JP2003049086A - 液晶パネル用スペーサー及びそれを用いた液晶素子 - Google Patents

液晶パネル用スペーサー及びそれを用いた液晶素子

Info

Publication number
JP2003049086A
JP2003049086A JP2001237455A JP2001237455A JP2003049086A JP 2003049086 A JP2003049086 A JP 2003049086A JP 2001237455 A JP2001237455 A JP 2001237455A JP 2001237455 A JP2001237455 A JP 2001237455A JP 2003049086 A JP2003049086 A JP 2003049086A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
pigment
spacer
crystal panel
resin layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001237455A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003049086A5 (ja
Inventor
Akihiko Takeda
明彦 竹田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001237455A priority Critical patent/JP2003049086A/ja
Publication of JP2003049086A publication Critical patent/JP2003049086A/ja
Publication of JP2003049086A5 publication Critical patent/JP2003049086A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像ムラのない液晶表示装置を与える液晶パ
ネル用スペーサーを提供する。 【解決手段】 互いに対向して配される一対の基板間に
液晶が封入された液晶表示に該液晶層の厚さを一定に保
つために配置された樹脂製スペーサーにおいて、該スペ
ーサーに有機顔料を含有することを特徴とする液晶パネ
ル用スペーサー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子にお
ける液晶層の厚みを規定するスペーサーとそのスペーサ
ーを用いた液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は高画質画像を与えるため
広く利用されている。一般に液晶表示装置は一対の基板
の間に所定の配向を施された液晶層が配置されており、
基板間隔すなわち液晶層の厚みを均一に維持することが
画質の良し悪しを決定する。この液晶層厚を一定に規定
するのにスペーサーが用いられる。
【0003】従来、液晶表示装置は、液晶層の厚み(セ
ルギャップ)を一定間隔に保持するために、カラーフィ
ルター基板と対向電極基板からなる2枚の基板間に所定
の粒径を有するプラスチックビーズ、セラミックスビー
ズ等のスペーサービーズを散布して、両基板を張り合わ
せている。しかしながら、上述のような方法では、スペ
ーサービーズの均一な散布が難しく、セルギャップを表
示領域全域にわたって一定にできない問題があった。ま
た、スペーサービーズを多量に使用すると、セルギャッ
プは一定に保たれるが、表示領域に存在するスペーサー
のために表示領域の開口率が低下すること、2枚の基板
の張り合わせ時にスペーサービーズによって配向膜や透
明電極を傷つけ表示欠陥が生じる等の問題があった。
【0004】このような問題を解決するために、特開昭
63−8254号公報、特開平5−196946号公報
では、カラーフィルター基板の2〜3色の着色層を積層
してスペーサーを形成することが提案されている。この
方法では、求められる液晶層の厚み(セルギャップ)に相
当する厚みのスペーサーを形成するためには、各着色層
の充分な厚みと厚み精度が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、感光性樹脂をスピンコーターなどで塗布したとき、
膜厚ムラが多く、特に中央部に対し周辺部が厚くなる傾
向があって画面全体に均一な液晶膜厚が得られないこと
が多い。このため、液晶画像にムラが現われ、画質を損
ねることになるという問題があった。特に最近はテレ
ビ、パソコンなど画像面積が大きくなり画面全体の均一
性を確保するということが困難になってきた。本発明の
目的は、画像ムラのない液晶表示装置を与える液晶パネ
ル用スペーサーを提供することにある。また、本発明の
別の目的は画像ムラのない液晶素子を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】<1> 互いに対向して
配される一対の基板間に液晶層を有する液晶素子に、該
液晶層の厚さを一定に保つために配置された樹脂製の液
晶パネル用スペーサーにおいて、該液晶パネル用スペー
サーが有機顔料を含有することを特徴とする液晶パネル
用スペーサーである。 <2> 前記液晶パネル用スペーサーがフォトリソグラ
フィーによって形成されていることを特徴とする前記<
1>に記載の液晶パネル用スペーサーである。 <3> 前記液晶パネル用スペーサーが転写型フィルム
を用いて形成されていることを特徴とする前記<1>ま
たは<2>に記載の液晶パネル用スペーサーである。 <4> 前記転写型フィルムが、仮支持体上に、アルカ
リ可溶な熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層をこの
順に設けてなることを特徴とする前記<3>に記載の液
晶パネル用スペーサーである。 <5> 前記有機顔料が、C.I.ピグメント・レッド
177、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.
ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブル
ー15、C.I.ピグメント・イエロー139、C.
I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント
・バイオレット23、及びC.I.ピグメント・ブラッ
ク7からなる群より選択される少なくとも1種であるこ
とを特徴とする前記<1>から<4>のいずれかに記載
の液晶パネル用スペーサーである。 <6> 前記有機顔料の平均粒径が0.01〜0.5μ
mであることを特徴とする前記<1>から<5>のいず
れかに記載の液晶パネル用スペーサーである。 <7> 前記有機顔料が樹脂に分散されていることを特
徴とする前記<1>から<6>のいずれかに記載の液晶
パネル用スペーサーである。 <8> 前記樹脂が酸性基を有するポリマーであること
を特徴とする前記<1>から<7>のいずれかに記載の
液晶パネル用スペーサーである。 <9> 前記有機顔料を樹脂に分散させる分散剤、及び
前記有機顔料がアゾ色素骨格を有することを特徴とする
前記<7>または<8>に記載の液晶パネル用スペーサ
ーである。 <10> 前記分散剤が下記一般式(I)で表される化
合物であることを特徴とする請求項7から9のいずれか
1項に記載の液晶パネル用スペーサーである。
【0007】
【化4】
【0008】(一般式(I)中、Aは、X−Yとともに
アゾ色素を形成しうる成分を表す。Xは、単結合、又は
下記構造式で表される二価の連結基から選択される基を
表す。Yは、下記一般式(II)で表される基を表す。)
【0009】
【化5】
【0010】
【化6】
【0011】(一般式(II)中、Zは、低級アルキレン基
を表す。−NR2は、低級アルキルアミノ基、又は窒素
原子を含む5乃至6員飽和ヘテロ環を表す。aは、1又
は2を表す。)
【0012】<11> 前記<1>から<10>のいず
れかに記載の液晶パネル用スペーサーを有する液晶素子
である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明についてより詳しく説
明する。本発明の液晶パネル用スペーサー(以下、単に
「スペーサー」と呼ぶ場合がある。)は、樹脂製スペー
サーであって、有機顔料を含有することに特徴を有す
る。樹脂性のスペーサーとして、特に感光性樹脂のフォ
トリソグラフィーにより設けられた柱状スペーサーが好
ましい。なお、本明細書において、樹脂製のスペーサと
してはビーズを含まない概念である。
【0014】液晶画面サイズは大きくなればなるほどス
ペーサー膜厚を全面にわたって均一にするのが難しくな
り、画像ムラが目立ち易くなる。特に対角線が30cm
を超すような大画面になると膜厚の均質性を確保するの
が難しくなる。
【0015】上記のような膜厚の均一なスペーサーを得
るためには前述のように感光性樹脂のフォトリソグラフ
ィーを用いることが好ましいが、感光性樹脂を付与する
方法として転写型フイルムを用いることがより好まし
い。さらに、仮支持体上に、アルカリ可溶な熱可塑性樹
脂層、中間層、感光性樹脂層をこの順に設けた感光性転
写型フイルムがより好ましい。以下本感光性転写型フイ
ルムについて記述する。
【0016】感光性転写型フィルムは、仮支持体上に、
熱可塑性樹脂層、中間層および感光性樹脂層をこの順に
積層し、さらに最外層である前記感光性樹脂層上に、外
部からの汚染や損傷等から保護する目的で薄膜なカバー
フィルムを設けてあってもよい感光性転写型フィルムで
ある。
【0017】まず、感光性樹脂層について詳述する。本
発明において、感光性樹脂層は、少なくとも温度150
℃以下で軟化若しくは粘着性を有する熱可塑性の樹脂層
であることが好ましく、光照射すると感光して硬化し、
かつ未照射部はアルカリ溶液に対して易溶性な、高いレ
ジスト性を有する必要がある。上記感光性樹脂層には、
例えば、特願平2−82262号に記載の感光性樹脂が
全て使用可能である。具体的には、ネガ型ジアゾ樹脂と
バインダーとからなる感光性樹脂、光重合性樹脂組成
物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組
成物または桂皮酸型感光性樹脂組成物等が挙げられる。
中でも、光重合性樹脂組成物が好ましく、本発明に係る
感光性樹脂層としては、少なくとも、バインダーとして
の樹脂、重合性モノマーおよび重合開始剤を含有して構
成される光重合性樹脂組成物からなる樹脂層であること
がより好ましい。この感光性樹脂層は、熱可塑性結合剤
の添加、或いは相溶性の可塑剤の添加により改質するこ
とができる。
【0018】また、本発明における感光性樹脂層の樹脂
としては、アルカリ水溶液により現像可能なものと、有
機溶剤により現像可能なものが知られているが、公害防
止、労働安全性の確保の観点からアルカリ水溶液により
現像可能なものが好ましい。
【0019】上記樹脂のうち、本発明に係る光感光性樹
脂層のバインダーに用いる樹脂としては、(メタ)アク
リル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、ス
チレン/無水マレイン酸の共重合体またはスチレン/無
水マレイン酸共重合体とアルコール類との反応物等が挙
げられ、中でも、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリ
ル酸エステルとの共重合体等が好ましい。
【0020】本発明に係る感光性樹脂層に含有する上記
樹脂の含有量としては、感光性樹脂層の全固形分の20
〜60質量%含有することが好ましく、30〜55質量
%含有することがより好ましい。20質量%未満では、
塗布時の膜形成が困難となり、60質量%を超えると有
機顔料等の添加量が制限されるため、本発明の目的を達
成することが困難となるため好ましくない。
【0021】本発明において、感光性転写型フィルムの
感光性樹脂層には、有機顔料を含有させる。有機顔料と
して、下記有機顔料が挙げられる。例えば、黄色顔料、
オレンジ顔料、赤色顔料、バイオレット顔料、青色顔
料、緑色顔料、ブラウン顔料、黒色顔料等が挙げられ
る。尚、分散剤がアゾ顔料骨格を有する化合物(例え
ば、前記一般式(I)で表される化合物)である場合、
組み合わせて使用する顔料もアゾ色素骨格を有する顔料
であることが好ましい。
【0022】前記黄色顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー1
0、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメ
ントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、
C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメント
イエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.
I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエ
ロー75、C.I.ピグメントイエロー83,C.I.
ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー
87、C.I.ピグメントイエロー90、C.I.ピグ
メントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー9
5、C.I.ピグメントイエロー99、C.I.ピグメ
ントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー10
9、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグ
メントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー1
16、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピ
グメントイエロー123、C.I.ピグメントイエロー
125、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.
ピグメントイエロー137、C.I.ピグメントイエロ
ー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.
I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイ
エロー148、C.Iピグメントイエロー150、C.
I.ピグメントイエロー152、C.Iピグメントイエ
ロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.
I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイ
エロー162、C.I.ピグメントイエロー165、
C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメン
トイエロー168、C.I.ピグメントイエロー16
9、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグ
メントイエロー182、C.I.ピグメントイエロー1
83、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピ
グメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー
193等が好適に挙げられる。
【0023】前記オレンジ顔料としては、例えば、C.
I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレ
ンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.
ピグメントオレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ
59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグ
メントオレンジ71等が挙げられる。
【0024】前記赤色顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、
C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメント
レッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.
I.ピグメントレッド168、C.I.ピクメントレッ
ド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.
ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド2
15、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグ
メントレッド217、C.I.ピグメントレッド22
0、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメ
ントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、
C.I.ピグメントレッド227、C.I.ピグメント
レッド228、C.I.ピグメントレッド240、C.
I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッ
ド48:1、C.I.ピグメントレッド209、C.
I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッ
ド11、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグ
メントレッド213、C.I.ピグメントレッド27
2、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメ
ントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、
C.I.ピグメントレッド254等が挙げられる。
【0025】前記バイオレット顔料としては、例えば、
C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメ
ントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレッ
ト29、C.I.ピグメントバイオレット30、C.
I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピクメンド
バイオレット40、C.I.ピグメントバイオレット5
0等が挙げられる。
【0026】前記青色顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー1
5:6、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグ
メントブルー60、C.I.ピグメントブルー64、等
が挙げられる。
【0027】前記緑色顔料としては、例えば、C.I.
ピグメントグリーン7、C.I.ピクメントグリーン3
6、等が挙げられる。前記ブラウン顔料としては、例え
ば、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメ
ントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン26、
等が挙げられる。前記黒色顔料としては、例えば、C.
I.ピグメントブラック7、等が挙げられる。
【0028】前記有機顔料の粒径は、0.01〜0.5
μmが好ましく、0.02〜0.4μmがより好まし
い。有機顔料の粒径が0.01〜0.5μmであると、
分散安定性が良好で、また感光性樹脂層表面の凹凸の大
小が適度である。
【0029】前記有機顔料の添加量としては、感光性樹
脂層の全固形分の3〜50質量%の範囲が好ましく、4
〜40質量%がより好ましいが、5〜30質量%が最も
好ましい。有機顔料の添加量を、感光性樹脂層の全固形
分の3〜50質量%の範囲とすることにより、十分に膜
強度を得ることができ、転写時における膜厚低下や現像
時のブラシ傷を防止することができ、また、気泡が入り
にくく、感光性樹脂層の透明性が低下することがない。
【0030】以上のように、本発明の液晶パネル用スペ
ーサーは、有機顔料を含有させたことにより、例えば無
機顔料を含有させた場合と比較して、感光性樹脂層の塗
布液の粘度を適正な範囲に保つことができ、乾燥後のレ
ベリングが抑えられてスペーサーの均一性を保持するこ
とができる。
【0031】−樹脂− 前記顔料分散物に含まれる樹脂としては、酸性基を有す
るポリマーが好ましい。前記樹脂として酸性基を有する
ポリマーを使用すると、立体反発性を付与することがで
き、顔料の分散安定性が向上するとともに、着色感光性
組成物として用いた際のアルカリ現像性が向上するので
好ましい。前記酸性基を有するポリマーとしては、例え
ば、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステル
との共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、及
びスチレン/無水マレイン酸共重合体とアルコール類と
の反応物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用し
てもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中で
も、顔料分散性に優れ、着色感光性組成物として用いた
際に、多官能モノマー、光重合開始剤との相溶性に優
れ、アルカリ現像液溶解性、有機溶剤溶解性、強度、軟
化温度等が適当であるものが好ましく、具体的には(メ
タ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重
合体(例えば、メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共
重合体)が好ましい。
【0032】前記酸性基を有するポリマーの酸価として
は、60〜130であるのが好ましく、90〜120で
あるのがより好ましい。酸価が前記範囲であると、分散
安定性が良好であり、粘度が低く抑えられるので好まし
い。尚、酸価の単位は、前記ポリマー1gを中和するの
に要する水酸化カリウムのミリグラムで表される。ま
た、前記ポリマーの酸価は、ポリマーを構成するモノマ
ーのモル比によって、調整することができる。
【0033】前記酸性基を有するポリマーの重量平均分
子量としては、5000〜200000が好ましい。前
記重量平均分子量が、5000未満であると、着色感光
性組成物として用いた際に、塗布膜の形成上問題がある
ことがあり、200000を超えると、着色感光性組成
物の粘度が高くなることがある。
【0034】顔料分散組成物における前記樹脂の含有量
としては、用いる種類によって、その好ましい範囲も変
動するが、一般的には、前記顔料100質量部に対し、
通常、10〜200質量部が好ましく、20〜150質
量部がより好ましい。前記含有量が前記範囲であると、
立体反発効果が得られるとともに、分散液の粘度過度に
上昇するのを防止できるので好ましい。
【0035】−分散剤− 本発明における顔料分散組成物としては、さらに分散剤
を含有することが好ましい。本発明において用いられる
分散剤としては、顔料骨格を有する化合物が好ましく、
アゾ色素骨格を有する化合物がより好ましい。特に、下
記一般式(I)で表される化合物が好ましい。前記分散
剤を用いると、分散剤の窒素原子により顔料粒子の表面
に分散剤が吸着し、顔料粒子の表面は前記分散剤で覆わ
れた状態になり、顔料粒子同士が互いに吸着するのを抑
制し、顔料同士は凝集し難くなる。その結果、顔料粒子
は微細化した状態のまま均一に分散され、顔料の分散性
が特に良化される。
【0036】
【化7】
【0037】前記一般式(I)において、Aは、アゾ色
素を形成しうる基を表す。前記Aは、ジアゾニウム化合
物とカップリングしてアゾ色素を形成しうる基であれ
ば、任意に選択することができる。以下に、前記Aの具
体例を示すが、本発明はこれらの具体例に何ら限定され
るものではない。
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】前記一般式(I)において、Xは、単結合
(Yが−N=N−に直結していることを意味する。)、
又は下記構造式で表される二価の連結基から選択される
基を表す。
【0041】
【化10】
【0042】前記一般式(I)において、Yは、下記一
般式(II)で表される基を表す。
【0043】
【化11】
【0044】前記一般式(II)において、Zは、低級ア
ルキレン基を表す。Zは、−(CH 2b−と表される
が、該bは1〜5の整数を表し、好ましくは2又は3を
表す。前記一般式(II)において、−NR2は、低級ア
ルキルアミノ基、又は窒素原子を含む5員又は6員の飽
和ヘテロ環を表す。該−NR2は、低級アルキルアミノ
基を表す場合、−N(Cn2n+12と表され、nは1〜
4の整数を表し、好ましくは1又は2を表す。一方、該
−NR2は、窒素原子を含む5員又は6員の飽和ヘテロ
環を表す場合、下記構造式で表されるヘテロ環が好まし
い。
【0045】
【化12】
【0046】前記一般式(II)における、Z及び−NR
2は、それぞれ、低級アルキル基、アルコキシ基を置換
基として有していてもよい。前記一般式(II)におい
て、aは1又は2を表し、好ましくは2を表す。
【0047】以下に、前記一般式(I)で表される化合物
の具体例(1〜22)を示すが、本発明はこれらの具体
例に何ら限定されるものではない。
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】
【化15】
【0051】
【化16】
【0052】前記一般式(I)で表される化合物ととも
に、特開2000−239554号公報の第0038欄
〜第0043欄に記載の一般式(III)で表されるアミ
ン化合物、及び/又は一般式(IV)で表されるアミン化
合物を併用するのが好ましい。前記一般式(I)で表さ
れる化合物は、特開2000−239554号公報の第
0033欄〜第0035欄に記載の方法に従って合成す
ることができる。また、前記一般式(I)で表される化
合物としては、市販品を用いてもよく、例えば、アビン
ア社の「ソルスパース 22000」が挙げられる。
【0053】本発明において顔料分散組成物における前
記分散剤の含有量は、用いる分散剤の種類によってその
好ましい範囲も変動するが、一般的に、顔料100質量
部に対し、0.1〜100質量部であるのが好ましく、
1〜30質量部であるのがより好ましい。前記含有量が
前記範囲であると、顔料分散組成物の粘度が過度に上昇
するのを防止しつつ、カラーフィルター等の作製の際に
おいて、色度の調整が容易となるので好ましい。
【0054】感光性樹脂層に用いる重合性モノマーとし
ては、特開昭60−258539号に記載の(メタ)ア
クリル酸エステル、ウレタン(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエス
テル等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリル酸エステ
ルを好適に使用することができる。
【0055】上記重合性モノマーは、感光性樹脂層の全
固形分の10〜60質量%の範囲で使用することが好ま
しく、20〜50質量部の範囲で用いることがより好ま
しい。
【0056】感光性樹脂層に用いる重合開始剤として
は、約300〜500nmの範囲に、少なくとも約50
の分子吸光係数を有する成分を、少なくとも1種含有し
ていることが好ましい。例えば、特開平2−48664
号、特開平1−152449号、特開平2−15335
3号に記載の芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾ
イン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類、および
これらの2種以上の組み合わせ等が挙げられる。中で
も、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
と2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイ
ミダゾール2量体の組み合わせ、4−〔p−N,N−ジ
(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロ
ロメチル)−s−トリアジン〕が好ましい。
【0057】上記重合開始剤は、重合性モノマーの使用
量に対して、0.1〜20質量%の範囲で使用すること
が好ましく、0.5〜10質量部の範囲で用いることが
より好ましい。
【0058】その他添加剤として重合禁止剤、紫外線吸
収剤、その他の種々の薬品例えば先述の顔料分散剤など
を添加することができる。
【0059】好ましい重合禁止剤としてはフェノチアジ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどのハイドロ
キノン類などが挙げられる。
【0060】好ましい紫外線吸収剤は、サリシレート
系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノ
アクリレート系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミ
ン系などが挙げられる。フェニルサリシレート、4−t
−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル−3’,5’−ジ−t−4’−ヒドロキシベ
ンゾエート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、
2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチ
ルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、エチル
−2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート、
2,2’−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
ニッケルジブチルジチオカーバメート、ビス(2,2,
6,6−テトラメトル−4−ピリジン)−セバケート、
4−t−ブチルフェニルサリシレート、サルチル酸フェ
ニル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン縮合物、コハク酸−ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリデニル)−エステル、2−
[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベ
ンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、7−
{[4−クロロ−6−(ジエチルアミノ)−5−トリア
ジン−2−イル]アミノ}−3−フェニルクマリン。
【0061】感光性樹脂層の膜厚は、0.5〜10μm
の範囲が好ましく、1〜6μmの範囲がより好ましい。
感光性樹脂層の膜厚が0.5μm未満では塗布時にピン
ホールが発生しやすくなり、製造適性上好ましくなく、
10μmを超えると現像時に未露光部を除去するのに時
間を要することになり好ましくない。
【0062】次に、仮支持体上の第一層目に設ける熱可
塑性樹脂層について詳述する。熱可塑性樹脂層の構成に
用いる熱可塑性樹脂としては、転写後のアルカリ現像を
可能とし、或いは、転写時の転写条件によっては上記樹
脂が周囲にはみ出して被転写体である基体を汚染してし
まうような場合に除去処理を可能とする観点から、アル
カリ性水溶液に可溶な樹脂である必要がある。さらに、
この熱可塑性樹脂層は、被転写体である基体に転写する
際、基体上に存在する凹凸に起因して発生する転写不良
を防止するクッション材としての役割を担うものである
ため、加熱密着時に基体上の凹凸に応じて変形しうる性
質を有している必要がある。
【0063】従って、熱可塑性樹脂層を構成する樹脂と
しては、実質的な軟化点が80℃以下であることが好ま
しい。軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性
樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体
とのケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル
共重合体とのケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アク
リル酸エステル共重合体とのケン化物、ポリ(メタ)ア
クリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビ
ニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケ
ン化物、等より選ばれる少なくとも1種であることが好
ましいが、さらに「プラスチック性能便覧」(日本プラ
スチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会
編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)
に記載の軟化点が約80℃以下の有機高分子のうち、ア
ルカリ水溶液に可溶なものを使用することもできる。
【0064】また、軟化点80℃以上の有機高分子物質
であっても、その有機高分子物質中に該有機高分子物質
と相溶性のある各種可塑剤を添加することにより、実質
的な軟化点を80℃以下に下げて使用することもでき
る。可塑剤としては、例えば、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、
ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレ
ジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェー
トビフェニルジフェニルフォスフェート等を挙げること
ができる。
【0065】さらに、これらの有機高分子物質を用いる
場合、後述の仮支持体との接着力を調節する目的で、実
質的な軟化点が80℃を越えない範囲で各種ポリマーや
過冷却物質、密着改良剤または界面活性剤、離型剤等を
加えることができる。
【0066】本発明の感光性転写型フィルムは、仮支持
体上に熱可塑性樹脂層、後述の中間層、および感光性樹
脂層を順次積層して構成されるが、特に、熱可塑性樹脂
層と仮支持体との間の接着強度が、他の層間における接
着強度よりも小さいことが必要であり、これにより転写
後の不要となった仮支持体を容易に、かつ熱可塑性樹脂
層表面を破壊することなく除去することができる。従っ
て、仮支持体除去後の感光性樹脂層への露光を均一に行
うことができる。
【0067】熱可塑性樹脂層の膜厚は、6〜100μm
の範囲が好ましく、6〜50μmの範囲がより好まし
い。熱可塑性樹脂層の膜厚を6〜100μmの範囲とす
ることにより、1μm以上の基体上の凹凸を完全に吸収
することができ、また、現像性、製造適性が良好にな
る。
【0068】露光後の現像や不要な樹脂部分の除去の際
に、前述の感光性樹脂層および熱可塑性樹脂層の溶解に
用いるアルカリ性水溶液としては、アルカリ性物質の希
薄水溶液が好ましく、さらに水混和性のある有機溶剤を
少量添加したものも好適に使用することができる。上記
アルカリ性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ金属水酸化物類、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩
類、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のアルカリ金
属ケイ酸塩類、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリ
ウム等のアルカリ金属メタケイ酸塩類、トリエタノール
アミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、
モルホリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等
のテトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類または
燐酸三ナトリウム等が挙げられる。
【0069】アルカリ水溶液は、アルカリ性物質の濃度
が0.01〜30質量%の範囲のものが好ましく、さら
にpHが8〜14の範囲にあるものが好ましい。
【0070】水混和性を有する有機溶剤としては、メタ
ノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノ
ール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエ
ーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−
ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、
乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリド
ンが挙げられる。水混和性を有する有機溶剤の添加量
は、0.1〜30質量%の範囲であることが好ましい。
【0071】また、アルカリ水溶液には、公知の種々の
界面活性剤を添加することができる。界面活性剤は、
0.01〜10質量%の範囲で使用することが好まし
い。
【0072】現像に用いるアルカリ現像液は、容器に入
れて現像浴として用いてもよいし、噴霧して用いてもよ
い。現像時、感光性樹脂層の未硬化部分を溶解除去する
際、溶解性を高めるために、現像液中で層表面を回転ブ
ラシや湿潤スポンジ等で擦る等の方法を組み合わせるこ
とができる。現像温度は、通常、室温付近から40℃が
好ましい。また、現像処理した後に、水洗処理する工程
を入れることもできる。
【0073】本発明の感光性転写型フィルムでは、前述
の感光性樹脂層と熱可塑性樹脂との間に、中間層を設け
ることができる。感光性樹脂層および熱可塑性樹脂には
有機溶剤を用いるため、この中間層を設けることにより
両層が互いに混ざり合うのを防止することができる。こ
の中間層としては、水またはアルカリ水溶液に分散また
は溶解するものであればよく、低い酸素透過性を有する
ものが好ましい。中間層は、公知のものを使用すること
ができ、例えば、特開昭46−2121号や特公昭56
−40824号に記載のポリビニルエーテル/無水マレ
イン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性
塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル
澱粉の水溶性塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、各種のポリアクリルアミド類、各種水溶性ポ
リアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチ
レンオキサイド重合体、各種澱粉およびその類似物から
なる群の水溶性塩、スチレン/マレイン酸の共重合体、
マレイネート樹脂、及びこれらを2種以上組み合わせた
ものが挙げられる。中でも、ポリビニルアルコールとポ
リビニルピロリドンとを組み合わせたものが特に好まし
い。
【0074】さらに、上記ポリビニルアルコールは、鹸
化率が80%以上であるものが好ましい。上記ポリビニ
ルピロリドンは、その含有量が中間層の固形体積当り1
〜75%のものが好ましく、1〜60%のものがより好
ましいが、10〜50%のものが最も好ましい。1%未
満では感光性樹脂層との十分な密着性が得られず、75
%を越えると酸素遮断能が低下するため好ましくない。
【0075】中間層の酸素遮断能が低下すると、感光性
樹脂層に対する露光時における光量をアップしたり、露
光時間を長くする必要が生ずることになるばかりか、解
像度も低下させてしまうため、酸素透過率が小さいこと
が好ましい。
【0076】上記中間層は薄膜であり、その膜厚は約
0.1〜5μmの範囲が好ましく、0.5〜2μmの範
囲がより好ましい。約0.1μm未満の場合、酸素透過
性が高すぎてしまい、約5μmを越えると現像時や中間
層除去時に長時間を要するため好ましくない。
【0077】上記各層を塗設する仮支持体としては、熱
可塑性樹脂層と、転写に支障とならない程度の剥離性を
有するものであることが好ましく、さらに化学的に、熱
的に安定で、可撓性のものが好ましい。具体的には、テ
フロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄
膜シート若しくはこれらの積層物が好ましい。
【0078】仮支持体と熱可塑性樹脂層との間に良好な
剥離性を確保するためには、グロー放電等の表面処理は
せず、また、ゼラチン等の下塗層も設けないことが好ま
しい。仮支持体の厚みは、5〜300μmが適当であ
り、20μm〜150μmが好ましい。
【0079】感光性樹脂層上には、保管等の際の汚れや
損傷から保護するためにカバーフィルムを設けることが
好ましい。カバーフィルムは、仮支持体と同一または類
似の材料からなるものであってもよいが、感光性樹脂層
から容易に分離できるものである必要がある。カバーフ
ィルムに用いる材料としては、例えば、シリコーン紙、
ポリオレフィンまたはポリテトラフルオロエチレンシー
ト等が好ましい。中でも、ポリエチレンまたはポリプロ
ピレンフィルムがより好ましい。
【0080】カバーフィルムの厚みは、約5〜100μ
mが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
【0081】本発明における感光性転写型フィルムは、
上記仮支持体上に、まず熱可塑性樹脂層用塗布液を塗
布、乾燥して熱可塑性樹脂層を設け、その熱可塑性樹脂
層上に、熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤を用いた中間
層用溶液を塗布、乾燥して中間層を設け、さらにその中
間層上に、感光性樹脂層塗布液を中間層を溶解しない溶
剤を用いて塗布、乾燥して感光性樹脂層を設けることに
より形成することができる。または、上記のカバーフィ
ルム上に感光性樹脂層を設け、一方、仮支持体上に熱可
塑性樹脂層と中間層とを設け、それぞれを中間層と感光
性樹脂層とが接するように貼り合わせることにより、或
いは、上記カバーフィルム上に感光性樹脂層と中間層と
を設け、一方、仮支持体上に熱可塑性樹脂層を設け、そ
れぞれを上記同様、中間層と感光性樹脂層とが接するよ
うに貼り合わせることにより、製造することができる。
【0082】上記のようにして形成された感光性転写型
フィルムを被転写体である基体上に密着させ、仮支持体
を剥離する過程では、仮支持体や基体等が帯電し、周囲
のゴミ等を引き寄せ、剥離後の樹脂層上にゴミ等が付着
してしまい、その後の露光過程で未露光部ができ、その
部分がピンホールを形成する原因となる場合があること
から、帯電を防止する目的で仮支持体の少なくとも一方
の表面に導電性層を設けたり、或いは、導電性を付与し
た仮支持体を用いることにより、その表面電気抵抗を1
13Ω以下にまで下げることが好ましい。
【0083】仮支持体を導電性を付与したものとするに
は、仮支持体中に導電性物質を含有させればよい。例え
ば、金属酸化物の微粒子や帯電防止剤を予め練り込んで
おく方法が好ましい。金属酸化物としては、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化インジウ
ム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化
モリブデンから選ばれる少なくとも1種の結晶性金属酸
化物、および/または、その複合酸化物の微粒子が挙げ
られる。
【0084】帯電防止剤としては、エレクトロストリッ
パーA(花王(株)製)、エレノンNo19(第一工業
製薬(株)製)等のアルキル燐酸塩系アニオン界面活性
剤、アモーゲンK(第一工業製薬(株)製)等のベタイ
ン系両性界面活性剤、ニツサンノニオンL(日本油脂
(株)製)等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル系非
イオン界面活性剤、エマルゲン106、120、14
7、420、220、905、910(花王(株)製)
やニッサンノニオンE(日本油脂(株)製)等のポリオ
キシエチレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤が
有用である。その他、非イオン界面活性剤としてポリオ
キシエチレンアルキルフェノールエーテル系、多価アル
コール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン系等のものを用いることができる。
【0085】仮支持体上に導電性層を設ける場合には、
導電性層としては公知のものの中から、適宜選択して用
いることができる。導電性層に用いる導電性物質とし
て、ZnO、TiO2 、SnO2 、Al2 3 、In2
3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO3 等から選ば
れる少なくとも1種の結晶性金属酸化物、および/また
は、その複合酸化物の微粒子等が挙げられる。これらを
含有させて用いる方法が湿度環境に影響されない、安定
した導電効果を有する点で好ましい。
【0086】上記の結晶性金属酸化物またはその複合酸
化物の微粒子は、その体積抵抗が107 Ω・cm以下で
あることが好ましく、105 Ω・cm以下であることが
より好ましい。また、その粒子径は、0.01〜0.7
μmの範囲が好ましく、0.02〜0.5μmの範囲で
あることがより好ましい。
【0087】上記結晶性金属酸化物およびその複合酸化
物の微粒子の製造方法は、特開昭56−143430号
に詳細に記載されている。即ち、第1に金属酸化物微粒
子を焼成により作製し、導電性を向上させる異種原子の
存在下で熱処理する方法、第2に焼成により金属酸化物
微粒子を製造する際に導電性を向上させるための異種原
子を共存させる方法、第3に焼成により金属微粒子を製
造する際に雰囲気中の酸素濃度を下げて、酸素欠陥を導
入する方法等が記載されている。異種原子を含む具体例
としては、ZnOに対してAl、In等、TiO2 に対
してNb、Ta等、SnO2 に対してSb、Nb、ハロ
ゲン元素等を存在させることが挙げられる。
【0088】異種原子の添加量は、0.01〜30mo
l%の範囲であることが好ましく、0.1〜10mol
%の範囲であることがより好ましい。導電性粒子の使用
量は、0.05〜20g/m2 が好ましく、0.1〜1
0g/m2 がより好ましい。
【0089】本発明における感光性転写型フィルムに設
ける導電性層には、バインダーとして、ゼラチン、セル
ロースナイトレート、セルローストリアセテート、セル
ロースジアセテート、セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロー
スエステル;塩化ビニリデン、塩化ビニル、スチレン、
アクリロニトリル、酢酸ビニル、炭素数1〜4のアルキ
ルアクリレート、ビニルピロリドン等を含むホモポリマ
ーまたは共重合体;可溶性ポリエステル、ポリカーボネ
ート、可溶性ポリアミド等を使用することができる。
【0090】これらのバインダー中に導電性粒子を分散
する場合、チタン系分散剤またはシラン系分散剤等の分
散液を添加してもよい。また、必要に応じて、バインダ
ー架橋剤等を添加することもできる。
【0091】上記チタン系分散剤としては、例えば、米
国特許4,069,192号、同4,080,353号
等に記載されているチタネート系カップリング剤および
プレンアクト(味の素(株)製)等を挙げることができ
る。シラン系分散剤としては、例えば、ビニルトリクロ
ルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン等が挙げられ、「シランカップリ
ング剤」(信越化学(株)製)として市販されている。
バインダー架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋
剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エ
ポキシ系架橋剤等を挙げることができる。
【0092】本発明の感光性転写型フィルムにおける導
電性層は、導電性微粒子をバインダー中に分散させて仮
支持体上に塗設したり、または支持体上に下引処理を施
した上に導電性微粒子を付着させることにより設けるこ
とができる。
【0093】本発明における感光性転写型フィルムにお
いて、導電性層が仮支持体の感光性樹脂層を塗設した面
とは反対の表面上に設けられる場合、十分な耐傷性を確
保するために、導電性層上にさらに疎水性重合体層を設
けることが好ましい。この場合、疎水性重合体層は、有
機溶剤に溶解した状態または水性ラテックスの状態で塗
布すればよく、その塗布量は、乾燥重量にして0.05
〜1g/m2程度が好ましい。疎水性重合体としては、
ニトロセルロース、セルロースアセテート等のセルロー
スエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルアク
リレート等を含むビニル系ポリマー;有機溶剤可溶性ポ
リアミド、ポリエステル等のポリマーを挙げることがで
きる。この疎水性重合体層には、すべり性を付与するた
め、例えば、特開昭55−79435号に記載の有機カ
ルボン酸アミド等のすべり剤を使用することができる。
また、必要に応じて、マット剤等を使用することもでき
る。このような疎水性重合体層を設けても本発明の導電
性層の効果は実質的に影響を受けない。
【0094】また、下塗層を設ける場合には、特開昭5
1−135526号、米国特許3,143,421号、
同3,586,508号、同2,698,235号、同
3,567,452号等に記載の塩化ビニリデン系共重
合体、特開昭51−114120号、米国特許3,61
5,556号等に記載のブタジエン等のジオレフイン系
共重合体、特開昭51−58469号等に記載のグリシ
ジルアクリレートまたはグリシジルメタアクリレート含
有共重合体、特開昭48−24923号等に記載のポリ
アミド・エピクロルヒドリン樹脂、特開昭50−395
36号に記載の無水マレイン酸含有共重合体等を用いる
ことができる。
【0095】本発明においては、特開昭56−8250
4号、特開昭56−143443号、特開昭57−10
4931号、特開昭57−118242号、特開昭58
−62647号、特開昭60−258541号等に記載
の導電性層も必要に応じて用いることができる。
【0096】仮支持体用のフィルムを押し出し形成する
際、導電性物質または導電性層を仮支持体と同一または
異質のプラスチック原料に含有させ、前記フィルムと同
時に押し出し形成した場合には、接着性、耐傷性に優れ
た導電性層を容易に得ることができ、この場合には前記
した疎水性重合体層や下塗層を設ける必要はなく、本発
明の感光性転写型フィルムにおける導電性付与仮支持体
としては、最も好ましい実施態様である。
【0097】仮支持体上に、導電性層を塗布する場合、
ローラーコート、エアナイフコート、グラビアコート、
バーコート、カーテンコート等の公知の方法により塗布
することができる。十分な帯電防止効果を得るために
は、導電性層または導電性を付与した仮支持体の表面電
気抵抗値を、1013Ω以下とすることが好ましく、10
12Ω以下とすることがより好ましい。
【0098】また、感光性樹脂層の仮支持体との強固な
接着を防止するため、仮支持体面に公知の微粒子を含有
する滑り剤組成物、シリコーン化合物を含有する離型剤
組成物等を塗布することもできる。
【0099】仮支持体の熱可塑性樹脂層を設けない側の
表面に導電性層を設ける場合には、熱可塑性樹脂層と仮
支持体との接着性を向上する目的で、仮支持体に、例え
ば、グロー放電処理、コロナ処理、紫外線照射処理等の
表面処理、フェノール性物質、ポリ塩化ビニリデン樹
脂、スチレンブタジエンゴム、ゼラチン等の下塗り処理
またはこれらの処理を組み合わせた処理を施すことがで
きる。
【0100】次に、本発明における感光性転写型フィル
ムを用いた画像形成方法について説明する。まず、感光
性転写型フィルムのカバーフィルムを取り除き、感光性
樹脂層を加圧、加熱下で被転写体である基体上に貼り合
わせる。貼り合わせには、従来公知のラミネーター、真
空ラミネーター等を使用することができ、より生産性を
高めるためには、オートカツトラミネーターも使用する
ことができる。その後、仮支持体を剥がし、所定のマス
ク、熱可塑性樹脂層および中間層を介して感光性樹脂層
を露光し、次いで現像する。現像は、公知の方法により
行うことができ、溶剤若しくは水性の現像液、特に、ア
ルカリ水溶液等を用いて、露光後の基体を浸漬するか、
スプレー等により噴霧し、さらにブラシ等で擦ったり、
或いは、超音波を照射しながら処理することで行われ
る。
【0101】また、転写は、永久支持体に転写する前過
程で一時的に転写するための基体、即ち、中間被転写体
用基体を用いて、2回以上転写工程を繰り返した後に、
最終支持体上に転写するような複数転写を経て画像を形
成してもよい。
【0102】即ち、感光性転写型フィルムのカバーフィ
ルムを取り除き、感光性樹脂層を加圧、加熱下で被転写
体である中間被転写体上に貼り合わせる。上記同様、貼
り合わせには従来公知のラミネーター、真空ラミネータ
ー等を使用することができ、より生産性を高めるために
は、オートカツトラミネーターも使用することができ
る。その後、仮支持体を剥がし、所定のマスク、熱可塑
性樹脂層および中間層を介して感光性樹脂層を露光し、
次いで現像する。現像は、公知の方法により行うことが
でき、上記と同様にアルカリ水溶液等を用いて、露光後
の基体を浸漬するか、スプレー等により噴霧し、さらに
ブラシ等で擦ったり、或いは、超音波を照射しながら処
理することで行われる。転写回数が2回の場合、その
後、最終支持体上に転写して画像が形成される。
【0103】上記の中間被転写体用基体としては、特
に、平滑性の高い板状のものを用いることが好ましい。
このような基体を用いると、転写された感光性樹脂層は
基体に密着するため、形成された画像パターンの中間被
転写体用基体に接した面の表面はその中間被転写体表面
と同等の優れた平滑性を有し、この画像パターンを更に
永久支持体上に転写すれば、極めて表面平滑性の高い画
素パターンを得ることができる。
【0104】上記中間被転写体用基体としては、表面研
磨したアルミ板・ステンレス板等を挙げることができ
る。これらの厚みは、約0.1〜10mmが好ましく、
特に約0.1〜1mmが好ましい。この板状の基板上に
保護層を設ける場合、その保護層の膜厚としては、約1
0μm以下が好ましく、約5μm以下がより好ましい
が、約3μm以下が最も好ましい。約10μmを越える
と、画像が形成された保護層を永久支持体に転写する際
に画素が動き、画像が乱れることがあるので好ましくな
い。
【0105】本発明に用いられる液晶はSTN型、TN型、G
H型、ECB型、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、VA型、AS
M型その他種々のものが使用できる。
【0106】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって制限されるものではな
い。尚、以下実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ
「質量部」、「質量%」を表す。
【0107】<分散液の調製> (分散剤の合成)まず、下記に示す構造の分散剤を以下
の方法により合成した。5−ニトロイソフタル酸ビス−
3−ジエチルアミノプロピルアミド 18.5部、及び
トリエチルアミン5.1部をDMF 60部に溶かし、
氷冷した。これに4−ニトロベンゾイルクロライド
9.3部のアセトン 60部溶液を加えアミド化した。
反応後、水 800部を加えて結晶を濾取し、酢酸エチ
ルにより再結晶して、4−ニトロベンゾイル−4−
[3,5−ビス(3−ジエチルアミノプロピルカルバモ
イル)]フェニルアミド 14部を得た。得られた化合
物 92部を、還元鉄 112部及び塩化アンモニウム
12部とともにイソプロパノール 200部、水 3
5部中で還流、還元し、アニリン誘導体13.2部を得
た。
【0108】さらに、得られたアニリン誘導体13.2
部をメタノール120部に加え、氷冷下、塩酸18部を
加えた。混合液を更に−15℃まで冷却した。これにN
aNO21.8部の水溶液(水20部)を滴下し、ジア
ゾ化した(ジアゾ液の調製)。別に5−アセトアセチル
アミノベンズイミダゾロン5.9部、メタノール260
部、水530部、及びNaCO310.8部からなるカ
ップリング成分溶液を調製し、10℃以下に冷却した。
これに上記で得られたジアゾ液を10℃を超えないよう
に滴下し、反応させた。K2CO3を加えて系を塩基性に
し、析出した黄色生成物を濾取し、DMFとアセトニト
リルとにより再結晶して、前記に示した例示化合物7を
19部得た。得られた化合物の最大吸収波長は、λma
x391nm(CHCl3中)であった。
【0109】
【化17】
【0110】得られた分散剤を以下の手順で水洗処理し
た。80℃の温水200g中に、得られた分散剤を添加
し、1時間80℃にて攪拌した。30℃まで冷却した
後、この液を濾過して、分散剤を濾取し、水200gで
3回の水洗を行った。その後、40℃で一昼夜乾燥し
た。水洗処理後、前記分散剤中に含有されるナトリウム
イオン及びカリウムイオンの総量を原子吸光法で測定し
たところ、各々200ppm及び30ppm(合計23
0ppm)であった。
【0111】次に、下記組成の赤色の顔料分散組成物を
調製した。 C.I.ピグメントレッド254(平均粒径:0.03μm)・・14.4g 前記合成した分散剤(水洗処理後) ・・・・・・・・・・・・・ 1.4g メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体 ・・・・・・・ 35.6g (モル比28/72、重量平均分子量:3万、40%1−メトキシ−2−プロ ピルアセテート溶液) 1−メトキシ−2−プロピルアセテート ・・・・・・・・ 28.6g
【0112】上記組成の赤色の顔料組成物をモーターミ
ルM−50(アイガー社製)で、直径0.65mmのジ
ルコニアビーズを用い、周速9m/sで9時間分散し、
分散液を調製した。
【0113】<分散液の調製>前記分散液の調製に
おいて、C.I.ピグメントレッド254の代わりに
C.I.ピグメントレッド177(平均粒径:0.07
μm)を用いたこと以外は分散液の調製と同様にして
分散液を調製した。
【0114】<分散液の調製>前記分散液の調製に
おいて、C.I.ピグメントレッド254の代わりに
C.I.ピグメントグリーン36(平均粒径:0.05
μm)を用いたこと以外は分散液の調製と同様にして
分散液を調製した。
【0115】<分散液の調製>前記分散液の調製に
おいて、C.I.ピグメントレッド254の代わりに
C.I.ピグメントブルー15;6(平均粒径:0.0
8μm)を用いたこと以外は分散液の調製と同様にし
て分散液を調製した。
【0116】<分散液の調製>前記分散液の調製に
おいて、C.I.ピグメントレッド254の代わりに
C.I.ピグメントイエロー139(平均粒径:0.0
95μm)を用いたこと以外は分散液の調製と同様に
して分散液を調製した。
【0117】<分散液の調製>前記分散液の調製に
おいて、C.I.ピグメントレッド254の代わりに
C.I.ピグメントイエロー138(平均粒径:0.0
98μm)を用いたこと以外は分散液の調製と同様に
して分散液を調製した。
【0118】<分散液の調製>前記分散液の調製に
おいて、C.I.ピグメントレッド254の代わりに
C.I.ピグメントバイオレット23(平均粒径:0.
090μm)を用いたこと以外は分散液の調製と同様
にして分散液を調製した。
【0119】<分散液の調製>前記分散液の調製に
おいて、C.I.ピグメントレッド254の代わりに
C.I.ピグメントブラック7(平均粒径:0.025
μm)を用いたこと以外は分散液の調製と同様にして
分散液を調製した。
【0120】(実施例1)厚さ100μmのポリエチレ
ンテレフタレートフィルム仮支持体上に、下記組成から
なる塗布液H1を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が20μm
の熱可塑性樹脂層を設けた。
【0121】 <熱可塑性樹脂層用塗布液H1> ・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリ レート/メタクリル酸共重合体 (共重合組成比(モル比)=55/28.8/11.7/4.5、 重量平均分子量=90000) ・・・・・・15部 ・ポリプロピレングリコールジアクリレート ・・・・ 6.5部 (平均分子量=822) ・テトラエチレングリコールジメタクリレート ・・・・・・・・ 1.5部 ・p−トルエンスルホンアミド ・・・・・・・・・・・・・・・ 0.5部 ・ベンゾフェノン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.0部 ・メチルエチルケトン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30部
【0122】次に、上記熱可塑性樹脂層上に、下記組成
からなる塗布液B1を塗布、乾燥させ、乾燥膜厚が1
6.0μm厚の中間層を設けた。 <中間層用塗布液B1> ・ポリビニルアルコール ・・・・130部 (PVA205(鹸化率=80%);クラレ(株)製) ・ポリビニルピロリドン (PVP、K−90;GAFコーポレーション社製) ・・・・60部 ・フッ素系界面活性剤 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10部 (旭硝子(株)社製サーフロンS−131) ・蒸留水 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3350部
【0123】さらに下記組成からなる感光性樹脂層用塗
布液T1を塗布し、乾燥させ、その乾燥膜厚が0.2μ
mの感光性樹脂層T1を形成した。さらに、上記感光性
樹脂層T1上に、ポリプロピレン(厚さ12μm)のカ
バーフィルムを圧着貼付して設け、スペーサー用感光性
転写型フィルムT1を作製した。 <感光性樹脂層用塗布液T1> ・ベンジルメタクリレート/メタクリレート共重合体(共重合組成比(モル比) =73/27、分子量3万、27%1−メトキシ2−プロピルアセテート溶液) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31.9部 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(76%1−メトキシ−2−プロ ピルアセテート溶液)・・・・・・・・・・・・・・・・・・19.6部 ・フェノチアジン ・・・・0.1部 ・2,4ビスー(トリクロロメチル)−6−[4−(N、N-ジエトキシカルボニ ルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン ・・・・1.4部 ・1−メトキシ−2−プロピルアセテート ・・・・12.6部 ・メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・・・50.9部 ・ポリ−(N−プロピルぺルフルオロオクタンスルホンアミドエチルアクリレー ト)−コー(ポリプロピレングリコールメチルエーテルアクリレート) (共重合組成比(モル比)=40/60)・・・・・・・・・・0.2部 ・前記分散液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・83.3部
【0124】所定サイズのガラス基板上に0.1μm厚
のクロム金属をスパッタリングで作成し、フォトレジス
トを用いてエッチングを行い所定サイズ、形状の格子状
のブラックマトリックスを得た。その後、特開平11−
64621号公報記載の転写型カラーフィルターを用い
て赤、緑、青色の所定サイズ、形状のパターンを作成し
た。その上にスピンコーターを用いてアクリル樹脂系の
保護層を形成し平坦化を施し、さらにその上に透明電極
としてITOを付与した。
【0125】前記スペーサー用感光性転写型フィルムT
1のカバーフィルムを剥離し、感光性樹脂層面を上記基
板上に、ラミネーター(装置名:VP−II,大成ラミネ
ータ(株)製)を用いて、線圧100N/cm、130
℃の加圧加熱条件下、搬送速度1m/分で貼り合わせ
た。その後、仮支持体を熱可塑性樹脂層から剥離し、仮
支持体を除去した。
【0126】次に、所定のフォトマスクを介して超高圧
水銀灯で100mJ/cm2のプロキシミティー露光し、
その後、1%トリエタノールアミン水溶液を用いて熱可
塑性樹脂層および中間層を溶解除去した。この際、感光
性樹脂層は実質現像されていなかった。次いで、1%炭
酸ナトリウム水溶液を用いて感光性樹脂層を現像し、ブ
ラシ工程を経て不要部を除去した後、230℃120分
ベークして、カラーフィルター基板上に1辺20μm、
平均高さ約4.3μmの柱状の透明な画素パターンを形
成した。スペーサーの厚みは触針型膜厚計を用いて画面
全面からランダムに200点測定し、その標準偏差の平
均値に対する比率(%)で表した。
【0127】次に、このスペーサーを形成したカラーフ
ィルターの上にポリイミドの配向膜を形成し、ナイロン
製布を巻きつけたロールでラビングしたのち、カラーフ
ィルター側の基板と対向する電極基板をシール材でシー
ルし、液晶を注入し、対角38cmのカラー液晶表示素子T
1を作製した。
【0128】(実施例2)前記感光性樹脂層用塗布液T
1をITO基板に所定の膜厚にスピン塗布した以外は実
施例1と同様にカラー液晶表示素子T1−1を作製し
た。
【0129】(実施例3)実施例1において、感光性樹
脂層用塗布液T1の分散液を分散液に代えたこと以
外は実施例1と同様にしてカラー液晶表示素子T2を作
製した。
【0130】(実施例4)実施例1において、感光性樹
脂層用塗布液T1の分散液を75.0gとし、さらに
分散液を8.3g添加したこと以外は実施例1と同様
にカラー液晶表示素子T3を作製した。
【0131】(実施例5)実施例4において、分散液
を分散液に代えたこと以外は実施例4と同様にしてカ
ラー液晶表示素子T4を作製した。
【0132】(実施例6)実施例4において、分散液
を分散液に代えたこと以外は実施例4と同様にしてカ
ラー液晶表示素子T5を作製した。
【0133】(実施例7)実施例1において、感光性樹
脂層用塗布液T1の分散液を66.0gとし、さらに
分散液を17.3g添加したこと以外は実施例1と同
様にカラー液晶表示素子T6を作製した。
【0134】(実施例8)実施例7において、分散液
を分散液に代えたこと以外は実施例7と同様にしてカ
ラー液晶表示素子T7を作製した。
【0135】(実施例9)実施例1において、感光性樹
脂層用塗布液T1の分散液を82.5gとし、さらに
分散液を0.8g添加したこと以外は実施例1と同様
にカラー液晶表示素子T8を作製した。
【0136】(比較例1)実施例1において、感光性樹
脂層用塗布液T1に分散液を添加しない感光性樹脂層
用塗布液T9を用いたこと以外は実施例1と同様にカラ
ー液晶表示素子T9を作製した。
【0137】(比較例2)比較例1における感光性樹脂
層用塗布液T9をITO基板に所定の膜厚にスピン塗布
した以外は比較例1と同様にカラー液晶表示素子T10
を作製した。
【0138】(比較例3)以下に示す組成のシリカ分散
液組成物を調製した。 R−972(日本アエロジル社製)・・・・・・・・・・・14.4g S−20000(アビジア社製)・・・・・・・・・・・・・1.4g メタクリル酸/メタクリル酸ベンジル共重合体・・・・・・35.6g (モル比:28/72、重量平均分子量:3万、40%1−メトキシ−2−プロ ピルアセテート溶液) 40%1−メトキシ−2−プロピルアセテート・・・・・・28.6g 上記組成のシリカ分散液組成物をモーターミルM−50
(アイガー社製)で、、直径0.65mmのジルコニア
ビーズを用い、周速9m/sで2時間稼動し分散液を
調製した。実施例1において、分散液を分散液に変
更して、得られた感光性樹脂用塗布液T11を、ITO
基板に所定の膜厚にスピンコート塗布した以外は、実施
例1と同様にカラー液晶表示素子T11を作製した。
【0139】(評価)上記T1〜T10の液晶表示素子
およびそれぞれの樹脂スペーサーに対して、スペーサー
厚の厚みムラと液晶画像ムラの官能評価を表1に示し
た。なお、スペーサー厚みムラはスペーサーの厚みを画
面全面からランダムに200点測定し、その標準偏差の
平均値に対する比率(%)で表すものとする。また、液
晶ムラの官能評価法は、全くムラが見えない=○、やや
ムラが見えるが許容範囲=△、ムラが目立ち許容範囲外
=×、とした。
【0140】
【表1】
【0141】
【発明の効果】本発明のスペーサーによれば、互いに対
向して配される一対の基板間に液晶が封入された液晶表
示素子で、該液晶層の厚さを一定に保つために配置され
た樹脂製スペーサーにおいて、画像ムラのない液晶表示
装置を与えるスペーサーを提供することができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向して配される一対の基板間に
    液晶層を有する液晶素子に、該液晶層の厚さを一定に保
    つために配置された樹脂製の液晶パネル用スペーサーに
    おいて、 該液晶パネル用スペーサーが有機顔料を含有することを
    特徴とする液晶パネル用スペーサー。
  2. 【請求項2】 前記液晶パネル用スペーサーがフォトリ
    ソグラフィーによって形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の液晶パネル用スペーサー。
  3. 【請求項3】 前記液晶パネル用スペーサーが転写型フ
    ィルムを用いて形成されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載の液晶パネル用スペーサー。
  4. 【請求項4】 前記転写型フィルムが、仮支持体上に、
    アルカリ可溶な熱可塑性樹脂層、中間層、感光性樹脂層
    をこの順に設けてなることを特徴とする請求項3に記載
    の液晶パネル用スペーサー。
  5. 【請求項5】 前記有機顔料が、C.I.ピグメント・
    レッド177、C.I.ピグメント・レッド254、
    C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメン
    ト・ブルー15、C.I.ピグメント・イエロー13
    9、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピ
    グメント・バイオレット23、及びC.I.ピグメント
    ・ブラック7からなる群より選択される少なくとも1種
    であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項
    に記載の液晶パネル用スペーサー。
  6. 【請求項6】 前記有機顔料の平均粒径が0.01〜
    0.5μmであることを特徴とする請求項1から5のい
    ずれか1項に記載の液晶パネル用スペーサー。
  7. 【請求項7】 前記有機顔料が樹脂に分散されているこ
    とを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の
    液晶パネル用スペーサー。
  8. 【請求項8】 前記樹脂が酸性基を有するポリマーであ
    ることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記
    載の液晶パネル用スペーサー。
  9. 【請求項9】 前記有機顔料を樹脂に分散させる分散
    剤、及び前記有機顔料がアゾ色素骨格を有することを特
    徴とする請求項7または8に記載の液晶パネル用スペー
    サー。
  10. 【請求項10】 前記分散剤が下記一般式(I)で表さ
    れる化合物であることを特徴とする請求項7から9のい
    ずれか1項に記載の液晶パネル用スペーサー。 【化1】 (一般式(I)中、Aは、X−Yとともにアゾ色素を形
    成しうる成分を表す。Xは、単結合、又は下記構造式で
    表される二価の連結基から選択される基を表す。Yは、
    下記一般式(II)で表される基を表す。) 【化2】 【化3】 (一般式(II)中、Zは、低級アルキレン基を表す。−N
    2は、低級アルキルアミノ基、又は窒素原子を含む5
    乃至6員飽和ヘテロ環を表す。aは、1又は2を表
    す。)
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれか1項に記
    載の液晶パネル用スペーサーを有する液晶素子。
JP2001237455A 2001-08-06 2001-08-06 液晶パネル用スペーサー及びそれを用いた液晶素子 Pending JP2003049086A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001237455A JP2003049086A (ja) 2001-08-06 2001-08-06 液晶パネル用スペーサー及びそれを用いた液晶素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001237455A JP2003049086A (ja) 2001-08-06 2001-08-06 液晶パネル用スペーサー及びそれを用いた液晶素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003049086A true JP2003049086A (ja) 2003-02-21
JP2003049086A5 JP2003049086A5 (ja) 2007-07-26

Family

ID=19068535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001237455A Pending JP2003049086A (ja) 2001-08-06 2001-08-06 液晶パネル用スペーサー及びそれを用いた液晶素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003049086A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007187772A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Fujifilm Corp 感光性樹脂転写材料及びフォトスペーサーの製造方法、カラーフィルター、並びに液晶表示素子

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56166266A (en) * 1980-05-23 1981-12-21 Toyo Ink Mfg Co Ltd Dispersing method of pigment
JP2000239554A (ja) * 1999-02-23 2000-09-05 Fuji Photo Film Co Ltd 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP2001154206A (ja) * 1999-11-25 2001-06-08 Jsr Corp スペーサー用感放射線性樹脂組成物、スペーサーおよび液晶表示素子
JP2001166315A (ja) * 1999-12-03 2001-06-22 Fuji Photo Film Co Ltd 液晶パネル用スペーサーおよびそれを用いた液晶素子

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56166266A (en) * 1980-05-23 1981-12-21 Toyo Ink Mfg Co Ltd Dispersing method of pigment
JP2000239554A (ja) * 1999-02-23 2000-09-05 Fuji Photo Film Co Ltd 顔料分散剤、それを含む顔料分散組成物及び着色感光性組成物
JP2001154206A (ja) * 1999-11-25 2001-06-08 Jsr Corp スペーサー用感放射線性樹脂組成物、スペーサーおよび液晶表示素子
JP2001166315A (ja) * 1999-12-03 2001-06-22 Fuji Photo Film Co Ltd 液晶パネル用スペーサーおよびそれを用いた液晶素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007187772A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Fujifilm Corp 感光性樹脂転写材料及びフォトスペーサーの製造方法、カラーフィルター、並びに液晶表示素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4579022B2 (ja) 積層体の製造方法、積層体、液晶表示装置用基板、液晶表示素子、液晶表示装置
KR20090097787A (ko) 감광성 수지 조성물, 감광성 수지 전사 재료, 포토 스페이서와 그 제조 방법, 표시 장치용 기판, 및 표시 장치
JP2001166315A (ja) 液晶パネル用スペーサーおよびそれを用いた液晶素子
US5614350A (en) Photosensitive transfer material and method of image formation using the same
KR20080001647A (ko) 감광성 전사재료, 적층체 및 그 제조방법, 액정표시장치용기판, 액정표시 소자, 및 액정표시장치
JP4044745B2 (ja) 感光性樹脂組成物及び感光性転写材料、並びに、液晶表示素子用部材及び液晶表示素子
JP2010072589A (ja) 感光性転写材料、樹脂パターンの形成方法、樹脂パターン付き基板、表示素子及び表示装置
JP2005215137A (ja) 感光性樹脂組成物、感光性転写材料、液晶配向制御用突起及びその製造方法、並びに液晶表示装置
JP3893553B2 (ja) 感光性転写材料
JP4171167B2 (ja) 光硬化性組成物及び液晶表示素子
US7323232B2 (en) Resin composition for spacer, spacer, and liquid crystal display device
JP4148404B2 (ja) スペーサー用樹脂組成物及びスペーサー並びに液晶表示素子
JP2007334045A (ja) 大型表示装置用カラーフィルタの製造方法、大型表示装置用カラーフィルタ、及び大型表示装置
JP4112272B2 (ja) スペーサーの高さ調整方法
JP2007148160A (ja) カラーフィルタ及びそれを用いた液晶表示装置
JP4005236B2 (ja) 感光性転写材料および画像形成方法
JP2003049086A (ja) 液晶パネル用スペーサー及びそれを用いた液晶素子
JP4119666B2 (ja) スペーサー用樹脂組成物及び液晶表示素子
JP2003131385A (ja) 感光性転写材料及びその製造方法並びにカラーフィルタの製造方法
JP2006064921A (ja) 感光性転写材料、カラーフィルタ、及び液晶表示装置
JP2007212860A (ja) 積層体の製造方法、積層体、液晶表示装置用基板、液晶表示素子及び液晶表示装置
JP2005221726A (ja) 感光性転写材料、液晶配向制御用突起及びその形成方法、並びに、液晶表示装置
JP3946977B2 (ja) カラーフィルターの製造方法
JP2010060841A (ja) 感光性転写材料、樹脂パターンの形成方法、樹脂パターン付き基板、表示装置及び液晶表示装置
JP2003121851A (ja) 光硬化性組成物及び液晶表示素子

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070611

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070611

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101221

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110726