JP2003053790A - 円盤状プラスチック成形品及び製造方法 - Google Patents

円盤状プラスチック成形品及び製造方法

Info

Publication number
JP2003053790A
JP2003053790A JP2001250855A JP2001250855A JP2003053790A JP 2003053790 A JP2003053790 A JP 2003053790A JP 2001250855 A JP2001250855 A JP 2001250855A JP 2001250855 A JP2001250855 A JP 2001250855A JP 2003053790 A JP2003053790 A JP 2003053790A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded product
cavity
shaped plastic
plastic molded
sliding member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001250855A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Watabe
順 渡部
Shinya Senoo
晋哉 妹尾
Toshiharu Hatakeyama
寿治 畠山
Toshihiro Kanematsu
俊宏 金松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2001250855A priority Critical patent/JP2003053790A/ja
Publication of JP2003053790A publication Critical patent/JP2003053790A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gears, Cams (AREA)
  • Pulleys (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】金型費の増大、成形サイクルの増大を招くこと
なく、射出成形時のキャビティ内樹脂の流動方向とこれ
に対して直交する方向での収縮率差による円盤状成形品
の歪みを可及的に低減して、寸法精度の高い円盤状プラ
スチック成形品を簡便に成形できるようにする円盤状プ
ラスチック成形品の形状構造及びそのための製造方法を
提供する。 【解決手段】複数のピンゲート42から溶融樹脂を金型
キャビティ内に射出充填し、外周部又は内周部に転写面
を有する金型により、成形品の外周部又は内周部に被転
写部を形成する円盤状プラスチック成形品の製造方法に
おいて、その成形金型がそのキャビティの非転写側面に
同一円周上に等間隔に配置した複数の凹部を有し、前記
凹部によって成形品の側面部に同一円周上に等間隔に配
置した複数の凸部44を成形するものであって、前記凹
部が上記ピンゲ−ト42を通る半径方向線上に配置され
ているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、歯車、プーリーなど
の動力駆動用成形品等の円盤状を有する高精度なプラス
チック成形品及びその製造方法に関するものであり、射
出成形時のキャビティ内樹脂の流動方向とこれに対して
直交する方向での収縮率差による円盤状成形品の歪みに
よる真円度の精度低下を効果的に抑制することができる
ものである。
【従来の技術】伝動部品の1つであるプラスチック歯車
は金属歯車と比較して自己潤滑性、耐腐食性、量産性等
に優れ、低騒音、低振動、軽量であるので、複写機、プ
リンター等の精密機械の伝動部に多用されている。通常
これらのプラスチック歯車を射出成形で作成する場合、
その外周部(歯部)及び内周部(軸受け部)が転写成形
面となるため、溶融樹脂を複数のピンゲートから金型側
面部に注入し、キャビティ全体にできるだけ均等に充填
されてゆくようにしている。その場合、図1に示すよう
に、ディスク部に充填される溶融樹脂は、ゲート部を中
心に放射状に広がりキャビティの外周部(歯形形成部)
に侵入する。その結果、ゲート放線方向(図1における
A方向)とゲート間の放線方向(図1におけるB方向)
での外周部への樹脂の充填速度、重点量が異なり、成形
品外周部では所期の円形状(実線)に対して、点線で示
されるようなゲート位置に対応した花びら状の凹凸形状
となり、このままでは外周部を均一に転写した高精度な
成形品を成形することはできない。このような問題を解
決する方法として、ピンゲートをできるだけ数多く配す
ることで、上記凹凸をできるだけ低減することが考えら
れる。しかし、ピンゲート数を増やすことは金型構造が
複雑になり金型コストがかさむことになるとともに、ピ
ンゲートから放射状に溶融樹脂が側面部に充填される限
り、外周部の上記凹凸が小さくなっても完全になくすこ
とはできない。一方、特開平4−238008号公報に
記載されたものでは成形品ディスク部の肉厚をゲート部
に対応する領域を他の領域より厚くすることで成形品外
周部の凸部になる部分の収縮量を大きくし、結果として
外周部の凹凸形状が抑制されるようにしている。この場
合、外周部の凹凸を抑制するために肉厚差をどの程度つ
けるかの予測が難しく、高精度な成形品を成形する場合
は、試行錯誤を繰り返す(肉厚差の異なるキャビティで
の成形の繰り返し)ことが必要となり、手間がかかり、
金型費の増大も招く。更に、特開平11−156892
号公報に記載されたものでは、側面部の途中にディスク
部より肉厚の均圧部を設け、そこで一旦溶融樹脂を蓄え
た後、そこから放射状に流して外周部に溶融樹脂が同時
に到達するようにしている。その場合、上記均圧部が小
さいと樹脂の均圧化の効果が少ないので所期の精度を達
成できない。また、上記均圧部が成形品離型時の離型抵
抗となり成形品の変形を招くという問題も生じる。
【解決しようとする課題】本発明の課題は、金型費の増
大、成形サイクルの増大を招くことなく、射出成形時の
キャビティ内樹脂の流動方向とこれに対して直交する方
向での収縮率差による円盤状成形品の歪みを可及的に低
減して、寸法精度の高い円盤状プラスチック成形品を簡
便に成形できるように、円盤状プラスチック成形品の形
状構造及びそのための製造方法を工夫することである。
【課題解決のために講じた手段】
【解決手段1】(請求項1、請求項2に対応)上記課題
解決のために講じた手段1、すなわち、円盤状プラスチ
ック製品の形状構造に関する手段は、金型に形成された
複数個のピンゲートから溶融樹脂を前記金型キャビティ
内に射出充填することによって成形され、外周部または
内周部に転写成形部を有する円盤状プラスチック成形品
であることを前提として、次の(イ)(ロ)によって構
成されるものである。 (イ)成形金型のピンゲート数と同数の凸部を非転写側
面部の同一円周上に等間隔で設けたこと、(ロ)上記凸
部が上記ピンゲートを通る半径方向線上に形成されてい
ること。
【解決手段2】(請求項3、請求項4に対応)上記課題
解決のために講じた手段2、すなわち、円盤状プラスチ
ック製品の製造方法に関する手段は、複数のピンゲート
から溶融樹脂を前記金型キャビティ内に射出充填し、外
周部又は内周部に転写面を有する金型により、成形品の
外周部又は内周部に被転写部を形成する円盤状プラスチ
ック成形品の製造方法を前提として、次の(イ)(ロ)
(ハ)によって構成されるものである。 (イ)成形金型キャビティの非転写側面に同一円周上に
等間隔に配置した複数の凹部を有すること、(ロ)上記
凹部によって成形品の側面部に同一円周上に等間隔に配
置した複数の凸部を成形すること、(ハ)上記凹部が上
記ピンゲ−トを通る半径方向線上に配置されているこ
と。
【作用】プラスチック歯車に代表される外周部または内
周部を転写成形する必要のある円盤状プラスチック成形
品を複数のピンゲートからの充填による射出成形で作製
する場合、溶融樹脂の外周部または内周部への到達が、
ピンゲート放線方向(ピンゲートを通る半径方向。図1
におけるA方向)とピンゲート間放線方向(ピンゲート
間の中間点を通る半径方向。図1におけるB方向)で異
なり、微視的にみればこの間の溶融樹脂の充填量、充填
密度が均一でないため成形品外周(または内周)形状に
凹凸(図1点線)が生じ、このために冷却過程で内部歪
みを生じ、この内部歪みのための微小変形を生じて、高
精度な成形品を作製することができない。外周部に転写
面を有する成形品についていえば、ピンゲートを通る半
径方向に凹部が存在するので、ピンゲートからその半径
方向外方へ直線的に流れる溶融樹脂脂の流れ(上記A方
向の流れ)の一部が上記凹部で捕捉され、外周部に到達
する樹脂量がそれだけ少なくなり、上記B方向への流れ
の樹脂量の差が縮小されて、この差がほぼ解消され、転
写成形部の樹脂密度が全周において、ほぼ均等化され
る。なお、上記非転写側面の上記凹部は、厳密にピンゲ
ートを通る半径方向に存在する必要は必ずしもなく、要
するに、ピンゲートからその半径方向外方へ直線的に流
れる溶融樹脂脂の流れ(上記A方向の流れ)の一部を捕
捉して、それからさらに半径方向外方に直線的に流れる
溶融樹脂脂量を少なくし得るような位置にあればよい。
しかし、上記ピンゲートを通る半径方向線上に配置され
ていることによって、ピンゲートから半径方向外方に直
線的に流れる溶融樹脂の流れの一部を最も効果的に捕捉
することができる。また、上記の「同一円周上」、「等
間隔」は、厳密な意味での同一円周上、等間隔である必
要は必ずしもなく、要するに、ピンゲートからその半径
方向外方へ直線的に流れる溶融樹脂脂の流れ(上記A方
向の流れ)の一部を捕捉して、外周の転写成形部全周に
ついて溶融趣旨がほぼ均等に充填されるようにほぼ同一
円周上、等間隔に上記凸部が配置されていることを意味
する。溶融樹脂充填段階で上記凹部が存在する場合につ
いての作用は以上のとおりであるが、上記凹部が溶融樹
脂充填段階では存在しないで、冷却過程において存在し
ていてもよい。この場合の上記凹部の作用は次のとおり
である。すなわち、キャビティへの充填を完了した状態
では充填密度が図1に示すように不均一であり、ピンゲ
ートを通る半径方向線上及びその近傍の密度が高いが、
上記半径線上の一部に凹部が形成されると、キャビティ
内の樹脂がこの凹部に流れ込み、その近傍の密度が低下
し、この凹部近傍の部分の密度低下によって充填密度の
高い領域の密度が下げられる。したがって、転写成形部
の密度がその全周においてほぼ均等化される。
【実施態様1】(請求項5に対応)実施態様1は、解決
手段2について、上記凹部の領域または深さを調整可能
にし、これによって、成形品の上記凸部の領域または高
さを加減することである。
【作用】非転写側面の凹部形状の領域もしくは深さを調
節可能にしたことにより、成形中に成形品の精度を確認
しつつ、上記凹部の領域または深さを加減することがで
き、これによって当該凹部による所期の作用効果を容易
に確保することでき、したがって、成形品の如何に関わ
らず、簡便に成形品外周部の寸法精度を向上させること
ができる。
【実施態様2】(請求項6に対応)実施態様2は、実施
態様1について、金型のキャビティ面の1部を摺動部材
で構成し、キャビティ内に溶融樹脂を射出充填した後に
上記摺動部材を後退させてキャビティに上記凹部を形成
し、これにより成形品の非転写部に上記凸部を形成する
ようにしたことである。
【作用】金型のキャビティ面の1部を摺動部材で構成
し、これを溶融樹脂の射出充填後に後退させることによ
って、非転写側面に上記凹部を簡便に形成することがで
き、かつ摺動部材の後退量を加減することによって上記
凹部の深さを容易に調節することができる。
【実施態様3】(請求項7に対応)実施態様3は、実施
態様2について、金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出
充填し、冷却してキャビティ内の樹脂圧力が0kg/c
より大きい段階で上記摺動部材を後退させるように
したことである。
【作用】キャビティ内の圧力を0kg/cmよりも大
きい段階で(残圧が残っている状態)摺動部材を後退さ
せることにより、摺動部材の後退に伴ってキャビティ内
樹脂の一部分が摺動部材の方へ局部的に膨らんで変形す
る。そして、摺動部材の後退量に見合った凸部が容易に
確実に形成される。
【実施態様4】(請求項8に対応)実施態様4は、実施
態様3について、金型キャビティ内に溶融樹脂を充填し
てから所定時間後に摺動部材を後退させるようにしたこ
とである。
【作用】摺動部材を後退させるときの前記キャビティ内
の残圧の大きさによって、形成される上記凸部の膨らみ
の大きさが異なり、前述したキャビティ内の残圧は樹脂
をキャビティ内に充填して後、冷却が進むにつれて時間
とともに徐々に低下するから、樹脂を充填してから所定
時間後に摺動部材を後退させることで、上記凹部によっ
て成形品に形成される上記凸部を、簡単容易に所期の形
状にすることができる。
【実施態様5】(請求項9に対応)実施態様5は、実施
態様4について、金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出
充填してから前記摺動部材を後退させるまでの時間を調
整するようにしたことである。
【作用】金型キャビティに溶融樹脂を充填してから摺動
部材を後退させるまでの最適時間は、各種成形条件の変
化等により微妙に変化するから、金型キャビティに溶融
樹脂を充填してから摺動部材を後退させるまでの時間を
調節することにより、金型の上記凹部に引き込まれる樹
脂量を調節して、成形品に形成される上記凸部の大きさ
を最適のものに簡便に調節することができる。
【実施態様6】(請求項10に対応)実施態様6は、実
施態様2について、上記摺動部材を後退させて、円盤状
プラスチック成形品から完全に離間させるようにしたこ
とである。
【作用】摺動部材を後退させて、そのキャビティ形成面
を成形品から完全に離間させるには、摺動部材のキャビ
ティ形成面と成形品との間に空気を導入することになる
ので、摺動部材の後退によって形成される凸部の先端が
自由端となって図4(b)に示すような曲面となり、そ
の結果、当該凸部が金型から離れるので、成形品を金型
から取り出すときに、当該凸部が抵抗となって離型変形
を生じるという事態は回避される。
【実施態様7】(請求項11に対応)実施態様7は、実
施態様2乃至実施態様6について、摺動部材に溶融樹脂
との密着力を高める手段を講じて、成形金型のキャビテ
ィ内の溶融樹脂と上記摺動部材との密着強度を高めたこ
とである。
【作用】成形金型のキャビティ内の溶融樹脂と上記摺動
部材との密着強度を高めたことにより、摺動部材の後退
に対するキャビティ内の樹脂の追従性が向上するので、
摺動部材の後退によって所定の大きさの凸部が成形品に
確実に安定的に形成される。
【実施態様8】(請求項12に対応)実施態様8は、実
施態様7についての実施態様であり、摺動部材のキャビ
ティ面を粗面にしたことである。
【作用】摺動部材のキャビティ面を粗面にすることによ
って、金型キャビティ内樹脂表面と摺動部材のキャビテ
ィ面との密着力が著しく高められる。
【実施の形態】次いで、図面を参照してこの発明を実施
の形態を説明する。図2は本発明における円筒形状プラ
スチック成形品の1実施例を示している。成形品側面部
1に設けられた複数のピンゲート2より溶融樹脂が注入
されることにより、転写成形部となる成形品外周部3は
点線で示されるようにピンゲート及びピンゲート間の放
線方向に対応して山と谷との凹凸形状となる。本発明で
は、成形品の非転写側面に金凸部4を形成している。上
記凸部4の形成により、キャビティ外周部における樹脂
の流動分布が緩和されて全周についてほぼ均一化され、
外周部の転写精度が向上する。すなわち、円盤状成形品
の中心からピンゲート方向線上に凸部4を設けたことで
側面部の凸部4で半径方向外方に流れる樹脂の一部が捕
捉され、その分だけ成形品外周部に形成される凹凸の山
部5の方へ流れる樹脂量が減るので、上記の外周部山部
5(図1の凹凸の山)が平坦になり、外周部円周の真円
精度が向上する。射出成形時に上記凸部の領域またはそ
の深さを調節可能にすることで、成形精度を確認しなが
ら、成形品外周部の寸法精度を向上させることができ
る。したがって、金型自体を改造することなしに、低コ
ストで成形品外周部の寸法精度を確実に向上させること
ができる。なお、この実施例はキャビティ外周部が転写
成形面であるものであるが、キャビティ内周部が転写成
形面であるものについても同様である。この実施例は上
記凸部を非転写面である円筒形状ディスクの側面に形成
しているが、ピンゲートを通る半径方向線上にあって、
当該半径方向線に沿って流れる溶融樹脂の一部を捕捉す
る位置の非転写面であれば、成形品外周部もしくは内周
部に上記凸部を形成してもよい。その1例(図3のも
の)は、成形品外周部の転写成形部の裏側に上記凸部を
形成したものである。次いで、この発明の円盤状プラス
チック成形品の製造方法の実施例を図4を参照して説明
する。図4に示すプラスチック成形金型は、所定容積の
円盤状キャビティを画成する外周部キャビティ面43に
転写部を有し、前記キャビティ内側面部41に開口した
ピンゲート42を有し、前記ディスク部に対応するキャ
ビティ面の任意の場所に移動可能な摺動部材46を設け
ている。摺動部材46は金型外に設けられた圧力制御装
置47によって加圧される。次いで、この実施例の作動
について説明する。図4(a)に示したキャビティ内に
溶融樹脂が複数のピンゲート42を介して射出充填さ
れ、キャビティ内の樹脂圧力によって成形品に転写面を
転写し、冷却固化させて成形品を成形する。前記摺動部
材46は、キャビティ内に溶融樹脂を射出充填する際に
キャビティ内の最大樹脂圧力以上の加圧力で加圧されて
いて、前記樹脂圧力によって摺動部材が後退しないよう
に押さえられている。図4(b)に示すようにキャビテ
ィ内に射出充填された樹脂の冷却固化が進み、キャビテ
ィ内樹脂圧力が所定圧力になった時に、摺動部材を成形
面から離す方向(図4(a)における矢印方向)に移動
(後退)させる。キャビティ内の樹脂の一部が前記摺動
部材46との密着力によって引っ張られながら、摺動部
材の後退によって形成される凹部に膨出するので、これ
によって成形品に凸部44が形成される。この場合、摺
動部材46を後退させるときの上記キャビティ内の残圧
の大きさによって形成される上記凸部44の膨らみの大
きさが異なり、他方、キャビティ内の残圧は樹脂をキャ
ビティ内に充填して後、冷却が進むにつれて時間ととも
に徐々に低下するから、樹脂を充填してから摺動部材を
後退させるまでの時間を調節することで、上記凸部44
の大きさを容易にコントロールすることができる。キャ
ビティ内残圧がどの程度の時点で摺動部材を後退させる
のが最適であるかは、成形品、材質などによって異なる
ため一概には決まらないので、個々に実験的に最適値を
探求する他はない。なお、前記摺動部材46の後退量を
調節し、後退時に摺動部材のキャビティ形成面と成形品
との間に空気を導入して、後退時に摺動部材を成形品か
ら完全に離間させると、前記凸部44は図4(b)に示
すように曲面状の凸部となる。その結果、成形品の曲面
状凸部と金型との密着はないので、成形品を金型から取
り出すときに、上記凸部の上記密着が抵抗となって離型
を阻害してこれを変形させてしまうということはない。
更に、凸部と摺動部材46のキャビティ形成面との密着
強度を強くすることで、摺動部材46によるアンカー効
果(成形品表面を凹部に引き込む力)を高めて、より確
実に安定的に凸部44を形成することができる。密着強
度を増す方法として、例えば摺動部材キャビティ面の表
面にブラスト加工等の粗面加工を施してこれを梨地模様
の粗面にする方法、あるいは摺動部材内に加熱部材を設
け、その部分の温度を高くして、冷却工程における温度
低下を抑制する方法を採ることができる。
【発明の効果】この発明の効果を各請求項に係る発明毎
に整理すれば、次のとおりである。 (1)請求項1に係る発明の効果 成形金型のピンゲート数と同数の凸部を非転写側面部の
同一円周上に等間隔で設けたことによって、その射出成
形時に樹脂の流動分布(収縮率分布)を緩和することが
でき、円盤状プラスチック成形品の転写精度を向上させ
ることができる。 (2)請求項2に係る発明の効果 上記凸部が上記ピンゲートを通る半径方向線上に形成さ
れていることにより、その射出成形時に樹脂の流動分布
(収縮率分布)を可及的に緩和することができ、円盤状
プラスチック成形品の転写精度を一層向上させることが
できる。 (3)請求項3に係る発明の効果 プラスチック成形用金型キャビティの非転写側面に同一
円周上に等間隔に配置した複数の凹部を有し、当該凹部
によって成形品の側面部に同一円周上に等間隔に配置し
た複数の凸部を成形するものであるから、ピンゲートか
ら半径方向外方へ流れる溶融樹脂の外周への流れを抑制
して、キャビティ内の溶融樹脂の流動分布(収縮率分
布)を緩和することができ、転写精度の高い円盤状プラ
スチック成形品を簡便に成形することができる。 (4)請求項4に係る発明の効果 上記凹部が上記ピンゲ−トを通る半径方向線上に配置さ
れていることにより、キャビティ内の溶融樹脂の流動分
布(収縮率分布)を緩和する効果を高めて、円盤状プラ
スチック成形品の転写精度を顕著に向上させることがで
きる。 (5)請求項5に係る発明の効果 上記凹部の領域または深さを調整可能にし、これによっ
て、成形品の上記凸部の領域または高さを加減すること
により、当該凹部によるキャビティ内の溶融樹脂の流動
分布(収縮率分布)の緩和効果を適度に調節することが
できる。 (6)請求項6に係る発明の効果 上記金型のキャビティ面の一部を摺動部材で構成し、キ
ャビティ内に溶融樹脂を射出した後に上記摺動部材を後
退させてキャビティに上記凹部を形成させ、これにより
成形品の非転写部に上記凸部を形成するようにしたこと
により、非転写側面に上記凹部を簡便に形成することが
でき、かつ摺動部材の後退量を加減することによって上
記凹部の深さを容易に調節することができる。 (7)請求項7に係る発明の効果 前記金型キャビティ内に溶融樹脂を射出充填し、冷却し
てキャビティ内の樹脂圧力が0kg/cmよりも大き
い段階で上記摺動部材を後退させるようにしたことによ
り、摺動部材の後退に伴ってキャビティ内樹脂の一部分
が摺動部材の方へ局部的に膨らんで変形する。そして、
摺動部材の後退量に見合った凸部を容易、確実に形成す
ることができる。 (8)請求項8に係る発明の効果 上記金型キャビティ内に溶融樹脂を射出充填してから所
定時間後に摺動部材を後退させるようにしたことによ
り、成形品に形成される上記凸部を所期の形状にするこ
とができる。 (9)請求項9に係る発明の効果 上記金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填してから
前記摺動部材を後退させるまでの時間を調整すること
で、成形品に形成される上記凸部の形状を調節するよう
にしたことにより、上記凹部に引き込まれる樹脂量を調
節して、成形品に形成される上記凸部の大きさを最適の
ものに適宜調節することができる。 (10)請求項10に係る発明の効果 上記摺動部材を後退させて、上記円盤状プラスチック成
形品から完全に離間させるようにしたことにより、成形
品に形成された上記凸部が金型から離れるので、前記凸
部の金型との密着力が成形品を離型させるときの抵抗と
なって成形品を変形させるという事態を回避することが
できる。 (11)請求項11に係る発明の効果 上記摺動部材に溶融樹脂との密着力を高める手段を講じ
て、成形金型のキャビティ内の溶融樹脂と上記摺動部材
との密着強度を高めたことにより、キャビティ内の樹脂
の摺動部材の後退に対する追従性が向上するので、摺動
部材の後退によって所定の大きさの凸部が確実に安定的
に成形品に形成される。 (12)請求項12に係る発明の効果 摺動部材のキャビティ面を粗面にしたことにより、金型
キャビティ内樹脂表面と摺動部材のキャビティ面との密
着力を簡便な方法で顕著に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は従来技術におけるピンゲートの配置と溶融樹
脂の充填量、充填密度分布との関係を模式的に誇張して
示す平面図である。
【図2】(a)は円筒形状プラスチック成形品の1実施
例の平面図であり、(b)は図(a)のA−A断面図で
ある。
【図3】(a)は、成形品外周部の転写成形部の裏側に
上記凸部を形成した他の実施例の平面図であり、(b)
は図(a)のA−A断面図である。
【図4】(a)は、円盤状プラスチック成形品の製造方
法の実施例の断面図であり、(b)同実施例において摺
動部材を後退させて凸部が形成された状態の断面図であ
る。
【符号の説明】
1:成形品側面部 2:ピンゲート 3:成形品外周部 4,44:成形品側面部の凸部 5:成形品外周部の凹凸の山部 41:キャビティ内側面部 43:キャビティ外周面部 46:摺動部材 47:圧力制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29L 15:00 B29L 15:00 31:32 31:32 (72)発明者 畠山 寿治 東京都大田区中馬込1丁目3番6号株式会 社リコー内 (72)発明者 金松 俊宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号株式会 社リコー内 Fターム(参考) 3J030 BA01 BC01 BC08 3J031 AC10 BC05 BC10 4F202 AG19 AH12 AM32 AP03 AP10 CA11 CB01 CB29 CK06 CK15 CK18 4F206 AG19 AH12 AM32 AP03 AP10 JA07 JL02 JN14 JN25 JN33 JP11 JQ81

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型に形成された複数個のピンゲートから
    溶融樹脂を前記金型キャビティ内に射出充填することに
    よって成形され、外周部または内周部に転写成形部を有
    する円盤状プラスチック成形品において、 成形金型のピンゲート数と同数の凸部を非転写側面部の
    同一円周上に等間隔で設けたことを特徴とする円盤状プ
    ラスチック成形品。
  2. 【請求項2】上記凸部が上記ピンゲートを通る半径方向
    線上に形成されている請求項1の円盤状プラスチック成
    形品。
  3. 【請求項3】複数のピンゲートから溶融樹脂を前記金型
    キャビティ内に射出充填し、外周部又は内周部に転写面
    を有する金型により、成形品の外周部又は内周部に被転
    写部を形成する円盤状プラスチック成形品の製造方法に
    おいて、 上記キャビティの非転写側面に同一円周上に等間隔に配
    置した複数の凹部を有し、当該凹部によって成形品の側
    面部に同一円周上に等間隔に配置した複数の凸部を成形
    することを特徴とする円盤状プラスチック成形品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】金型の上記凹部が上記ピンゲ−トを通る半
    径方向線上に配置されている請求項3の円盤状プラスチ
    ック成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】上記凹部の領域または深さのいずれかを調
    整可能にし、これによって、成形品の上記凸部の領域ま
    たは高さを加減するようにした請求項3または請求項4
    の円盤状プラスチック成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】上記金型のキャビティ面の一部を摺動部材
    で構成し、キャビティ内に溶融樹脂を射出充填した後に
    上記摺動部材を後退させてキャビティに上記凹部を形成
    させて、これにより成形品の非転写部に上記凸部を形成
    するようにした請求項5の円盤状プラスチック成形品の
    製造方法。
  7. 【請求項7】上記金型キャビティ内に溶融樹脂を射出充
    填し、冷却してキャビティ内の樹脂圧力が0kg/cm
    よりも大きい段階で上記摺動部材を後退させるように
    した請求項6の円盤状プラスチック成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】上記金型キャビティ内に溶融樹脂を射出充
    填してから所定時間後に摺動部材を後退させるようにし
    た請求項7の円盤状プラスチック成形品の製造方法。
  9. 【請求項9】上記金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出
    充填してから前記摺動部材を後退させるまでの時間を調
    整することで、成形品に形成される上記凸部の形状を調
    節するようにした請求項7の円盤状プラスチック成形品
    の製造方法。
  10. 【請求項10】上記摺動部材を後退させて、上記円盤状
    プラスチック成形品から完全に離間させるようにした請
    求項6の円盤状プラスチック成形品の製造方法。
  11. 【請求項11】上記摺動部材に溶融樹脂との密着力を高
    める手段を講じて、成形金型のキャビティ内の溶融樹脂
    と上記摺動部材との密着強度を高めた請求項6乃至請求
    項10の円盤状プラスチック成形品の製造方法。
  12. 【請求項12】上記摺動部材のキャビティ面を粗面にし
    た請求項11の円盤状プラスチック成形品の製造方法。
JP2001250855A 2001-08-21 2001-08-21 円盤状プラスチック成形品及び製造方法 Pending JP2003053790A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001250855A JP2003053790A (ja) 2001-08-21 2001-08-21 円盤状プラスチック成形品及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001250855A JP2003053790A (ja) 2001-08-21 2001-08-21 円盤状プラスチック成形品及び製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003053790A true JP2003053790A (ja) 2003-02-26

Family

ID=19079589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001250855A Pending JP2003053790A (ja) 2001-08-21 2001-08-21 円盤状プラスチック成形品及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003053790A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102975336A (zh) * 2012-11-29 2013-03-20 中山市利群精密实业有限公司 一种方便加工细水口的塑胶模具结构
JP2013155881A (ja) * 2013-05-20 2013-08-15 Ntn Corp 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置用のセンサキャップおよびこれを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置および回転速度検出装置付き車輪用軸受装置用のセンサキャップの製造方法
CN103722687A (zh) * 2013-05-27 2014-04-16 昆山德安模具设计有限公司 一种智能注塑机
JP2015077767A (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 カヤバ工業株式会社 射出成形方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102975336A (zh) * 2012-11-29 2013-03-20 中山市利群精密实业有限公司 一种方便加工细水口的塑胶模具结构
JP2013155881A (ja) * 2013-05-20 2013-08-15 Ntn Corp 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置用のセンサキャップおよびこれを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置および回転速度検出装置付き車輪用軸受装置用のセンサキャップの製造方法
CN103722687A (zh) * 2013-05-27 2014-04-16 昆山德安模具设计有限公司 一种智能注塑机
JP2015077767A (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 カヤバ工業株式会社 射出成形方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3315135B2 (ja) 容積流量制御弁の製造方法及び装置
US10710287B2 (en) Injection molding method and mold mechanism
KR20080082631A (ko) 콘택트 렌즈 제조에 사용되는 금형
US20200101648A1 (en) Apparatus and method usable with an injection molder for producing articles
CN102416686B (zh) 具有底切结构的不均匀物体的模制
JP4891549B2 (ja) プラスチック成形用金型
JP2003053790A (ja) 円盤状プラスチック成形品及び製造方法
JP3917362B2 (ja) 精密成形品の成形方法
JP3596131B2 (ja) 射出成形歯車
JPH0866972A (ja) 複合型光学素子の製造方法
JP4630494B2 (ja) 眼用レンズの製造方法
JP5819150B2 (ja) 射出成形用金型、及び成形品
JP2022026394A (ja) 射出成形用金型、樹脂成形体の製造方法、および、樹脂成形体
JP4786085B2 (ja) 微小部品の成形用装置及び微小部品の成形方法
JP4485101B2 (ja) 樹脂成形装置および樹脂成形方法
JP2016203474A (ja) 成形金型及びそれを用いる金型内被覆成形方法
JP2512586Y2 (ja) 射出成形用金型
JPS61188120A (ja) 光磁気デイスク基板の製造方法
JP2002130429A (ja) 高精度樹脂歯車成形品及びその成形方法
JP2002200661A (ja) 円盤状合成樹脂成形品
JP6089297B2 (ja) 熱硬化性樹脂成形品金型および熱硬化性樹脂成形品の成形方法
JPH10296797A (ja) ディスク成形体、ディスク成形体成形装置、ディスク成形体製造方法、光ディスク、及び光ディスク製造方法
JPH028022A (ja) 電子部品の樹脂封止成形方法及び金型装置
JP2003039510A (ja) 円盤状合成樹脂成形品
JPH07112449A (ja) ライニング管の製造方法