JP2003053125A - 酸素透過高分子薄膜 - Google Patents

酸素透過高分子薄膜

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JP2003053125A
JP2003053125A JP2001251402A JP2001251402A JP2003053125A JP 2003053125 A JP2003053125 A JP 2003053125A JP 2001251402 A JP2001251402 A JP 2001251402A JP 2001251402 A JP2001251402 A JP 2001251402A JP 2003053125 A JP2003053125 A JP 2003053125A
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oxygen
polymer
thin film
cobalt
membrane
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Hiroyuki Nishide
宏之 西出
Hiromi Shinohara
浩美 篠原
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Waseda University
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Waseda University
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業、医療分野などに供給される酸素富化空
気または窒素富化空気の製造プロセスに使用することの
できる酸素透過高分子膜を提供すること。 【解決手段】 本発明の酸素透過薄膜は、ポリビニルイ
ミダゾールとコバルトポルフィリンとを含むことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業、医療分野な
どに供給される酸素富化空気または窒素富化空気の製造
プロセスに使用される酸素透過高分子膜に関し、さらに
詳しく言えば、ビニル芳香族アミンを含む重合体に、酸
素を極めて迅速に吸脱着できる特性を有するコバルトポ
ルフィリンを高い含量で配合した酸素透過高分子薄膜に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸素は製鉄など金属製造処理、酸化など
化学反応炉、エンジン、ボイラーなどの燃焼、廃水処理
などに関与して、工業的に最も広範囲に使用されている
汎用化学品である。肺疾患患者や未熟児への酸素吸入治
療、スポーツでの呼吸改善など医療にも用途が広い。一
方窒素は、防爆、食品保存、電子部品製造などのパージ
ガスとして多量に利用されている。
【0003】空気から酸素および窒素の分離濃縮法とし
ては、深冷分離法、吸着剤を用いた圧力スウィング法が
工業的に実施されているが、今後は膜分離法が優位にな
ると考えられている。空気の膜分離プロセスの利点は、
低い設備費、運転費、単純でコンパクトな装置、簡便な
操作、装置の容易なスケールアップ化などである。
【0004】膜分離の要件はまず、空気中の窒素に比し
て酸素を選択的に効率よく透過できる膜素材の開発にあ
る。現在、空気から酸素を透過濃縮できる高分子膜(酸
素透過膜)としては、シリコーン膜、ポリトリメチルシ
リルプロピン膜などが用いられ、一部では実用化されて
いる。これらの膜では、酸素透過選択性値(酸素透過係
数/窒素透過係数の比)が約2と高くないにもかかわら
ず、透過係数が10 [cm(STP)・cm/cm
・sec・cmHg]と大きいことを利用して、モジ
ュールや多段プロセスなどを組み入れることによって、
30%前後の酸素濃度の富化空気を得ている。
【0005】ところで、工業用、医療用により有用な高
い酸素濃度の酸素富化空気や、不活性ガスとして多量に
利用されている高窒素富化空気を、省エネルギー・省設
備の実効がある一段階の膜透過で得るためには、高い酸
素透過選択性の膜が不可欠となる。例えば、酸素濃度9
0%(あるいは、逆に残留空気の窒素濃度99%)の酸素
(あるいは窒素)富化空気を空気の一段処理で得るため
には、酸素選択性値が20以上であることが不可欠であ
る。ところが既存の高分子膜では、酸素選択性5前後の
膜は、透過性が10−10以下と著しく低下してしま
い、両者は二律背反の関係にあることが知られている。
【0006】本発明者らは従来より、酸素分子を迅速且
つ可逆的に吸脱着できるコバルトポルフィリン錯体の合
成を継続的に行ってきた。その結果、固相高分子膜中に
おいても空気から酸素分子を選択的、迅速且つ可逆的に
吸脱着できるコバルトポルフィリン錯体の要件を明らか
にし、これが酸素富化膜の構成物質として利用できるこ
とを明らかにしてきた(特開昭62−171730号、
特開平4−341329号、特開平4−341330
号、特開平4−341331号、特開平11−2626
43号公報)。具体的には、メソ−テトラキス(α,α,
α,α−o−ピバルアミドフェニル)ポルフィリナトコ
バルト(以後、ピケットフェンスコバルトポルフィリン
と略記)で代表される、ポルフィリン面上に酸素結合の
ためのキャビティ様の枠組みを持つ高度に修飾されたコ
バルトポルフィリンと、ポリ(1−ビニルイミダゾー
ル)で代表される芳香族アミン高分子から成る錯体から
調製される膜である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、産業界
の各方面で既に利用されている高酸素富化空気および高
窒素富化空気を経済性の優れた一段の膜透過によって連
続的に得るためには、酸素選択性値が20以上であるこ
とが不可欠である。さらに酸素透過係数も10 桁に
近いことが、多量の酸素(窒素)富化空気の製造には必要
となる。
【0008】本発明者らは、酸素運搬体としての金属ポ
ルフィリン錯体についての10数年来の研究をもとに
(例えば、土田・西出、Topics in Current Chemistr
y、132巻、63-99頁、1986年、西出・土田、Macromolecul
e-Metal Complexes、第4・2節、Springer出版、Berlin、
1996年)、固相状態においても空気から酸素を選択的、
迅速且つ実用に供し得る寿命で可逆的に吸脱着できる高
分子配位子と金属ポルフィリンの組成物(高分子錯体)
の要件を系統的に明らかにしてきた。しかしながら、こ
れら高分子錯体から成る膜において空気透過を行ったと
ころ、既存の高分子膜を超える酸素選択性値10が、供
給側の酸素分圧10cmHg(76cmHg=1気圧)
程度以下の作動条件で達成できたものの、目標値には到
らず一層の高性能膜が望まれた。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明者らは、コバルトテトラフェニルポルフィリ
ンやコバルトオクタエチルポルフィリンのような単純な
コバルトポルフィリンでも、イミダゾールなど芳香族ア
ミン配位子との錯体として、その溶液を低温(例えば、
−30℃)冷却すれば、空気から選択的に酸素分子を結
合し、コバルトポルフィリンと酸素分子が1:1(モル
比)で結合した可逆的な付加体を生成するという古くか
ら知られている事実(例えば、Ibersら、J. Am. Chem. S
oc., 94巻、1559頁、1972年)に着目し、固相膜に絞っ
て研究を鋭意重ねたところ、これらの単純なコバルトポ
ルフィリンでも供給側の酸素分圧の高い条件では、室温
でも酸素付加体を生成し、それから酸素が脱着する速度
が極めて高いことを見出し、これに基づき本発明を完成
させた。すなわち、本発明の酸素透過高分子薄膜は、ビ
ニル芳香族アミンを含む重合体と、コバルトポルフィリ
ンとを含むことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の酸素透過高分子薄膜は、コ
バルトポルフィリンの量がビニル芳香族アミンを含む重
合体とコバルトポルフィリンとの合計重量の10〜70
重量%と、従来にものに比べて高い含量で含有され、ま
た、含有されるコバルトポルフィリンとビニル芳香族ア
ミン残基とのモル比が、1:1.1〜1:5であること
を特徴とするものであり、配合されるコバルトポルフィ
リンが、コバルトテトラフェニルポルフィリン、コバル
トオクタエチルポルフィリン、コバルトプロトポルフィ
リンIXジエステルのいずれか1種あるいはこれらから選
択される2種以上の混合物であることを特徴とする。
【0011】さらに、本発明の酸素透過高分子薄膜は、
ビニル芳香族アミンを含む重合体がビニルイミダゾール
を含む重合体であり、好ましくはこのビニルイミダゾー
ルを含む重合体が1−ビニルイミダゾールとアルキルメ
タクリレートとの共重合体あることを特徴とするもので
ある。
【0012】また、本発明には、上記のビニル芳香族ア
ミンを含む重合体とコバルトポルフィリンとを含む酸素
透過高分子薄膜を、多孔性の膜やホローファイバーなど
の多孔性の支持体に、ビニル芳香族アミンを含む重合体
とコバルトポルフィリンとを含む溶液を塗工するなどの
方法により、積層ないしは複合化された酸素透過性の積
層ないし複合膜を提供することも含まれ、このようにし
て得られる本発明の酸素透過高分子膜は、多孔性の支持
体上に、上記の酸素透過高分子薄膜を積層したものであ
ることを特徴とする。
【0013】なお、本発明においては、上記のビニル芳
香族アミンを含む重合体とコバルトポルフィリンとを含
み、酸素の選択透過性、すなわち分離機能を奏する機能
性膜自体を「高分子薄膜」と称し、この機能性膜である
「高分子薄膜」が支持体上に積層ないし複合化された構
造の分離膜全体を「高分子膜」と称したものである。従
って、本発明の「薄膜」という用語は単に両者の膜を区
別するためのものであって、膜自体が有する膜厚によっ
て薄膜か否かが左右されるものではない。
【0014】次に、本発明の酸素透過高分子薄膜の酸素
分離機構について説明する。
【0015】上述したように、コバルトポルフィリンを
イミダゾールなど芳香族アミンを配位子として錯体とし
た場合に、低温下、溶液中でコバルトポルフィリンと酸
素分子が1:1(モル比)で結合した可逆的な付加体を
生成する。ここで、コバルトポルフィリン(CoP)と
イミダゾール(Im)の錯体への酸素分子の可逆的な結
合は次式で表される。
【0016】
【数1】 式(1)、(2)において、Kは酸素結合の平衡定数
(酸素付加体の生成定数)、konは酸素結合の速度定
数、koffは酸素脱着の速度定数。なお、KはCoP
の半量が酸素と結合する酸素分圧(p50)としても表示
される(p50はKの逆数で、小さいほど酸素親和性が
大)。そこで、一連のコバルトポルフィリンと高分子イ
ミダゾールの組成物(錯体)の溶液と、それらから作成
される固相(溶液を含まない)膜を対象とし、酸素分子の
結合反応についてフラッシュホトリシス法により酸素付
加体にレーザー光を照射、脱離した酸素の再結合反応を
高速分光して酸素結合速度定数kon、酸素脱着速度定
数koffを各温度で測定すると、例えば25℃では、
ポリ(ビニルイミダゾール−コ−オクチルメタクリレー
ト)とピケットフェンスコバルトポルフィリンの錯体の
ジクロロメタン溶液で、その酸素親和性はp50=25
cmHgと高かったのに対し、同溶液中で、同高分子と
コバルトテトラフェニルポルフィリンの錯体では、p
50=790cmHgと酸素親和性が著しく低いこと、
また酸素脱着の速度koffが前者では7.3×10
sec−1であるのに対し、後者では1.7×10
ec−1と極めてkoffが大きく、これが著しく低い
酸素親和性の原因であることがわかった。
【0017】また、後述するようにポリビニルイミダゾ
ールとコバルトポルフィリンとを含む特定の組成物から
成る錯体から作製された高分子薄膜においても溶液の場
合と同様に、低い酸素親和性(p50=980cmH
g)と10桁の極めて大きなkoff値が得られた。
【0018】すなわち、本発明で用いるこれらのコバル
トポルフィリンとポリイミダゾールとの錯体が、ピケッ
トフェンスコバルトポルフィリンの錯体の場合と異な
り、室温・空気下においては酸素付加体を与えないの
は、(i)酸素付加体の生成定数(安定度)Kが単に小さ
いためであり、従って、酸素加圧下(酸素O濃度の充
分に高い条件下)では、式(1)の平衡は右へ移行し、
充分に酸素分子を結合し得ること。また、(ii)小さな
生成定数は、極めて大きな酸素脱着速度(koff)に
よるため(つまり、式(2))で分母koffが大のた
めKが小となる)であった。
【0019】以上のように、本発明の酸素透過高分子薄
膜ないし酸素透過高分子膜は、イミダゾールのような芳
香族アミンとコバルトポルフィリンとの錯体が、低い酸
素親和性と極めて大きな酸素脱着速度定数とを有するこ
とを積極的に利用するものであり、膜の供給側で空気中
の酸素が膜内含有コバルトポルフィリンに結合して選択
的に膜内に取り込まれ、コバルトポルフィリンとの迅速
な結合脱着を繰り返して、膜の取り出し側から放出され
るという促進輸送(西出・土田、Polymers forGas Separ
ation、第6章、VCH出版、New York、1992年)の原理に基
づいて選択的に酸素が膜透過するものである。
【0020】従って、本発明の酸素透過高分子薄膜ない
し酸素透過高分子膜を介して空気から酸素富化空気を得
るには、供給側の空気の酸素分圧を高めることが好まし
く、酸素分圧を高めることは、空気を加圧することによ
り容易に達成できる。
【0021】本発明の特徴と利点とをまとめて列挙する
と以下のとおりである。
【0022】(1) 酸素の脱着定数(koff)が極め
て大きいコバルトポルフィリンを酸素の選択的な運搬体
として膜内に含むため、膜内での酸素輸送(透過)の効
率が高い。
【0023】(2) 本発明で用いるコバルトポルフィリン
は分子寸法が比較的小さいため、高い含量で高分子膜中
に保持でき、かつ膜内でのモル当りの含有量も大きい。
【0024】(3) 錯形成のためのポリビニル芳香族アミ
ンとしてのポリビニルイミダゾールやその組成も含めた
重合体の選択、多孔膜を支持膜としてバーコーターを用
いて塗工するような簡便な方法により積層ないしは複合
膜を作製することにより、10 −9〜10−10桁の酸
素透過性でかつサブミクロン以下の膜厚の高分子薄膜を
得ることができ、結果として充分に高い酸素の透過量が
達成される。
【0025】(4) 本発明でのコバルトポルフィリンは酸
素運搬体としての酸素への親和性(K値あるいはp50
値の逆数)が小さいが、これを補うため原料となる酸素
(すなわち空気)を加圧して膜の供給側に与えている
(取り出し側は常圧)。このような膜の供給側加圧、取
り出し側常圧の酸素富化空気の製造プロセスは、従来の
供給側常圧、取り出し側減圧のプロセスより、経済性は
はるかに高い。
【0026】(5) 本発明でのコバルトポルフィリンは、
室温大気下では酸素を結合しないため、開放下で膜の作
製に当たっても、その劣化(酸化)は発生しない。
【0027】(6) 本発明でのコバルトポルフィリンは単
純な化学構造で市販品も多く、安価である。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
【0029】本発明の酸素透過高分子薄膜は、ビニル芳
香族アミンを含む重合体とコバルトポルフィリンとを含
むものであって、これらのビニル芳香族アミンを含む重
合体とコバルトポルフィリンとは高分子錯体を形成した
状態で高分子薄膜中に存在している。このようなコバル
トポルフィリン−ポリビニル芳香族アミン錯体を含む膜
は、室温、酸素加圧下で酸素付加体の形成、脱酸素化を
繰り返しており、これはIR測定によるコバルトに配位
した酸素分子の伸縮振動(1149cm−1)の発現・
消失により確認された。また、フラッシュホトリシス法
によりコバルトポルフィリンへの酸素の再結合反応を測
定したところ、再結合反応は数十μ秒のオーダーで完了
し、固相であるにもかかわらず迅速に酸素付加体が形成
された。
【0030】本発明において用いられるコバルトポルフ
ィリンは、コバルトテトラフェニルポルフィリン、コバ
ルトオクタエチルポルフィリンおよびその誘導体などの
ような化学的に合成された、有機溶媒に可溶のコバルト
ポルフィリンで、適当な芳香族アミン類と溶液中で混合
してその第5座に錯形成することにより、活性化して
(本発明では固相膜の状態でも)酸素分子を選択的かつ
可逆的に結合し得るものであればよく、酸素を選択的に
透過させる機能を奏するものである。また、コバルトポ
ルフィリンとしては上記の他、牛血などを原料として誘
導される有機溶媒に可溶なコバルトプロトポルフィリン
IXジエステルなども同様に利用でき、これらのコバル
トポルフィリンを1種または2種以上併用して用いるこ
とができる。
【0031】コバルトポルフィリンに錯形成させ、また
膜を構築するビニル芳香族アミンを含む重合体として
は、側鎖に、コバルトポルフィリンと錯形成が可能な芳
香族アミンを有する重合体であればよく、例えば、芳香
族アミンとしてイミダゾール、ピリジンなどを有するビ
ニルモノマーであり、1−ビニルイミダゾール、3−ビ
ニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピ
リジンなどの単独重合体あるいはこれらを含む共重合体
があげられる。
【0032】ビニル芳香族アミンを有する重合体と錯形
成したコバルトポルフィリンの酸素親和性は、芳香族ア
ミン残基の種類により変化し、その酸素親和性、すなわ
ち、1/p50は、1−ビニルイミダゾール=3−ビニ
ルイミダゾール>4−ビニルピリジン>2−ビニルピリ
ジンの順に低下することから、ポリビニルピリジンを使
用した場合、ポリイミダゾールに比べてより大きな圧力
を供給側にかける必要が生じるため、操作性の見地から
ポリイミダゾールを用いることが好ましく、そのなかで
も特に1−ポリイミダゾールが好ましいものである。
【0033】また、上記のビニル芳香族アミンを有する
重合体は、成膜性の見地から共重合体であることが好ま
しく、使用できる共重合体成分としては、例えば、アル
キルメタクリレート、アルキルアクリレート、ビニルピ
ロリドン、酢酸ビニルなどの成膜性を有するものがあげ
られる。上記のアルキルメタクリレートおよびアルキル
アクリレートのアルキル基の炭素数は1〜20程度のも
のが使用できるが、好ましくは炭素数1〜15のアルキ
ル基を有するアルキルメタクリレートまたはアルキルア
クリレートである。以上のような共重合体成分は単独で
あるいは2種以上を併用して用いることができる。
【0034】なお、メタクリレートとアクリレートとを
比較すると、共重合体成分として大量にアクリレートを
使用した場合、メタクリレートに比べ得られる膜がより
親水性となるため、膜の寿命が短くなる傾向がみられた
ことから、共重合体成分としてはメタクリレートがより
好ましいものである。ただし、共重合体成分として比較
的少量のアクリレートを使用することは何ら問題がな
く、また、メタクリレートと併用しても差し支えない。
【0035】現在のところ、得られる膜の成膜性や操作
性を考慮すると、ビニル芳香族アミンを有する重合体と
しては、1−ビニルイミダゾールとアルキルメタクリレ
ートの共重合体が好ましく、特に炭素数1〜15のアル
キルメタクリレートとの共重合体が特に好ましいもので
ある。
【0036】ビニル芳香族アミンを有する重合体は、ビ
ニル芳香族アミンを単独であるいはこれに1種以上の共
重合成分を加えて、通常のラジカル重合法により製造す
ることができる。得られる重合体の分子量は数万〜数十
万程度であることが、成膜性の点から好ましい。
【0037】なお、例えば、ポリビニルイミダゾール単
独重合体またはその共重合体の代わりに、低分子のイミ
ダゾール誘導体を用い、汎用の高分子を第3成分として
成膜すると、作動中に低分子イミダゾールが蒸散したり
して作動寿命が低下してくるので、高分子錯体化させる
ことが重要である。
【0038】本発明の酸素透過高分子薄膜は、以上のよ
うにして得られたビニル芳香族アミンを有する重合体と
コバルトポルフィリンとを混合し、高分子錯体を形成さ
せるが、高分子錯体の形成は溶液中で行うことが好まし
い。使用できる溶媒としては、コバルトポルフィリンと
重合体を溶解するものであればよく、例えば、トルエ
ン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホル
ムなどの各種溶剤があげられる。また、高分子錯体の形
成は、両者を混合溶解することで起こり、通常、室温〜
60℃、1〜数時間程度撹拌することによって達成され
る。
【0039】ビニル芳香族アミンを含む重合体と、コバ
ルトポルフィリンとの配合量は、コバルトポルフィリン
の配合割合が、ビニル芳香族アミンを含む重合体とコバ
ルトポルフィリンとの合計重量に対して10〜70重量
%、好ましくは30〜50重量%前後、となるように配
合することが好ましい。この場合、コバルトポルフィリ
ンとビニル芳香族アミン残基とのモル比が、1:1.1
〜1:5の範囲となるように、ビニル芳香族アミンを含
む重合体中の芳香族アミン残基の組成を選択する。
【0040】なお、コバルトポルフィリン含量が10重
量%未満では、酸素選択比が低くなる傾向を示し、70
重量%を超えると膜が脆くなり、成膜が困難となる傾向
がみられた。
【0041】コバルトポルフィリンとして、コバルトテ
トラフェニルポルフィリンを用い、ビニル芳香族アミン
を含む重合体として、ポリ(ビニルイミダゾール−コ−
オクチルメタクリレート)を用いた場合について、得ら
れた高分子錯体を化学式で示すと以下のようになる。
【0042】
【化1】 式中のm、nはそれぞれポリマー分子中におけるビニル
イミダゾールおよびオクチルメタクリレートのモル数を
示しており、酸素はポルフィリン面上のコバルトに配位
し、付加・脱着を繰り返す。
【0043】以上のようにして得られた、高分子錯体溶
液をキャストすることにより本発明の酸素透過高分子薄
膜が得られるが、酸素透過膜として実際に使用する場合
には、この酸素透過高分子薄膜を多孔性の支持体上に設
けた酸素透過高分子膜とすることが好ましい。
【0044】多孔性支持体は、酸素透過高分子膜に機械
的強度を付与するとともに、酸素分離機能を有する本発
明の酸素透過高分子薄膜を具現するものである。従って
多孔性支持体としては、機械的強度をもちガス透過性の
ものであって、コバルトポルフィリンとポリビニル芳香
族アミンとの溶液(すなわち、高分子錯体溶液)をコー
ティングして酸素分離機能を有する活性層を支持体上に
成膜する際に、その溶媒に耐性を持ち、かつ多孔性支持
体中の孔に活性膜成分が流入して閉塞しなければ、どの
ようなものであっても使用できる。このようなものとし
ては、例えば、ポリアクリロニトリルの多孔膜、ポリウ
レタンの多孔膜、ポリプロピレンの多孔膜、ホローファ
イバーなどがあげられる。
【0045】高分子薄膜の膜厚(コバルトポルフィリン
を含む活性層)はサブミクロン以下で0.1〜0.01
μm程度であることが充分な酸素富化空気の量を得るに
望ましい。このような薄膜を多孔性支持体、すなわち多
孔膜上に成膜して積層化ないし複合化するには、例えば
スピンコーティング法、キャスト法など公知の方法によ
り塗工し成膜することができるが、特に実験室において
はバーコーター法は簡便で試料の損失少なく目的に合致
した薄膜を生成できる方法である。バーコーター法は支
持多孔膜上に流置したコバルトポルフィリンとポリビニ
ル芳香族アミンとの溶液(高分子錯体溶液)を、極微の
溝が刻まれた円柱状棒で展開、これを乾燥して成膜する
方法である。同円柱状棒としてはRK Print Coat Instru
ments 社製などがある。
【0046】なお、本発明による酸素透過高分子薄膜ま
たは酸素透過高分子膜を用いて空気から酸素を分離する
には、供給側を1気圧(76cmHg)以上、5気圧
(380cmHg)程度以下の範囲で設定し、取り出し
側を開放常圧(1気圧)として用いることが好ましい。
【0047】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0048】実施例1 コバルトテトラフェニルポルフィリン、正式名5,1
0,15,20−テトラフェニルポルフィリナトコバル
ト(II) (Aldrich社製、以下CoTPPと略記)は市販品
をそのまま使用した。ポリ(ビニルイミダゾール−コ−
オクチルメタクリレート)(以下OImと略記)は、1
−ビニルイミダゾールとオクチルメタクリレートのラジ
カル共重合により合成した。ビニルイミダゾール残基の
含量は30モル%、分子量43000、固有粘度0.6
4g/dl(トルエン中、30℃)、ガラス転移点−
0.6℃であった。
【0049】OIm 3.80mgとCoTPP 1.8
6mgをトルエン0.5mlに溶解混合した。バーコー
ター(RK Print Coat Instruments 社製、0番)を用い
て、上記溶液をポリアクリロニトリル(以下PANと略
記)支持膜(Deutscher Paket Dienst, Hellmann Gmbh
& Co. KG.社製、平均孔径30nm、膜厚250μm)
上へ均一に流延、50℃で乾燥、さらに真空下で溶媒を
完全に除去して、均一に赤色を呈した薄膜(膜厚0.0
80μm)が積層された高分子膜を得た。薄膜中のCo
TPP含量は32重量%であった。
【0050】次に、この高分子膜の断面を走査型電子顕
微鏡にて観察し、薄膜が支持膜と密着して均一に薄膜が
生成していることを確かめた。得られた走査型電子顕微
用写真を図1に示す。
【0051】図1によれば、上部の白色均一層がコバル
トポルフィリンを含む活性な薄膜で、膜厚は0.08μ
mと読みとれた。下部は支持膜として使用したPAN多
孔膜である。本発明の高分子膜は、上部の活性薄膜は均
質で欠陥がなく、しかも多孔性支持膜と空隙無く密着
し、かつ多孔中には侵入していない、複合構造を有して
いることがわかる。
【0052】また、本発明の高分子膜に欠陥がないこと
は、後述する気体透過の測定においても支持された。す
なわち、気体透過測定において窒素の透過係数が供給側
圧力によらず一定であったことから、薄膜にピンホール
欠陥がないことが示された。測定結果を図2に示した。
図2は、差圧(供給側の酸素分圧−透過側の酸素分圧で
示される、ただし、窒素の場合も同じく、供給側の窒素
分圧−透過側の窒素分圧で示される)に対する窒素と酸
素の気体透過係数の変化を示したもので、図中「●」は
酸素の気体透過係数を、また「○」は窒素の気体透過係
数を示しており、窒素の気体透過係数が差圧によらず一
定であるが、酸素の透過係数は供給圧力が減少するにれ
て著しく増大することがわかる。
【0053】逆に、支持膜の空孔がCoTPP含有層で
閉塞していないことは、CoTPP含有薄膜の膜厚を変
化させた膜を対象に透過性を測定した場合、窒素の透過
係数に変化がなかった結果から示された。具体的に数値
で示すと、例えば、高分子薄膜の膜厚が0.080μm
では、8.0×10−12[cm(STP)・cm/c
・sec・cmHg]であり、0.16μmでは
7.9×10−12[cm (STP)・cm/cm
sec・cmHg]と変化がなかった。
【0054】また、膜中のCoTPP錯体への酸素の可
逆的な吸脱着は低温、または加圧下での可視吸収スペク
トルの変化(等吸収点;420、537nmを持ち、酸
素化;430、546nm、脱酸素化;410、529
nmを可逆的に変化)により確認できた。このことか
ら、式(1)で示した平衡が存在していることがわか
る。透過性の測定は次のようにして行った。図3に測定
装置の概略を示した。図3において、膜を設置するステ
ンレス製の透過セル(Permeation cell)は、内径2c
mの円盤状の空洞をもち、中央に膜を支持する氷結板メ
ッシュ(内径2cm)を備えている。氷結板メッシュの
上に測定のため高分子膜をCoTPP含有薄膜を供給側
に向けて載置し、2cmのO−リングを載せ、セルを密
閉し、圧力調整器を介してガス(空気、酸素、あるいは
窒素)を供給した。供給圧は76cmHg〜380cm
Hgである。セル下部の透過側(常圧)から透過したガ
スを取り出し、その量を流量計に連結し、単位体積が透
過してくるのに要する時間を計測した。また、ガスの分
析は、透過してきたガスををガスクロマトグラフィー
(島津製作所製、GC−14B)に連結し分析した(図
示せず)。膜の有効面積(ここでは直径2cm)、膜厚
(薄膜の膜厚を上記のようにして電子顕微鏡にて測
定)、供給圧を用いて気体透過係数を算出した。
【0055】以上のようにして酸素および窒素の透過係
数PO2およびPN2[cm(STP)・cm/cm
・sec・cmHg]を求めたところ、供給側酸素圧8
0cmHgの条件下で、PO2=3.6×10−10
N2=8.0×10−12が得られ、(酸素/窒素)透
過選択性(α)は47であり、酸素を極めて効率よく透過
した。
【0056】同膜を100℃で、3日間処理して不活性
化させた膜を装置セル内に設置し、同条件下で気体透過
量を測定した場合の参照値は、PO2=4.2×10
−11であり、(酸素/窒素)透過選択性α=5とな
り、明らかに本発明の膜は高い酸素透過性を有すること
がわかった。
【0057】実施例2 実施例1で合成したOIm 3.8mgとCoTPP
2.7mg蒸留テトラヒドロフラン0.5mlに溶解混
合させた。実施例1と同じくバーコーターを用いて、上
記溶液をPAN支持膜上に流延、膜厚0.076μmの
薄膜を得た。CoTPP含量は42%であった。実施例
1と同様にして気体透過量を測定をしたところ、PO2
=1.1×10−9(供給側酸素分圧77cmHg)で
あり、(酸素/窒素)透過選択性α=162で、実施例
1と同じ方法で処理して得られた参照膜でのPO2
2.5×10−11、α=3.6と比較して、明らかに
本発明の膜は高い酸素透過性を有することがわかった。
【0058】実施例3 コバルトポルフィリンとして、2,3,7,8,12,
13,17,18−オクタエチルポルフィリナトコバル
ト(II)(Aldrich社製、以下CoOEPと略記)を用
い、実施例1と同じOImと用い、トルエンをキャスト
溶媒として、実施例1と同じ手順で薄膜を作成した(C
oOEP含量は18%、膜厚0.088μm)。
【0059】実施例1と同じく気体透過量を測定したと
ころ、PO2=6.7×10−10(供給側酸素分圧7
9cmHg)、(酸素/窒素)透過選択性α=19で、
酸素を効率よく透過した。
【0060】実施例4 実施例1で使用したOImに代えて、ポリ(ビニルイミ
ダゾール−コ−ラウリルメタクリレート)(LImと略
記)を使用した。LImは1−ビニルイミダゾールとラ
ウリルメタクリレートのラジカル共重合により合成し
た。ビニルイミダゾール残基の含量は35モル%、分子
量73000、固有粘度0.78g/dl(トルエン
中、30℃)、ガラス転移点−5.1℃であった。トル
エンをキャスト溶媒として、実施例1と同じ手順で薄膜
を作成した(CoTPP含量26重量%、膜厚0.08
8μm)。
【0061】実施例1と同様にして気体透過量を測定し
たところ、PO2=9.8×10 10 (供給側酸素
分圧79cmHg)、(酸素/窒素)透過選択性α=1
1で、酸素を効率よく透過した。
【0062】実施例5 CoTPP 1.86mg、OIm 3.80mgをジク
ロロメタン1mlに溶解した。水平に設置したPAN支
持膜上に上記溶液を流延し、徐々に溶媒を蒸散させるこ
とにより均一な膜を得た。この薄膜はCoTPP含量3
2重量%、膜厚0.10μmであった。実施例1と同じ
く気体透過量を測定をしたところ、P =9.8×1
−10 (供給側酸素分圧77cmHg)、(酸素/
窒素)透過選択性α=14で、酸素を効率よく透過し
た。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、高い酸素選択性を有す
る酸素透過高分子薄膜が提供され、これを用いる膜分離
法により効率よく酸素富化空気あるいは窒素富化空気を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素透過高分子膜の膜断面の状態を示
す透過型電子顕微鏡写真である。図中、上部の白色均一
層がコバルトポルフィリンを含む活性な薄膜で、下部は
支持膜として使用したPAN多孔膜である。
【図2】本発明の酸素透過高分子膜の窒素と酸素の気体
透過係数の変化を、差圧(供給側の酸素(または窒素)
分圧−透過側の酸素(または窒素)分圧で示される)に
対してプロットしたグラフである。図中、「●」は酸素
の気体透過係数を、「○」は窒素の気体透過係数を示
す。
【図3】気体透過性を測定するための測定装置の概略を
示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25:18 C08L 25:18 Fターム(参考) 4D006 GA41 MA06 MB03 MB11 MB16 MC21 MC23 MC39 MC51 MC53 MC72 PA01 PB17 PB62 PC41 4F071 AA33X AA37 AA37X AC12 AC19 AF08 AH02 BA02 BB02 BC01 BC02 4G042 BA30 BB02 BC04 BC05 BC06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族アミンを含む重合体と、コ
    バルトポルフィリンとを含む酸素透過高分子薄膜。
  2. 【請求項2】 コバルトポルフィリンの配合割合が、ビ
    ニル芳香族アミンを含む重合体とコバルトポルフィリン
    との合計重量に対して10〜70重量%である請求項1
    記載の酸素透過高分子薄膜。
  3. 【請求項3】 コバルトポルフィリンとビニル芳香族ア
    ミン残基とのモル比が、1:1.1〜1:5である請求
    項1または請求項2に記載の酸素透過高分子薄膜。
  4. 【請求項4】 コバルトポルフィリンが、コバルトテト
    ラフェニルポルフィリン、コバルトオクタエチルポルフ
    ィリン、コバルトプロトポルフィリンIXジエステルから
    選択される1種以上のコバルトポルフィリンである請求
    項1〜請求項3のいずれかに記載の酸素透過高分子薄
    膜。
  5. 【請求項5】 ビニル芳香族アミンを含む重合体がビニ
    ルイミダゾールを含む重合体である請求項1〜請求項4
    のいずれかに記載の酸素透過高分子薄膜。
  6. 【請求項6】 ビニルイミダゾールを含む重合体が1−
    ビニルイミダゾールとアルキルメタクリレートとの共重
    合体である請求項5記載の酸素透過高分子薄膜。
  7. 【請求項7】 多孔性の支持体上に、請求項1〜請求項
    6のいずれかに記載の酸素透過高分子薄膜を積層した酸
    素透過高分子膜。
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