JP2003052377A - 核酸の検出法 - Google Patents

核酸の検出法

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JP2003052377A JP2001247537A JP2001247537A JP2003052377A JP 2003052377 A JP2003052377 A JP 2003052377A JP 2001247537 A JP2001247537 A JP 2001247537A JP 2001247537 A JP2001247537 A JP 2001247537A JP 2003052377 A JP2003052377 A JP 2003052377A
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剛希 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多重鎖核酸を簡便かつ高精度に検出する方法
を提供する。 【解決手段】 プローブ核酸に対して試料核酸を相互作
用させ、該プローブ核酸と該試料核酸とのハイブリダイ
ゼーションによりハイブリッド多重鎖核酸を形成させる
工程を含み、上記ハイブリッド多重鎖核酸に対して2種
以上の発光性の多重鎖核酸親和性化合物を相互作用さ
せ、該2種以上の多重鎖核酸親和性化合物間で起こる相
互作用の結果として生じる発光を検出する方法であっ
て、2種以上の発光性の多重鎖核酸親和性化合物として
それぞれ発光量子収率が0.1〜0.9のクロモフォア
を有する化合物を用いる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多重鎖核酸を簡便
かつ高精度に検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒト遺伝子配列の解析がほぼ終了し、今
後これらの情報を元に遺伝子の機能解明が急速に進むも
のと予想されている。DNAチップは、スライドガラス
等の固相担体に多数のDNA分子を整列させたマイクロ
アレイであり、遺伝子の発現、変異、多型性等の同時解
析に非常に有用である。このDNAチップを用いるDN
Aチップ技術は、DNA以外の生体分子にも適用可能で
あり、創薬研究、疾病の診断や予防法の開発、エネルギ
ーや環境問題対策等の研究開発に新しい手段を提供する
ものとして期待されている。
【0003】DNAチップ技術の具体化は、DNAの塩
基配列をオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーショ
ンによって決定する方法(SBH,sequencin
gby hybridization)が考案された
ことに始まる(Dr m a n ac,R.et al.,G
enomics,4,page 114(198
9)),SBHは、ゲル電気泳動を用いる塩基配列決定
法の限界を克服できる方法ではあったが、実用化には至
らなかった。その後、DNAチップ作製技術が開発さ
れ、遺伝子の発現、変異、多型等を短時間で効率よく調
べるいわゆるHTS(high−throughput
screening)が可能となった(Fodor,
S.P.A.,Science,251,page 7
67(1991)及びSchena,M.,Scien
ce,270,page 467(1995))。
【0004】しかしながら、DNAチップ作製技術を実
用化するためには、多数のDNA断片やオリゴヌクレオ
チドを固相担体表面に整列させるためのDNAチップの
作製技術が必要とされるほか、作製されたDNAチップ
上のDNA断片と試料核酸断片とのハイブリダイゼーシ
ョンを高感度かつ正確に検出する技術も必要となる。一
般的には、試料核酸断片を標識した後にハイブリダイゼ
ーションさせることにより検出が行なわれるが、この標
識工程は各試料毎に行う必要があり、標識反応の他に標
識された核酸と反応せずに残存する標識用化合物とを分
離するための精製工程も必要になるなど煩雑である。
【0005】この煩雑な標識工程を省略する方法とし
て、例えば特開平5−199898号公報に記載されて
いるように、インターカレーターを用いてハイブリダイ
ゼーションにより形成される多重鎖核酸のみを検出する
方法が提案されている。共有結合による標識が検出対象
核酸を変成させ、正確なハイブリダイゼーションを阻害
してしまう懸念があるのに対して、インターカレーター
を用いる方法は標識工程を不要にするばかりでなく、上
記問題を解消できる可能性があるものと考えられてい
る。
【0006】上記特開平5−199898号公報に記載
されているインターカレーターは検出を電気化学的に行
うものであり、電気化学的な検出のために装置の小型化
が可能であるなどいくつかの有利な点はあるものの、電
気化学的に検出を行うためにプローブ核酸を電極表面に
固定する必要があるため、電極の作成や電極表面への核
酸の固定化などいくつかの新たな難しい課題が生じてし
まう。
【0007】このような理由から、現在広く行われてい
る蛍光スキャナーを用いて検出を行う方法に適したイン
ターカレーターの開発が望まれている。しかし、これま
でに知られているインターカレーターは多重鎖核酸と相
互作用しうるばかりでなく、試料となる単鎖核酸とも相
互作用し、その選択性が不十分であるという問題を有し
ている。この問題以外にも、多重鎖核酸検出用のインタ
ーカレーターとして具備すべき条件として、高い感度、
高いS/Nを実現するため、多重鎖核酸へのインターカ
レート効率が高いこと、インターカレートした状態とし
ていない状態とでインターカレーターから発せられるシ
グナル強度が大きく異なることなどが要求される。ま
た、蛍光色素を結合した形のインターカレーターにおい
ては、高い蛍光色素の発光効率のほか、可視領域に吸収
極大を有するなど蛍光スキャナーの励起光源及び検出波
長に適性を有していることが必要であり、波長調節性の
高い色素骨格が望まれている。以上の条件を満たすイン
ターカレーターが強く望まれているが、実用的なレベル
のものが見出されているとは言えない状況にある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、多重
鎖核酸の検出方法を提供することにある。より具体的に
は、DNAチップあるいはDNAアレイなどの遺伝子解
析に利用可能な多重鎖核酸の検出方法を提供することに
あり、検出シグナルの強度向上と高いS/N比を与える
多重核酸の検出方法を提供することが本発明の課題であ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、発光性ク
ロモフォアを有し、単鎖核酸よりも多重鎖核酸に対して
選択的な親和性を有する化合物(以下、単鎖核酸よりも
多重鎖核酸に対して選択的な親和性を有する化合物を
「多重鎖核酸親和性化合物」と称する。)をプローブ核
酸と試料核酸とのハイブリダイゼーションにより生成し
たハイブリッド多重鎖核酸に相互作用させ、該多重鎖核
酸親和性化合物より発せられるシグナルを高いS/N比
で検出する方法について鋭意研究を行った。その結果、
2種以上の発光性の多重鎖核酸親和性化合物を多重鎖核
酸に相互作用させ、それらの化合物間の相互作用の結果
として生じる発光を検出することにより、高感度に多重
鎖核酸を検出できることを見出した。
【0010】上記の方法において、多重鎖核酸を識別し
て高い強度のシグナルを検出するためには、多重鎖核酸
親和性化合物が多重鎖核酸への高い相互作用力を有する
こと、及び高い多重鎖/単鎖識別性を有することのほ
か、高い発光効率を有することも必要と予想された。し
かしながら、上記の予想に反して、2種以上の発光性の
多重鎖核酸親和性化合物として発光量子収率が0.1〜
0.9のクロモフォアを有する化合物を用いた場合に極
めて高い検出感度を達成できることが見出された。本発
明は上記の知見を基にして完成されたものである。
【0011】すなわち、本発明は、プローブ核酸に対し
て試料核酸を相互作用させ、該プローブ核酸と該試料核
酸とのハイブリダイゼーションによりハイブリッド多重
鎖核酸を形成させる工程を含み、上記ハイブリッド多重
鎖核酸に対して2種以上の発光性の多重鎖核酸親和性化
合物を相互作用させ、該2種以上の多重鎖核酸親和性化
合物間で起こる相互作用の結果として生じる発光を検出
する方法であって、2種以上の発光性の多重鎖核酸親和
性化合物としてそれぞれ発光量子収率が0.1〜0.9
のクロモフォアを有する化合物を用いる方法を提供する
ものである。
【0012】本発明の好ましい態様によれば、プローブ
核酸が固相担体上に固定されている上記の方法;及び発
光性の多重鎖核酸親和性化合物が下記一般式(I): (IC)−〔(L)m−(SIG)qn (式中、ICは多重鎖核酸との親和性を有する基を示
し;Lは2価の連結基を示し;SIGは発光量子収率が
0.1〜0.9のクロモフォアを示し;nは2、3、又
は4の整数を示し;mは0又は1を示し;qは0又は1
を示すが、ただしn個の (L)m−(SIG)qにおいてす
べてのqが0であることはなく、n個の (L) m−(SI
G)qにおいて、それぞれのL、m、SIG、qは同一で
あっても異なっていてもよい)で表される化合物である
上記の方法が提供される。また、別の観点からは、上記
の方法に用いるための上記一般式(I)で表される化合
物が本発明により提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】本明細書において、多重鎖核酸と
は核酸が相補的配列に由来する相互作用により集合した
状態を指している(相互作用による多重鎖核酸の生成過
程を「ハイブリダイゼーション」と呼ぶ場合がある)。
多重鎖核酸は二本鎖、三本鎖、又は四本鎖などの状態を
とることが知られており、本明細書における多重鎖核酸
にはこれらの多重鎖も包含される。核酸としてはDNA
又はRNAのほか、これらの化学修飾体が数多く知られ
ており、さらにPNAと呼ばれるポリペプチド鎖を主鎖
に有する核酸類縁体なども知られているが、本明細書に
おける多重鎖核酸にはこれらがすべて包含される。本発
明においてより好ましく用いられる核酸はDNA、RN
A、及びこれらの化学修飾体であり、二本鎖、三本鎖、
又は四本鎖の中では二本鎖が好ましい。プローブ核酸と
試料核酸とのハイブリダイゼーションにより生成される
多重鎖核酸を本明細書において「ハイブリッド多重鎖核
酸」と呼ぶ。
【0014】本発明において用いられる発光性の多重鎖
核酸親和性化合物において、該化合物が有するクロモフ
ォアの発光量子収率は0.1〜0.9の範囲(本明細書
において「〜」で示される数値範囲は上限及び下限の数
値を含む範囲である)であり、好ましくは0.2〜0.
9であり、さらに好ましくは0.3〜0.85である。
発光量子収率の測定法は、例えばJ.Phys.Che
m.,65,229〜235、Handbook of
Organic Photochemistry
(J.C.Scaiano編集、CRC Press,
Boca Raton刊)、Trans.Farada
y Soc.,53,646〜655に記載の方法で行
うことができる。
【0015】該多重鎖核酸親和性化合物の部分構造であ
るクロモフォア(通常は発光性化合物の残基に相当す
る)の量子収率は、クロモフォアに対応する発光性化合
物を製造してその発光量子収率を測定すればよい。多重
鎖核酸親和性化合物が複数のクロモフォアを有する場合
には、それぞれのクロモフォアに対応する化合物を製造
してそれらの発光量子収率を測定すればよいが、本発明
の方法では、それらの発光量子収率のうちの少なくとも
1つが0.1〜0.9の範囲の範囲に収まればよい。複
数のクロモフォアを有する化合物において、それらのク
ロモフォアが不可分である場合には、それらを1つのク
ロモフォアとして測定を行うことができる。なお、クロ
モフォアの発光量子収率に大きな影響を与える部分構造
が存在しない場合には、多重鎖核酸親和性化合物自体の
発光量子収率を測定してもよい。
【0016】多重鎖核酸親和性化合物の間の相互作用と
しては、多重鎖核酸親和性化合物が接近した場合に著し
く強度が大きくなる相互作用を利用し、その相互作用の
結果として生じる発光を検出することが好ましい。この
ような相互作用としては、例えば、電子移動又はエネル
ギー移動などを有利に利用できるが、通常はエネルギー
移動による発光を検出することが好ましい。
【0017】本発明で特に好ましく用いられる発光性の
多重鎖核酸親和性化合物は上記の一般式(I)で表され
る。一般式(I)において、好ましいICとしては平面
3環性構造または平面4環性構造を有する基を挙げるこ
とができる。平面3環性構造の例としては、例えば、ア
ントラセン、アントラキノン、フェナントレン、フェナ
ントロリン、キサンテン、カルバゾール、フェナントリ
ジン、フェナジン、アクリジンなどが挙げられる。平面
4環性構造の例としては、平面3環性構造の例として挙
げたものにさらに平面性の環構造を縮合させたものが挙
げられる。より好ましい構造としては「分析化学」、第
48巻、12号、1095頁−1105頁(1999
年)に記載の縫い込み型インターカレーターとして記載
されている骨格が挙げられる。
【0018】Lは−C(R)(R')−、−O−、−N(R)
−、−N+(R)(R')−・X-、−S(O) r−、−CO−、
−S(=NR)t−又はアリーレン基の中から選ばれる2
価の基、又はこれらを組み合わせて得られる2価の基が
好ましい。R及びR'はそれぞれ独立に水素原子、アル
キル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、アンモ
ニオ基から選ばれる基などを示す。rは0、1、又は2
を表し、tは1又は2を示す。
【0019】SIGは発光量子収率が0.1〜0.9の
発光性の基を示す。発光性化合物の中では蛍光性色素が
好ましく、蛍光性色素としてはシアニン色素、オキソノ
ール色素、又はキサンテン色素が好ましい。上記一般式
(I)で表される化合物に好ましく用いられるSIGは
蛍光量子収率が0.2以上であり、さらに好ましくは蛍
光量子収率が0.3以上である。SIGで表される基を
与える特に好ましい蛍光性の色素化合物としては、例え
ば、モレキュラー・プローブス社のHandbook ofFluores
cent Probes and Research Chemicals 8th Edition(Mo
lecular Probes社刊CD−ROM、2001年)の中に
記載されている色素化合物や、特開2001−2709
57号公報に記載の色素化合物、特開2001−163
895号公報に記載の化合物の色素部分に相当するも
の、あるいはアマシャム・ファルマシア社から販売され
ているCy3又はCy5などの蛍光性色素が挙げられ
る。
【0020】本発明の方法の典型的態様は、下記の工
程: (1)プローブ核酸に対して試料核酸を相互作用させ、該
プローブ核酸と該試料核酸とのハイブリダイゼーション
によりハイブリッド多重鎖核酸を形成する工程; (2)2種以上の発光性の多重鎖核酸親和性化合物を該ハ
イブリッド多重鎖核酸に対して相互作用させる工程;及
び (3)上記2種以上の発光性の多重鎖核酸親和性化合物と
多重鎖核酸とが相互作用することによって生じる該多重
鎖核酸親和性化合物間の相互作用の結果として生じる発
光を検出する工程を含む。
【0021】プローブ核酸は溶液中に存在していてもよ
いが、固相担体に固定されていることが好ましい。固相
担体としては、疎水性の担体、あるいは親水性の低い担
体が好ましい。また、その表面が凹凸を有する平面性の
低いものも好ましく用いることができる。固相担体の材
質としては、ガラス、セメント、陶磁器等のセラミック
ス若しくはニューセラミックス、ポリエチレンテレフタ
レート、酢酸セルロース、ビスフェノールAのポリカー
ボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等
のポリマー、シリコン、活性炭、多孔質ガラス、多孔質
セラミックス、多孔質シリコン、多孔質活性炭、織捕
物、不織布、減紙、短繊維、又はメンブレンフィルター
等の多孔質物質などを拳げることができる。固相担体の
形状及び大きさは特に限定されず、平板状、球状、又は
棒状等であってもよく、ナノメートルオーダーのものか
らセンチメートルオーダーのものであってもよい。多孔
質物質の細孔の大きさは、例えば2〜1000nmの範
囲にあることが好ましく、2〜500n mの範囲にある
ことが特に好ましい。表面処理の容易さや電気化学的方
法による解析の容易さの観点から、固相担体の材質はガ
ラス又はシリコンであることが特に好ましい。平板プレ
ート状の固相担体(以下、このような形状の固相担体を
「基板」と呼ぶ場合があり、本発明の好ましい態様とし
て固相担体が基板である場合について説明する場合があ
る)の場合、固相担体の厚さは100〜2000μmの
範囲にあることが好ましい。
【0022】固相担体上へのプローブ核酸の固定化法
は、核酸断片の種類及び固相担体の種類に応じて適当な
方法を選択することができる(蛋白質・核酸・酵素,V
ol.43,No.13,2004−2011(199
8))。例えば、核酸断片がcDNAやPCR産物の場
合には、DNAの荷電を利用して、ポリリシン、ポリエ
チレンイミン、ポリアルキルアミン等の陽イオンで表面
処理した基板に静電結合させる方法を用いることができ
る。表面処理された基板上に、さらに電荷を有する親水
性の高分子物質等からなる層や架橋剤からなる層を設け
てもよい。また、基板によっては、その基板中に親水性
の高分子等を含ませることも可能であり、このような処
理を施した基板も好ましく用いることができる。表面処
理を行うことによって、疎水性の基板、あるいは親水性
に乏しい基板と核酸断片との静電的な相互作用を促進す
ることができる。このような場合、基板としては、表面
処理の容易さと解析の容易さのため、スライドガラスを
用いることが好ましい。
【0023】合成ヌクレオチドを固定する場合には、基
板上で直接合成する方法、あるいは予め末端に共有結合
のための官能基を導入したオリゴマーを合成し、表面処
理した基板に共有結合させる方法を用いることができ
る。官能基としてはアミノ基、アルデヒド基、メルカプ
ト基、ビオチン等を挙げることができる。基板として
は、ガラスやシリコンを用いることが好ましく、ガラス
やシリコンの表面処理には公知のシランカップリング剤
を用いることが好ましい。
【0024】基板上に固定される核酸は検出対象の試料
核酸であってもよいが、以下、便宜上、基板に固定する
核酸をプローブ核酸(以下、プローブ核酸の代表例とし
て「DNA断片」について説明する。)とし、該プロー
ブ核酸に相互作用させる核酸を試料核酸として説明す
る。
【0025】DNA断片は、目的によって二通りに分け
ることができる。遺伝子の発現を調べるためには、cD
NA、cDNAの一部、EST等のポリヌクレオチドを
使用することが好ましい。これらのポリヌクレオチド
は、その機能が未知であってもよいが、一般的にはデー
タベースに登録された配列を基にしてcDNAのライブ
ラリー、ゲノムのライブラリーあるいは全ゲノムをテン
プレートとしてPCR法によってDNA断片を増幅して
調製する。PCR法によって増幅しないDNA断片も好
ましく使用することができる。また、遺伝子の変異や多
型を調べるには、標準となる既知の配列をもとにして、
変異や多型に対応する種々のオリゴヌクレオチドを合成
し、これを使用することが好ましい。さらに、塩基配列
分析の場合には、4n(nは塩基の長さ)種のオリゴヌ
クレオチドを合成したものを使用することが好ましい。
DNA断片の塩基配列は、一般的な塩基配列決定法によ
って予めその配列が決定されていることが好ましい。D
NA断片は、2〜50量体であることが好ましく、10
〜25量体であることが特に好ましい。
【0026】DNA断片の固相担体上への点着は、例え
ば、DNA断片を水性媒体に溶解又は分散して水性液を
調製し、この水性液を96穴又は384穴プラスチック
プレートに分注し、分注した水性液をスポッター装置等
を用いて固相担体表面上に滴下して行うことが好まし
い。
【0027】点着後のDNA断片の乾燥を防ぐために、
DNA断片を溶解又は分散させた水性液中に高沸点の物
質を添加してもよい。高沸点の物質としては、DNA断
片を溶解又は分散させた水性液に溶解し得るものであっ
て、DNA断片と試料核酸とのハイブリダイゼーション
を妨げることがなく、かつ粘性の大きくない物質が好ま
しい。このような物質としては、グリセリン、エチレン
グリコール、ジメチルスルホキシド、及び低分子の親水
性ポリマーを挙げることができる。親水性ポリマーとし
ては、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、
ポリアクリル酸ナトリウム等を挙げることができる。ポ
リマーの分子量は103〜105の範囲にあることが好ま
しい。高沸点の物質としては、グリセリンあるいはエチ
レングリコールを用いることがさらに好ましく、グリセ
リンを用いることが特に好ましい。高沸点の物質の濃度
は、DNA断片の水性液中、0.1〜2容量%の範囲に
あることが好ましく、0.5〜1容量%の範囲にあるこ
とが特に好ましい。また、同じ目的のために、DNA断
片を点着した後の固相担体を90%以上の湿度及び25
〜50℃の温度範囲の環境に置くことも好ましい。
【0028】DNA断片を固相担体に点着後、紫外線、
水素化ホウ素ナトリウム、又はシッフ試薬などによる後
処理を施してもよい。これらの後処理は、複数の種類を
組み合わせて行ってもよく、加熱処理と紫外線処理など
を組み合わせて行うことが特に好ましい。点着後にイン
キュベーションを行うことも好ましい。インキュベート
後、未点着のDNA断片を洗浄して除去することが好ま
しい。
【0029】DNA断片の密度は、固相担体表面に対し
て102〜105種類/cm2の範囲にあることが好まし
い。DNA断片の量は、1〜10-15モルの範囲であ
り、質量としては数ng以下であることが好ましい。点
着によって、DNA断片の水性液は固相担体表面にドッ
トの形状で固定される。ドットの形状は通常ほとんど円
形である。形状に変動がないことは、遺伝子発現の定量
的解析や一塩基変異を解析するために重要である。ドッ
ト間の距離は、0〜1.5mmの範囲にあることが好ま
しく、100〜300μmの範囲にあることが特に好ま
しい。1つのドットの大きさは、直径が50〜300μ
mの範囲にあることが好ましい。点着する水性液の容量
は100pL〜1μLの範囲にあることが好ましく、1
〜100nLの範囲にあることが特に好ましい。
【0030】上記の工程によって作製されたDNA断片
が固定された固相担体(以下、「DNAチップ」とい
う)の寿命は、cDNAを固定したcDNAチップでは
数週間、オリゴDNAを固定したオリゴDNAチップで
はさらに長期間である。これらのDNAチップは、遺伝
子発現のモニタリング、塩基配列の決定、変異解析、多
型解析等に利用できる。
【0031】試料核酸としては、その配列や機能が未知
であるDNA断片又はRNA断片を含む試料を用いるこ
とが好ましい。試料核酸は、遺伝子発現を調べる目的で
は、真核生物の細胞や組織サンプルから単離することが
好ましい。試料がゲノムである場合には、赤血球を除く
任意の組織サンプルから試料核酸を単離することができ
る。赤血球を除く任意の組織は、抹消血液りンパ球、皮
膚、毛髪、精液等であることが好ましい。試料がmRN
Aの場合には、mRNAが発現される組織サンプルから
抽出することが好ましい。mRNAは、逆転写反応によ
りdNTP(「dNTP」は、塩基がアデニン(A)、
シトシン(C)、グアニン(G)若しくはチミン(T)
であるデオキシリボヌクレオチドを意味する。)を取り
込ませてcDNAとすることが好ましい。dNTPとし
ては、化学的な安定性の観点からdCTPを用いること
が好ましい。1回のハイブリダイゼーションに必要なm
RNA量は、液量や標識方法によって異なるが、数μg
以下であることが好ましい。DNAチップ上のDNA断
片がオリゴDNAである場合には、試料核酸は低分子化
しておくことが望ましい。原核生物の細胞では、mRN
Aの選択的な抽出が困難なため、全RNAを標識するこ
とが好ましい。
【0032】ハイブリダイゼーションは、試料核酸を溶
解又は分散させた水性液を96穴又は384穴プラスチ
ックプレートに分注しておき、上記で作製したDNAチ
ップ上のDNA断片の位置に点着することによって行う
ことができる。点着すべき水性液の容量は、例えば1〜
100nLの範囲にあることが好ましい。ハイブリダイ
ゼーションは、通常、室温〜70℃の温度範囲で6〜2
0時間の範囲で行うことができる。
【0033】ハイブリダイゼーション終了後、界面活性
剤と緩衝液との混合溶液を用いて洗浄を行い、未反応の
試料核酸を除去することが好ましい。界面活性剤として
は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を用いることが
好ましく、緩衝液としては、クエン酸緩衝被、リン酸緩
衝液、ホウ酸緩衝被、トリス緩衝液、グッド緩衝液等を
用いることができるが、クエン酸緩衝液を用いることが
特に好ましい。もっとも、ハイブリダイゼーションに際
して一般式(I)で表される化合物を共存させ、ハイブ
リッド多重鎖核酸と該化合物とを相互作用させる場合に
は、上記と同様に洗浄を行ってもよいが、蛍光共鳴エネ
ルギー移動現象を利用してエネルギー移動の結果として
生じる発光を検出する場合などには洗浄を行わず、その
まま光学的検出を行うことも可能である。
【0034】DNAチップを用いるハイブリダイゼーシ
ョンの特徴は、試料核酸の使用量が非常に少ないことで
ある。そのため、固相担体に固定するDNA断片の鎖長
や試料核酸の種類によりハイブリダイゼーションの最適
条件を設定する必要がある。遺伝子発現の解析には、低
発現の遺伝子も十分に検出できるように、長時間のハイ
ブリダイゼーションを行うことが好ましい。一塩基変異
の検出には、短時間のハイブリダイゼーションを行うこ
とが好ましい。
【0035】2種以上の多重鎖核酸親和性化合物をハイ
ブリッド多重鎖核酸に対して相互作用させる工程は、上
記ハイブリダイゼーションと同時に行ってもよいが、ハ
イブリダイゼーションのあとに行ってもよい。2種以上
の多重鎖核酸親和性化合物をハイブリダイゼーションの
工程において混合してもよく、あるいはハイブリダイゼ
ーション工程において1種以上の多重鎖核酸親和性化合
物を混合し、ハイブリダイゼーションの後に上記とは異
なる1種以上の多重鎖核酸親和性化合物を混合してもよ
い。相互作用工程の温度は特に限定されないが、ハイブ
リダイゼーションに際して多重鎖核酸親和性化合物を添
加する場合にはすでに説明したハイブリダイゼーション
の温度で行えばよく、ハイブリダイゼーションの後に多
重鎖核酸親和性化合物を添加する場合には、ハイブリッ
ド多重鎖核酸が解離しない温度で行う必要がある。例え
ば、10℃〜70℃の範囲が好ましく、25℃〜65℃
の範囲がより好ましい。
【0036】多重鎖核酸親和性化合物をハイブリッド多
重鎖核酸に対して接触させる際の溶媒としては、水又は
各種緩衝液のほか、水に混和しうる有機溶媒と水との混
合溶媒を適宜用いることができる。水に混和しうる有機
溶媒としてはジメチルスルホキシド、ジメチルホルムア
ミド、メタノール、エタノール、エチレングリコール、
グリセリンなどが好ましい。また、緩衝液とこれらの有
機溶媒を混合して用いることも好ましい。
【0037】多重鎖核酸親和性化合物の使用量は、用い
るプローブ核酸の種類や塩基数などの条件により異なる
が、プローブ核酸の総塩基数に対して10-3〜107
程度、さらに好ましくは10-2〜105倍程度の分子数
を供給するように溶液濃度を調整することが好ましい。
また、本発明の方法において、2種以上の多重鎖核酸親
和性化合物は、それぞれこの範囲で使用することがで
き、それぞれの化合物のクロモフォアの発光量子収率に
合わせて検出感度が最適になるように使用量を調節する
ことができる。
【0038】多重鎖核酸親和性化合物をハイブリッド多
重鎖核酸に接触させた後、過剰の多重鎖核酸親和性化合
物を除去するために洗浄を行うことが好ましい。この場
合にはハイブリダイゼーション後の洗浄と同様の操作で
行うことができる。もっとも、本発明の方法ではこの洗
浄を行わなくても光学的検出が可能であり、洗浄操作を
省略することも好ましい。
【0039】多重鎖核酸親和性化合物間の相互作用を光
学的手段により検出することができるが、溶液系でハイ
ブリッド多重鎖核酸を検出する場合には、通常の蛍光光
度計を用いることもでき、あるいは多数同時検出が可能
な点及び感度の点などから蛍光スキャナーを用いて行う
ことも好ましい。また、蛍光量の測定は、ハイブリダイ
ゼーション後の固相担体を乾燥させるか、あるいは水性
溶媒の存在下に、従来の蛍光レーザースキャナー法によ
って行ってもよく、あるいは固相担体を乾燥させないよ
うにカバーガラスで覆い、冷却CCD(電荷結合素子)
法によって測定を行ってもよい。
【0040】本発明の方法を行うにあたり、核酸試料を
適宜の手段で標識しておき、多重鎖核酸親和性化合物に
よる検出と組み合わせてハイブリッド多重鎖核酸を検出
してもよい。例えば、核酸試料を蛍光色素で標識してお
いてもよく、あるいはRI法、非RI法としてビオチン
法又は化学発光法などの標識手段を採用できる。例え
ば、蛍光物質としては核酸の塩基部分と結合できるもの
であれば何れも用いることができるが、シアニン色素
(例えば、CyDyeTMシリーズのCy3、Cy5
等)、ローダミン6G試薬、N−アセトキシ−N2−ア
セチルアミノフルオレン(AAF)あるいはAAIF
(AAFのヨウ素誘導体)を使用することができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。 (1)DNA断片固定スライドの作成 2重量%アミノプロピルエトキシシラン(信越化学工業
(株)製)のエタノール溶液に、スライドガラス(25
mm×75mm)を10分間浸した後取り出し、エタノ
ールで洗浄後、110℃で10分間乾燥して、シラン化
合物被覆スライド(A)を作成した。次いで、このシラ
ン化合物被覆スライド(A)を3質量%化合物VS−1
溶液に、10分間浸した後取り出し、エタノールで洗浄
後、120℃で15分間乾燥して、VS−1被覆スライ
ド(B)を作成した。
【0042】
【化1】
【0043】(2)ハイブリッド多重核酸の検出 3’未端がアミノ基で修飾された配列表の配列番号1に
示すDNA断片を0.1M炭酸緩衝液(pH9.8)に
分散した水性液(1×10-6M、1μL)を上記(1)
で得たスライド(C)に点着した。直ちに、点着後のス
ライドを60℃、湿度90%にて1時間放置した後、1
20℃で20分間加熱した。このスライドを0.1質量
%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)と2×SSC(2
×SSC:SSCの原液を2倍に希釈した溶液、SS
C:標準食塩−クエン酸緩衝液)との混合溶液で2回、
0.2×SSC水溶液で1回順次洗浄した。次いで、上
記の洗浄後のスライドを0.1Mグリシン水溶液(pH
10)中に1時間30分浸漬した後、蒸留水で洗浄し、
室温で乾燥させ、DNA断片が固定されたスライド
(D)を得た。
【0044】このスライドに対して先ほどのDNA配列
と相補的な配列を有する60m e rのDNAをハイブリ
ダイゼーション用溶液(4×SSCおよび10質量%の
SDSの混合溶液)(20μL)に分散させ、多重鎖核
酸親和性化合物(比較例1、比較例2、本発明1、及び
本発明2として下記に示した。各々0.1mMのジメチ
ルスルホキシド溶液を1μL)を添加して上記で得たス
ライド(D)に付与し、表面を顕微鏡用カバーガラスで
保護した後、モイスチャンバー内にて60℃で10時間
インキュベートした。次いで、このスライドを0.1質
量%SDSと2×SSCとの混合溶液で10秒間洗浄し
た後、600rpmで20秒間遠心し、室温で乾燥し
た。
【0045】それぞれをスライドガラス表面の蛍光強度
を蛍光スキャニング装置で測定した。励起波長は短波長
側の色素の最大吸収波長にできるだけ近い波長で励起
し、検出波長はフィルターを調節して最大値が得られる
ようにした。また、同様の実験を相補的な配列を有する
60merを添加しない実験を行った。本発明1及び2
のサンプルではバックグラウンド(相補鎖なしの時の蛍
光強度)が低いレベルを保ったまま高いシグナルを与え
たが、比較例のサンプルでは発光量子収率が低いもの
(比較例1)と高いもの(比較例2)のいずれにおいて
も本発明1及び2のサンプルに比較して劣っていた。な
お、比較例1では比較例1の化合物を励起して該化合物
からの発光を検出しう、本発明1及び本発明2のサンプ
ルにおいては短波長側の化合物を励起し、長波長側の化
合物からの発光を検出した。
【0046】
【表1】
【0047】
【化2】
【0048】
【化3】
【0049】
【化4】
【0050】
【化5】
【0051】例2:DNA/RNAハイブリッドの検出 例1において、スライドガラス表面に固定した60me
rのDNAの代わりに40merのオリゴデオキシAを
固定し、相補的な配列としてオリゴUを使用した以外は
まったく同様の実験を行ったところ、例1と同様の結果
が得られた。
【0052】
【発明の効果】本発明の方法では、特定の蛍光量子収率
を有するクロモフォアを持つ多重鎖核酸親和性化合物を
2種以上用い、それらの化合物間の相互作用の結果とし
て生じる発光を検出するため、高いシグナル強度が得ら
れる。この結果、発光DNAチップなどを用いた試料核
酸の検出においてDNA/DNA及びRNA/DNAな
どのハイブリッド多重鎖核酸を煩雑な標識操作や洗浄操
作を行わずに高感度に検出できる。
【0053】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Fuji Photo Film Co. Ltd. <120> Method for detecting nucleic acid <130> A11354M <160> 1 <210> 1 <211> 60 <212> DNA <213> Artificial <400> 1 GCTGCTGCTG GGCCAGTGGT TCCTCCATGT CCGGGGAGGA TCAGACACTT CAAGGTCTAG 60
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01N 37/00 102 C12N 15/00 ZNAF Fターム(参考) 2G054 CA22 GA04 GB02 4B024 AA11 CA05 CA06 HA11 HA12 HA13 4B063 QA01 QA13 QQ42 QQ52 QR08 QR31 QR32 QR42 QR56 QR66 QR82 QS03 QS34 QX02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プローブ核酸に対して試料核酸を相互作
    用させ、該プローブ核酸と該試料核酸とのハイブリダイ
    ゼーションによりハイブリッド多重鎖核酸を形成させる
    工程を含み、上記ハイブリッド多重鎖核酸に対して2種
    以上の発光性の多重鎖核酸親和性化合物を相互作用さ
    せ、該2種以上の多重鎖核酸親和性化合物間で起こる相
    互作用の結果として生じる発光を検出する方法であっ
    て、2種以上の発光性の多重鎖核酸親和性化合物として
    それぞれ発光量子収率が0.1〜0.9のクロモフォア
    を有する化合物を用いる方法。
  2. 【請求項2】 プローブ核酸が固相担体上に固定されて
    いる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 発光性の多重鎖核酸親和性化合物が下記
    一般式(I): (IC)−〔(L)m−(SIG)qn (式中、ICは多重鎖核酸との親和性を有する基を示
    し;Lは2価の連結基を示し;SIGは発光量子収率が
    0.1〜0.9のクロモフォアを示し;nは2、3、又
    は4の整数を示し;mは0又は1を示し;qは0又は1
    を示すが、ただしn個の (L)m−(SIG)qにおいてす
    べてのqが0であることはなく、n個の (L) m−(SI
    G)qにおいて、それぞれのL、m、SIG、qは同一で
    あっても異なっていてもよい)で表される化合物である
    請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2の方法に用いるための請
    求項3に記載の一般式(I)で表される化合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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