JP2003049043A - 弱電機器用防振材 - Google Patents

弱電機器用防振材

Info

Publication number
JP2003049043A
JP2003049043A JP2001236321A JP2001236321A JP2003049043A JP 2003049043 A JP2003049043 A JP 2003049043A JP 2001236321 A JP2001236321 A JP 2001236321A JP 2001236321 A JP2001236321 A JP 2001236321A JP 2003049043 A JP2003049043 A JP 2003049043A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
isobutylene
monomer
block copolymer
polymer block
rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001236321A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshifumi Fukui
祥文 福井
Ryuji Fukuda
竜司 福田
Taizo Aoyama
泰三 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2001236321A priority Critical patent/JP2003049043A/ja
Publication of JP2003049043A publication Critical patent/JP2003049043A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Springs (AREA)
  • Vibration Dampers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】室温付近での減衰性が高いと同時に、室温付近
での剛性の温度依存性を低く保つという優れた特性を有
する弱電機器用防振材、防振ダンパーを提供する 【解決手段】イソブチレンを単量体主成分とする重合体
ブロックと芳香族ビニル化合物を単量体主成分とする重
合体ブロックからなるイソブチレン系ブロック共重合体
に、粘着付与樹脂及び可塑剤から選択される少なくとも
1種を配合した熱可塑性エラストマーよりなる弱電機器
用防振材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響機器、映像機
器、情報機器等、すなわち、弱電機器内で防振、衝撃吸
収のために用いられる、防振材、防振ダンパーに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】音響機器(CDプレーヤ、MDプレーヤ
等)、映像機器(LDプレーヤ、DVDプレーヤ等)、
情報機器(パソコン、各種情報端末)等の弱電機器にお
いては、外部の振動が機器本体に大きな影響を与えるた
め、それを防ぐという目的で、防振材が用いられてい
る。この防振材は、振動、衝撃を十分に吸収すること、
すなわち、減衰性の高いことが要求されると共に、荷重
によって変形することのないだけの剛性を有することが
要求される。
【0003】通常のゴム材料は、室温付近である程度の
減衰性を有するものであるが、防振ダンパーに使用でき
るほどの高い減衰性を得ることは難しい。すなわち、減
衰性を高めようとすると剛性が低下し、防振ダンパーの
小型化が困難になるという実用上の問題が生じる。
【0004】一方、制振ゴムは、一般的に、室温付近に
ガラス転位温度(Tg)を有するものである。このよう
な例としては、油添ノルボルネンゴムや、高ビニル含量
のスチレン−イソプレン系ブロック共重合体及びその水
添物(商品名:ハイブラー)などが挙げられる。このよ
うな材料は、室温付近の減衰性は高いものの、室温付近
の剛性の温度依存性が非常に大きく、防振ダンパーとし
ての使用は難しい。これは、Tg付近では弾性率の変化
が大きいためである。
【0005】一方、スチレン−イソブチレン系ブロック
共重合体の制振ゴムとしての利用は、WO93/141
35号公報や特開平7−137194号公報に記載され
ているが、いずれの公報においても、一般的な制振ゴム
として使用できることを開示しているのみで、弱電機器
分野におけるCDダンパーのような特殊な特性が要求さ
れる用途での使用については何も記載されていない。ま
た、両公報の実施例に開示されている材料では、室温付
近での減衰性が低すぎて、弱電機器用防振ダンパーとし
て使用するのは難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、室温
付近での減衰性が高いと同時に、室温付近での剛性の温
度依存性を低く保つという優れた特性を有する弱電機器
用防振材、防振ダンパーを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、イソ
ブチレンを単量体主成分とする重合体ブロックと芳香族
ビニル化合物を単量体主成分とする重合体ブロックから
なるイソブチレン系ブロック共重合体に、粘着付与樹脂
及び可塑剤から選択される少なくとも1種を配合した熱
可塑性エラストマーよりなる弱電機器用防振材であり、
前記熱可塑性エラストマー組成物に更に、ポリオレフィ
ン及びイソブチレン系ゴムから選択される少なくとも1
種を配合するのが好ましい。
【0008】また、更に芳香族ビニル−共役ジエン系ブ
ロック共重合体又はその水素添加物を配合することもで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる、イソブチレ
ン系ブロック共重合体は、イソブチレンを単量体主成分
とする重合体ブロックと芳香族ビニル系単量体を単量体
主成分とする重合体ブロックを有しているものであれば
特に制限はなく、例えば、直鎖状、分岐状、星状等の構
造を有するブロック共重合体、ジブロック共重合体、ト
リブロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいず
れも選択可能であり、粘弾性特性や、各物性と加工性の
要求に見合うものを選択すればよい。
【0010】本発明の芳香族ビニル系単量体を主成分と
する単量体成分は、芳香族ビニル系単量体の含有量が6
0重量%以上である単量体成分を示す。芳香族ビニル系
単量体を主成分とする単量体成分中の芳香族ビニル系単
量体の含有量は80重量%以上であることが好ましく、
90重量%以上であることがコストの面からもさらに好
ましい。
【0011】芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルス
チレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチ
ルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メ
チル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルス
チレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル
−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレ
ン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチ
ル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−
ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチ
レン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジ
クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロ
ロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチ
レン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−
o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレ
ン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−ト
リクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチ
レン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−ク
ロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4
−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルス
チレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、
m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp
−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレ
ン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わ
せて用いてもよい。
【0012】芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、インデ
ンからなる群から選ばれる1種以上の単量体を使用する
ことが好ましく、コストの面からスチレン、α−メチル
スチレン、あるいはこれらの混合物を用いることが特に
好ましい。
【0013】脂肪族オレフィン系単量体としては、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シ
クロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシク
ロヘキサン、オクテン、ノルボルネン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて
用いてもよい。
【0014】ジエン系単量体としては、ブタジエン、イ
ソプレン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロ
ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼ
ン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いても
よい。
【0015】ビニルエーテル系単量体としては、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、(n−、イ
ソ)プロピルビニルエーテル、(n−、sec−、te
rt−、イソ)ブチルビニルエーテル、メチルプロペニ
ルエーテル、エチルプロペニルエーテル等が挙げられ
る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わ
せて用いてもよい。
【0016】シラン化合物としては、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニル
トリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニル
ジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−
ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン、トリビニルメチルシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて
用いてもよい。
【0017】また本発明のイソブチレンを主成分とする
単量体成分は、イソブチレン以外の単量体を含んでいて
も含んでいなくても良く、通常、イソブチレンを60重
量%以上、好ましくは80重量%以上含有する単量体成
分である。イソブチレン以外の単量体としてはカチオン
重合可能な単量体であれば特に制限はないが、例えば上
記の単量体等が挙げられる。
【0018】イソブチレンを単量体主成分とする重合体
ブロックと芳香族ビニル系化合物を単量体主成分とする
重合体ブロックの割合に関しては、特に制限はないが、
物性と加工性のバランスから、イソブチレンを単量体主
成分とする重合体ブロックが98から40重量%、芳香
族ビニル系単量体を単量体主成分とする重合体ブロック
が2から60重量%であることが好ましく、イソブチレ
ンを単量体主成分とする重合体ブロックが95から50
重量%、芳香族ビニル系単量体を単量体主成分とする重
合体ブロックが5から50重量%であることが特に好ま
しい。イソブチレンを単量体主成分とする重合体ブロッ
クが80から60重量%、芳香族ビニル系単量体を単量
体主成分とする重合体ブロックが20から40重量%で
あることがことに好ましい。
【0019】また本発明のイソブチレン系ブロック共重
合体の好ましい構造としては、得られる組成物の物性及
び加工性の点から、芳香族ビニル系単量体を単量体主成
分とする重合体ブロック−イソブチレンを単量体主成分
とする重合体ブロック−芳香族ビニル系単量体を単量体
主成分とする重合体ブロックから形成されるトリブロッ
ク共重合体、イソブチレンを単量体主成分とする重合体
ブロック−芳香族ビニル系単量体を単量体主成分とする
重合体ブロック−イソブチレンを単量体主成分とする重
合体ブロックから形成されるトリブロック共重合体、芳
香族ビニル系単量体を単量体主成分とする重合体ブロッ
ク−イソブチレンを単量体主成分とする重合体ブロック
から形成されるジブロック共重合体、及び、芳香族ビニ
ル系単量体を単量体主成分とする重合体ブロック−イソ
ブチレンを単量体主成分とする重合体ブロックから形成
されるジブロック共重合体をアームとする星状ポリマー
からなる群より選択される少なくとも1種である。
【0020】イソブチレン系ブロック共重合体の重量平
均分子量にも特に制限はないが、物性及び加工性の面か
ら、3000〜1000000であり、5000〜50
0000であることが好ましく、10000〜3000
00であることがとくに好ましく、40000〜250
000であることがことに好ましい。イソブチレン系ブ
ロック共重合体の重量平均分子量が上記範囲よりも低い
場合には組成物の物性が十分に発現されず、一方上記範
囲を超える場合には加工性の面で不利である。
【0021】また本発明で用いられる組成物は、接着性
を改善する等の目的で、イソブチレン系ブロック共重合
体として分子鎖中又は分子鎖末端に各種官能基を有する
ものを用いることができる。官能基としては、例えば、
エポキシ基、水酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、ア
ルコキシル基等のエーテル基、カルボキシル基、アルコ
キシカルボニル基、アシロキシル基等のエステル基、カ
ルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アシルアミノ
基等のアミド基、無水マレイン酸等の酸無水物基、シリ
ル基、アリル基、ビニル基等が挙げられる。イソブチレ
ン系ブロック共重合体は、これらの官能基の1種のみを
有していてもよいし、2種以上を有していてもよい。物
性バランス等の点から好ましい官能基としては、エポキ
シ基、アミノ基、エーテル基、エステル基、アミド基、
シリル基、アリル基、及び、ビニル基が挙げられる。
【0022】イソブチレン系ブロック共重合体の製造方
法としては、特に限定されず、公知の重合方法を用いる
ことができるが、例えば適当な重合開始剤系を用いて、
不活性溶媒中でイソブチレンを主成分とする単量体及び
スチレンを主成分とする単量体成分をそれぞれのブロッ
ク結合順序になるように順に重合することにより製造す
ることができる。その場合の重合開始剤系の例として
は、ルイス酸と、ルイス酸によってカチオン重合活性種
を生成する有機化合物との混合系が挙げられる。
【0023】ルイス酸としては四塩化チタン、四塩化ス
ズ、三塩化ホウ素、塩化アルミニウムなどが、また該有
機化合物としてはアルコキシ基、アシロキシ基またはハ
ロゲン基などの官能基を有する有機化合物、例えば1−
クロル−1−メチルエチルベンゼン[C65C(C
32Cl]、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)
ベンゼン[C64(C(CH32Cl)2]、トリス
(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[(ClC
(CH32363]などが挙げられる。更に上記の
ルイス酸および上記有機化合物と共に、必要に応じて、
例えばピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド
類、エステル類、または金属原子に結合した酸素原子を
有する金属化合物等を電子供与体成分として使用しても
よい。また、重合用の不活性溶媒としてはヘキサン、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、塩化
メチル、塩化メチレン、n−ブチルクロライドなどを使
用することができる。
【0024】ルイス酸としては四塩化チタン、四塩化ス
ズ、三塩化ホウ素、塩化アルミニウムなどが、また該有
機化合物としてはアルコキシ基、アシロキシ基またはハ
ロゲン基などの官能基を有する有機化合物、例えば1−
クロル−1−メチルエチルベンゼン[C65C(C
32Cl]、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)
ベンゼン[C64(C(CH32Cl)2]、トリス
(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[(ClC
(CH32363]などが挙げられる。更に上記の
ルイス酸および上記有機化合物と共に、必要に応じて、
例えばピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド
類、エステル類、または金属原子に結合した酸素原子を
有する金属化合物等を電子供与体成分として使用しても
よい。また、重合用の不活性溶媒としてはヘキサン、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、塩化
メチル、塩化メチレン、n−ブチルクロライドなどを使
用することができる。
【0025】例えば、A−B−Aトリブロック共重合体
は、ルイス酸およびカチオン重合活性種を生成する官能
基を1個有する有機化合物を重合開始剤系として使用し
て芳香族ビニル系モノマーを重合させてブロックAを形
成した後、イソブチレンを反応系に添加して重合させて
ブロックBを形成させ、更に再び芳香族ビニル系モノマ
ーを反応系に添加して重合してブロックAを形成させる
ことにより製造することができる。また、別法として、
ルイス酸およびカチオン重合活性種を生成する官能基を
2個有する有機化合物を重合開始剤系として使用して、
まずイソブチレンを重合させて中央に位置するブロック
Bを形成した後、反応系に芳香族ビニル系モノマーを添
加して重合を行ってブロックBの両端にブロックAを形
成させることにより製造することができる。A−Bジブ
ロック共重合体およびB−A−Bトリブロック共重合体
の場合も、同様にして製造することができる。さらに、
ルイス酸およびカチオン重合活性種を生成する官能基を
3個以上有する有機化合物を重合開始剤系として使用す
る方法や、A−Bジブロック共重合体を製造し、その後
に、多官能性化合物をカップリング剤(結合剤)として
用いて、上記ジブロック共重合体をカップリング(結
合)させる方法により、星状ポリマーを製造することが
できる。
【0026】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
イソブチレンを単量体主成分とする重合体ブロックと芳
香族ビニル単量体を主成分とする重合体ブロックからな
るイソブチレン系ブロック共重合体を主成分とする組成
物であって、該組成物の剪断モードでの動的粘弾性測定
により得られる貯蔵弾性率(G’)の10℃における値
と30℃における値の比(G’10/G’30)が5以下で
あり、かつ、前記測定により得られる損失正接(tan
δ)が10℃〜30℃において0.4以上である組成物
である。
【0027】前記の剪断モードでの動的粘弾性測定は、
JIS K−6394(加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの動
的性質試験方法)に従って行えばよい。このとき、周波
数は、0.1〜5Hzに設定されるが、本明細書では
0.5Hzで測定した値を示している。G’は剛性を表
し、その値が大きいほど、剛性は高い。一方、tanδ
は減衰性を表し、その値が大きいほど、減衰性は高い。
【0028】前述したように、防振ダンパーとして使用
するには、室温付近での減衰性が高いことと、室温付近
での剛性の温度依存性が小さいことが要求される。本発
明においては、使用する組成物の10℃におけるG’の
値(G’10)と30℃におけるG’の値(G’30)の比
(G’10/G’30)を5以下とすることで、室温付近で
の剛性の温度依存性が小さい防振ダンパーを実現してお
り、G’10/G’30は4以下であることが好ましく、2
以下であることが最も好ましい。また、本発明において
は、使用する組成物の10℃〜30℃におけるtanδ
の値を0.4以上とすることで、室温付近での減衰性の
高い防振ダンパーを実現しており、10℃〜30℃にお
けるtanδの値は0.5以上であることが好ましく、
0.7以上であることが最も好ましい。そのような組成
物であれば、イソブチレン系ブロック共重合体以外にど
のような成分が配合されていてもよく、どのような配合
割合でもよい。
【0029】そして、前述のG’及びtanδの条件を
満たすには、イソブチレン系ブロック共重合体中のイソ
ブチレンを単量体主成分とする重合体ブロックの前記測
定でのtanδのピーク温度(ガラス転位温度)が、−
15℃〜15℃の範囲であることが好ましい。
【0030】イソブチレン系ブロック共重合体中のイソ
ブチレンを単量体主成分とする重合体ブロックのガラス
転位温度をコントロールする成分としては、粘着付与樹
脂、可塑剤があげられる。粘着付与樹脂は、イソブチレ
ン系ブロック共重合体中のイソブチレンを単量体主成分
とする重合体ブロックのガラス転位温度を高温側に移動
させ、ガラス転位温度におけるtanδを高くする効果
があり、可塑剤は、イソブチレン系ブロック共重合体中
のイソブチレンを単量体主成分とする重合体ブロックの
ガラス転位温度を低温側に移動させ、ガラス転位温度に
おけるtanδを高くする効果がある。イソブチレン系
ブロック共重合体のイソブチレンを単量体主成分とする
重合体ブロックの、本来のガラス転位温度は、−40〜
−35℃程度と低いため、粘着付与樹脂を添加してガラ
ス転位温度を−15℃〜15℃の範囲に移動させること
が好ましい。さらに、tanδを高めるために、粘着付
与樹脂を添加したい場合は、可塑剤を添加して、ガラス
転位温度が−15℃〜15℃の範囲になるように調整す
ることができる。このような効果は、粘着付与樹脂及び
可塑剤の種類により異なり、適宜、好ましい種類を選択
し、その配合量を組成物のガラス転位温度が−15℃〜
15℃となるように調整すればよい。
【0031】本発明で用いられる組成物に配合しうる粘
着付与樹脂としては、数平均分子量300〜3000、
JIS K−2207に定められた環球法に基づく軟化
点が60〜150℃である低分子量の樹脂であって、ロ
ジン及びロジン誘導体、テルペン樹脂及びその水素化
物、芳香族変性テルペン樹脂及びそれらの水素化物、テ
ルペンフェノール樹脂、クマロン・インデン樹脂、脂肪
族系石油樹脂及びその水素化物、脂環族系石油樹脂及び
その水素化物、芳香族系石油樹脂及びその水素化物、脂
肪族芳香族共重合系石油樹脂及びその水素化物、ジシク
ロペンタジエン系石油樹脂及びその水素化物、シクロペ
ンタジエン系化合物とビニル芳香族系化合物との共重合
体及びその水素化物、スチレンまたは置換スチレンの低
分子量重合体などがあげられる。
【0032】本発明の目的を達成するには、イソブチレ
ン系ブロック共重合体中のイソブチレンを単量体主成分
とする重合体ブロックに相溶する粘着付与剤樹脂を配合
することが望ましく、例えば、脂環族系石油樹脂及びそ
の水素化物、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂の水
素化物、ポリテルペン樹脂などが好適に用いられる。ま
た、同じ種類の粘着付与樹脂においても、軟化点が高い
ものほど、イソブチレン系ブロック共重合体のイソブチ
レンを単量体主成分とする重合体ブロックのガラス転位
温度を高温側に移動させる効果が高く、粘着付与樹脂の
配合量を減らしたい場合は高軟化点のものを、増やした
い場合は低軟化点のものを選択すればよい。たとえば、
C9系脂環族系石油樹脂の水素化物であるアルコン(荒
川化学工業株式会社製)を用いる場合、イソブチレン系
ブロック共重合体100重量部に対して、軟化点が10
0℃のP−100であれば30〜70重量部、軟化点が
135℃のM−135であれば10〜55重量部配合す
ると、イソブチレン系ブロック共重合体のイソブチレン
を単量体主成分とする重合体ブロックのガラス転位温度
を−15℃〜15℃の範囲に調整することができる。た
だし配合量が多いと、成形体の表面性が低下する傾向が
ある。
【0033】本発明で用いられる組成物に配合しうる可
塑剤としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン
系プロセスオイルあるいは芳香族系プロセスオイルなど
の石油系プロセスオイル、ひまし油あるいはトール油な
どの天然油、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチルあ
るいはアジピン酸ジブチルなどの二塩基酸ジアルキル、
液状ポリブテンあるいは液状ポリイソプレンなどの低分
子量液状ポリマーが例示され、これらのいずれをも使用
することができる。
【0034】パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系
プロセスオイルあるいは芳香族系プロセスオイルなどの
石油系プロセスオイルの中でも、芳香族系は、イソブチ
レン系ブロック共重合体との分散性の点で好ましくな
い。本発明の成分としては、パラフィン系のものが好ま
しく、パラフィン系の中でも芳香族成分の少ないものが
特に好ましい。
【0035】本発明の目的を達成するには、イソブチレ
ン系ブロック共重合体中のイソブチレンを単量体主成分
とする重合体ブロックに相溶する可塑剤を配合すること
が望ましく、パラフィン系プロセスオイルや液状ポリブ
テンなどが好適に用いられる。前述したイソブチレン系
ブロック共重合体のイソブチレンを単量体主成分とする
重合体ブロックのガラス転位温度を低下させる効果は、
可塑剤の種類によって異なる。たとえば、パラフィン系
プロセスオイルであるダイアナプロセスオイルPW−3
80(出光興産株式会社製)を用いる場合、イソブチレ
ン系ブロック共重合体が100重量部及び粘着付与樹脂
であるアルコンP−100が50重量部からなる組成物
にPW−380を40重量部まで配合しても、イソブチ
レン系ブロック共重合体のイソブチレンを単量体主成分
とする重合体ブロックのガラス転位温度を−15℃〜1
5℃の範囲に調整できる。また、イソブチレン系ブロッ
ク共重合体が100重量部及び粘着付与樹脂であるアル
コンM−135が50重量部からなる組成物にPW−3
80を60重量部まで配合しても、イソブチレン系ブロ
ック共重合体のイソブチレンを単量体主成分とする重合
体ブロックのガラス転位温度を−15℃〜15℃の範囲
に調整でき、さらに、イソブチレン系ブロック共重合体
が100重量部及び粘着付与樹脂であるアルコンM−1
35が60重量部からなる組成物の場合、イソブチレン
を単量体主成分とする重合体ブロックのガラス転位温度
が35℃となるが、PW−380を20重量部〜70重
量部配合することで、イソブチレン系ブロック共重合体
のイソブチレンを単量体主成分とする重合体ブロックの
ガラス転位温度を−15℃〜15℃の範囲に調整でき
る。
【0036】前述したように、イソブチレン系ブロック
共重合体中のイソブチレンを単量体主成分とする重合体
ブロックのガラス転位温度が、−15℃〜15℃の範囲
となるように配合割合を設定することが好ましいが、例
えば、イソブチレン系ブロック共重合体100重量部に
対して、粘着付与樹脂が30〜200重量部、好ましく
は30〜100重量部、可塑剤が0〜300重量部、好
ましくは15〜150重量部、さらに好ましくは30〜
70重量部の範囲で配合すると、目的の組成物が得られ
る。300重量部を超える可塑剤の配合は、ブリ−ドア
ウトを生じやすく、物性が低下する傾向がある。
【0037】また、本発明で用いられるイソブチレン系
ブロック共重合体組成物には、高密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(エチレン
と少量の、好ましくは、1〜10モル%の、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンと
の共重合体)などのポリエチレン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸エステル共重合体から選ばれた1種あるい
は2種以上を混合してもよい。この中では、特に、エチ
レン−オクテン共重合体が好ましい。また、メルトフロ
ーレート(190℃、2160g)が0.1〜5.0g
/10分のもの、さらには、0.3〜1.0g/10分
のものが好ましい。また、アイソタクッチックポリプロ
ピレン、あるいは、プロピレンとα−オレフィンとの共
重合体(好ましくは、エチレン、1−ブテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン等との共重合体)から
選ばれた1種あるいは2種以上を混合してもよい。ま
た、メルトフローレート(190℃、2160g)が
0.1〜200g/10分、さらには0.1〜50g/
10分、特には、0.5〜60g/10分、ことには、
0.5〜20g/10分の範囲のものが好ましい。
【0038】これらポリオレフィンは、ラジカル架橋
型、分解型に分類される。一般に、エチレン系が架橋
型、プロピレン系が分解型であるが、その種類、特性、
添加量ともに、ラジカル架橋剤、架橋助剤の有無、成形
性、耐熱性、、ゴム弾性、ゴム的感触、柔軟性、硬度、
分散性、流動性、外観等々のバランスから適宜選択すれ
ばよい。
【0039】あるいは、天然ゴム、イソプレンゴム、ス
チレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレン
ゴム、ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン
化ブチルゴム、イソブチレンゴム、エチレンプロピレン
ゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポ
リエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、アクリルゴ
ム、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴム等の有機合成
ゴムから選ばれた1種あるいは2種以上を混合してもよ
い。有機合成ゴムのうち、減衰性の点から、ブチルゴ
ム、ハロゲン化ブチルゴム、イソブチレンゴムなどのイ
ソブチレン系ゴムが好ましい。ポリオレフィンと同様、
種類、特性、添加量は、各種物性バランスから適宜選択
すればよい。
【0040】なお、イソブチレン系ブロック共重合体
は、その分子内に二重結合を有しえないため、同じく分
子内に二重結合を有さない有機合成ゴム(例えばイソブ
チレンゴム、エチレンプロピレンゴム等)、さらに必要
に応じて、ポリオレフィン(例えばポリプロピレン、ポ
リエチレン等)との組成物として、耐熱老化性(熱安定
性)および耐候性等に優れた特徴も期待できる。同様
に、粘着性付与樹脂や可塑剤も水素添加物であることが
好ましい。なお、粘着性付与樹脂の水素添加物は、柔軟
性とべとつきのバランスがよいという特徴を有する。
【0041】また、必要に応じて、芳香族ビニル−共役
ジエン系熱可塑性エラストマー、例えば、スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SI
S)、またそれらを水素添加したスチレン−エチレンブ
チレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチ
レン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体
(SEPS)などの少なくとも1種を配合しても良い。
【0042】同じく、ポリスチレン、ハイインパクトポ
リスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、
スチレン−パラメチルスチレン共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、ABS樹脂、AAS樹脂などの
少なくとも1種を配合してもよい。ビニル芳香族−イソ
ブチレンブロック共重合体には、ポリスチレンが最もよ
く相溶するという点から好ましい。また、メルトフロー
レート(200℃、5000g)が、0.5〜60g/
10分のものが好ましい。添加量などは、組成物の硬
度、柔軟性、ゴム的感触、流動性のバランスから適宜決
定すればよい。
【0043】さらに、熱膨張性マイクロカプセルを添加
してもよい。熱膨張性マイクロカプセルは、100〜2
00℃の温度で膨張するものが好ましい。膨張温度が1
00℃以下では、ゴム弾性が悪化し、200℃を超える
と生産性が低下し、外観も悪化する。熱膨張性マイクロ
カプセルとしては、塩化ビニリデン・アクリロニトリル
コポリマ−を外殻とし、イソブタンを内包したものが例
示される。平均粒径は1〜50μmが好ましい。1μm
より小さいと分散が不十分となり、50μmより大きい
と強度が低下する。膨張倍率は10〜100倍が好まし
い。10倍未満であると発泡倍率が十分ではなく、10
0倍を超えると均一かつ微細な発泡セルが得られにく
い。本成分の配合量は、イソブチレン系ブロック共重合
体100重量部に対して、0.1重量部〜15重量部、
好ましくは1重量部〜10重量部、さらに好ましくは、
1〜6重量部である。0.1重量部未満では十分な発泡
効果が発現せず、15重量部を超えて配合するとゴム弾
性が悪化し、機械物性が低下する傾向がある。。
【0044】なお、本発明においては、本発明の目的を
本質的に妨げない範囲で他の重合体を併用することがで
き、さらに充填剤、安定剤(抗酸化剤、熱安定剤、紫外
線吸収剤)、滑剤、難燃剤、顔料、着色剤、結晶核剤、
発泡剤などを配合することができる。
【0045】他の重合体の例としては、熱可塑性ポリウ
レタン、ポリエステル−ポリエーテル共重合体、芳香族
ポリエステル−脂肪族ポリエステル共重合体、ポリアミ
ド−ポリエーテル共重合体などの熱可塑性エラストマ
ー;ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリフェニレンスルフィドなどの熱可塑性
樹脂などをあげることができる。
【0046】充填剤の例としては、マイカ、クレー、酸
化チタン、シリカ、天然けい酸、ホワイトカーボン、タ
ルク、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリ
ウム、沈降性バリウムなどの粉末充填剤;ガラス繊維や
金属繊維などの繊維状充填剤などをあげることができ
る。炭酸カルシウム、タルク、マイカは、圧縮永久歪と
コストのバランスの点から好ましく、なかでもマイカは
減衰性を向上させる効果があるので特に好ましい。ま
た、ステンレス粉、アルミニウム粉などの各種金属粉、
金属繊維、またはカーボンブラック、グラファイトなど
の導電性粒子を含有させることによりスポット溶接が可
能となる。配合量は、機械的強度、硬度、柔軟性、ゴム
的感触等のバランスから適宜選択すればよい。
【0047】その他の配合剤の例としては、ジブチル錫
マレエートなどの安定剤;2,6−ジ−tert−p−
ブチル−p−クレゾ−ル、2,6−ジ−tert−ブチ
ルフェノ−ル、2,4−ジメチル−6−tert−ブチ
ルフェノ−ル、4,4−ジヒドロキシジフェニル、トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチ
ルフェニル)ブタンなどのフェノ−ル系抗酸化剤、トリ
フェニルホスファイトなどのホスファイト系抗酸化剤、
チオエ−テル系抗酸化剤;ポリエチレンワックス、ポリ
プロピレンワックス、モンタン酸系ワックスなどの滑
剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、デカブロモビフェニル、デカブロモビフェニルエ
ーテル、三酸化アンチモンなどの難燃剤;酸化チタン、
硫化亜鉛、酸化亜鉛などの顔料;シリコーンなどの発泡
剤を例示することができるが、これらに限られるもので
はない。
【0048】その他、系は架橋されていてもよく、その
ための架橋剤として、ジクミルパーオキサイド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(te
rt−ブチルパーオキシ)ヘキシンー3、ジ−tert
−ブチルパ−オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,
3−ビス(tert−ブチルパ−オキシイソプロピル)
ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパ−オキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブ
チル−4、4−ビス(tert−ブチルパ−オキシ)バ
レレ−ト、ベンゾイルパ−オキサイド、p−クロロベン
ゾイルパ−オキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパ
−オキサイド、tert−ブチルパ−オキシベンゾエ−
ト、tert−ブチルパ−オキシイソプロピルカ−ボネ
−ト、ジアセチルパ−オキサイド、ラウロイルパ−オキ
サイド、tert−ブチルクミルパ−オキサイドなどの
1種または2種以上を用いてもよい。これらのうちで
は、臭気性、着色性、スコ−チ安定性の点で、2,5−
ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパ−オキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ter
t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3が好ましい。
【0049】架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、ト
リアリルシアヌレート、トリエチレングリコールジメタ
クリレート、エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、ジ
エチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、ポリエチレング
リコ−ルジメタクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパント
リメタクリレ−ト、アリルメタクリレ−トのような多官
能性メタクリレ−トモノマ−、ビニルブチラ−トまたは
ビニルステアレ−トのような多官能性ビニルモノマ−な
どの1種あるいは2種以上を用いてもよい。このような
架橋助剤を用いると、均一かつ効率的な反応が進行しう
る。特に、トリエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト
が、取扱い、相溶性、分散性、より均一かつ効率的な架
橋、硬さとゴム弾性のバランスの点から、好ましい。
【0050】系の架橋方法であるが、特に限定されず、
一般的な動的架橋の手法および1軸押出機、2軸押出
機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどの装置
を使用するのが好ましい。特に、大きなL/D値を有す
る二軸押出機やバンバリ−ミキサ−は、動的架橋のすべ
ての工程を連続的に行なうことができる点から好まし
い。溶融混練温度は、150〜250℃が好ましい。
【0051】本発明は、音響機器、映像機器、情報機
器、事務機器、医療機器、ビデオ機器、ゲーム機器等の
弱電機器内で用いられ、具体的には、CD、MD、L
D、DVD、FD、MO、CD−ROM、HDD等用の
防振材、防振ダンパーとして好適である。
【0052】以下実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。尚、本発明はこれらの実施例によって何ら限
定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲にお
いて適宜変更実施可能である。以下実施例に先立ち測定
法等について説明する。
【0053】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。尚、本発明はこれらの実施例によって何ら限定
されるものではなく、その要旨を変更しない範囲におい
て適宜変更実施可能である。以下実施例に先立ち測定法
等について説明する。
【0054】(動的粘弾性特性)イソブチレン系ブロッ
ク共重合体を含む組成物の動的粘弾性特性は、JIS
K−6394に準じて、5mm×6mm×1.7mmの
試験片を2枚用い、周波数0.5Hz、剪断歪み0.0
5%で測定した。用いた装置は、動的粘弾性測定装置D
VA−200(アイティー計測制御社製)である。得ら
れた貯蔵弾性率(G’)について、10℃におけるG’
の値(G’10)と30℃におけるG’の値(G’30)の
比(G’10/G’30)を算出した。また、得られた損失
正接(tanδ)について、10℃、20℃、30℃の
値(それぞれ、tanδ10、tanδ 20、tanδ30
を読むとともに、tanδが極大値をとる点の温度をガ
ラス転位温度(Tg)とした。
【0055】(制振性評価)室温付近での剛性の温度依
存性、および、室温付近での減衰性を以下の基準で2段
階評価を行った。
【0056】[評価基準] ○:防振材ダンパーとしては使用可能。 ×:防振材ダンパーとしては使用できない。
【0057】(記号・略号の意味) [P100]:C9系脂環族系石油樹脂の水素化物 ア
ルコンP−100、軟化点100℃、分子量610(荒
川化学工業株式会社製) [M135]:C9系脂環族系石油樹脂の水素化物 ア
ルコンM−135、軟化点135℃、分子量860(荒
川化学工業株式会社製) [300H]:ポリブテンオイル 出光ポリブテン30
0H、粘度32,000cSt(40℃)、密度0.9
00g/cm3、流動点0℃(出光石油化学株式会社
製) [VS1]:高ビニル−スチレン−イソプレン系ブロッ
ク共重合体 ハイブラーVS−1、スチレン含量20%
(クラレ株式会社製) [SEBS]:スチレン−ブタジエン系ブロック共重合
体の水素化物 クレイトンG−1650、スチレン含量
29%(シェルジャパン株式会社製)。
【0058】(製造例1)「イソブチレン系ブロック共
重合体の製造」 攪拌機付き2L反応容器に、1−クロロブタン(モレキ
ュラーシーブスで乾燥したもの)691mL、ヘキサン
(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)480mL、
p−ジクミルクロライド0.596gを加えた。反応容
器を−70℃に冷却した後、ジメチルアセトアミド1.
12g、イソブチレン232mLを添加した。さらに四
塩化チタン8.7mLを加えて重合を開始し、−70℃
で溶液を攪拌しながら1.5時間反応させた。次いで反
応溶液にスチレン77.9gを添加し、さらに60分間
反応を続けた後、反応溶液を大量の水中へあけて反応を
停止させた。
【0059】有機層と水層の分離状況を目視で確認した
ところ、分離性は良好であり分液ロートで容易に分別で
きた。水洗を2回行った後、水層が中性になっているの
を確認してから有機層を大量のメタノール中に注いで重
合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真
空乾燥することによりイソブチレン系ブロック共重合体
(SIBS−1)を得た。
【0060】該イソブチレン系ブロック共重合体(SI
BS−1)のGPC分析を行ったところ、重量平均分子
量が83,700、分子量分布が1.8であった。また
1H−NMRにより求めたスチレンの含有量は29重量
%であった。
【0061】(実施例1〜2)表1に示す配合割合のイ
ソブチレン系ブロック共重合体を含む組成物を作成し
た。組成物は、ラボプラストミル(東洋精機株式会社
製)を用い、170℃、50rpmで、10分間、溶融
混練したものを、熱プレス成形によりシート化した。得
られたシートから5mm×6mm×1.7mmの制振材
料試験片を2枚切り出し、2mm厚の鋼板、制振材料、
1.5mm厚の鋼板、制振材料、2mm厚の鋼板の順に
重ねて、指圧で接着させ、簡易ダンパーを作成した。得
られた簡易ダンパーの剪断モードでの動的粘弾性特性の
測定結果等は表1に示した。
【0062】(比較例1〜3)SIBS−1、VS1、
SEBSを用いて、簡易ダンパーを作成し、実施例1、
2と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】本発明のスチレン−イソブチレン系ブロッ
ク共重合体を主成分とする組成物を制振材料として用い
た簡易ダンパーは、剛性の温度依存性が低く、室温付近
で高い減衰性を示し、弱電機器用の防振ダンパー用制振
材として有効なことがわかる。
【0065】さらに、比較例に示したような、従来の制
振ゴム、熱可塑性エラストマーは、弱電機器用の防振ダ
ンパー用防振材として使用できるような特性を有してい
ないこともわかる。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、室温付近での減衰性が
高いと同時に、剛性の温度依存性を低く保つという優れ
た特性を有する弱電機器用防振材、防振ダンパーが得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 7/00 F16F 7/00 B F 15/08 15/08 D Fターム(参考) 3J048 AA01 BA24 BD04 BD08 3J059 AB01 BA41 BC06 EA05 GA21 3J066 AA01 AA26 BA01 BD05 4J002 AC03Y AE05Y BA01X BB17Y BK00X BP031 EH096 EH146 FD02Y FD026 FD34X GQ00 GT00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソブチレンを単量体主成分とする重合体
    ブロックと芳香族ビニル系化合物を単量体主成分とする
    重合体ブロックからなるイソブチレン系ブロック共重合
    体に、粘着付与樹脂及び可塑剤から選択される少なくと
    も1種を配合した熱可塑性エラストマーよりなる弱電機
    器用防振材。
  2. 【請求項2】前記熱可塑性エラストマー組成物に更に、
    ポリオレフィン及びイソブチレン系ゴムから選択される
    少なくとも1種を配合することを特徴とする請求項1記
    載の弱電機器用防振材。
  3. 【請求項3】更に、芳香族ビニル−共役ジエン系ブロッ
    ク共重合体又はその水素添加物を配合することを特徴と
    する請求項1又は2に記載の弱電器機器用防振材。
JP2001236321A 2001-08-03 2001-08-03 弱電機器用防振材 Pending JP2003049043A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001236321A JP2003049043A (ja) 2001-08-03 2001-08-03 弱電機器用防振材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001236321A JP2003049043A (ja) 2001-08-03 2001-08-03 弱電機器用防振材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003049043A true JP2003049043A (ja) 2003-02-21

Family

ID=19067609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001236321A Pending JP2003049043A (ja) 2001-08-03 2001-08-03 弱電機器用防振材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003049043A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004031609A1 (ja) * 2002-10-04 2004-04-15 Nok Corporation 振動吸収マウント材料
JP2005068224A (ja) * 2003-08-21 2005-03-17 Kaneka Corp ガスバリア性に優れた熱可塑性エラストマー組成物
JP2006117793A (ja) * 2004-10-21 2006-05-11 Kitagawa Ind Co Ltd 制振性材料
WO2006095854A1 (ja) * 2005-03-11 2006-09-14 Kaneka Corporation 防振材組成物
JP2011046937A (ja) * 2009-07-28 2011-03-10 Kitagawa Ind Co Ltd 制振用組成物
JP2011190397A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Tokai Rubber Ind Ltd 高減衰ゴム組成物およびそれを用いてなる制震ダンパー
JP2011196424A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Maxell Sliontec Ltd 粘着性ゴムシート制振材
JP2019018008A (ja) * 2017-07-17 2019-02-07 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーBecton, Dickinson And Company ノイズ減少構成部品を有する配送デバイス

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1993014135A1 (en) * 1992-01-21 1993-07-22 Nippon Zeon Co., Ltd. Damping material composition
JPH07137194A (ja) * 1993-11-22 1995-05-30 Kuraray Co Ltd 制振性金属複合体
JPH08157547A (ja) * 1994-12-02 1996-06-18 Kuraray Co Ltd 重合体組成物およびそれからなる成形品
JP2000038460A (ja) * 1998-05-20 2000-02-08 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd シ―ト材料

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1993014135A1 (en) * 1992-01-21 1993-07-22 Nippon Zeon Co., Ltd. Damping material composition
JPH07137194A (ja) * 1993-11-22 1995-05-30 Kuraray Co Ltd 制振性金属複合体
JPH08157547A (ja) * 1994-12-02 1996-06-18 Kuraray Co Ltd 重合体組成物およびそれからなる成形品
JP2000038460A (ja) * 1998-05-20 2000-02-08 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd シ―ト材料

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004031609A1 (ja) * 2002-10-04 2004-04-15 Nok Corporation 振動吸収マウント材料
JP2005068224A (ja) * 2003-08-21 2005-03-17 Kaneka Corp ガスバリア性に優れた熱可塑性エラストマー組成物
JP4686118B2 (ja) * 2003-08-21 2011-05-18 株式会社カネカ ガスバリア性に優れた熱可塑性エラストマー組成物
JP2006117793A (ja) * 2004-10-21 2006-05-11 Kitagawa Ind Co Ltd 制振性材料
WO2006095854A1 (ja) * 2005-03-11 2006-09-14 Kaneka Corporation 防振材組成物
JP2011046937A (ja) * 2009-07-28 2011-03-10 Kitagawa Ind Co Ltd 制振用組成物
JP2011190397A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Tokai Rubber Ind Ltd 高減衰ゴム組成物およびそれを用いてなる制震ダンパー
JP2011196424A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Maxell Sliontec Ltd 粘着性ゴムシート制振材
JP2019018008A (ja) * 2017-07-17 2019-02-07 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーBecton, Dickinson And Company ノイズ減少構成部品を有する配送デバイス
JP7292016B2 (ja) 2017-07-17 2023-06-16 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー ノイズ減少構成部品を有する配送デバイス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5576383B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、成形体および医療用シーリング材
JP5502319B2 (ja) 水添ブロック共重合体、該水添ブロック共重合体含有樹脂組成物、それらの架橋体および架橋発泡体
CN107207829B (zh) 具有低压缩形变的阻尼热塑性弹性体制品
JP3946080B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
WO2001085818A1 (fr) Copolymere bloc et composition contenant ce copolymere
US7488776B2 (en) Thermoplastic crosslinked rubber composition
JP2006258156A (ja) 粘弾性ダンパー
JP2003049043A (ja) 弱電機器用防振材
JP5105107B2 (ja) 改良された熱可塑性エラストマー組成物
JP2003192867A (ja) 熱可塑性エラストマー樹脂組成物
JPH11293083A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2001288329A (ja) 粘弾性組成物およびそれからなる粘弾性ダンパー。
JPH11323069A (ja) ガスケット材料
JP2000038460A (ja) シ―ト材料
JPWO2006046408A1 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2007262424A (ja) 熱可塑性エラストマー樹脂組成物
JP7242540B2 (ja) アリル基末端スチレン-イソブチレンブロック共重合体、その組成物、およびそれらの製造方法
JP2002285009A (ja) 無機物含有熱可塑性重合体組成物
JP4382401B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2004175953A (ja) ポリイソブチレン−ポリオレフィン共重合体とその製造方法
JP2000096019A (ja) 粘着剤組成物及び粘着剤製品
JPH09235477A (ja) 防振部材
JP2000038494A (ja) チュ―ブ材料
JP2003246887A (ja) 粉末成形用熱可塑性エラストマー組成物及び熱可塑性エラストマー組成物粉末
JP2006045344A (ja) 制振材組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100727

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110125