JP2003047814A - ミストセパレータ及びその運転方法 - Google Patents
ミストセパレータ及びその運転方法Info
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Abstract
除去する装置において,装置自体の洗浄を容易にする。 【解決手段】 気密に構成された本体2内の上部に充填
材11が設けられ,充填材11の上方にはエリミネータ
12が配置され,充填材11とエリミネータ12の間に
は散水ノズル13が位置する。フィラーFからのビール
ミストを含んだ炭酸ガスは,流入口21から本体2内に
流入し,充填材11で散水ノズル13から噴霧された清
水と気液接触されビールミストが除去される。除去され
たガス中の水分はエリミネータ12によって除去された
後排気口3から排出される。洗浄時には,フィラーFで
使用した洗浄水が流入口21から本体2内に流入して本
体2内の洗浄が行われる。
Description
におけるビールや炭酸飲料の充填,充填後の巻き栓工程
が行われる場所で使用するのに適したミストセパレータ
及びその運転方法に関するものである。
は,出来上がったビール等を缶や瓶に充填する充填工程
においてフィラーと呼ばれる充填機が使用され,その後
缶を閉栓する際に用いるシーマーと呼ばれる巻き栓機が
使用されている。
よる飛沫や炭酸ガスの放散を生じ,またシーマーについ
ては,特に缶に蓋をするときに泡が出るだけでなく,缶
のまわりの泡を吹き飛ばすため炭酸ガスを吹き付けてい
るため,これらの機械が設置されている室内は,主にフ
ィラーとシーマーから排出される炭酸ガスとビールミス
ト分が漂い快適な室内環境ではなかった。そこで,フィ
ラーとシーマーから炭酸ガス,ビールミスト及びビール
ドレン分の出口をそれぞれ集約し,専用の経路を通して
ミストセパレーターで除去して室外から排出することが
考えられる。
64号公報には,半導体製造設備の廃ガス処理装置が開
示されており,半導体製造装置からの排ガスを気液接触
で処理するにあたり,腐食性ガスの成分を含むミスト・
凝縮水による排気ダクトの腐食を避けるべく,空気など
を気液接触部とデミスタとの間に導くようにしたものが
提案されている。
来技術は,別途外部ガス導入手段を設ける必要があり,
構造が複雑になるなど,必ずしも満足できるものではな
かった。また機器内部の洗浄については構造上非常な手
間を必要としていた。本発明はかかる点に鑑みてなされ
たものであり,簡易な構造でかつ本体自体の洗浄も容易
なミストセパレータを提供することをその目的としてい
る。
め,本発明のミストセパレータは,気密に構成された本
体内の上部に設置された気液接触部材と,気液接触部材
の上方に設置されたミスト除去部材と,気液接触部材と
ミスト除去部材との間に設けられて,前記気液接触部材
に向けて散水する散水ノズルとを有し,本体の下方には
処理対象気体及び洗浄液を本体内に流入するための流入
口が形成され,当該流入口の下方には排水口が形成さ
れ,気液接触部材の上方には排気ファンに通ずる排気口
が形成され,前記排水口又は排水口からの排水経路に
は,開度調整自在な弁が設けられたことを特徴としてい
る。
内は負圧となっており,流入口から本体内に流入した処
理対象気体は本体内を上昇する。そして気液接触部材に
向けて散水される水や多孔板から落下する水滴との気液
接触によって処理対象気体中のミストは除去され,本体
の下方に落下して排水口から排出される。またミスト分
が除去された気体は,ミスト除去部材によって水分が除
去され排気口から本体外に排出される。なお散水ノズル
から散水する液体は,処理対象気体中のミストや汚染物
質を除去するという目的から,純水や清水が適してい
る。しかしコストの面を考えれば,水道水や砂等で濾過
し塩素消毒することによって井水でも本発明に採用でき
る。なお気液接触部材としては,後述の実施の形態で示
したような充填材の他に,細孔を多数穿設した多孔板や
メッシュを間隔を空けて積層したものを使用することが
できる。
閉鎖して流入口から洗浄液を本体内に流入させ,一定量
本体内に貯留させることで本体内の壁面もむらなく洗浄
することが可能である。このとき水位計を設ければ,洗
浄液の液面が散水ノズルに接触することを未然に防止す
ることができる。散水ノズルのノズル口を閉鎖する弁を
設ければ,散水ノズルから洗浄液がノズル内に流れ込む
ことを防止できる。
又は排水トラップを設けることで,負圧の本体内に排水
口から排水系内の汚染空気が本体内に流入することを防
止できる。また排水口又は排水口からの排水経路に設け
る逆止弁がフロートトラップである場合には,処理対象
気体が大気圧を超えた圧力をもったガスの場合に,排水
口に当該ガスがそのまま流れ出ることが防止できる。
を排出する機器を洗浄する際の洗浄済み洗浄液の排出口
と前記流入口とを接続することで,本体内の洗浄用の洗
浄液を別途確保する必要はない。そして前記機器内の洗
浄時には,前記排気ファンを停止すると共に,前記機器
の洗浄に使用した洗浄液を本体内に流入させて本体内の
所定高さまで貯留して本体内を洗浄する。これによって
本体内をくまなく洗浄することができる。また洗浄後,
前記機器の乾燥時には,排気ファンを停止すると共に,
前記散水ノズルから散水することによって洗浄液を洗い
流して本体内を洗浄することができると共に,第1の多
孔板の洗浄も可能である。また機器の洗浄液に高温の洗
浄液が使用された場合には本体も高温となるが,散水ノ
ズルから散水させることで本体内を冷却するという作用
も得られる。
態について説明すると,図1は,本実施の形態にかかる
ミストセパレータ1の外観を示しており,図2はその内
部構造を示している。
した筒状であり,全体として気密に構成されている。本
体2の底部にはドレン管3が接続され,上部の天板付近
には,排気口3が形成されている。排気口3には,図3
に示したように,排気ファン4に通ずる排気管5が接続
されている。
填材11が設置されている。充填材11は,ステンレス
鋼など耐熱性のある材質からなる波板を縦に配置し,か
つ水平方向に多数並設した構成を有している。その他ス
テンレス鋼など耐熱性のある材質からなるメッシュを複
数積層した構造のものを使用してもよい。また充填材1
1の上方には,ミスト除去部材としてエリミネータ12
が設けられている。このエリミネータ12は,ステンレ
ス鋼など耐熱性のある材質からなる板材に,多数の孔を
形成し,これを多段に積層した構成を有している。また
積層する際には,側面断面から見て孔がいわゆる千鳥に
配置され,平面から見て孔同士が重なり合わないように
配設されている。
は,散水ノズル13が配置されている。この散水ノズル
は,処理対象空気中の汚染ミストを除去するための吸収
液,たとえば清水や純水を充填材11に向けて噴霧する
ように構成され,たとえばスプレーノズル構成を有して
いる。
ており,さらにこの流入口21の下方には,排水口22
が形成されている。流入口21には,フィラーFのスニ
フトと呼ばれる排出管23が先下がり勾配をつけて接続
されており,フィラーFから排出されるビールミストを
含有する大気圧より高い圧力を持った炭酸ガスがこの流
入口21から本体2内に流入するようになっている。ま
た排出管23からは,フィラーF内を洗浄した後の洗浄
液も排出するようになっている。
フロート式トラップ(図示せず)を内蔵した弁箱25が
取り付けられている。したがって,流入口から大気圧を
超えるガスが本体内に流入しても,排水口22から排水
管24へと流れ出ない。
口22との間には,水位計であるシートルケージ26が
設けられており,本体1内における充填材11下面側の
水位を測定することが可能になっている。
は,以上の構成を有しており,その設置,運転例につい
て説明する。図3は,ビールの生産工場におけるフィラ
ー室Rの室内の様子を示しており,フィラー室R内に
は,フィラーFとシーマーSとが設置されている。また
フィラー室Rには,給気管31,給気口32から空調空
気が室内に供給され,天井に形成された排気口33,排
気管34を通じて室内の排気がなされる。
各排出管23には,ミストセパレータ1が接続されてい
る。なおシーマーSに接続されるミストセパレータ1
は,弁箱25内に逆止弁が内蔵されたものを使用してい
る。
は,排気ファン4が作動し,ミストセパレータ1の本体
2内は負圧になる。また散水ノズル13からは吸収液,
例えば清水が充填材11に向けて噴霧される。この状態
でフィラーFの排出管23からは,0.1〜0.2MP
a程度の圧力をもち,ビールミストやビールドレンが混
入した処理対象気体としての炭酸ガスが,流入口21か
ら本体内に流入する。
し,充填材11のところで気液接触が行われ,ビールミ
ストやビールドレン等は清水のミストや水滴中に除去さ
れて,落下し,排水口22から外部に排出される。一
方,ビールミスト等が除去された後の炭酸ガスは,その
まま上昇してエリミネータ12に衝突して,水分が除去
された後,排気口3,排気管5から室外に排出される。
は,定期的に内部が高温,たとえば85℃〜90℃の洗
浄液によって洗浄される。洗浄した後の洗浄液は排出管
23からフィラーFやシーマーSの外に排出される。し
たがって,フィラーFやシーマーSの洗浄の際には,前
記洗浄液がミストセパレータ1の本体2内にも流入する
ことになる。洗浄液としては,たとえば食品工場用酸性
洗浄液,食品工場用アルカリ性洗浄液が使用される。
ズル13からの散水も停止させる。ここで弁箱25内に
内蔵されているフロートに阻止されて,流入する洗浄液
の全量は排出されず,フィラーFやシーマーSから本体
2内に流入した洗浄水は本体2内に一定の水位を保った
まま本体2内の壁面等を洗浄する。このとき水位計26
によって本体2内の水位を確認することができ,フィラ
ーFやシーマーS,あるいはそれらとミストセパレータ
を連結する配管に設けたバルブ等の流量調整手段を制御
することで,洗浄液が散水ノズル13内に侵入すること
を防止することができる。この場合,散水ノズル13に
ノズル口を閉鎖可能な弁を設けるとたとえ洗浄液の水位
が散水ノズル13よりも高い位置にまで上昇しても,そ
のような散水ノズル13への逆流を防止することがで
き,また本体2内の壁面のみならず,充填材11の洗浄
も同時に実施することができる。
と,通常乾燥工程に入り,フィラーFやシーマーSの作
動を停止すると共に,フィラー室R内に所定温度(たと
えば55℃程度)の乾燥空気が供給される。このとき,
ミストセパレータ1では,排気ファン4が停止され。散
水ノズル13からの散水が開始される。
の洗浄にあたっては,高温の洗浄液が使用され,当該高
温の洗浄液をそのままミストセパレータ1においても本
体の洗浄用に使用したため,本体2内は高温になってい
る。したがってそのまま稼働させると,ビールミストが
凝縮しづらい。そこで散水ノズル13から15℃程度の
清水,たとえば砂濾過して塩素消毒した井水を噴霧する
ことで本体2内を冷却することができ,また充填材11
を初めとして,残留洗浄液をも洗い流すことができる。
トセパレータ1によれば,全体として簡易な構造で,フ
ィラーFやシーマーSから排出されるビールミストを含
んだガスから,ビールミストを気液接触によって効率よ
く除去すると共に,除去後の気体からさらに水分を除去
した後,排気口13から排出することが可能である。
ことが可能であり,当該洗浄液もフィラーFやシーマー
Sを洗浄して排出されたものをそのまま使用することが
できる。したがって,本体2内の洗浄が極めて容易であ
り,しかも格別専用の洗浄液や洗浄用の配管を施工する
必要がなく,イニシャルコスト,ランニングコストを低
廉に抑えることが可能である。そして高温の洗浄液を用
いて洗浄した後は,本体2内を冷却させることができる
ので,次の運転に当たってビールミストの凝縮を阻害す
ることはない。
ても,弁箱25内に設けられているフロートトラップな
どの逆止手段によって排水管24内に当該ガスが侵入す
ることはない。また逆止弁を設けている場合には,逆に
排気管24内の気体を本体2内に吸引してしまうおそれ
はない。
メッシュを採用しているので,高温の洗浄液を用いても
変形はなく,耐久性も良好である。
タ1を用いた実験結果について説明する。実験は,フィ
ラーFの排出側にガラス管の一端部を挿入し,排出され
るガスをポンプで吸引して純水を貯留している気密な吸
収瓶の吸収液中に排出し,当該吸収液中の糖分を測定
し,糖分含有量を算出した。同様にシーマーSの排出側
にテフロン(登録商標)管の一端部を挿入し,排出され
るガスをポンプで吸引して純水を貯留している気密な吸
収瓶の吸収液中に排出し,当該吸収液中の糖分を測定し
た。一方ミストセパレータ1の排気側にも同様に,ガラ
ス管,テフロン管を挿入して,吸収液中の糖分含有量を
算出した。これらを各々2回実施した。なお供試体Aは
発泡酒A,供試体Bは発泡酒Bである。
ラー入り口」とあるのは「フィラーミストセパレータ入
口」,「フィラー出口」とあるのは「フィラーミストセ
パレータ出口」,「シーマー入り口」とあるのは「シー
マーミストセパレータ入口」,「シーマー出口」とある
のは「シーマーミストセパレータ出口」を表している。
また「1本目」,「2本目」とあるのは吸収瓶を2本直
列に配置して,吸収瓶の一本目吸収瓶中の吸収液を経た
ガスをさらに2本目の吸収瓶中に排出してからポンプで
吸引するという字特権構成を採った際の,各々「1本目
の吸収瓶」,「2本目の吸収瓶」ということを示してい
る。これからわかるように,フィラーについては70%
以上の高い吸収効率が得られ,シーマーについても50
%以上の吸収効率が得られた。
におけるフィラー,シーマーの排出気体についての処理
であったが,これに限らず本発明は,半導体製造装置・
金属切削工作機械から排出されるガス状不純物,有害ガ
ス,オイルミストの処理にも適用できる。ただし後二者
では洗浄後の排水の無害化処理が必要となる。
ト・炭酸ガスの排出口と洗浄水の排出口が兼用となって
いる場合は,前記実施の形態で示したように,これら機
器の排出口とミストセパレータの流入口とをそのまま配
管接続すればよいが,両者が別の排出口となっている場
合には,それぞれの排出管から弁手段をもって切り替え
るように構成すればよい。そうすることで保守員による
清掃その他の保守等が容易にある。
気体中のミストを除去すると共に,除去後の気体中の水
分を除去して本体外に排出することができる。しかも本
体内の洗浄も容易である。
の外観を示す斜視図である。
の側面断面図である。
が設置されたフィラー室の側面断面図である。
の洗浄時における側面断面図である。
形態にかかるミストセパレータの側面断面図である。
の除去効率の実験結果を示す図表である。
Claims (6)
- 【請求項1】 気密に構成された本体内の上部に設置さ
れた気液接触部材と,この気液接触部材の上方に設置さ
れたミスト除去部材と,前記気液接触部材とミスト除去
部材との間に設けられて,前記気液接触部材に向けて散
水する散水ノズルとを有し,本体の下方には処理対象気
体及び洗浄液を本体内に流入するための流入口が形成さ
れ,当該流入口の下方には排水口が形成され,気液接触
部材の上方には排気ファンに通ずる排気口が形成され,
前記排水口又は排水口からの排水経路には,開閉自在な
弁が設けられたことを特徴とする,ミストセパレータ。 - 【請求項2】 本体内における少なくとも前記気液接触
部材近傍の高さまでの水位を測定する水位計を有するこ
とを特徴とする,請求項1に記載のミストセパレータ。 - 【請求項3】 前記散水ノズルには,ノズル口を閉鎖自
在な弁が設けられていることを特徴とする,請求項1又
は2に記載のミストセパレータ。 - 【請求項4】 排水口又は排水口からの排水経路に逆止
弁が設けられていることを特徴とする,請求項1又は2
に記載のミストセパレータ。 - 【請求項5】 排水口又は排水口からの排水経路にフロ
ートトラップが設けられていることを特徴とする,請求
項1又は2に記載のミストセパレータ。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のミスト
セパレータの運転方法であって,処理対象気体を排出す
る機器を洗浄する際の洗浄済み洗浄液の排出口と前記流
入口とを接続し,前記機器内の洗浄時には,前記排気フ
ァンを停止すると共に,前記機器の洗浄に使用した洗浄
液を本体内に流入させて本体内の所定高さまで貯留して
本体内を洗浄し,前記機器の乾燥時には,前記排気ファ
ンを停止すると共に,前記散水ノズルから散水すること
を特徴とする,ミストセパレータの運転方法。
Priority Applications (1)
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JP2001235843A JP5031955B2 (ja) | 2001-08-03 | 2001-08-03 | ミストセパレータの運転方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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