JP2003048737A - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバ母材の製造方法

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JP2003048737A
JP2003048737A JP2001234008A JP2001234008A JP2003048737A JP 2003048737 A JP2003048737 A JP 2003048737A JP 2001234008 A JP2001234008 A JP 2001234008A JP 2001234008 A JP2001234008 A JP 2001234008A JP 2003048737 A JP2003048737 A JP 2003048737A
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glass
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glass pipe
glass rod
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Eiji Yanada
英二 梁田
Masaaki Hirano
正晃 平野
Masashi Onishi
正志 大西
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    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/01205Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments starting from tubes, rods, fibres or filaments
    • C03B37/01225Means for changing or stabilising the shape, e.g. diameter, of tubes or rods in general, e.g. collapsing
    • C03B37/01248Means for changing or stabilising the shape, e.g. diameter, of tubes or rods in general, e.g. collapsing by collapsing without drawing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱一体化時に生じる変形が低減されるとと
もに、製造される光ファイバの伝送損失を低減できる光
ファイバ母材を提供する。 【解決手段】 先ず、光ファイバ母材のコア部となるべ
きガラスロッド2と、光ファイバ母材のクラッド部とな
るべきガラスパイプ3とが用意される。次に、ガラスロ
ッド2をガラスパイプ3内に挿入する。続けて、ガラス
ロッド2が挿入されたガラスパイプ3を所定の加熱装置
に取り付け、双方の間隙にハロゲンを含むガスを流し、
この間隙に残留する空気をハロゲンを含むガスで置換す
る。その後、所定の加熱装置に備えられた酸水素火炎バ
ーナ5を用いてガラスロッド2とガラスパイプ3とを1
300℃以上1900℃未満の温度で加熱一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの製造
に用いられる光ファイバ母材の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】光ファイバ母材又は光ファイバ母材中間
体の製造方法として、ガラスパイプ内にガラスロッドを
挿入した後、両者を加熱して一体化するロッドインコラ
プス法が知られている。 【0003】この光ファイバ母材の製造方法について
は、特開昭61−117126号公報に開示されてい
る。当該公報に開示される光ファイバ母材の製造方法に
おいては、ハロゲンを含むガスの雰囲気下において19
00℃以上の温度でガラスロッドとガラスパイプとが加
熱一体化される。このような製造条件により、ガラスロ
ッド表面の汚れ、ガラスロッドをガラスパイプ内に挿入
する際に発生する管内の傷、及びガラスロッド表面に化
学吸着されている水分が除去される。そのため、このよ
うに製造した光ファイバ母材から得られた光ファイバに
おいては、長波長帯における損失が低減される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ロッド
インコラプス法について検討を行なった結果、加熱一体
化時の温度が1900℃以上のときには、ガラスパイプ
及びガラスロッドが変形してしまう場合があることが分
かった。このような変形が、光ファイバ母材の製造歩留
まりを向上させる妨げとなっていた。また、ガラスパイ
プにフッ素(F)が高濃度に添加され、ガラスロッドにゲ
ルマニウム(Ge)が高濃度に添加されていると、特に変
形が起こり易いことが分かった。 【0005】一方、本発明者らの検討の結果、加熱一体
化時の温度が低いほど、加熱一体化後の光ファイバ母材
に発生する気泡の数が増加してしまうことが明らかとな
った。光ファイバ母材中に気泡が多数発生すれば、この
ような光ファイバ母材から製造された光ファイバの伝送
損失は増大してしまう事態となる。すなわち、特に添加
物の添加量が比較的多いガラスパイプ及びガラスロッド
を用いる場合には、加熱一体化時の温度が例えば190
0℃以上といった高い温度では変形し易くなり、低い温
度では気泡が発生してしまうという問題が生じていた。 【0006】本発明は、上記の事情を鑑みてなされたも
のであり、加熱一体化時に生じる変形が低減されるとと
もに、製造される光ファイバの伝送損失を低減できる光
ファイバ母材を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め、本発明者らは更に検討を重ねた結果、以下のことを
見出した。すなわち、加熱一体化時に発生した気泡が光
ファイバ母材中に残留したとしても、その直径が0.1
mm以下であれば、気泡は、光ファイバ母材を線引きし
て光ファイバを製造する際に消失してしまい、光ファイ
バの特性に悪影響を及ぼさない。本発明者らは、光ファ
イバ母材中の気泡の直径を0.1mmとするべく鋭意研
究を行ない、本発明に到達した。 【0008】本発明に係る光ファイバ母材の製造方法
は、コア部となるべきガラスロッドをクラッド部となる
べきガラスパイプ内に挿入し、双方を加熱一体化するこ
とにより光ファイバ母材を製造する光ファイバ母材製造
方法であって、(a)ガラスロッドをガラスパイプに挿入
した後、双方の間に形成される間隙部をハロゲンを含む
ガスで満たし、(b)その間隙部がハロゲンを含むガスで
満たされたガラスパイプとガラスロッドとを1300℃
以上1900℃未満の温度で加熱一体化することにより
光ファイバ母材を製造することを特徴とする。 【0009】上記の方法によれば、添加物の添加量が比
較的多いガラスロッド及びガラスパイプを加熱一体化す
る場合であっても、加熱一体化後の光ファイバ母材に変
形が起こるのを防止できる。また、ガラスロッドとガラ
スパイプとの間の空間をハロゲンを含むガスで満たし、
上記の温度範囲において加熱一体化を行なうので、当該
光ファイバ母材中に気泡が含まれたとしても、その気泡
の直径を約0.1mm以下といった十分に小さい値とす
ることができる。 【0010】なお、ここで言う光ファイバ母材とは、線
引きして光ファイバを製造するのに用いられる部材、或
いは、その側面にジャケット部を合成して所謂光ファイ
バプリフォームを製造するのに使用される光ファイバ母
材中間体又は前駆体といった部材を意味する。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光ファイバ母
材の製造方法の好適な実施形態について図面を参照しな
がら説明する。なお、図面の説明においては、同一の要
素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。 【0012】図1は、本実施形態の光ファイバ母材の製
造方法を説明する図である。先ず、光ファイバ母材のコ
ア部となるべきガラスロッド2と、光ファイバ母材のク
ラッド部となるべきガラスパイプ3とが用意される(図
1(a))。これらは、石英ガラスから成る。ガラスロッ
ド2にはゲルマニウム(Ge)といった屈折率増加剤が添
加されており、その添加量は例えば10〜35wt%程
度であると好ましい。また、その添加量は16〜19w
t%程度であれば尚好ましい。さらに、屈折率増加剤の
濃度はガラスロッド2内において所定の分布を有するこ
とができる。これにより、ガラスロッド2は所定の屈折
率分布を有することとなる。ここで、所定の屈折率分布
とは、製造される光ファイバが有すべき光学的特性を実
現するよう決定されてよく、例えば、ガラスロッド2の
中心部で最大となり、側面に近づくに従って低下するよ
うな屈折率分布とすることができる。また、ガラスパイ
プ3には、フッ素(F)といった屈折率低下剤が添加され
ており、その添加量は例えば0.2〜0.6wt%程度
であると好ましく、さらに0.3〜0.5wt%程度で
あれば尚好ましい。ガラスロッド2及びガラスパイプ3
が上述した添加量の添加物を有しているため、ガラスロ
ッド2のガラスパイプ3に対する屈折率差Δは、例え
ば、1.2〜3.7%程度となる。また、ガラスロッド
2の外径及びガラスパイプ3の内外径もまた光ファイバ
が有すべき光学的特性を実現するよう決定される。 【0013】ガラスロッド2とガラスパイプ3とが用意
された後、ガラスロッド2をガラスパイプ3内に挿入す
る(図1(b))。次に、内部にガラスロッド2が挿入され
たガラスパイプ3を所定の加熱装置に取り付ける。な
お、ガラスパイプ3を加熱装置に取り付けた後に、ガラ
スパイプ3の内部にガラスロッド2を挿入してもよい。
本実施形態を実施するに使用した加熱装置は、図1(c)
にその構成の概略を示す通り、ガラスパイプ3を保持す
るとともにガラスパイプ3内を気密に保つ保持部材4
a,4bと、ガラスパイプ3とガラスロッド2との間隙
にハロゲンを含むガスを供給するためのガス供給系(図
示せず)と、ガラスパイプ3とガラスロッド2とを加熱
一体化するための酸水素火炎バーナ5とを有する。 【0014】ガラスロッド2が挿入されたガラスパイプ
3を保持部材4a,4bに取り付けた後、図1(c)中に
矢印で示す通り、ガス供給系から所定の流量でハロゲン
を含むガスを流す。これにより、ガラスロッド2とガラ
スパイプ3との間隙に残留していた空気がパージされる
とともに、ガラスロッド2の側面及びガラスパイプ3の
内面に吸着していた水分等が除去される。その後、ガラ
スパイプ3の外周面を所定の位置を酸水素火炎バーナ5
により加熱し、続けて酸水素火炎バーナ5をガラスパイ
プ3の長手方向に徐々に移動し、ガラスパイプ3とガラ
スロッド2とを加熱一体化する(図1(d))。このとき、
加熱部の温度は、例えば放射温度計といった非接触型の
温度測定器等でモニタされ、1300℃以上1900℃
未満に調整される。1900℃以上では、ガラスロッド
2及びガラスパイプ3に変形が生じ易くなってしまう。
また、1300℃よりも低い温度では、ガラスロッド2
及びガラスパイプ3とを加熱一体化し難くなる。130
0℃以上1900℃未満の温度での加熱一体化した後、
加熱一体化されたガラスロッド2とガラスパイプ3とを
所定の位置で切断すると、光ファイバ母材1が完成する
(図1(e))。 【0015】本実施形態によれば、加熱一体化時の温度
が1300℃以上1900℃未満であるので、Geが高
濃度に添加されたガラスロッド及びFが高濃度に添加さ
れたガラスパイプを用いた場合でも、第1のコラプス体
に変形が起こるのを防止できる。また、加熱一体化時に
は、1300℃以上の温度で加工されるため、均等に加
熱一体化できるので、製造される光ファイバ母材1に含
まれる気泡の直径を0.1mm以下とし得る。 【0016】(実施例)本実施例においては、分散補償
光ファイバを製造するの適した光ファイバ母材について
説明する。先ず、コア部となるべきガラスロッド、第1
クラッド部となるべき第1のガラスパイプ、及び第2ク
ラッド部となるべき第2のガラスパイプを用意した。ガ
ラスロッドは以下の通り作製されたものである。すなわ
ち、先ず、VAD法により、Geを18wt%含み、直
径が35mmである石英ガラス焼結体を作製した。この
ような焼結体を得た後、所定の電気炉にて直径6mmと
なるよう延伸し、ガラスロッドを得た。このガラスロッ
ドの純石英ガラスに対する比屈折率差は、中心部で最大
であり、その値は1.5%であった。また、同比屈折率
差Δnは、焼結体の中心軸からの距離をr(r≦a)、半
径をaとしたときに、1.5×[1−(r/a)2](%)で
表される関係を満たすよう変化していた。 【0017】第1のガラスパイプは以下の通り作製され
たものである。すなわち、VAD法により直径58mm
の石英ガラス焼結体を作製した。この焼結体にはFが一
様に0.4wt%添加されており、純石英ガラスに対す
る比屈折率差が−0.45%である。この焼結体の中心
軸に沿って直径12mmの孔を超音波孔開け機で形成
し、さらに所定の酸水素火炎バーナを用いて外径が25
mmとなるよう延伸し、第1のガラスパイプを得た。第
2のガラスパイプは、Fの添加がない点を除き、第1の
ガラスパイプと同様に作製された。すなわち、VAD法
により直径58mmの高純度石英ガラス製の焼結体を作
製し、超音波孔開け機により中心軸に沿って直径12m
mの孔を開け、酸水素火炎バーナにより外径が25mm
程度となるように延伸し、第2のガラスパイプを得た。
ここで言う高純度石英ガラスとは、意図的には添加物を
添加していない石英ガラスを意味し、具体的に純度とし
ては99.9〜100%の石英ガラスを意味する。 【0018】本実施例においては、ガラスロッドを第1
のガラスパイプに挿入するに先立ち、第1のガラスパイ
プの内径を調整するために、その内面のエッチングを行
なった。このエッチングについて図2を参照して説明す
る。先ず、ガラスパイプだけを加熱装置の保持部材4
a,4bに取り付けた。次に、ガラスパイプの内部に所
定のガス供給系からの六弗化硫黄(SF6)ガス及び塩素
(Cl2)ガスを流した。これらの流量は、SF6ガスにつ
いては200cc/分とし、Cl2ガスについては10
0cc/分とした。その後、第1のガラスパイプを酸水
素火炎バーナ5を用いて加熱した。ここで、酸水素火炎
バーナ5をガラスパイプの長手方向に往復させて第1の
ガラスパイプの温度が均一となるようにした。このよう
な条件の下で第1のガラスパイプの内面をエッチング
し、内径を8.5mmとした。 【0019】続いて、エッチング後された第1のガラス
パイプを加熱装置に取り付けたまま、その内部にガラス
ロッドを挿入した。その後、ガス供給系から、Cl2
ス250cc/分及びO2ガス250cc/分を第1の
ガラスパイプ及びガラスロッドの間隙に流した。続い
て、酸水素火炎バーナ5を用いてガラスパイプを150
0℃に加熱し、第1のガラスパイプとガラスロッドとを
加熱一体化した(第一コラプス)。以上により、第1コラ
プス体を得た。第1コラプス体を観察したところ、長手
方向に沿う300mm程度の範囲においては、直径が
0.1mm以下の微少な気泡が10個程度確認されたに
留まり、直径が0.1mmよりも大きい気泡は観察され
なかった。 【0020】上記の第1コラプス体を所定の酸水素火炎
バーナで延伸した。延伸後の第1コラプス体の側面に
は、OH基を多数含む層が形成されている。この層を除
去するため、弗化水素酸(HF)水溶液を用いた化学研磨
を行なった。この化学研磨により、その側面を3mm以
上研磨し、外径6mmの中間体を得た。 【0021】次に、第2のガラスパイプが所望の内径を
有するように、その内面のエッチングを行なった。この
エッチングの手順及び条件は、第1のガラスパイプの内
面をエッチングしたときと略同一である。このエッチン
グにより、第2のガラスパイプの内径を8.5mmとし
た。 【0022】第2のガラスパイプの内面をエッチングし
た後、第2のガラスパイプを加熱装置に取り付けたま
ま、上記の中間体を第2のガラスパイプ内に挿入した。
その後、これら双方の間隙に500cc/分の流量でC
2ガスを流した。当該間隙に残留する空気がCl2ガス
で置換された後、酸水素火炎バーナ5により第2のガラ
スパイプの所定の位置を加熱し、その後酸水素火炎バー
ナ5を移動させながら第2のガラスパイプと中間体とを
加熱一体化した。加熱一体化時の温度は、第1のコラプ
ス体を形成した場合よりも250℃高い1750℃とし
た。これは、第2のガラスパイプが高純度石英ガラスか
らなり、その軟化点温度が第1のガラスパイプよりも高
いことを考慮したためである。これにより、効率良く加
熱一体化を行なうことができる。また、加熱一体化を例
えば1900℃以上といった高い温度で行なうと、特に
第1コラプス体に変形が生じてしまう。これを防止する
ため、1750℃という温度で第2のガラスパイプと第
1のコラプス体との加熱一体化を行なった。第2のガラ
スパイプと中間体とを加熱一体化することにより、第2
コラプス体を得た。第2コラプス体を観察したところ、
長手方向に沿う300mm程度の有効部において、直径
0.1mm以下の微少気泡は数個程度認められたに過ぎ
なかった。 【0023】続いて、第2コラプス体の有効部の側面に
VAD法により高純度石英ガラスの微粒子を堆積させ
た。その後、堆積された微粒子を焼結しジャケット部と
した。これにより、コア部の外径に対するクラッド部の
外径が所定の比となる光ファイバ母材Aが得られた。光
ファイバ母材Aを作製するのに用いたガラスロッド、第
1のガラスパイプ、及び第2のガラスパイプは、上述の
通りの屈折率を有するため、作製される光ファイバ母材
Aは、図3に示す通り、デプレスト型の屈折率分布を有
している。次に、この光ファイバ母材Aを線引きして分
散補償光ファイバを製造した。図4は、製造した分散補
償光ファイバの伝送特性を示すグラフである。同図にお
いては、OH基による伝送損失は観察されるものの、気
泡に起因する伝送損失は殆ど認められない。具体的な伝
送損失を求めたところ、波長1.55μmにおいて0.
25dB/kmという実用上十分に低い値が得られた。 【0024】また、本発明者らは、比較例として、第1
コラップス体を得る際の加熱一体化温度を1250℃と
する以外は実施例と略同一な手順により光ファイバ母材
Bを作製した。この場合、ガラスパイプの粘性が不十分
であり、ガラスパイプとガラスロッドとが均質に加熱一
体化せず、直径0.1mmより大きな気泡が多数発生し
た。光ファイバ母材Bのうち、直径が0.5mm程度の
気泡が0.5個/cmほど認められた部分から光ファイ
バを作製し、伝送損失を測定した。その結果、波長1.
55μmにおける伝送損失は0.30dB/kmといっ
た実用上十分でない値であった。さらに、光ファイバ母
材Bのうち、直径が1.0mm程度の気泡が0.2個/
cmほど認められた部分から光ファイバを作製し、伝送
損失を測定した。その結果、波長1.55μmにおける
伝送損失は0.50dB/kmとかなり高い値であっ
た。また、直径1.0mm程度の気泡が認められた部分
では、コア部に局所的の湾曲が観察された。 【0025】さらに、比較のため、ガラスロッドと第1
のガラスパイプとを加熱一体化する温度を1910℃と
する以外は、上記実施例とほぼ同一な手順により光ファ
イバ母材の製造を試みた。1910℃でガラスロッドと
第1のガラスパイプとを加熱一体化して第1のコラプス
体を作製したところ、第1のコラプス体は大きく変形し
てしまった。そのため、光ファイバ母材を完成させるこ
とはできなかった。 【0026】次に、本発明者らが、光ファイバの伝送損
失と、光ファイバの製造に用いた光ファイバ母材中の気
泡の直径との関係について調べた結果を説明する。図5
は、気泡の直径と光ファイバの伝送損失との関係を示す
グラフである。同図において、点aは、実施例において
説明した光ファイバ母材Aから製造した光ファイバの結
果を示す。点b1,b2は、比較例の光ファイバ母材Bか
ら得た光ファイバの結果を示す。図5から、光ファイバ
母材中の気泡の直径が減少するに従って、光ファイバの
伝送損失は減少して行くことが分かる。特に、気泡の直
径が0.1mm以下であれば、当該光ファイバ母材から
製造される光ファイバの伝送損失は、約0.25dB/
km以下という実用上十分に低い値となることがわか
る。この原因として、本発明者らは、光ファイバ母材に
含まれる直径0.1mm以下の微少な気泡は、線引き工
程で消失してしまうためであると考えている。 【0027】以上、実施形態及び実施例を示して本発明
に係る光ファイバ母材の製造方法について説明した。上
記の説明の通り、本発明は、Geといった屈折率増加剤
が例えば10〜35wt%程度、又は16〜19wt%
程度添加されたガラスロッド、及び、Fといった屈折率
低下剤が例えば0.2〜0.6wt%程度、又は0.3
〜0.5wt%程度添加されたガラスパイプを用いる場
合に特に好適に適用される。しかしながら、本発明は、
これらに限られることなく様々な変形が可能である。例
えば、実施例において第2のクラッド部となるべきガラ
スパイプとして高純度石英ガラス製のガラスパイプを用
いる場合を説明したように、本発明の光ファイバ母材の
製造方法は、高濃度添加ガラスロッドと、高純度石英ガ
ラスからなるガラスパイプとから光ファイバ母材を製造
する場合にも好適に適用し得る。また、高純度石英ガラ
スからなるガラスロッドと、例えばFが高濃度に添加さ
れたガラスパイプとを用いて光ファイバ母材を製造する
場合にも適用できる。 【0028】また、上記実施形態及び実施例において
は、Cl2ガスを用いたが、例えば、SOCl2ガス等を
使用してもよい。 【0029】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る光フ
ァイバ母材の製造方法によれば、添加物の添加量が比較
的多いガラスロッド及びガラスパイプを加熱一体化する
場合であっても、加熱一体化後の光ファイバ母材に変形
が起こるのを防止できる。また、光ファイバ母材中に含
まれる気泡の直径を小さくできる。したがって、本発明
により、加熱一体化時に生じる変形が低減されるととも
に、製造される光ファイバの伝送損失を低減できる光フ
ァイバ母材が提供される。
【図面の簡単な説明】 【図1】図1は、本実施形態の光ファイバ母材の製造方
法を説明する図である。 【図2】図2は、ガラスパイプの内面をエッチングして
いる様子を示す模式図である。 【図3】図3は、実施例の光ファイバ母材の屈折率分布
を示す模式図である。 【図4】図4は、分散補償光ファイバの伝送特性を示す
グラフである。 【図5】図5は、気泡の直径と光ファイバの伝送損失と
の関係を示すグラフである。 【符号の説明】 1…光ファイバ母材、2…ガラスロッド、3…ガラスパ
イプ、5…酸水素火炎バーナ、4a,4b…保持部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 正志 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 4G021 BA04

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 コア部となるべきガラスロッドをクラッ
    ド部となるべきガラスパイプ内に挿入し、双方を加熱一
    体化することにより光ファイバ母材を製造する光ファイ
    バ母材製造方法であって、 前記ガラスロッドを前記ガラスパイプに挿入した後、双
    方の間に形成される間隙部をハロゲンを含むガスで満た
    し、 その間隙部がハロゲンを含むガスで満たされた前記ガラ
    スパイプと前記ガラスロッドとを1300℃以上190
    0℃未満の温度で加熱一体化することにより光ファイバ
    母材を製造することを特徴とする光ファイバ母材の製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004101456A1 (ja) * 2003-05-19 2004-11-25 Sumitomo Electric Industries, Ltd 光ファイバとその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004101456A1 (ja) * 2003-05-19 2004-11-25 Sumitomo Electric Industries, Ltd 光ファイバとその製造方法
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