の発明では、対象車は、先行車が発進して先行車発進判断手段が先行車発進と判断すると、先行車との間の停車時の車間距離が目標車間距離より短い場合には、ブレーキ圧が零になって、加速が小さい原動機のクリープトルクで発進するので、対象車の運転者に与えるもたつき感を軽減することができると共に、安全性が向上する。更に、請求項6の発明では、発進制御手段によって自動発進した対象車は、その後所定の速度に達すると、追従制御手段に対し発進制御手段によって行われる規制が解除され、追従制御手段による原動機及び制動の通常制御が行われて先行車に対する自動追従を開始するので、発進制御手段による自動発進から追従制御手段による自動追従への移行をスムーズに行うことができる。
【0042】
請求項の発明では、先行車発進判断手段による先行車発進の判断をより的確かつ迅速に行うことができるので、発進制御手段による対象車の発進をより的確かつ迅速に行うことができ、その結果、対象車の運転者に与えるもたつき感をより確実に軽減することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1〜図9は、請求項1〜4記載の各発明を併せて実施した実施の形態の一例である第1実施形態を示しており、図1は、この第1実施形態を適用した対象車Cの全体概略ブロック図を示している。
【0050】
図1図示の対象車Cでは、駆動方式としてフロントエンジン・リアドライブ(FR)を採用し、変速機としてオートマチックトランスミッション(A/T)を使用しており、従って、エンジン1の回転が自動変速機2,デファレンシャルギア3を介して後輪4L,4Rに伝えられて、後輪4L,4Rが駆動され、前輪5L,5Rは従動輪となっている。
【0051】
この前輪5L,5R及び後輪4L,4Rには、それぞれ車輪制動装置6L,6Rが設けられ、この車輪制動装置6L,6Rは、ブレーキ圧制御装置7によって追従制御装置8からの信号に基づき制御されるようになっている。そして、追従制御装置8には、後輪4L,4Rに設けられた車輪速検出装置9L,9Rからの検出信号と、対象車Cの前部に設けられた車間距離検出装置10からの検出信号とが入力され、追従制御装置8からはスロットル開度制御装置11へ信号が出力されており、この信号に基づいて、スロットル開度制御装置11はエンジン1の出力を制御している。
【0052】
従って、対象車Cは、追従制御装置8が車輪速検出装置9L,9R及び車間距離検出装置10からの入力信号に基づくブレーキ圧制御装置7及びスロットル開度制御装置11の制御により車輪制動装置6L,6Rの制動油圧及びエンジン1のスロットル開度を制御して、前方を走行する先行車に自動追従するようになっている。
【0053】
図2は、本発明の第1実施形態に係る車両用追従走行制御装置20のブロック図を示している。図2に示すように、この車両用追従走行制御装置20では、車間距離検出手段21と目標車間距離設定手段22から目標加減速度算出手段23へ信号が出力され、車間距離検出手段21からは相対速度判別手段24へも信号が出力されるようになっている。
【0054】
目標加減速度算出手段23と相対速度判別手段24からは発進規定手段25へ信号が出力され、この発進規定手段25は、目標加減速度算出手段23と共にエンジン出力制御手段26及び制動油圧制御手段27へ信号を出力し、速度検出手段28からの検出信号を入力するようになっている。
【0055】
そして、車両用追従走行制御装置20では、エンジン出力制御手段26から車両減速度推定手段29と車両30へ信号が出力され、車両減速度推定手段29から制動油圧制御手段27へ信号が出力され、制動油圧制御手段27から車両30へ信号が出力され、車両30からは速度検出手段28へ信号が出力されるようになっている。
【0056】
ここで、図2に示された各手段と図1の各装置との対応を示すと、図2の車間距離検出手段21は図1の車間距離検出装置10によって構成され、図2の速度検出手段28は図1の車輪速検出手段9L,9Rによって構成され、図2の目標車間距離設定手段22,目標加減速度算出手段23,相対速度判別手段24,発進規定手段25及び車両減速度推定手段29は図1の追従制御装置8によって構成され、図2のエンジン出力制御手段26は図1のスロットル開度制御装置11によって構成され、図2の制動油圧制御手段27は図1のブレーキ圧制御装置7によって構成されている。
【0057】
従って、車両用追従走行制御装置20では、車間距離検出手段21は対象車Cと先行車との間の実際の車間距離を検出し、目標車間距離設定手段22は先行車に対する対象車Cの目標車間距離を設定する。そして、目標加減速度算出手段23は、目標車間距離設定手段22と車間距離検出手段21からの出力信号を入力して、目標車間距離と実際の車間距離との偏差から目標加減速度を算出し、エンジン出力制御手段26及び制動液圧制御手段27へ信号を出力して、車両のエンジン出力及び制動液圧を制御し、その制御によって対象車Cに、先行車に対する自動追従を実行させるようになっている。
【0058】
また、車両用追従走行制御装置20では、車両減速度推定手段29は、エンジン出力制御手段26からの出力信号に基づいてエンジンブレーキ等による車両の減速度を推定し、その推定値を信号として制動液圧制御手段27へ出力して、エンジンブレーキ等では不足するためブレーキによる減速が必要な制動液圧の制御を制動液圧制御手段27に行わせるようになっている。
【0059】
更に、車両用追従走行制御装置20では、速度検出手段28は対象車Cの速度を検出し、相対速度判別手段24は車間距離検出手段21からの出力信号を入力して、対象車Cと先行車との間の実際の車間距離の変化から先行車に対する対象車Cの相対速度を判別するようになっている。
【0060】
そして、発進規定手段25は、速度検出手段28,相対速度判別手段24,目標加減速度算出手段23からの出力信号を入力して、先行車が停車から発進したか否かを判断し、先行車が停車から発進した場合には、エンジン出力制御手段26及び制動液圧制御手段27へ信号を出力して、少なくとも制動液圧制御手段27による制動液圧の制御を規制し、その規制によって対象車Cを自動発進させるようになっている。
【0061】
図3〜図8は、本発明の第1実施形態に係る車両用追従走行制御装置20のフローチャートを示している。図3〜図8の各フローチャートに基づいて、第1実施形態に係る車両用追従走行制御装置20の作用を以下に詳しく説明する。
【0062】
なお、図3は、本発明の一実施形態に係る車両用追従走行制御装置20において所定周期毎に繰り返し実行される制御プログラムのフローチャートであり、図4は、図3のステップS101において実行される制御プログラムのフローチャートであり、図5は、図3のステップS102において実行される制御プログラムのフローチャートであり、図6は、図3のステップS103において実行される制御プログラムのフローチャートであり、図7は、図3のステップS104において実行される制御プログラムのフローチャートであり、図8は、図3のステップS105において実行される制御プログラムのフローチャートである。
【0063】
図3は、本発明の第1実施形態に係る車両用追従走行制御装置20において所定周期毎に繰り返し実行される制御プログラムのフローチャートであり、ステップS101では、対象車Cの速度と、先行車に対する対象車Cの相対速度とから、先行車が停車から発進したか否かの発進判断を行う。ステップS102では、対象車Cと先行車との間の実際の車間距離と目標車間距離との偏差である車間距離偏差から、目標値である目標加減速度g を算出する。
【0064】
ステップS103では、目標加減速度g から、走行抵抗,車両重量,トルコントルク比,ギア比,エンジンマップを考慮して目標スロットル開度を算出し、実際のスロットル開度が目標スロットル開度と一致するようにスロットルアクチュエータに指令を送って、スロットルを制御する。
【0065】
ステップS104では、エンジンブレーキによる減速度,路面勾配等を考慮して加減速度推定値gを算出し、ステップS105では、ステップS101での先行車発進判断に応じて目標ブレーキ圧を算出し、実際のブレーキ圧が目標ブレーキ圧と一致するようにブレーキアクチュエータに指令を送って、ブレーキを制御する。
【0066】
図4は、図3のステップS101において実行される制御プログラムのフローチャートであり、ステップS201では、車輪速検出装置9L,9Rからの出力信号に基づいて対象車Cの速度vを計測し、ステップS202では、車間距離検出装置10からの出力信号に基づいて対象車Cと先行車との間の車間距離dを計測し、ステップS203では、車間距離dの変化率をもとに、先行車に対する対象車Cの相対速度△vを算出する。
【0067】
ステップS204では、ステップS201で計測された対象車Cの速度vが零であり、かつ、ステップS203で算出された相対速度△vが正であるか否かを判断し、対象車Cの速度vが零であって相対速度△vが正である場合に、停車中の先行車が発進したと判断する。従って、ステップ204は、先行車が停車から発進したか否かを判断する先行車発進判断手段を構成している。
【0068】
ステップS204において先行車発進と判断された場合には、ステップS205に移行して先行車発進フラグが1(ブレーキ規制有り)とされ、ステップS204において先行車発進と判断されなかった場合には、ステップS206に移行して先行車発進フラグが0(ブレーキ規制無し)とされる。
【0069】
図5は、図3のステップS102において実行される制御プログラムのフローチャートであり、ステップS301では、対象車Cが現在の先行車の位置に到達するまでの時間である車間時間Tと、先行車に追従して停車した際に対象車Cと先行車との間に残余を持たせるための残余車間距離dとから目標車間距離dを、d=T・v+d(v:対象車Cの速度)として算出する。
【0070】
ステップS302では、対象車Cと先行車との間の実際の車間距離dと目標車間距離dとの偏差である車間距離偏差△dを算出し、ステップS303では、車間距離偏差△dから、目標値として目標加減速度g を算出する。なお、ステップS303に記載されている目標加減速度g の算出式の第1項,第2項及び第3項はPID制御におけるフィードバック項で、第1項のKは比例ゲイン、第2項のKは積分ゲイン、第3項のKは微分ゲインをそれぞれ示している。
【0071】
以上の図5の説明から明らかな様に、ステップS301は目標車間距離算出手段を構成し、ステップS303は目標値算出手段を構成している。そして、目標車間距離算出手段は図2の目標車間距離設定手段22に含まれている。
【0072】
図6は、図3のステップS103において実行される制御プログラムのフローチャートであり、ステップS401では、目標加減速度g に、路面勾配分及び走行抵抗分の加減速度を加えて第2目標加減速度gを算出する。
【0073】
ステップS402では、第2目標加減速度g,トルコントルク比hτ,ギア比h及びエンジン回転数Nengから目標スロットル開度θを算出する。ただし、本実施形態では、エンジントルク,エンジン回転数Neng及びスロットル開度θの関係を予め求め、その関係を計算機のメモリに記憶させてエンジンマップを作成しておき、このエンジンマップに基づいて第2目標加減速度gとエンジン回転数Nengから目標スロットル開度θを算出するようになっている。
【0074】
ステップS403では、目標スロットル開度θと実際のスロットル開度θとの偏差であるスロットル開度偏差△θを算出し、ステップS404では、スロットル開度偏差△θからスロットルアクチュエータへの出力値uθを算出し、ステップS405では、その出力値uθをスロットルアクチュエータへ出力して、エンジン出力を制御する。
【0075】
なお、ステップS404に記載されている出力値uθの算出式の第1項,第2項及び第3項はPID制御におけるフィードバック項で、第1項のKは比例ゲイン、第2項のKは積分ゲイン、第3項のKは微分ゲインをそれぞれ示している。
【0076】
図7は、図3のステップS104において実行される制御プログラムのフローチャートであり、ステップS501では、実際のスロットル開度θ,トルコントルク比hτ,ギア比h及びエンジン回転数Nengからエンジンブレーキによる減速度gengを推定する。
【0077】
ただし、本実施形態では、エンジントルク,エンジン回転数Neng及びスロットル開度θの関係を予め求め、その関係を計算機のメモリに記憶させてエンジンマップを作成しておき、このエンジンマップに基づきスロットル開度θとエンジン回転数Nengからエンジンブレーキによる制動トルクを算出して、エンジンブレーキによる減速度gengを推定するようになっている。
【0078】
ステップS502では、エンジンブレーキによる減速度geng,路面勾配分及び走行抵抗分の減速度から加減速度推定値gを算出する。
【0079】
図8は、図3のステップS105において実行される制御プログラムのフローチャートであり、ステップS601では、第2目標加減速度gと加減速度推定値gから、エンジンブレーキ等では不足するためブレーキによる減速が必要な目標加減速度偏差△gを算出し、ステップS602では、図4のステップS204に基づく先行車発進フラグを読み込む。そして、この先行車発進フラグが0(ブレーキ規制無し)である場合にはステップS603へ移行し、先行車発進フラグが1(ブレーキ規制有り)である場合にはステップS604へ移行する。
【0080】
ステップS603では、目標加減速度偏差△gから目標ブレーキ圧pを算出する。ただし、本実施形態では、対象車Cの加速と減速に同じゲインを用いるため、加速応答の遅れを考慮して一次遅れを加える。なお、ステップS603に記載されている目標ブレーキ圧pの算出式において、符号kは、目標加減速度偏差△gを目標ブレーキ圧pへ変換するための変換ゲインを示し、符号Tは、加速応答遅れを考慮して減速応答に加えるフィルタ時定数を示し、符号sは、ラプラス変換を表す因子を示しており、1/(Ts+1)は、ラプラス変換による伝達関数であることを表し、一次遅れを意味している。
【0081】
ステップS604では、目標ブレーキ圧pを零にし、ステップS605では、圧力センサにより実際のブレーキ圧pを読み込み、ステップS606では、目標ブレーキ圧pと実際のブレーキ圧pとの偏差であるブレーキ圧偏差△pを算出し、ステップS607では、ブレーキ圧偏差△pからブレーキアクチュエータへの出力値uを算出し、ステップS608では、その出力値uをブレーキアクチュエータへ出力して、ブレーキを制御する。
【0082】
なお、ステップS607に記載されている出力値uの算出式の第1項,第2項及び第3項はPID制御におけるフィードバック項で、第1項のKは比例ゲイン、第2項のKは積分ゲイン、第3項のKは微分ゲインをそれぞれ示している。
【0083】
以上説明した本発明の第1実施形態では、ステップS302〜ステップS608(ただし、ステップS604を除く)は、対象車Cと先行車との間の実際の車間距離dと目標車間距離dとの偏差である車間距離偏差△dに基づくエンジン及びブレーキの制御によって対象車Cを先行車に自動追従させる追従制御手段を構成し、ステップS604〜ステップS608は、発進制御手段を構成している。
【0084】
図9は、対象車Cと先行車との間の停車時の車間距離dが目標車間距離dより短い状況下で先行車が発進し、第1実施形態に係る車両用追従走行制御装置20によって対象車Cが自動発進を行った場合の結果を示す図であり、(a)は対象車C及び先行車の車速の経時変化を、(b)は実際の車間距離d及び目標車間距離dの経時変化を、(c)は対象車Cのブレーキ圧pの経時変化をそれぞれ示している。
【0085】
図9に示されているように、対象車Cは、先行車が発進するとブレーキ圧pが零になって、加速が小さいエンジンのクリープトルクで発進し、実際の車間距離dが目標車間距離dより長くなると加速して、先行車に対する追従走行を開始している。
【0086】
従って、第1実施形態では、対象車Cと先行車との間の停車時の車間距離dが目標車間距離dより短い状況下で先行車が発進した場合であっても、前記発進制御手段が対象車Cを発進させるので、対象車Cの運転者に与えるもたつき感を軽減することができる。
【0087】
しかも、第1実施形態では、対象車Cは、先行車との間の停車時の車間距離dが目標車間距離dより短い状況下で先行車が発進した場合には、加速が小さいエンジンのクリープトルクで発進するので、安全性は損なわれない。
【0088】
(第2実施形態)
図10〜図12は、請求項1〜3及び6記載の各発明を併せて実施した実施の形態の一例である第2実施形態を示すフローチャートであって、図10は、本発明の第2実施形態に係る車両用追従走行制御装置において所定周期毎に繰り返し実行される制御プログラムのフローチャートを示し、図11は、図10のステップS702において実行される制御プログラムのフローチャートを示し、図12は、図10のステップS705において実行される制御プログラムのフローチャートを示している。
【0089】
なお、図10のステップS701において実行される制御プログラムのフローチャートは、図4図示のフローチャートと同一であるので、その図示及び説明を省略し、図10のステップS703において実行される制御プログラムのフローチャートは、図6図示のフローチャートと基本的に同一であるので、その図示及び説明を省略し、図10のステップS704において実行される制御プログラムのフローチャートは、図7図示のフローチャートと基本的に同一であるので、その図示及び説明を省略する。
【0090】
図10のステップS701では、対象車Cの速度vと、先行車に対する対象車Cの相対速度△vとから、先行車が停車から発進したか否かの発進判断を行う。
【0091】
ステップS702では、まず、対象車Cと先行車との間の実際の車間距離dと目標車間距離dとの偏差である車間距離偏差△dから、目標値である目標加減速度g を算出する。そして、ステップS701において先行車発進フラグが1(加減速度規定有り)と判断され、かつ、目標加減速度g が、予め設定した設定値としての設定加減速度g 以下である場合には、目標加減速度g を設定加減速度g に変更し、ステップS701において先行車発進フラグが0(加減速度規定無し)と判断された場合、あるいは、目標加減速度g が設定加減速度g より大きい場合には、目標加減速度g はそのままとされる。
【0092】
ステップS703では、目標加減速度g (目標加減速度g が設定加減速度g に変更された場合には設定加減速度g )から、走行抵抗,車両重量,トルコントルク比hτ,ギア比h,エンジンマップを考慮して目標スロットル開度θを算出し、実際のスロットル開度θが目標スロットル開度θと一致するようにスロットルアクチュエータに指令を送って、スロットルを制御する。
【0093】
ステップS704では、エンジンマップ,スロットル開度θ,エンジン回転数Neng等を考慮してエンジンブレーキによる減速度gengを推定し、その減速度gengに路面勾配等を考慮して加減速度推定値gを算出する。
【0094】
ステップS705では、エンジンブレーキ等では不足する減速度を算出し、この減速度に基づいて目標ブレーキ圧pを算出する。そして、実際のブレーキ圧pが目標ブレーキ圧pと一致するようにブレーキアクチュエータに指令を送って、ブレーキを制御する。
【0095】
図11は、図10のステップS702において実行される制御プログラムのフローチャートであり、ステップS801では、対象車Cが現在の先行車の位置に到達するまでの時間である車間時間Tと、先行車に追従して停車した際に対象車Cと先行車との間に残余を持たせるための残余車間距離dとから目標車間距離dを、d=T・v+d(v:対象車Cの速度)として算出する。
【0096】
ステップS802では、対象車Cと先行車との間の実際の車間距離dと目標車間距離dとの偏差である車間距離偏差△dを算出し、ステップS803では、車間距離偏差△dから、目標値である目標加減速度g を算出する。なお、ステップS803に記載されている目標加減速度g の算出式の第1項,第2項及び第3項はPID制御におけるフィードバック項で、第1項のKは比例ゲイン、第2項のKは積分ゲイン、第3項のKは微分ゲインをそれぞれ示している。
【0097】
ステップS804では、図10のステップS701において判断された先行車発進フラグを読み込み、ステップS805では、先行車発進フラグが1(加減速度規定有り)であって、かつ、目標加減速度g が、予め設定した設定加減速度g 以下であるか否かが判断される。
【0098】
そして、先行車発進フラグが1であり、かつ、目標加減速度g が設定加減速度g 以下である場合には、ステップS806に移行して目標加減速度g が設定加減速度g に変更され、先行車発進フラグが0(加減速度規定無し)の場合、あるいは、目標加減速度g が設定加減速度g より大きい場合には、目標加減速度g はそのままとされる。
【0099】
図12は、図10のステップS705において実行される制御プログラムのフローチャートであり、ステップS901では、目標加減速度g (目標加減速度g が設定加減速度g に変更された場合には設定加減速度g )に路面勾配分及び走行抵抗分の加減速度を加えて算出した第2目標加減速度g(図6のステップS401参照)と、エンジンブレーキによる減速度geng,路面勾配分及び走行抵抗分の加減速度から算出した加減速度推定値g(図7参照)とから、エンジンブレーキ等では不足するためブレーキによる減速が必要な目標加減速度偏差△gを算出する。
【0100】
ステップS902では、目標加減速度偏差△gから目標ブレーキ圧pを算出する。ただし、本実施形態では、対象車Cの加速と減速に同じゲインを用いるため、加速応答の遅れを考慮して一次遅れを加える。
【0101】
ステップS903では、圧力センサにより実際のブレーキ圧pを読み込み、ステップS904では、目標ブレーキ圧pと実際のブレーキ圧pとの偏差であるブレーキ圧偏差△pを算出し、ステップS905では、ブレーキ圧偏差△pからブレーキアクチュエータへの出力値uを算出し、ステップS906では、その出力値uをブレーキアクチュエータへ出力して、ブレーキを制御する。
【0102】
なお、ステップS905に記載されている出力値uの算出式の第1項,第2項及び第3項はPID制御におけるフィードバック項で、第1項のKは比例ゲイン、第2項のKは積分ゲイン、第3項のKは微分ゲインをそれぞれ示している。
【0103】
以上説明したように、第2実施形態では、図110のステップS804〜ステップS806が発進制御手段を構成しており、図11のステップS803において算出した目標加減速度g が、予め設定した設定加減速度g 以下であるか否かを判断する目標値判断手段は、図11のステップS805に含まれている。
【0104】
そして、前記発進制御手段は、先行車が停車から発進して先行車発進判断手段が先行車発進と判断した場合であって、前記目標値判断手段が目標加減速度g を設定加減速度g 以下と判断したときには、目標加減速度g を設定加減速度g に変更し、その変更した設定加減速度g に基づいてエンジン及びブレーキを制御するようになっている。
【0105】
従って、第2実施形態では、設定加減速度g を予め所定の値に設定することにより、先行車が発進したら、設定加減速度g に基づくエンジン及びブレーキの制御によって対象車Cを自動発進させることができ、その結果、対象車Cの運転者に与えるもたつき感を軽減することができる。
【0106】
しかも、第2実施形態では、対象車Cと先行車との間の実際の車間距離dが目標車間距離dより長くなって、目標加減速度g が設定加減速度g より大きくなると、設定加減速度g に基づく自動発進から目標加減速度g に基づく自動追従へ移行させることもできる。なお、この移行に関しては、後述する第6実施形態において説明する。
【0107】
(第3実施形態)
図13は、請求項1〜4及び11記載の各発明を併せて実施した実施の形態の一例である第3実施形態を示すフローチャートである。このフローチャートに基づいて、本発明の第3実施形態に係る車両用追従走行制御装置の説明を以下に行う。
【0108】
ただし、第3実施形態は、第1実施形態では図3のステップS101において実行される制御プログラムのみが第1実施形態と異なっており、第1実施形態では図3のステップS102〜ステップS105において実行される各制御プログラムについては第1実施形態と同一である。
【0109】
従って、以下に行う第3実施形態の説明では、第1実施形態では図3のステップS101において実行される制御プログラムに相当する図13図示の制御プログラムについてのみ説明し、第1実施形態の説明と重複する説明は省略する。
【0110】
図13は、第1実施形態では図3のステップS101において実行される制御プログラムに相当する制御プログラムのフローチャートであり、ステップS1001では、車輪速検出装置9L,9Rからの出力信号に基づいて対象車Cの速度vを計測し、ステップS1002では、車間距離検出装置10からの出力信号に基づいて対象車Cと先行車との間の車間距離dを計測し、ステップS1003では、車間距離dの変化率をもとに、先行車に対する対象車Cの相対速度△vを算出する。
【0111】
ステップS1004では、ステップS1001で計測された対象車Cの速度vが零であり、かつ、ステップS1003で算出された相対速度△vが正であるか否かを判断し、対象車Cの速度vが零であって相対速度△vが正である場合に、停車中の先行車が発進したと判断する。
【0112】
ステップS1005では、対象車Cと先行車との間の車間距離dが、予め定めた安全車間距離d(例えば3m)以上であるか否かが判断される。そして、ステップS1004において先行車発進と判断され、かつ、ステップS1005において車間距離dが安全車間距離d以上と判断された場合には、ステップS1006に移行して先行車発進フラグが1(ブレーキ規制有り)とされ、ステップS1004において先行車発進と判断されなかった場合、あるいは、ステップS1005において車間距離dが安全車間距離d以上と判断されなかった場合には、ステップS1007に移行して先行車発進フラグが0(ブレーキ規制無し)とされる。
【0113】
従って、ステップ1004は、先行車が停車から発進したか否かを判断する先行車発進判断手段を構成し、ステップ1005は、対象車Cと先行車との間の車間距離dが所定の安全車間距離d以上であるか否かを判断する車間距離判断手段を構成している。
【0114】
以上説明した第3実施形態では、対象車Cは、先行車との間の停車時の車間距離が所定の安全車間距離dより短い場合には、先行車が発進しても、先行車との間の車間距離dが安全車間距離d以上になるまで発進制御手段が機能せず、従って発進しない。そして、対象車Cは、車間距離dが安全車間距離d以上になって初めて自動発進する。よって、安全性は損なわれない。
【0115】
(第4実施形態)
図14〜図18は、請求項1〜3,7及び9記載の各発明を併せて実施した実施の形態の一例である第4実施形態を示しており、図14〜図18に基づいて、本発明の第4実施形態に係る車両用追従走行制御装置の説明を以下に行う。
【0116】
ただし、第4実施形態は、第2実施形態では図10のステップS702において実行される制御プログラムのみが第2実施形態と異なっており、第2実施形態では図10のステップS701及びステップS703〜ステップS705において実行される各制御プログラムについては第2実施形態と同一である。
【0117】
従って、以下に行う第4実施形態の説明では、第2実施形態では図10のステップS702において実行される制御プログラムに相当する図14図示の制御プログラムについてのみ説明し、第2実施形態の説明と重複する説明は省略する。
【0118】
図14は、第2実施形態では図10のステップS702において実行される制御プログラムに相当する制御プログラムのフローチャートであり、ステップS1101では、対象車Cが現在の先行車の位置に到達するまでの時間である車間時間Tと、先行車に追従して停車した際に対象車Cと先行車との間に残余を持たせるための残余車間距離dとから目標車間距離dを、d=T・v+d(v:対象車Cの速度)として算出する。
【0119】
ステップS1102では、対象車Cと先行車との間の実際の車間距離dと目標車間距離dとの偏差である車間距離偏差△dを算出し、ステップS1103では、車間距離偏差△dに基づいて、目標値である目標加減速度g を算出する。なお、ステップS1103に記載されている目標加減速度g の算出式の第1項,第2項及び第3項はPID制御におけるフィードバック項で、第1項のKは比例ゲイン、第2項のKは積分ゲイン、第3項のKは微分ゲインをそれぞれ示している。
【0120】
ステップS1104では、先行車が停車から発進したか否かを判断する先行車発進判断手段に基づく先行車発進フラグ(図4のステップS204〜ステップS206参照)を読み込む。そして、先行車発進フラグが1(加減速度規定有り)である場合には、ステップS1105に移行し、フィードフォワード項gFF を算出して目標加減速度g に付加し、先行車発進フラグが0(加減速度規定無し)である場合には、目標加減速度g はそのままとされる。
【0121】
この後、先行車発進フラグが1(加減速度規定有り)である場合には、目標加減速度g にフィードフォワード項gFF を付加した付加目標値に基づいてエンジン及びブレーキが制御され、先行車発進フラグが0(加減速度規定無し)である場合には、目標加減速度g に基づいてエンジン及びブレーキが制御される。
【0122】
なお、ステップS1105に記載されているフィードフォワード項gFF の算出式において、符号gは、予め設定した所定の所定加減速度(例えば0.1G)を示し、符号vは、対象車Cの速度を示し、符号vは、予め設定した対象車Cの所定速度(例えば10km/h)を示しており、所定加減速度gに関しては、停車時の車間距離偏差△dに応じて設定しても良い。
【0123】
図15は、対象車Cの速度vとフィードフォワード項gFF との関係を示している。図15に示されているように、第4実施形態では、フィードフォワード項gFF は、対象車Cの速度vに応じて変化し、対象車Cの速度vが所定速度vに達したら零になるように設定されている。
【0124】
図16は、通常時(低速走行、減速停止)における車間距離制御の結果を示している。図16に示されているように、第4実施形態では、定速走行時は、目標車間距離と実際の車間距離とがほぼ等しく制御されており、目標加減速度g もほぼ0となっている。そして、先行車が減速を開始すると、車間距離偏差△dが生じた後に対象車Cの減速指令が出ること、アクチュエータの応答遅れがあること等から、先行車より遅れて対象車Cも減速を開始する。従って、通常時の走行に関しては従来の車間距離制御と何ら代わりは無い。
【0125】
図17は、発進時における車間距離制御の結果を示し、図18は、発進時における目標加減速度g と対象車Cの速度vとの関係を示している。図17,図18に示されているように、第4実施形態では、先行車が発進すると、その発進時点において目標加減速度g は負であるが、この目標加減速度g にフィードフォワード項gFF が付加されて、その付加された付加目標値は正となり、対象車Cも発進する。そして、対象車Cの速度vの増加に伴ってフィードフォワード項gFF が徐々に減少し、対象車Cの速度vが所定速度vに達するとフィードフォワード項gFF は零になり、対象車Cの速度vが所定速度v以上の領域においては、通常の車間距離制御と同じになる。
【0126】
なお、第4実施形態に請求項11記載の発明を付加することにより、停車時の対象車Cと先行車との間の車間距離dが安全車間距離d(例えば3m)を確保できている上で、目標加減速度g にフィードフォワード項gFF を付加させることは勿論可能である。
【0127】
以上説明した第4実施形態では、フィードフォワード項gFF を予め所定の値に設定することにより、先行車が発進したら、目標加減速度g にフィードフォワード項gFF を付加した付加目標値に基づくエンジン及びブレーキの制御によって対象車Cを自動発進させることができ、その結果、対象車Cの運転者に与えるもたつき感を軽減することができる。
【0128】
また、第4実施形態では、対象車Cの速度vの増加に伴ってフィードフォワード項gFF が徐々に減少し、対象車Cの速度vが所定速度vに達するとフィードフォワード項gFF が零になって、対象車Cの速度vが所定速度v以上の領域においては通常の車間距離制御と同じになるので、対象車Cの自動発進から自動追従への移行をスムーズに、従って違和感無く行うことができる。
【0129】
(第5実施形態)
図19〜図23は、請求項1〜3及び6記載の各発明を併せて実施した実施の形態の一例である第5実施形態を示すフローチャートである。なお、第5実施形態は、走行制御のための目標値を、第2実施形態における目標加減速度g に代えてエンジンの目標トルクとして設定したものである。
【0130】
図19は、第5実施形態に係る車両用追従走行制御装置において所定周期毎に繰り返し実行される制御プログラムのフローチャートであり、ステップS1201では、対象車Cの速度vと、先行車に対する対象車Cの相対速度△vとから、先行車が停車から発進したか否かの発進判断を行う。なお、図19のステップS1201において実行される制御プログラムのフローチャートは、図4図示のフローチャートと同一であるので、その図示及び説明を省略する。
【0131】
図19のステップS1202では、まず、対象車Cと先行車との間の実際の車間距離dと目標車間距離dとの偏差である車間距離偏差△dから、目標値として目標トルクτ を算出する。そして、ステップS1201において先行車発進フラグが1(トルク規定有り)と判断され、かつ、目標トルクτ が、予め設定した設定値としての設定トルクτ 以下である場合には、目標トルクτ を設定トルクτ に変更し、ステップS1201において先行車発進フラグが0(トルク規定無し)と判断された場合、あるいは、目標トルクτ が設定トルクτ より大きい場合には、目標トルクτ はそのままとされる。
【0132】
ステップS1203では、目標トルクτ (目標トルクτ が設定トルクτ に変更された場合には設定トルクτ )から、走行抵抗,トルコントルク比hτ,ギア比h,エンジンマップを考慮して目標スロットル開度θを算出し、実際のスロットル開度θが目標スロットル開度θと一致するようにスロットルアクチュエータに指令を送って、スロットルを制御する。
【0133】
ステップS1204では、エンジンマップ,トルコントルク比hτ,ギア比h,エンジンブレーキトルクの応答遅れ,走行抵抗等を考慮して車両の制動トルク推定値τを算出し、ステップS1205では、エンジンブレーキ等では不足する制動トルクを算出し、この制動トルクに基づいて目標ブレーキ圧pを算出する。そして、実際のブレーキ圧pが目標ブレーキ圧pと一致するようにブレーキアクチュエータに指令を送って、ブレーキを制御する。
【0134】
図20は、図19のステップS1202において実行される制御プログラムのフローチャートであり、ステップS1301では、対象車Cが現在の先行車の位置に到達するまでの時間である車間時間Tと、先行車に追従して停車した際に対象車Cと先行車との間に残余を持たせるための残余車間距離dとから目標車間距離dを、d=T・v+d(v:対象車Cの速度)として算出する。
【0135】
ステップS1302では、対象車Cと先行車との間の実際の車間距離dと目標車間距離dとの偏差である車間距離偏差△dを算出し、ステップS1303では、車間距離偏差△dから、目標値としてエンジンの目標トルクτ を算出する。なお、ステップS1303に記載されている目標トルクτ の算出式の第1項,第2項及び第3項はPID制御におけるフィードバック項で、第1項のKは比例ゲイン、第2項のKは積分ゲイン、第3項のKは微分ゲインをそれぞれ示している。
【0136】
ステップS1304では、図19のステップS1201において判断された先行車発進フラグを読み込み、ステップS1305では、先行車発進フラグが1(トルク規定有り)であって、かつ、目標トルクτ が、予め設定した設定トルクτ 以下であるか否かが判断される。
【0137】
そして、先行車発進フラグが1であり、かつ、目標トルクτ が設定トルクτ 以下である場合には、ステップS1306に移行して目標トルクτ が設定トルクτ に変更され、先行車発進フラグが0(トルク規定無し)の場合、あるいは、目標トルクτ が設定トルクτ より大きい場合には、目標トルクτ はそのままとされる。
【0138】
図21は、図19のステップS1203において実行される制御プログラムのフローチャートであり、ステップS1401では、目標トルクτ (目標トルクτ が設定トルクτ に変更された場合には設定トルクτ )に、路面勾配分及び走行抵抗分の制動トルクを加えて第2目標トルクτを算出する。
【0139】
ステップS1402では、第2目標トルクτ,トルコントルク比hτ,ギア比h及びエンジン回転数Nengから目標スロットル開度θを算出する。ただし、本実施形態では、エンジントルク,エンジン回転数Neng及びスロットル開度θの関係を予め求め、その関係を計算機のメモリに記憶させてエンジンマップを作成しておき、このエンジンマップに基づいて第2目標トルクτとエンジン回転数Nengから目標スロットル開度θを算出するようになっている。
【0140】
ステップS1403では、目標スロットル開度θと実際のスロットル開度θとの偏差であるスロットル開度偏差△θを算出し、ステップS1404では、スロットル開度偏差△θからスロットルアクチュエータへの出力値uθを算出し、ステップS1405では、その出力値uθをスロットルアクチュエータへ出力して、エンジン出力を制御する。
【0141】
なお、ステップS1404に記載されている出力値uθの算出式の第1項,第2項及び第3項はPID制御におけるフィードバック項で、第1項のKは比例ゲイン、第2項のKは積分ゲイン、第3項のKは微分ゲインをそれぞれ示している。
【0142】
図22は、図19のステップS1204において実行される制御プログラムのフローチャートであり、ステップS1501では、実際のスロットル開度θ,トルコントルク比hτ,ギア比h及びエンジン回転数Nengからエンジンブレーキによる制動トルクτengを推定する。ただし、本実施形態では、エンジントルク,エンジン回転数Neng及びスロットル開度θの関係を予め求め、その関係を計算機のメモリに記憶させてエンジンマップを作成しておき、このエンジンマップに基づいてスロットル開度θとエンジン回転数Nengからエンジンブレーキによる制動トルクτengを算出するようになっている。
【0143】
ステップS1502では、エンジンブレーキによる制動トルクτeng,路面勾配分及び走行抵抗分の制動トルクから制動トルク推定値τを算出する。
【0144】
図23は、図19のステップS1205において実行される制御プログラムのフローチャートであり、ステップS1601では、第2目標トルクτと制動トルク推定値τから、エンジンブレーキ等では不足するためブレーキによる制動が必要な目標制動トルク△τを算出する。
【0145】
ステップS1602では、目標制動トルク△τから目標ブレーキ圧pを算出する。本実施形態では、対象車Cの加速と減速に同じゲインを用いるため、加速応答の遅れを考慮して一次遅れを加える。すなわち、ステップS1602に記載されている目標ブレーキ圧pの算出式において、符号kは、目標制動トルク△τを目標ブレーキ圧pへ変換するための変換ゲインを示し、符号Tは、加速応答遅れを考慮して減速応答に加えるフィルタ時定数を示し、符号sは、ラプラス変換を表す因子を示しており、1/(Ts+1)は、ラプラス変換による伝達関数であることを表し、一次遅れを意味している。
【0146】
ステップS1603では、圧力センサにより実際のブレーキ圧pを読み込み、ステップS1604では、目標ブレーキ圧pと実際のブレーキ圧pとの偏差であるブレーキ圧偏差△pを算出し、ステップS1605では、ブレーキ圧偏差△pからブレーキアクチュエータへの出力値uを算出し、ステップS1606では、その出力値uをブレーキアクチュエータへ出力して、ブレーキを制御する。
【0147】
なお、ステップS1605に記載されている出力値uの算出式の第1項,第2項及び第3項はPID制御におけるフィードバック項で、第1項のKは比例ゲイン、第2項のKは積分ゲイン、第3項のKは微分ゲインをそれぞれ示している。
【0148】
以上説明したように、第5実施形態では、図20のステップS1304〜ステップS1306が発進制御手段を構成しており、ステップS1305には、目標トルクτ が設定トルクτ 以下であるか否かを判断する目標値判断手段が含まれている。そして、前記発進制御手段は、停車中の先行車が発進した場合であって、前記目標値判断手段が目標トルクτ を設定トルクτ 以下と判断したときには、目標トルクτ を設定トルクτ に変更し、その変更した設定トルクτ に基づいてエンジン及びブレーキを制御するようになっている。
【0149】
従って、第5実施形態では、設定トルクτ を予め所定の値に設定することにより、先行車が発進したら、設定トルクτ に基づくエンジン及びブレーキの制御によって対象車Cを自動発進させることができ、その結果、対象車Cの運転者に与えるもたつき感を軽減することができる。
【0150】
しかも、第5実施形態では、対象車Cと先行車との間の実際の車間距離dが目標車間距離dより長くなって、目標トルクτ が設定トルクτ より大きくなると、設定トルクτ に基づく自動発進から目標トルクτ に基づく自動追従へ移行させることもできる。なお、この移行に関しては、次に説明する第6実施形態を参考にすること。
【0151】
(第6実施形態)
図24は、請求項1〜3及び6記載の各発明を併せて実施した実施の形態の一例である第6実施形態を示すフローチャートである。なお、第6実施形態は、第2実施形態において目標加減速度g の規制が行われた後に、その規制を解除して通常の車間距離制御に戻すフローを加えたものであって、第2実施形態では図10のステップS702において実行される制御プログラムのみが第2実施形態と異なっており、図10のステップS701及びステップS703〜ステップS705において実行される第2実施形態の各制御プログラムについては第2実施形態と同一である。
【0152】
従って、以下に行う第6実施形態の説明では、図10のステップS702において実行される第2実施形態の制御プログラムに相当する図24図示の制御プログラムについてのみ説明し、第2実施形態の説明と重複する説明は省略する。
【0153】
図24は、第2実施形態では図9のステップS702において実行される制御プログラムに相当する制御プログラムのフローチャートであり、ステップS1701では、対象車Cが現在の先行車の位置に到達するまでの時間である車間時間Tと、先行車に追従して停車した際に対象車Cと先行車との間に残余を持たせるための残余車間距離dとから目標車間距離dを、d=T・v+d(v:対象車Cの速度)として算出する。
【0154】
ステップS1702では、対象車Cと先行車との間の実際の車間距離dと目標車間距離dとの偏差である車間距離偏差△dを算出し、ステップS1703では、車間距離偏差△dに基づいて、目標値である目標加減速度g を算出する。なお、ステップS1703に記載されている目標加減速度g の算出式の第1項,第2項及び第3項はPID制御におけるフィードバック項で、第1項のKは比例ゲイン、第2項のKは積分ゲイン、第3項のKは微分ゲインをそれぞれ示している。
【0155】
ステップS1704では、後述する発進制御フラグを読み込み、この発進制御フラグが0である場合には目標加減速度g はそのままとされて、その後、目標加減速度g に基づく通常の車間距離制御が行われ、発進制御フラグが1である場合にはステップS1705へ移行する。
【0156】
ステップS1705では、先行車が停車から発進したか否かを判断する先行車発進判断手段に基づく先行車発進フラグ(図4のステップS204〜ステップS206参照)を読み込む。そして、先行車発進フラグが0である場合には目標加減速度g はそのままとされて、その後、目標加減速度g に基づく通常の車間距離制御が行われ、先行車発進フラグが1である場合にはステップS1706へ移行する。
【0157】
ステップS1706では、目標加減速度g が設定加減速度g 以下であるか否かの判断を行い、目標加減速度g が設定加減速度g 以下である場合にはステップS1707へ移行し、目標加減速度g が設定加減速度g より大きい場合にはステップS1708へ移行する。
【0158】
ステップS1707では、目標加減速度g を設定加減速度g に変更すると共に、発進制御フラグを1とし、その後、設定加減速度g に基づくエンジン及びブレーキの制御が行われる。ステップS1708では、発進制御フラグを0とし、目標加減速度g はそのままとされて、その後、目標加減速度g に基づく通常の車間距離制御が行われる。
【0159】
以上説明した第6実施形態では、第2実施形態と同様、設定加減速度g を予め所定の値に設定することにより、先行車が発進したら、設定加減速度g に基づくエンジン及びブレーキの制御によって対象車Cを自動発進させることができ、その結果、対象車Cの運転者に与えるもたつき感を軽減することができる。
【0160】
しかも、第6実施形態では、対象車Cと先行車との間の実際の車間距離dが目標車間距離dより長くなって、目標加減速度g が設定加減速度g より大きくなると、設定加減速度g に基づく自動発進から目標加減速度g に基づく自動追従へスムーズに移行する。
【0161】
ところで、第6実施形態では、目標加減速度g が設定加減速度g 以下であるか否かを判断して、目標加減速度g が設定加減速度g 以下である場合には発進制御フラグを1とし、目標加減速度g が設定加減速度g より大きい場合には発進制御フラグを0とすることにより、自動発進から自動追従への移行を行っている。
【0162】
しかし、対象車Cの速度vが所定値以上であるか否かを判断して、対象車Cの速度vが所定値より小さい場合には発進制御フラグを1とし、対象車Cの速度vが所定値以上になったら発進制御フラグを0とすることにより、自動発進から自動追従への移行を行うことも可能である。そして、この方法によれば、自動発進した対象車Cが自動追従から逸脱した状態で所定の速度以上になるのを防止できるので、安全性は損なわれない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両の概略全体ブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車両用追従走行制御装置の概略ブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る全体概略フローチャートである。
【図4】図3のステップS101の詳細フローチャートである。
【図5】図3のステップS102の詳細フローチャートである。
【図6】図3のステップS103の詳細フローチャートである。
【図7】図3のステップS104の詳細フローチャートである。
【図8】図3のステップS105の詳細フローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態に係る車両の発進時の状況を示すタイムチャートであって、(a)は車速の変化を先行車との関係で示し、(b)は車間距離の変化を目標車間距離との関係で示し、(c)はブレーキ圧の変化を示している。
【図10】本発明の第2実施形態に係る全体概略フローチャートである。
【図11】図10のステップS702の詳細フローチャートである。
【図12】図10のステップS705の詳細フローチャートである。
【図13】本発明の第3実施形態に係るフローチャートである。
【図14】本発明の第4実施形態に係るフローチャートである。
【図15】フィードフォワード項と対象車の速度との関係を示すグラフである。
【図16】本発明の第4実施形態に係る車両の通常走行時の状況を示すタイムチャートであって、(a)は車速の変化を先行車との関係で示し、(b)は車間距離の変化を目標車間距離との関係で示し、(c)は目標加減速度の変化を示している。
【図17】本発明の第4実施形態に係る車両の発進時の状況を示すタイムチャートであって、(a)は車速の変化を先行車との関係で示し、(b)は車間距離の変化を目標車間距離との関係で示し、(c)は目標加減速度の変化を示している。
【図18】目標加減速度と対象車の速度との関係を示すグラフである。
【図19】本発明の第5実施形態に係る全体概略フローチャートである。
【図20】図19のステップS1202の詳細フローチャートである。
【図21】図19のステップS1203の詳細フローチャートである。
【図22】図19のステップS1204の詳細フローチャートである。
【図23】図19のステップS1205の詳細フローチャートである。
【図24】本発明の第6実施形態に係るフローチャートである。
【図25】従来技術を適用した車両の発進時の状況を示すタイムチャートであって、(a)は車速の変化を先行車との関係で示し、(b)は車間距離の変化を目標車間距離との関係で示し、(c)はブレーキ圧の変化を示している。
【符号の説明】
8 追従走行制御装置(追従制御手段)
20 車両用追従走行制御装置
21 車間距離検出手段
22 目標車間距離設定手段(目標車間距離算出手段)
23 目標加減速度算出手段(目標値算出手段)
28 速度検出手段
C 対象車
d 実際の車間距離
目標車間距離
安全車間距離
△d 車間距離偏差
目標加減速度(目標値)
設定加減速度(設定値)
FF フィードフォワード項
v 対象車の速度
△v 相対速度
τ 目標トルク(目標値)
τ 設定トルク(設定値)

Claims (7)

  1. 走行制御を行う対象車と該対象車の前方を走行する先行車との間の実際の車間距離を検出する車間距離検出手段と、
    前記対象車の速度を検出する速度検出手段と、
    前記対象車と先行車との間の目標車間距離を算出する目標車間距離算出手段と、
    前記算出された目標車間距離と前記検出された実際の車間距離との偏差である車間距離偏差に基づく原動機及び制動の制御によって前記対象車を先行車に自動追従させる追従制御手段とを有する車両用追従走行制御装置において、
    前記先行車が停車から発進したか否かを判断する先行車発進判断手段と、
    該先行車発進判断手段が先行車発進と判断した場合には、前記追従制御手段による前記制動の制御を解除して、前記目標車間距離に係わらず前記対象車を発進させ、前記実際の車間距離が前記目標車間距離より長くなったら、前記追従制御手段による前記制動の制御を復帰させる発進制御手段とを備えたことを特徴とする車両用追従走行制御装置。
  2. 走行制御を行う対象車と該対象車の前方を走行する先行車との間の実際の車間距離を検出する車間距離検出手段と、
    前記対象車の速度を検出する速度検出手段と、
    前記対象車と先行車との間の目標車間距離を算出する目標車間距離算出手段と、
    前記算出された目標車間距離と前記検出された実際の車間距離との偏差である車間距離偏差に基づく原動機及び制動の制御によって前記対象車を先行車に自動追従させる追従制御手段とを有する車両用追従走行制御装置において、
    前記追従制御手段は、前記車間距離偏差から目標加減速度又は原動機の目標トルクの少なくとも一方の目標値を算出する目標値算出手段を備え、
    前記目標値算出手段が算出した前記目標値と、該目標値に対して予め設定した設定値とを比較して前記目標値が設定値以下であるか否かを判断する目標値判断手段と、
    前記先行車が停車から発進したか否かを判断する先行車発進判断手段と、
    前記先行車発進判断手段が先行車発進と判断した場合であって、前記目標値判断手段が前記目標値を設定値以下と判断したときには、前記目標値を設定値に変更し、該変更した設定値に基づいて前記追従制御手段に原動機及び制動の制御を行わせる発進制御手段とを備えたことを特徴とする車両用追従走行制御装置。
  3. 請求項2記載の車両用追従走行制御装置であって、
    前記発進制御手段は、前記先行車発進判断手段が先行車発進と判断した場合には、前記目標値算出手段が算出した前記目標値に、該目標値に対して予め設定したフィードフォワード項を付加し、該付加した付加目標値に基づいて前記追従制御手段に原動機及び制動の制御を行わせることを特徴とする車両用追従走行制御装置。
  4. 請求項3記載の車両用追従走行制御装置であって、前記フィードフォワード項は、時間経過と共に減少し、所定時間が経過したら零となるように設定されていることを特徴とする車両用追従走行制御装置。
  5. 請求項3記載の車両用追従走行制御装置であって、前記フィードフォワード項は、前記対象車の速度に応じて変化し、前記対象車の速度が所定速度以上になったら零となるように設定されていることを特徴とする車両用追従走行制御装置。
  6. 走行制御を行う対象車と該対象車の前方を走行する先行車との間の実際の車間距離を検出する車間距離検出手段と、
    前記対象車の速度を検出する速度検出手段と、
    前記対象車と先行車との間の目標車間距離を算出する目標車間距離算出手段と、
    前記算出された目標車間距離と前記検出された実際の車間距離との偏差である車間距離偏差に基づく原動機及び制動の制御によって前記対象車を先行車に自動追従させる追従制御手段とを有する車両用追従走行制御装置において、
    前記先行車が停車から発進したか否かを判断する先行車発進判断手段と、
    前記対象車の速度が所定値以上であるか否かを判断する速度判断手段と、
    該先行車発進判断手段が先行車発進と判断した場合には、前記追従制御手段による前記制動の制御を解除して、前記目標車間距離に係わらず前記対象車を発進させ、前記速度判断手段が前記対象車の速度を所定値以上と判断した場合には、前記追従制御手段により前記車間距離偏差に基づく制動の制御に移行させる発進制御手段とを備えたことを特徴とする車両用追従走行制御装置。
  7. 請求項1〜請求項の何れかに記載の車両用追従走行制御装置であって、
    前記先行車発進判断手段は、前記先行車に対する前記対象車の相対車速に基づいて先行車が発進したか否かを判断することを特徴とする車両用追従走行制御装置。
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