JP2003053379A - 水質浄化及び水中成分の回収方法 - Google Patents
水質浄化及び水中成分の回収方法Info
- Publication number
- JP2003053379A JP2003053379A JP2001330153A JP2001330153A JP2003053379A JP 2003053379 A JP2003053379 A JP 2003053379A JP 2001330153 A JP2001330153 A JP 2001330153A JP 2001330153 A JP2001330153 A JP 2001330153A JP 2003053379 A JP2003053379 A JP 2003053379A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- waste
- slag
- phosphorus
- nitrogen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/30—Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies
- Y02W10/37—Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy
Landscapes
- Cultivation Of Plants (AREA)
- Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
- Water Treatment By Sorption (AREA)
- Fertilizers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 河川等において水に含まれる有機物や燐、窒
素などを効率的且つ低コストに除去するとともに、利材
化を目的としてそれら水中成分を回収する。 【解決手段】 溶融処理又は高温加熱を経た粒状体の集
合物を水質浄化すべき水中に沈設し、少なくとも、(a)
粒状体に水中の燐及び/又は窒素分を吸着させる作用、
又は(b)粒状体に着生した付着藻類及び/又は水生植物
に水中の燐及び/又は窒素分を吸収させる作用、若しく
はその両方の作用により、水中の燐及び/又は窒素分を
粒状体に固定し、粒状体の集合物を水中に沈設して一定
期間経過後、該粒状体の集合物を燐及び/又は窒素分が
富化された粒状体の集合物として水中から回収する。
素などを効率的且つ低コストに除去するとともに、利材
化を目的としてそれら水中成分を回収する。 【解決手段】 溶融処理又は高温加熱を経た粒状体の集
合物を水質浄化すべき水中に沈設し、少なくとも、(a)
粒状体に水中の燐及び/又は窒素分を吸着させる作用、
又は(b)粒状体に着生した付着藻類及び/又は水生植物
に水中の燐及び/又は窒素分を吸収させる作用、若しく
はその両方の作用により、水中の燐及び/又は窒素分を
粒状体に固定し、粒状体の集合物を水中に沈設して一定
期間経過後、該粒状体の集合物を燐及び/又は窒素分が
富化された粒状体の集合物として水中から回収する。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、河川や湖沼などの
水質浄化に好適な水質浄化技術、さらには水中成分の利
材化を図るために水質浄化材により水中成分を回収する
ため技術に関するものである。
水質浄化に好適な水質浄化技術、さらには水中成分の利
材化を図るために水質浄化材により水中成分を回収する
ため技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】河川や湖沼など水質の浄化が環境保護の
面から大きな課題となっている。河川や湖沼など水の汚
れの主たる汚染源は、河川周辺の開発や都市化により生
じる生活排水や産業排水であり、主な汚染・汚濁因子と
しては不溶性物質(浮遊物質)、有機物、燐、窒素など
が挙げられる。また、これら水質の汚染・汚濁に起因し
た直接的な問題として、例えば、(1)燐、窒素などによ
る水の富栄養化により「アオコ」と呼ばれる藍藻類(浮
遊藻類)が発生し、水道水の匂いや味にまで影響を与え
る、(2)同じく湖沼にあってはケイ藻類、鞭毛藻(浮遊
藻類)などの異常増殖により「赤潮」が発生し、養殖魚
や天然魚の大量へい死をもたらす、(3)河川や湖沼の水
底に有機物を含む汚泥が堆積すると硫化水素が発生し、
悪臭の原因となる、などが挙げられる。
面から大きな課題となっている。河川や湖沼など水の汚
れの主たる汚染源は、河川周辺の開発や都市化により生
じる生活排水や産業排水であり、主な汚染・汚濁因子と
しては不溶性物質(浮遊物質)、有機物、燐、窒素など
が挙げられる。また、これら水質の汚染・汚濁に起因し
た直接的な問題として、例えば、(1)燐、窒素などによ
る水の富栄養化により「アオコ」と呼ばれる藍藻類(浮
遊藻類)が発生し、水道水の匂いや味にまで影響を与え
る、(2)同じく湖沼にあってはケイ藻類、鞭毛藻(浮遊
藻類)などの異常増殖により「赤潮」が発生し、養殖魚
や天然魚の大量へい死をもたらす、(3)河川や湖沼の水
底に有機物を含む汚泥が堆積すると硫化水素が発生し、
悪臭の原因となる、などが挙げられる。
【0003】従来、河川や湖沼の水質の汚染・汚濁の対
策として以下のような方法が知られている。 水質汚濁に起因して堆積した汚泥を取り除くために
水底を浚渫する方法 他の河川から浄化用水を導入する方法 河川沿いの調節池などに浄化施設を設けて河川の水
を引き込み、浄化した処理水を元の河川に戻す方法 河道内に礫などを敷き並べた礫間浄化施設を設けた
り、或いは礫などの濾層を有する礫間浄化施設を設けて
水質浄化を行う方法
策として以下のような方法が知られている。 水質汚濁に起因して堆積した汚泥を取り除くために
水底を浚渫する方法 他の河川から浄化用水を導入する方法 河川沿いの調節池などに浄化施設を設けて河川の水
を引き込み、浄化した処理水を元の河川に戻す方法 河道内に礫などを敷き並べた礫間浄化施設を設けた
り、或いは礫などの濾層を有する礫間浄化施設を設けて
水質浄化を行う方法
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来技
術のうち、,の方法は当該河川や湖沼の水質改善を
抜本的に図るものではなく、またの方法は浄化施設の
設置、運転、メンテナンス等に多大なコストがかかる問
題がある。また、の方法は不溶性物質(浮遊物質)の
除去にはそれなりの効果が得られ、また有機物もある程
度は除去できるものの、燐や窒素などの除去にはほとん
ど効果がない。また、このような礫間浄化施設はその設
置やメンテナンスにコストがかかる難点がある。このよ
うに従来では、河川や湖沼などの水域において有機物や
燐、窒素などを効率的且つ低コストに除去する技術は存
在せず、その開発が望まれていた。
術のうち、,の方法は当該河川や湖沼の水質改善を
抜本的に図るものではなく、またの方法は浄化施設の
設置、運転、メンテナンス等に多大なコストがかかる問
題がある。また、の方法は不溶性物質(浮遊物質)の
除去にはそれなりの効果が得られ、また有機物もある程
度は除去できるものの、燐や窒素などの除去にはほとん
ど効果がない。また、このような礫間浄化施設はその設
置やメンテナンスにコストがかかる難点がある。このよ
うに従来では、河川や湖沼などの水域において有機物や
燐、窒素などを効率的且つ低コストに除去する技術は存
在せず、その開発が望まれていた。
【0005】したがって本発明の目的は、河川や湖沼な
どにおいて水に含まれる有機物や燐、窒素などを効率的
且つ低コストに除去することができる水質浄化技術を提
供することにある。また、本発明の他の目的は、河川や
湖沼などの水質浄化を効率的且つ低コストに行えるだけ
でなく、水中成分の利材化を図るために水質浄化材によ
り水中成分を回収するための方法を提供することにあ
る。
どにおいて水に含まれる有機物や燐、窒素などを効率的
且つ低コストに除去することができる水質浄化技術を提
供することにある。また、本発明の他の目的は、河川や
湖沼などの水質浄化を効率的且つ低コストに行えるだけ
でなく、水中成分の利材化を図るために水質浄化材によ
り水中成分を回収するための方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の特徴は以下の通りである。 [1] 溶融処理又は高温加熱を経た粒状体の集合物を水中
に沈設し、少なくとも下記(a)及び/又は(b)の作用によ
り水中の燐及び/又は窒素分を粒状体に固定し、 (a) 粒状体に水中の燐及び/又は窒素分を吸着させる。 (b) 粒状体に着生した付着藻類及び/又は水生植物に水
中の燐及び/又は窒素分を吸収させる。 前記粒状体の集合物を水中に沈設して一定期間経過後、
該粒状体の集合物を燐及び/又は窒素分が富化された粒
状体の集合物として水中から回収することを特徴とする
水質浄化及び水中成分の回収方法。
るための本発明の特徴は以下の通りである。 [1] 溶融処理又は高温加熱を経た粒状体の集合物を水中
に沈設し、少なくとも下記(a)及び/又は(b)の作用によ
り水中の燐及び/又は窒素分を粒状体に固定し、 (a) 粒状体に水中の燐及び/又は窒素分を吸着させる。 (b) 粒状体に着生した付着藻類及び/又は水生植物に水
中の燐及び/又は窒素分を吸収させる。 前記粒状体の集合物を水中に沈設して一定期間経過後、
該粒状体の集合物を燐及び/又は窒素分が富化された粒
状体の集合物として水中から回収することを特徴とする
水質浄化及び水中成分の回収方法。
【0007】[2] 上記[1]の方法において、水中に沈設
された粒状体に付着した微生物(但し、粒状体に着生し
た付着藻類及び/又は水生植物に付着した微生物を含
む)により、水中の有機物質を分解除去することを特徴
とする水質浄化及び水中成分の回収方法。 [3] 上記[2]の方法において、水中に沈設された粒状体
の集合物にエアレーションを行うことにより、粒状体に
付着した微生物(但し、粒状体に着生した付着藻類及び
/又は水生植物に付着した微生物を含む)による有機物
質の分解を促進することを特徴とする水質浄化及び水中
成分の回収方法。
された粒状体に付着した微生物(但し、粒状体に着生し
た付着藻類及び/又は水生植物に付着した微生物を含
む)により、水中の有機物質を分解除去することを特徴
とする水質浄化及び水中成分の回収方法。 [3] 上記[2]の方法において、水中に沈設された粒状体
の集合物にエアレーションを行うことにより、粒状体に
付着した微生物(但し、粒状体に着生した付着藻類及び
/又は水生植物に付着した微生物を含む)による有機物
質の分解を促進することを特徴とする水質浄化及び水中
成分の回収方法。
【0008】[4] 上記[1]〜[3]のいずれかの方法におい
て、粒状体の集合物の一部又は全部が、高炉水砕スラ
グ、廃棄物溶融水砕スラグ、発泡体状の廃棄物溶融スラ
グの中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする
水質浄化及び水中成分の回収方法。 [5] 上記[4]の方法において、発泡体状の廃棄物溶融ス
ラグが、廃棄物溶融スラグを加熱処理することにより発
泡させたスラグであることを特徴とする水質浄化及び水
中成分の回収方法。
て、粒状体の集合物の一部又は全部が、高炉水砕スラ
グ、廃棄物溶融水砕スラグ、発泡体状の廃棄物溶融スラ
グの中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする
水質浄化及び水中成分の回収方法。 [5] 上記[4]の方法において、発泡体状の廃棄物溶融ス
ラグが、廃棄物溶融スラグを加熱処理することにより発
泡させたスラグであることを特徴とする水質浄化及び水
中成分の回収方法。
【0009】[6] 上記[4]の方法において、発泡体状の
廃棄物溶融スラグが、廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を
下記(1)〜(4)の工程により処理して得られたスラグであ
ることを特徴とする水質浄化及び水中成分の回収方法。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程
廃棄物溶融スラグが、廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を
下記(1)〜(4)の工程により処理して得られたスラグであ
ることを特徴とする水質浄化及び水中成分の回収方法。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程
【0010】[7] 上記[1]〜[6]のいずれかの方法におい
て、水中から回収された粒状体の集合物を、そのまま又
は加工した後に肥料、肥料用原料、植栽基盤材、植栽基
盤材用原料、植栽客土のうちの1つ以上として用いるこ
とを特徴とする水質浄化及び水中成分の回収方法。 [8] 上記[1]〜[6]のいずれかの方法において、水中から
回収された粒状体の集合物を燐及び/又は窒素分の濃度
が高い部分と燐及び/又は窒素分の濃度が低い部分とに
分離し、燐及び/又は窒素分の濃度が高い部分をそのま
ま又は加工した後に肥料、肥料用原料、植栽基盤材、植
栽基盤材用原料、植栽客土のうちの1つ以上として用い
ることを特徴とする水質浄化及び水中成分の回収方法。
て、水中から回収された粒状体の集合物を、そのまま又
は加工した後に肥料、肥料用原料、植栽基盤材、植栽基
盤材用原料、植栽客土のうちの1つ以上として用いるこ
とを特徴とする水質浄化及び水中成分の回収方法。 [8] 上記[1]〜[6]のいずれかの方法において、水中から
回収された粒状体の集合物を燐及び/又は窒素分の濃度
が高い部分と燐及び/又は窒素分の濃度が低い部分とに
分離し、燐及び/又は窒素分の濃度が高い部分をそのま
ま又は加工した後に肥料、肥料用原料、植栽基盤材、植
栽基盤材用原料、植栽客土のうちの1つ以上として用い
ることを特徴とする水質浄化及び水中成分の回収方法。
【0011】[9] 上記[1]〜[6]のいずれかの方法におい
て、水中から回収された粒状体の集合物を、付着した付
着藻類及び/又は水生植物を分離するための工程に付
し、該工程を経た粒状体の集合物を再度水質浄化すべき
水中に沈設するとともに、前記工程で粒状体の集合物か
ら分離された付着藻類及び/又は水生植物を含む分離物
を利材化することを特徴とする水質浄化及び水中成分の
回収方法。 [10] 上記[9]の方法において、付着藻類及び/又は水生
植物を含む分離物を、そのまま又は加工した後に肥料、
肥料用原料、植栽基盤材、植栽基盤材用原料、植栽客土
のうちの1つ以上として用いることを特徴とする水質浄
化及び水中成分の回収方法。
て、水中から回収された粒状体の集合物を、付着した付
着藻類及び/又は水生植物を分離するための工程に付
し、該工程を経た粒状体の集合物を再度水質浄化すべき
水中に沈設するとともに、前記工程で粒状体の集合物か
ら分離された付着藻類及び/又は水生植物を含む分離物
を利材化することを特徴とする水質浄化及び水中成分の
回収方法。 [10] 上記[9]の方法において、付着藻類及び/又は水生
植物を含む分離物を、そのまま又は加工した後に肥料、
肥料用原料、植栽基盤材、植栽基盤材用原料、植栽客土
のうちの1つ以上として用いることを特徴とする水質浄
化及び水中成分の回収方法。
【0012】[11] 溶融処理又は高温加熱を経た粒状体
の集合物であって、一定期間水中に沈設されることによ
り水中の燐及び/又は窒素分が固定されて燐及び/又は
窒素分が富化された粒状物の集合体からなることを特徴
とする燐及び/又は窒素分含有材料。 [12] 上記[11]の材料において、固定された燐及び/又
は窒素分が、少なくとも下記(A)及び/又は(B)の燐及び
/又は窒素分であることを特徴とする燐及び/又は窒素
分含有材料。 (A) 水中沈設時に粒状体に吸着された燐及び/又は窒素
分 (B) 水中沈設時に粒状体に着生した付着藻類及び/又は
水生植物に吸収された燐及び/又は窒素
の集合物であって、一定期間水中に沈設されることによ
り水中の燐及び/又は窒素分が固定されて燐及び/又は
窒素分が富化された粒状物の集合体からなることを特徴
とする燐及び/又は窒素分含有材料。 [12] 上記[11]の材料において、固定された燐及び/又
は窒素分が、少なくとも下記(A)及び/又は(B)の燐及び
/又は窒素分であることを特徴とする燐及び/又は窒素
分含有材料。 (A) 水中沈設時に粒状体に吸着された燐及び/又は窒素
分 (B) 水中沈設時に粒状体に着生した付着藻類及び/又は
水生植物に吸収された燐及び/又は窒素
【0013】[13] 上記[11]又は[12]の材料において、
粒状体の集合物の一部又は全部が、高炉水砕スラグ、廃
棄物溶融水砕スラグ、発泡体状の廃棄物溶融スラグの中
から選ばれる1種以上からなることを特徴とする燐及び
/又は窒素含有材料。 [14] 上記[13]の材料において、発泡体状の廃棄物溶融
スラグが、廃棄物溶融スラグを加熱処理することにより
発泡させたスラグであることを特徴とする燐及び/又は
窒素含有材料。
粒状体の集合物の一部又は全部が、高炉水砕スラグ、廃
棄物溶融水砕スラグ、発泡体状の廃棄物溶融スラグの中
から選ばれる1種以上からなることを特徴とする燐及び
/又は窒素含有材料。 [14] 上記[13]の材料において、発泡体状の廃棄物溶融
スラグが、廃棄物溶融スラグを加熱処理することにより
発泡させたスラグであることを特徴とする燐及び/又は
窒素含有材料。
【0014】[15] 上記[13]の材料において、発泡体状
の廃棄物溶融スラグが、廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰
を下記(1)〜(4)の工程により処理して得られたスラグで
あることを特徴とする燐及び/又は窒素含有材料。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程
の廃棄物溶融スラグが、廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰
を下記(1)〜(4)の工程により処理して得られたスラグで
あることを特徴とする燐及び/又は窒素含有材料。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程
【0015】[16] 一部又は全部が、上記[11]〜[15]の
いずれかの燐及び/又は窒素分含有材料又はこれを加工
して得られた材料からなることを特徴とする肥料又は土
壌材。 [17] 一部又は全部が、上記[11]〜[15]のいずれかの燐
及び/又は窒素分含有材料から分離された燐及び/又は
窒素分の濃度が高い部分又はこれを加工して得られた材
料からなることを特徴とする肥料又は土壌材。
いずれかの燐及び/又は窒素分含有材料又はこれを加工
して得られた材料からなることを特徴とする肥料又は土
壌材。 [17] 一部又は全部が、上記[11]〜[15]のいずれかの燐
及び/又は窒素分含有材料から分離された燐及び/又は
窒素分の濃度が高い部分又はこれを加工して得られた材
料からなることを特徴とする肥料又は土壌材。
【0016】[18] 一部又は全部が、付着藻類及び/又
は水生植物が付着した上記[11]〜[15]のいずれかの燐及
び/又は窒素分含有材料から分離した付着藻類及び/又
は水生植物を含む分離物又はこれを加工して得られた材
料からなることを特徴とする肥料又は土壌材。 [19] 廃棄物溶融スラグの集合物を水質浄化すべき水中
に沈設し、少なくとも下記(a)及び/又は(b)の作用によ
り水中の燐及び/又は窒素分を廃棄物溶融スラグに固定
することを特徴とする水質浄化方法。 (a) 廃棄物溶融スラグに水中の燐及び/又は窒素分を吸
着させる。 (b) 廃棄物溶融スラグに着生した付着藻類及び/又は水
生植物に水中の燐及び/又は窒素分を吸収させる。
は水生植物が付着した上記[11]〜[15]のいずれかの燐及
び/又は窒素分含有材料から分離した付着藻類及び/又
は水生植物を含む分離物又はこれを加工して得られた材
料からなることを特徴とする肥料又は土壌材。 [19] 廃棄物溶融スラグの集合物を水質浄化すべき水中
に沈設し、少なくとも下記(a)及び/又は(b)の作用によ
り水中の燐及び/又は窒素分を廃棄物溶融スラグに固定
することを特徴とする水質浄化方法。 (a) 廃棄物溶融スラグに水中の燐及び/又は窒素分を吸
着させる。 (b) 廃棄物溶融スラグに着生した付着藻類及び/又は水
生植物に水中の燐及び/又は窒素分を吸収させる。
【0017】[20] 上記[19]の水質浄化方法において、
水中に沈設された廃棄物溶融スラグに付着した微生物
(但し、スラグに着生した付着藻類及び/又は水生植物
に付着した微生物を含む)により、水中の有機物質を分
解除去することを特徴とする水質浄化方法。 [21] 上記[20]の水質浄化方法において、水中に沈設さ
れた廃棄物溶融スラグの集合物にエアレーションを行う
ことにより、廃棄物溶融スラグに付着した微生物(但
し、スラグに着生した付着藻類及び/又は水生植物に付
着した微生物を含む)による有機物質の分解を促進する
ことを特徴とする水質浄化方法。
水中に沈設された廃棄物溶融スラグに付着した微生物
(但し、スラグに着生した付着藻類及び/又は水生植物
に付着した微生物を含む)により、水中の有機物質を分
解除去することを特徴とする水質浄化方法。 [21] 上記[20]の水質浄化方法において、水中に沈設さ
れた廃棄物溶融スラグの集合物にエアレーションを行う
ことにより、廃棄物溶融スラグに付着した微生物(但
し、スラグに着生した付着藻類及び/又は水生植物に付
着した微生物を含む)による有機物質の分解を促進する
ことを特徴とする水質浄化方法。
【0018】[22] 上記[19]〜[21]のいずれかの水質浄
化方法において、廃棄物溶融スラグが、廃棄物溶融水砕
スラグ、発泡体状の廃棄物溶融スラグの中から選ばれる
1種以上からなることを特徴とする水質浄化方法。 [23] 上記[22]の水質浄化方法において、発泡体状の廃
棄物溶融スラグが、廃棄物溶融スラグを加熱処理するこ
とにより発泡させたスラグであることを特徴とする水質
浄化方法。
化方法において、廃棄物溶融スラグが、廃棄物溶融水砕
スラグ、発泡体状の廃棄物溶融スラグの中から選ばれる
1種以上からなることを特徴とする水質浄化方法。 [23] 上記[22]の水質浄化方法において、発泡体状の廃
棄物溶融スラグが、廃棄物溶融スラグを加熱処理するこ
とにより発泡させたスラグであることを特徴とする水質
浄化方法。
【0019】[24] 上記[22]の水質浄化方法において、
発泡体状の廃棄物溶融スラグが、廃棄物及び/又は廃棄
物焼却灰を下記(1)〜(4)の工程により処理して得られた
スラグであることを特徴とする水質浄化方法。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程
発泡体状の廃棄物溶融スラグが、廃棄物及び/又は廃棄
物焼却灰を下記(1)〜(4)の工程により処理して得られた
スラグであることを特徴とする水質浄化方法。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程
【0020】[25] 廃棄物溶融スラグからなることを特
徴とする水質浄化材。 [26] 上記[25]の水質浄化材において、廃棄物溶融スラ
グが、廃棄物溶融水砕スラグ、発泡体状の廃棄物溶融ス
ラグの中から選ばれる1種以上からなることを特徴とす
る水質浄化材。 [27] 上記[26]の水質浄化材において、発泡体状の廃棄
物溶融スラグが、廃棄物溶融スラグを加熱処理すること
により発泡させたスラグであることを特徴とする水質浄
化材。
徴とする水質浄化材。 [26] 上記[25]の水質浄化材において、廃棄物溶融スラ
グが、廃棄物溶融水砕スラグ、発泡体状の廃棄物溶融ス
ラグの中から選ばれる1種以上からなることを特徴とす
る水質浄化材。 [27] 上記[26]の水質浄化材において、発泡体状の廃棄
物溶融スラグが、廃棄物溶融スラグを加熱処理すること
により発泡させたスラグであることを特徴とする水質浄
化材。
【0021】[28] 上記[26]の水質浄化材において、発
泡体状の廃棄物溶融スラグが、廃棄物及び/又は廃棄物
焼却灰を下記(1)〜(4)の工程により処理して得られたス
ラグであることを特徴とする水質浄化材。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程
泡体状の廃棄物溶融スラグが、廃棄物及び/又は廃棄物
焼却灰を下記(1)〜(4)の工程により処理して得られたス
ラグであることを特徴とする水質浄化材。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程
【0022】
【発明の実施の形態】まず、本発明の水質浄化及び水中
成分の回収方法について説明する。本発明の水質浄化及
び水中成分の回収方法は、水質浄化材として特定の粒状
体の集合物を水質浄化すべき水中に沈設して、この粒状
体の集合物に水中の燐及び/又は窒素分を固定し、この
粒状体の集合物を水中に沈設して一定期間経過後、燐及
び/又は窒素分が富化された粒状体として水中から回収
することを特徴とする。
成分の回収方法について説明する。本発明の水質浄化及
び水中成分の回収方法は、水質浄化材として特定の粒状
体の集合物を水質浄化すべき水中に沈設して、この粒状
体の集合物に水中の燐及び/又は窒素分を固定し、この
粒状体の集合物を水中に沈設して一定期間経過後、燐及
び/又は窒素分が富化された粒状体として水中から回収
することを特徴とする。
【0023】ここで、本発明法が適用される水域(すな
わち、水質浄化すべき水域)に特別な制限はなく、した
がって河川、湖沼(ダム湖なども含む)、海のいずれで
もよい。但し、水中から回収した粒状体に塩素イオンの
混入がないという点で、本発明法は河川や湖沼などの淡
水系の水域の水質浄化に特に有用である。また、粒状体
の集合を水中に沈設する形態は、粒状体を直接水底に敷
設する形態、通水性のある袋や箱、或いは網かごなどの
ような通水性のある容器に入れて水底等に置くか或いは
水中に吊設する形態など、適宜な形態を採り得る。ま
た、水中に吊設する形態としては、粒状体を通水性のあ
る容器に入れて水上の浮体(例えば、筏等)から水中に
吊り下げる等の形態も含まれる。
わち、水質浄化すべき水域)に特別な制限はなく、した
がって河川、湖沼(ダム湖なども含む)、海のいずれで
もよい。但し、水中から回収した粒状体に塩素イオンの
混入がないという点で、本発明法は河川や湖沼などの淡
水系の水域の水質浄化に特に有用である。また、粒状体
の集合を水中に沈設する形態は、粒状体を直接水底に敷
設する形態、通水性のある袋や箱、或いは網かごなどの
ような通水性のある容器に入れて水底等に置くか或いは
水中に吊設する形態など、適宜な形態を採り得る。ま
た、水中に吊設する形態としては、粒状体を通水性のあ
る容器に入れて水上の浮体(例えば、筏等)から水中に
吊り下げる等の形態も含まれる。
【0024】本発明法において水質浄化材として用いる
のは、溶融処理又は高温加熱を経た粒状体の集合物であ
る。このように溶融処理又は高温加熱(勿論、これらの
溶融処理又は高温加熱は人為的なものである)を経た粒
状体の集合物を用いるのは、溶融処理又は高温加熱を経
た粒状体は有機物質を含まないからである。すなわち、
天然石を含めて溶融処理又は高温加熱を経ていない粒状
体は、多少の程度はあるにせよ有機物質を含んでおり、
このような有機物質を含んだ粒状体を水中に沈設した場
合、その有機物質が水中に溶け出して水質の汚染・汚濁
源となる。
のは、溶融処理又は高温加熱を経た粒状体の集合物であ
る。このように溶融処理又は高温加熱(勿論、これらの
溶融処理又は高温加熱は人為的なものである)を経た粒
状体の集合物を用いるのは、溶融処理又は高温加熱を経
た粒状体は有機物質を含まないからである。すなわち、
天然石を含めて溶融処理又は高温加熱を経ていない粒状
体は、多少の程度はあるにせよ有機物質を含んでおり、
このような有機物質を含んだ粒状体を水中に沈設した場
合、その有機物質が水中に溶け出して水質の汚染・汚濁
源となる。
【0025】溶融処理又は高温加熱を経た粒状体に特別
な制約はなく、鉄鋼製造プロセスで生じたスラグ、廃棄
物溶融スラグなどを使用できるが、使用される粒状体は
水中に沈設した際に水のpHを上昇させないものが好ま
しく、この観点からはフリーライムの含有量が少ない高
炉水砕スラグ、廃棄物溶融スラグが好ましい。
な制約はなく、鉄鋼製造プロセスで生じたスラグ、廃棄
物溶融スラグなどを使用できるが、使用される粒状体は
水中に沈設した際に水のpHを上昇させないものが好ま
しく、この観点からはフリーライムの含有量が少ない高
炉水砕スラグ、廃棄物溶融スラグが好ましい。
【0026】ここで廃棄物溶融スラグとは、都市ゴミや
下水汚泥などの廃棄物やそれらの焼却灰、或いは石炭灰
などを溶融させてスラグとしたものである。このうち都
市ゴミなどの廃棄物を直接溶融させて得られるスラグ
は、例えば、下部にスラグの取り出し口を有する縦型溶
融炉(高温ガス化溶融炉)を用い、都市ゴミや下水汚泥
などの廃棄物を熱源及び還元剤であるコークスや塩基度
調整剤(一般にはCaO)などとともに炉上部から炉内
に装入し、高温還元雰囲気の炉内で廃棄物を溶融及びガ
ス化してスラグを生成させ、これを炉下部から取り出す
ことにより得られる。なお、このような方法では都市ゴ
ミなどの廃棄物とともに、その焼却灰や石炭灰などを同
時に処理してスラグ化することもできる。また、廃棄物
の焼却灰や廃棄物の1種である石炭灰を溶融させて得ら
れるスラグは、都市ゴミや下水汚泥などの廃棄物を焼却
炉などで焼却処理して生じた焼却灰、或いは石炭灰など
を、例えばカーボン電極などを備えた灰溶融炉に装入し
て溶融させることにより得られる。
下水汚泥などの廃棄物やそれらの焼却灰、或いは石炭灰
などを溶融させてスラグとしたものである。このうち都
市ゴミなどの廃棄物を直接溶融させて得られるスラグ
は、例えば、下部にスラグの取り出し口を有する縦型溶
融炉(高温ガス化溶融炉)を用い、都市ゴミや下水汚泥
などの廃棄物を熱源及び還元剤であるコークスや塩基度
調整剤(一般にはCaO)などとともに炉上部から炉内
に装入し、高温還元雰囲気の炉内で廃棄物を溶融及びガ
ス化してスラグを生成させ、これを炉下部から取り出す
ことにより得られる。なお、このような方法では都市ゴ
ミなどの廃棄物とともに、その焼却灰や石炭灰などを同
時に処理してスラグ化することもできる。また、廃棄物
の焼却灰や廃棄物の1種である石炭灰を溶融させて得ら
れるスラグは、都市ゴミや下水汚泥などの廃棄物を焼却
炉などで焼却処理して生じた焼却灰、或いは石炭灰など
を、例えばカーボン電極などを備えた灰溶融炉に装入し
て溶融させることにより得られる。
【0027】本発明では上記粒状体の集合物を水中に沈
設し、少なくとも下記(a)及び/又は(b)の作用により水
中の燐及び/又は窒素分を粒状体に固定する。 (a) 粒状体に水中の燐及び/又は窒素分を吸着させる。 (b) 粒状体に着生した付着藻類及び/又は水生植物に水
中の燐及び/又は窒素分を吸収させる。 ここで、上記(a)の作用は、電荷を帯びた粒状体表面に
イオン化した燐及び/又は窒素が吸着されることによっ
て、これらが粒状体に固定される。
設し、少なくとも下記(a)及び/又は(b)の作用により水
中の燐及び/又は窒素分を粒状体に固定する。 (a) 粒状体に水中の燐及び/又は窒素分を吸着させる。 (b) 粒状体に着生した付着藻類及び/又は水生植物に水
中の燐及び/又は窒素分を吸収させる。 ここで、上記(a)の作用は、電荷を帯びた粒状体表面に
イオン化した燐及び/又は窒素が吸着されることによっ
て、これらが粒状体に固定される。
【0028】また、上記(b)の作用は、粒状体に着生し
た付着藻類や水生植物が水中の燐や窒素を栄養分として
吸収することにより水質浄化がなされる作用であり、一
般に付着藻類としては珪藻類、紅藻類、緑藻類などがあ
り、また水生植物としては淡水系にあっては沈水性植物
や抽水性植物、海水系にあっては海藻類などがある。な
お、この(b)の作用を効果的に得るには、粒状体の集合
物は太陽光が届く水深位置に沈設することが好ましい。
た付着藻類や水生植物が水中の燐や窒素を栄養分として
吸収することにより水質浄化がなされる作用であり、一
般に付着藻類としては珪藻類、紅藻類、緑藻類などがあ
り、また水生植物としては淡水系にあっては沈水性植物
や抽水性植物、海水系にあっては海藻類などがある。な
お、この(b)の作用を効果的に得るには、粒状体の集合
物は太陽光が届く水深位置に沈設することが好ましい。
【0029】このような(a)、(b)の作用は、粒状体とし
て高炉水砕スラグ、廃棄物溶融水砕スラグ、発泡体化し
た廃棄物溶融スラグの中から選ばれる1種以上を用いた
場合に特に効果的に得られる。これらの粒状体は多孔質
組織であるという共通の特徴を有しており、この多孔質
組織であるが故に以下に述べるような水質浄化材として
の優れた機能を有している。
て高炉水砕スラグ、廃棄物溶融水砕スラグ、発泡体化し
た廃棄物溶融スラグの中から選ばれる1種以上を用いた
場合に特に効果的に得られる。これらの粒状体は多孔質
組織であるという共通の特徴を有しており、この多孔質
組織であるが故に以下に述べるような水質浄化材として
の優れた機能を有している。
【0030】高炉水砕スラグはガラス質材料であるが、
高温の溶融状態にある高炉スラグ(溶融スラグ)を噴流
水で急冷して得られるものであるため、その形態や組織
において他のガラス質材料には無い以下のような特質が
ある。すなわち、一般のガラス質材料は組織が緻密であ
るのに対し、高炉水砕スラグの場合には、溶融状態にあ
るスラグを噴流水で急冷する過程でスラグ中に溶け込ん
でいる窒素や水分などによってスラグが発泡するため、
得られるスラグ粒子は無数の内部気孔を有する多孔質組
織のガラス質材料となり、しかも相当に細かい粒子(通
常、D50が1.0〜2.0mm程度の粒度)となる。
また、同様の理由から高炉水砕スラグの粒子は角張った
形状(表面に多数の尖った部分を有する形状)を有して
いる。したがって、このような形態及び組織面での特質
から、高炉水砕スラグは一般のガラス質材料の粒状体に
較べて水中での燐や窒素を吸着する能力が高く、上記
(a)の作用が得られやすい。
高温の溶融状態にある高炉スラグ(溶融スラグ)を噴流
水で急冷して得られるものであるため、その形態や組織
において他のガラス質材料には無い以下のような特質が
ある。すなわち、一般のガラス質材料は組織が緻密であ
るのに対し、高炉水砕スラグの場合には、溶融状態にあ
るスラグを噴流水で急冷する過程でスラグ中に溶け込ん
でいる窒素や水分などによってスラグが発泡するため、
得られるスラグ粒子は無数の内部気孔を有する多孔質組
織のガラス質材料となり、しかも相当に細かい粒子(通
常、D50が1.0〜2.0mm程度の粒度)となる。
また、同様の理由から高炉水砕スラグの粒子は角張った
形状(表面に多数の尖った部分を有する形状)を有して
いる。したがって、このような形態及び組織面での特質
から、高炉水砕スラグは一般のガラス質材料の粒状体に
較べて水中での燐や窒素を吸着する能力が高く、上記
(a)の作用が得られやすい。
【0031】また、高炉水砕スラグの上記のような形態
上の特徴(粒子表面に尖った部分が多数存在する形態)
から、高炉水砕スラグの集合物は一般のガラス質材料か
らなる粒状体の集合物に較べて充填間隙が大きく、通水
性に優れている。このためスラグ粒子間の間隙の水が入
れ替りやすく、この面でも水中の燐や窒素を効果的に吸
着することができる。
上の特徴(粒子表面に尖った部分が多数存在する形態)
から、高炉水砕スラグの集合物は一般のガラス質材料か
らなる粒状体の集合物に較べて充填間隙が大きく、通水
性に優れている。このためスラグ粒子間の間隙の水が入
れ替りやすく、この面でも水中の燐や窒素を効果的に吸
着することができる。
【0032】また、高炉水砕スラグはSiO2成分を多
量(一般に、SiO2:30mass%以上)に含み、且つ
上記のような形態及び組織面での特質を有するため、以
下に述べるような機構によって水中にケイ酸塩イオンを
安定的に溶出し、このケイ酸塩イオンがスラグ粒子表面
での付着藻類の着生、繁殖に大きく寄与する。すなわ
ち、水中に置かれた高炉水砕スラグは、水分子によるケ
イ酸塩網目構造の切断により徐々にケイ酸塩イオンが水
中に溶解する作用に加えて、スラグから溶解したCaイ
オンによるケイ酸塩網目構造の分断によりケイ酸塩イオ
ンが水中に溶解する作用が得られ、したがって、このよ
うな高炉水砕スラグのケイ酸塩イオンの溶出機構は、水
分子によるケイ酸塩イオンの溶出作用と、Caイオンの
アタックによるケイ酸塩イオンの溶出作用とが組み合わ
されたものとなり、他のガラス質材料よりもはるかにケ
イ酸塩が溶出しやすい。加えて、高炉水砕スラグ上記の
ような形態及び組織面での特質を有するため、この面で
もケイ酸塩の溶出性が高く、しかも高炉水砕スラグ粒子
表面に多数存在する尖った部分は微細な形態であるた
め、微細な粉体が成分の溶解性が高いのと同様に、ケイ
酸塩の溶解に非常に適している。したがって、高炉水砕
スラグを水中に沈設した場合、スラグ粒子から付着藻類
の成育に有効なケイ酸塩が多量に溶出する結果、スラグ
粒子やその集合物の表面に付着藻類が着生、繁殖しやす
く、このため上記(b)の作用も得られやすい。また、高
炉水砕スラグは、上記のように多孔質組織を有している
ため表面に付着藻類や水生植物が着生しやすく、この面
でも上記(b)の作用が得られやすい。
量(一般に、SiO2:30mass%以上)に含み、且つ
上記のような形態及び組織面での特質を有するため、以
下に述べるような機構によって水中にケイ酸塩イオンを
安定的に溶出し、このケイ酸塩イオンがスラグ粒子表面
での付着藻類の着生、繁殖に大きく寄与する。すなわ
ち、水中に置かれた高炉水砕スラグは、水分子によるケ
イ酸塩網目構造の切断により徐々にケイ酸塩イオンが水
中に溶解する作用に加えて、スラグから溶解したCaイ
オンによるケイ酸塩網目構造の分断によりケイ酸塩イオ
ンが水中に溶解する作用が得られ、したがって、このよ
うな高炉水砕スラグのケイ酸塩イオンの溶出機構は、水
分子によるケイ酸塩イオンの溶出作用と、Caイオンの
アタックによるケイ酸塩イオンの溶出作用とが組み合わ
されたものとなり、他のガラス質材料よりもはるかにケ
イ酸塩が溶出しやすい。加えて、高炉水砕スラグ上記の
ような形態及び組織面での特質を有するため、この面で
もケイ酸塩の溶出性が高く、しかも高炉水砕スラグ粒子
表面に多数存在する尖った部分は微細な形態であるた
め、微細な粉体が成分の溶解性が高いのと同様に、ケイ
酸塩の溶解に非常に適している。したがって、高炉水砕
スラグを水中に沈設した場合、スラグ粒子から付着藻類
の成育に有効なケイ酸塩が多量に溶出する結果、スラグ
粒子やその集合物の表面に付着藻類が着生、繁殖しやす
く、このため上記(b)の作用も得られやすい。また、高
炉水砕スラグは、上記のように多孔質組織を有している
ため表面に付着藻類や水生植物が着生しやすく、この面
でも上記(b)の作用が得られやすい。
【0033】次に、廃棄物溶融水砕スラグと発泡体状の
廃棄物溶融スラグについて説明する。廃棄物溶融スラグ
(都市ゴミなどの廃棄物から直接得られる溶融スラグ及
び廃棄物の焼却灰や石炭灰から得られる溶融スラグ)
は、炉から溶融状態で取り出された後、冷却され固形状
スラグとなるが、その際の代表的な冷却方式としては空
冷又は徐冷方式、冷却ロールなどを用いた間接冷却方
式、溶融状態にあるスラグに噴流水をかけて急冷する水
砕方式がある。このうち水砕方式により得られるスラグ
が上記廃棄物溶融水砕スラグであり、また、一般に空冷
又は徐冷方式や間接冷却方式などのような水砕方式以外
の方式で冷却されたスラグを発泡処理したものが上記発
泡体状の廃棄物溶融スラグである。
廃棄物溶融スラグについて説明する。廃棄物溶融スラグ
(都市ゴミなどの廃棄物から直接得られる溶融スラグ及
び廃棄物の焼却灰や石炭灰から得られる溶融スラグ)
は、炉から溶融状態で取り出された後、冷却され固形状
スラグとなるが、その際の代表的な冷却方式としては空
冷又は徐冷方式、冷却ロールなどを用いた間接冷却方
式、溶融状態にあるスラグに噴流水をかけて急冷する水
砕方式がある。このうち水砕方式により得られるスラグ
が上記廃棄物溶融水砕スラグであり、また、一般に空冷
又は徐冷方式や間接冷却方式などのような水砕方式以外
の方式で冷却されたスラグを発泡処理したものが上記発
泡体状の廃棄物溶融スラグである。
【0034】上記廃棄物溶融水砕スラグは、廃棄物やそ
の焼却灰、石炭灰などを高温還元雰囲気(例えば、CO
−CO2雰囲気)中で加熱・溶融させることにより溶融
スラグ中にガスが溶解し、これを水で急冷した際の酸化
反応によってスラグ中に溶解しているガスが気泡化する
ことによりスラグが発泡し、この結果、高炉水砕スラグ
と同様の多孔質組織となる。このため高炉水砕スラグと
同様に水中での燐や窒素と吸着する能力が高く、また表
面に付着藻類や水生植物が着生しやすいため、上記(a)
及び(b)の作用が得られやすい。
の焼却灰、石炭灰などを高温還元雰囲気(例えば、CO
−CO2雰囲気)中で加熱・溶融させることにより溶融
スラグ中にガスが溶解し、これを水で急冷した際の酸化
反応によってスラグ中に溶解しているガスが気泡化する
ことによりスラグが発泡し、この結果、高炉水砕スラグ
と同様の多孔質組織となる。このため高炉水砕スラグと
同様に水中での燐や窒素と吸着する能力が高く、また表
面に付着藻類や水生植物が着生しやすいため、上記(a)
及び(b)の作用が得られやすい。
【0035】一方、発泡体状の廃棄物溶融スラグは、以
上述べた高炉水砕スラグや廃棄物溶融水砕スラグに較べ
て、より多孔質な組織を有し、比表面積も大きいため、
水質浄化材として最も優れた機能を有している。先に述
べたように、一般に発泡体状の廃棄物溶融スラグは、空
冷又は徐冷方式や間接冷却方式などによる冷却がなされ
た廃棄物溶融スラグを900〜1200℃程度で加熱処
理して発泡させることにより得られる。なお、この加熱
処理される廃棄物溶融スラグは、廃棄物を直接溶融させ
て得られたスラグ、廃棄物の焼却灰や石炭灰などを溶融
させて得られたスラグのいずれでもよい。廃棄物やその
焼却灰、石炭灰などを溶融させて得られた廃棄物溶融ス
ラグは黒色の光沢のあるガラス質であり、通常SiO2
を40〜50mass%程度含み、CaO/SiO2が0.
3〜0.5程度の組成を有する。この廃棄物溶融スラグ
には溶融時(特に、非酸化性又は還元性雰囲気下での溶
融時)にN2などの微量なガス成分が溶解しており、こ
のためスラグを加熱処理するとガラスから結晶が析出
し、溶解していたガスがスラグから放出され、このガス
の放出が駆動源となって発泡体状のスラグ粒子が生成す
る。この発泡体状のスラグ粒子は、製造条件の違いによ
り中空状又は擬似中空状の発泡体となる場合と非中空状
の発泡体(例えば、軽石状の発泡体)となる場合がある
が、いずれのものでもよい。なお、この発泡体状の廃棄
物溶融スラグの好ましい製造条件については後に詳述す
る。
上述べた高炉水砕スラグや廃棄物溶融水砕スラグに較べ
て、より多孔質な組織を有し、比表面積も大きいため、
水質浄化材として最も優れた機能を有している。先に述
べたように、一般に発泡体状の廃棄物溶融スラグは、空
冷又は徐冷方式や間接冷却方式などによる冷却がなされ
た廃棄物溶融スラグを900〜1200℃程度で加熱処
理して発泡させることにより得られる。なお、この加熱
処理される廃棄物溶融スラグは、廃棄物を直接溶融させ
て得られたスラグ、廃棄物の焼却灰や石炭灰などを溶融
させて得られたスラグのいずれでもよい。廃棄物やその
焼却灰、石炭灰などを溶融させて得られた廃棄物溶融ス
ラグは黒色の光沢のあるガラス質であり、通常SiO2
を40〜50mass%程度含み、CaO/SiO2が0.
3〜0.5程度の組成を有する。この廃棄物溶融スラグ
には溶融時(特に、非酸化性又は還元性雰囲気下での溶
融時)にN2などの微量なガス成分が溶解しており、こ
のためスラグを加熱処理するとガラスから結晶が析出
し、溶解していたガスがスラグから放出され、このガス
の放出が駆動源となって発泡体状のスラグ粒子が生成す
る。この発泡体状のスラグ粒子は、製造条件の違いによ
り中空状又は擬似中空状の発泡体となる場合と非中空状
の発泡体(例えば、軽石状の発泡体)となる場合がある
が、いずれのものでもよい。なお、この発泡体状の廃棄
物溶融スラグの好ましい製造条件については後に詳述す
る。
【0036】この発泡体状の廃棄物溶融スラグの組織
は、高炉水砕スラグや廃棄物溶融水砕スラグに較べてさ
らに多孔質の度合いが高く且つ表面に微細な凹凸を有し
ているため比表面積も大きく、このため高炉水砕スラグ
や廃棄物溶融水砕スラグに較べて水中での燐や窒素を吸
着する能力が高く、上記(a)の作用が得られやすい。ま
た、中空状又は擬似中空状の発泡体の場合には比表面積
が特に大きいため、燐や窒素を吸着する能力がより高
い。
は、高炉水砕スラグや廃棄物溶融水砕スラグに較べてさ
らに多孔質の度合いが高く且つ表面に微細な凹凸を有し
ているため比表面積も大きく、このため高炉水砕スラグ
や廃棄物溶融水砕スラグに較べて水中での燐や窒素を吸
着する能力が高く、上記(a)の作用が得られやすい。ま
た、中空状又は擬似中空状の発泡体の場合には比表面積
が特に大きいため、燐や窒素を吸着する能力がより高
い。
【0037】また、この発泡体状の廃棄物溶融スラグの
組織は、上記のように廃棄物溶融水砕スラグなどに較べ
て多孔質の度合いが高く、しかも表面に微細な凹凸を有
しているため、スラグ粒子表面に付着藻類や水生植物が
着生しやすく、このため上記(b)の作用も得られやす
い。なお、上記(a)の作用(化学的吸着作用)は、比較
的短時間で燐や窒素の低減効果を示すが効果ものの効果
の持続性が小さいのに対し、上記(b)の作用は初期的な
低減効果は小さいものの長時間に亘る効果の持続性があ
り、したがって、特にこの(b)の作用が得られやすい高
炉水砕スラグ、廃棄物溶融水砕スラグ及び発泡体状の廃
棄物溶融スラグは水質浄化材としての機能性が高いと言
える。
組織は、上記のように廃棄物溶融水砕スラグなどに較べ
て多孔質の度合いが高く、しかも表面に微細な凹凸を有
しているため、スラグ粒子表面に付着藻類や水生植物が
着生しやすく、このため上記(b)の作用も得られやす
い。なお、上記(a)の作用(化学的吸着作用)は、比較
的短時間で燐や窒素の低減効果を示すが効果ものの効果
の持続性が小さいのに対し、上記(b)の作用は初期的な
低減効果は小さいものの長時間に亘る効果の持続性があ
り、したがって、特にこの(b)の作用が得られやすい高
炉水砕スラグ、廃棄物溶融水砕スラグ及び発泡体状の廃
棄物溶融スラグは水質浄化材としての機能性が高いと言
える。
【0038】また、上記の(a)及び/又は(b)の作用に加
えて、水中に沈設された粒状体は微生物の担体としても
機能し、この粒状体に付着した微生物(但し、粒状体に
着生した付着藻類や水生植物に付着した微生物を含む)
により水中の有機物質を分解除去する作用、すなわち粒
状体に付着した好気性細菌が水中の有機物質を分解除去
する作用が得られる。
えて、水中に沈設された粒状体は微生物の担体としても
機能し、この粒状体に付着した微生物(但し、粒状体に
着生した付着藻類や水生植物に付着した微生物を含む)
により水中の有機物質を分解除去する作用、すなわち粒
状体に付着した好気性細菌が水中の有機物質を分解除去
する作用が得られる。
【0039】また、このような作用をより効果的に得る
ためには、水中に沈設された粒状体の集合物にエアレー
ション(曝気)を行うことが好ましく、これにより粒状
体に付着した微生物の活動が活性化され、微生物による
有機物質の分解を促進することができる。また、粒状物
が高炉水砕スラグ、廃棄物溶融水砕スラグ、発泡体状の
廃棄物溶融スラグの場合、とりわけ中空状又は擬似中空
状の廃棄物溶融スラグの場合には比重がかなり小さい
(同溶融スラグの比重は1程度)ため、エアレーション
に要する動力も小さくて済む利点がある。このエアレー
ションの方法としては、例えば、沈設された粒状体を
その周囲の水とともに空気中に散布する方法、沈設さ
れた粒状体の周囲の水を空気中に散布する方法、水中
又は水底に設置された供給管を通じて水中に空気を送り
込む方法、水を機械的に撹拌し、水面から空気を吸収
する方法、などがある。
ためには、水中に沈設された粒状体の集合物にエアレー
ション(曝気)を行うことが好ましく、これにより粒状
体に付着した微生物の活動が活性化され、微生物による
有機物質の分解を促進することができる。また、粒状物
が高炉水砕スラグ、廃棄物溶融水砕スラグ、発泡体状の
廃棄物溶融スラグの場合、とりわけ中空状又は擬似中空
状の廃棄物溶融スラグの場合には比重がかなり小さい
(同溶融スラグの比重は1程度)ため、エアレーション
に要する動力も小さくて済む利点がある。このエアレー
ションの方法としては、例えば、沈設された粒状体を
その周囲の水とともに空気中に散布する方法、沈設さ
れた粒状体の周囲の水を空気中に散布する方法、水中
又は水底に設置された供給管を通じて水中に空気を送り
込む方法、水を機械的に撹拌し、水面から空気を吸収
する方法、などがある。
【0040】前記粒状体の集合物を水中に沈設して一定
期間経過後、これを水中から回収する。粒状物を水中に
沈設しておく期間に特に制限はないが、通常、数ヶ月か
ら1年程度で上記(a),(b)の作用が十分に進行するた
め、その程度の期間経過後に回収することが好ましい。
回収された粒状体(及びこれに着生した付着藻類や水生
植物など)には上記(a)及び(b)の作用によって燐や窒素
分が富化されており、このような燐や窒素分が富化され
た粒状体の集合物を種々の材料として利材化することが
できる。例えば、水中から回収された粒状体の集合物
は、そのまま又は加工した後に肥料、肥料用原料、植栽
基盤材、植栽基盤材用原料、植栽客土のうちの1つ以上
として用いることができる。すなわち、肥料用として
は、燐酸質肥料、窒素肥料、混合肥料などとしてそのま
ま或いはそれらの肥料用原料として利材化することがで
き、また、燐や窒素分が豊富な植栽基盤材、植栽基盤材
用原料、植栽客土としても利材化することができる。或
いは、水中から回収された粒状体の集合物を燐及び/又
は窒素分の濃度が高い部分と燐及び/又は窒素分の濃度
が低い部分とに分離し、燐及び/又は窒素分の濃度が高
い部分をそのまま又は加工した後に、上記と同様に肥
料、肥料用原料、植栽基盤材、植栽基盤材用原料、植栽
客土のうちの1つ以上として用いることもできる。
期間経過後、これを水中から回収する。粒状物を水中に
沈設しておく期間に特に制限はないが、通常、数ヶ月か
ら1年程度で上記(a),(b)の作用が十分に進行するた
め、その程度の期間経過後に回収することが好ましい。
回収された粒状体(及びこれに着生した付着藻類や水生
植物など)には上記(a)及び(b)の作用によって燐や窒素
分が富化されており、このような燐や窒素分が富化され
た粒状体の集合物を種々の材料として利材化することが
できる。例えば、水中から回収された粒状体の集合物
は、そのまま又は加工した後に肥料、肥料用原料、植栽
基盤材、植栽基盤材用原料、植栽客土のうちの1つ以上
として用いることができる。すなわち、肥料用として
は、燐酸質肥料、窒素肥料、混合肥料などとしてそのま
ま或いはそれらの肥料用原料として利材化することがで
き、また、燐や窒素分が豊富な植栽基盤材、植栽基盤材
用原料、植栽客土としても利材化することができる。或
いは、水中から回収された粒状体の集合物を燐及び/又
は窒素分の濃度が高い部分と燐及び/又は窒素分の濃度
が低い部分とに分離し、燐及び/又は窒素分の濃度が高
い部分をそのまま又は加工した後に、上記と同様に肥
料、肥料用原料、植栽基盤材、植栽基盤材用原料、植栽
客土のうちの1つ以上として用いることもできる。
【0041】また、本発明法では、粒状体の集合物を水
中の燐及び/又は窒素分を回収するために循環使用する
キャリアーとして位置付け、水中から回収された粒状体
の集合物から付着藻類及び/又は水生植物を分離した
後、再びその粒状体の集合物を水質浄化材として水中に
沈設するような形態を採ることができる。すなわちこの
場合には、水中から回収された粒状体の集合物を、付着
した付着藻類及び/又は水生植物を分離するための工程
に付し、この工程を経た粒状体の集合物を再度水質浄化
すべき水中に沈設するとともに、この分離工程で粒状体
の集合物から分離された付着藻類及び/又は水生植物を
含む分離物を、例えば上記と同様に、そのまま又は加工
した後に肥料、肥料用原料、植栽基盤材、植栽基盤材用
原料、植栽客土のうちの1つ以上として用いる。なお、
上記分離工程では、例えば撹拌もみ洗い、逆洗浄や超音
波洗浄などの方法により粒状体の集合物から付着藻類及
び/又は水生植物を分離する。通常、この分離物には不
可避的に粒状体の一部が含まれることになるが、上記の
用途に利材化する上では何ら問題はない。
中の燐及び/又は窒素分を回収するために循環使用する
キャリアーとして位置付け、水中から回収された粒状体
の集合物から付着藻類及び/又は水生植物を分離した
後、再びその粒状体の集合物を水質浄化材として水中に
沈設するような形態を採ることができる。すなわちこの
場合には、水中から回収された粒状体の集合物を、付着
した付着藻類及び/又は水生植物を分離するための工程
に付し、この工程を経た粒状体の集合物を再度水質浄化
すべき水中に沈設するとともに、この分離工程で粒状体
の集合物から分離された付着藻類及び/又は水生植物を
含む分離物を、例えば上記と同様に、そのまま又は加工
した後に肥料、肥料用原料、植栽基盤材、植栽基盤材用
原料、植栽客土のうちの1つ以上として用いる。なお、
上記分離工程では、例えば撹拌もみ洗い、逆洗浄や超音
波洗浄などの方法により粒状体の集合物から付着藻類及
び/又は水生植物を分離する。通常、この分離物には不
可避的に粒状体の一部が含まれることになるが、上記の
用途に利材化する上では何ら問題はない。
【0042】本発明法は、例えば以下のような具体的な
形態で実施することができる。なお、下記(1)〜(5)の各
実施形態の説明では「溶融処理又は高温加熱を経た粒状
体の集合体」を単に“粒状体”という。 (1) 池方式 粒状体を敷き詰めた水質浄化用池に河川水を導き、この
水質浄化用池に一定期間滞留させることにより河川水に
含まれる有機物、燐、窒素等を除去する。この水質浄化
用池の水深は太陽光が届く30cm前後に保つ。平水時
流量1m3/sec程度の汚濁した中小河川の場合、1
0〜30万m2程度の広さの水質浄化用池を設ければ、
水棲生物が生育できる水質環境を確保できる。
形態で実施することができる。なお、下記(1)〜(5)の各
実施形態の説明では「溶融処理又は高温加熱を経た粒状
体の集合体」を単に“粒状体”という。 (1) 池方式 粒状体を敷き詰めた水質浄化用池に河川水を導き、この
水質浄化用池に一定期間滞留させることにより河川水に
含まれる有機物、燐、窒素等を除去する。この水質浄化
用池の水深は太陽光が届く30cm前後に保つ。平水時
流量1m3/sec程度の汚濁した中小河川の場合、1
0〜30万m2程度の広さの水質浄化用池を設ければ、
水棲生物が生育できる水質環境を確保できる。
【0043】水質浄化用池に敷き詰めた粒状体は次第に
処理能力が低下するため、適当な期間毎に取り替えが必
要となる。このため粒状物を通水性のある袋や箱、網か
ご等にパッケージすれば、ハンドリング性が良好とな
る。また、水質浄化用池には併せてクレソン等の水耕植
物を生育させれば、燐、窒素の系外への取り出しがより
効果的となる。また、噴水や遊歩道を設け、水質浄化用
池及びその周辺を親水公園として利用することにより、
水質浄化とともに住環境の保全にも役立つ。水質浄化用
池から回収された使用済の粒状体は、攪拌もみ洗い装置
又は超音波洗浄装置等を備えた回収プラントにより藻類
等の植物成分と無機成分に分別され、無機成分は再度河
川浄化材として再利用したり、覆砂材や土壌材、土木資
材に利用する。植物成分は堆肥や土壌材として利用す
る。
処理能力が低下するため、適当な期間毎に取り替えが必
要となる。このため粒状物を通水性のある袋や箱、網か
ご等にパッケージすれば、ハンドリング性が良好とな
る。また、水質浄化用池には併せてクレソン等の水耕植
物を生育させれば、燐、窒素の系外への取り出しがより
効果的となる。また、噴水や遊歩道を設け、水質浄化用
池及びその周辺を親水公園として利用することにより、
水質浄化とともに住環境の保全にも役立つ。水質浄化用
池から回収された使用済の粒状体は、攪拌もみ洗い装置
又は超音波洗浄装置等を備えた回収プラントにより藻類
等の植物成分と無機成分に分別され、無機成分は再度河
川浄化材として再利用したり、覆砂材や土壌材、土木資
材に利用する。植物成分は堆肥や土壌材として利用す
る。
【0044】(2) 水路方式
粒状体を敷き詰めた水路に河川水を導き、この水路に一
定期間滞留させることにより河川水に含まれる有機物、
燐、窒素等を除去する。この水路の水深は太陽光が届く
30cm前後に保つ。通常の汚濁した河川水の場合、水
路での河川水の滞留時間が3日程度で水棲生物が生育で
きる水質環境を確保できる。水路には自然曝気のため堰
を形成しておく。
定期間滞留させることにより河川水に含まれる有機物、
燐、窒素等を除去する。この水路の水深は太陽光が届く
30cm前後に保つ。通常の汚濁した河川水の場合、水
路での河川水の滞留時間が3日程度で水棲生物が生育で
きる水質環境を確保できる。水路には自然曝気のため堰
を形成しておく。
【0045】水路に敷き詰めた粒状体は次第に処理能力
が低下するため、適当な期間毎に取り替えが必要とな
る。このため粒状物を通水性のある袋や箱、網かご等に
パッケージすれば、ハンドリング性が良好となる。ま
た、水路の岸辺等には併せてクレソン等の水耕植物を生
育させれば、燐、窒素の系外への取り出しがより効果的
となる。水路は用地の確保が簡単な河川内もしくは河川
敷きに設置するのが望ましい。水路から回収された使用
済の粒状体は、攪拌もみ洗い装置又は超音波洗浄装置等
を備えた回収プラントにより藻類等の植物成分と無機成
分に分別され、無機成分は再度河川浄化材として再利用
したり、覆砂材や土壌材、土木資材に利用する。植物成
分は堆肥や土壌材として利用する。
が低下するため、適当な期間毎に取り替えが必要とな
る。このため粒状物を通水性のある袋や箱、網かご等に
パッケージすれば、ハンドリング性が良好となる。ま
た、水路の岸辺等には併せてクレソン等の水耕植物を生
育させれば、燐、窒素の系外への取り出しがより効果的
となる。水路は用地の確保が簡単な河川内もしくは河川
敷きに設置するのが望ましい。水路から回収された使用
済の粒状体は、攪拌もみ洗い装置又は超音波洗浄装置等
を備えた回収プラントにより藻類等の植物成分と無機成
分に分別され、無機成分は再度河川浄化材として再利用
したり、覆砂材や土壌材、土木資材に利用する。植物成
分は堆肥や土壌材として利用する。
【0046】(3) 直接沈設方式
粒状体を通水性のある袋や箱、網かご等にパッケージ
し、河川や湖沼等の水底に直に沈設する。この沈設され
た粒状体と河川水(又は湖沼水)が接触することにより
水に含まれる有機物、燐、窒素などを除去する。パッケ
ージ化された粒状体は次第に処理能力が低下するため、
適切な期間毎に取り替えが必要となる。水中から回収さ
れた使用済の粒状体は、攪拌もみ洗い装置又は超音波洗
浄装置等を備えた回収プラントにより藻類等の植物成分
と無機成分に分別され、無機成分は再度河川浄化材へ再
利用したり、覆砂材や土壌材、土木資材に利用する。植
物成分は堆肥や土壌材として利用する。
し、河川や湖沼等の水底に直に沈設する。この沈設され
た粒状体と河川水(又は湖沼水)が接触することにより
水に含まれる有機物、燐、窒素などを除去する。パッケ
ージ化された粒状体は次第に処理能力が低下するため、
適切な期間毎に取り替えが必要となる。水中から回収さ
れた使用済の粒状体は、攪拌もみ洗い装置又は超音波洗
浄装置等を備えた回収プラントにより藻類等の植物成分
と無機成分に分別され、無機成分は再度河川浄化材へ再
利用したり、覆砂材や土壌材、土木資材に利用する。植
物成分は堆肥や土壌材として利用する。
【0047】(4) 筏方式
粒状体を通水性のある袋や箱、網かご等にパッケージ
し、これを筏から吊るして河川や湖沼の水中に沈設す
る。この沈設された粒状体と河川水(又は湖沼水)が接
触することにより水に含まれる有機物、燐、窒素などを
除去する。パッケージ化された粒状体は次第に処理能力
が低下するため、適切な期間毎に取り替えが必要とな
る。筏は所定の場所に係留しておいてもよいし、河川の
場合には河川の上流から下流に向けて流し、河口部等で
回収するようにしてもよい。水中から回収された使用済
の粒状体は、攪拌もみ洗い装置又は超音波洗浄装置等を
備えた回収プラントにより藻類等の植物成分と無機成分
に分別され、無機成分は再度河川浄化材へ再利用した
り、覆砂材や土壌材、土木資材に利用する。植物成分は
堆肥や土壌材として利用する。
し、これを筏から吊るして河川や湖沼の水中に沈設す
る。この沈設された粒状体と河川水(又は湖沼水)が接
触することにより水に含まれる有機物、燐、窒素などを
除去する。パッケージ化された粒状体は次第に処理能力
が低下するため、適切な期間毎に取り替えが必要とな
る。筏は所定の場所に係留しておいてもよいし、河川の
場合には河川の上流から下流に向けて流し、河口部等で
回収するようにしてもよい。水中から回収された使用済
の粒状体は、攪拌もみ洗い装置又は超音波洗浄装置等を
備えた回収プラントにより藻類等の植物成分と無機成分
に分別され、無機成分は再度河川浄化材へ再利用した
り、覆砂材や土壌材、土木資材に利用する。植物成分は
堆肥や土壌材として利用する。
【0048】(5) ディープシャフト方式
河川や湖沼近傍にディープシャフトを造成し、その中に
粒状体を通水性のある袋や箱、網かご等にパッケージし
たものを充填する。この粒状体と河川水(又は湖沼水)
が接触することにより水に含まれる有機物、燐、窒素な
どを除去する。この際、付着藻類を活性化するため光が
必要であるが、例えば、光ファイバーを用いればディー
プシャフトの深部にも光を導かせることができる。粒状
体は次第に処理能力が低下するため、適切な期間毎に取
り替えが必要となる。水中から回収された使用済の粒状
体は、攪拌もみ洗い装置又は超音波洗浄装置等を備えた
回収プラントにより藻類等の植物成分と無機成分に分別
され、無機成分は再度河川浄化材へ再利用したり、覆砂
材や土壌材、土木資材に利用する。植物成分は堆肥や土
壌材として利用する。
粒状体を通水性のある袋や箱、網かご等にパッケージし
たものを充填する。この粒状体と河川水(又は湖沼水)
が接触することにより水に含まれる有機物、燐、窒素な
どを除去する。この際、付着藻類を活性化するため光が
必要であるが、例えば、光ファイバーを用いればディー
プシャフトの深部にも光を導かせることができる。粒状
体は次第に処理能力が低下するため、適切な期間毎に取
り替えが必要となる。水中から回収された使用済の粒状
体は、攪拌もみ洗い装置又は超音波洗浄装置等を備えた
回収プラントにより藻類等の植物成分と無機成分に分別
され、無機成分は再度河川浄化材へ再利用したり、覆砂
材や土壌材、土木資材に利用する。植物成分は堆肥や土
壌材として利用する。
【0049】以上述べた本発明の水質浄化及び水中成分
の回収方法により、最終的に回収される粒状物の集合体
(溶融処理又は高温加熱を経た粒状体の集合物)は、一
定期間水中に沈設されることにより、少なくとも下記
(A)及び/又は(B)の燐及び/又は窒素分が固定されて燐
及び/又は窒素分が富化された燐及び/又は窒素分含有
材料である。 (A) 水中沈設時に粒状体に吸着された燐及び/又は窒素
分 (B) 水中沈設時に粒状体に着生した付着藻類及び/又は
水生植物に吸収された燐及び/又は窒素
の回収方法により、最終的に回収される粒状物の集合体
(溶融処理又は高温加熱を経た粒状体の集合物)は、一
定期間水中に沈設されることにより、少なくとも下記
(A)及び/又は(B)の燐及び/又は窒素分が固定されて燐
及び/又は窒素分が富化された燐及び/又は窒素分含有
材料である。 (A) 水中沈設時に粒状体に吸着された燐及び/又は窒素
分 (B) 水中沈設時に粒状体に着生した付着藻類及び/又は
水生植物に吸収された燐及び/又は窒素
【0050】この燐及び/又は窒素分含有材料は、例え
ば、以下のような形態の肥料又は土壌材(例えば、植栽
基盤材や植栽客土など)として利材化することができ
る。 (1) 一部又は全部が、上記燐及び/又は窒素分含有材料
又はこれを加工して得られた材料からなる肥料又は土壌
材 (2) 一部又は全部が、上記燐及び/又は窒素分含有材料
から分離された燐及び/又は窒素分の濃度が高い部分又
はこれを加工して得られた材料からなる肥料又は土壌材 (3) 一部又は全部が、上記燐及び/又は窒素分含有材料
から分離した付着藻類及び/又は水生植物を含む分離物
又はこれを加工して得られた材料からなる肥料又は土壌
材
ば、以下のような形態の肥料又は土壌材(例えば、植栽
基盤材や植栽客土など)として利材化することができ
る。 (1) 一部又は全部が、上記燐及び/又は窒素分含有材料
又はこれを加工して得られた材料からなる肥料又は土壌
材 (2) 一部又は全部が、上記燐及び/又は窒素分含有材料
から分離された燐及び/又は窒素分の濃度が高い部分又
はこれを加工して得られた材料からなる肥料又は土壌材 (3) 一部又は全部が、上記燐及び/又は窒素分含有材料
から分離した付着藻類及び/又は水生植物を含む分離物
又はこれを加工して得られた材料からなる肥料又は土壌
材
【0051】次に、本発明の水質浄化方法について説明
すると、この水質浄化方法は、先に述べたような廃棄物
溶融スラグ、好ましくは廃棄物溶融水砕スラグ(以下、
本発明法の説明では「水砕スラグ」という)及び/又は
発泡体状の廃棄物溶融スラグ(以下、本発明法の説明で
は「発泡スラグ」という)の集合物を水質浄化材として
水質浄化すべき水中に沈設し、この水質浄化材に水中の
燐及び/又は窒素分を固定することを特徴とする。
すると、この水質浄化方法は、先に述べたような廃棄物
溶融スラグ、好ましくは廃棄物溶融水砕スラグ(以下、
本発明法の説明では「水砕スラグ」という)及び/又は
発泡体状の廃棄物溶融スラグ(以下、本発明法の説明で
は「発泡スラグ」という)の集合物を水質浄化材として
水質浄化すべき水中に沈設し、この水質浄化材に水中の
燐及び/又は窒素分を固定することを特徴とする。
【0052】この水質浄化法では、水質浄化材として多
孔質組織ではない廃棄物溶融スラグを用いることができ
るが、先に述べたように水砕スラグや発泡スラグは多孔
質組織を有し、水中の燐や窒素分の優れた吸着性能を有
するとともに、付着藻類や水生植物を着生、繁殖させる
基盤として優れた性能を有しており、また特に発泡スラ
グはそれらの性能が高く、このため水質浄化材としては
これらのスラグが適している。また、先に述べたように
水砕スラグや発泡スラグは溶融処理又は高温加熱を経た
粒状体であるため水質の汚染・汚濁源となる有機物質を
含まない。
孔質組織ではない廃棄物溶融スラグを用いることができ
るが、先に述べたように水砕スラグや発泡スラグは多孔
質組織を有し、水中の燐や窒素分の優れた吸着性能を有
するとともに、付着藻類や水生植物を着生、繁殖させる
基盤として優れた性能を有しており、また特に発泡スラ
グはそれらの性能が高く、このため水質浄化材としては
これらのスラグが適している。また、先に述べたように
水砕スラグや発泡スラグは溶融処理又は高温加熱を経た
粒状体であるため水質の汚染・汚濁源となる有機物質を
含まない。
【0053】本発明法が適用される水域(すなわち、水
質浄化すべき水域)に特別な制限はなく、したがって河
川、湖沼(ダム湖なども含む)、海のいずれでもよい。
また、廃棄物溶融スラグの集合物を水中に沈設する形態
は、廃棄物溶融スラグを直接水底に敷設する形態、網か
ごなどのような通水性のある容器に入れて水底等に置く
か或いは水中に吊設する形態など、適宜な形態を採り得
る。
質浄化すべき水域)に特別な制限はなく、したがって河
川、湖沼(ダム湖なども含む)、海のいずれでもよい。
また、廃棄物溶融スラグの集合物を水中に沈設する形態
は、廃棄物溶融スラグを直接水底に敷設する形態、網か
ごなどのような通水性のある容器に入れて水底等に置く
か或いは水中に吊設する形態など、適宜な形態を採り得
る。
【0054】本発明では廃棄物溶融スラグの集合物を水
中に沈設し、少なくとも下記(a)及び/又は(b)の作用に
より水中の燐及び/又は窒素分を廃棄物溶融スラグに固
定する。 (a) 廃棄物溶融スラグに水中の燐及び/又は窒素分を吸
着させる。 (b) 廃棄物溶融スラグに着生した付着藻類及び/又は水
生植物に水中の燐及び/又は窒素分を吸収させる。 これらの作用の詳細やこれらの作用に対する水砕スラグ
や発泡スラグの性能は先に述べたとおりであり、本発明
法、とりわけ水砕スラグ及び/又は発泡スラグを水質浄
化材とした本発明法によれば、水中の燐及び/又は窒素
分を効果的に除去することができる。
中に沈設し、少なくとも下記(a)及び/又は(b)の作用に
より水中の燐及び/又は窒素分を廃棄物溶融スラグに固
定する。 (a) 廃棄物溶融スラグに水中の燐及び/又は窒素分を吸
着させる。 (b) 廃棄物溶融スラグに着生した付着藻類及び/又は水
生植物に水中の燐及び/又は窒素分を吸収させる。 これらの作用の詳細やこれらの作用に対する水砕スラグ
や発泡スラグの性能は先に述べたとおりであり、本発明
法、とりわけ水砕スラグ及び/又は発泡スラグを水質浄
化材とした本発明法によれば、水中の燐及び/又は窒素
分を効果的に除去することができる。
【0055】また、廃棄物溶融スラグの集合物を水中に
沈設した場合、上記の(a)及び/又は(b)の作用に加え
て、水中に沈設された廃棄物溶融スラグに付着した微生
物(但し、廃棄物溶融スラグに着生した付着藻類や水生
植物に付着した微生物を含む)により、水中の有機物質
を分解除去する作用が得られる。これらの作用の詳細も
先に述べたとおりである。また、このような作用をより
効果的に得るためには、水中に沈設された廃棄物溶融ス
ラグの集合物にエアレーション(曝気)を行うことが好
ましく、これにより廃棄物溶融スラグに付着した微生物
の活動が活性化され、微生物による有機物質の分解を促
進することができる。このエアレーションを行う方法に
ついては先に述べたとおりである。また、水砕スラグや
発泡スラグ(特に発泡スラグ)は比重が小さいためエア
レーションに要する動力が小さくて済む利点がある。
沈設した場合、上記の(a)及び/又は(b)の作用に加え
て、水中に沈設された廃棄物溶融スラグに付着した微生
物(但し、廃棄物溶融スラグに着生した付着藻類や水生
植物に付着した微生物を含む)により、水中の有機物質
を分解除去する作用が得られる。これらの作用の詳細も
先に述べたとおりである。また、このような作用をより
効果的に得るためには、水中に沈設された廃棄物溶融ス
ラグの集合物にエアレーション(曝気)を行うことが好
ましく、これにより廃棄物溶融スラグに付着した微生物
の活動が活性化され、微生物による有機物質の分解を促
進することができる。このエアレーションを行う方法に
ついては先に述べたとおりである。また、水砕スラグや
発泡スラグ(特に発泡スラグ)は比重が小さいためエア
レーションに要する動力が小さくて済む利点がある。
【0056】以上述べた本発明の水質浄化及び水中成分
の回収方法、及び水質浄化方法において用いられる水質
浄化材のうち、廃棄物の利材化と水質浄化のための高い
機能性という観点からして廃棄物溶融スラグ、とりわけ
廃棄物溶融水砕スラグと発泡体状の廃棄物溶融スラグが
好適であり、その中でも特に水質浄化機能の面からして
発泡体状の廃棄物溶融スラグ(とりわけ、中空状又は擬
似中空状の発泡体からなる廃棄物溶融スラグ)が最も好
適である。先に述べたように、この発泡体状の廃棄物溶
融スラグは、廃棄物溶融スラグを加熱処理することによ
り発泡させたスラグであり、好ましくは廃棄物及び/又
は廃棄物焼却灰を下記(1)〜(4)の工程により処理して得
られる。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程
の回収方法、及び水質浄化方法において用いられる水質
浄化材のうち、廃棄物の利材化と水質浄化のための高い
機能性という観点からして廃棄物溶融スラグ、とりわけ
廃棄物溶融水砕スラグと発泡体状の廃棄物溶融スラグが
好適であり、その中でも特に水質浄化機能の面からして
発泡体状の廃棄物溶融スラグ(とりわけ、中空状又は擬
似中空状の発泡体からなる廃棄物溶融スラグ)が最も好
適である。先に述べたように、この発泡体状の廃棄物溶
融スラグは、廃棄物溶融スラグを加熱処理することによ
り発泡させたスラグであり、好ましくは廃棄物及び/又
は廃棄物焼却灰を下記(1)〜(4)の工程により処理して得
られる。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程
【0057】次に、上述した発泡体状の廃棄物溶融スラ
グの製造方法の一例について説明する。廃棄物やその焼
却灰或いは石炭灰などを出発原料として上記発泡体状の
廃棄物溶融スラグ(以下の製造方法の説明では「発泡ス
ラグ」という)を得るには、例えば、廃棄物(石炭灰な
どを含む)及び/又は廃棄物焼却灰を以下のような工程
で順に処理する。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程
グの製造方法の一例について説明する。廃棄物やその焼
却灰或いは石炭灰などを出発原料として上記発泡体状の
廃棄物溶融スラグ(以下の製造方法の説明では「発泡ス
ラグ」という)を得るには、例えば、廃棄物(石炭灰な
どを含む)及び/又は廃棄物焼却灰を以下のような工程
で順に処理する。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程
【0058】以下、上記(1)〜(4)工程を含めて廃棄物及
び/又は焼却灰から発泡スラグを得るための好ましい条
件について説明する。廃棄物としては、産業廃棄物、一
般廃棄物(都市ゴミ)、下水汚泥、石炭灰、これらの混
合物などが挙げられる。また、焼却灰としては、上記産
業廃棄物、一般廃棄物、下水汚泥などの廃棄物の焼却灰
が挙げられる。発泡処理により先に述べたような中空状
又は擬似中空状の発泡スラグを得たい場合には、原料と
なる廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰はFe,Cu,T
i,Mn,Znのうちの1種以上を適量、具体的には
0.8mass%以上含有していることが好ましい。これら
の元素の1種以上を適量含むことにより発泡処理による
中空構造(殻の形成)が得られやすくなる。したがっ
て、廃棄物や廃棄物焼却灰中のこれら元素の合計含有量
が0.8mass%未満の場合には、これら金属元素成分を
添加して0.8mass%以上とすることが好ましい。上記
各元素は金属の形態として含有されるものに限らず、酸
化物、塩化物、硫化物等の形態で含有されていても構わ
ない。一方、非中空状の発泡スラグ(例えば、軽石状の
発泡スラグ)を得るには、上記金属元素は必ずしも必要
ではない。
び/又は焼却灰から発泡スラグを得るための好ましい条
件について説明する。廃棄物としては、産業廃棄物、一
般廃棄物(都市ゴミ)、下水汚泥、石炭灰、これらの混
合物などが挙げられる。また、焼却灰としては、上記産
業廃棄物、一般廃棄物、下水汚泥などの廃棄物の焼却灰
が挙げられる。発泡処理により先に述べたような中空状
又は擬似中空状の発泡スラグを得たい場合には、原料と
なる廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰はFe,Cu,T
i,Mn,Znのうちの1種以上を適量、具体的には
0.8mass%以上含有していることが好ましい。これら
の元素の1種以上を適量含むことにより発泡処理による
中空構造(殻の形成)が得られやすくなる。したがっ
て、廃棄物や廃棄物焼却灰中のこれら元素の合計含有量
が0.8mass%未満の場合には、これら金属元素成分を
添加して0.8mass%以上とすることが好ましい。上記
各元素は金属の形態として含有されるものに限らず、酸
化物、塩化物、硫化物等の形態で含有されていても構わ
ない。一方、非中空状の発泡スラグ(例えば、軽石状の
発泡スラグ)を得るには、上記金属元素は必ずしも必要
ではない。
【0059】この廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を好ま
しくは非酸化性雰囲気下、特に好ましくは還元雰囲気
(例えば、CO/CO2雰囲気やH2/H2O雰囲気)
中で溶融する。また、中空状又は擬似中空状の発泡スラ
グを得る場合には、この溶融時に上記金属元素(例え
ば、Fe,Cu)を低価数イオン状態とする。廃棄物及
び/又は廃棄物焼却灰を溶融することにより、スラグの
発泡に必要な各種ガス、特にH2やH2Oなどが溶融体
中に多量に溶解する。なお、廃棄物及び/又は廃棄物焼
却灰を非酸化性雰囲気で溶解することにより、廃棄物や
廃棄物焼却灰に含まれる上記金属元素(Fe,Cuな
ど)を低価数イオン状態にしやすく、また、溶融スラグ
へのガスの溶解度を大きくすることができる。廃棄物及
び/又は廃棄物焼却灰の溶融温度は、廃棄物や廃棄物焼
却灰の組成にもよるが通常1200〜1500℃程度で
ある。
しくは非酸化性雰囲気下、特に好ましくは還元雰囲気
(例えば、CO/CO2雰囲気やH2/H2O雰囲気)
中で溶融する。また、中空状又は擬似中空状の発泡スラ
グを得る場合には、この溶融時に上記金属元素(例え
ば、Fe,Cu)を低価数イオン状態とする。廃棄物及
び/又は廃棄物焼却灰を溶融することにより、スラグの
発泡に必要な各種ガス、特にH2やH2Oなどが溶融体
中に多量に溶解する。なお、廃棄物及び/又は廃棄物焼
却灰を非酸化性雰囲気で溶解することにより、廃棄物や
廃棄物焼却灰に含まれる上記金属元素(Fe,Cuな
ど)を低価数イオン状態にしやすく、また、溶融スラグ
へのガスの溶解度を大きくすることができる。廃棄物及
び/又は廃棄物焼却灰の溶融温度は、廃棄物や廃棄物焼
却灰の組成にもよるが通常1200〜1500℃程度で
ある。
【0060】次に、廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰の上
記溶融体を冷却して非晶質体とする。冷却は上記金属元
素の酸化を抑えるために還元雰囲気等の非酸化性雰囲気
中で行うことが好ましいが、実用的には大気雰囲気中で
問題はない。溶融体は冷却速度が遅いと結晶質となるの
で、10℃/hr特に好ましくは100℃/hr程度以
上の冷却速度で冷却するのがよい。得られた非晶質体
は、主としてSiO2−Al2O3−CaO−MgO−
Na2O−K2Oで構成される。
記溶融体を冷却して非晶質体とする。冷却は上記金属元
素の酸化を抑えるために還元雰囲気等の非酸化性雰囲気
中で行うことが好ましいが、実用的には大気雰囲気中で
問題はない。溶融体は冷却速度が遅いと結晶質となるの
で、10℃/hr特に好ましくは100℃/hr程度以
上の冷却速度で冷却するのがよい。得られた非晶質体
は、主としてSiO2−Al2O3−CaO−MgO−
Na2O−K2Oで構成される。
【0061】次に、上記冷却して得られた非晶質体(廃
棄物溶融スラグ)を、好ましくは粉砕して粒状体とす
る。粉砕は、発泡処理で適正な発泡を行わせ且つ適正な
大きさの発泡体を得るために0.2〜3mm程度の粒度
に粉砕することが好ましい。そして、この廃棄物溶融ス
ラグの粒状体を、加熱処理(発泡処理)して非晶質体か
ら結晶体に変化させることにより粒状体を発泡させ、発
泡スラグを得る。すなわち、結晶体のガス溶解度は非晶
質体よりも極端に低いことから、加熱処理により非晶質
体が結晶体に変化すると、その過程でスラグ粒子からガ
スが放出することで発泡し、この結果、発泡体状のスラ
グ粒子が得られる。このようにして得られる発泡スラグ
粒子は、上述したように中空状又は擬似中空状の発泡体
となる場合と非中空状の発泡体(例えば、軽石状の発泡
体)となる場合がある。
棄物溶融スラグ)を、好ましくは粉砕して粒状体とす
る。粉砕は、発泡処理で適正な発泡を行わせ且つ適正な
大きさの発泡体を得るために0.2〜3mm程度の粒度
に粉砕することが好ましい。そして、この廃棄物溶融ス
ラグの粒状体を、加熱処理(発泡処理)して非晶質体か
ら結晶体に変化させることにより粒状体を発泡させ、発
泡スラグを得る。すなわち、結晶体のガス溶解度は非晶
質体よりも極端に低いことから、加熱処理により非晶質
体が結晶体に変化すると、その過程でスラグ粒子からガ
スが放出することで発泡し、この結果、発泡体状のスラ
グ粒子が得られる。このようにして得られる発泡スラグ
粒子は、上述したように中空状又は擬似中空状の発泡体
となる場合と非中空状の発泡体(例えば、軽石状の発泡
体)となる場合がある。
【0062】また、加熱により非晶質の粒状体を結晶体
に変化させるには、非晶質体を核生成温度域に所定時間
保持して結晶核を十分生成せしめた後、核成長温度域に
所定時間保持して結晶成長を図るような昇温パターンを
採用することが好ましい。また、このような結晶質化に
よる発泡の際にスラグ粒子の表面に固い殻が存在してい
ると、発生したガスによりスラグ粒子が膨らんで中空状
又は擬似中空状粒子となる。例えば、0.2〜3mm程
度の粒度の粒状体は0.3〜5mm程度の粒度の中空状
又は擬似中空状粒子となる。このような中空状又は擬似
中空状の発泡スラグを得る場合には、加熱処理は大気雰
囲気などの酸化雰囲気中行うことが好ましい。
に変化させるには、非晶質体を核生成温度域に所定時間
保持して結晶核を十分生成せしめた後、核成長温度域に
所定時間保持して結晶成長を図るような昇温パターンを
採用することが好ましい。また、このような結晶質化に
よる発泡の際にスラグ粒子の表面に固い殻が存在してい
ると、発生したガスによりスラグ粒子が膨らんで中空状
又は擬似中空状粒子となる。例えば、0.2〜3mm程
度の粒度の粒状体は0.3〜5mm程度の粒度の中空状
又は擬似中空状粒子となる。このような中空状又は擬似
中空状の発泡スラグを得る場合には、加熱処理は大気雰
囲気などの酸化雰囲気中行うことが好ましい。
【0063】スラグに上記のような金属元素(Fe,C
uなど)が含まれている場合、粒状体表面に粘性の高い
領域(殻)が形成されるため、上記のような中空状又は
擬似中空状の発泡スラグが得られやすい。これを金属元
素がFeである場合を例に述べると、Feを含有する非
晶質体の粘性はFeの価数により粘性が異なり、Fe
+3の形態で存在した方がFe+2の形態で存在するよ
り粘性が高くなる。Fe +2を含有する非晶質の粒状体
を酸化雰囲気で加熱すると、非晶質の粒状体内に存在し
ていたFe+2のうち、表面のFe+2が酸化雰囲気の
酸素に触れてFe +3に変化する。一方、この反応には
酸素が必要なので粒状体内部のFe+2はFe+3に変
化しない。したがって、粒状体の表面ではFe+3が存
在するために粘性が向上して殻を形成し、内部ではFe
+2が存在するために粘性が低くなる。そして、この状
態が生じた後に非晶質体が結晶体に変化すると、先に述
べたような機構によりスラグが発泡し、表面に固い殻が
存在している状態で内部から膨らんで、中空状又は擬似
中空状の粒子となる。なお、以上述べた製造方法は発泡
スラグを得るための一方法であり、したがって、本発明
で水質浄化材として使用する発泡スラグは他の製造方法
で得られたものでもよい。
uなど)が含まれている場合、粒状体表面に粘性の高い
領域(殻)が形成されるため、上記のような中空状又は
擬似中空状の発泡スラグが得られやすい。これを金属元
素がFeである場合を例に述べると、Feを含有する非
晶質体の粘性はFeの価数により粘性が異なり、Fe
+3の形態で存在した方がFe+2の形態で存在するよ
り粘性が高くなる。Fe +2を含有する非晶質の粒状体
を酸化雰囲気で加熱すると、非晶質の粒状体内に存在し
ていたFe+2のうち、表面のFe+2が酸化雰囲気の
酸素に触れてFe +3に変化する。一方、この反応には
酸素が必要なので粒状体内部のFe+2はFe+3に変
化しない。したがって、粒状体の表面ではFe+3が存
在するために粘性が向上して殻を形成し、内部ではFe
+2が存在するために粘性が低くなる。そして、この状
態が生じた後に非晶質体が結晶体に変化すると、先に述
べたような機構によりスラグが発泡し、表面に固い殻が
存在している状態で内部から膨らんで、中空状又は擬似
中空状の粒子となる。なお、以上述べた製造方法は発泡
スラグを得るための一方法であり、したがって、本発明
で水質浄化材として使用する発泡スラグは他の製造方法
で得られたものでもよい。
【0064】
【実施例】[実施例1]表1に示す各担体50kgをそ
れぞれ1m3の河川水とともに実験用水槽に入れ、緩や
かに撹拌しながら、9500ルクスの人工光線の下、2
5℃で14日間処理した。なお、表1の「発泡体状の廃
棄物焼却灰溶融スラグ」は、先に説明した方法で製造さ
れた中空状又は擬似中空状の発泡スラグである。また
「都市ゴミガス化溶融水砕スラグ」は、都市ゴミをその
ままガス化溶融させて得られた廃棄物溶融水砕スラグで
ある。処理開始時の河川水の水質を表2に示す。水質項
目は有機物量として化学的酸素要求量(COD)、全窒
素量(T−N)、全リン量(T−P)であり、pHを併
せて測定した。各水質項目の分析法は工場排水試験法
(JIS K0120)に従った。
れぞれ1m3の河川水とともに実験用水槽に入れ、緩や
かに撹拌しながら、9500ルクスの人工光線の下、2
5℃で14日間処理した。なお、表1の「発泡体状の廃
棄物焼却灰溶融スラグ」は、先に説明した方法で製造さ
れた中空状又は擬似中空状の発泡スラグである。また
「都市ゴミガス化溶融水砕スラグ」は、都市ゴミをその
ままガス化溶融させて得られた廃棄物溶融水砕スラグで
ある。処理開始時の河川水の水質を表2に示す。水質項
目は有機物量として化学的酸素要求量(COD)、全窒
素量(T−N)、全リン量(T−P)であり、pHを併
せて測定した。各水質項目の分析法は工場排水試験法
(JIS K0120)に従った。
【0065】各実施例における河川水の14日後の水質
を表3に示す。これによれば、比較例であるコンクリー
トはある程度の水質浄化能はあるものの、河川水のpH
がアルカリになるという問題が生じている。また、同じ
く比較例である天然石は有機物などの付着成分が溶解す
ることにより、CODMnやT−Pが増加している。こ
れに対して本発明例である高炉水砕スラグ、都市ゴミ焼
却灰溶融スラグ(ガラス質)、都市ゴミガス化溶融水砕
スラグ、発泡体状の都市ゴミ焼却灰溶融スラグでは、ス
ラグからの有機物などの付着成分の溶出がなく、また水
質浄化能にも優れている。また、そのなかでも高炉水砕
スラグ、都市ゴミガス化溶融水砕スラグ、発泡体状の都
市ゴミ焼却灰溶融スラグは特に優れた水質浄化能を有し
ており、とりわけ発泡体状の都市ゴミ焼却灰溶融スラグ
(中空状又は擬似中空状の発泡スラグ)は最も優れた水
質浄化態を有していることが判る。
を表3に示す。これによれば、比較例であるコンクリー
トはある程度の水質浄化能はあるものの、河川水のpH
がアルカリになるという問題が生じている。また、同じ
く比較例である天然石は有機物などの付着成分が溶解す
ることにより、CODMnやT−Pが増加している。こ
れに対して本発明例である高炉水砕スラグ、都市ゴミ焼
却灰溶融スラグ(ガラス質)、都市ゴミガス化溶融水砕
スラグ、発泡体状の都市ゴミ焼却灰溶融スラグでは、ス
ラグからの有機物などの付着成分の溶出がなく、また水
質浄化能にも優れている。また、そのなかでも高炉水砕
スラグ、都市ゴミガス化溶融水砕スラグ、発泡体状の都
市ゴミ焼却灰溶融スラグは特に優れた水質浄化能を有し
ており、とりわけ発泡体状の都市ゴミ焼却灰溶融スラグ
(中空状又は擬似中空状の発泡スラグ)は最も優れた水
質浄化態を有していることが判る。
【0066】また、処理開始14日後における各担体へ
の生物皮膜の付着状況を観察した結果を表4に示す。こ
れによれば、コンクリートではpH上昇の影響から生物
の着生、増殖が認められなかった。これに対して、特に
高炉水砕スラグ、都市ゴミガス化溶融水砕スラグ及び発
泡体状の都市ゴミ焼却灰溶融スラグの場合には、水中で
の藻の発生だけでなく、担体表面への藻の付着が認めら
れた。
の生物皮膜の付着状況を観察した結果を表4に示す。こ
れによれば、コンクリートではpH上昇の影響から生物
の着生、増殖が認められなかった。これに対して、特に
高炉水砕スラグ、都市ゴミガス化溶融水砕スラグ及び発
泡体状の都市ゴミ焼却灰溶融スラグの場合には、水中で
の藻の発生だけでなく、担体表面への藻の付着が認めら
れた。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】[実施例2]実施例1の実験を6ヶ月間連
続して実施した後(実験期間中、水槽の水は適宜入れ替
えた)、表1の本発明例の供試担体を回収して乾燥さ
せ、これを肥料として発芽試験を実施した。試験は1
0,000aワグネルポットに土壌1kgを詰め、上部
に回収した水質浄化材50gを混合した。その後、一晩
水に詰めて催芽したコマツナを20粒播種した。7日
間、25℃で栽培し、発芽した本数を数えた。その結
果、上記担体を施肥した区では100%の発芽が確認さ
れ、上記担体から発芽を抑制する因子の溶出がないこと
が確認された。
続して実施した後(実験期間中、水槽の水は適宜入れ替
えた)、表1の本発明例の供試担体を回収して乾燥さ
せ、これを肥料として発芽試験を実施した。試験は1
0,000aワグネルポットに土壌1kgを詰め、上部
に回収した水質浄化材50gを混合した。その後、一晩
水に詰めて催芽したコマツナを20粒播種した。7日
間、25℃で栽培し、発芽した本数を数えた。その結
果、上記担体を施肥した区では100%の発芽が確認さ
れ、上記担体から発芽を抑制する因子の溶出がないこと
が確認された。
【0072】[実施例3]供試スラグとして高炉水砕ス
ラグ、都市ゴミ焼却灰溶融スラグ、発泡体状の都市ゴミ
焼却灰溶融スラグを用い、各供試スラグ100gをそれ
ぞれ河川水4L(350×400×150mm)に浸漬
し、20℃で10000lux照射条件下(12時間暗:
12時間明)で静置した。河川水は4Lのうち0.6L
を3日毎に新しい河川水と入れ替えながら水質の経時的
変化を測定した。その結果を図1(a),(b)に示
す。また、河川水中に6ヶ月間浸漬した後の各供試スラ
グを回収し、スラグ付着物の量とそれらに含まれる窒素
量及び燐量を測定し、スラグ100g当りの窒素及び燐
の除去量を調べた。その結果を表5に示す。図1及び表
5の結果から、いずれの供試スラグについても水中リン
濃度、窒素濃度を低減させる効果が確認された。
ラグ、都市ゴミ焼却灰溶融スラグ、発泡体状の都市ゴミ
焼却灰溶融スラグを用い、各供試スラグ100gをそれ
ぞれ河川水4L(350×400×150mm)に浸漬
し、20℃で10000lux照射条件下(12時間暗:
12時間明)で静置した。河川水は4Lのうち0.6L
を3日毎に新しい河川水と入れ替えながら水質の経時的
変化を測定した。その結果を図1(a),(b)に示
す。また、河川水中に6ヶ月間浸漬した後の各供試スラ
グを回収し、スラグ付着物の量とそれらに含まれる窒素
量及び燐量を測定し、スラグ100g当りの窒素及び燐
の除去量を調べた。その結果を表5に示す。図1及び表
5の結果から、いずれの供試スラグについても水中リン
濃度、窒素濃度を低減させる効果が確認された。
【0073】また、河川水から回収された上記各供試担
体(供試スラグ)を乾燥させ、これを肥料として発芽試
験を実施した。試験は10,000aワグネルポットに
土壌1kgを詰め、上部に上記各供試担体50gを混合
した。その後、一晩水に詰めて催芽したコマツナを20
粒播種した。その結果を表6に示すが、上記各供試担体
を施肥した区では、3週間の栽培で標準的な窒素、燐を
施肥した区(標準施用区)とほぼ同等の生育が認められ
た。
体(供試スラグ)を乾燥させ、これを肥料として発芽試
験を実施した。試験は10,000aワグネルポットに
土壌1kgを詰め、上部に上記各供試担体50gを混合
した。その後、一晩水に詰めて催芽したコマツナを20
粒播種した。その結果を表6に示すが、上記各供試担体
を施肥した区では、3週間の栽培で標準的な窒素、燐を
施肥した区(標準施用区)とほぼ同等の生育が認められ
た。
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】
【発明の効果】以上述べた本発明の水質浄化及び水中成
分の回収方法によれば、特に河川や湖沼などにおいて水
に含まれる有機物質や燐、窒素などを効率的且つ低コス
トに除去することができるとともに、水質浄化材により
除去・回収された水中成分を産業上有効に利材化するこ
とができる。また、水質浄化材として高炉水砕スラグや
廃棄物焼却灰溶融スラグなどを用いることにより、スラ
グの有効利用も図ることができる。また、本発明の水質
浄化方法によれば、水質浄化機能が特に優れ且つ安価に
入手することができる素材を用いて、河川や湖沼などに
おいて水に含まれる有機物質や燐、窒素などを効率的且
つ低コストに除去することができる。
分の回収方法によれば、特に河川や湖沼などにおいて水
に含まれる有機物質や燐、窒素などを効率的且つ低コス
トに除去することができるとともに、水質浄化材により
除去・回収された水中成分を産業上有効に利材化するこ
とができる。また、水質浄化材として高炉水砕スラグや
廃棄物焼却灰溶融スラグなどを用いることにより、スラ
グの有効利用も図ることができる。また、本発明の水質
浄化方法によれば、水質浄化機能が特に優れ且つ安価に
入手することができる素材を用いて、河川や湖沼などに
おいて水に含まれる有機物質や燐、窒素などを効率的且
つ低コストに除去することができる。
【図1】実施例3における河川水の水質の経時的変化を
示すグラフ
示すグラフ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C02F 3/06 C02F 3/10 A 4H061
3/10 C05G 1/00 H
C05G 1/00 5/00 Z
5/00 B09B 3/00 303K
303L
(72)発明者 鈴木 操
東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日
本鋼管株式会社内
(72)発明者 藪田 和哉
東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日
本鋼管株式会社内
(72)発明者 宮澤 邦夫
東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日
本鋼管株式会社内
(72)発明者 余村 吉則
東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日
本鋼管株式会社内
Fターム(参考) 2B022 BA05 BA11 BA14 BA18 BB01
DA19
4D003 AA01 AA08 AB02 AB18 BA02
CA10 EA06 EA14 EA19 EA24
4D004 AA02 AA36 AA46 BA10 CA04
CA22 CA29 CA32
4D024 AA05 AB12 AB13 BA04 BB01
BC01 DB15
4D040 CC02 CC03 CC05 CC09
4H061 AA01 BB01 BB21 EE43 EE61
FF08 GG56
Claims (28)
- 【請求項1】 溶融処理又は高温加熱を経た粒状体の集
合物を水中に沈設し、少なくとも下記(a)及び/又は(b)
の作用により水中の燐及び/又は窒素分を粒状体に固定
し、 (a) 粒状体に水中の燐及び/又は窒素分を吸着させる。 (b) 粒状体に着生した付着藻類及び/又は水生植物に水
中の燐及び/又は窒素分を吸収させる。 前記粒状体の集合物を水中に沈設して一定期間経過後、
該粒状体の集合物を燐及び/又は窒素分が富化された粒
状体の集合物として水中から回収することを特徴とする
水質浄化及び水中成分の回収方法。 - 【請求項2】 水中に沈設された粒状体に付着した微生
物(但し、粒状体に着生した付着藻類及び/又は水生植
物に付着した微生物を含む)により、水中の有機物質を
分解除去することを特徴とする請求項1に記載の水質浄
化及び水中成分の回収方法。 - 【請求項3】 水中に沈設された粒状体の集合物にエア
レーションを行うことにより、粒状体に付着した微生物
(但し、粒状体に着生した付着藻類及び/又は水生植物
に付着した微生物を含む)による有機物質の分解を促進
することを特徴とする請求項2に記載の水質浄化及び水
中成分の回収方法。 - 【請求項4】 粒状体の集合物の一部又は全部が、高炉
水砕スラグ、廃棄物溶融水砕スラグ、発泡体状の廃棄物
溶融スラグの中から選ばれる1種以上からなることを特
徴とする請求項1、2又は3に記載の水質浄化及び水中
成分の回収方法。 - 【請求項5】 発泡体状の廃棄物溶融スラグが、廃棄物
溶融スラグを加熱処理することにより発泡させたスラグ
であることを特徴とする請求項4に記載の水質浄化及び
水中成分の回収方法。 - 【請求項6】 発泡体状の廃棄物溶融スラグが、廃棄物
及び/又は廃棄物焼却灰を下記(1)〜(4)の工程により処
理して得られたスラグであることを特徴とする請求項4
に記載の水質浄化及び水中成分の回収方法。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程 - 【請求項7】 水中から回収された粒状体の集合物を、
そのまま又は加工した後に肥料、肥料用原料、植栽基盤
材、植栽基盤材用原料、植栽客土のうちの1つ以上とし
て用いることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又
は6に記載の水質浄化及び水中成分の回収方法。 - 【請求項8】 水中から回収された粒状体の集合物を燐
及び/又は窒素分の濃度が高い部分と燐及び/又は窒素
分の濃度が低い部分とに分離し、燐及び/又は窒素分の
濃度が高い部分をそのまま又は加工した後に肥料、肥料
用原料、植栽基盤材、植栽基盤材用原料、植栽客土のう
ちの1つ以上として用いることを特徴とする請求項1、
2、3、4、5又は6に記載の水質浄化及び水中成分の
回収方法。 - 【請求項9】 水中から回収された粒状体の集合物を、
付着した付着藻類及び/又は水生植物を分離するための
工程に付し、該工程を経た粒状体の集合物を再度水質浄
化すべき水中に沈設するとともに、前記工程で粒状体の
集合物から分離された付着藻類及び/又は水生植物を含
む分離物を利材化することを特徴とする請求項1、2、
3、4、5又は6に記載の水質浄化及び水中成分の回収
方法。 - 【請求項10】 付着藻類及び/又は水生植物を含む分
離物を、そのまま又は加工した後に肥料、肥料用原料、
植栽基盤材、植栽基盤材用原料、植栽客土のうちの1つ
以上として用いることを特徴とする請求項9に記載の水
質浄化及び水中成分の回収方法。 - 【請求項11】 溶融処理又は高温加熱を経た粒状体の
集合物であって、一定期間水中に沈設されることにより
水中の燐及び/又は窒素分が固定されて燐及び/又は窒
素分が富化された粒状物の集合体からなることを特徴と
する燐及び/又は窒素分含有材料。 - 【請求項12】 固定された燐及び/又は窒素分が、少
なくとも下記(A)及び/又は(B)の燐及び/又は窒素分で
あることを特徴とする請求項11に記載の燐及び/又は
窒素分含有材料。 (A) 水中沈設時に粒状体に吸着された燐及び/又は窒素
分 (B) 水中沈設時に粒状体に着生した付着藻類及び/又は
水生植物に吸収された燐及び/又は窒素 - 【請求項13】 粒状体の集合物の一部又は全部が、高
炉水砕スラグ、廃棄物溶融水砕スラグ、発泡体状の廃棄
物溶融スラグの中から選ばれる1種以上からなることを
特徴とする請求項11又は12に記載の燐及び/又は窒
素含有材料。 - 【請求項14】 発泡体状の廃棄物溶融スラグが、廃棄
物溶融スラグを加熱処理することにより発泡させたスラ
グであることを特徴とする請求項13に記載の燐及び/
又は窒素含有材料。 - 【請求項15】 発泡体状の廃棄物溶融スラグが、廃棄
物及び/又は廃棄物焼却灰を下記(1)〜(4)の工程により
処理して得られたスラグであることを特徴とする請求項
13に記載の燐及び/又は窒素含有材料。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程 - 【請求項16】 一部又は全部が、請求項11、12、
13、14又は15に記載の燐及び/又は窒素分含有材
料又はこれを加工して得られた材料からなることを特徴
とする肥料又は土壌材。 - 【請求項17】 一部又は全部が、請求項11、12、
13、14又は15に記載の燐及び/又は窒素分含有材
料から分離された燐及び/又は窒素分の濃度が高い部分
又はこれを加工して得られた材料からなることを特徴と
する肥料又は土壌材。 - 【請求項18】 一部又は全部が、付着藻類及び/又は
水生植物が付着した請求項11、12、13、14又は
15に記載の燐及び/又は窒素分含有材料から分離した
付着藻類及び/又は水生植物を含む分離物又はこれを加
工して得られた材料からなることを特徴とする肥料又は
土壌材。 - 【請求項19】 廃棄物溶融スラグの集合物を水質浄化
すべき水中に沈設し、少なくとも下記(a)及び/又は(b)
の作用により水中の燐及び/又は窒素分を廃棄物溶融ス
ラグに固定することを特徴とする水質浄化方法。 (a) 廃棄物溶融スラグに水中の燐及び/又は窒素分を吸
着させる。 (b) 廃棄物溶融スラグに着生した付着藻類及び/又は水
生植物に水中の燐及び/又は窒素分を吸収させる。 - 【請求項20】 水中に沈設された廃棄物溶融スラグに
付着した微生物(但し、スラグに着生した付着藻類及び
/又は水生植物に付着した微生物を含む)により、水中
の有機物質を分解除去することを特徴とする請求項19
に記載の水質浄化方法。 - 【請求項21】 水中に沈設された廃棄物溶融スラグの
集合物にエアレーションを行うことにより、廃棄物溶融
スラグに付着した微生物(但し、スラグに着生した付着
藻類及び/又は水生植物に付着した微生物を含む)によ
る有機物質の分解を促進することを特徴とする請求項2
0に記載の水質浄化方法。 - 【請求項22】 廃棄物溶融スラグが、廃棄物溶融水砕
スラグ、発泡体状の廃棄物溶融スラグの中から選ばれる
1種以上からなることを特徴とする請求項19、20又
は21に記載の水質浄化方法。 - 【請求項23】 発泡体状の廃棄物溶融スラグが、廃棄
物溶融スラグを加熱処理することにより発泡させたスラ
グであることを特徴とする請求項22に記載の水質浄化
方法。 - 【請求項24】 発泡体状の廃棄物溶融スラグが、廃棄
物及び/又は廃棄物焼却灰を下記(1)〜(4)の工程により
処理して得られたスラグであることを特徴とする請求項
22に記載の水質浄化方法。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程 - 【請求項25】 廃棄物溶融スラグからなることを特徴
とする水質浄化材。 - 【請求項26】 廃棄物溶融スラグが、廃棄物溶融水砕
スラグ、発泡体状の廃棄物溶融スラグの中から選ばれる
1種以上からなることを特徴とする請求項25に記載の
水質浄化材。 - 【請求項27】 発泡体状の廃棄物溶融スラグが、廃棄
物溶融スラグを加熱処理することにより発泡させたスラ
グであることを特徴とする請求項26に記載の水質浄化
材。 - 【請求項28】 発泡体状の廃棄物溶融スラグが、廃棄
物及び/又は廃棄物焼却灰を下記(1)〜(4)の工程により
処理して得られたスラグであることを特徴とする請求項
26に記載の水質浄化材。 (1)廃棄物及び/又は廃棄物焼却灰を溶融させて溶融体
とする工程 (2)前記溶融体を冷却して非晶質体とする工程 (3)前記非晶質体を粉砕して粒状体とする工程 (4)前記非晶質粒状体を加熱することにより発泡させる
工程
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001330153A JP2003053379A (ja) | 2001-06-05 | 2001-10-29 | 水質浄化及び水中成分の回収方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-169690 | 2001-06-05 | ||
JP2001169690 | 2001-06-05 | ||
JP2001330153A JP2003053379A (ja) | 2001-06-05 | 2001-10-29 | 水質浄化及び水中成分の回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003053379A true JP2003053379A (ja) | 2003-02-25 |
Family
ID=26616365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001330153A Pending JP2003053379A (ja) | 2001-06-05 | 2001-10-29 | 水質浄化及び水中成分の回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003053379A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006068732A (ja) * | 2004-08-06 | 2006-03-16 | Hiroshima Univ | 水域環境改善材およびそれを用いる水域環境改善方法 |
JP2007105676A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Nippon Steel Corp | 製鋼スラグを利用した水質改善方法 |
WO2007046557A1 (ja) * | 2005-10-21 | 2007-04-26 | Jfe Steel Corporation | スラグ材及びその製造方法並びにそのスラグ材を利用した環境改善材料、環境改善方法及び土木建築材料 |
JP2007319819A (ja) * | 2006-06-02 | 2007-12-13 | Kansai Pgs Kk | リンの回収方法 |
JP2009207992A (ja) * | 2008-03-04 | 2009-09-17 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | 発泡体材料の製造システム及び製造方法 |
WO2012029736A1 (ja) * | 2010-09-02 | 2012-03-08 | 株式会社ヤマト | 水生植物を用いた水処理方法 |
WO2016199896A1 (ja) * | 2015-06-11 | 2016-12-15 | 久夫 大竹 | 被処理水中のリンの回収システム、被処理水中のリンの回収方法、肥料及び肥料原料並びに黄リン原料 |
JP2021115552A (ja) * | 2020-01-28 | 2021-08-10 | 中国電力株式会社 | 水処理装置及び水処理方法 |
KR20220023631A (ko) * | 2020-08-21 | 2022-03-02 | (주)동부그린 | Tdf 연소재를 이용한 옥시디아닐린 제조공정폐수의 총질소 제거를 위한 전처리장치와 이를 이용한 전처리방법 |
-
2001
- 2001-10-29 JP JP2001330153A patent/JP2003053379A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006068732A (ja) * | 2004-08-06 | 2006-03-16 | Hiroshima Univ | 水域環境改善材およびそれを用いる水域環境改善方法 |
JP2007105676A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Nippon Steel Corp | 製鋼スラグを利用した水質改善方法 |
WO2007046557A1 (ja) * | 2005-10-21 | 2007-04-26 | Jfe Steel Corporation | スラグ材及びその製造方法並びにそのスラグ材を利用した環境改善材料、環境改善方法及び土木建築材料 |
JP2007319819A (ja) * | 2006-06-02 | 2007-12-13 | Kansai Pgs Kk | リンの回収方法 |
JP2009207992A (ja) * | 2008-03-04 | 2009-09-17 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | 発泡体材料の製造システム及び製造方法 |
WO2012029736A1 (ja) * | 2010-09-02 | 2012-03-08 | 株式会社ヤマト | 水生植物を用いた水処理方法 |
WO2016199896A1 (ja) * | 2015-06-11 | 2016-12-15 | 久夫 大竹 | 被処理水中のリンの回収システム、被処理水中のリンの回収方法、肥料及び肥料原料並びに黄リン原料 |
JP6060320B1 (ja) * | 2015-06-11 | 2017-01-11 | 久夫 大竹 | 被処理水中のリンの回収システム、被処理水中のリンの回収方法 |
CN107683262A (zh) * | 2015-06-11 | 2018-02-09 | 大竹久夫 | 被处理水中的磷的回收系统、被处理水中的磷的回收方法、肥料及肥料原料以及黄磷原料 |
JP2021115552A (ja) * | 2020-01-28 | 2021-08-10 | 中国電力株式会社 | 水処理装置及び水処理方法 |
JP7530590B2 (ja) | 2020-01-28 | 2024-08-08 | 中国電力株式会社 | 水処理装置及び水処理方法 |
KR20220023631A (ko) * | 2020-08-21 | 2022-03-02 | (주)동부그린 | Tdf 연소재를 이용한 옥시디아닐린 제조공정폐수의 총질소 제거를 위한 전처리장치와 이를 이용한 전처리방법 |
KR102548062B1 (ko) | 2020-08-21 | 2023-06-27 | (주)동부그린 | Tdf 연소재를 이용한 옥시디아닐린 제조공정폐수의 총질소 제거를 위한 전처리장치와 이를 이용한 전처리방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0970599A (ja) | 排水処理装置および排水処理方法 | |
KR100883436B1 (ko) | 생물막을 이용한 비점오염원 처리장치 및 처리방법 | |
CN103466810B (zh) | 一种污染河道综合治理的方法 | |
CN102285740A (zh) | 一种垃圾渗滤液无废处理方法 | |
WO2000018694A1 (fr) | Composition de denitrification, destinee a l'enlevement de l'azote des nitrates, et procede de production associe | |
JP2003053379A (ja) | 水質浄化及び水中成分の回収方法 | |
CN113860497A (zh) | 城市及市政污水脱氮除磷填料及其制备方法 | |
CN111170597A (zh) | 一种原位底质改良剂 | |
JP4945742B2 (ja) | 底質改善材およびそれを用いる底質改善方法 | |
JP4269086B2 (ja) | 硝酸性窒素脱窒素用組成物及びその製造方法 | |
JPS63236596A (ja) | 廃水の活性汚泥処理方法 | |
CN112851082A (zh) | 一种河床底泥生态修复床及其制备方法 | |
JP5305047B2 (ja) | 固形有機物分解型液肥供給装置、および固形有機物分解型液肥供給方法 | |
CN111689586A (zh) | 一种河道淤泥处理系统以及水质净化器制备方法 | |
JP4947247B2 (ja) | 硝酸性窒素等除去用組成物及びその製造方法 | |
JP2001047086A (ja) | 硝酸性窒素脱窒用活性化材 | |
JP2004237170A (ja) | 硝酸性窒素及びリン含有水の処理方法及び処理装置 | |
CN110857236A (zh) | 生态河湖水下森林构建方法 | |
JP4474690B2 (ja) | 水質浄化用多孔質石材及び水質浄化方法 | |
KR101177477B1 (ko) | 친환경적인 초기우수처리 및 빗물의 재이용 방법 | |
JP2004000104A (ja) | 水中又は水浜の環境改善方法 | |
JP4423962B2 (ja) | 水底におけるメタンガスの発生防止方法及び有機性沈積物の処理方法 | |
JP2005013970A (ja) | 水の富栄養化防止システムおよび水の富栄養化防止方法 | |
Guyer et al. | An Introduction to Advanced Wastewater Treatment | |
CN114620832B (zh) | 一种硫磺基自养微生物脱氮材料及其制备和应用方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060601 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060613 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061017 |