JP2003048184A - ハンドリング装置 - Google Patents

ハンドリング装置

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JP2003048184A
JP2003048184A JP2001242340A JP2001242340A JP2003048184A JP 2003048184 A JP2003048184 A JP 2003048184A JP 2001242340 A JP2001242340 A JP 2001242340A JP 2001242340 A JP2001242340 A JP 2001242340A JP 2003048184 A JP2003048184 A JP 2003048184A
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handling device
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JP2001242340A
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Takanori Fujii
孝則 藤井
Yasunori Mori
保則 森
Masanobu Kamikura
正信 神蔵
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンドリング装置の小型・軽量化を図りつ
つ、大きなワークを把持可能にする。 【解決手段】 ロボットアームの手首部に取り付けて用
いるものであり、前記手首部に取り付けられるフレーム
31に、ワークWを把持する複数のクランプ47を備え
たハンドリング装置30において、制動手段を備えた支
持ブロック34A〜34Cをフレーム31に固定し、支
持ブロック34A〜34Cにクランプユニット40A〜
40Cのスライドアーム41をスライド可能に設け、ク
ランプユニット40A〜40Cのスライド方向外端にク
ランプ47を設け、前記制動手段によりスライドアーム
41を支持ブロック34A〜34Cに対して移動不能に
することができるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ロボットアーム
に取り付けられてワークを把持するハンドリング装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワークに対して搬送等の各種作業を行う
産業用ロボットには、ロボット本体から延びるロボット
アームの手首部にハンドリング装置を取り付けて構成さ
れたものがある。ハンドリング装置には、ワークを把持
する複数のクランプを備え、形状や寸法の異なるワーク
に対して一つのハンドリング装置で対応できるように、
前記クランプの位置を変えることができるようにしたも
のがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、特開平11−
333535号公報に開示されたハンドリング装置は、
装置本体に複数のクランプを移動可能に取り付けるとと
もに、クランプを所定位置まで移動させるための動力源
(モータ)および動力伝達手段を搭載して構成されてい
る。しかしながら、このように動力源や動力伝達手段を
備えたハンドリング装置では、ハンドリング装置の大型
化および大重量化を招き、その結果、荷搬荷重の大きな
ロボットが必要になるという問題があった。
【0004】一方、特開平7−251392号公報に
は、動力源を装置本体から切り離して所定の場所に設置
し、装置本体にはクランプを所定位置まで移動させるた
めの動力伝達手段だけを搭載し、クランプを移動させる
ときにだけ動力源と動力伝達手段を連結することによ
り、前記問題を解決したものもがある。しかしながら、
このハンドリング装置では動力伝達手段がねじ機構によ
り構成されているため、クランプの移動に時間がかかる
という問題があった。
【0005】さらに、この問題を解決したハンドリング
装置として、特開平11−216695号公報に開示さ
れたものがある。このハンドリング装置では、装置本体
に、クランプを移動可能に取り付けるとともにクランプ
を移動不能にする制動手段を設け、前記クランプに対し
て係合離脱可能な係留スタンドをロボットの近傍に設置
し、通常の使用状態では制動手段でクランプを固定する
とともにクランプを係留スタンドから離脱させ、クラン
プを移動させるときには、前記クランプを前記係留スタ
ンドに係止するとともに、前記制動手段を解除してクラ
ンプを装置本体に対して移動可能にし、この後、ロボッ
トアームで装置本体を移動させることにより、クランプ
を装置本体に対して相対移動させ、所望の位置まで移動
させたら前記制動手段によりクランプを装置本体に固定
し、その後、係留スタンドからクランプを離脱させる。
【0006】しかしながら、このハンドリング装置の場
合、クランプは装置本体に設けたガイドロッドに吊り下
げられた状態でスライド可能に取り付けられているの
で、クランプの位置調整可能範囲は装置本体の範囲内に
限られる。そのため、クランプの位置調整範囲を広げよ
うとすると、装置本体を大きくしなければならず、ハン
ドリング装置の大型化を招くという問題がある。そこ
で、この発明は、装置の小型・軽量化を図りつつ、大き
なワークを把持可能なハンドリング装置を提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載した発明は、ロボットアーム(例え
ば、後述する実施の形態におけるロボットアーム2)の
手首部(例えば、後述する実施の形態における手首部
3)に取り付けて用いるものであり、前記手首部に取り
付けられるフレーム(例えば、後述する実施の形態にお
けるフレーム31)に、ワーク(例えば、後述する実施
の形態におけるワークW)を把持する複数のクランプ
(例えば、後述する実施の形態におけるクランプ47)
を備えたハンドリング装置(例えば、後述する実施の形
態におけるハンドリング装置30)において、制動手段
を備えた支持ブロック(例えば、後述する実施の形態に
おける支持ブロック34)を前記フレームに固定し、前
記支持ブロックにクランプユニット(例えば、後述する
実施の形態におけるクランプユニット40)のスライド
アーム(例えば、後述する実施の形態におけるスライド
アーム41)をスライド可能に設け、前記クランプユニ
ットのスライド方向外端に前記クランプを設け、前記制
動手段により前記スライドアームを支持ブロックに対し
て移動不能とすることを特徴とする。
【0008】このように構成することにより、ハンドリ
ング装置は動力源および動力伝達手段を有していないの
で、ハンドリング装置を小型・軽量にすることができ
る。また、フレームに固定した支持ブロックに対してス
ライドアームがスライド可能であり、クランプユニット
のスライド方向外端にクランプを設けているので、クラ
ンプをフレームよりも外方に移動させることが可能にな
る。
【0009】請求項2に記載した発明は、請求項1に記
載の発明において、前記支持ブロックを前記フレームの
端部に設けたことを特徴とする。このように構成するこ
とにより、クランプを外方へより遠くへ移動させること
が可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係るハンドリン
グ装置の実施の形態を図1から図12の図面を参照して
説明する。初めに、この発明に係るハンドリング装置の
第1の実施の形態を図1から図10の図面を参照して説
明する。第1の実施の形態のハンドリング装置30は、
図1の正面図、および、図2の平面配置図に示すよう
に、搬送ロボット1のロボットアーム2の手首部3に取
り付けて使用されるものであり、この搬送ロボット1は
ワークWをヘミングプレス装置10に供給するものであ
る。また、この実施の形態におけるワークWは、前段の
マリッジ工程において図3に示すようにドアインナDI
とドアアウタDOを重合させた仮組み状態の車両のドア
アッセンブリであり、周縁に起立縁部DOEが形成され
たドアアウタDOの内側にドアインナDIをセットして
仮組みされた状態で、図2におけるマリッジ部Mで待機
している。搬送ロボット1は、マリッジ部Mで待機する
ワークWの前記起立縁部DOEをハンドリング装置30
によって把持し、ロボット本体4を旋回させるとともに
ロボットアーム2を作動してワークWをヘミングプレス
装置10のダイ11の上にセットする。ワークWをダイ
11にセットすると、搬送ロボット1はハンドリング装
置30をヘミングプレス装置10から引き出して、再び
マリッジ部Mに戻る。一方、ヘミングプレス装置10は
上型12を下降させることにより前記ワークWの起立縁
部DOEをドアインナDI側に折り返してプレスし、こ
のヘミング加工によりワークWであるドアインナDIと
ドアアウタDOを一体化する。
【0011】次に、この発明の特徴部であるハンドリン
グ装置について、図4〜図6の図面を参照して説明す
る。図4はハンドリング装置30の平面図であり、図5
は同正面図、図6は同左側面図である。ハンドリング装
置30は、ロボットアーム2の手首部3に固定されて片
持ち支持される平面視略T字形のフレーム31を備え、
フレーム31は、手首部3に固定される連結部31aか
ら直線的に延びるサイドフレーム32と、このサイドフ
レーム32の長手方向略中央からサイドフレーム32に
対して直角に延びるセンターフレーム33を有してい
る。なお、ここでは、説明の都合上、ハンドリング装置
30がフレーム31を水平姿勢にした状態で説明する。
【0012】サイドフレーム32において連結部31a
から所定寸法だけセンターフレーム33寄りの部位と、
サイドフレーム32の先端部と、センターフレーム33
の先端部には、それぞれ支持ブロック34A,34B,
34Cが固定されており、支持ブロック34A,34
B,34Cにクランプユニット40A,40B,40C
が1つずつ取り付けられている。支持ブロック34A,
34B,34Cとクランプユニット40A,40B,4
0Cの構成は三組とも同じであるので、ここでは、セン
ターフレーム33の先端に固定された支持ブロック34
Cとクランプユニット40Cについて説明し、残る2組
の説明は省略する。また、設置場所の区別が不要な場合
には、添付符号A〜Cを省略して、支持ブロック34、
クランプユニット40と記載する。
【0013】支持ブロック34Cは、センターフレーム
33の先端においてセンターフレーム33の両側部と下
部を抱持するようにして移動不能に固定されており、セ
ンターフレーム33の側方に配置される本体部35と、
センターフレーム33の下方に配置されるレールガイド
36とを備えている。本体部35にはクランプユニット
40Cのスライドアーム41が貫通しており、この本体
部35はスライドアーム41をスライド可能に支持して
いる。また、本体部35には、スライドアーム41を本
体部35に対して移動不能にする制動手段(図示せず)
が内蔵されている。制動手段の構造は、スライドアーム
41と本体部35を確実に移動不能にすることができる
とともに必要に応じてこれを解除することができるもの
であれば特に限定はなく、また、作動方式は、空気作
動、油圧作動、電磁作動など制御性のよいものであれば
特に限定はないが、構造が簡単で軽量という利点からこ
の実施の形態では空気作動式を採用した。また、レール
ガイド36にはクランプユニット40Cのレール42が
スライド可能に係合している。
【0014】クランプユニット40Cは、支持ブロック
34Cの下方に配置されてセンターフレーム33の長手
方向に沿って平行に延びる長尺のベースプレート43を
有し、このベースプレート43には、支持ブロック34
Cのレールガイド36にスライド可能に係合するレール
42が、ベースプレート43のほぼ全長に亘って設けら
れている。また、ベースプレート43には、前述の如く
支持ブロック34Cの本体部35を貫通するスライドア
ーム41が、ベースプレート43の両端に起立固定した
スタンド44,44に掛け渡されて固定されている。
【0015】また、ベースプレート43の先端下面には
クランプ装置45が取り付けられている。クランプ装置
45は、エアシリンダ46と、このエアシリンダ46に
よりトグル機構を介して開閉せしめられるクランプ47
とから構成されていて、クランプ47はクランプユニッ
ト40のスライド方向外端に設けられている。エアシリ
ンダ46はそのピストンの作動方向をセンターフレーム
33の長手方向に対して直交する方向に配置して水平姿
勢に固定されている。クランプ47は、水平姿勢に設置
されてエアシリンダ46により開閉せしめられる一対の
クランプアーム48と、クランプアーム48の先端から
垂直に下延するクランプ爪49とからなり、クランプ爪
49の先端でワークWの起立縁部ODEを把持するよう
になっている。平面的に見ると、エアシリンダ46はベ
ースプレート43の先端側に配置されており、クランプ
爪49はエアシリンダ46よりも若干フレーム31寄り
にオフセットして配置されている。これは、この実施の
形態においてワークWの一部を構成するドアインナDI
の周縁部が凸形状をなしているため、このドアインナD
Iの凸形状部分にエアシリンダ46が干渉するのを防止
するためである。また、クランプ爪49はセンターフレ
ーム33を間に挟んで支持ブロック34の本体部35と
は反対の側に配置されている。さらに、ベースプレート
43の下面には、平面的に見てクランプ47の開閉中心
線上であってスライドアーム41のほぼ真下に位置する
部位に、ポスト50が鉛直下方に向けて固定されてい
る。
【0016】このように構成されたハンドリング装置3
0においては、固定系の支持ブロック34に対してクラ
ンプユニット40がサイドフレーム32あるいはセンタ
ーフレーム33の長手方向に沿って直線移動可能であ
り、各支持ブロック34に内蔵されている制動手段を作
動させることにより、クランプユニット40を支持ブロ
ック34に対して固定することができる。また、クラン
プユニット40B,40Cをセンターフレーム33の基
端側に最接近させたときにクランプユニット40B,4
0Cの先端がサイドフレーム32あるいはセンターフレ
ーム33の先端から突出する寸法が最小となり、クラン
プユニット40B,40Cをセンターフレーム33の基
端側から遠ざけるとクランプユニット40B,40Cの
先端をサイドフレーム32あるいはセンターフレーム3
3の先端よりも外方に遠ざけることができる。
【0017】そして、三つのクランプユニット40A,
40B,40Cのクランプ47で、ワークWにおけるド
アアウタDOの起立縁部DOEの三カ所を把持すること
により、ワークWを水平姿勢に吊り下げた状態で保持す
ることができる。なお、この実施の形態では、図4に示
すように、サイドフレーム32の先端側に取り付けたク
ランプユニット40Bのクランプ47でワークWのヒン
ジ取り付け側の起立縁部を把持し、サイドフレーム32
の途中に取り付けたクランプユニット40Aのクランプ
47でワークWのキーロック取り付け側の起立縁部を把
持し、センターフレーム33に取り付けたクランプユニ
ット40Cのクランプ47で車両フロアー側に位置せし
められるワークWの起立縁部を把持する。
【0018】ところで、同一仕様のワークWをヘミング
プレス装置10に搬送する場合には、ハンドリング装置
30の三つのクランプユニット40A〜40Cを支持ブ
ロック34A〜Cに対して移動させる必要はなく、固定
したまま使用する。したがって、同一仕様のワークWを
搬送している間は、支持ブロック34A〜34Cの制動
手段を作動させてクランプユニット40A〜40Cの各
スライドアーム41を支持ブロック34A〜34Cに対
して移動不能にしておく。
【0019】しかしながら、同一のハンドリング装置3
0で仕様の異なるワークWを搬送する場合には、クラン
プ47の位置を変更しなければ把持できない場合があ
る。例えば、車両のドアは、同一車種であっても車両の
左側と右側、あるいは、車両の前部座席側と後部座席側
でドアの形状や寸法が相違し、また、車種が異なれば、
車両の同じ位置に取り付けるドアであっても形状や寸法
が相違する場合がある。したがって、仕様が異なるドア
ではドアアウタDOの起立縁部DOEの位置が異なって
くるため、同一のハンドリング装置30でこれら仕様の
異なるワークWを把持する場合には、ワークWの仕様が
変わる毎に、クランプ47の位置を変更する必要があ
る。その場合、このハンドリング装置30では、搬送ロ
ボット1とは別の場所に設置されたクランプ位置変更装
置60を用いて、各クランプユニット40A〜40Cの
位置変更を行う。それというのは、このハンドリング装
置30は小型・軽量化を実現するために、クランプユニ
ット40を移動させるための動力源および動力伝達手段
をハンドリング装置30に備えていないからである。
【0020】クランプ位置変更装置60は、図2に示す
ように、搬送ロボット1のロボットアーム2の旋回範囲
内であって、マリッジ部Mやヘミングプレス装置10か
ら離間した位置に設置されている。このクランプ位置変
更装置60について、図7および図8を参照して説明す
る。図7はクランプ位置変更装置60の平面図、図8は
同正面図である。クランプ位置変更装置60は平面視略
T字形の上面水平な架台64を有し、架台64は、一直
線上に並ぶ第1テーブル61,第2テーブル62と、こ
れらテーブル61,62に対し直交して配置された第3
テーブル63に区画される。
【0021】テーブル61,62,63の上には、スラ
イド装置70A,70B,70Cとセッティング装置8
0A,80B,80Cが設置されている。スライド装置
70A,70B,70Cは何れも同様の構成であり、セ
ッティング装置80A,80B,80Cは何れも同様の
構成であるので、ここでは、第3テーブル63に設置さ
れたスライド装置70Cとセッティング装置80Cにつ
いて説明し、残る2組についての説明は省略する。ま
た、設置場所の区別が不要な場合には、添付符号A〜C
を省略して、スライド装置70、セッティング装置80
と記載する。
【0022】スライド装置70Cは、第3テーブル63
の上面における一方の縁部に沿って第3テーブル63の
ほぼ全長に亘って設置されており、セッティング装置8
0Cは第3テーブル63の先端部の上面における他方の
縁部近くに設置されている。すなわち、スライド装置7
0Cとセッティング装置80Cは第3テーブル63の幅
方向に互いにずらして配置されている。スライド装置7
0Cは、第3テーブル63に固定された一対のスタンド
71,71によって両端を支持されたガイドレール72
と、このガイドレール72にガイドされてガイドレール
72の上を直線的にスライド可能なスライダ73とを備
え、ガイドレール72の内部にはスライダ73を移動せ
しめる駆動手段が内蔵されている。前記駆動手段の作動
方式に特に限定はないが、構造の簡易さ、移動速度の速
さ、制御性の良さなどから空気式や電磁式などが採用可
能である。
【0023】また、スライダ73にはその上部に、固定
フォーク74と可動フォーク75が設けられるととも
に、可動フォーク75を作動させるエアシリンダ76が
設置されている。固定フォーク74および可動フォーク
75はいずれもその先部をガイドレール72の長手方向
(すなわち、スライダ73のスライド方向)と直交する
方向であって第3テーブル63の幅方向中央に接近する
方向に延ばしている。固定フォーク74はガイドレール
72の先端側(すなわち、第3テーブル63の先端側)
に配置されてスライダ73に固定されてる。一方、可動
フォーク75は固定フォーク74よりもガイドレール7
2の基端側(すなわち、第3テーブル63の基端側)に
配置され、ピン77を介してスライダ73に水平回動可
能に設置されている。そして、この可動フォーク75の
基端にエアシリンダ76のピストンが連結されていて、
エアシリンダ76のピストンを伸縮させることにより、
図中実線で示すように可動フォーク75の先端側を固定
フォーク74と平行に位置させたり、図中二点鎖線で示
すように固定フォーク74に接近する方向に回動させる
ことができるようになっている。固定フォーク74に対
して平行に位置していた可動フォーク75を固定フォー
ク74に接近する方向に回動させると、当然のことなが
ら可動フォーク75の先端がスライダ73からの突出す
る寸法は、回動前よりも小さくなる。
【0024】セッティング装置80Cは、スタンド81
を介して第3テーブル63に固定されたモータ82を備
えており、モータ82は、その出力軸の軸線を第3テー
ブル63の長手方向(すなわち、スライダ73のスライ
ド方向)と平行に配置させて、出力軸の両端をモータハ
ウジングから突出させている。モータ82の出力軸の後
端は第3テーブル63の先端側に位置しており、該後端
にはセンサ取付板83が固定されていて、センサ取付板
83には90度間隔に近接スイッチ84が取り付けられ
ている。一方、モータ82の出力軸の先端は第3テーブ
ル63の基端側に位置しており、該出力軸の先端にはロ
ッド取付板85が固定されていて、ロッド取付板85に
は90度間隔に3本の位置決めロッド86が取り付けら
れている。各位置決めロッド86はモータ82の出力軸
と平行な姿勢にされて、その先端を第3テーブル63の
基端側に向けて延ばしている。位置決めロッド86はそ
れぞれ長さを異にしており、ハンドリング装置30で搬
送しようとするワークWの仕様に応じた所定の長さに予
め設定されている。
【0025】モータ82は90度毎に回転を停止できる
ようになっていて、モータ82の回転を停止したときに
位置決めロッド86のいずれかの一つ、あるいは位置決
めロッド86を有さない部分が最上位に位置するように
なっている。また、位置決めロッド86が最上位に位置
したときの高さ位置は、スライド装置70の固定フォー
ク74および可動フォーク75の直ぐ下方に位置する高
さに設定されている。そして、近接スイッチ84は、最
上位にいずれの位置決めロッド86も位置していか(以
下、この状態をイニシャル状態と称す)、あるいは、最
上位に位置した位置決めロッド86が何れの長さの位置
決めロッド86であるか(換言すれば、いずれの仕様の
ワークWに対応する位置決めロッド86であるか)を検
出する。なお、図7〜図8の図面では、図示の都合上、
位置決めロッド86を二つだけ示すに留めている。
【0026】また、このクランプ位置変更装置60によ
ってハンドリング装置30のクランプユニット40の位
置を変更する場合には、クランプ位置変更装置60の上
方にハンドリング装置30を配置して行うが、その際
に、ハンドリング装置30をクランプ位置変更装置60
に対して正しい位置に保持するために、クランプ位置変
更装置60の架台64には三つのサポート90が設けら
れている。三つのサポート90の先端部は、ハンドリン
グ装置30のフレーム31の所定部位に係合するように
なっており、その係合状態において、図9に示すよう
に、クランプ位置変更装置60の第1テーブル61の上
にハンドリング装置30のクランプユニット40Aが配
置され、第2テーブル62の上にクランプユニット40
Bが配置され、第3テーブル63の上にクランプユニッ
ト40Cが配置される。さらに、クランプ位置変更装置
60の各スライダ装置70におけるフォーク74,75
の移動軌跡上に、ハンドリング装置30の各クランプユ
ニット40におけるポスト50の移動軌跡が重なるよう
になっていて、ポスト50との相対高さ関係は、ポスト
50の先端が固定フォーク74および可動フォーク75
よりも下方に突出可能で、且つ、セッティング装置80
において最上位に位置した位置決めロッド86の先端面
に側方から突き当たることができるようになっている。
さらに、可動フォーク75を固定フォーク74に接近す
るように回動させた状態では、可動フォーク75の移動
軌跡がポスト50の移動軌跡から退避するようになって
いる。
【0027】次に、このクランプ位置変更装置60によ
ってハンドリング装置30のクランプ47の位置を変更
する手順を説明する。まず、クランプ位置変更装置60
における各スライド装置70A〜70Cのスライダ73
をガイドレール72の先端側(すなわち、各テーブル6
1,62,63の先端側)の移動限界位置まで移動させ
ておく。図7においてS1はこの時の固定フォーク74
の位置を示している。そして、各スライド装置70A〜
70Cの可動フォーク75を固定フォーク74側に回転
させておく。さらに、クランプ位置変更装置60の各セ
ッティング装置80A〜80Cのモータ82を作動し
て、全てのセッティング装置80A〜80Cをイニシャ
ル状態(すなわち、いずれの位置決めロッド86も最上
位に位置しない状態)にする。
【0028】上述のようにクランプ位置変更装置60の
準備が完了したら、搬送ロボット1を旋回させて、ハン
ドリング装置30をクランプ位置変更装置60の上方に
移動し、さらに、クランプ位置変更装置60のサポート
90の上にハンドリング装置30を載置する。この段階
では、ハンドリング装置30の各クランプユニット40
A〜40Cは、仕様変更前のワークWに対応した位置に
固定されている。
【0029】次に、ハンドリング装置30における各支
持ブロック34A〜34Cの制動手段を解除して各クラ
ンプユニット40A〜40Cをスライド可能にする。次
に、クランプ位置変更装置60の各スライダ73をガイ
ドレール72の基端側(すなわち、各テーブル61,6
2,63の基端側)の移動限界位置まで移動させる。こ
のとき、前述したように、予めスライド装置70の可動
フォーク75を固定フォーク74側に回転させてあり、
可動フォーク75はクランプユニット40のポスト50
の移動軌跡から退避しているので、可動フォーク75と
ポスト50は互いに干渉しない。その結果、スライダ7
3をガイドレール72の基端側に移動させると、スライ
ダ73の固定フォーク74だけがポスト50に突き当た
り、ポスト50を押動して、クランプユニット40をガ
イドレール72の基端側の移動限界位置まで移動する。
図7においてS2はこの時の固定フォーク74の位置を
示している。
【0030】次に、各スライド装置70A〜70Cの可
動フォーク75を回動させて固定フォーク74と平行に
位置させることにより、ポスト50を固定フォーク74
と可動フォーク75の間に配置する。また、各セッティ
ング装置80A〜80Cにおいて、仕様変更後のワーク
Wに対応する位置決めロッド86が最上位に位置するよ
うに、モータ82を駆動してセットする。
【0031】次に、各スライド装置70A〜70Cのス
ライダ73をガイドレール72の先端側(すなわち、各
テーブル61,62,63の先端側)に向けて移動させ
る。このとき、可動フォーク75はクランプユニット4
0のポスト50に突き当たり、ポスト50を押動して、
クランプユニット40をガイドレール72の先端側に移
動する。そして、ポスト50がセッティング装置80に
おいて最上位に位置する位置決めロッド86の先端面に
突き当たると、クランプユニット40は停止せしめら
れ、これにより、各クランプユニット40のクランプ4
7は仕様変更後のワークWに対応した位置に位置決めさ
れる。図7において実線はこの状態を示している。この
後、ハンドリング装置30の各支持ブロック34におけ
る制動手段を作動させて、各クランプユニット40を支
持ブロック34に対して移動不能にする。そして、搬送
ロボット1を作動してハンドリング装置30をクランプ
位置変更装置60から離脱して、仕様変更後のワークW
の搬送に供すこととなる。
【0032】この実施の形態のハンドリング装置30に
よれば、ロボットアーム2の手首部3にフレーム31を
片持ち支持し、水平方向に延びるサイドフレーム32あ
るいはセンターフレーム33の側部に支持ブロック34
の本体部35を配置し、この本体部35に対して水平方
向へスライド可能にクランプユニット40を設け、この
クランプユニット40にエアシリンダ46を水平姿勢に
設け、このエアシリンダ46によって水平姿勢のクラン
プアーム48を開閉可能にし、このクランプアーム48
の先端にクランプ爪49を下方に設けたので、ハンドリ
ング装置30の全高を低く抑えることができ、したがっ
て、ダイハイトH(図1参照)の小さいヘミングプレス
装置10に対してもワークWをセットすることができる
ようになる。換言すれば、ヘミングプレス装置10のダ
イハイトHを低く抑えることができ、その結果、ヘミン
グプレス装置10の小型化を図ることができる。
【0033】また、この実施の形態のハンドリング装置
30によれば、支持ブロック34B,34Cをサイドフ
レーム32あるいはセンターフレーム33の先端に固定
し、この支持ブロック34B,34Cにクランプユニッ
ト40B,40Cをスライド可能に設け、クランプユニ
ット40B,40Cの先端側にクランプ装置45を設け
ているので、クランプ装置45をサイドフレーム32あ
るいはセンターフレーム33の先端よりも外方に延ばし
てセットすることができ、したがって、フレーム31の
大きさに比較して大型のワークWをも把持することがで
きる。すなわち、ハンドリング装置30の小型化を図り
つつ、把持可能なワークWの最大寸法の拡大を図ること
ができる。
【0034】さらに、ハンドリング装置30のクランプ
ユニット40を位置変更するためのクランプ位置変更装
置60を、ハンドリング装置30とは別に設けて、搬送
ロボット1から切り離して別置きにしているので、ハン
ドリング装置の構成を簡素化することができるととも
に、軽量化することができる。
【0035】次に、この発明に係るハンドリング装置3
0の第2の実施の形態を図10および図11の図面を参
照して説明する。図10は他の実施の形態のハンドリン
グ装置30の平面図、図11はそのハンドリング装置3
0を備えた搬送ロボット1の正面図である。前述した第
1の実施の形態におけるハンドリング装置30では、ダ
イハイトHの小さいヘミングプレス装置10に横からワ
ークWを挿入するのに最適なように、ロボットアーム2
の手首部3の先端にハンドリング装置30のフレーム3
1を片持ち支持したが、搬送場所等にこのような高さ制
限がないときには、図10および図11に示すように、
ハンドリング装置30のフレーム31の中央上部にロボ
ットアーム2の手首部3を連結し、サイドフレーム32
の両端とセンターフレーム33の先端にそれぞれ支持ブ
ロック34を固定し、各支持ブロック34にクランプユ
ニット40をスライド可能に取り付けるようにしてもよ
い。その他の構成については第1の実施の形態のものと
同じであるので、同一態様部分に同一符号を付して説明
を省略する。
【0036】このようにすると、全てのクランプユニッ
ト40のクランプ装置45をサイドフレーム32あるい
はセンターフレーム33の先端よりも外方に延ばしてセ
ットすることができる。この場合も、フレーム31の大
きさに比較して大型のワークWを把持することができ、
ハンドリング装置30の小型・軽量化を図りつつ、把持
可能なワークWの最大寸法の拡大を図ることができる。
【0037】〔他の実施の形態〕尚、この発明は前述し
た実施の形態に限られるものではない。例えば、ハンド
リング装置30のフレーム31は平面視略T字形に限る
ものではなく、取り扱うべきワークWのクランプ位置等
によって適宜の形状が採用可能である。また、クランプ
47の数も3つに限るものではなく、取り扱うべきワー
クWによって適宜の数に決定されるべきものである。
【0038】また、前述した実施の形態では、ハンドリ
ング装置30のクランプユニット40の位置変更をする
のに専用のクランプ位置変更装置60を用いて行ってい
るが、このような専用の位置変更装置60を用いなくて
もクランプユニット40の位置を変更することは可能で
ある。例えば、図11に示すように、搬送ロボット1の
近傍にスタンド100を設けておき、まず、このスタン
ド100に位置変更すべきクランプユニット40を係止
して該クランプユニット40とスタンド100とを相対
移動不能にし、次に、搬送ロボット1のロボットアーム
2を所定方向へ所定寸法だけ動かすことによって、この
クランプユニット40を支持ブロック34に対して相対
的にスライドさせ、これによって該クランプユニット4
0を所望する位置に変更させるようにすることも可能で
ある。
【0039】
【発明の効果】以上説明するように、請求項1に記載し
た発明によれば、クランプをフレームよりも外方に移動
させることが可能であるので、フレームよりも外方にお
いてワークを把持することが可能になり、装置全体の小
型・軽量化を図りつつ、把持可能なワーク最大寸法の拡
大を図ることができるという優れた効果が奏される。請
求項2に記載した発明によれば、クランプを外方へより
遠くへ移動させることが可能であるので、把持可能なワ
ークの最大寸法をより拡大することができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る第1の実施の形態のハンドリ
ング装置を備えたロボットの正面図である。
【図2】 前記ロボット周りの平面配置図である。
【図3】 前記ハンドリング装置で把持されるワークの
周縁部における断面図である。
【図4】 前記ハンドリング装置の平面図である。
【図5】 前記ハンドリング装置の正面図である。
【図6】 前記ハンドリング装置の左側面図である。
【図7】 クランプ位置変更装置の平面図である。
【図8】 前記クランプ位置変更装置の正面図である。
【図9】 前記ハンドリング装置とクランプ位置変更装
置との相対位置関係を示す平面図である。
【図10】 この発明に係る第2の実施の形態のハンド
リング装置の平面図である。
【図11】 この発明に係る第2の実施の形態のハンド
リング装置を備えたロボットの正面図である。
【符号の説明】
1 ロボット 2 ロボットアーム 3 手首部 30 ハンドリング装置 31 フレーム 34 支持ブロック 40 クランプユニット 41 スライドアーム 47 クランプ W ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神蔵 正信 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3C007 AS05 BS10 DS02 DS10 EU18 EW00 EW08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロボットアームの手首部に取り付けて用
    いるものであり、前記手首部に取り付けられるフレーム
    に、ワークを把持する複数のクランプを備えたハンドリ
    ング装置において、 制動手段を備えた支持ブロックを前記フレームに固定
    し、前記支持ブロックにクランプユニットのスライドア
    ームをスライド可能に設け、前記クランプユニットのス
    ライド方向外端に前記クランプを設け、前記制動手段に
    より前記スライドアームを支持ブロックに対して移動不
    能とすることを特徴とするハンドリング装置。
  2. 【請求項2】 前記支持ブロックを前記フレームの端部
    に設けたことを特徴とする請求項1に記載のハンドリン
    グ装置。
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