JP2003050160A - 温度測定方法および温度測定装置 - Google Patents
温度測定方法および温度測定装置Info
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Abstract
トで精度よく温度を測定することができる温度測定方法
および温度測定装置を提供する。 【解決手段】 流動層炉11における温度測定におい
て、撮像手段により流動層11内を撮像し、得られた画
像に基づいて測定対象物Bの温度を算出し、その算出さ
れ測定温度を所定の補正式により補正するものである。
Description
び温度測定装置に関する。さらに詳しくは、例えば流動
層(床)セメント造粒炉や焼成炉で生成されるセメント
原料のような、精確な温度測定が困難とされる対象物の
温度を精度よく測定するための温度測定方法および温度
測定装置に関する。
金属、合成樹脂および半導体などの対象物の温度を測定
する温度測定においては、測温器を対象物に接触させて
測温する接触式測温の外、測温器を対象物に接触させる
ことなく測温する非接触式測温が行われている。
は、測温対象物に陽電子を入射し、その陽電子が消滅す
るときに発するγ線の強度を検出して温度を測定するも
のとし、これによって、周囲物体の温度の影響などから
生ずる誤差を排除するものとしている。
CCDカメラにより撮像された画像を用いて対象物の膨
張率を計測し、これに基づき温度を測定するものとし、
特開平11−14460号公報は、非接触式による測温
結果と接触式による測温結果との関係を調べるためのサ
ンプル材を製作して非接触式の測温結果に対する補正値
を設定し、この補正値により非接触式による測温結果を
補正して対象物の温度を測定するものとしている。
難であるような場合には、非接触式にて対象物の温度を
測定し、その測定結果に含まれる誤差をなんらかの方法
で補正して、対象物の精確な温度を測定することが行わ
れる。
ものは、陽電子の照射機構やγ線強度の検出機構など、
特別の機構を用意して測温する必要があり、コストが高
くなるという問題がある。また、後の2つの従来例にお
いては、流体や粒状の物体など、不定形な物体の測温に
は適さなかったり、誤差の要因を細大漏らさず把握し、
かつそれを精確に反映できるサンプル材を製作し利用す
る必要があり、適用範囲が限られるなど、汎用性・通用
性に欠けるという問題がある。
ら、現在、セメント造粒炉や焼成炉として流動層式造粒
炉や焼成炉が注目されている。ところが、この流動層式
造粒炉や焼成炉においてはセメント原料ないしはクリン
カを高速かつ高温で流動させて造粒や焼成するため、接
触式測温による場合、測温器の損傷が激しく、頻繁な測
温器の交換等が必要となるという問題がある。
ては、非接触式で対象物の温度を測定することが望まし
い。ところが、高品質のセメントを製造しようとする場
合、適切な焼成温度範囲が狭く限られたものとなるた
め、従来の非接触式測温方法では測定誤差が大きく、適
切な温度管理が実現できないという問題がある。
術の課題に鑑みなされたものであって、流動層炉におけ
る測定対象物の温度を低コストで精度よく温度を測定す
ることができる温度測定方法および温度測定装置を提供
することを目的としている。
は、流動層炉における温度測定方法であって、撮像手段
により流動層内を撮像し、得られた画像に基づいて測定
対象物の温度を算出し、その算出され測定温度を所定の
補正式により補正することを特徴とする。
正式が回帰式とされてなるのが好ましい。その場合、前
記回帰式が、測定対象物のレベルに関する説明変数、測
定対象物の集団から分離して雰囲気中を飛翔する飛翔物
の量に関する説明変数、雰囲気中の水蒸気量に関する説
明変数などを含むのがさらに好ましい。
における温度測定装置であって、温度相関物理量検出手
段と、前記温度相関物理量検出手段の検出値に基づいて
測定対象物の温度を算出する温度演算手段と、前記温度
演算手段により算出された測定温度を補正する温度補正
手段とを備えてなることを特徴とする。
度補正手段による補正が重回帰分析の手法を用いてなさ
れるのが好ましい。その場合、前記重回帰分析における
回帰式が、測定対象物のレベルに関する説明変数、測定
対象物の集団から分離して雰囲気中を飛翔する飛翔物の
量に関する説明変数、雰囲気中の水蒸気量に関する説明
変数などを含むのがさらに好ましい。
造粒炉や焼成炉とされる。
層における撮像画像に基づく温度測定において、誤差を
生じさせる誤差要因における厳密な因果関係を顧慮する
ことなく、容易に誤差要因の影響を排除して精確な温度
測定がなし得る。
発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる
実施形態のみに限定されるものではない。
定方法が適用される、例えばセメント原料を流動層を用
いて造粒・焼成してセメントクリンカを生成する造粒・
焼成システム(以下、単にシステムと略称する)の概略
構成をブロック図で示す。
炉と略称する)10と、炉10内で焼成される測定対象
物(以下、単に対象物という)Bの温度と相関関係の高
い物理量(以下、温度相関物理量という)Cを検出し、
その検出結果を表す信号Dを出力する温度相関物理量検
出器20と、温度相関物理量検出器20の出力信号Dに
基づいて対象物Bの温度を演算し、その演算結果を測定
温度Eとして出力する温度演算部30と、測定温度Eに
含まれる誤差を排除するよう測定温度Eを補正し、その
補正結果を補正温度Fとして出力する温度補正部40と
を主要構成要素として備えてなる。
料粉Gを所定温度(例えば、約1300℃)で加熱して
所定径(例えば、直径1〜2ミリメートル)のクリンカ
Hを造粒する造粒炉11と、造粒炉11により生成され
たクリンカHを所定温度(例えば、約1400℃)で焼
成する焼成炉12と、造粒炉11に送られるセメント原
料粉Gを予熱する予熱器13と、焼成炉12で焼成され
たクリンカHを所定の中間温度(例えば、約1000
℃)まで急冷する第1冷却器14と、第1冷却器14に
より冷却されたクリンカHを所定の低温度(例えば、約
150℃)まで冷却する第2冷却器15とから構成され
る。
は、図3に示すように、予熱器13で予熱されたセメン
ト原料粉Gは原料粉導入管11cを介して、エア流入口
11bからのエアIとともに炉内部11aに流入され、
加熱されてクリンカHに造粒される。炉内部11aで生
成されたクリンカHは選別部11dにおいて選別され、
クリンカ送出路11eを介して焼成炉12に送出され
る。
11gには温度相関物理量検出器20が所定の態様で設
けられる。
様を示す。温度相関物理量検出器20は、例えばCCD
(Charge Coupled Device)撮像器(カメラ)21(ま
たはリレーレンズユニット22)と、これらCCD撮像
器21(またはリレーレンズユニット22)を制御する
カメラコントローラ23とから構成される。CCD撮像
器21(またはリレーレンズユニット22)は、前掲の
所定位置11gに炉壁11fを貫通して穿設される検出
器設置孔11hに挿通され、かつ対象物B(セメント原
料粉G)表面の画像を撮像可能な姿勢で設置される。
データ、すなわち対象物B表面の輝度および色合いを温
度相関物理量Cとして検出し、その物理量Cを表す信号
Dをカメラコントローラ23を介して温度演算部30に
出力する。
Dカメラ21に冷却用エアI1を供給するエアセット2
4(図1参照)(またはリレーレンズユニット22に冷
却用エアI2、I3を供給する各エアセット25、26)
を含む。また、CCDカメラ21には冷却水J1が供給
される。(リレーレンズユニット22には複数の経路を
介して冷却水J2,J3が供給される。)
み、画像入出力部32を介して入力される信号Dに所定
の画像処理を行い、この画像処理された画像データの輝
度情報および色合い情報に基づいて、所定時間毎に対象
物Bの温度を演算する。演算された対象物Bの温度は移
動平均処理されて、各時刻における測定温度Eとして出
力部33を介して温度補正部40に出力される。
2には、CCDカメラ21により撮像された画像を視認
するためのモニタ34が接続される。
ずる各種要因を分析し、対象物Bの温度を反応変数(ま
たは、従属変数、被説明変数ともいう。以下、変数Yで
表す)とし、各種要因に関係する物理量(以下、誤差相
関物理量という)Kを説明変数(または、独立変数とも
いう。以下、変数x1、x2、・・・で表す)とし、反応
変数Yを各説明変数x1、x2、・・・の線形和で表す下
記式(1)のような補正式(回帰式)を設定し、この補
正式を適用して測定温度Eを補正し、この補正結果を補
正温度Fとして出力する。
回帰分析の手法により決定される係数である。
物Bの表面位置(レベル)に関係する物理量、x3:対
象物Bの集団から分離して雰囲気内を飛翔している対象
物Bの量に関係する物理量、x4:雰囲気中における水
蒸気量に関係する物理量とし、下記式(2)のように前
掲の補正式を設定する。
部から対象物Bの最上部位までの高さ、つまり造粒炉1
1内流動層の鉛直上下方向の厚み(以下、層高という)
K1(図3参照)とされる。また、この層高K1は造粒炉
11内部圧力と焼成炉12内部圧力との差圧を計測する
ことによって間接的に計測するものとしてもよい。すな
わち、変数X2を、造粒炉11内部圧力と焼成炉12内
部圧力との差圧としてもよい。
るクリンカHFの量とされる。すなわち、セメント原料
粉Gからクリンカが造粒されると、このクリンカの一部
が流動層上方に飛び出す現象が起こる。この流動層上方
で飛翔しているクリンカHFの量を計測し、この計測値
を変数x3に対応する物理量Kとして用いる。また、流
動層上方に飛び出すクリンカの量は流動層内クリンカの
平均粒径と相関関係があるので、この平均粒径を計測
し、これを変数x3としてもよい。
で散水される炉内散水量とされる。
a3,a4は、具体的には以下のようにして決定される。
演算されるのと同時に、例えば接触式測温により精確な
対象物Bの温度Tを測定する。このようにして、充分な
数の測定温度Eと対象物温度Tとの関係を示すサンプル
を得る。
び対象物温度Tを測定するのと同時に、変数x2、x3、
x4と対応する誤差相関物理量Kをそれぞれ測定する。
度Eを代入し、各変数x2、x3、x4に対応する物理量
Kをそれぞれ代入し、式(2)の右辺を計算する。
象物温度Tとを比較し、各サンプル毎の両者の差(残
差)の2乗和が最小となるように係数a0,a1,a2,
a3,a4を設定する。
性に起因して適切な補正結果が得られない場合は、説明
変数x1、x2、・・・の種類を増減する。
おいては、重回帰分析の手法によって、測定温度Eを補
正して精確な対象物温度Tを測定するための補正式が設
定されるので、多数の要因が影響していることにより測
定温度Eに誤差を生ずるメカニズムが複雑である場合に
も、例えばサンプル材を製作して補正値を設定する方法
のように、要因と誤差との因果関係を顧慮して誤差を排
除する方策を講じる必要がなく、容易に誤差を補正して
精確な対象物温度Tを測定することができる。
原則的に不変であるので、一旦、適切な補正式が設定さ
れれば、炉の設計条件の変更、例えば改造や長期間の運
転による大幅な経年変化がない限り、その炉固有の温度
補正式として設定された補正式を用いることが可能とな
る。
ても、造粒・焼成方式が同様であるなどの理由により相
似性がある場合には、単に係数を調整するだけで補正式
を適用することも可能となる。
る。
カ造粒・焼成炉の実験プラントで収集されたデータに基
づく検証結果を示す。図5は、各サンプルの非接触式測
温による測定温度、その補正温度および接触式測温によ
る基準温度を対比したテーブル図であり、図6は、それ
をグラフ化したものである。
形態と同様にして、非接触式測温により対象物温度を測
定し、各種誤差相関物理量を測定し、接触式測温により
対象物温度(基準温度)を精確に測定し、これらの測定
データを用いて重回帰分析の手法によって補正式を設定
した。
得られた、サンプル番号1〜27の各測定温度に適用し
てその補正温度を算出し、この補正温度を基準温度と比
較した。
ットされた黒四角の各点は各サンプル1〜27の測定温
度を示し、折れ線L2上にプロットされた白四角の各点
は各サンプル1〜27の補正温度を示し、折れ線L3上
にプロットされた黒三角の各点は各サンプル1〜27の
基準温度を示す。
基準温度と充分な精度で一致しており、この実験によっ
て、非接触式測温によって流動層式セメント造粒・焼成
システムを充分な精度で温度管理できることが実証され
た。
づいて説明してきたが、本発明はかかる実施形態および
実施例に限定されるものではなく、種々改変が可能であ
る。例えば、実施形態においては、炉は造粒・焼成炉と
されているが、造粒炉および焼成炉がそれぞれ個別に設
けられているシステムについても適用が可能である。ま
た、適用できる流動層炉はセメント製造設備におけるも
のに限定されるものではなく、各種流動層炉における温
度測定にも適用できる。
流動層における撮像画像に基づく温度測定において、誤
差を生じさせる誤差要因における厳密な因果関係を顧慮
することなく、容易に誤差要因の影響を排除して精確な
温度測定がなし得るという優れた効果が得られる。
される造粒・焼成システムの概略構成を示すブロック図
である。
る。
すテーブル図である。
すグラフ図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 流動層炉における温度測定方法であっ
て、 撮像手段により流動層内を撮像し、得られた画像に基づ
いて測定対象物の温度を算出し、その算出された測定温
度を所定の補正式により補正することを特徴とする温度
測定方法。 - 【請求項2】 前記補正式が回帰式とされてなることを
特徴とする請求項1記載の温度測定方法。 - 【請求項3】 前記回帰式が、測定対象物のレベルに関
する説明変数を含むことを特徴とする請求項2記載の温
度測定方法。 - 【請求項4】 前記回帰式が、測定対象物の集団から分
離して雰囲気中を飛翔する飛翔物の量に関する説明変数
を含むことを特徴とする請求項2記載の温度測定方法。 - 【請求項5】 前記回帰式が、雰囲気中の水蒸気量に関
する説明変数を含むことを特徴とする請求項2記載の温
度測定方法。 - 【請求項6】 前記流動層炉が、セメント造粒炉および
(または)焼成炉とされてなることを特徴とする請求項
1記載の温度測定方法。 - 【請求項7】 流動層炉における温度測定装置であっ
て、 温度相関物理量検出手段と、前記温度相関物理量検出手
段の検出値に基づいて測定対象物の温度を算出する温度
演算手段と、前記温度演算手段により算出された測定温
度を補正する温度補正手段とを備えてなることを特徴と
する温度測定装置。 - 【請求項8】 前記温度補正手段による補正が重回帰分
析の手法を用いてなされることを特徴とする請求項7記
載の温度測定装置。 - 【請求項9】 前記重回帰分析における回帰式が、測定
対象物のレベルに関する説明変数を含むことを特徴とす
る請求項8記載の温度測定装置。 - 【請求項10】 前記重回帰分析における回帰式が、測
定対象物の集団から分離して雰囲気中を飛翔する飛翔物
の量に関する説明変数を含むことを特徴とする請求項8
記載の温度測定装置。 - 【請求項11】 前記重回帰分析における回帰式が、雰
囲気中の水蒸気量に関する説明変数を含むことを特徴と
する請求項8記載の温度測定装置。 - 【請求項12】 前記流動層炉が、セメント造粒炉およ
び(または)焼成炉とされてなることを特徴とする請求
項7記載の温度測定装置。
Priority Applications (1)
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JP2001238823A JP3559870B2 (ja) | 2001-08-07 | 2001-08-07 | 温度測定方法および温度測定装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2001
- 2001-08-07 JP JP2001238823A patent/JP3559870B2/ja not_active Expired - Fee Related
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