JP2003047862A - 発火性付着物質の除去回収方法 - Google Patents
発火性付着物質の除去回収方法Info
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- JP2003047862A JP2003047862A JP2001291374A JP2001291374A JP2003047862A JP 2003047862 A JP2003047862 A JP 2003047862A JP 2001291374 A JP2001291374 A JP 2001291374A JP 2001291374 A JP2001291374 A JP 2001291374A JP 2003047862 A JP2003047862 A JP 2003047862A
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 プラント内部の発火性付着物質の除去回収方
法の提供。 【解決手段】 発火性物質とそれを取り巻く気体との間
に液状膜を設けた後、ドライアイスの粒子を付着箇所に
ブラストして、付着した発火性物質を除去する。この方
法によって、発火性付着物質の発火の危険性を低減させ
て剥離除去するとともに、容易に回収する事ができ、安
全で効率的な作業が可能となる。
法の提供。 【解決手段】 発火性物質とそれを取り巻く気体との間
に液状膜を設けた後、ドライアイスの粒子を付着箇所に
ブラストして、付着した発火性物質を除去する。この方
法によって、発火性付着物質の発火の危険性を低減させ
て剥離除去するとともに、容易に回収する事ができ、安
全で効率的な作業が可能となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発火性付着物質の除
去回収方法に関し、より詳細にはドライアイスブラスト
によるプラント内部に付着した発火性物質の除去回収方
法に関する。
去回収方法に関し、より詳細にはドライアイスブラスト
によるプラント内部に付着した発火性物質の除去回収方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化学プラントの反応器や蒸留塔な
どのプロセス内で付着した発火性物質は以下のような方
法によって除去されていた。 (1)手作業による掻き取り除去を行う方法 布、ブラシ等を用いて表面に付着している発火性付着物
質を掻き取る。 (2)ブラスト作業により表面を研磨する方法 砂、ガラスビーズやプラスチックビーズ等の研磨材を高
圧水又は圧縮空気で付着表面に吹き付けて発火性付着物
質の付いた表面を研磨する。
どのプロセス内で付着した発火性物質は以下のような方
法によって除去されていた。 (1)手作業による掻き取り除去を行う方法 布、ブラシ等を用いて表面に付着している発火性付着物
質を掻き取る。 (2)ブラスト作業により表面を研磨する方法 砂、ガラスビーズやプラスチックビーズ等の研磨材を高
圧水又は圧縮空気で付着表面に吹き付けて発火性付着物
質の付いた表面を研磨する。
【0003】しかしながら、(1)の方法では、表面に
凹凸がある場合、凹部を完全に除去することができず、
手作業による掻き取り除去を行っても十分な効果が得ら
れない場合がある。また、作業に必要な時間も他の方法
と比して長時間であり、効率的な方法とはいえない。ま
た(2)の方法では、ブラストにより表面を研磨するこ
とで、表面付着物の除去はできる。しかし、削り取った
後、砂、ガラスビーズやプラスチックビーズ等の研磨剤
と発火性物質とを分離することが著しく困難である。ま
た、研磨剤の吹き付けに空気を用いる場合、その空気に
よって発火性付着物質が乾燥し発火する危険がある。更
には高圧水を用いる場合、水とともに発火性付着物質が
流れていき、水との分離が困難であるという問題があっ
た。
凹凸がある場合、凹部を完全に除去することができず、
手作業による掻き取り除去を行っても十分な効果が得ら
れない場合がある。また、作業に必要な時間も他の方法
と比して長時間であり、効率的な方法とはいえない。ま
た(2)の方法では、ブラストにより表面を研磨するこ
とで、表面付着物の除去はできる。しかし、削り取った
後、砂、ガラスビーズやプラスチックビーズ等の研磨剤
と発火性物質とを分離することが著しく困難である。ま
た、研磨剤の吹き付けに空気を用いる場合、その空気に
よって発火性付着物質が乾燥し発火する危険がある。更
には高圧水を用いる場合、水とともに発火性付着物質が
流れていき、水との分離が困難であるという問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プラント内部に付着し
た発火性物質を効率的に除去し、特には表面に凹凸があ
るプラントである場合にも、プラント内部に付着した発
火性物質を凹部からも除去することができ、かつ発火の
危険なく、除去した発火性物質の分離回収も容易に行う
ことのできる発火性付着物質の除去回収方法が求められ
ていた。
た発火性物質を効率的に除去し、特には表面に凹凸があ
るプラントである場合にも、プラント内部に付着した発
火性物質を凹部からも除去することができ、かつ発火の
危険なく、除去した発火性物質の分離回収も容易に行う
ことのできる発火性付着物質の除去回収方法が求められ
ていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討した結果、特定の前処理を行った後に、ドラ
イアイスを発火性付着物質に吹き付けることにより、上
記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち本発明により下記(1)〜(5)が提案さ
れる。 (1)プラント内部に付着した発火性物質を除去し回収
する方法において、発火性物質とそれを取り巻く気体と
の間に液状膜を設けた後、ドライアイスの粒子を発火性
物質の付着箇所にブラストして、付着した発火性物質を
除去することを特徴とする、発火性付着物質の除去回収
方法。 (2)発火性物質の付着するプラント内部が、プラント
運転時に金属を含む触媒成分が存在する部分であること
を特徴とする、上記(1)に記載の方法。 (3)触媒成分が、還元作用を有するものであることを
特徴とする、上記(2)に記載の方法。 (4)発火性付着物質が、第8族の金属を含有すること
を特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の
方法。 (5)第8族の金属が、Rh、Pd、Pt、Co、Ni
又はRuであることを特徴とする、上記(4)に記載の
方法。
に鋭意検討した結果、特定の前処理を行った後に、ドラ
イアイスを発火性付着物質に吹き付けることにより、上
記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち本発明により下記(1)〜(5)が提案さ
れる。 (1)プラント内部に付着した発火性物質を除去し回収
する方法において、発火性物質とそれを取り巻く気体と
の間に液状膜を設けた後、ドライアイスの粒子を発火性
物質の付着箇所にブラストして、付着した発火性物質を
除去することを特徴とする、発火性付着物質の除去回収
方法。 (2)発火性物質の付着するプラント内部が、プラント
運転時に金属を含む触媒成分が存在する部分であること
を特徴とする、上記(1)に記載の方法。 (3)触媒成分が、還元作用を有するものであることを
特徴とする、上記(2)に記載の方法。 (4)発火性付着物質が、第8族の金属を含有すること
を特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の
方法。 (5)第8族の金属が、Rh、Pd、Pt、Co、Ni
又はRuであることを特徴とする、上記(4)に記載の
方法。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明の方法においては、プラント内部に付着した発火性
物質を除去するために、ドライアイスの粒子を発火性物
質の付着箇所にブラストすることを一つの特徴とする。
具体的には、ドライアイスの粒子を、空気などの気体を
用いて吹き出し、その衝突により付着物をプラントの内
部から剥離させる。ドライアイスの粒子を付着箇所にブ
ラストすることにより、表面に凹凸がある場合にも、プ
ラント内部に付着した発火性物質を除去することができ
る。本発明においては、ブラストする粒子としてドライ
アイスを使用するため、従来のドライアイス以外の物質
である砂等をブラストする方法と比べて、ブラストの当
たる発火性付着物質及びその回りの温度が下がるので、
発火の可能性を低くすることができる。ドライアイスの
粒子を吹き出させるのに使用可能な気体としては、窒
素、二酸化炭素、空気、又はそれらの混合物等が挙げら
れ、特に窒素と空気が好ましい。また、酸素の含有量が
多すぎると発火性物質が発火する可能性が生じるため、
使用される気体中酸素の含有量は少ない方が好ましい。
より好ましくは使用する気体の体積の21%以下であ
る。また、使用され得るドライアイスの粒子の大きさ
は、プラント内の如何なる場所にこの方法が適用される
か等に依存するが、通常粒径0.1〜5mmである。
発明の方法においては、プラント内部に付着した発火性
物質を除去するために、ドライアイスの粒子を発火性物
質の付着箇所にブラストすることを一つの特徴とする。
具体的には、ドライアイスの粒子を、空気などの気体を
用いて吹き出し、その衝突により付着物をプラントの内
部から剥離させる。ドライアイスの粒子を付着箇所にブ
ラストすることにより、表面に凹凸がある場合にも、プ
ラント内部に付着した発火性物質を除去することができ
る。本発明においては、ブラストする粒子としてドライ
アイスを使用するため、従来のドライアイス以外の物質
である砂等をブラストする方法と比べて、ブラストの当
たる発火性付着物質及びその回りの温度が下がるので、
発火の可能性を低くすることができる。ドライアイスの
粒子を吹き出させるのに使用可能な気体としては、窒
素、二酸化炭素、空気、又はそれらの混合物等が挙げら
れ、特に窒素と空気が好ましい。また、酸素の含有量が
多すぎると発火性物質が発火する可能性が生じるため、
使用される気体中酸素の含有量は少ない方が好ましい。
より好ましくは使用する気体の体積の21%以下であ
る。また、使用され得るドライアイスの粒子の大きさ
は、プラント内の如何なる場所にこの方法が適用される
か等に依存するが、通常粒径0.1〜5mmである。
【0007】また、本発明の方法においては、前記した
ドライアイスによるブラストを行う前に、発火性物質と
それを取り巻く気体との間に液状膜を設けることも一つ
の特徴とする。本発明の方法においては、この液状膜を
設けることによっても、発火性付着物質の発火の問題を
低減させることができる。これは、空気中の酸素と発火
性付着物質が接触することで酸化反応が起こり温度上昇
して発火に至るのを、液状膜が防止するためである。こ
こでいう発火性物質を取り巻く気体とは、酸素を含有す
る気体のことであり、通常空気のことである。また本発
明で言う液状膜とは、水または有機液によって発火性付
着物質を濡らした状態とし得る膜を意味し、液体により
空気と発火性付着物質が直接触れないようにする作用を
有する。
ドライアイスによるブラストを行う前に、発火性物質と
それを取り巻く気体との間に液状膜を設けることも一つ
の特徴とする。本発明の方法においては、この液状膜を
設けることによっても、発火性付着物質の発火の問題を
低減させることができる。これは、空気中の酸素と発火
性付着物質が接触することで酸化反応が起こり温度上昇
して発火に至るのを、液状膜が防止するためである。こ
こでいう発火性物質を取り巻く気体とは、酸素を含有す
る気体のことであり、通常空気のことである。また本発
明で言う液状膜とは、水または有機液によって発火性付
着物質を濡らした状態とし得る膜を意味し、液体により
空気と発火性付着物質が直接触れないようにする作用を
有する。
【0008】液状膜の組成としては、水、アルコール、
ケトン及びその混合物等が挙げられるが、コストの点、
それ自身が燃えないという点、及び蒸発潜熱が高く温度
上昇しにくいという点から、水で液状膜を形成するのが
好ましい。発火性物質とそれを取り巻く気体との間に液
状膜を設ける手段としては、例えば上記した水又は有機
液の噴霧、流通後の液抜き等が挙げられるが、好ましく
は水蒸気で発火性付着物質を洗浄しそのまま蒸気を凝縮
させて水の膜を形成する方法である。
ケトン及びその混合物等が挙げられるが、コストの点、
それ自身が燃えないという点、及び蒸発潜熱が高く温度
上昇しにくいという点から、水で液状膜を形成するのが
好ましい。発火性物質とそれを取り巻く気体との間に液
状膜を設ける手段としては、例えば上記した水又は有機
液の噴霧、流通後の液抜き等が挙げられるが、好ましく
は水蒸気で発火性付着物質を洗浄しそのまま蒸気を凝縮
させて水の膜を形成する方法である。
【0009】上記した本発明の方法によってプラントの
内部から剥離させられた発火性物質は、その後、例えば
かき集めて回収される。ブラストに使用されたドライア
イスは、僅かな時間、通常5分程度で昇華するため、研
磨剤と発火性物質とを分離する必要がない。従って、従
来のブラストに砂等を使用する技術と比較して、非常に
簡単に発火性物質を回収することが可能である。回収さ
れた発火性物質は、更にその中に含まれている物質を取
り出し、リサイクルすることが可能である。これは、発
火性物質中に高価な金属が含まれている場合は特に有効
である。発火性物質のリサイクルは、それ自体既知の方
法で行うことができる。
内部から剥離させられた発火性物質は、その後、例えば
かき集めて回収される。ブラストに使用されたドライア
イスは、僅かな時間、通常5分程度で昇華するため、研
磨剤と発火性物質とを分離する必要がない。従って、従
来のブラストに砂等を使用する技術と比較して、非常に
簡単に発火性物質を回収することが可能である。回収さ
れた発火性物質は、更にその中に含まれている物質を取
り出し、リサイクルすることが可能である。これは、発
火性物質中に高価な金属が含まれている場合は特に有効
である。発火性物質のリサイクルは、それ自体既知の方
法で行うことができる。
【0010】本発明の方法において、ドライアイスブラ
ストを行うための装置は、公知の装置を使用することが
できるが、例えばスイスのASCO社が販売している装
置等が挙げられる。
ストを行うための装置は、公知の装置を使用することが
できるが、例えばスイスのASCO社が販売している装
置等が挙げられる。
【0011】本発明において発火性物質とは、空気中に
放置した場合に酸化反応により発熱し高温となり、場合
によってはやがて発煙したり又は赤熱化したりする物質
のことをいう。そして、これがプラント内部に付着した
物を本明細書では発火性付着物質という。尚、以下に発
火性付着物質に関する説明を行うが、発火性物質と発火
性付着物質とは実質的に同じ物質からなるので、本発明
においては発火性付着物質を単に発火性物質と呼ぶこと
がある。
放置した場合に酸化反応により発熱し高温となり、場合
によってはやがて発煙したり又は赤熱化したりする物質
のことをいう。そして、これがプラント内部に付着した
物を本明細書では発火性付着物質という。尚、以下に発
火性付着物質に関する説明を行うが、発火性物質と発火
性付着物質とは実質的に同じ物質からなるので、本発明
においては発火性付着物質を単に発火性物質と呼ぶこと
がある。
【0012】本発明で除去され得る発火性物質として
は、特に限定されるものではないが、例えば還元状態に
ある金属を含有する組成物が挙げられ、好ましくはR
h、Pd、Pt、Co、Ni、Fe、Ru又はIr等の
第8族の金属を含有する組成物が挙げられ、より好まし
くはRh、Pd、Pt、Co、Ni又はRuを含有する
組成物が挙げられ、特に好ましくはRh又はRuを含有
する組成物が挙げられ、最も好ましくはRuを含有する
組成物である。尚、上記した金属以外の組成としては、
C、H、N、O等があり、具体的には炭化水素の重合物
等が挙げられる。
は、特に限定されるものではないが、例えば還元状態に
ある金属を含有する組成物が挙げられ、好ましくはR
h、Pd、Pt、Co、Ni、Fe、Ru又はIr等の
第8族の金属を含有する組成物が挙げられ、より好まし
くはRh、Pd、Pt、Co、Ni又はRuを含有する
組成物が挙げられ、特に好ましくはRh又はRuを含有
する組成物が挙げられ、最も好ましくはRuを含有する
組成物である。尚、上記した金属以外の組成としては、
C、H、N、O等があり、具体的には炭化水素の重合物
等が挙げられる。
【0013】尚、本発明の方法におけるプラントとは、
化学プラント、原子力プラント等、発火性物質がプラン
ト稼働中にその内部に付着してしまうプラントであれ
ば、如何なるプラントでも適用可能である。特には、本
発明の方法は化学プラントに好適である。尚、化学プラ
ントとは、化学物質を反応、蒸留、混合、気液分離、晶
析、熱交換等の化学工学的単位操作の組み合わせで取り
扱うプラント一式であり、例えば無水コハク酸をRu金
属触媒で水添反応してγ−ブチロラクトンを製造する化
学プラント、プロピレンやブテン等のモノオレフィンを
RhやCo触媒を用いてオキソ反応を行う化学プラント
等が挙げられる。また、プラントの中でも発火性物質が
付着しやすい部分としては、主に反応器、蒸留塔、熱交
換器、配管等の、プラント運転時に金属を含む触媒成分
が存在する部分である。従って、本発明の方法はこの様
なプラント運転時に金属を含む触媒成分が存在する部分
で有効である。更には、該触媒成分は、還元作用に用い
られている場合に特に発火の危険性が高いため、還元反
応に使用される触媒が存在する部分に本発明の方法を適
用するのが特に有効である。
化学プラント、原子力プラント等、発火性物質がプラン
ト稼働中にその内部に付着してしまうプラントであれ
ば、如何なるプラントでも適用可能である。特には、本
発明の方法は化学プラントに好適である。尚、化学プラ
ントとは、化学物質を反応、蒸留、混合、気液分離、晶
析、熱交換等の化学工学的単位操作の組み合わせで取り
扱うプラント一式であり、例えば無水コハク酸をRu金
属触媒で水添反応してγ−ブチロラクトンを製造する化
学プラント、プロピレンやブテン等のモノオレフィンを
RhやCo触媒を用いてオキソ反応を行う化学プラント
等が挙げられる。また、プラントの中でも発火性物質が
付着しやすい部分としては、主に反応器、蒸留塔、熱交
換器、配管等の、プラント運転時に金属を含む触媒成分
が存在する部分である。従って、本発明の方法はこの様
なプラント運転時に金属を含む触媒成分が存在する部分
で有効である。更には、該触媒成分は、還元作用に用い
られている場合に特に発火の危険性が高いため、還元反
応に使用される触媒が存在する部分に本発明の方法を適
用するのが特に有効である。
【0014】本発明においては、上記した通り、ブラス
トにドライアイスを使用すること、及び、ブラストする
前に発火性物質とそれを取り巻く気体との間に液状膜を
設けることによる効果が相まって、有用な金属を含み得
る発火性物質を発火させることなく、安全に、かつ、簡
単に回収することができる。
トにドライアイスを使用すること、及び、ブラストする
前に発火性物質とそれを取り巻く気体との間に液状膜を
設けることによる効果が相まって、有用な金属を含み得
る発火性物質を発火させることなく、安全に、かつ、簡
単に回収することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係るドライアイスブラストに
よる発火性付着物質の除去回収方法を具体的に説明す
る。 実施例1 (発火性付着物質の生成)ルテニウム−トリオクチルホ
スフィン−パラトルエンスルホン酸系触媒を用いた無水
コハク酸の水素化反応を次の通り行った。反応は図1に
示す気液分離器1、蒸留塔2付きの循環装置を使用して
行った。触媒容器3に0.056重量%のトリス(アセ
チルアセトン)ルテニウム、0.51重量%のトリオク
チルホスフィン、0.22重量%のパラトルエンスルホ
ン酸をトリグライム(トリエチレングリコール ジメチ
ルエーテル)に溶解し、窒素雰囲気下200℃で2時間
加熱処理し、新触媒容器5に入れ新フィード触媒液とし
た。この触媒液を1000ml/時の流量で、内容積2
リットルのオートクレーブ(反応器)8に供給し、気液
分離器1で気液分離後、蒸留塔2の缶出液として回収リ
サイクルしておいた。一方、水素圧縮機6より0.6N
m3/時の水素ガスをオートクレーブに送り20気圧に
調整した。オートクレーブを205℃へ昇温し、無水コ
ハク酸80重量%、γ−ブチロラクトン20重量%から
成る原料液を125g/時の流量で連続的に供給した。
反応液は140℃に冷却後、常圧で気液分離した後、蒸
留塔で生成物の水及びγ−ブチロラクトンと触媒液を分
離し、触媒液は触媒容器に戻すが、反応開始7日後より
そのうちの一部の流れとして8.67g/時の流量で触
媒液を抜出し、抜出し触媒容器4に保存した。又、抜出
し触媒液の組成は以下の通りであった。
よる発火性付着物質の除去回収方法を具体的に説明す
る。 実施例1 (発火性付着物質の生成)ルテニウム−トリオクチルホ
スフィン−パラトルエンスルホン酸系触媒を用いた無水
コハク酸の水素化反応を次の通り行った。反応は図1に
示す気液分離器1、蒸留塔2付きの循環装置を使用して
行った。触媒容器3に0.056重量%のトリス(アセ
チルアセトン)ルテニウム、0.51重量%のトリオク
チルホスフィン、0.22重量%のパラトルエンスルホ
ン酸をトリグライム(トリエチレングリコール ジメチ
ルエーテル)に溶解し、窒素雰囲気下200℃で2時間
加熱処理し、新触媒容器5に入れ新フィード触媒液とし
た。この触媒液を1000ml/時の流量で、内容積2
リットルのオートクレーブ(反応器)8に供給し、気液
分離器1で気液分離後、蒸留塔2の缶出液として回収リ
サイクルしておいた。一方、水素圧縮機6より0.6N
m3/時の水素ガスをオートクレーブに送り20気圧に
調整した。オートクレーブを205℃へ昇温し、無水コ
ハク酸80重量%、γ−ブチロラクトン20重量%から
成る原料液を125g/時の流量で連続的に供給した。
反応液は140℃に冷却後、常圧で気液分離した後、蒸
留塔で生成物の水及びγ−ブチロラクトンと触媒液を分
離し、触媒液は触媒容器に戻すが、反応開始7日後より
そのうちの一部の流れとして8.67g/時の流量で触
媒液を抜出し、抜出し触媒容器4に保存した。又、抜出
し触媒液の組成は以下の通りであった。
【0016】無水コハク酸+コハク酸 7重量%
γ−ブチロラクトン 1重量%
トリグライム 33重量%
高沸点物質 60重量%
Ru濃度 160ppm
この方法で1ヶ月間連続運転を行った。その後、反応
器、気液分離器、蒸留塔の缶出部を点検したところ、黒
色の付着物が観測された。この付着物の主成分はRuで
有り、乾燥させると煙を出して赤熱した。また、反応器
内に備え付けたバッフルにも、黒色の発火性物質が付着
していた。
器、気液分離器、蒸留塔の缶出部を点検したところ、黒
色の付着物が観測された。この付着物の主成分はRuで
有り、乾燥させると煙を出して赤熱した。また、反応器
内に備え付けたバッフルにも、黒色の発火性物質が付着
していた。
【0017】(ドライアイスブラストによる除去)発火
を防ぐため、バッフルの表面を水によりウエットな状態
とした後、ASCO社のドライアイスブラスターを使用
し、付着物の除去を行ったところ簡単に付着物を除去す
る事ができた。バッフルから除去された付着物は、回り
を囲んだビニールシート上に落下し、容易に回収するこ
とができた。また、バッフルの表面も除去した付着物も
0℃近くまで温度が下がっているため、空気中の水分結
露の効果もあり、ウエットなままであった。
を防ぐため、バッフルの表面を水によりウエットな状態
とした後、ASCO社のドライアイスブラスターを使用
し、付着物の除去を行ったところ簡単に付着物を除去す
る事ができた。バッフルから除去された付着物は、回り
を囲んだビニールシート上に落下し、容易に回収するこ
とができた。また、バッフルの表面も除去した付着物も
0℃近くまで温度が下がっているため、空気中の水分結
露の効果もあり、ウエットなままであった。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、発火性付着物質の発火
の危険性を低減させて剥離除去するとともに、容易に回
収することができ、安全で効率的な作業が可能となる。
の危険性を低減させて剥離除去するとともに、容易に回
収することができ、安全で効率的な作業が可能となる。
【図1】実施例1で用いたプロセスのフローを示す図で
ある。
ある。
1 気液分離器
2 蒸留塔
3 触媒容器
4 抜出し触媒容器
5 新触媒容器
6 水素圧縮機
7 原料容器
8 反応器
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 井口 博文
岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化学
株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 プラント内部に付着した発火性物質を除
去し回収する方法において、発火性物質とそれを取り巻
く気体との間に液状膜を設けた後、ドライアイスの粒子
を発火性物質の付着箇所にブラストして、付着した発火
性物質を除去することを特徴とする、発火性付着物質の
除去回収方法。 - 【請求項2】 発火性物質の付着するプラント内部が、
プラント運転時に金属を含む触媒成分が存在する部分で
あることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 触媒成分が、還元作用を有するものであ
ることを特徴とする、請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】 発火性付着物質が、第8族の金属を含有
することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に
記載の方法。 - 【請求項5】 第8族の金属が、Rh、Pd、Pt、C
o、Ni又はRuであることを特徴とする、請求項4に
記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001291374A JP2003047862A (ja) | 2001-06-01 | 2001-09-25 | 発火性付着物質の除去回収方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-167132 | 2001-06-01 | ||
JP2001167132 | 2001-06-01 | ||
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