JP2003049927A - 差動制限デファレンシャル装置 - Google Patents
差動制限デファレンシャル装置Info
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Landscapes
- Retarders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性および耐焼付性を向上することがで
きる差動制限デファレンシャル装置の提供を図る。 【解決手段】 デフケース2内にサイドギア7A,7B
及びピニオンギア6からなる差動ギアを備え、差動ギア
の噛み合い反力によってサイドギア7A,7Bとデフケ
ース2との間に摺動摩擦抵抗を発生させ、その摺動摩擦
抵抗によって差動制限力を得る差動制限デファレンシャ
ル装置であって、前記デフケース2とサイドギア7A,
7Bに互いに対向する円錐面8A,9A,8B,9Bを
それぞれ形成し、これら円錐面8A,9A,8B,9B
間にコーンリング10A,10Bを配置すると共に、コ
ーンリング10A,10Bとサイドギア7A,7Bの円
錐面8A,8B間に、コーンリング8A,8Bおよびサ
イドギア7A,7Bの円錐面8A,8Bよりも軟質の材
料よりなるフローティングプレート11A,11Bを設
けた。
きる差動制限デファレンシャル装置の提供を図る。 【解決手段】 デフケース2内にサイドギア7A,7B
及びピニオンギア6からなる差動ギアを備え、差動ギア
の噛み合い反力によってサイドギア7A,7Bとデフケ
ース2との間に摺動摩擦抵抗を発生させ、その摺動摩擦
抵抗によって差動制限力を得る差動制限デファレンシャ
ル装置であって、前記デフケース2とサイドギア7A,
7Bに互いに対向する円錐面8A,9A,8B,9Bを
それぞれ形成し、これら円錐面8A,9A,8B,9B
間にコーンリング10A,10Bを配置すると共に、コ
ーンリング10A,10Bとサイドギア7A,7Bの円
錐面8A,8B間に、コーンリング8A,8Bおよびサ
イドギア7A,7Bの円錐面8A,8Bよりも軟質の材
料よりなるフローティングプレート11A,11Bを設
けた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デフケースとサイ
ドギア間に発生する摩擦力により差動制限力を得る差動
制限デファレンシャル装置に関する。
ドギア間に発生する摩擦力により差動制限力を得る差動
制限デファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の差動制限デファレンシャル装置
として、特開平9−72400号公報に示すようなもの
が知られている。
として、特開平9−72400号公報に示すようなもの
が知られている。
【0003】このデファレンシャル装置101は、図2
に示すように、デフケース102の略中央部に固定され
たピニオンシャフト103と、このピニオンシャフト1
03に回転自在に支承されたピニオンギア104と、こ
のピニオンギア104に左右両側から噛み合う一対のサ
イドギア105A,105Bとを備えている。
に示すように、デフケース102の略中央部に固定され
たピニオンシャフト103と、このピニオンシャフト1
03に回転自在に支承されたピニオンギア104と、こ
のピニオンギア104に左右両側から噛み合う一対のサ
イドギア105A,105Bとを備えている。
【0004】各サイドギア105A,105Bの外周に
は、軸方向外端に向って小径となる円錐面106A,1
06Bが形成されている。また、デフケース102の内
周には、これら円錐面106A,106Bに対向する円
錐面107A,107Bが形成されている。そして、こ
れら対向する円錐面106A,107A間、106B,
107B間にそれぞれコーンリング108A,108B
が設けられている。
は、軸方向外端に向って小径となる円錐面106A,1
06Bが形成されている。また、デフケース102の内
周には、これら円錐面106A,106Bに対向する円
錐面107A,107Bが形成されている。そして、こ
れら対向する円錐面106A,107A間、106B,
107B間にそれぞれコーンリング108A,108B
が設けられている。
【0005】コーンリング108A,108Bは、デフ
ケース102やサイドギア105A,105Bよりも軟
質な材料で、単なる円錐状の部材として構成され、デフ
ケース102やサイドギア105A,105Bには何ら
係合されていず、自由支持されている。
ケース102やサイドギア105A,105Bよりも軟
質な材料で、単なる円錐状の部材として構成され、デフ
ケース102やサイドギア105A,105Bには何ら
係合されていず、自由支持されている。
【0006】各サイドギア105A,105Bには、図
示されていない左右の車軸がそれぞれスプライン結合さ
れている。
示されていない左右の車軸がそれぞれスプライン結合さ
れている。
【0007】このようなデファレンシャル装置101で
は、エンジンの駆動力が、デフケース102内のピニオ
ンギア104からサイドギア105A,105Bを介し
て左右の車軸(図示せず)に分配される。そして、左右
の車軸間に駆動抵抗差が生じると、ピニオンギア104
の自転により、各サイドギア105A,105Bを介し
て各車軸に分配される。
は、エンジンの駆動力が、デフケース102内のピニオ
ンギア104からサイドギア105A,105Bを介し
て左右の車軸(図示せず)に分配される。そして、左右
の車軸間に駆動抵抗差が生じると、ピニオンギア104
の自転により、各サイドギア105A,105Bを介し
て各車軸に分配される。
【0008】このトルク伝達中に、デフケース102と
サイドギア105A,105Bとの間に回転速度差(相
対回転)が生じると、それに応じたピニオンギア104
とサイドギア105A,105Bの噛み合い反力によ
り、サイドギア105A,105Bが軸方向外方に押さ
れ、その力によってサイドギア105A,105Bの円
錐面106A,106Bがコーンリング108A,10
8Bを介してデフケース102の円錐面107A,10
7Bに押し付けられる。そして、コーンリング108
A,108Bとデフケース102間またはコーンリング
108A,108Bとサイドギア105A,105B間
に摺動が起こり、この摺動摩擦抵抗により差動制限力が
発生する。
サイドギア105A,105Bとの間に回転速度差(相
対回転)が生じると、それに応じたピニオンギア104
とサイドギア105A,105Bの噛み合い反力によ
り、サイドギア105A,105Bが軸方向外方に押さ
れ、その力によってサイドギア105A,105Bの円
錐面106A,106Bがコーンリング108A,10
8Bを介してデフケース102の円錐面107A,10
7Bに押し付けられる。そして、コーンリング108
A,108Bとデフケース102間またはコーンリング
108A,108Bとサイドギア105A,105B間
に摺動が起こり、この摺動摩擦抵抗により差動制限力が
発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のデ
ファレンシャル装置では、コーンリング11A,11B
とデフケース2間、コーンリング11A,11Bとサイ
ドギア7A,7B間の面が摺動面となるため、耐摩耗性
や耐焼付性を向上させるために、デフケース2、コーン
リング11A,11B、サイドギア7A,7Bの摺動面
に窒化処理やCRN処理(クロム窒化処理)等を施して
いる。
ファレンシャル装置では、コーンリング11A,11B
とデフケース2間、コーンリング11A,11Bとサイ
ドギア7A,7B間の面が摺動面となるため、耐摩耗性
や耐焼付性を向上させるために、デフケース2、コーン
リング11A,11B、サイドギア7A,7Bの摺動面
に窒化処理やCRN処理(クロム窒化処理)等を施して
いる。
【0010】しかし、デフケース2やサイドギア7A,
7Bの一部(摺動面)にのみ前述のように窒化処理やC
RN処理等を施すことは難しく、コスト的にも不利とな
ってしまう。
7Bの一部(摺動面)にのみ前述のように窒化処理やC
RN処理等を施すことは難しく、コスト的にも不利とな
ってしまう。
【0011】そこで、本発明は、耐摩耗性および耐焼付
性を向上することができる差動制限デファレンシャル装
置を提供することを目的とする。
性を向上することができる差動制限デファレンシャル装
置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、デフ
ケース内にピニオンギアと一対のサイドギアからなる差
動ギアを備え、差動ギアの噛み合い反力によってサイド
ギアとデフケースとの間に摺動摩擦抵抗を発生させ、摺
動摩擦抵抗によって差動制限力を得る差動制限デファレ
ンシャル装置であって、前記デフケースとサイドギアに
互いに対向する円錐面をそれぞれ形成し、前記円錐面間
にコーンリングをデフケース又はサイドギアと一体回転
するように配置すると共に、コーンリングとサイドギア
の円錐面間又はコーンリングとデフケースの円錐面間の
うち摺動する円錐面間にフローティングプレートを設け
たことを特徴としている。
ケース内にピニオンギアと一対のサイドギアからなる差
動ギアを備え、差動ギアの噛み合い反力によってサイド
ギアとデフケースとの間に摺動摩擦抵抗を発生させ、摺
動摩擦抵抗によって差動制限力を得る差動制限デファレ
ンシャル装置であって、前記デフケースとサイドギアに
互いに対向する円錐面をそれぞれ形成し、前記円錐面間
にコーンリングをデフケース又はサイドギアと一体回転
するように配置すると共に、コーンリングとサイドギア
の円錐面間又はコーンリングとデフケースの円錐面間の
うち摺動する円錐面間にフローティングプレートを設け
たことを特徴としている。
【0013】この差動制限デファレンシャル装置では、
一対のサイドギアに回転差が起きると、サイドギアとピ
ニオンギアとの噛み合い反力がサイドギアに作用して、
その力によって、サイドギアの円錐面がフローティング
プレートおよびコーンリングを介してデフケースの円錐
面に押し付けられる。従って、デフケースとサイドギア
間の摺動する円錐面間、例えばコーンリングがデフケー
スと一体に回転するように配置されている場合は、コー
ンリングとフローティングプレート間及びフローティン
グプレートとサイドギア間に摺動が起こり、この摺動摩
擦抵抗により差動制限力が発生する。
一対のサイドギアに回転差が起きると、サイドギアとピ
ニオンギアとの噛み合い反力がサイドギアに作用して、
その力によって、サイドギアの円錐面がフローティング
プレートおよびコーンリングを介してデフケースの円錐
面に押し付けられる。従って、デフケースとサイドギア
間の摺動する円錐面間、例えばコーンリングがデフケー
スと一体に回転するように配置されている場合は、コー
ンリングとフローティングプレート間及びフローティン
グプレートとサイドギア間に摺動が起こり、この摺動摩
擦抵抗により差動制限力が発生する。
【0014】この場合、デフケースとサイドギア間の摺
動する円錐面間に、フローティングプレートを配置した
ことによって、フローティングプレートの両面で摺動が
行われるため、フローティングプレートが配置されてい
ない従来のものに比較して各摺動面での摺動速度を低減
することができ、耐摩耗性を向上することができる。
動する円錐面間に、フローティングプレートを配置した
ことによって、フローティングプレートの両面で摺動が
行われるため、フローティングプレートが配置されてい
ない従来のものに比較して各摺動面での摺動速度を低減
することができ、耐摩耗性を向上することができる。
【0015】また、各摺動面の摩擦抵抗にあわせて任意
の面が摺動接触するので、耐焼付性を向上することがで
きる。
の面が摺動接触するので、耐焼付性を向上することがで
きる。
【0016】また、デフケースまたはサイドギアの円錐
面間にコーンリングをデフケース又はサイドギアと一体
回転するように配置してあるため、コーンリングが一体
回転可能に配置されたデフケース又はサイドギアの円錐
面に部分的に窒化処理等を施す必要がなくなり、その分
コスト的に有利に得ることができる。
面間にコーンリングをデフケース又はサイドギアと一体
回転するように配置してあるため、コーンリングが一体
回転可能に配置されたデフケース又はサイドギアの円錐
面に部分的に窒化処理等を施す必要がなくなり、その分
コスト的に有利に得ることができる。
【0017】その際、コーンリングやフローティングプ
レートに窒化処理を行うことが要求されるが、何れもデ
フケースやサイドギアに比べて小さな部品であるため窒
化処理を行うコストを抑えることができる。
レートに窒化処理を行うことが要求されるが、何れもデ
フケースやサイドギアに比べて小さな部品であるため窒
化処理を行うコストを抑えることができる。
【0018】請求項2の発明は、請求項1記載の差動制
限デファレンシャル装置であって、前記フローティング
プレートが、フローティングプレートと摺動するサイド
ギアの円錐面又はデフケースの円錐面およびコーンリン
グよりも軟質の材料からなることを特徴としている。
限デファレンシャル装置であって、前記フローティング
プレートが、フローティングプレートと摺動するサイド
ギアの円錐面又はデフケースの円錐面およびコーンリン
グよりも軟質の材料からなることを特徴としている。
【0019】この差動制限デファレンシャル装置では、
フローティングプレートが軟質材料からなるので、摺動
特性が良好になり、安定した差動制限特性が得られる。
フローティングプレートが軟質材料からなるので、摺動
特性が良好になり、安定した差動制限特性が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を用いて説明する。
て図面を用いて説明する。
【0021】図1は、本発明の一実施形態に係る差動制
限デファレンシャル装置の全体構成を示す断面図であ
る。なお、左右の方向は図1での左右の方向である。
限デファレンシャル装置の全体構成を示す断面図であ
る。なお、左右の方向は図1での左右の方向である。
【0022】このデファレンシャル装置1は、エンジン
によって回転軸線L回りに回転駆動されるデフケース2
を有する。
によって回転軸線L回りに回転駆動されるデフケース2
を有する。
【0023】デフケース2は、ケース本体2aとカバー
2bとからなり、ボルト3によって一体的に連結されて
いる。
2bとからなり、ボルト3によって一体的に連結されて
いる。
【0024】デフケース2の略中央部には、該デフケー
ス2の回転軸線Lと直交する複数個のピニオンシャフト
4が周方向等間隔に配置されており、各ピニオンシャフ
ト4は、端部をデフケース2にピン5を介して固定され
ている。各ピニオンシャフト4には、ピニオンギア6が
回転自在に支承されている。
ス2の回転軸線Lと直交する複数個のピニオンシャフト
4が周方向等間隔に配置されており、各ピニオンシャフ
ト4は、端部をデフケース2にピン5を介して固定され
ている。各ピニオンシャフト4には、ピニオンギア6が
回転自在に支承されている。
【0025】各ピニオンギア6には、デフケース2の回
転軸線Lと同軸上に配置された一対のサイドギア7A,
7Bが左右両側から噛み合っている。そして、一対のサ
イドギア7A,7Bおよびピニオンシャフト4に支承さ
れたピニオンギア6とにより、差動ギアを構成してい
る。
転軸線Lと同軸上に配置された一対のサイドギア7A,
7Bが左右両側から噛み合っている。そして、一対のサ
イドギア7A,7Bおよびピニオンシャフト4に支承さ
れたピニオンギア6とにより、差動ギアを構成してい
る。
【0026】また、各サイドギア7A,7Bには、左右
の車軸(図示せず)がそれぞれスプライン係合により連
結されている。
の車軸(図示せず)がそれぞれスプライン係合により連
結されている。
【0027】各サイドギア7A,7Bの外径部には、軸
方向外端へ向って内径方へ傾斜するように形成された円
錐面8A,8Bが設けられている。
方向外端へ向って内径方へ傾斜するように形成された円
錐面8A,8Bが設けられている。
【0028】一方、デフケース2の内周面には、前記サ
イドギア7A,7Bに設けられた円錐面8A,8Bに対
向する円錐面9A,9Bが形成されている。
イドギア7A,7Bに設けられた円錐面8A,8Bに対
向する円錐面9A,9Bが形成されている。
【0029】各サイドギア7A,7Bの円錐面8A,8
Bと、前記円錐面8A,8Bと対向するデフケース2の
円錐面9A,9Bとの間には、それぞれコーンリング1
0A,10Bが配置され、さらに、コーンリング10
A,10Bとデフケース2の円錐面9A,9Bとの間に
は、フローティングプレート11A,11Bがそれぞれ
設けられている。
Bと、前記円錐面8A,8Bと対向するデフケース2の
円錐面9A,9Bとの間には、それぞれコーンリング1
0A,10Bが配置され、さらに、コーンリング10
A,10Bとデフケース2の円錐面9A,9Bとの間に
は、フローティングプレート11A,11Bがそれぞれ
設けられている。
【0030】各コーンリング10A,10Bは、単なる
円錐状の部材として構成されており、特にこの実施形態
では、デフケース2と一体回転するように係合されてい
る。また、軸方向にもあまり動かないように、デフケー
ス2側の壁部によって移動止めされている。
円錐状の部材として構成されており、特にこの実施形態
では、デフケース2と一体回転するように係合されてい
る。また、軸方向にもあまり動かないように、デフケー
ス2側の壁部によって移動止めされている。
【0031】各フローティングプレート11A,11B
は、単なる円錐状の部材として構成され、サイドギア7
A,7Bの円錐面8A,8Bとコーンリング10A,1
0Bに対してそれぞれフローティング(自由支持)状態
で配置されている。そして、各フローティングプレート
11A,11Bは、サイドギア7A,7Bやコーンリン
グ10A,10Bよりも軟質な材料、例えばアルミニウ
ムまたは青銅等で構成されている。
は、単なる円錐状の部材として構成され、サイドギア7
A,7Bの円錐面8A,8Bとコーンリング10A,1
0Bに対してそれぞれフローティング(自由支持)状態
で配置されている。そして、各フローティングプレート
11A,11Bは、サイドギア7A,7Bやコーンリン
グ10A,10Bよりも軟質な材料、例えばアルミニウ
ムまたは青銅等で構成されている。
【0032】また、左右のサイドギア7A,7B間に
は、複数の圧縮ばね12が周方向に等間隔で配設されて
いる。これら圧縮ばね12は、所定のばね力でサイドギ
ア7A,7Bを軸方向外方へ付勢し、この力によって、
サイドギア7A,7Bの円錐面8A,8Bをフローティ
ングプレート11A,11Bおよびコーンリング10
A,10Bを介してデフケース2の円錐面9A,9Bに
押し付けてイニシャルトルクを与えている。
は、複数の圧縮ばね12が周方向に等間隔で配設されて
いる。これら圧縮ばね12は、所定のばね力でサイドギ
ア7A,7Bを軸方向外方へ付勢し、この力によって、
サイドギア7A,7Bの円錐面8A,8Bをフローティ
ングプレート11A,11Bおよびコーンリング10
A,10Bを介してデフケース2の円錐面9A,9Bに
押し付けてイニシャルトルクを与えている。
【0033】以上の様にデファレンシャル装置1が構成
されている。
されている。
【0034】このデファレンシャル装置1では、エンジ
ンの駆動力が、デフケース2内のピニオンギア6からサ
イドギア7A,7Bを介して左右の車両(図示せず)に
分配される。そして、左右の車軸間に駆動抵抗差が生じ
ると、ピニオンギア6の自転により、駆動力は各サイド
ギア7A,7Bを介して左右の車軸に差動分配される。
ンの駆動力が、デフケース2内のピニオンギア6からサ
イドギア7A,7Bを介して左右の車両(図示せず)に
分配される。そして、左右の車軸間に駆動抵抗差が生じ
ると、ピニオンギア6の自転により、駆動力は各サイド
ギア7A,7Bを介して左右の車軸に差動分配される。
【0035】このトルク伝達中に、デフケース2とサイ
ドギア7A,7Bとの間に回転速度差(相対回転)が生
じると、それに応じた差動ギアの噛み合い反力により、
サイドギア7A,7Bが軸方向外方に押され、その力に
よって、サイドギア7A,7Bの円錐面8A,8Bが、
フローティングプレート11A,11Bおよびコーンリ
ング10A,10Bを介してデフケース2の円錐面9
A,9Bに押し付けられる。従って、フローティングプ
レート11A,11Bとサイドギア7A,7B間または
フローティングプレート11A,11Bとコーンリング
10A,10B間に摺動が起こり、この摺動摩擦抵抗に
よって差動制限力が発生する。
ドギア7A,7Bとの間に回転速度差(相対回転)が生
じると、それに応じた差動ギアの噛み合い反力により、
サイドギア7A,7Bが軸方向外方に押され、その力に
よって、サイドギア7A,7Bの円錐面8A,8Bが、
フローティングプレート11A,11Bおよびコーンリ
ング10A,10Bを介してデフケース2の円錐面9
A,9Bに押し付けられる。従って、フローティングプ
レート11A,11Bとサイドギア7A,7B間または
フローティングプレート11A,11Bとコーンリング
10A,10B間に摺動が起こり、この摺動摩擦抵抗に
よって差動制限力が発生する。
【0036】この実施形態では、各サイドギア7A,7
Bの円錐面8A,8Bと、前記円錐面8A,8Bと対向
するデフケース2の円錐面9A,9Bとの間にそれぞれ
コーンリング10A,10Bおよびフローティングプレ
ート11A,11Bを配置したことにより、デフケース
2とサイドギア7A,7Bの間の摺動面が、デフケース
2とコーンリング10A,10B間、コーンリング10
A,10Bとフローティングプレート11A,11B間
およびフローティングプレート11A,11Bとサイド
ギア7A,7B間のいずれか又は3者の対向面が摺動面
となる。従って、特に3者の対向面が摺動面となった場
合に、各摺動面での摺動速度の低減が図れ、耐摩耗性を
向上することができる。
Bの円錐面8A,8Bと、前記円錐面8A,8Bと対向
するデフケース2の円錐面9A,9Bとの間にそれぞれ
コーンリング10A,10Bおよびフローティングプレ
ート11A,11Bを配置したことにより、デフケース
2とサイドギア7A,7Bの間の摺動面が、デフケース
2とコーンリング10A,10B間、コーンリング10
A,10Bとフローティングプレート11A,11B間
およびフローティングプレート11A,11Bとサイド
ギア7A,7B間のいずれか又は3者の対向面が摺動面
となる。従って、特に3者の対向面が摺動面となった場
合に、各摺動面での摺動速度の低減が図れ、耐摩耗性を
向上することができる。
【0037】また、各摺動面の摩擦抵抗にあわせて任意
の面が摺動接触するので、耐焼付性を向上することがで
きる。
の面が摺動接触するので、耐焼付性を向上することがで
きる。
【0038】また、デフケース2の円錐面9A,9Bと
サイドギア7A,7Bの円錐面8A,8Bの間にコーン
リング10A,10Bをデフケース2と一体回転するよ
うに配置してあるため、コーンリング10A,10Bが
一体回転可能に配置されたデフケース2の円錐面9A,
9Bに部分的に窒化処理等を施す必要がなくなり、その
分コスト的に有利に得ることができる。
サイドギア7A,7Bの円錐面8A,8Bの間にコーン
リング10A,10Bをデフケース2と一体回転するよ
うに配置してあるため、コーンリング10A,10Bが
一体回転可能に配置されたデフケース2の円錐面9A,
9Bに部分的に窒化処理等を施す必要がなくなり、その
分コスト的に有利に得ることができる。
【0039】その際、コーンリング10A,10Bやフ
ローティングプレート11A,11Bに窒化処理を行う
ことが要求されるが、何れもデフケース2に比べて小さ
な部品であるため窒化処理を行うコストを抑えることが
できる。
ローティングプレート11A,11Bに窒化処理を行う
ことが要求されるが、何れもデフケース2に比べて小さ
な部品であるため窒化処理を行うコストを抑えることが
できる。
【0040】また、フローティングプレート11A,1
1Bが軟質材料からなるので、摺動特性が良好になり、
安定した差動制限特性が得られる。
1Bが軟質材料からなるので、摺動特性が良好になり、
安定した差動制限特性が得られる。
【0041】本実施形態におけるコーンリング10A,
10Bは、表面に前述のように窒化処理やCRN処理を
施すことにより摩擦係数の調整を行うことも可能であ
る。
10Bは、表面に前述のように窒化処理やCRN処理を
施すことにより摩擦係数の調整を行うことも可能であ
る。
【0042】また、フローティングプレート11A,1
1Bは、複数個配置することも可能である。
1Bは、複数個配置することも可能である。
【0043】なお、フローティングプレート11A,1
1Bの組付け部分の構成は、左右同じでもよいし、左右
を違えてもよい。
1Bの組付け部分の構成は、左右同じでもよいし、左右
を違えてもよい。
【0044】また、イニシャルトルクを付与する圧縮ば
ね12は、省略することもできる。
ね12は、省略することもできる。
【0045】また、本実施形態では、コーンリング10
A,10Bをデフケース2と一体に回転するように配置
した例を示したが、これに限るものではなく、サイドギ
ア7A,7Bと一体に回転するように配置してもよく、
この場合は、サイドギア7A,7Bの円錐面8A,8B
に部分的に窒化処理等を施す必要がなくなり、その分コ
スト的に有利に得ることができる。
A,10Bをデフケース2と一体に回転するように配置
した例を示したが、これに限るものではなく、サイドギ
ア7A,7Bと一体に回転するように配置してもよく、
この場合は、サイドギア7A,7Bの円錐面8A,8B
に部分的に窒化処理等を施す必要がなくなり、その分コ
スト的に有利に得ることができる。
【0046】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、デフケースと
サイドギア間の摺動する円錐面間に、フローティングプ
レートを配置したことによって、フローティングプレー
トの両面で摺動が行われるため、フローティングプレー
トが配置されていない従来のものに比較して各摺動面で
の摺動速度を低減することができ、耐摩耗性を向上する
ことができる。
サイドギア間の摺動する円錐面間に、フローティングプ
レートを配置したことによって、フローティングプレー
トの両面で摺動が行われるため、フローティングプレー
トが配置されていない従来のものに比較して各摺動面で
の摺動速度を低減することができ、耐摩耗性を向上する
ことができる。
【0047】また、各摺動面の摩擦抵抗にあわせて任意
の面が摺動接触するので、耐焼付性を向上することがで
きる。
の面が摺動接触するので、耐焼付性を向上することがで
きる。
【0048】また、デフケースまたはサイドギアの円錐
面間にコーンリングをデフケース又はサイドギアと一体
回転するように配置してあるため、コーンリングが一体
回転可能に配置されたデフケース又はサイドギアの円錐
面に部分的に窒化処理等を施す必要がなくなり、その分
コスト的に有利に得ることができる。
面間にコーンリングをデフケース又はサイドギアと一体
回転するように配置してあるため、コーンリングが一体
回転可能に配置されたデフケース又はサイドギアの円錐
面に部分的に窒化処理等を施す必要がなくなり、その分
コスト的に有利に得ることができる。
【0049】その際、コーンリングやフローティングプ
レートに窒化処理を行うことが要求されるが、何れもデ
フケースやサイドギアに比べて小さな部品であるため窒
化処理を行うコストを抑えることができる。
レートに窒化処理を行うことが要求されるが、何れもデ
フケースやサイドギアに比べて小さな部品であるため窒
化処理を行うコストを抑えることができる。
【0050】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果と同等の効果を得ることができる。
の効果と同等の効果を得ることができる。
【0051】また、フローティングプレートが軟質材料
からなるので、摺動特性が良好になり、安定した差動制
限特性が得られる。
からなるので、摺動特性が良好になり、安定した差動制
限特性が得られる。
【図1】本発明の一実施形態の全体構成を示す断面図で
ある。
ある。
【図2】従来例に係るデファレンシャル装置を示す断面
図である。
図である。
1 差動デファレンシャル装置
2 デフケース
6 ピニオンギア
7A,7B サイドギア
8A,8B,9A,9B 円錐面
10A,10B コーンリング
11A,11B フローティングプレート
Claims (2)
- 【請求項1】 デフケース内にピニオンギアと一対のサ
イドギアからなる差動ギアを備え、差動ギアの噛み合い
反力によってサイドギアとデフケースとの間に摺動摩擦
抵抗を発生させ、摺動摩擦抵抗によって差動制限力を得
る差動制限デファレンシャル装置であって、 前記デフケースとサイドギアに互いに対向する円錐面を
それぞれ形成し、前記円錐面間にコーンリングをデフケ
ース又はサイドギアと一体回転するように配置すると共
に、コーンリングとサイドギアの円錐面間又はコーンリ
ングとデフケースの円錐面間のうち摺動する円錐面間に
フローティングプレートを設けたことを特徴とする差動
制限デファレンシャル装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の差動制限デファレンシャ
ル装置であって、前記フローティングプレートが、フロ
ーティングプレートと摺動するサイドギアの円錐面又は
デフケースの円錐面およびコーンリングよりも軟質の材
料からなることを特徴とする差動制限デファレンシャル
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001236350A JP2003049927A (ja) | 2001-08-03 | 2001-08-03 | 差動制限デファレンシャル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001236350A JP2003049927A (ja) | 2001-08-03 | 2001-08-03 | 差動制限デファレンシャル装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003049927A true JP2003049927A (ja) | 2003-02-21 |
Family
ID=19067633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001236350A Pending JP2003049927A (ja) | 2001-08-03 | 2001-08-03 | 差動制限デファレンシャル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003049927A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102008019738A1 (de) | 2008-04-19 | 2009-10-22 | Volkswagen Ag | Selbstsperrendes Differential |
KR20210116769A (ko) * | 2020-03-13 | 2021-09-28 | 서영대학교 산학협력단 | 자작자동차용 차동제한장치 |
-
2001
- 2001-08-03 JP JP2001236350A patent/JP2003049927A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102008019738A1 (de) | 2008-04-19 | 2009-10-22 | Volkswagen Ag | Selbstsperrendes Differential |
KR20210116769A (ko) * | 2020-03-13 | 2021-09-28 | 서영대학교 산학협력단 | 자작자동차용 차동제한장치 |
KR102339880B1 (ko) | 2020-03-13 | 2021-12-17 | 서영대학교 산학협력단 | 자작자동차용 차동제한장치 |
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