JP2003049254A - 亜鉛−アルミニウム合金溶融メッキ方法 - Google Patents

亜鉛−アルミニウム合金溶融メッキ方法

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JP2003049254A
JP2003049254A JP2001239361A JP2001239361A JP2003049254A JP 2003049254 A JP2003049254 A JP 2003049254A JP 2001239361 A JP2001239361 A JP 2001239361A JP 2001239361 A JP2001239361 A JP 2001239361A JP 2003049254 A JP2003049254 A JP 2003049254A
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aluminum alloy
plating
hot
plated
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Atsuo Suehiro
篤夫 末広
Norio Kogashiwa
典夫 小柏
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Koyo Seiko Co Ltd
Kowa Kogyo Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
Kowa Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メッキ層の膨れの発生を抑制しつつ高い生産
効率で、被メッキ物を亜鉛−アルミニウム合金で溶融メ
ッキできる方法を提供する。 【解決手段】 被メッキ物を亜鉛−アルミニウム合金メ
ッキ浴に浸漬した後、界面活性剤を含有する水溶液に浸
漬して冷却する。前記方法において、被メッキ物を溶融
亜鉛メッキ浴に浸漬し、さらに溶融亜鉛−アルミニウム
合金メッキ浴に浸漬して溶融メッキしてもよい。前記合
金中におけるアルミニウムの割合は、0.1〜10重量
%%程度である。前記界面活性剤は、ノニオン性界面活
性剤であってもよい。前記水溶液中における界面活性剤
の割合は、0.1〜10重量%程度であってもよい。前
記亜鉛−アルミニウム合金は、さらにマグネシウムを含
有していてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜鉛−アルミニウ
ム合金を用いた溶融メッキ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、鉄鋼製品の腐食を防止するた
め、溶融亜鉛メッキが汎用されている。しかし、溶融亜
鉛メッキでは、ネジ類などのように凹凸形状を有する鉄
鋼製品のメッキには、高い耐食性を形成できない。そこ
で、アルミニウムを含む亜鉛合金で溶融メッキすること
が提案されている。
【0003】例えば、特開昭59−166664号公報
には、溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキに関し、少量
のアルミニウム、又は必要によりさらにマグネシウムを
少量加え、被メッキ物の表面にアルミニウム亜鉛合金メ
ッキを施す方法が開示されている。
【0004】また、特開昭63−63626号公報に
は、被メッキ物を500〜600℃の溶融亜鉛メッキ浴
に浸漬し、メッキ浴から取り出した後に直ちに450℃
以下の溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ浴に浸漬する
溶融亜鉛メッキ方法が開示され、特開平4−19299
号公報には、430〜460℃の亜鉛メッキ浴に被メッ
キ物を浸漬した後、4〜8%のアルミニウムを含む43
0〜460℃の亜鉛メッキ浴に浸漬する溶融亜鉛メッキ
方法が開示されている。これらの文献の方法では、2段
階メッキによって、さらに、メッキの膜厚を大きくし、
かつ不メッキ部分の発生を抑制している。
【0005】一方、溶融亜鉛メッキ方法では、生産性を
高めるため、通常、被メッキ物を溶融亜鉛メッキ浴に浸
漬して溶融メッキした後、水冷している。しかし、アル
ミニウムを含む亜鉛合金の溶融メッキ物を水冷すると、
亜鉛−アルミニウム合金メッキ層で膨れが発生し、均一
なメッキ層が形成されない。
【0006】そこで、アルミニウムを含む亜鉛合金で溶
融メッキする場合には、メッキ浴に浸漬した後、空気中
で一定時間放置してメッキ層を冷却した後、水冷してい
る。しかし、このような方法では、工程が複雑となると
共に、空気中での冷却に長時間を要するため、生産効率
が低下する。なお、冷却水の温度を低くすると、ある程
度メッキ層の膨れを抑制できる。しかし、冷却水の温度
を低下させても、完全に膨れの生成を防止できない。し
かも、メッキ物の浸漬により、冷却水の温度が急速に上
昇するため、冷却水の温度を低く保つためには、大がか
りな冷却設備が別途必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、メッキ層の膨れの発生を抑制しつつ高い生産効率
で、被メッキ物を亜鉛−アルミニウム合金で溶融メッキ
できる方法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、被メッキ物をメッキ
浴に浸漬した後、放冷することなく水冷しても、メッキ
層の膨れの発生を抑制できる亜鉛−アルミニウム合金溶
融メッキ方法を提供することにある。
【0009】本発明の更に他の目的は、被メッキ物を溶
融亜鉛−アルミニウム合金メッキ浴に浸漬した後、放冷
することなく水冷しても、メッキ層の膨れの発生を抑制
できる方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、界面活性剤を含有
する水溶液を用いて、溶融メッキ物を水冷すると、アル
ミニウムを含む亜鉛合金で溶融メッキされた被メッキ物
であっても、メッキ層の膨れの発生を抑制できることを
見出し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の亜鉛−アルミニウム合
金溶融メッキ方法は、被メッキ物を亜鉛−アルミニウム
合金で溶融メッキする方法であって、溶融メッキした被
メッキ物を、界面活性剤を含有する水溶液に浸漬して冷
却する。前記方法において、被メッキ物を400〜50
0℃の溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ浴に浸漬して
溶融メッキしてもよい。また、被メッキ物を溶融亜鉛メ
ッキ浴に浸漬し、さらに溶融亜鉛−アルミニウム合金メ
ッキ浴に浸漬して溶融メッキしてもよい。前記合金中に
おけるアルミニウムの割合は、0.1〜10重量%、好
ましくは1〜10重量%程度である。前記界面活性剤
は、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ア
ニオン性界面活性剤、両性界面活性剤であってもよい。
前記水溶液中における界面活性剤の割合は、0.1〜1
0重量%(例えば、0.3〜5重量%)程度であっても
よい。前記亜鉛−アルミニウム合金は、さらにマグネシ
ウムを含有していてもよい。
【0012】また、本発明には、被メッキ物を亜鉛−ア
ルミニウム合金で溶融メッキした後、界面活性剤を含有
する水溶液を用いて冷却し、メッキ層の膨れの発生を抑
制する方法も含まれる。
【0013】さらに、本発明には、被メッキ物を亜鉛−
アルミニウム合金で溶融メッキした後、冷媒に浸漬して
冷却する方法であって、冷媒として、界面活性剤を含有
する水溶液を用いる方法も含まれる。
【0014】
【発明の実施の形態】[被メッキ物]本発明に適用でき
る被メッキ物は、溶融亜鉛−アルミニウムメッキが可能
であれば特に制限されず、非腐食性金属基材であって
も、腐食性金属基材であってもよい。金属基材として
は、鉄分を含む鉄系基材(ステンレススチール、鉄鋼な
ど)などが例示できる。これらの鉄系基材のうち、特
に、腐蝕性を有する鉄鋼材料に適用するのが好ましい。
鉄鋼材料の成分、組成割合は特に制限されない。
【0015】被メッキ物の形態は、線状(鋼線など)、
二次元形状(鋼板、板帯等の板状)、三次元形状(筒
状、棒状等の立体形状)等の種々の形状を利用できる。
例えば、小型の基材(例えば、ボルト、ナット、送電金
具等)や、比較的大型の基材(例えば、高欄、親柱、橋
梁用防護柵、道路標識、道路用ガードフェンス、河川用
フェンス、落石防止網等)が使用できる。
【0016】なお、被メッキ物は、通常、溶融メッキに
先だって、慣用の前処理を行ってもよく、例えば、脱脂
処理及び酸洗浄処理等の表面処理を行った後、フラック
ス処理又はショットブラスト処理等の表面加工処理等を
行ってもよい。さらに、必要であれば、被メッキ物に
は、予めニッケルメッキを施してもよい。
【0017】[亜鉛又は亜鉛合金]本発明では、少なく
とも亜鉛−アルミニウム合金で溶融メッキすればよく、
予め溶融亜鉛又は溶融亜鉛合金メッキが施された被メッ
キ物を溶融亜鉛−アルミニウム合金でメッキしてもよ
い。溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキは、通常、溶融
メッキ工程の最終工程で行われる場合が多い。
【0018】亜鉛−アルミニウム合金中におけるアルミ
ニウムの割合は、0.1〜10重量%(例えば、0.5
〜10重量%)、好ましくは1〜10重量%(特に3〜
7重量%)程度である。亜鉛合金にアルミニウムを含有
させることにより、耐食性の高いメッキを施すことがで
きる。
【0019】亜鉛−アルミニウム合金は、さらにマグネ
シウムを含んでいてもよい。合金中におけるマグネシウ
ムの割合は、0.05〜8重量%、好ましくは0.1〜
5重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%程度であ
る。マグネシウムをさらに含有させることにより、耐食
性を向上できる。
【0020】なお、亜鉛−アルミニウム合金は、スズ、
ニッケル、銅、チタン、ジルコニウム、ナトリウム等の
金属成分を含んでいてもよい。また、亜鉛−アルミニウ
ム合金は、特に断りがない限り、不可避的不純物、例え
ば、鉄、カドミウム等を含んでいてもよい。
【0021】なお、予め施してもよい溶融亜鉛メッキ
は、溶融亜鉛合金メッキでもあってもよい。溶融亜鉛合
金メッキは、例えば、亜鉛と、スズ、マグネシウム、ニ
ッケルなどから選択された少なくとも一種の金属との合
金(例えば、亜鉛−スズ合金、亜鉛−マグネシウム合
金、亜鉛−ニッケル合金等)の溶融亜鉛合金メッキであ
ってもよい。亜鉛合金中における亜鉛以外の金属の割合
は、特に制限されず、例えば、0.01〜50重量%、
好ましくは0.05〜30重量%、さらに好ましくは
0.1〜10重量%程度である。また、亜鉛や亜鉛合金
も、鉄、カドミウム等の不可避的不純物を含んでいても
よい。
【0022】[溶融メッキ工程]溶融亜鉛−アルミニウ
ム合金メッキ浴の温度は、420〜500℃、好ましく
は420〜480℃(例えば、420〜460℃)程度
である。浸漬時間は、被メッキ物の少なくとも表層がメ
ッキ浴温度に達すればよく、例えば、5秒〜5分、好ま
しくは10秒〜4分、さらに好ましくは15秒〜3分程
度である。浸漬後、さらに被メッキ物に付着した過剰な
溶融亜鉛−アルミニウム合金を、例えば、空気中又は不
活性ガス雰囲気中で、亜鉛−アルミニウム合金の融点以
上の温度で遠心力を作用させて除去してもよい。これに
より、メッキ厚みをより均一にでき、メッキ精度をさら
に向上できる。
【0023】予め溶融亜鉛メッキを施す場合、溶融亜鉛
メッキ浴の温度は、430〜550℃、好ましくは43
0〜500℃、さらに好ましくは440〜480℃程度
である。浸漬時間は、例えば、1秒〜5分、好ましくは
15秒〜3分程度である。
【0024】[冷却工程]本発明の方法では、溶融亜鉛
−アルミニウム合金メッキ浴に浸漬後、溶融メッキ物を
徐冷することなく、界面活性剤を含有する水溶液中に浸
漬して冷却する。
【0025】界面活性剤としては、例えば、ノニオン性
界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活
性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
【0026】ノニオン性界面活性剤には、エーテル型、
エステルエーテル型、エステル型、含窒素型界面活性剤
が含まれる。エーテル型ノニオン性界面活性剤として
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル[例えば、ポ
リオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテ
ル等のポリオキシエチレンC6-24アルキルエーテル(特
に、ポリオキシエチレンC8-18アルキルエーテル)な
ど]、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
[例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポ
リオキシエチレンC6-18アルキルフェニルエーテル(特
に、ポリオキシエチレンC6-12アルキルフェニルエーテ
ル)など]、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレ
ンブロックコポリマー等が挙げられる。
【0027】エステルエーテル型ノニオン界面活性剤と
しては、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エス
テル[例えば、ポリオキシエチレングリセリンステアリ
ン酸エステル、ポリオキシエチレングリセリンオレイン
酸エステル等のポリオキシエチレングリセリンC8-24
肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリ
ン酸エステルなどのポリオキシエチレンソルビタンC
8-24脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンショ糖C8-24
脂肪酸エステルなど]、ポリオキシエチレンヒマシ油及
びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0028】エステル型ノニオン界面活性剤としては、
多価アルコール脂肪酸エステル[(ポリ)グリセリン、
トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、ペン
タエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、グリセ
リン、ショ糖等の多価アルコールと脂肪酸とのエステ
ル]などが例示でき、例えば、グリセリンモノステアリ
ン酸エステルなどのグリセリンC8-24脂肪酸エステル、
ショ糖モノステアリン酸エステルなどのショ糖C8-24
肪酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステルなど
のソルビタンC8-24脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0029】含窒素型ノニオン性界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンアルキルアミン(例えば、ポリオキ
シエチレンラウリルアミンなどのポリオキシエチレンC
6-24アルキルアミンなど)、ポリオキシエチレン脂肪酸
アミド(例えば、ポリオキシエチレンステアリン酸アミ
ドなどのポリオキシエチレンC8-24脂肪酸アミドな
ど)、脂肪酸アルカノールアミド(例えば、N,N−ジ
エタノールステアリン酸アミドなどのN,N−アルカノ
ールC8-24脂肪酸アミド)等が挙げられる。
【0030】なお、前記ノニオン性界面活性剤におい
て、エチレンオキシドの平均付加モル数は、1〜35モ
ル、好ましくは2〜30モル、さらに好ましくは5〜2
0モル程度である。
【0031】アニオン性界面活性剤には、カルボン酸
塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩等が含まれる。カル
ボン酸塩としては、脂肪酸石けん(例えば、ラウリン酸
ナトリウムなどのC8-24脂肪酸金属塩など)などが挙げ
られる。
【0032】スルホン酸塩としては、アルキルベンゼン
スルホン酸塩(例えば、ラウリルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムなどのC6-24アルキルベンゼンスルホン酸塩な
ど)、アルキルナフタレンスルホン酸塩(例えば、ジイ
ソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのジC
3-8アルキルナフタレンスルホン酸塩など)、α−オレ
フィンスルホン酸ナトリウム(例えば、9−オクタデセ
ニルスルホン酸ナトリウムなどのC12-18アルケニルス
ルホン酸塩など)、アルカンスルホン酸塩(例えば、ラ
ウリルスルホン酸ナトリウムなどのC6-24アルキルスル
ホン酸塩など)等が挙げられる。
【0033】硫酸エステル塩としては、硫酸化油、アル
キル硫酸エステル塩(例えば、ヤシ油の還元アルコール
と硫酸とのエステルのナトリウム塩などのC6-24アルキ
ル硫酸エステル塩など)等が挙げられる。
【0034】なお、アニオン性界面活性剤において、塩
としては、アンモニア、アミン(例えば、アミン、エタ
ノールアミンなどのアルカノールアミン等)、アルカリ
金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土
類金属(例えば、カルシウムなど)等との塩が挙げられ
る。
【0035】カチオン性界面活性剤としては、テトラア
ルキルアンモニウム塩(例えば、ラウリルトリメチルア
ンモニウムクロライド、ジオクタデシルジメチルアンモ
ニウムクロライド等のモノ又はジC8-24アルキル−トリ
又はジメチルアンモニウム塩など)、トリアルキルベン
ジルアンモニウム塩[例えば、セチルベンジルジメチル
アンモニウムクロライドなどのC8-24アルキルベンジル
ジメチルアンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム塩な
ど)など]、塩化ベンゼトニウム、アルキルピリジニウ
ム塩(例えば、セチルピリジニウムブロマイドなどのC
8-24アルキルピリジニウム塩など)等が挙げられる。塩
としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原
子)、過塩素酸等との塩が挙げられる。
【0036】両性界面活性剤としては、アルキルベタイ
ン(例えば、ジメチルラウリルカルボキシベタインなど
のC8-24アルキル基を有するベタインなど)、アルキル
イミダゾリウムベタイン(例えば、ラウリルイミダゾリ
ウムベタインなどのC8-24アルキルイミダゾリウムベタ
インなど)、アルキルアミンオキシド(ラウリルジメチ
ルアミンオキシドなどのトリC8-24アルキル基を有する
アミンオキシドなど)等が挙げられる。
【0037】これらの界面活性剤は単独で又は二種以上
組み合わせて使用できる。これらのうち、ノニオン性界
面活性剤及び/又はカチオン性界面活性剤が好ましい。
さらに好ましい界面活性剤は、少なくともノニオン性界
面活性剤(特に、オキシエチレン鎖を有するノニオン性
界面活性剤)で構成されている。ノニオン性界面活性剤
とカチオン性界面活性剤とを併用する場合、両者の割合
(重量比)は、ノニオン性界面活性剤/カチオン性界面
活性剤=99/1〜1/99の範囲から選択でき、通
常、50/50〜2/98(特に、30/70〜3/9
7)程度である。
【0038】前記界面活性剤のHLB値は、1〜30、
好ましくは2〜20(例えば、5〜20)、さらに好ま
しくは5〜15程度である。なお、HLB値は、複数の
界面活性剤を用いて調整してもよい。
【0039】水溶液中における界面活性剤の割合は、メ
ッキ層の膨れの発生を抑制できる範囲、例えば、0.1
〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、さらに好
ましくは0.5〜3重量%程度である。
【0040】なお、水溶液(冷却水溶液)中には、界面
活性剤の他に、例えば、防錆剤、腐蝕抑制剤、消泡剤、
防腐剤、アルコール類(エタノールやイソプロピルアル
コールなど)、有機酸(シュウ酸など)、塩や緩衝剤
(ホウ酸塩など)、塩基類(アミンなど)等が含まれて
いてもよい。
【0041】冷媒としての前記水溶液の温度は、例え
ば、0〜90℃、好ましくは10〜80℃、さらに好ま
しくは15〜50℃程度である。膨れの発生を抑制する
点からは、水溶液の温度は低いほど好ましいが、本発明
では、室温(15〜20℃程度)以上の温度であって
も、効果的に膨れの発生を抑制することができる。その
ため、本発明では、生産効率の点から、通常、室温以上
の冷却水が使用できる。なお、雰囲気温度(室温)で前
記冷媒(前記水溶液)中に被メッキ物を浸漬すると、冷
媒の温度が上昇する。特に、繰り返し被メッキ物を浸漬
すると、冷媒の温度がかなり高くなる。このような場合
であっても、冷媒(前記水溶液)の温度は、前記界面活
性剤が失活しない範囲、例えば、20〜80℃(例え
ば、30〜80℃)程度であってもよく、通常、40〜
70℃程度であっても、メッキの膨れの生成を有効に防
止できる。浸漬時間も、特に制限されず、例えば、1秒
以上、好ましくは2秒〜10分、さらに好ましくは5秒
〜5分(特に5秒〜1分)程度の範囲から選択できる。
【0042】本発明の方法では、溶融メッキした後、徐
冷することなく、前記界面活性剤を含有する水溶液(冷
媒)に浸漬することにより、メッキ層の膨れの発生を抑
制できる。そのため、本発明は、被メッキ物を亜鉛−ア
ルミニウム合金で溶融メッキした後、界面活性剤を含有
する水溶液(冷媒)を用いて冷却し、メッキ層の膨れの
発生を抑制する方法、被メッキ物を亜鉛−アルミニウム
合金で溶融メッキした後、冷媒に浸漬して冷却する方法
において、冷媒として、界面活性剤を含有する水溶液を
用いる方法も包含する。すなわち、亜鉛−アルミニウム
合金メッキ層が高温状態[例えば、200℃以上、更に
は250℃以上(例えば、300〜450℃程度)、更
には300℃以上(例えば、350〜420℃程度)、
特に未硬化状態(例えば、380〜420℃)]でも前
記水溶液を用いることによりメッキ層の膨れの発生を顕
著に抑制できる。
【0043】アルミニウムを含む亜鉛合金が膨れを生成
する理由は明確ではないが、亜鉛とアルミニウムとの合
金の共晶温度が380℃程度であり、メッキ温度よりも
かなり低いため、この融点の低い共晶部分が、水の沸騰
により持ち上げられることにより膨れが発生すると推定
される。また、亜鉛−アルミニウム合金のメッキ厚みが
大きいほど、メッキ層で膨れが生成し易いが、本発明の
方法では、例えば、メッキ厚みが50μm以上であって
も、メッキ層で膨れが生成されない。
【0044】メッキ層の厚みは、耐食性を付与できる限
り、特に制限されず、10〜500μm、好ましくは2
0〜300μm、さらに好ましくは30〜200μm程
度であってもよい。
【0045】本発明の方法では、メッキ浴で溶融メッキ
されたメッキ物を、徐冷することなく、高温状態を維持
したままで、直ちに水冷することができる。すなわち、
空気中で冷却する場合は、長い放冷時間が必要である
が、本発明では、直ちに水冷でき、メッキ浴に浸漬した
後にメッキ物を空気中に放置して冷却する必要がないの
で、前記溶融メッキ工程と冷却工程とを連続的に行うこ
とができる。そのため、製造工程を簡略化できるととも
に、製造に要する時間が短縮でき、生産効率を大きく向
上できる。さらに、メッキ層の膨れの発生を抑制できる
ので、欠陥部の生成を抑制でき、耐食性及び外観品質を
向上でき、商品価値を高めることができる。
【0046】
【発明の効果】本発明によると、溶融亜鉛−アルミニウ
ム合金メッキ浴に浸漬した後に水冷しても、メッキ層で
の膨れの生成を抑制できる。従って、溶融メッキ後に直
ちに水冷することができ、亜鉛−アルミニウム合金メッ
キ物の生産効率を大きく向上することができる。また、
メッキ層の膨れの発生を抑制できるので、欠陥部の生成
を抑制でき、耐食性及び外観品質を向上でき、商品価値
を高めることができる。
【0047】
【実施例】以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明
をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によ
り限定されるものではない。
【0048】比較例1 熱間圧延鋼板(SPHC、厚さ3mm、縦75mm×横
150mm)を、脱脂処理、塩酸による酸洗浄処理した
後、塩化亜鉛50g/L、塩化アンモニウム150g/
Lを含む水溶液フラックスに浸漬し、取り出した後、乾
燥した。引き続き、450℃の溶融亜鉛浴に、120秒
間浸漬した後、水冷し、溶融亜鉛メッキ皮膜を形成し
た。
【0049】次に、前記溶融亜鉛メッキされた鋼板を、
アルミニウム5重量%及びマグネシウム1重量%を含む
450℃の溶融亜鉛−アルミニウム合金浴に60秒間浸
漬し、浴から引き上げた後、直ちに(10秒以内に)、
60℃の水で浸漬冷却し、溶融亜鉛−アルミニウム合金
メッキ皮膜を形成した。メッキ皮膜の外観を目視で観察
した結果を表1に示す。
【0050】比較例2 溶融亜鉛−アルミニウム合金浴から引き上げた後、直ち
に、20℃の水で浸漬冷却する以外は比較例1と同様に
して、溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ皮膜を形成し
た。メッキ皮膜の状態を目視で観察した結果を表1に示
す。
【0051】比較例3 溶融亜鉛−アルミニウム合金浴から引き上げた後、直ち
に水冷せず、空気中で120秒間放冷してメッキ皮膜を
凝固させた後、60℃水で浸漬冷却する以外は比較例1
と同様にして、溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ皮膜
を形成した。メッキ皮膜の状態を目視で観察した結果を
表1に示す。
【0052】実施例1 溶融亜鉛−アルミニウム合金浴から引き上げた後、直ち
に、ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル)を1重量%含み、かつ温度60℃の
水溶液で浸漬冷却する以外は比較例1と同様にして、溶
融亜鉛−アルミニウム合金メッキ皮膜を形成した。メッ
キ皮膜の状態を目視で観察した結果を表1に示す。
【0053】実施例2 溶融亜鉛−アルミニウム合金浴から引き上げた後、直ち
に、ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル)を1重量%含み、かつ温度20℃の
水溶液で浸漬冷却する以外は比較例1と同様にして、溶
融亜鉛−アルミニウム合金メッキ皮膜を形成した。メッ
キ皮膜の状態を目視で観察した結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1から明らかなように、本発明のメッキ
被覆物は、空気中で徐冷しなくても膨れの発生がない。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被メッキ物を亜鉛−アルミニウム合金で
    溶融メッキする方法であって、溶融メッキした被メッキ
    物を、界面活性剤を含有する水溶液に浸漬して冷却する
    溶融メッキ方法。
  2. 【請求項2】 被メッキ物を400〜500℃の溶融亜
    鉛−アルミニウム合金メッキ浴に浸漬して溶融メッキす
    る請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 被メッキ物を溶融亜鉛メッキ浴に浸漬
    し、さらに溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ浴に浸漬
    して溶融メッキする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 合金中におけるアルミニウムの割合が
    0.1〜10重量%である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 界面活性剤がノニオン性界面活性剤、カ
    チオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界
    面活性剤から選択された少なくとも1種である請求項1
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 水溶液中における界面活性剤の割合が
    0.1〜10重量%である請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 亜鉛−アルミニウム合金が、さらにマグ
    ネシウムを含有する請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 腐食性金属基材を、アルミニウム1〜1
    0重量%を含有する亜鉛−アルミニウム合金で溶融メッ
    キした後、ノニオン性界面活性剤0.3〜5重量%を含
    有する水溶液中に浸漬して冷却する溶融メッキ方法。
  9. 【請求項9】 被メッキ物を亜鉛−アルミニウム合金で
    溶融メッキした後、界面活性剤を含有する水溶液を用い
    て冷却し、メッキ層の膨れの発生を抑制する方法。
  10. 【請求項10】 被メッキ物を亜鉛−アルミニウム合金
    で溶融メッキした後、冷媒に浸漬して冷却する方法であ
    って、冷媒として、界面活性剤を含有する水溶液を用い
    る方法。
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