JP2003054141A - 書換え可能な感熱表示媒体 - Google Patents

書換え可能な感熱表示媒体

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JP2003054141A
JP2003054141A JP2001246068A JP2001246068A JP2003054141A JP 2003054141 A JP2003054141 A JP 2003054141A JP 2001246068 A JP2001246068 A JP 2001246068A JP 2001246068 A JP2001246068 A JP 2001246068A JP 2003054141 A JP2003054141 A JP 2003054141A
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Application number
JP2001246068A
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English (en)
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Fujio Sakurai
冨士夫 桜井
Masafumi Shimakage
雅史 島影
Iwakazu Hattori
岩和 服部
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JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コントラストが良好で、繰り返し使用時の経時
変化が少なく、安価である新たな書換え可能な感熱表示
媒体を提供すること。 【解決手段】書換え可能な感熱表示媒体は、(i)気体
を含有する形状記憶樹脂からなる感熱情報記録層と、
(ii)有色層または光反射性金属層とを少なくとも有す
る。書換え可能な感熱表示媒体は、(i)感熱情報記録
層が該媒体の両面に設けられていてもよく、(i)感熱
情報記録層と、(ii)有色層または光反射性金属層との
間に(iv)接着層を有していてもよく、(v)保護層を
有していてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字、画像等を可
逆的に表示・消去することが可能な書換え可能な感熱表
示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の紙媒体を用いたハードコピーは、
文字情報、画像情報等の情報に従って紙の上に色材を含
有するインクやトナー等を付着させ、熱等によって半永
久的に定着させることにより印字している。このため情
報の利用が終了しても、紙媒体上から印字された情報だ
けを消去して紙を再利用することは困難である。
【0003】そこで、表示した情報を不要時には消去で
きるようにしたさまざまな種類の紙状の可逆性表示記録
媒体が提案されている。このような可逆性表示記録媒体
としては、例えばロイコ染料と顕減色剤とを組合わせた
ものが提案されている。ロイコ染料を用いる可逆性表示
記録媒体は、通常の紙ハードコピーに近い白黒コントラ
ストを有している点で優れているが、消色刺激による画
像の不安定性や、繰り返し使用時の反応物質の劣化によ
る印字部の濃度低下などの経時変化が問題になる。
【0004】また、可逆性表示記録媒体として、特開昭
55−154198号公報、特開昭58−7683号公
報、特開昭63−221087号公報などに高分子/有
機低分子複合膜が提案されている。高分子/有機低分子
複合膜を用いた可逆性表示記録媒体は、情報の表示に化
学反応が関与せず、記録層の白濁/透明変化の物理的な
メカニズムで表示を行っているため画像の安定性や保存
性の点で優れているものの、白濁/透明のコントラスト
が良好でないことがある。
【0005】さらに、可逆性表示記録媒体として、フィ
ルム基盤LCDがある。しかしフィルム基盤LCDは、
高価であり、コントラストが必ずしも良好でなく、表示
の維持にエネルギーが必要であるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の可逆性表示媒体
は、上述したような問題点があり、これらの欠点を解消
したコントラストが良好で、繰り返し使用時の経時変化
が少なく、安価である新たな書換え可能な感熱表示媒体
の出現が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記の
書換え可能な感熱表示媒体が提供されて、本発明の上記
目的が達成される。 (1) (i)気体を含有する形状記憶樹脂からなる感
熱情報記録層と、(ii)有色層または光反射性金属層と
を少なくとも有することを特徴とする書換え可能な感熱
表示媒体。
【0008】(2) 上記(ii)有色層または光反射性
金属層が基体層であることを特徴とする(1)に記載の
書換え可能な感熱表示媒体。 (3) (i)気体を含有する形状記憶樹脂からなる感
熱情報記録層が、基体層である(ii)有色層または光反
射性金属層の両面に設けられていることを特徴とする
(2)に記載の書換え可能な感熱表示媒体。
【0009】(4) (i)気体を含有する形状記憶樹
脂からなる感熱情報記録層と、(ii)有色層または光反
射性金属層と、(iii)基体層とがこの順序で積層され
てなることを特徴とする(1)に記載の書換え可能な感
熱表示媒体。 (5) (i)気体を含有する形状記憶樹脂からなる感
熱情報記録層および(ii)有色層または光反射性金属層
が(iii)基体層の両面に形成されていることを特徴と
する(4)に記載の書換え可能な感熱表示媒体。
【0010】(6) (i)気体を含有する形状記憶樹
脂からなる感熱情報記録層と、(ii)有色層または光反
射性金属層との間に(iv)接着層が設けられていること
を特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載の書
換え可能な感熱表示媒体。 (7) (i)気体を含有する形状記憶樹脂からなる感
熱情報記録層の上に(v)保護層が設けられていること
を特徴とする(1)ないし(6)のいずれかに記載の書
換え可能な感熱表示媒体。
【0011】(8) 上記形状記憶樹脂が原形を記憶す
る固定相と温度変化に応じて固化と軟化を繰り返す可逆
相を有する樹脂である(1)ないし(7)のいずれかに
記載の書換え可能な感熱表示媒体。 (9) 上記形状記憶樹脂がガラス転移温度を2つ有
し、高い方のガラス転移温度(Tg1)が80〜200
℃の範囲にあり、低い方のガラス転移温度(Tg2)が
40〜150℃の範囲にあり、かつ高い方のガラス転移
温度(Tg1)と低い方のガラス転移温度(Tg2)との
差(Tg1−Tg2)が40〜160℃の範囲にあること
を特徴とする(1)ないし(8)のいずれかに記載の書
換え可能な感熱表示媒体。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてより詳細に
説明する。本発明の書換え可能な感熱表示媒体は、
(i)気体を含有する形状記憶樹脂からなる感熱情報記
録層(以下単に「(i)感熱情報記録層」ともいう。)
と、(ii)有色層または光反射性金属層(以下単に
「(ii)有色層」ともいう。)とを少なくとも有してい
る。
【0013】まず、本発明の書換え可能な感熱表示媒体
の層構成について図面を参照しつつ説明する。図1
(A)は本発明に係る書換え可能な感熱表示媒体の層構
成の一例を示す概略部分断面図であり、(B)は本発明
に係る書換え可能な感熱表示媒体の層構成の他の例を示
す概略部分断面図である。図1(A)に示す感熱表示媒
体10では、基材である(ii)有色層12の一方の面に
(i)感熱情報記録層11が設けられている。
【0014】図1(B)に示す書換え可能な感熱表示媒
体10では、(iii)基材層13の一方の面に(ii)有色層1
2が設けられ、その上にさらに(i)感熱情報記録層11
が設けられている。図1(A)または(B)に示す感熱
表示媒体10では、(i)感熱情報記録層11は、基材であ
る(ii)有色層12または(iii)基材層13の一方の面の
みに設けられているが、(i)感熱情報記録層は、基材
である(ii)有色層または(iii)基材層の両面に設け
られていてもよく、その場合には、感熱表示媒体の層構
成は、((i)感熱情報記録層/(ii)有色層(基材)
/(i)感熱情報記録)または((i)感熱情報記録層
/(ii)有色層/(iii)基材層/(ii)有色層/
(i)感熱情報記録)となる。
【0015】次に、本発明の感熱表示媒体を構成する各
層について説明する。 <(i)感熱情報記録層>本発明の感熱表示媒体を構成
する(i)感熱情報記録層は、気体を含有する形状記憶
樹脂からなる層である。ここで用いられる気体は、形状
記憶樹脂と屈折率が異なる気体であり、好ましくは空気
である。
【0016】このような気体を含有する形状記憶樹脂か
らなる感熱情報記録層の構成の一例を、図2(A)、
(B)に示す。図2(A)は本発明に係る書換え可能な
感熱表示媒体の記録層の構造の一例を示す概略部分断面
図であり、図2(B)は本発明に係る書換え可能な感熱
表示媒体の記録層の構造の他の例を示す概略部分断面図
である。
【0017】図2(A)に示す感熱表示媒体10では、形
状記憶樹脂1の粒子からなる(i)感熱情報記録層11が
(ii)有色層12の上に設けられている。形状記憶樹脂1
の粒子間には空隙2が存在する。この空隙2はそれぞれ
独立していても連続していてもよい。図2(A)に示す
感熱表示媒体10は、形状記憶樹脂1の粒子と空隙2によ
り気体を含有する形状記憶樹脂からなる層を形成してい
る。また必要に応じて、形状記憶樹脂1の粒子を接着す
るためのバインダーを含有してもよい。
【0018】(i)感熱情報記録層を形成する形状記憶
樹脂は、成形時(初期状態)の形状を記憶しており、こ
の形状記憶樹脂をある程度加圧しながら所定の温度(T
2以上の温度)に加熱すると変形および熱膨張し加熱
部位の空隙が減少し透明化する、これを冷却すると形状
が維持され加熱部位は透明化したまま下地の色を発色す
る(以下このときの加熱条件を「第一加熱条件」とい
う。)、またこの膨張した形状記憶樹脂を加圧をゆるめ
ながら所定の温度(Tg2以上の温度)に加熱すると初
期状態の形状にもどり、白濁して白色を呈する(以下こ
のときの加熱条件を「第二加熱条件」という。)。この
ように形状記憶樹脂は、第一加熱条件と第二加熱条件に
交互に加熱することにより可逆的に透明と白濁とを繰り
返すことができる。
【0019】なお(i)感熱情報記録層の加熱は、例え
ばレーザー、サーマルヘッド、ホットスタンプ等により
行うことができる。図2(A)に示す(i)感熱情報記
録層11は、非表示状態(初期化状態)では形状記憶樹脂
1の粒子−空隙2界面での光の屈折が起こり、その結果
光の散乱により白く見える。このため(ii)有色層12は
(i)感熱情報記録層11により隠蔽される。この(i)
感熱情報記録層11を第一加熱条件に加熱すると形状記憶
樹脂1の粒子が膨張し、形状記憶樹脂1の粒子同士が密
着し、形状記憶樹脂1の粒子−空隙2界面が減少し光の
散乱が抑制され透明化する。このため(i)感熱情報記
録層11の側から感熱表示媒体10を見ると(ii)有色層12
を見ることができ、透明化した部分の形状によって文
字、図形等を認識することができる。
【0020】また上記文字、図形等が表示された(i)
感熱情報記録層11を第二加熱条件に加熱すると形状記憶
樹脂1の粒子が初期状態の形状に戻り(i)感熱情報記
録層11が白濁し(ii)有色層12を隠蔽して初期化状態と
なる。図2(A)に示すような形状記憶樹脂の粒子から
なる(i)感熱情報記録層では、形状記憶樹脂の粒子の
平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μm、特に好ま
しくは0.2〜2μmの範囲にあり、形状記憶樹脂の再
乳化等の手段による粒子化、または形状記憶樹脂の乳化
重合によって形成される(i)感熱情報記録層の容積空
隙率は好ましくは5〜40%、特に好ましくは10〜3
0%の範囲にある。
【0021】図2(A)に示すような形状記憶樹脂の粒
子からなる(i)感熱情報記録層は、例えば形状記憶樹
脂の粒子を含有するエマルジョンを、バーコーター、ナ
イフコーター、ロールコーター等で(ii)有色層に塗布
することにより容易に形成することができる。この際、
形状記憶樹脂の粒子同士の接着性を高めるため、少量の
接着性樹脂を上記エマルジョンに配合してもよい。接着
性樹脂の配合量は、形状記憶樹脂の粒子100重量部に
対し好ましくは0〜30重量部の範囲である。接着性樹
脂としては、例えばPVA等の水溶性バインダーやアク
リルエマルジョン、酢ビエマルジョン等のエマルジョン
型バインダーを挙げることができる。
【0022】また必要に応じて、有機酸などの低分子化
合物を使用してもよく、このような化合物は発色のコン
トラスト向上の助剤として使用できる。その配合量は、
形状記憶樹脂の粒子100重量部に対し、好ましくは0
〜50重量部の範囲である。図2(B)に示す感熱表示
媒体10では、多数の気泡3を含む形状記憶樹脂1からな
る(i)感熱情報記録層11が(ii)有色層12の上に設け
られている。図2(B)に示す感熱表示媒体10は、形状
記憶樹脂1と気泡3により気体を含有する形状記憶樹脂
からなる層を形成している。
【0023】図2(B)に示す(i)感熱情報記録層11
は、初期化状態では形状記憶樹脂1−気泡3界面での光
の屈折が起こり、その結果光の散乱により白く見える。
このため(ii)有色層12は(i)感熱情報記録層11によ
り隠蔽される。この(i)感熱情報記録層11を第一加熱
条件に加熱すると形状記憶樹脂1が膨張し、気泡3が収
縮するため、形状記憶樹脂1−気泡3界面が減少し光の
散乱が抑制され透明化する。このため(i)感熱情報記
録層11の側から感熱表示媒体10を見ると(ii)有色層12
を見ることができ、透明化した部分の形状によって文
字、図形等を認識することができる。
【0024】また上記文字、図形等が表示された(i)
感熱情報記録層11を第二加熱条件に加熱すると形状記憶
樹脂1の粒子が初期状態の形状に戻り(i)感熱情報記
録層11が白濁し(ii)有色層12を隠蔽して初期化状態と
なる。図2(B)に示すような気泡を含む形状記憶樹脂
からなる(i)感熱情報記録層では、形状記憶樹脂中の
気泡の平均粒子径は好ましくは0.1〜10μm、特に
好ましくは0.2〜2μmの範囲にあり、(i)感熱情
報記録層の空隙率は好ましくは5〜80%、特に好まし
くは10〜60%の範囲にある。
【0025】図2(B)に示すような気泡を含む形状記
憶樹脂からなる(i)感熱情報記録層は、従来公知の発
泡方法、例えばフロン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、
シクロヘキサンなどの揮発性発泡剤;窒素、空気、水、
炭酸ガスなどの無機ガス系発泡剤などの発泡剤を用いる
方法、超臨界二酸化炭素を用いる方法などによって形状
記憶樹脂の発泡体シートを作製し、該シートを(ii)有
色層に貼付することにより容易に形成することができ
る。発泡方法として、超臨界二酸化炭素を用いる方法を
採用すると、微細な気泡を含む(i)感熱情報記録層を
製造することができるため好ましい。
【0026】本発明の書換え可能な感熱表示媒体は、
(ii)着色層によって記録表示色を出し、この(ii)着
色層上に(i)感熱情報記録層を設け、この(i)感熱
情報記録層を二つの異なる加熱条件に加熱したときに示
す状態を利用した隠蔽(白濁)と可視(透明)とにより
記録を行う。(i)感熱情報記録層が透明部分では(i
i)着色層が見えるため色表示でき、(i)感熱情報記
録層が不透明部分では(ii)着色層を隠蔽するため白色
が表示される。(ii)着色層が単色の場合には着色した
色と白の単色の記録になるが、(ii)着色層が複数色に
着色した構成では複数色と白の記録が行える。この原理
を用いて多色記録またはカラー記録も可能である。
【0027】<形状記憶樹脂> (i)感熱情報記録層を形成する形状記憶樹脂として
は、例えばポリノルボルネン、トランス1,4ポリイソ
プレン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリウレタ
ン、ポリエステル系ポリマーアロイ、高Tg/低Tgブ
ロックポリマーなどを挙げることができる。これらの形
状記憶樹脂のなかでは高Tg/低Tgブロックポリマー
を用いることが好ましい。
【0028】形状記憶樹脂はガラス転移温度(Tg)を
2つ有することが好ましく、この場合には高い方のガラ
ス転移温度(Tg1)が好ましくは80〜200℃、特
に好ましくは100〜150℃の範囲にあり、低い方の
ガラス転移温度(Tg2)が好ましくは40〜150
℃、特に好ましくは60〜100℃の範囲にあり、かつ
高い方のガラス転移温度(Tg1)と低い方のガラス転
移温度(Tg2)との差(Tg1−Tg2)が好ましくは
40〜160℃、特に好ましくは40〜90℃の範囲に
あることが望ましい。
【0029】上記第一加熱条件および第二加熱条件は、
(i)感熱情報記録層を形成する形状記憶樹脂により異
なり、例えば(i)感熱情報記録層を形成する形状記憶
樹脂が高Tg/低Tgブロックポリマーである場合に
は、第一加熱条件および第二加熱条件の温度が低Tg成
分のTg温度以上、かつ高Tg成分のTg温度以下であ
ることが好ましい。
【0030】(i)感熱情報記録層の厚さは、好ましく
は0.001〜1mm程度である。 <(ii)有色層または光反射性金属層>本発明の感熱表
示媒体を構成する(ii)有色層または光反射性金属層の
うち、有色層としては、染料や顔料で着色された塗料層
やインキから構成される層、染料や顔料で着色されたプ
ラスチックフィルム、紙等が挙げられる。
【0031】また有色層を基材として用いる場合には、
染料や顔料等の着色剤を配合したプラスチックフィルム
またはシート、染料や顔料等の着色剤で着色した紙等が
挙げられる。有色層として用いられるプラスチックとし
ては、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリイミド等の耐熱性および機械的強度に優れたプ
ラスチック材料が挙げられる。
【0032】また、光反射性金属層としてはアルミニウ
ム、金、銀、銅、錫、ニッケル、クロム等が適用でき
る。かつ、これら金属材料からなる層の成膜手段として
は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリ
ング法、CVD法等任意の方法が適用できる。なお、圧
延法等により予め成膜された金属箔で上記光反射層を構
成してもよい。
【0033】(ii)有色層は、単色でも2色以上からな
っていてもよく、色調または明度を段階的に変化させた
グラデーションやマトリックス状であってもよい。(i
i)有色層として、2色以上の画素セグメントをストラ
イプ状、モザイク状、ドットマトリクス状等に配列した
層を用いると、多色表示をすることが可能であり、シア
ン、マジェンタ、イエローの三原色からなる画素セグメ
ントをストライプ状、モザイク状、ドットマトリクス状
等に規則的に配列した層を用いることで、フルカラー表
示をすることも可能である。
【0034】(ii)有色層または光反射性金属層の厚さ
は、(iii)基材層を設ける場合には通常0.1〜20
0μm程度であり、基材として用いる場合には通常0.
03〜1mm程度である。 <(iii)基材層>本発明の感熱表示媒体において必要
に応じて用いられる(iii)基材層は、常温で(i)感
熱情報記録層および(ii)有色層または光反射性金属層
を支持できる物であれば特に限定されず、例えば、ポリ
塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメ
タクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイ
ミド等の合成樹脂類、天然樹脂、紙、合成紙、金属、セ
ラッミクス、ガラスなどを単独または組み合わせた複合
体などが挙げられる。
【0035】(iii)基材層の厚さは特に限定されない
が、通常0.03〜1mm程度である。この(iii)基
材層は、上記(ii)有色層または光反射性金属層が
(i)感熱情報記録層を支持できるものであれば設けな
くてもよい。以上本発明の感熱表示媒体として、(i)
感熱情報記録層と、基材である(ii)有色層とからなる
感熱表示媒体および(i)感熱情報記録層と、(ii)有
色層と、(iii)基材層とからなる感熱表示媒体につい
て説明したが、本発明の感熱表示媒体は、(i)感熱情
報記録層と、(ii)有色層との間、または(ii)有色層
と(iii)基材層との間に(iv)接着層が設けられてい
てもよく、(i)感熱情報記録層の上に(v)保護層が
設けられていてもよい。
【0036】(iv)接着層および(v)保護層が設けら
れている感熱表示媒体を図3(A)、(B)および
(C)に示す。図3(A)に示す感熱表示媒体10では、
基材である(ii)有色層12の一方の面に(i)感熱情報
記録層11が、(iv)接着層14を介して設けられており、
(i)感熱情報記録層11の上にさらに(v)保護層15が
設けられている。
【0037】図3(B)に示す感熱表示媒体10では、
(iii)基材層13の一方の面に(ii)有色層12が設けら
れており、(ii)有色層12の上に(i)熱情報記録層11
が、(iv)接着層14を介して設けられており、(i)感
熱情報記録層11の上にさらに(v)保護層15が設けられ
ている。図3(C)に示す感熱表示媒体10では、(ii
i)基材層13の一方の面に(ii)有色層12が(iv)接着
層14を介して設けられており、(ii)有色層12の上に
(i)熱情報記録層11が(iv)接着層14を介して設けら
れており、(i)感熱情報記録層11の上にさらに(v)
保護層15が設けられている。
【0038】図3(A)、(B)または(C)に示す感
熱表示媒体10では、(iv)接着層14および(v)保護層
15の両方が設けられているが、いずれか一方のみが設け
られていてもよい。また図3(A)、(B)または
(C)に示す感熱表示媒体では、(i)感熱情報記録層
11等は、基材である(ii)有色層12または(iii)基材
層13の一方の面のみに設けられているが、(i)感熱情
報記録層、(iv)接着層、(v)保護層は、基材である
(ii)有色層または(iii)基材層の両面に設けられて
いてもよく、その場合には、感熱表示媒体の層構成は、
((v)保護層/(i)感熱情報記録層/(iv)接着層
/(ii)有色層(基材)/(iv)接着層/(i)感熱情
報記録/(v)保護層)、((v)保護層/(i)感熱
情報記録層/(iv)接着層/(ii)有色層/(iii)基
材層/(ii)有色層/(iv)接着層/(i)感熱情報記
録/(v)保護層)または((v)保護層/(i)感熱
情報記録層/(iv)接着層/(ii)有色層/(iv)接着
層/(iii)基材層/(iv)接着層/(ii)有色層/(i
v)接着層/(i)感熱情報記録/(v)保護層)とな
る。この場合において、(iv)接着層および(v)保護
層は、いずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0039】さらに本発明の感熱表示媒体は、(iii)
基材層上に設けられた(ii)有色層が透明ないし半透明
であるときは、(iii)基材層と該有色層との間に反射
層を設けてもよい。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。ここで、部および%は重量
基準による。
【0041】
【実施例1】形状記憶樹脂粒子の作製 形状記憶樹脂としてポリスチレン−水添ポリブタジエン
−ポリスチレンの構造を有する両末端が高Tgで中心部
が低Tgのブロックポリマーを用いた。該ブロックポリ
マーのそれぞれの成分の重量比は、スチレン/ブタジエ
ン/スチレン=15/70/15であり、ポリブタジエ
ン部分の水添前のビニル基含有量は20%で最終水添率
は97%、重量平均分子量は80,000であった。高
Tg部の実測Tgは102℃、低Tg部のTgは−29
℃でTm(溶融温度)は70℃であった。
【0042】上記ブロックポリマーをトルエンに溶解さ
せ20重量%のトルエン溶液を調製し、このトルエン溶
液100重量部を乳化剤としてドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム1重量%含有する水200重量部に添加
してホモジナイザーで微分散させて分散相がオイル/連
続相が水のエマルジョンを作製し、該エマルジョンを攪
拌しながら加熱下で減圧蒸留することにより該エマルジ
ョンからトルエンを除去した。この処理により固形分1
0重量%の形状記憶樹脂粒子の水性エマルジョンを得
た。電子顕微鏡による観察の結果、該エマルジョン中の
形状記憶樹脂粒子の数平均粒子径は0.55μmであっ
た。
【0043】感熱表示媒体の作製 黒ラシャ紙を基体(かつ有色層)として用い、該機(風
速:20m/秒、熱風温度:120℃、乾燥面に垂直に
送風)中で5秒間水分除去および乾燥を行った。形状記
憶樹脂粒子層の乾燥後の塗膜厚さは30μmであり、基
体の黒色を被覆する白色塗膜(感熱記録樹脂層)を形成
した。
【0044】熱印字処理 感熱プリンターの熱ヘッドを用い、強めの加圧条件にて
ヘッド温度90℃にて、媒体通過速度5cm/秒にて上
記感熱表示媒体を熱処理した。白色であった感熱情報記
録層は該熱処理によって透明化し、下地の黒色が明瞭に
現れた。熱再生処理 同様に感熱プリンターの熱ヘッドを用い、加圧条件を弱
めて、ヘッド温度90℃にて、媒体通過速度5cm/秒
にて上記印字処理後の黒色化した感熱表示媒体を熱再生
処理した。該熱再生処理によって感熱情報記録層は再び
元の白色に戻った。熱印字/熱再生処理サイクルを1,
000回繰り返したが、変化することなく印字と再生が
可能であった。
【0045】
【比較例1】樹脂粒子の作製 水添ポリブタジエン(水添前のビニル基含有率は20%
で最終水添率は97%、重量平均分子量:58,00
0、Tg:−29℃、Tm(溶融温度):70℃)を樹
脂として用いたこと以外は実施例1と同様な方法で再乳
化して樹脂粒子の水性エマルジョンを作製した。該エマ
ルジョン中の樹脂粒子の数平均粒子径は0.6μmであ
った。
【0046】感熱表示媒体の作製 実施例1と同様な方法にて黒ラシャ紙を基体(かつ有色
層)として用い、上記樹脂粒子の水性エマルジョン用い
て乾燥後の塗膜厚さ30μmの白色塗膜を形成した。熱印字処理 実施例1と同様な方法で上記感熱表示媒体を熱処理(印
字)した。白色であった感熱情報記録層は該熱処理によ
って透明化し、下地の黒色が明瞭に現れた。
【0047】熱再生処理 実施例と同様な方法で上記印字処理後の黒色化した感熱
表示媒体の熱再生処理を試みた。しかし該熱再生処理に
よって感熱情報記録層が再び白色に戻ることはなく、黒
色を呈したまま変化はなかった。該感熱表示媒体は1回
書き込み(印字)は可能であるが、再生や書換えは不可
能であった。
【0048】
【発明の効果】本発明の書換え可能な感熱表示媒体は、
コントラストが良好で、繰り返し使用時の経時変化が少
なく、安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明に係る書換え可能な感熱表示
媒体の層構成の一例を示す概略部分断面図であり、
(B)は本発明に係る書換え可能な感熱表示媒体の層構
成の他の例を示す概略部分断面図である。
【図2】 (A)は本発明に係る書換え可能な感熱表示
媒体の記録層の構造の一例を示す概略部分断面図であ
り、(B)は本発明に係る書換え可能な感熱表示媒体の
記録層の構造の他の例を示す概略部分断面図である。
【図3】 (A)は保護層および接着層を有する本発明
に係る書換え可能な感熱表示媒体の層構成の一例を示す
概略部分断面図であり、(B)は保護層および接着層を
有する本発明に係る書換え可能な感熱表示媒体の層構成
の他の例を示す概略部分断面図であり、(C)は保護層
および接着層を有する本発明に係る書換え可能な感熱表
示媒体の層構成の他の例を示す概略部分断面図である。
【符号の説明】
1 … 形状記憶樹脂 2 … 空隙部 3 … 気泡 10 … 感熱表示媒体 11 … 感熱情報記録層 12 … 有色層または光反射性金属層 13 … 基体層 14 … 接着層 15 … 保護層
フロントページの続き (72)発明者 服部 岩和 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H111 HA07 HA22 HA23 HA35 5G435 AA02 AA17 BB11 BB18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)気体を含有する形状記憶樹脂からな
    る感熱情報記録層と、(ii)有色層または光反射性金属
    層とを少なくとも有することを特徴とする書換え可能な
    感熱表示媒体。
  2. 【請求項2】上記(ii)有色層または光反射性金属層が
    基体層であることを特徴とする請求項1に記載の書換え
    可能な感熱表示媒体。
  3. 【請求項3】(i)気体を含有する形状記憶樹脂からな
    る感熱情報記録層が、(ii)有色層または光反射性金属
    層の両面に設けられていることを特徴とする請求項2に
    記載の書換え可能な感熱表示媒体。
  4. 【請求項4】(i)気体を含有する形状記憶樹脂からな
    る感熱情報記録層と、(ii)有色層または光反射性金属
    層と、(iii)基体層とがこの順序で積層されてなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の書換え可能な感熱表示
    媒体。
  5. 【請求項5】(i)気体を含有する形状記憶樹脂からな
    る感熱情報記録層および(ii)有色層または光反射性金
    属層が(iii)基体層の両面に形成されていることを特
    徴とする請求項4に記載の書換え可能な感熱表示媒体。
  6. 【請求項6】(i)気体を含有する形状記憶樹脂からな
    る感熱情報記録層と、(ii)有色層または光反射性金属
    層との間に(iv)接着層が設けられていることを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の書換え可
    能な感熱表示媒体。
  7. 【請求項7】(i)気体を含有する形状記憶樹脂からな
    る感熱情報記録層の上に(v)保護層が設けられている
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記
    載の書換え可能な感熱表示媒体。
  8. 【請求項8】上記形状記憶樹脂が原形を記憶する固定相
    と温度変化に応じて固化と軟化を繰り返す可逆相を有す
    る樹脂である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の
    書換え可能な感熱表示媒体。
  9. 【請求項9】上記形状記憶樹脂がガラス転移温度を2つ
    有し、高い方のガラス転移温度(Tg1)が80〜20
    0℃の範囲にあり、低い方のガラス転移温度(Tg2
    が40〜150℃の範囲にあり、かつ高い方のガラス転
    移温度(Tg1)と低い方のガラス転移温度(Tg2)と
    の差(Tg1−Tg2)が40〜160℃の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    の書換え可能な感熱表示媒体。
JP2001246068A 2001-08-14 2001-08-14 書換え可能な感熱表示媒体 Pending JP2003054141A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007001281A (ja) * 2005-05-24 2007-01-11 Masanori Shiokawa レーザ印字方法及び包装体並びに容器
JP7485477B2 (ja) 2019-09-27 2024-05-16 大阪シーリング印刷株式会社 印字記録メディア

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JP2007001281A (ja) * 2005-05-24 2007-01-11 Masanori Shiokawa レーザ印字方法及び包装体並びに容器
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