JP2003052854A - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JP2003052854A
JP2003052854A JP2001243924A JP2001243924A JP2003052854A JP 2003052854 A JP2003052854 A JP 2003052854A JP 2001243924 A JP2001243924 A JP 2001243924A JP 2001243924 A JP2001243924 A JP 2001243924A JP 2003052854 A JP2003052854 A JP 2003052854A
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golf ball
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cover
core
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JP2001243924A
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Yoshiyuki Okido
義之 大城戸
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明により、安定した大量生産が可能であ
り優れた生産性を有し、かつ飛行性能並びに打球感およ
びコントロール性に優れたゴルフボールを提供する。 【解決手段】 本発明は、コアと該コアの周りに被覆さ
れるカバーとから成るゴルフボールにおいて、該カバー
用組成物が過酸化物架橋が可能なミラブルポリウレタン
25〜90重量%を含有することを特徴とするゴルフボ
ールに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフボール、特
に優れた飛行性能を有し、かつ優れた打球感およびコン
トロール性を有するゴルフボールに関する。
【従来の技術】ゴルフボールのカバーとしてアイオノマ
ー樹脂が広く使用されている。これは、アイオノマー樹
脂が反発性、耐久性、加工性等に優れているためであ
る。しかしながら、アイオノマー樹脂は高い剛性と硬度
を有するため、従来からある糸巻きゴルフボールのカバ
ーであるバラタ(トランスポリイソプレン)に比べて、
打球感やコントロール性が劣る。
【0002】そこで、近年、上記以外のカバー材とし
て、熱硬化性ポリウレタン樹脂を用いたり(特開昭51
‐74726号公報、特許第2662909号公報、米
国特許第4,123,061号、特開平2‐26147
8号公報、特開平6‐182002号公報等)、ポリウ
レタン系熱可塑性エラストマーを用いる(米国特許第
3,395,109号、米国特許第4、248、432
号、特開平9‐271538号公報、特開平11‐25
3580号公報等)ことによって上記の問題を解決しよ
うとする試みも数多く提案されている。
【0003】このような熱硬化性ポリウレタンカバーを
使用したゴルフボールは、アイオノマー樹脂カバーを使
用したゴルフボールに比較して、反発弾性に富み、バラ
タカバーのような優れた打球感やコントロール性が得ら
れる。しかしながら、このような熱硬化性ポリウレタン
樹脂をカバーに用いた場合、液体状態から反応、硬化さ
せてコアに被覆するため、ポリウレタンの反応性の制御
が困難であるという問題、コアの偏芯の問題、コアにカ
バーを被覆する工程が複雑化するため、量産化が困難で
あり、生産性が低下する等の問題を有していた。
【0004】また、カバー材にポリウレタン系熱可塑性
エラストマーを用いる場合、射出成形が可能であり、熱
硬化性ポリウレタン樹脂に比較すると、生産性は向上す
るが、粘度がばらつきやすくて安定した大量生産が困難
であり、打球感、コントロール性および反発性が十分に
は得られないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来のポリウレタンカバーを用いたゴルフボールの有
する問題点を解決し、安定した大量生産が可能であり優
れた生産性を有し、かつ飛行性能並びに打球感およびコ
ントロール性に優れたゴルフボールを提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カバー組成物中に
特定量の過酸化物架橋が可能なミラブルポリウレタンを
含有することによって、安定した大量生産が可能であり
優れた生産性を有し、かつ飛行性能並びに打球感および
コントロール性に優れたゴルフボールが得られることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、コアと該コアの周りに被
覆されるカバーとから成るゴルフボールにおいて、該カ
バー用組成物が過酸化物架橋が可能なミラブルポリウレ
タン25〜90重量%を含有することを特徴とするゴル
フボールに関する。
【0008】更に、本発明を好適に実施するために、上
記カバー用組成物が、過酸化物架橋が可能なミラブルポ
リウレタン100重量部に対して、共架橋剤5〜50重
量部、架橋助剤5〜50重量部および有機過酸化物0.
1〜5重量部を含有し、上記カバー用組成物が、過酸化
物架橋が可能なミラブルポリウレタン100重量部に対
して、メタクリル酸マグネシウム5〜50重量部、酸化
マグネシウム5〜50重量部およびジクミルパーオキサ
イド0.1〜5重量部を含有し、上記カバー用組成物
が、過酸化物架橋が可能なミラブルポリウレタン100
重量部に対して、α,β‐不飽和カルボン酸エステル3
〜30重量部を含有し、上記カバー用組成物が、過酸化
物架橋が可能なミラブルポリウレタン100重量部に対
して、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステル
3〜30重量部を含有し、上記カバー用組成物が、過酸
化物架橋が可能なミラブルポリウレタン100重量部に
対して、メタクリル酸マグネシウム5〜50重量部、酸
化マグネシウム5〜50重量部、ジクミルパーオキサイ
ド0.1〜5重量部およびメタクリル酸エステルまたは
アクリル酸エステル3〜30重量部を含有することが好
ましい。
【0009】以下、本発明のゴルフボールを図1を参照
して更に詳細に説明する。図1は本発明のゴルフボール
の1つの態様を示す概略断面図である。本発明のゴルフ
ボールはコア(1)および該コア上に形成されたカバー
(2)から成る。本発明のゴルフボールは、糸巻きゴルフ
ボールであっても、ツーピースゴルフボール等のソリッ
ドゴルフボールであってもよい。糸巻きゴルフボールに
用いられるコア(糸巻きコア)は、従来から用いられて
いるものであってもよく、センターとそのセンターの周
囲に糸ゴムを延伸状態で巻き付けることによって形成し
た糸ゴム層とから成る。センターとしては液系(リキッ
ドセンター)またはゴム系(ソリッドセンター)のいず
れを用いてもよい。また、上記センター上に巻き付ける
糸ゴムは、糸巻きゴルフボールの糸巻き層に従来から使
用されているものと同様のものを用いてもよく、例えば
天然ゴムまたは天然ゴムと合成ポリイソプレンに硫黄、
加硫助剤、加硫促進剤、老化防止剤等を配合したゴム組
成物を加硫することによって得られたものを用いてもよ
い。糸ゴムはセンター上に約10倍に引き伸ばして巻き
付けて糸巻きコアを作製する。
【0010】更に、ソリッドゴルフボールに用いられる
コア(ソリッドコア)も、従来から用いられているもの
であってもよく、例えばポリブタジエンゴム等の基材ゴ
ム100重量部に対して、アクリル酸、メタクリル酸等
のような炭素数3〜8のα,β-不飽和カルボン酸または
その亜鉛、マグネシウム等の一価または二価の金属塩
や、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の官
能性モノマーから成る加硫剤(架橋剤)を単独または合
計で10〜60重量部、有機過酸化物等の共架橋開始剤
0.5〜5重量部、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の充填材
10〜30重量部、要すれば老化防止剤等を含有するゴ
ム組成物を、通常の混練ロール等の適宜の混練機を用い
て均一に混練し、金型内で加硫成形することにより球状
のコア(1)を得ることができる。この際の条件は特に限
定されないが、通常は130〜240℃、圧力2.9〜
11.8MPa、15〜60分間で行われる。得られた
コア(1)は、その周りに被覆されるカバーとの密着性を
向上するため、表面をバフ研磨しておくことが好まし
い。更に、上記ソリッドコアは単層構造を有しても、2
層以上の多層構造を有していてもよい。但し、これらの
ソリッドコア、糸巻きコアは単なる例示であって、それ
らに限定されるものではない。
【0011】上記コア(1)の直径は、38.8〜41.
8mm、好ましくは39.6〜40.8mmである。3
8.8mmより小さいと糸ゴム層が少なくなり、反発性
が低下する。41.8mmより大きいと、成形が困難で
あり、かつカバーとしての特徴がでない。上記コア上に
は、次いでカバーを被覆する。
【0012】本発明のゴルフボールに用いられるカバー
用組成物は、組成物の総重量に対して、過酸化物架橋が
可能なミラブルポリウレタン25〜90重量%を含有す
ることを要件とするが、好ましくは45〜80重量%、
より好ましくは50〜75重量%である。上記ミラブル
ポリウレタンの配合量が25重量%未満では、反発性が
低下して飛距離が低下する。90重量%を超えると、硬
度を維持するための充填材が相対的に少なくなり、カバ
ーが軟らかくなって反発性が低下する。
【0013】本明細書中で、「ミラブルポリウレタン」
とは、二官能性ポリオールとジイソシアネートとをほぼ
等モル反応させて得られるヒドロキシル基末端のウレタ
ンプレポリマー(鎖状重合体)であり、常温でゴム状で
ロール混練可能な(millable)ポリウレタンを意
味する。上記ポリオールとしては、ポリエステルポリオ
ールおよびポリエーテルポリオール共に使用できるが物
性面からポリエステルが多く用いられる。上記ジイソシ
アネートとしては、2,4‐トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレ
ンジイソシアネートと2,6‐トリレンジイソシアネー
トの混合物(TDI)、4,4’‐ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)等が用いられる。
【0014】上記ミラブルポリウレタンは、架橋剤、充
填材、添加剤等を加えて、従来のジエン系ゴムと同様の
混練工程によりシート状に加工し、加圧加熱下で成形す
ることが可能であり、既存のゴム加硫設備をほとんどそ
のまま利用することができる。上記ウレタンプレポリマ
ーの架橋としては、ジイソシアネート、過酸化物、硫黄
による架橋がある。ジイソシアネート架橋では、ジイソ
シアネート二量体が架橋剤として用いられ、上記ポリマ
ー間の活性水素化合物間で架橋が形成される。過酸化物
および硫黄架橋では、上記ウレタンプレポリマーに若干
の不飽和結合を導入する。過酸化物架橋では、ウレタン
プレポリマーのジイソシアネートとして通常4,4’‐
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用い、
そのメチレン基の炭素原子が架橋点になると考えられて
おり、C‐C結合が形成される。更に非黄変性で4,
4’‐ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H
12MDI)が用いられたものも同様のメカニズムとな
る。硫黄架橋では、ウレタンプレポリマーのポリオール
の一部として例えばグリセロールモノアリルエーテルを
使用する方法があり、C‐S‐C結合が形成される。
【0015】本発明のゴルフボールに用いられるカバー
用組成物は、過酸化物架橋が可能なミラブルポリウレタ
ン、共架橋剤、架橋助剤、有機過酸化物、α,β‐不飽
和カルボン酸エステル等を含有することが望ましい。
【0016】本発明のゴルフボールでは、カバー(2)に
用いられるミラブルポリウレタンは、過酸化物架橋が可
能な不飽和結合を導入したものであれば特に限定されな
いが、例えば前述のようにジイソシアネートとして通常
4,4’‐ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)を用いたもの等を用いることができる。そのような
ミラブルウレタンの具体例として、例えばTSE社(T
SE Industries,Inc.)から商品名
「ミラセン(Millathane)」で市販されて
いるミラブルポリウレタン(例えば「ミラセンE−3
4」、「ミラセン76」等)、ラインケミー社(Rhe
in Chemie Rheinau GmbH)から
商品名「ウレパン(Urepan)」で市販のミラブ
ルポリウレタン(「ウレパン50EL 06G」等)等
が挙げられる。
【0017】上記カバー用組成物の共架橋剤としては、
別々に配合しカバー組成物の混合中に反応させてα,β
‐不飽和カルボン酸の金属塩とするアクリル酸またはメ
タクリル酸等のような炭素数3〜8個のα,β‐不飽和
カルボン酸と酸化マグネシウム等の金属酸化物との組合
せや、元からα,β‐不飽和カルボン酸の金属塩の形の
もの(例えば、メタクリル酸マグネシウム、アクリル酸
亜鉛等)、トリメチロールプロパントリメタクリレート
等の官能性モノマー、またはそれらの混合物が挙げられ
る。好ましくはメタクリル酸マグネシウムを配合するの
がよい。配合量はα,β‐不飽和カルボン酸の金属塩の
場合、ミラブルポリウレタン100重量部に対して、5
〜50重量部、好ましくは10〜40重量部である。5
重量部未満では、軟らかくなり過ぎて得られるゴルフボ
ールの反発性が低下して飛距離が低下する。50重量部
より多いと、硬くなり過ぎて打球感が悪くなる。α,β
‐不飽和カルボン酸と金属酸化物との組合せの場合、
α,β‐不飽和カルボン酸は5〜50重量部、好ましく
は10〜40重量部であり、金属酸化物は5〜50重量
部、好ましくは10〜40重量部である。
【0018】上記カバー用組成物の架橋助剤として、酸
化マグネシウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、
酸化マグネシウムが好ましい。配合量は、ミラブルポリ
ウレタン100重量部に対して、5〜50重量部、好ま
しくは10〜40重量部である。5重量部未満では所望
の硬度が得られず飛距離が低下し、50重量部より多い
と配合量を増加しても効果の向上が得られず、多量の充
填材を配合した形となり反発性が低下する。
【0019】上記カバー用組成物に用いられる有機過酸
化物は、架橋開始剤として作用し、例えばジクミルパー
オキサイド、1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)‐3,
3,5‐トリメチルシクロヘキサン、2,5‐ジメチル‐
2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)へキサン、ジ‐t‐
ブチルパーオキサイド等が挙げられ、ジクミルパーオキ
サイドが好適である。上記有機過酸化物の配合量は、ミ
ラブルウレタン100重量部に対して、0.1〜5.0
重量部、好ましくは0.2〜4.5重量部、より好まし
くは0.3〜4.0重量部である。0.1重量部未満で
は加硫が十分に行われず反発性が低下し、5.0重量部
を越えるとコアが硬く脆くなって耐久性が低下する。
【0020】上記カバー用組成物に用いられるα,β‐
不飽和カルボン酸エステルは、所望の硬度を得るために
配合され、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル
酸、マレイン酸等のメチル、エチル、プロピル、n‐ブ
チル、イソブチルエステル等が用いられ、特にアクリル
酸エステルとメタクリル酸エステルが好ましい。配合量
は、ミラブルポリウレタン100重量部に対して、3〜
30重量部、好ましくは5〜20重量部である。上記配
合量が3重量部未満では硬度が不十分であり飛距離が低
下し、30重量部を超えると硬くなり過ぎて打球感が悪
いものとなる。
【0021】本発明のゴルフボールに用いられる上記カ
バー用組成物は、上記の基材樹脂の他に必要に応じて、
硫酸バリウム等の充填材;二酸化チタン等の着色剤;分
散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材
料、蛍光増白剤等の添加剤等をゴルフボールカバ−によ
る所望の特性が損なわれない範囲で含有してもよいが、
通常、着色剤の配合量は0.1〜0.5重量部が好まし
い。
【0022】本発明のゴルフボールのカバー(2)の形成
は、ゴルフボールカバーの形成に使用されている一般に
公知の方法を用いて行うことができ、特に限定されるも
のではない。上記カバー用組成物を、予め半球殻状のハ
ーフシェルに成形し、それを2枚用いてコアを包み、加
熱プレス成形するか、または上記カバー用組成物を直接
コア上に射出成形してコアを包み込む方法を用いてもよ
い。前述のように、ミラブルポリウレタンを含有する本
発明のカバー用組成物は、コアの製造に用いられるゴム
加硫設備をほとんどそのまま使用することができるた
め、一般に射出成形に比べて製造装置のコストが安価で
あるプレス成形が好適である。
【0023】加硫条件として、加硫温度は130〜20
0℃、好ましくは132〜190℃、より好ましくは1
35〜180℃であり、加硫時間は3〜60分間、好ま
しくは4〜55分間、より好ましくは5〜50分間であ
る。上記加硫温度が130℃より低いと加硫時間が長く
なって生産性が低下し、200℃より高いと過加硫とな
って脆くなり耐久性が低下する。上記加硫時間が3分間
より短いと加硫が十分に行われず反発性が低下し、60
分間より長いと過加硫となって脆くなり耐久性が低下す
る。
【0024】また、(a)コア用ゴム組成物を球形に成形
して未加硫コアを形成する工程、(b)カバー用組成物を
図2に示すような半球状凹型(3)に入れ、半球状凸型
(4)を用いて、半加硫するか、または半加硫ではなく未
加硫の状態でシュリンクしない程度に加熱して半加硫ま
たは未加硫の半球殻状カバー(5)に形成する工程、およ
び(c)半球状凸型(4)を取り除いた後、工程(a)で形成
した未加硫コア(8)を半加硫または未加硫カバー(5)の
凹み部分に載せ、別途工程(b)と同様に形成した半加硫
または未加硫の半殻状カバー(5)で挟んで一体加硫成形
してゴルフボールを形成する工程、を含むゴルフボール
の製造方法を用いることもできる。
【0025】上記のようにして得られたカバー(2)は、
厚さ0.3〜3.0mm、好ましくは0.35〜2.5
mm、より好ましくは0.4〜2.0mmを有すること
が望ましい。0.3mmより薄いとカバーの強度が低下
して耐久性が悪くなり、3.0mmより厚いと反発性が
低下して飛距離が低下する。
【0026】本発明のゴルフボールのカバー(2)はショ
アD硬度30〜70、好ましくは33〜65、より好ま
しくは35〜60を有することが望ましい。上記カバー
硬度が30より小さいと軟らかくなり過ぎて反発性が低
下し、70より大きいと硬く脆くなり打球感が硬くて悪
いものとなり、また耐久性が低下する。尚、本明細書中
で、カバー硬度とは、コア上にカバーを被覆して得られ
たゴルフボール表面で測定した硬度を意味する。
【0027】本発明のゴルフボールでは、カバー成形
後、ペイント仕上げ、マーキングスタンプ等も必要に応
じて施し得る。本発明のゴルフボールは、ゴルフボール
規則に基づいて、直径42.67mm以上(好ましくは
42.67〜42.82mm)、重量45.93g以下
に形成される。
【0028】本発明のゴルフボールは、初期荷重98N
を負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときま
での変形量2.0〜4.5mm、好ましくは2.7〜
4.0mm、より好ましくは2.5〜3.8mmを有す
ることが望ましい。2.0mm未満では硬くなり過ぎて
打球感が硬くて悪いものとなり、3.20mmを越える
と軟らかくなり過ぎて反発性が低下する。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0030】(実施例1)以下の表2に示した配合を有
するカバー用組成物Aを混合し、混練ロールを用いて混
練し、図2に示すような半径21.9mmを有する半球
状凹型(3)に3.5g入れ、半球状凸型(4)を用いて、
160℃で5分間加熱プレスして半球殻状カバー(5)に
形成した。上記半球殻状カバー(5)を金型から取り出
し、ディンプルが形成された半径21.9mmを有する
半球状凹型(7)にセットし、以下の表1に示した配合の
ゴム組成物を混合、混練したものを半球殻状カバー(5)
の凹み部分に40g仕込み、別途同様に形成した半殻状
カバー(5)で挟んで160℃で20分間加熱プレスする
ことによって一体加硫成形して、直径42.7mmおよ
び重量45.3gを有するゴルフボールを形成した。カ
バー厚さは1mmであった。
【0031】(比較例1〜2) コアの作製 以下の表1に示した配合のゴム組成物を混合、混練し、
半球状キャビティーを有する上下金型内で160℃で2
0分間加熱プレスして、直径40.7mmを有するコア
を作製した。
【0032】
【表1】
【0033】(注1)JSR(株)から商品名「BR01」
で市販のハイシスポリブタジエンゴム(シス‐1,4‐
ポリブタジエン含量:96%)
【0034】ゴルフボールの作製(カバーの形成) (比較例1)(i)予め80℃に加熱した上側および下側
半金型のキャビティに以下の表2に示した配合のポリウ
レタン製カバー用組成物Bを5gずつ注入し、(ii)12
分後、型締めする間にコアが上記上側半金型から脱落し
なくなったところで上記上側半金型を反転し、上記上側
半金型を徐々に下降し、型締めし、10分間加熱プレス
し、(iii)室温になるまで冷却してから上側半金型を上
昇させて型開きして成形物を取り出し、重量45.3g
および直径42.7mmを有するゴルフボールを得た。
尚、カバーの厚さは1mmであった。
【0035】(比較例2)以下の表2に示した配合のカ
バー用組成物Cを、上記のようにして得られたコア上に
直接射出成形して、重量45.3gおよび直径42.7
mmを有するゴルフボールを得た。尚、カバーの厚さは
1mmであった。
【0036】
【表2】
【0037】(注3):4,4’‐ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)とポリテトラメチレンエーテルグ
リコール(PTMG)とから成るプレポリマー (注4):ポラロイド社から商品名「ポラミン(Pola
mine)250」で市販のポリテトラメチレンオキサ
イド‐ジ‐p‐アミノベンゾエート(分子量:約476
g/モル) (注5):BASFポリウレタンエラストマーズ(株)から
商品名「エラストランET880」で市販の4,4’‐
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を使用した
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー
【0038】得られた各ゴルフボールに関して、圧縮変
形量および飛距離を測定し、その結果を以下の表3に示
した。試験方法は以下の通り行った。
【0039】(試験方法) 圧縮変形量 ゴルフボールに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷
重1275Nを負荷したときまでの変形量を測定した。
【0040】飛行性能 ツルーテンパー社製スイングロボットにメタルヘッド製
ウッド1番クラブ(ドライバー、W#1)を取付け、ヘ
ッドスピードを45m/秒に設定して各ゴルフボールを
打撃し、飛距離としてキャリー(落下点までの距離)を
測定した。測定は各ゴルフボールで5回(n=5)行っ
て、その平均を算出して、各ゴルフボールの結果とし
た。
【0041】(試験結果)
【表3】
【0042】表3に示した結果から明らかにように、カ
バーに過酸化物架橋の可能なミラブルポリウレタンを用
いた本発明の実施例1のゴルフボールは、比較例1〜2
のゴルフボールに比較して、同等の圧縮変形量を保持し
ながら、飛距離が長くなっていることがわかった。これ
は、実施例1のゴルフボールは最終的な架橋を過酸化物
により行うことができるため、反発性に有利な架橋構造
となるものと考えられる。
【0043】これに対して、比較例1のゴルフボールは
カバーに熱硬化性ポリウレタンを用いているため、圧縮
変形量が若干小さくて硬くなっているものの、反発性が
低下して飛距離が短くなっている。これは、比較的分子
量の大きな状態まで直鎖状に伸ばした重合体であるミラ
ブルポリウレタンを過酸化物架橋した実施例1に比べ
て、熱硬化性ポリウレタンを用いた比較例1の方が架橋
密度が大きく、硬くなり過ぎて反発性が劣るためである
と考えられる。
【0044】比較例2のゴルフボールは、カバーにポリ
ウレタン系熱可塑性エラストマーを用いているため、基
本的には架橋を有しておらず、反発性が低下して飛距離
が短くなっている。
【0045】
【発明の効果】本発明のゴルフボールは、カバー組成物
中に特定量の過酸化物架橋が可能なミラブルポリウレタ
ンを含有することによって、安定した大量生産が可能で
あり優れた生産性を有し、かつ飛行性能並びに打球感お
よびコントロール性に優れたゴルフボールを提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のゴルフボールの1つの態様を示す概
略断面図である。
【図2】 本発明のゴルフボールのカバー成形用金型の
1つの態様を示す概略断面図である。
【図3】 本発明のゴルフボールのコア成形用金型の1
つの態様を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 … コア 2 … カバー 3、6、7 … 半球状凹型 4 … 半球状凸型 5 … 半殻状カバー 8 … コア

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアと該コアの周りに被覆されるカバー
    とから成るゴルフボールにおいて、該カバー用組成物が
    過酸化物架橋が可能なミラブルポリウレタン25〜90
    重量%を含有することを特徴とするゴルフボール。
  2. 【請求項2】 前記カバー用組成物が、過酸化物架橋が
    可能なミラブルポリウレタン100重量部に対して、共
    架橋剤5〜50重量部、架橋助剤5〜50重量部および
    有機過酸化物0.1〜5重量部を含有する請求項1記載
    のゴルフボール。)
  3. 【請求項3】 前記カバー用組成物が、過酸化物架橋が
    可能なミラブルポリウレタン100重量部に対して、
    α,β‐不飽和カルボン酸エステル3〜30重量部を含
    有する請求項1記載のゴルフボール。
  4. 【請求項4】 前記カバー用組成物が、過酸化物架橋が
    可能なミラブルポリウレタン100重量部に対して、メ
    タクリル酸マグネシウム5〜50重量部、酸化マグネシ
    ウム5〜50重量部、ジクミルパーオキサイド0.1〜
    5重量部およびメタクリル酸エステルまたはアクリル酸
    エステル3〜30重量部を含有する請求項1記載のゴル
    フボール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9610477B2 (en) * 2015-06-26 2017-04-04 Acushnet Company Golf ball incorporating at least one layer formed from a millable polyurethane rubber composition
CN115386217A (zh) * 2022-09-23 2022-11-25 东莞华工佛塑新材料有限公司 一种高尔夫球外层胶用聚氨酯混炼胶及其制备方法和应用

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