JP2003050428A - 素抜けコマ判定方法、素抜けコマ判定プログラム、素抜けコマ判定プログラムを記録した記録媒体、および写真処理装置 - Google Patents

素抜けコマ判定方法、素抜けコマ判定プログラム、素抜けコマ判定プログラムを記録した記録媒体、および写真処理装置

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JP2003050428A
JP2003050428A JP2001240246A JP2001240246A JP2003050428A JP 2003050428 A JP2003050428 A JP 2003050428A JP 2001240246 A JP2001240246 A JP 2001240246A JP 2001240246 A JP2001240246 A JP 2001240246A JP 2003050428 A JP2003050428 A JP 2003050428A
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Koji Kita
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Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像検出のための特別な機構を設けることな
く、写真用フィルム上の素抜けコマの判定を可能とする
素抜けコマ判定方法を提供する。 【解決手段】 画像を感光材料に焼き付ける写真処理で
の、素抜けコマ判定方法において、露光条件を調整する
ために検出された画像情報から、写真フィルム上の全画
素の測光値を算出する。算出した画像情報から、フレ
ーム内の平均測光値およびフィルム全体の最大測光値を
所定の割合で減じた値、フレーム内の平均測光値およ
び標準測光値、フレーム内の画素の測光値の標準偏
差、フレームの平均画素彩度を検出する。そして、
〜の情報を基に、素抜けコマの判定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真用フィルムを
露光することにより感光材料に画像を焼き付ける写真処
理装置と、写真用フィルムにおける素抜けコマ判定方法
に関するものであり、特に、APS(Advanced photo s
ystem:先進的写真システム)フィルムの素抜けコマ判定
について有効な技術である。
【0002】
【従来の技術】従来、写真処理装置において、現像済み
の135フィルムを用いて焼き付けを行う際に、135
フィルム上の素抜けコマを検出する画像検出機構が必要
であった。この画像検出機構とは、135フィルムのフ
ィルム自体の濃度を測定し、各フレームのエッジ部分を
検出することにより、フレームの位置およびフレームに
画像が写し出されているか否かを判定するものである。
したがって、従来の写真処理装置では、露光条件を調整
するために必要な画像情報を読み取るためのCCD(Ch
arge Coupled Device :電荷結合素子)以外に、フレー
ムの位置および素抜けコマを検出する画像検出機構が必
要である。
【0003】その一方、最近利用されつつあるAPSフ
ィルムには、各フレーム毎にその位置を示すためのパー
フォレーションが備えられている。さらに、APSフィ
ルムは、撮影時の状況(撮影日時、絞り、シャッタース
ピード、カメラの向き、ストロボの有無、連続シーン撮
影、プリント枚数、コメント等)を、磁気情報としてA
PSフィルム上に記録することが可能となっている。
【0004】このAPSフィルムを用いて焼き付けを行
う場合、写真処理装置に備えられたパーフォレーション
センサが、上記パーフォレーションを検出することによ
り、APSフィルム上に写し出されているフレームの位
置を検出することができる。さらに、上記磁気情報を読
み取ることでも画像情報を検出することが可能である。
すなわち、APSフィルムによる焼き付けを行う写真処
理装置においては、APSフィルム特有の機能によりフ
レームの位置および画像情報を検出することができるた
め、135フィルムによる焼き付けを行う写真処理装置
で必要とされるフレームの位置および素抜けコマを検出
するための画像検出機構は不要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、APSフィ
ルムを磁気記録機能を有しないカメラ(例えば、使い捨
てカメラや磁気記録機能を有しないAPSカメラ)で使
用する場合がある。これは、APSフィルムは135フ
ィルムと比べてサイズが小さいため、カメラの小型化を
図ることが可能であり、また、現像処理後、カートリッ
ジのまま写真店から返却されるため、保管が便利である
という利点や、途中まで撮影したAPSフィルムをカー
トリッジに巻き戻してカメラから取り出すことが可能で
あるという利点を有しているからである。
【0006】しかし、APSフィルムを磁気記録機能を
有しないカメラに使用した場合、以下に示す問題が生じ
る。通常、磁気記録機能が備えられていないカメラにA
PSフィルムを使用しても、撮影時の状況が記録される
ことがない。また、使い捨てカメラには撮影の失敗防止
機構が設けられていないので、素抜けコマ(被写体が撮
影されていない未露光のフレーム)がAPSフィルム上
に存在する可能性がある。この場合、パーフォレーショ
ンによりフレーム位置が検出されても、磁気情報は記録
されていないため、素抜けコマであるか否かを検出する
ことはできない。なお、このような素抜けコマは、カメ
ラのレンズにキャップをつけたまま撮影したり、ストロ
ボが光らなかったりすることにより出現する。これは、
磁気記録機能を有しないAPSカメラにおいても失敗防
止機構が設けられていない同様の問題が発生する。
【0007】そこで、APSフィルムによる焼き付けを
行う写真処理装置において、135フィルムによる焼き
付けを行う写真処理装置と同様に前記画像検出機構を内
蔵させれば、素抜けコマの判定を行うことが可能にな
る。しかしながら、構成を追加することになるので、装
置コストの増大や装置の大型化を招くことになる。
【0008】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、写真用フィルムを露光す
ることにより感光材料に画像を焼き付ける写真処理装置
および素抜けコマ判定方法において、画像検出のための
特別な機構を設けることなく、写真用フィルム上の素抜
けコマの判定を可能とする写真処理装置および素抜けコ
マ判定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の素抜けコマ判定方法は、写真用フ
ィルム上の全フレームの画像情報を検出し、検出結果か
ら写真用フィルムを露光する露光条件を調整し、画像を
感光材料に焼き付ける写真処理での素抜けコマ判定方法
において、上記画像情報から、上記写真用フィルムにお
ける光の透過率に対応する測光値を、全フレームの各画
素毎に算出し、上記測光値から、各フレームの平均測光
値を算出し、全フレームの各画素のうちから最大測光値
を検出し、上記平均測光値が、上記最大測光値を所定の
割合で減じた値よりも大きいフレームについては、素抜
けコマと判定することを特徴とする。
【0010】素抜けコマとは、被写体が撮影されておら
ず、未露光のフレームをいう。各フレームの平均測光値
とは、フレーム内の各画素の測光値の平均値をいう。
【0011】写真用フィルムにおいて、未露光部分の画
素の測光値は、露光部分の画素の測光値よりも大きくな
る。すなわち、フレームが素抜けコマか否かの判断は、
各フレームの平均測光値と、未露光フレームの平均測光
値との比較が問題となる。
【0012】その一方で、1本の写真用フィルム上に撮
影された全画素のうち最大測光値を示す画素は、未露光
部分であるとみなすことができる。そして、上記最大測
光値を所定の割合で減じた値を未露光フレームの平均測
光値とみなすことにする。以下にて、その理由を説明す
る。
【0013】写真用フィルム上に未露光フレームが含ま
れている場合、最大測光値を示す画素は、未露光フレー
ム中に含まれる画素である。しかしながら、未露光フレ
ームは、フィルムベース色のみの状態であるが、各画素
間の測光値には若干の差がある。したがって、未露光フ
レームの平均測光値は、上記最大測光値より僅かに小さ
い。このような理由から、上記最大測光値を所定の割合
で減じた値を未露光フレームの平均測光値とみなし、素
抜けコマの判定基準としている。なお、所定の割合で減
じた値とは、最大測光値に、96/100を乗じること
により算出される値とするのが経験上好ましい。
【0014】したがって、上記の手順により、フレーム
内の各画素の平均測光値が、上記最大測光値を所定の割
合で減じた値より大きいと判定される場合、そのフレー
ムには被写体が撮影されていない状態、すなわち、未露
光であり、素抜けコマと判定することができる。
【0015】さらに、露光条件を調整するために検出し
た画像情報から、上記判定基準に必要な平均測光値およ
び最大測光値を算出することができるため、写真用フィ
ルムの素抜けコマの判定において、上記手順を適用する
ことにより、余分な画像検出機構を設けることなく、容
易に素抜けコマの判定を行うことができる。
【0016】また、請求項2記載の素抜けコマ判定方法
は、請求項1記載の手順において、上記平均測光値に対
して、一定の閾値を設定し、上記平均測光値が上記閾値
よりも大きいフレームについては、素抜けコマと判定す
る判定基準を併用することを特徴とする。
【0017】請求項1に記載の最大測光値を基準とした
素抜けコマ判定を行うと、ほとんどの素抜けコマを検出
することが可能になるが、まれに検出できない場合もあ
る。例えば、オーバーシーン(ネガフィルム上の画像が
全体的に濃い場合)ばかりで撮影されると、フレーム内
のどの画素にしても露光されており、フレーム内の一部
にすら未露光の画素が生じない場合がある。このような
現象は、雪が一面に積もっている状況や、夏場に太陽の
光が非常に強い場所で撮影した場合に生じる。
【0018】このような場合に求められた最大測光値
は、未露光画像の測光値からかけ離れた値であるため、
素抜けコマの判定基準として用いることができない。そ
こで、上記最大測光値のみを判定基準とせずに、一定と
した閾値をも判定の基準として併用することにより、撮
影された状況に依存することなく、正確な素抜けコマの
判定を行うことができる。
【0019】さらに、請求項3記載の素抜けコマ判定方
法は、請求項1または2に記載の手順において、各フレ
ームにおける画素の測光値の標準偏差を算出し、上記標
準偏差が所定値よりも低いフレームについては、素抜け
コマと判定する判定基準を併用することを特徴とする。
【0020】素抜けコマとは、像が写っていないフレー
ムのことであるため、そのフレーム上は、フィルムベー
ス色のみの状態である。したがって、素抜けコマにおい
ては、各画素間の測光値が均一である。すなわち、画素
の測光値の標準偏差が十分に低いフレームについては、
素抜けコマと判定することができる。
【0021】そこで、請求項1または2に記載されてい
る測光値自体に着目した判断基準と測光値の均一性に着
目した判断基準とを併用することで、より正確な素抜け
コマの判定を行うことができる。
【0022】また、請求項4記載の素抜けコマ判定方法
は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の手順にお
いて、各フレームにおける平均画素彩度を算出し、上記
平均画素彩度が所定値よりも低いフレームについては、
素抜けコマと判定する判定基準を併用することを特徴と
する。
【0023】ここで、平均画素彩度とは、フレーム内の
各画素の彩度の平均値をいう。
【0024】素抜けコマとは、像が写っていないフレー
ムのことであるため、そのフレーム上は、フィルムベー
ス色のみの状態であり、その彩度は極めて低い。したが
って、フレーム内の平均画素彩度を求め、これを素抜け
コマの判定基準とすることが可能である。
【0025】そこで、請求項1ないし3のいずれか1項
に記載されている判断基準と各フレームの平均画素彩度
に着目した判断基準とを併用することにより、より正確
な素抜けコマの判定を行うことができる。
【0026】さらに、請求項5記載の素抜けコマ判定方
法は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の手順に
おいて、上記写真用フィルムは、APSフィルムである
ことを特徴とする。
【0027】APSフィルムによる焼き付けを行う写真
処理装置においては、APSフィルムが有する磁気情報
記録機能によりフレームの画像情報を検出することがで
き、通常の写真フィルムによる焼き付けを行う写真処理
装置で必要とされるフレームの位置および素抜けコマを
検出する画像検出機構は不要である。
【0028】しかし、APSフィルムを磁気記録機能を
有しないカメラに使用した場合、磁気情報が記録されて
おらず、該APSフィルムを写真処理する際に、素抜け
コマの判定ができない。
【0029】この場合、APSフィルムによる焼き付け
を行う写真処理装置において、通常の写真フィルムによ
る焼き付けを行う写真処理装置と同様に画像検出機構を
内蔵させれば、素抜けコマの判定を行うことが可能にな
る。しかしながら、構成を追加することになるので、装
置コストの増大や装置の大型化を招くことになる。そこ
で、APSフィルムによる焼き付けを行う写真処理にお
いて、請求項1ないし4に記載の素抜けコマ判定方法を
適用することにより、露光条件を検出するための画像情
報から、上記判定方法に必要な平均測光値および最大測
光値を算出することができるため、余分な画像検出機構
を設けることなく、容易に素抜けコマの判定を行うこと
ができる。
【0030】すなわち、磁気記録機能を有しないカメラ
で撮影したAPSフィルムの焼き付けを行う場合であっ
ても、上記手順を実行することにより、上記画像検出機
構を追加する必要はない。
【0031】上記の課題を解決するために、請求項6記
載の写真処理装置は、写真用フィルムを露光することに
より感光材料に画像を焼き付ける写真処理装置におい
て、フレームの画像情報を検出する画像検出手段と、上
記画像検出手段により検出した画像情報から、露光条件
を算出する演算部とを備え、上記演算部が、検出した画
像情報から、全フレームの画素の測光値を算出し、該算
出結果を用いて素抜けコマを判定する機能を有している
ことを特徴とする。
【0032】ここで、画像検出手段とは、露光したフレ
ームから画像を検出し、この検出画像を電気信号に変換
するものをいい、具体例としては、CCD(Charge Cou
pledDevice :電荷結合素子)エリアセンサやCCDリ
ニアセンサが挙げられる。
【0033】また、素抜けコマとは、未露光であり、像
が写っていないフレームをいう。したがって、写真用フ
ィルム上における未露光部分の画素の測光値と、判定対
象となるフレーム上の各画素の測光値とを用いることに
より、素抜けコマの判定を行うことができる。すなわ
ち、写真用フィルム上の全フレームの画素の測光値を検
出し、これを基に素抜けコマの判定を行うことが可能で
ある。
【0034】上記構成によれば、画像検出手段により、
写真用フィルム上の全フレームの画像情報を検出するこ
とができる。そして、演算部は、検出した画像情報から
全フレームの画素の測光値を演算する機能を備えてい
る。したがって、写真用フィルムを露光する露光条件を
算出する演算部に上記機能を付加することにより、余分
な画像検出機構を設けることなく素抜けコマの判定を行
うことができる。
【0035】また、請求項7記載の写真処理装置は、上
記演算部が、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
方法を実行することを特徴とする。
【0036】上記構成によれば、請求項1ないし4のい
ずれか1項に記載の方法により素抜けコマの判定が行わ
れるので、上記で説明したように、より正確な素抜けコ
マの判定が可能となる。
【0037】上記の課題を解決するために、請求項8記
載の素抜けコマ判定プログラムは、請求項1ないし4の
いずれか1項に記載の素抜けコマ判定方法をコンピュー
タに実行させることを特徴とする。
【0038】上記プログラムを、例えば、写真処理装置
の演算部にロードすることによって、請求項1ないし4
の発明の各素抜けコマ判定方法を写真処理装置に適用す
ることができる。
【0039】上記の課題を解決するために、請求項9記
載の素抜けコマ判定プログラムを記録した記録媒体は、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の素抜けコマ判
定方法をコンピュータに実行させるための素抜けコマ判
定プログラムを記録していることを特徴とする。
【0040】上記記録媒体に記録されたプログラムを、
例えば、写真処理装置の演算部にロードすることによっ
て、請求項1ないし4の発明の各素抜けコマ判定方法を
写真処理装置に適用することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図9に基づいて以下に説明する。
【0042】本実施形態の写真処理装置1は、図2に示
すように、焼付装置2、現像処理部3、排出部4を備え
ている。
【0043】焼付装置2は、印画紙(感光材料)Pに対
して、APSフィルム(写真用フィルム)に写し出され
た画像フレームに応じて露光を施すことにより、画像の
焼き付けを行うものである。この焼付装置2の詳細につ
いては後述する。現像処理部3は、処理部と乾燥部とを
備えている。処理部は、発色現像液、漂白液、定着液、
安定液の各種処理液を収容する各処理槽を有している。
焼付装置2において、画像の焼き付けが行われた印画紙
Pは、これらの各処理液に順次浸漬されることにより現
像される。なお、この処理部において、搬送される印画
紙Pに対して上記の各種処理液を吹き付けて処理を行う
構成となってもよい。乾燥部は、処理部において現像さ
れた印画紙Pに対して熱風を吹き付けたりすることによ
って、乾燥処理を行うものである。排出部4は、現像が
なされた印画紙Pを排出、積載するためのものである。
【0044】このように、写真処理装置1は、印画紙P
の露光、現像処理、乾燥処理を一元管理の下に連続して
行う構成となっている。よって、ユーザーに操作上の負
担をかけることなしに、多量の画像を連続的にプリント
することが可能となっている。
【0045】次に、焼付装置2の構成を説明する。焼付
装置2は、2つのペーパーマガジン5a・5b、カッタ
ー6、露光ユニット7、露光台8を備えている。
【0046】各ペーパーマガジン5a・5bは、未露光
未現像の印画紙Pをロール状態で収納するものである。
各ペーパーマガジン5a・5bには、それぞれ互いに幅
の異なるロール状の印画紙Pが格納されており、必要と
される印画紙Pのサイズに応じて、これらを切り換えて
露光位置に搬送する構成となっている。
【0047】カッター6は、各ペーパーマガジン5a・
5bから引き出された印画紙Pを、ユーザーが所望する
プリントサイズ(プリント長さ)にカットするためのも
のである。このカッター6によってカットされた印画紙
Pは、その後、露光ユニット7と対向する露光位置に搬
送される。なお、カッター6が設けられている位置は、
特に限定されるものではなく、カットされていない状態
のまま印画紙Pを露光位置に搬送し、露光後にカットす
るような構成であっても構わない。
【0048】露光ユニット7は、APS(Advanced pho
to system:先進的写真システム)フィルム上に写し出さ
れたフレームに光を照射することにより印画紙Pを焼き
付けるものである。この露光ユニット7については後述
する。
【0049】露光台8は、各ペーパーマガジン5a・5
bから搬送されてきた印画紙Pを焼き付けるための設置
台である。すなわち、この露光台8上の所定位置で、印
画紙Pが焼き付けられる。
【0050】次に、露光ユニット7の構成を説明する。
露光ユニット7は、光源9と露光台8との間の光路上
に、調光フィルタ10、ミラートンネル11、ネガキャ
リア12、レンズユニット13、シャッター14がこの
順で設けられている。光源9は、APSフィルムに記録
された画像を印画紙Pに焼き付けるための光を出射する
ためのものである。調光フィルタ10は、光源9から出
射し、APSフィルムに照射する光の色バランスを調整
するためのものである。ミラートンネル11は、調光フ
ィルタ10を通過した光を均一に混色するためのもので
ある。ネガキャリア12は、APSフィルムを引き伸ば
し、露光するために平面保持するためのものである。な
お、ネガキャリア12の具体的構成については後述す
る。レンズユニット13は、APSフィルムのフレーム
を印画紙P上に結像させるズームレンズ式の焼き付けレ
ンズを搭載したものである。シャッター14は、光の通
過、遮断を制御するためのものであって、印画紙Pに画
像を焼き付けるタイミングで光を通過させ、それ以外の
ときは光を遮断するものである。
【0051】さらに、ネガキャリア12の具体的構成に
ついて、図3に基づいて以下に説明する。ネガキャリア
12は、カートリッジ挿入部15、搬送ローラ16・1
6、DXセンサ17、パーフォレーションセンサ18、
磁気ヘッド19、開口部20、CCD21(Charge Cou
pled Device :電荷結合素子,画像検出手段)、CPU
(Central Processing Unit :中央演算処理装置)など
によって構成される演算部22、巻き取り機構23、お
よび、フィルム挿入感知センサ24を備えている。
【0052】カートリッジ挿入部15は、現像処理を行
うAPSフィルムのカートリッジが挿入される場所であ
る。搬送ローラ16は、カートリッジ挿入部15から送
り出されたAPSフィルムをA方向に沿って巻き取り機
構23の方向へ搬送するためのものであり、数カ所に設
置されている。また、DXセンサ17、パーフォレーシ
ョンセンサ18、磁気ヘッド19は、APSフィルムに
配されたバーコード、パーフォレーションおよび磁気情
報をそれぞれ検出するためのものである。なお、バーコ
ードには、フィルムメーカーおよび商品分類等を示す情
報が記憶されている。また、パーフォレーションとは、
図4に示すように、APSフィルム上の各フレーム毎に
配されている2個ずつの穴のことである。そして、パー
フォレーションセンサ18がこの2つの穴を検出するこ
とにより、演算部22が各フレーム位置を認識できるよ
うになっている。さらに、磁気情報には、撮影日時、絞
り、カメラの向き、ストロボの有無、焦点距離、連続シ
ーン撮影、プリント枚数およびコメント等の情報が記憶
される。
【0053】開口部20は、APSフィルムからの画像
情報の検出、および、APSフィルムの露光のために配
された穴である。CCD21は、APSフィルム上のフ
レームから画像情報を検出するためのものであり、1フ
レームに対して24×16=384個の画素を検出す
る。すなわち、CCD21は、384個の画素からなる
画像の状態が検出できればよく、高解像度のCCDは不
要である。また、CCD21は、エリアセンサおよびリ
ニアセンサのいずれであっても構わない。演算部22
は、CCD21から検出した画像情報を演算処理し、露
光条件を算出するためのものである。なお、露光条件に
は、例えば露光量、色バランスの調整量等が含まれる。
巻き取り機構23は、開口部20を通過したAPSフィ
ルムを巻き取った後に、巻き取ったAPSフィルムをカ
ートリッジ挿入部15へ巻き戻すためのものである。フ
ィルム挿入感知センサ24は、カートリッジ挿入部15
から送りだされたAPSフィルムを感知するためのもの
である。
【0054】つぎに、ネガキャリア12における、AP
Sフィルムの送り出しおよび巻き戻し動作について説明
する。カートリッジ挿入部15から送り出されたAPS
フィルムは、DXセンサ17によりバーコード情報が読
み取られると共に、パーフォレーションセンサ18によ
り画像フレームの位置が検出される。これにより、演算
部22は、APSフィルム上の画像フレームの位置を認
識することができる。そして、開口部20において、A
PSフィルム上のフレームは、CCD21により画像情
報が順次読み取られ(スキャニングともいう)、演算部
22は読み取られた画像情報から露光条件を算出する。
なお、スキャニング時のみ、CCD21は、図示しない
駆動機構により、光路上に配置される。
【0055】さらに、開口部20を通過したAPSフィ
ルムは、巻き取り機構23に巻き取られていく。そし
て、全フレームのスキャニングが終了すると、巻き取り
機構23に巻き取られたAPSフィルムは、矢印B方向
に巻き戻され、カートリッジが巻き取っていく。巻き戻
しが完了すると、APSフィルムは、再び、カートリッ
ジ挿入部15から矢印A方向に送り出され、開口部20
において、演算部22により算出された露光条件により
全フレームの露光が行なわれる。
【0056】ところが、磁気記録機能を有しないカメラ
で撮影されたAPSフィルムには、磁気情報が記録され
ていない。このような条件で撮影されたAPSフィルム
の処理を行うと、演算部22は、パーフォレーションに
よりフレーム位置を認識できても、そのフレームが素抜
けコマ( 被写体が撮影されていない未露光のフレーム)
か否かまでは判定することができない。この結果、素抜
けコマに対しても露光を実行し、無駄なプリントを作成
してしまうことになる。なお、このような素抜けコマ
は、カメラのレンズにキャップを付けたまま撮影した
り、ストロボが光らなかったりすることにより出現す
る。
【0057】そこで本実施の形態では、露光条件を演算
するために検出した画像情報を、素抜けコマの判定のた
めに利用する。さらに、演算部22が素抜けコマを認識
した場合、露光を行なわず素抜けコマをスキップするこ
とにより、無駄なプリントの作成を防止することとす
る。以下、素抜けコマを判定するための手順を説明す
る。
【0058】まず、素抜けコマの判定に必要な情報とし
て、フレーム内の平均測光値およびフィルム全体の最
大測光値を所定の割合で減じた値、フレーム内の平均
測光値および標準測光値(一定の閾値)、フレーム内
の画素の測光値の標準偏差、フレームの平均画素彩度
を検出する。なお、ここで言う測光値とは、CCD21
によって検出された、写真用フィルムにおける光の透過
率に相当するものである。すなわち、上記の画像情報
は、各画素の測光値の情報で構成されているものであ
る。
【0059】フレーム内の平均測光値およびフィルム
全体の最大測光値を所定の割合で減じた値について 素抜けコマとは、被写体が写っておらず、未露光のフレ
ームのことをいう。したがって、素抜けコマとは、フィ
ルムベース色のみからなるフレームであり、フレーム内
の各画素の測光値は均一である。なお、本実施形態にお
いて用いているAPSフィルムはネガフィルムであるの
で、撮影時における露光の度合いが弱いほど、測光値が
大きくなり、未露光部分における測光値は最大となる。
【0060】ここで、「フレーム内の各画素の測光値が
均一」という条件のみを素抜けコマの判定基準とするこ
とも考えられる。しかし、このような条件下で、例えば
灰色1色のみからなる紙面を撮影したAPSフィルムを
処理すれば、そのフレームには画像が写っているにもか
かわらず、素抜けコマと判定されてしまう。
【0061】そこで、フレーム内の各画素の測光値の均
一性に着目するのではなく、フレーム内の画素の測光値
自体に着目する。例えば、図5に示すように、フレーム
bに、APSフィルム内で最も薄い画素(折れ曲がった
白色部)があり、フレームa・cには、均一な濃度の画
像が写されているAPSフィルムを想定する。この場
合、フレーム内の各画素の測光値の均一性に着目する
と、フレームa・cには被写体らしきものは撮影されて
いないこととなる。しかし、フレーム内の画素の測光値
自体に着目すると、フレームa・cの平均測光値は、フ
レームbの最も薄い画素と比べて測光値が低いため、何
らかの画像が写っているものと判定できる。
【0062】一方、フレームbにおける最も薄い画素
(折れ曲がった白色部)は、黒い物体を写した部分であ
り、未露光に近い状態である。したがって、全フィルム
における画素の最大測光値は未露光部分の測光値とみな
すことができる。そして、本実施の形態では、上記最大
測光値に1以下の正の値となる所定の値を乗じることに
よって算出される値を未露光フレームの平均測光値とみ
なすことにする。以下にて、その理由を説明する。写真
用フィルム上に未露光フレームが含まれている場合、最
大測光値を示す画素は、未露光フレーム中に含まれる画
素である。しかしながら、未露光フレームは、フィルム
ベース色のみの状態であるが、各画素間の測光値には若
干の差がある。したがって、未露光フレームの平均測光
値は、上記最大測光値より僅かに小さい。このような理
由から、上記最大測光値を所定の割合で減じた値を未露
光フレームの平均測光値とみなし、素抜けコマの判定基
準としている。なお、上記最大測光値を所定の割合で減
じた値とは、上記最大測光値に96/100を乗じた値
とするのが経験上好ましい。なお、ここでは、上記最大
測光値に所定の割合を乗じることにより計算している
が、上記最大測光値に所定の値を引くことにより計算し
ても構わない。
【0063】したがって、上記の手順により、フレーム
内の各画素の平均測光値が、上記最大測光値を所定の割
合で減じた値より大きいと判定される場合、そのフレー
ムには被写体が撮影されていない状態、すなわち、未露
光であり、素抜けコマと判定することができる。ここ
で、フレーム内の平均測光値、および、判定基準として
の最大測光値を所定の割合で減じた値は以下に示すよう
にして求める。
【0064】図6に示すように、CCD21で検出され
た1フレーム分の画像情報は、24×16=384個の
画素からなる。そして、各画素データは、R,G,Bの
各色成分の測光値からなっており、本実施の形態では、
測光値のとりえる範囲を0〜8.317としている。な
お、ここでいう測光値は、CCD21が検出した各画素
の測光データ(12ビット階調)を自然対数に変換した
ものである。
【0065】そして、各画素におけるR,G,Bの測光
値を加算して3で除算したものをd(n)i とする(n :フ
レーム番号、i :画素)。すると、フレーム内の平均測
光値は、 Ave(n)=(Σd(n)i ) /384 より求めることができる。また、上記最大測光値は、以
下の式により求めることができる。
【0066】dmax =max(d(1)i,d(2)i,・・・,d(n)i) ここで、この最大測光値 dmax に96/100を乗じた
値を判定基準とする。なお、この最大測光値は、APS
フィルム内の1画素のみから得られる値であるため、信
頼性に欠ける場合がある。例えば、APSフィルムに小
さな穴が開いているようなときは、測光値が8.294
を超えることになるが、このように明らかにかけ離れた
測光値は判定基準としない。
【0067】また、APSフィルム内の最大測光値を所
定の割合で減じた値を基準として判定を行うと、ほとん
どの素抜けコマを検出することが可能になるが、まれに
検出できない場合もある。例えば、オーバーシーン(A
PSフィルム上の画像が全体的に濃い場合)ばかりで撮
影されると、フレーム内のどの画素にしても露光されて
おり、フレーム内の一部にすら未露光の画素が生じない
場合がある。例えば、雪が一面に積もっている状況や、
夏場に太陽の光が非常に強い場所で撮影した場合にこの
ような現象が生じる。このような場合に求められた最大
測光値を所定の割合で減じた値は、未露光フレームの平
均測光値とかけ離れているため、判定基準として用いる
ことができない。そこで、上記最大測光値を所定の割合
で減じた値のみを判定基準とせずに、以下に示す標準測
光値、標準偏差、平均画素彩度をも判定の基準として用
いる。
【0068】フレーム内の平均測光値および標準測光
値について ここで、フレーム内の平均測光値に対するもう一つの判
定基準として、標準測光値を設定する。この標準測光値
とは、平均測光値に対する閾値であり、いかなる条件で
撮影しても一定とする。また、本実施の形態における標
準測光値は、図7に示すフィルム特性曲線の中央付近に
対応する測光値とする。フィルム特性曲線の中央付近の
領域とは、撮影した状況を最も正確に再現できる領域を
いう。
【0069】一方、フィルムの測光値は、0〜8.31
7の範囲にある。ここで、基準フィルムの特性曲線の中
央付近の測光値はほぼ6.908になり(コダック社製
のASA100のフィルムを基準とした場合)、本実施
の形態では、この測光値を標準測光値とし、判定基準と
する。
【0070】そして、上記標準測光値を判定基準とし
て、フレーム内の平均測光値がこの判定基準よりも低い
こと、すなわちフレーム内の各画素の測光値の平均が
6.908より大きいことを素抜けコマを検出するため
の条件とする。
【0071】このような判定基準を併用することによ
り、オーバーシーンばかりで撮影されたAPSフィルム
で、上記最大測光値を未露光部分の画素の測光値とみな
せない場合でも、より正確な素抜けコマの判定が可能と
なる。
【0072】フレーム内の画素の測光値の標準偏差に
ついて 素抜けコマにおいては、像が写っておらずフィルムベー
ス色のみだから、素抜けコマ内の各画素間の測光値にバ
ラツキはなく、フレーム内の各画素の測光値の標準偏差
は十分に小さくなる。したがって、この標準偏差を素抜
けコマの判定基準とすることが可能である。ここで、上
記標準偏差は、以下に示す式によって導くことが可能で
ある。
【0073】 Sd(n)=√((Σd(n)i2−( Σd(n)i)2/384)/384) 上記標準偏差の判定基準を0.08として、算出した標
準偏差がこの値以下であれば、そのフレームは素抜けコ
マと判定することにする。なお、判定基準としての0.
08という値は、経験から求められた値である。
【0074】フレームの平均画素彩度について 素抜けコマにおいては、像が写っておらずフィルムベー
ス色のみだから、その彩度は高くない。したがって、フ
レーム内の平均画素彩度を求め、これを素抜けコマの判
定基準とすることが可能である。なお、平均画素彩度と
は、フレーム内の各画素の彩度の平均値をいう。
【0075】ここで、図8に示すように、RGB各色の
色相は、色度図において、それぞれ120°間隔で離れ
ている。したがって、Rの色相が0°とすると、Gの色
相は120°、Bの色相は240°になる。そして、R
GB各色の彩度は、円の中心からの距離で表わされる。
【0076】例えば、各色の彩度が最大の場合の円の半
径を1として、Gの彩度が最大の場合を想定すると、
(R,G,B)=(0,8.317,0)となり、角度
120°で半径1の座標となる。この場合、彩度が最大
値をとることは一目瞭然である。しかし、一般的に彩度
は、以下に示すように、RGB成分のデータを色度図に
おける直交座標系(X,Y)に変換することによって算
出される。
【0077】(R,G,B)=(0,8.317,0)
の場合、直交座標系(X,Y)に変換すると、(X,
Y)=(cos120°,sin120°)=(−0.
5,0.86602)となる。そして、彩度は円の中心
からの距離なので、この場合のGの彩度は、Sat =√
(X2 +Y2 )と表すことができる。
【0078】ここで、フレーム内の各画素の平均画素彩
度Sat Ave(n)は、以下の手順で求めることとする。 X(n)i =R'(n)i−0.5 ×(G'(n)i +B'(n)i) Y(n)i =R'(n)i−0.86602 ×(G'(n)i +B'(n)i) また、1フレームに384個の画素があるので、 Sat Ave(n)=√((ΣX(n)i /384)2+( ΣY(n)i/384)2) となる。
【0079】なお、R'(n)i=R(n)i ×(4/8.317) で、R
(n)i は、n 番目フレームのi 画素におけるRの測光値
である(G'(n)i,B'(n)iについても同様である。)。こ
のように、測光値であるR(n)i をR'(n)iに変換している
理由は、最大彩度を4とした正規化を行うことで、プリ
ントに写し出される一般的なシーンの彩度がほぼ1以内
に均等に分布することになるからである。
【0080】これに対して、上記平均画素彩度の判定基
準を0.5として、算出した平均画素彩度がこの値以下
であれば、そのフレームは素抜けコマと判定することに
する。なお、判定基準としての0.5という値は、経験
から求められた値である。
【0081】次に、上記〜の情報を用いて、素抜け
判定を実行する手順を図1および図9に基づいて説明す
る。まず、図9に示すように、スキャニングの段階で、
CCD21は、APSフィルム上の全フレームから画像
情報を検出する(ステップ1、以降S1のように称す
る)。スキャニング後、APSフィルムは一旦カートリ
ッジに巻き戻される。
【0082】そして、演算部22は、この検出された画
像情報から、フィルム全体の最大測光値を所定の割合
で減じた値、標準測光値、フレーム内の画素の測光
値の標準偏差、フレームの平均画素彩度の各判定基準
を算出する(S2)。つぎに、演算部22は、各フレー
ムの平均測光値を算出し(S3)、各フレームが〜
について所定の判定基準を満たすか否かの判断、すなわ
ち素抜け判定を行う(S4)。
【0083】その後、1フレーム毎に露光が行なわれる
が、演算部22によって素抜けコマと認識されたフレー
ムについては露光が行なわれずスキップされ、それ以外
のフレームについては、露光、焼き付け処理がなされる
(S5)。そして、焼き付け処理が終了すると、APS
フィルムは、巻き戻され、カートリッジに収容された
後、動作が完了する。
【0084】つぎに、S4で行われる素抜け判定の詳細
について、図1に基づいて説明する。平均測光値が、
の最大測光値を所定の割合で減じた値より大きいフレー
ムについては、仮素抜けと判定され(S11,YE
S)、それ以外のフレームについては、素抜けでないと
判定される(S11,NO、S16)。そして、S11
で仮素抜けと判定されたフレームのうち、平均測光値
が、の標準測光値より大きいフレームについては、仮
素抜けの判定が維持され(S12,YES)、それ以外
のフレームについては、素抜けでないと判定される(S
12,NO、S16)。つぎに、S12で仮素抜けの判
定が維持されたフレームのうち、の標準偏差が所定値
よりも小さいフレームについては、仮素抜けの判定が維
持され(S13,YES)、それ以外のフレームについ
ては、素抜けでないと判定される(S13,NO、S1
6)。さらに、S13で仮素抜けの判定が維持されたフ
レームのうち、の平均画素彩度が所定値よりも小さい
フレームについては、素抜けコマと判定がなされ(S1
4,YES)、それ以外のフレームについては、素抜け
でないと判定される(S14,NO、S16)。
【0085】このようにして、演算部22により、素抜
けコマが認識された後(S15)、全てのフレームにつ
いて、判定が終了したか否か確認される(S17)。判
定が終了している場合は(S17,YES)、露光、焼
き付け処理が行われるが(図9のS5)、判定が終了し
ていない場合は、再度素抜け判定が行われる(S17,
NO)。
【0086】なお、上記〜の判定基準を全て用いた
方が的確に判定できるが、前述通りの判定基準のみで
もほとんどの場合は判定可能である。ただし、オーバー
シーンのみで撮影されたAPSフィルムについては、
の判定基準のみで判定できないが、+、+、
+、++、++、++、++
+を判定基準とすることにより判定可能である。
【0087】なお、本実施の形態では、APSフィルム
における素抜けコマ判定の手順、および、APSフィル
ムの写真処理装置について説明したが、APSフィルム
に限定されるものでなく、写真用フィルムであれば構わ
ない。
【0088】また、本実施の形態の写真処理装置は、A
PSフィルム以外の写真フィルム(例えば135フィル
ム)にも適用可能である。例えば、本実施の形態の写真
処理装置に、複数の搬送経路とフィルムのサイズに応じ
て搬送経路を切り換える機能とを備えることにより、サ
イズの異なる複数のフィルムを処理できる写真処理装置
とすることも可能である。
【0089】さらに、本実施の形態では、開口部20に
おいて、CCD21によるスキャニングを行なった後
に、一旦APSフィルムを巻き戻し、その後再びAPS
フィルムを送り出して開口部20にてAPSフィルムを
露光する装置について説明をした。しかし、本発明の手
順は、APSフィルムが開口部に搬送される前にスキャ
ニングが行われ、その後、開口部にてAPSフィルムを
露光する装置にも適用することができる。
【0090】
【発明の効果】本発明の素抜けコマ判定方法は、以上の
ように、画像情報から、写真用フィルムにおける光の透
過率に対応する測光値を、全フレームの各画素毎に算出
し、上記測光値から、各フレームの平均測光値を算出
し、全フレームの各画素のうちから最大測光値を検出
し、上記平均測光値が、上記最大測光値を所定の割合で
減じた値よりも大きいフレームについては、素抜けコマ
と判定することを特徴とする。
【0091】それゆえ、上記の手順により、フレーム内
の各画素の平均測光値が、上記最大測光値を所定の割合
で減じた値より大きいと判定される場合、そのフレーム
には被写体が撮影されていない状態、すなわち、未露光
であり、素抜けコマと判定することができるという効果
を奏する。
【0092】さらに、露光条件を調整するために検出し
た画像情報から、上記判定基準に必要な平均測光値およ
び最大測光値を算出することができるため、写真用フィ
ルムの素抜けコマの判定において、上記手順を適用する
ことにより、余分な画像検出機構を設けることなく、容
易に素抜けコマの判定を行うことができるという効果を
奏する。
【0093】また、本発明の素抜けコマ判定方法は、上
記の手順に加えて、上記平均測光値に対して、一定の閾
値を設定し、上記平均測光値が上記閾値よりも大きいフ
レームについては、素抜けコマと判定する判定基準を併
用することを特徴とする。
【0094】上記最大測光値を基準とした素抜けコマ判
定を行うと、ほとんどの判定は可能であるが、まれに判
定できない場合もある。例えば、オーバーシーン(ネガ
フィルム上の画像が全体的に濃い場合)ばかりで撮影さ
れた写真用フィルムにおける最大測光値は、未露光画像
の測光値からかけ離れた値であるため、素抜けコマの判
定基準として用いることができない。
【0095】そこで、上記手順では、最大測光値のみを
判定基準とせずに、一定とした閾値をも判定の基準とし
て併用する。それゆえ、撮影された状況に依存すること
なく、正確な素抜けコマの判定を行うことができるとい
う効果を奏する。
【0096】さらに、本発明の素抜けコマ判定方法は、
上記の手順に加えて、各フレームにおける画素の測光値
の標準偏差を算出し、上記標準偏差が所定値よりも低い
フレームについては、素抜けコマと判定する判定基準を
併用することを特徴とする。
【0097】素抜けコマにおいては、各画素間の測光値
が均一である。それゆえ、上記手順に加えて、上記標準
偏差に着目した判断基準を併用することにより、より正
確な素抜けコマの判定を行うことができるという効果を
奏する。
【0098】また、本発明の素抜けコマ判定方法は、上
記の手順に加えて、各フレームにおける平均画素彩度を
算出し、上記平均画素彩度が所定値よりも低いフレーム
については、素抜けコマと判定する判定基準を併用する
ことを特徴とする。
【0099】素抜けコマとは、像が写っていないフレー
ムのことであるため、そのフレーム上は、フィルムベー
ス色のみの状態であり、その彩度は極めて低い。それゆ
え、上記手順に加えて、各フレームの平均画素彩度に着
目した判断基準とを併用することにより、より正確な素
抜けコマの判定を行うことができるという効果を奏す
る。
【0100】また、本発明の素抜けコマ判定方法は、上
記の手順に加えて、上記写真用フィルムがAPSフィル
ムであることを特徴とする。
【0101】それゆえ、APSフィルムによる焼き付け
を行う写真処理において、請求項1ないし4に記載の素
抜けコマ判定方法を適用することにより、露光条件を検
出するための画像情報から、上記判定方法に必要な平均
測光値および最大測光値を算出することができるため、
余分な画像検出機構を設けることなく、容易に素抜けコ
マの判定を行うことができるという効果を奏する。
【0102】本発明の写真処理装置は、以上のように、
フレームの画像情報を検出する画像検出手段と、上記画
像検出手段により検出した画像情報から、露光条件を算
出する演算部とを備え、上記演算部が、検出した画像情
報から、全フレームの画素の測光値を算出し、該算出結
果を用いて素抜けコマを判定する機能を有していること
を特徴とする。
【0103】それゆえ、画像検出手段により、写真用フ
ィルム上の全フレームの画像情報を検出することができ
る。そして、演算部は、検出した画像情報から全フレー
ムの画素の測光値を演算する機能を備えている。したが
って、写真用フィルムを露光する露光条件を算出する演
算部に上記機能がを付加されることにより、余分な画像
検出機構を設けることなく素抜けコマの判定を行うこと
ができるという効果を奏する。
【0104】また、本発明の写真処理装置は、上記の構
成に加えて、上記演算部が、請求項1ないし4のいずれ
か1項に記載の方法を実行することを特徴とする。
【0105】それゆえ、請求項1ないし4のいずれか1
項に記載の方法により素抜けコマの判定が行われるの
で、上記で説明したように、より正確な素抜けコマの判
定が可能となるという効果を奏する。
【0106】本発明の素抜けコマ判定プログラムは、請
求項1ないし4のいずれか1項に記載の素抜けコマ判定
方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0107】それゆえ、上記プログラムを、例えば、写
真処理装置の演算部にロードすることによって、請求項
1ないし4の発明の各素抜けコマ判定方法を写真処理装
置に適用することができるという効果を奏する。
【0108】本発明の素抜けコマ判定プログラムを記録
した記録媒体は、請求項1ないし4のいずれか1項に記
載の素抜けコマ判定方法をコンピュータに実行させるた
めの素抜けコマ判定プログラムを記録していることを特
徴とする。
【0109】それゆえ、上記記録媒体に記録されたプロ
グラムを、例えば、写真処理装置の演算部にロードする
ことによって、請求項1ないし4の発明の各素抜けコマ
判定方法を写真処理装置に適用することができるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAPSフィルムの素抜け判定を実行す
る手順を示したフローチャートである。
【図2】本発明の写真処理装置の概略構成を示した説明
図である。
【図3】上記写真処理装置におけるネガキャリアの内部
構成を示した説明図である。
【図4】APSフィルムに配されているパーフォレーシ
ョンを示す説明図である。
【図5】平均画素濃度の異なる3枚のフレームが写され
たAPSフィルムを示す説明図である。
【図6】APSフィルムにおける1フレーム内の画素数
および配列を示した説明図である。
【図7】フィルム感度特性を示したグラフであり、横軸
は撮影時の明るさを示し、縦軸はフィルム濃度を示す。
【図8】RGBの色相角度および彩度を示した説明図で
ある。
【図9】上記写真処理装置において、焼き付け処理が行
われる手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 写真処理装置 2 焼付装置 7 露光ユニット 8 露光台 9 光源 10 調光フィルタ 11 ミラートンネル 12 ネガキャリア 13 レンズユニット 14 シャッター 15 カートリッジ挿入部 16 搬送ローラ 17 DXセンサ 18 パーフォレーションセンサ 19 磁気ヘッド 20 開口部 21 CCD(Charge Coupled Device :電荷結合素
子,画像検出手段) 22 演算部 23 巻き取り機構 a・b・c フレーム P 印画紙(感光材料)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】写真用フィルム上の全フレームの画像情報
    を検出し、検出結果から写真用フィルムを露光する露光
    条件を調整し、画像を感光材料に焼き付ける写真処理で
    の素抜けコマ判定方法において、 上記画像情報から、上記写真用フィルムにおける光の透
    過率に対応する測光値を、全フレームの各画素毎に算出
    し、 上記測光値から、各フレームの平均測光値を算出し、 全フレームの各画素のうちから最大測光値を検出し、 上記平均測光値が、上記最大測光値を所定の割合で減じ
    た値よりも大きいフレームについては、素抜けコマと判
    定することを特徴とする素抜けコマ判定方法。
  2. 【請求項2】上記平均測光値に対して、一定の閾値を設
    定し、 上記平均測光値が上記閾値よりも大きいフレームについ
    ては、素抜けコマと判定する判定基準を併用することを
    特徴とする請求項1に記載の素抜けコマ判定方法。
  3. 【請求項3】各フレームにおける画素の測光値の標準偏
    差を算出し、上記標準偏差が所定値よりも低いフレーム
    については、素抜けコマと判定する判定基準を併用する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の素抜けコマ
    判定方法。
  4. 【請求項4】各フレームにおける平均画素彩度を算出
    し、上記平均画素彩度が所定値よりも低いフレームにつ
    いては、素抜けコマと判定する判定基準を併用すること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    素抜けコマ判定方法。
  5. 【請求項5】上記写真用フィルムは、APSフィルムで
    あることを特徴とする請求項1ないし4に記載の素抜け
    コマ判定方法。
  6. 【請求項6】写真用フィルムを露光することにより感光
    材料に画像を焼き付ける写真処理装置において、 フレームの画像情報を検出する画像検出手段と、 上記画像検出手段により検出された画像情報から、露光
    条件を算出する演算部とを備え、 上記演算部が、検出した画像情報から、全フレームの画
    素の測光値を算出し、該算出結果を用いて素抜けコマを
    判定する機能を有していることを特徴とする写真処理装
    置。
  7. 【請求項7】上記演算部が、請求項1ないし4のいずれ
    か1項に記載の方法を実行することを特徴とする請求項
    6に記載の写真処理装置。
  8. 【請求項8】請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
    素抜けコマ判定方法をコンピュータに実行させるための
    素抜けコマ判定プログラム。
  9. 【請求項9】請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
    素抜けコマ判定方法をコンピュータに実行させるための
    素抜けコマ判定プログラムを記録した記録媒体。
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