JP2003048178A - 歩行ロボットの柔軟足機構 - Google Patents
歩行ロボットの柔軟足機構Info
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Abstract
自然な歩容を迅速で滑らかに行わせることを可能とする
歩行ロボットの足機構を提供する。 【解決手段】 本発明に係る歩行ロボットの足機構は、
上体部に対し足先部を足底の接地面からオフセットした
位置で受動的に回転自在に連結する指関節部と、足先部
の接地面における垂直抗力の総和、及びその垂直抗力の
ゼロモーメントポイントの接地面における位置を検出す
るセンサ手段とを備えることで上記課題を解決するもの
である。
Description
た脚を有する歩行ロボットの足機構に関する。
歩行安定性と接地面の柔軟性を確保する試みを行ったも
のとして、例えば、特許第2826858号公報、特開
2000−176866号公報に記載されたものを挙げ
ることができる。
軸力トルクセンサと緩衝材を組み合わせ、かつ足底のエ
ッジ部を曲面にした足底としたものが開示されている。
される柔軟性であるために材料種別による選択自由度の
制限があるとともに、足底のエッジ部の曲面を形成する
ための成形型等が必要で製造費用も高価であった。ま
た、足底を床面に倣わすには、力センサを使ったコンプ
ライアンス制御が必要であり、その応答帯域の制約から
高速の歩行が困難となっていた。さらに、足底の接地反
力センサとして6軸力トルクセンサを搭載する場合は、
低価格化、軽量化が困難であった。
は、足先端の接地部に回転自在自由度を持たせバネまた
はバネ、ダンパを組み合わせ、接地部に接地検出センサ
を設けた足底としたものが開示されている。
ために、柔軟なバネ剛性に設定すると、常に足底が柔軟
になってしまい、2脚のロボットに適用した場合、静的な
立脚状態の保持が困難であった。また、接地センサしか
具備していないため、接地位置の判定は可能であった
が、その力を検出することができなかった。
点に鑑み、本発明者は、2足(脚)歩行ロボットで人間
に近いエネルギーロスが少なく、ストライドの大きな自
然な歩行では、歩行時に踵にあたる部位を浮かせた時期
が発生する歩容となることに注目した。一方、静的に立
脚する場合には、足底の接地面積が広くなるように踵を
接地し、足底接地面内に静的な荷重を懸けると微細な上
体部のバランス制御なしに安定な立脚が確保できる。人
間は、これを実現するために、足首の関節のほかに、足
の指の根元にも回転自由度(足指関節の回転自由度)を
有しており、歩行時途中で踵を浮かせ足の指から先を接
地させて支持している。
は、図4に示すようにベタ足で小さなストライドで歩行
することを余儀なくされる。仮に、無理に踵を浮かした
歩容をすると、図5のように接地面の小さな指先端のみ
で支持するため、足先端の材料に大きな応力が発生する
ため強度が必要であるとともに、接触面積が小さいため
に接地面のスベリを抑制するのが困難であった。
であり、大きなストライドでエネルギーロスの少ない自
然な歩容を迅速かつ柔軟に行わせること実現する歩行ロ
ボットの足機構を提供することを目的とする。
エネルギーロスの少ない自然な歩容を実現する足機構を
備えた歩行ロボットに対し迅速かつ容易な歩行制御を実
現する歩行制御方法を提供することにある。
め、請求項1に記載した発明は、歩行ロボットの足機構
において、上体部に対し足先部を足底の接地面からオフ
セットした位置で受動的に回転自在に連結する指関節部
と、前記足先部の接地面における垂直抗力の総和、及び
その垂直抗力のゼロモーメントポイントの接地面におけ
る位置を検出するセンサ手段とを備えることを特徴とす
る。
ボットの足機構において、上体部に対し足先部を足底の
接地面からオフセットした位置で受動的に回転自在に連
結する指関節部と、前記足先部に設けられ、前記指関節
部の回転軸からの距離が互いに異なる少なくとも2箇所
でそれぞれ接地面からの垂直抗力成分を検出するセンサ
手段とを備えることを特徴とする。
1または2記載の歩行ロボットの足機構において、前記
上体部が足先部に対し前記指関節部周りに回転する回転
角が下限値以上となるよう制限する機械的リミッタを備
えることを特徴とする。
載の歩行ロボットの足機構において、前記上体部が前記
指関節部周りに足先部から離れる方向に回転した際に、
上体部に対し足先部を前記機械的リミッタの下限位置方
向に復帰させようとする力を発生する復帰手段を備える
ことを特徴とする。
地センサを有する請求項1乃至4記載の足機構を備えた
歩行ロボットの歩行を制御する歩行制御方法において、
前記踵接地センサを用いて支持脚が接地したか否かを判
定する工程と、踵が接地した期間では足首関節部に対し
コンプライアンス制御することで足底の接地面を床に倣
わせて足底の面接触を保つ工程と、踵が床から浮いた時
点では、指関節部の受動的回転自由度で足底と床の接地
面の倣い動作が保証されるため、指関節部での検出反力
が上体部の運動に必要な目標反力となるよう足首関節部
に対し力制御することにより上体部の姿勢を制御する工
程とを有することを特徴とする。
の図面を参照しながら具体的に説明する。
機構は、人間の足の指関節の機能を模擬した指関節部1
0を備える柔軟足機構であり、図6のような歩容を実現
できる。すなわち、受動回転自由度を有する指関節部1
0を備えるため、踵を浮かせた状態で大きなストライド
の広域接地の歩容が可能となる。
本原理について、図1乃至図3を参照しながら説明す
る。
左右傾斜する自由度と前後に傾斜する自由度を有してい
るが、図1では本発明の基本原理を説明する都合上、膝
にあたる回転軸と平行で足底を前後に傾斜させる自由度
を有する足首関節部12のみを記載している。
その角度や速度を能動的に制御できるのが一般的であ
る。本発明の足機構では、この足首関節部12の能動回
転自由度の他に、足指回転自由度を模擬した指関節部1
0を追加した。指関節部10は受動的に回転自在な自由
度であり、外力負荷によって回転駆動される。
の回転角が下限位置である状態を示し、(B)は指関節
部10が回転自在の状態を示す。
より足底側に連結した部位を足先部4と呼び、その反対
側部位を上体部2と呼ぶことにする。
指関節部10は、足首関節部12と平行で、足底面4a
から上体部2側にオフセットした位置に設けている。す
なわち、指関節部10は、上体部2に対し足先部4を足
底面4aからオフセットした位置で受動的に回転自在に
連結している。
と、単に静止立脚したい場合でも、上体部2の姿勢安定
のために常に足を前後に踏み出すなどの動的な姿勢制御
をかけなければならず、計算機パワーやアクチュエータ
の電力を浪費する。そこで、本発明の足機構には、図1
のように、指関節部10の回転自由度に機械的リミッタ
14を設けて、足先部4に対し上体部2が指関節部10
周りに回転する回転角が下限値以上となるようにしてい
る。
定状態にある場合に、足先部の接地面におけるゼロモー
メントポイントZMPの位置を検出する方法を示す。
に,上体部4から足先部2に作用する力Fのベクトル
(上体部4の質量重心にかかる自重によって決定され
る)が、足先部4の足底面における指関節部10の下端
位置から足底面の踵エッジ点Bの範囲に入っている間
は、足首関節部12の角度を同じに保持しているだけで
上体部2は静的に安定な状態を保つことが可能である。
よって、静止立脚時の計算機パワーやアクチュエータの
電力を削減できる。
Fは足先部4の足底面にかかる上体部2からの力を示
し、F1、F2はエッジ点A、Bにそれぞれ働く垂直抗
力成分を示す。力のつりあいが成立するので、F=F1
+F2である。
底面におけるエッジ点Aから、質量重心、エッジ点Bま
での距離を示すものとすると、エッジ点A周りのモーメ
ントのつりあいも成立するので、FxL1=F2xLで
ある。ここで、垂直抗力成分F1、F2は単軸力センサ
(後述する)で検出され、Lは既知であるので、上の2
式から、エッジ点Aから質量重心までの距離L1を求め
ることができる。
節部10で回転自在状態にある場合に、足先部の接地面
におけるゼロモーメントポイントZMPの位置を検出す
る方法を示す。
力が発生する場合や、上体部2に外力が懸かる場合は、
図3(A)、(B)に示すように、これらの力ベクトル
と自重ベクトルのモーメント和が、 (1)指関節部10の周りに右回り(上体部2が踵を押
し付ける方向) (2)エッジ点A(つま先)を支点として右回り (3)エッジ点B(踵)を支点として左回り となっていれば、踵は足先部4に接地した状態で上体部
2は安定となる。
実現するには、上体部2を前に転倒させる時期が必要で
ある。本発明の足機構では、この上体部2の転倒を指関
節部10を用いて行う。この上体部2の転倒は、指関節
部10が受動回転自由度を有するであるため、足先部4
を安定に面接地したまま、滑らかに実現できる。転倒が
滑らかであることは、足底に発生する反力も滑らかな変
化となるため、上体部2の姿勢制御も容易となる。
る条件は、上述した上体部2の慣性力、上体部2に作用
する外力、自重のベクトルのモーメントが、指関節部1
0の周りに右回り(上体部2が踵を押し付ける方向)と
なる。また、その際に、図3(A)に示したように、指
関節部10が回転自在であることから、指関節部10を
介して足先部4に伝わる力にはトルク成分が含まれず、
指関節部10を始点とした力ベクトルFとなる。
は、力ベクトルFの足底面におけるゼロモーメントポイ
ント(ZMP)の位置が、つま先エッジ点Aから踵エッ
ジ点Bの範囲に入っていることである。上体部2の姿勢
制御は、倒立振り子の制御で明らかなように、指関節部
10から上体部2に作用する反力ベルトルFを適切に与
えることで可能となる。なお、一般に上体部2の重力場
との相対姿勢(鉛直からの傾斜角度)や、上体部2の運
動状態(角速度、加速度など)は、制御したい上体部2
に搭載した姿勢センサで検出される。
全ての運動部の質量特性と運動状態が明らかな場合は、
例えば、足首関節部12をどのように駆動すると、指関
節部10にどのような力Fが作用するかを計算機内のシ
ミュレーションで求めることができる。しかしながら、
接地面のスベリ発生原理は、足底だけでなく、床側の摩
擦条件も因子に含まれるため、実際に指関節部10に発
生しているFを検出することが望ましい。
4888号公報(特願平11−63910)で知られる
ように、足底に垂直抗力のみを検出できる単軸力センサ
を最低3個以上配置すれば、足底平面上の垂直抗力成分
の総和と、そのゼロモーメントポイント(ZMP)の位
置を足底平面内で2次元的に検出できる。
元をなくし、横から見た足底で図3(B)のようにX−
Zの方向を定義する。X方向のみのゼロモーメントポイ
ント(ZMP)の位置を検出するのであれば、単軸力セ
ンサは最低2個あれば良く、前記した特開2000−2
54888号公報に開示された力センサを本発明の足機
構の足先部4のエッジ点A、Bの位置に単軸力センサ2
0を設けることによって、これら単軸力センサ20の検
出値F1、F2から、図3(B)のX方向のゼロモーメン
トポイントZMPの位置L1と、垂直抗力の総和と等価
なFz(=F1+F2)とを検出することができる。
置L1が分かれば、力ベクトルFの開始点が指関節部1
0に位置することと、足先部4の設計寸法Lt(エッジ
点Aから指関節部10の下端位置までの距離)とH(足
底面から指関節部10の中心までの高さ)から、指関節
部10にかかる力ベクトルFの作用方向θを以下の式で
算出できる。
力の総和)から以下の式で算出できる。
4888号公報に開示された力センサを組み合わせるこ
とで、上体部2に作用する力Fを検出することが可能と
なる。言い換えれば、Fを検出して目標値に近づくよう
制御することで上体部2の姿勢を制御可能となる。
先から踵まで伸ばした効果としては、静止立脚時などの
機械的リミッタ14が接触している場合も、機械的リミ
ッタ14が接触作用してない場合も、前記特開2000
−254888号公報に示された足底センサを用いて垂
直抗力を広範囲に測定することが可能になる点が挙げら
れる。
係る歩行ロボットの足機構の構成を示す。
構には、足首関節部12、指関節部10、この指関節部
10に設けられた1方向ロータリダンパ22とポテンシ
ョメータ24、上体部と足先部の間に設けられたと機械
的リミッタ14とバネ16、足先部に設けられたマイク
ロスイッチ18と複数の単軸力センサ20が装備されて
いる。以下、図7乃至図13を参照しながら、本実施例
の足機構の各要素の構成、作用について説明する。
構が、図1に示した様に復帰手段を有しない場合の歩行
状態を示す。図8は、本実施例の足機構における復帰手
段の構成、作用を説明する図である。図7、図8におい
て、(A)は支持脚期間の足機構の状態を示し、(B)
は遊脚期間の足機構の状態を示す。
する指関節部10は完全に自由に回転できるため、脚を
浮かせるべき遊脚期において踵側が垂れ下がる。このた
め、遊脚の床面からの退避高さが小さいと、図7のよう
に踵を引きずってしまう恐れがある。このような現象は
歩容を見栄えの悪いものにするとともに、引きずる際の
摩擦がロボットの姿勢制御からみれば外乱として働き好
ましくない。
うに、足先部4と上体部2の間で、例えばコイルバネの
ようなもので、機械的リミッタ14の下限位置の方向に
足先部4を引き戻そうとする力を発生する機能を有する
復帰手段16を装備している。無論、このコイルバネに
代えて、トーションバネやマグネット等を復帰手段16
として用いてもよい。
して極めて軽い足先部4のみを、遊脚期間でひきつける
ことができる程度の小さな力でよい。よって、バネで復
帰手段16を構成したとしても小さなもので構成でき
る。この復帰力が小さいということは、足底を設置した
際に、このバネから指関節部10の周りに作用するトル
クが小さいことになり、慣性や質量が足先部4に対して
十分に大きな上体部2をもつ歩行ロボットの場合は、復
帰手段16の復帰力により生じるトルク成分が上体部2
の姿勢制御に大きく影響することはない。
構がダンパ手段を有しない場合の遊脚開始期の歩行状態
を示す。図10は、本実施例の足機構におけるダンパ手
段を示す。図10において、(A)は本実施例の足機構
においてダンパ手段を設けた指関節部の平面図を示し、
(B)は前記指関節部の正面図を示す。
ボットの足機構が復帰手段16を有する場合、支持脚か
ら遊脚に推移する遊脚開始期に、足先部4の復帰の速度
が速いとつま先が下がり、足底の前方先端を接地面に引
っ掛け、遊脚の振り出し動作に支障をきたす場合があ
る。これを避けるには、支持脚から遊脚に推移し、足先
の軌道を接地面から十分に離反してから遊脚として振り
出しを行わなければならない。これは遊脚の振り出しと
して与えられる時間が短くなり、より高速の遊脚振り出
し動作が必要となることや、その離反動作そのものでエ
ネルギ損失が大きくなる。
施例の足機構においては、復帰手段16の復帰力により
機械リミッタ14の下限位置方向に足先部4が復帰する
際に、遊脚に推移したあと、再度支持脚になるまで復帰
するようなダンピング力を上体部2に作用するダンパ手
段22を設けている。このようなダンパ手段22の例と
しては、図10に示したように、1方向のロータリダン
パ等がある。
位置検出手段18を示す。
する指関節部10が機械的リミッタ14の下限位置に位
置していることを検出する下限位置検出手段18を装備
している。このような下限位置検出手段18の例として
は、図11に示したように、マイクロスイッチ等があ
る。このようなマイクロスイッチ18を搭載すること
で、機械的リミッタ14が足底に作用しない図3の回転
自在状態に推移したことが正確に判別できる。これによ
り、上体の姿勢を制御するために必要な図3の力ベクト
ルFの制御を適切なタイミングで開始できる。
角度検出手段24を示す。図12において、(A)は本
実施例の足機構においてダンパ手段22と同軸に回転角
度検出手段24を設けた指関節部の平面図を示し、
(B)は前記指関節部の正面図を示す。
載した角速度センサ(ジャイロ等)や加速度センサの出
力を積分して傾斜角を求める姿勢センサでは、積分誤差
や温度ドリフトが問題となる。足先部4が接地する床面
の傾斜が既知の場合、機械的リミッタ14に接触してな
い状況では、足先部4の接地面が保証できるので指関節
部10の回転角度を検出する回転角度検出手段22を装
備することにより、床面に対する上体部の傾斜角度を算
出することが可能となり、姿勢センサによる傾斜計算は
不要となる。このような回転角度検出手段22の例とし
ては、図12に示したポテンショメータや、レゾルバ、
パルスエンコーダ等がある。
算出した上体部2の傾斜角度データにより、姿勢センサ
による傾斜角データのキャリブレーションをすることが
可能となる。また、図11に示したマイクロスイッチ1
8を、基準ゼロ点のセンサとして利用することで、2相
のインクリメンタルエンコーダも、指関節部10の絶対
角度センサとして用いることができる。さらに、指関節
部10の回転角度や角速度を検出できることから、図1
0に示したダンパ手段22や図8に示した復帰手段16
により発生する指関節部10におけるトルク成分を推定
することが可能となり、精密な上体部2の姿勢制御が可
能となるとともに、バネ、ダンパの特性を調整し、この
復帰力を上体部2の転倒速度抑制力として用いることが
できる。
単軸力センサ20の代わりに、力トルクセンサ28を設
けた例を示す。図13において、(A)は力トルクセン
サ28を上体部2の足首位置に設けた例を示し、(B)
は力トルクセンサ28を足先部4に設けた例を示す。本
実施例の足機構において、図2、図3に示した単軸力セ
ンサ20の代わりに、図13に示すように、足先部4の
接地面における垂直抗力の総和、及びその垂直抗力のゼ
ロモーメントポイントZMPの接地面における位置を検
出するセンサ手段として、力トルクセンサ28を装備す
ることも可能である。図13に示した例の場合、力トル
クセンサ28は市販品として入手でき、モジュール品と
して組み込むことが可能であり、交換が容易となる。ま
た、6軸の力トルクの検出センサも市販されていること
から、Z方向のトルクなどの検出も容易となり、歩行ロ
ボットにおける上体の姿勢制御が、図2、図3に示した
単軸力センサ20の場合に較べてより高度にできる。
る歩行ロボットの足機構の構成を示す。図20に示した
ように、第2実施例の足機構には、足首関節部12、指
関節部10、この指関節部10に設けられた1方向ロー
タリダンパ22とポテンショメータ24、上体部と足先
部の間に設けられたと機械的リミッタ14とバネ16、
上体部の踵位置に設けられた26と単軸力センサ20、
足先部に設けられたマイクロスイッチ18と複数の単軸
力センサ20が装備されている。
本実施例の足機構の各要素の構成、作用について説明す
る。なお、図19に示した前述の実施例の要素に相当す
る要素については、同一の参照符号を用い、その説明を
省略する。前述の実施例の足機構で説明した足先部は、
つま先から踵までの一体であるため、図6に示したよう
に、踵を浮かせた場合でも足先から踵までベタ足のよう
に見られる歩容となり、人間に比較して見栄えの良くな
いものである。また、足先部が、指関節部10に対して
アンバランスで、かつ重いため、上体部に対し足先部を
復帰させる力を発生する復帰手段(バネ等)も大きなもの
が必要となる。
した構成にすることで、上記問題は解決できる。すなわ
ち、第2実施例の足機構においては、足先部4と分離さ
せた踵部6を、足先部4と共に接地面を形成するように
上体部2の下面に設ける。指関節部10や機械的リミッ
タ14は、前述の第1実施例のものと同様に実現され
る。さらに、本実施例の足機構における足先部4の復帰
方法やダンピングなども、前述の第1実施例と同じ方法
で実現できる。
の柔軟保持機構30を示す。図15に示したように、上
体部2と足先部4の間に柔軟保持機構30がバネ等で構
成され、この柔軟保持機構30は、上体部2が指関節部
10の周りに足先部4から離れる方向に回転した際に、
上体部2に対し足先部4を機械的リミッタ14の下限位
置方向に復帰させようとする力を発生する。
の足機構の場合、踵部6を接地した場合においても、床
面からの反力を正確に検出するために、足先部4の垂直
抗力成分を検出する単軸力センサ20を設けると共に、
踵部6にスペーサ26を介して単軸力センサ20を設け
ることも可能である。前者の単軸力センサ20によっ
て、つま先側の垂直抗力成分を検出し、後者の単軸力セ
ンサ20によって、踵の接地面側の垂直抗力成分を検出
することができる。
したこの第2実施例の足機構の場合、前述の第1実施例
と同様な方法で、力トルクセンサ28を設けることによ
って、力トルク検出を行なわせることも無論可能であ
る。
機構の指関節部に、ボールポイントなどの2自由度を有
する指関節部10aを適用した例を示す。また、これに
対応させて、2自由度を有する足首関節部12aを適用
している。図16に示したように、この指関節部10a
は、足先部4が鉛直方向に回転する受動回転自由度と、
足先部4が左右方向に傾斜する自由度とを有し、足先部
4が左右方向の傾斜に対しても安定に倣う自由度を持た
せている。
示した例では、バネ30を上体部2と足先部4の間に配
置している。前後方向傾斜に対する足先部4の復帰トル
クはバネの強さと作用長さaで決定し、左右方向傾斜の
足先部4の復帰トルクはバネの強さと作用長さc、bで
決定する。これらの作用長さa、b、cを調整すること
で、独立に足先部の復帰トルクを簡易に設計することが
可能である。
例の足機構の指関節部に、ボールポイントなどの2自由
度を有する指関節部10aを適用した例を示す。この例
の場合も、足先部4の復帰機構の例として、バネ30を
上体部2と足先部4の間に配置している。その作用や構
成は、図16に示した復帰機構と同様である。
歩行ロボットの2足歩行支持脚の歩行制御処理を説明す
るフロー図である。
足首関節部12を使って、歩行ロボットの姿勢を制御で
きることの利点としては、人間のような関節構成である
とすれば、足首関節部12と指関節部10の間のリンク
長さは、膝や大腿部のリンク長さに比較してはるかに短
いため、足首関節部12による姿勢制御が歩幅(ストラ
イド)に大きく影響しない点が挙げられる。これによ
り、様々なストライドの歩行制御が容易となる。
ットの支持脚の接地点から腰までのリンク長さを長くす
ることができ、遊脚を振り出す際に、遊脚の足先が床に
引っかかってつまずき、上体が転倒する危険を低減でき
る。よって、歩行中、足底を床面に倣わせるために常に
足首関節部12をコンプライアンス制御するよりは、倣
い動作をある期間は指関節部10の受動回転自由度で実
現し、その期間は、足首関節部12を上体部の姿勢制御
に用いるほうが安定歩行に有利である。
制限で足底面と床面の接地状態が安定確保できなかった
歩行速度においても、指関節部10の受動的な回転軸で
確実な足底面との床面の接地状態が実現でき、滑らかな
床反力変動が保証されるため指関節部10の力制御およ
び上体部の動的な姿勢制御が容易となる。
る、踵をついた期間は能動駆動できる足首関節部12で
コンプライアンス制御を行って大まかな安定接地を確保
し、殆ど踵が浮いた状態で、もっとも不安定となる片足
支持期を、指関節部10の力制御で姿勢を安定にする方
法が良い。
センサを有する本発明の足機構を備えた歩行ロボットの
支持脚が踵を着地している場合と、踵が浮いている場合
の制御の流れを示した。すなわち、歩行制御処理が開始
すると、まず、踵接地センサを用いて支持脚の踵が接地
したか否かを判定する(S10)。
された場合、足首関節部12に対しコンプライアンス制
御を行う(S11)。そして、所望の範囲に歩行ロボッ
トの上体の重心を制御することによって、支持脚の足底
の接地面を床に倣わせて足底の面接触を保つ(S1
2)。ステップS12を実行した後は、上記ステップS
10の判定に戻る。
いる期間と判定された場合、歩行ロボットの上体の運動
を検出する(S13)。このとき、指関節部10の受動
的回転自由度で足底と床の接地面の倣い動作が保証され
る。そして、歩行ロボットの上体の運動修正に必要な指
関節部10の目標反力Fを算出する(S14)。実際の
指関節部10における反力Fを単軸力センサ20等を用
いて検出する(S15)。ステップS15で検出した指
関節部10での検出反力Fが、ステップS14で算出し
た目標反力Fとなるように、足首関節部12に対し力制
御を行う(S16)。これにより、歩行ロボットの上体
部の姿勢を制御する。ステップS16を実行した後は、
上記ステップS10の判定に戻る。
よれば、踵をついた期間は能動駆動できる足首関節部1
2でコンプライアンス制御を行って大まかな安定接地を
確保し、殆ど踵が浮いた状態で、もっとも不安定となる
片足支持期を、指関節部10の力制御で姿勢を安定にす
るので、様々なストライドでエネルギーロスの少ない自
然な歩容を実現する足機構を備えた歩行ロボットに対し
迅速かつ容易な歩行制御を行わせることが可能である。
接地面からオフセットした位置で受動的に回転自在に連
結する指関節部と、前記足先部の接地面における垂直抗
力の総和、及びその垂直抗力のゼロモーメントポイント
の接地面における位置を検出するセンサ手段と、を備え
る歩行ロボットの足機構。
設けられ、前記指関節部の回転軸からの距離が互いに異
なる少なくとも2箇所でそれぞれ接地面からの垂直抗力
成分を検出する複数の単軸力センサからなることを特徴
とする付記1記載の歩行ロボットの足機構。
関節部周りに回転する回転角が下限値以上となるよう制
限する機械的リミッタを備えることを特徴とする付記1
記載の歩行ロボットの足機構。
足先部から離れる方向に回転した際に、上体部に対し足
先部を前記機械的リミッタの下限位置方向に復帰させよ
うとする力を発生する復帰手段を備えることを特徴とす
る付記3記載の歩行ロボットの足機構。
足先部が前記機械的リミッタの下限位置方向に回転した
際に、上体部に対しダンピング力を発生するダンパ手段
を、前記指関節部に設けたことを特徴とする付記4記載
の歩行ロボットの足機構。
械的リミッタの下限位置に位置していることを検出する
下限位置検出手段を備えることを特徴とする付記3記載
の歩行ロボットの足機構。
関節部周りに回転した回転角を検出する回転角度検出手
段を、前記指関節部に設けたことを特徴とする付記1記
載の歩行ロボットの足機構。
部の足首位置に設けた力トルクセンサからなることを特
徴とする付記1記載の歩行ロボットの足機構。
部に設けた力トルクセンサからなることを特徴とする付
記1記載の歩行ロボットの足機構。
を、前記足先部と共に接地面を形成するよう前記上体部
の下面に設け、かつ、前記センサ手段が、少なくとも前
記足先部及び前記踵部の接地面からの垂直抗力成分をそ
れぞれ検出する複数の単軸力センサからなることを特徴
とする付記1記載のロボットの足機構。
回転軸として形成し、前記足先部に対する前記上体部の
左右方向の傾斜に対し姿勢を安定に保つための柔軟保持
機構を備えることを特徴とする付記1記載の歩行ロボッ
トの足機構。
指関節部周りに回転する回転角が下限値以上となるよう
制限する機械的リミッタを備えることを特徴とする付記
10記載の歩行ロボットの足機構。
に足先部から離れる方向に回転した際に、上体部に対し
足先部を前記機械的リミッタの下限位置方向に復帰させ
ようとする力を発生する復帰手段を備えることを特徴と
する付記12記載の歩行ロボットの足機構。
り足先部が前記機械的リミッタの下限位置方向に回転し
た際に、上体部に対しダンピング力を発生するダンパ手
段を、前記指関節部に設けたことを特徴とする付記13
記載の歩行ロボットの足機構。
対し足先部を足底の接地面からオフセットした位置で受
動的に回転自在に連結する指関節部と、前記足先部の接
地面における垂直抗力の総和、及びその垂直抗力のゼロ
モーメントポイントの接地面における位置を検出するセ
ンサ手段とを有する足機構を備えた歩行ロボットの歩行
を制御する歩行制御方法において、前記踵接地センサを
用いて支持脚が接地したか否かを判定する工程と、踵が
接地した期間では足首関節部に対しコンプライアンス制
御することで足底の接地面を床に倣わせて足底の面接触
を保つ工程と、踵が床から浮いた時点では、指関節部の
受動的回転自由度で足底と床の接地面の倣い動作が保証
されるため、指関節部での検出反力が上体部の運動に必
要な目標反力となるよう足首関節部に対し力制御するこ
とにより上体部の姿勢を制御する工程とを有する歩行制
御方法。
1に記載した発明によれば、歩行ロボットの足機構が、
上体部に対し足先部を足底の接地面からオフセットした
位置で受動的に回転自在に連結する指関節部と、前記足
先部の接地面における垂直抗力の総和、及びその垂直抗
力のゼロモーメントポイントの接地面における位置を検
出するセンサ手段とを備えるので、様々なストライドで
エネルギーロスの少ない自然な歩容を迅速かつ柔軟に行
わせることが可能である。また、請求項2に記載した発
明によれば、歩行ロボットの足機構が、上体部に対し足
先部を足底の接地面からオフセットした位置で受動的に
回転自在に連結する指関節部と、前記足先部に設けら
れ、指関節部の回転軸からの距離が互いに異なる少なく
とも2箇所でそれぞれ接地面からの垂直抗力成分を検出
するセンサ手段とを備えるので、様々なストライドでエ
ネルギーロスの少ない自然な歩容を迅速かつ柔軟に行わ
せることが可能である。
ば、歩行ロボットの足機構の歩行制御方法が、踵接地セ
ンサを用いて支持脚が接地したか否かを判定する工程
と、踵が接地した期間では足首関節部に対しコンプライ
アンス制御することで足底の接地面を床に倣わせて足底
の面接触を保つ工程と、踵が床から浮いた時点では、指
関節部の受動的回転自由度で足底と床の接地面の倣い動
作が保証されるため、指関節部での検出反力が上体部の
運動に必要な目標反力となるよう足首関節部に対し力制
御することにより上体部の姿勢を制御する工程とを有す
るので、様々なストライドでエネルギーロスの少ない自
然な歩容を実現する足機構を備えた歩行ロボットに対し
迅速かつ容易な歩行制御を行わせることが可能である。
ある。
ある。
ある。
ある。
態を示す図である。
せた歩行を行わせた状態を示す図である。
を有しない場合の歩行状態を説明する図である。
する場合の歩行状態を説明する図である。
段を有しない場合の歩行状態を説明する図である。
を示す図である。
出手段を示す図である。
出手段を示す図である。
ンサを示す図である。
機構の構成を示す図である。
構を示す図である。
有する指関節部を適用した例を示す図である。
する指関節部を適用した例を示す図である
歩行支持脚の歩行制御処理を説明するフロー図である。
足機構の構成を示す図である。
足機構の構成を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 上体部に対し足先部を足底の接地面から
オフセットした位置で受動的に回転自在に連結する指関
節部と、 前記足先部の接地面における垂直抗力の総和、及びその
垂直抗力のゼロモーメントポイントの接地面における位
置を検出するセンサ手段と、 を備える歩行ロボットの足機構。 - 【請求項2】 上体部に対し足先部を足底の接地面から
オフセットした位置で受動的に回転自在に連結する指関
節部と、 前記足先部に設けられ、前記指関節部の回転軸からの距
離が互いに異なる少なくとも2箇所でそれぞれ接地面か
らの垂直抗力成分を検出するセンサ手段と、を備える歩
行ロボットの足機構。 - 【請求項3】 上体部が足先部に対し前記指関節部周り
に回転する回転角が下限値以上となるよう制限する機械
的リミッタを備えることを特徴とする請求項1又は2記
載の歩行ロボットの足機構。 - 【請求項4】 上体部が前記指関節部周りに足先部から
離れる方向に回転した際に、上体部に対し足先部を前記
機械的リミッタの下限位置方向に復帰させようとする力
を発生する復帰手段を備えることを特徴とする請求項3
記載の歩行ロボットの足機構。 - 【請求項5】 踵接地センサを有する請求項1乃至4記
載の足機構を備えた歩行ロボットの歩行を制御する歩行
制御方法において、 前記踵接地センサを用いて支持脚が接地したか否かを判
定する工程と、 踵が接地した期間では足首関節部に対しコンプライアン
ス制御することで足底の接地面を床に倣わせて足底の面
接触を保つ工程と、 踵が床から浮いた時点では、指関節部の受動的回転自由
度で足底と床の接地面の倣い動作が保証されるため、指
関節部での検出反力が上体部の運動に必要な目標反力と
なるよう足首関節部に対し力制御することにより上体部
の姿勢を制御する工程と、 を有する歩行制御方法。
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