JP2003047338A - キノコ子実体栽培用培地又は培養基、およびキノコ菌糸体増殖用培地又は培養基、それを用いたキノコ子実体栽培方法およびキノコ菌糸体培養方法 - Google Patents

キノコ子実体栽培用培地又は培養基、およびキノコ菌糸体増殖用培地又は培養基、それを用いたキノコ子実体栽培方法およびキノコ菌糸体培養方法

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JP2003047338A
JP2003047338A JP2001235991A JP2001235991A JP2003047338A JP 2003047338 A JP2003047338 A JP 2003047338A JP 2001235991 A JP2001235991 A JP 2001235991A JP 2001235991 A JP2001235991 A JP 2001235991A JP 2003047338 A JP2003047338 A JP 2003047338A
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Satoru Unoki
悟 宇野木
Masashi Ando
正志 安藤
Yuji Kawate
雄二 川手
Giichi Hayashi
儀一 林
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MORI SANGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】キノコ栽培における新規な培地又は培養基を提
供するとともに、特徴あるキノコが収穫できる栽培技術
を提供する。また、キノコ菌糸体培養における新規な培
地又は培養基を提供するとともに、特徴あるキノコ菌糸
体が得られる培養技術を提供する。 【解決手段】従来は廃棄処分されていた、医薬品素材や
栄養補助素材、健康訴求素材、嗜好性素材、食薬品原料
・中間体などを発酵により得る生産における発酵副産
物、つまり目的とする成分を分取した後の菌体や培地な
どの残渣、あるいはその加工物を再利用し、キノコ子実
体栽培およびキノコ菌糸体培養における安価な培地又は
培養基のすべて、あるいは一部として配合することを特
徴とする。さらに、このような発酵副産物には発酵生産
目的であった成分が残留しているものがあり、その成分
が移行することによって他とは差別化されたキノコ子実
体あるいはキノコ菌糸体を得ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キノコ子実体栽培
用培地又は培養基およびそれを用いたキノコ子実体栽培
方法、またキノコ子実体栽培用培地又は培養基に含まれ
る成分が移行することによって得られる高付加価値のキ
ノコ子実体、およびその栽培方法に関するものである。
さらに本発明は、キノコ菌糸体増殖用培地又は培養基お
よびそれを用いたキノコ菌糸体培養方法、またキノコ菌
糸体増殖用培地又は培養基に含まれる成分が移行するこ
とによって得られる高付加価値のキノコ菌糸体、および
その培養方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食用キノコの人工栽培は古くから行われ
ており、近年はブナシメジ、ヒラタケ、エノキタケ、ナ
メコなどの栽培においてオガクズに米糠等の栄養源を配
合した培養基を用いて、ビンなどで栽培を行う菌床人工
栽培法が確立され、1年を通じて安定してキノコが収穫
できるようになってきた。この中で、多くの栄養源が考
案され、その大部分が米糠、フスマ、コーンブランなど
の穀物由来のもので、例外的に飲食物であるビールの製
造酵母や排水処理の余剰酵母の応用が試みられている
が、コスト面で一般的な実用化には至っていない(特開
平5-284852、廃棄物学会第5回研究報告会講演論文集(1
994年))。
【0003】また、キノコ菌糸体の培養も古くから行わ
れており、近年は健康志向の高まりから多くの商品が上
市されている。その培養方法として、細菌などで広く行
われている液体培養法や、食用キノコの人工栽培にも共
通する固形培養法が採用されている。一方、発酵による
医薬品素材や栄養補助素材、健康訴求素材、嗜好性素
材、食薬品原料・中間体などの生産において、発酵生産
目的とする成分を分取した後の菌体、培地などは廃棄処
分や排水処理されることがほとんどであり、生産コスト
を圧迫している上、環境負荷軽減を求める社会情勢との
間に大きな意識差がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】こうした背景の中で、
キノコ生産者は常に安価、増収効果、付加価値によるキ
ノコの差別化を強く求め、キノコ消費者も差別化された
キノコを訴求している。また、キノコ菌糸体培養におい
ても、コストダウンや付加価値造出が求められている。
一方、発酵生産を行う事業者はコスト削減に加え、環境
負荷軽減への取組みに繋がるため、発酵残渣などの有効
的な再利用を強く求めている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために鋭意検討を重ねた結果、従来は廃棄処分さ
れていた、医薬品素材や栄養補助素材、健康訴求素材、
嗜好性素材、食薬品原料・中間体などの発酵生産におけ
る発酵副産物、つまり発酵生産目的として得られた成分
を分取した後の菌体や培地などの残渣、あるいはその加
工物を、キノコ子実体栽培あるいはキノコ菌糸体培養に
おける安価な培地又は培養基として再利用できることを
見出した。さらに、このような発酵副産物には発酵生産
目的とする成分が残留しているものがあり、その成分が
移行することによって他とは差別化された高付加価値の
キノコ子実体あるいはキノコ菌糸体が得られることも見
出し、本発明の完成に至った。
【0006】発酵で得られる医薬品素材や栄養補助素
材、健康訴求素材、嗜好性素材、食薬品原料・中間体な
どの対象物質は、抗生物質、酵素・補酵素、酵素阻害
剤、細胞機能制御物質、免疫調節物質、生物生活環調節
物質、ホルモン類、ビタミン類、アルカロイド類、有機
酸、糖質(単糖、オリゴ糖、多糖類など)、タンパク
質、アミノ酸、核酸、脂質、ポリフェノール類など、さ
らにはそれらの複合物である。その他、発酵で得られる
ものとしては、セルロース、乳化剤、ステロールエステ
ル、高分子ポリマー、農薬、エネルギー(水素、メタン
など)、バイオマスなどがある。さらに、発酵生産のた
めの培地原料、発酵効率を上げるためにミネラルなどの
微量成分が添加されていることから、発酵副産物である
菌体や培地などの残渣に残留している場合も多い。一例
としては、ビタミンB12の生産能を有するPropioniba
cter属やPseudomonas属等による発酵生産後の廃菌体に
ビタミンB12が残留するような場合が挙げられる。
【0007】発酵副産物の形態としては、液体状態でも
固形状態でも構わないが、固形状態として菌体を分取す
る場合には、培養液と菌体を速やかに分離する方法とし
て、有機膜分離器、セラミック分離器等を使用するフィ
ルタープレスを利用したケイ藻土濾過法、精密濾過法、
セラミック濾過法や回分型遠心分離器、連続遠心分離器
等を使用する遠心分離法等が挙げられる。また、その加
工物として乾燥物を得る場合には、発酵副産物を乾燥す
る方法として、乾熱乾燥法、熱風乾燥法、直接加熱法、
高周波加熱法、赤外線加熱法、流動層乾燥法、撹拌式乾
燥法、減圧乾燥法、真空凍結乾燥法、噴霧式乾燥法、造
粒乾燥法、除湿式乾燥法、乾燥物混釈法等が挙げられ
る。
【0008】本発明のキノコ子実体栽培用培地又は培養
基とは、キノコ子実体の収穫を目的とする培地又は培養
基を指し、保水性粉粒体と発酵副産物(あるいはその加
工物、一例として乾燥物)を混合したもの、乃至は発酵
副産物(あるいはその加工物)単体からなる。また、栽
培途中でこの培養基に発酵副産物(あるいはその加工
物)を追加混合することも可能である。ここで保水性粉
粒体とは、保水性を有する培養基材であって、キノコ菌
床人工栽培において通常用いられる針葉樹オガクズ、広
葉樹オガクズあるいはコーンコブの粉砕物が代表的なも
のであり、その他のセルロース系物質、ヘミセルロース
系物質、リグニンなど、またモミガラ、綿実挽殻、バガ
ス、コットンリンターなども一例として挙げられる。
【0009】また、発酵副産物(あるいはその加工品)
に対して、一般にキノコの培養や栽培に用いられている
素材、資化しうる炭素源及び窒素源を適当量含有せしめ
ておくことも可能である。この炭素源及び窒素源につい
ては特に制限はないが、その例としては、窒素源として
は穀物をはじめ、米糠、フスマ、コーンミール、コーン
コブ、コーングルテンミール、コーンスチープリカー、
コーンブラン、大豆粉、ソイビーンミール、カザミノ
酸、酵母エキス、ファーマメディア、フィッシュミー
ル、肉エキス、ペプトン、ハイプロ、アジパワー、コー
ヒー粕、綿実油粕、カルチベーター、アミフレックスお
よびアジプロン、ゼスト、アジックス等が挙げられる。
また、炭素源としては穀物をはじめ、資化しうる炭素
源、例えばアラビノース、キシロース、グルコース、マ
ンノース、フラクトース、ガラクトース、蔗糖、麦芽
糖、乳糖、ソルビトール、マンニトール、イノシトー
ル、グリセリン、可溶性澱粉や廃糖蜜、転化糖、セルロ
ース等の多糖類、木片等、また資化しうる有機酸、例え
ば酢酸等が挙げられる。また、その他、リン酸、Mg2+、
Ca2+、Mn2+、Zn2+、Co2+、Na+、K+等の無機塩や、必要
であれば、無機、有機微量栄養源を培地中に適宜添加す
ることもできる。
【0010】本発明のキノコ菌糸体増殖用培養基とは、
キノコ菌糸体を得るための増殖用培養基(液体・固形)
又は種菌作成を目的とする種菌用培養基を包含するもの
を指し、上記したキノコ栽培用培養基と同じものからな
り、また、増殖用培地も同様であるが、上記した成分を
含む液体培地を用いることもでき、寒天添加などによる
表面培養、フラスコなどによる振とう培養、タンクなど
による深部培養などによってキノコ菌糸体を得ることが
できる。なお、キノコ菌糸体の分取や乾燥方法について
は、上記した発酵副産物として菌体を分取する方法、ま
た発酵副産物を乾燥する方法を用いることができる。
【0011】キノコの培養や栽培において、目的とする
キノコ菌糸体あるいは組織、種菌を適当な培地に接種
し、常法にしたがって培養すればよい。キノコの人工栽
培法およびキノコ菌糸体培養法において対象となるキノ
コは、食用・薬用などのために栽培・培養されるキノコ
類であればその種類を問わず、代表的には、ヒラタケ、
マイタケ、エノキタケ、シイタケ、ナメコ、ブナシメ
ジ、ホンシメジ、エリンギ、ヒメマツタケ(アガリク
ス)、マンネンタケなどを挙げることができる。
【0012】既に挙げた発酵副産物あるいはその加工物
をすべてあるいは一部を用いた培地に、キノコ菌糸体を
接種し、常法に従って培養を行うと、発酵副産物に残留
している発酵生産目的とした成分が、キノコ菌糸体に移
行することで、高付加価値が付与される。一例として
は、先に示したビタミンB12の例で説明すると、ビタ
ミンB12は悪性貧血を予防する上で重要なビタミンで
あり、このビタミンは一般には動物性の食品にしか含ま
れていないことから、ビタミンB12が移行すること
で、そのキノコに高付加価値が付与されることになる。
【0013】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明は何らこれに限定されるものではない。 実施例1:U.S.Pat.3043750に記載されている方法に準
拠した方法、すなわちPropionibacterium shermanii AT
CC13673を用い、Casamino acids(Difco社製) 0.65%、Na
H2PO4・2H2O 0.16%、K3PO4 0.16%、MgCl2・6H2O 0.04%、F
eSO4・7H2O 0.001%、CoSO4・7H2O 0.0012%、パントテン酸
Na 0.0004%(パントテン酸として算出)、ビオチン 0.000
03%、グルコース 1%の組成培地(pH6.6、HCl/NaOHで調
整)10Lを用意し、前記培地にYeast extract(Difco社
製) 0.5%添加した培地で30℃、4日間培養した培養液1
Lを種菌として植菌、30℃、培養期間中pH6.6に調整、
さらに50%グルコース液をグルコース濃度が0.5%を下回
らないように添加することによって常に1.0%程度となる
ように供給し、窒素ガス供給による嫌気下で5日間培養
する。さらに、10% 5,6-Dimethylbenzimidazole EtOH溶
液(70%EtOH) 2mLを添加して7日間培養を継続する。こ
の培養液を遠心分離するとビタミンB12を含む湿菌体28
0gが得られ、これを0.01%Na2SO3水溶液1Lに懸濁し、p
H6.0、90℃で20分間熱処理した後に放冷して遠心分離を
行う。この抽出作業を計4回繰り返すと、ビタミンB12
200mgを含む溶液と湿菌体残渣 280gを分取することが
でき、この湿菌体残渣を減圧乾燥すると乾燥廃菌体 45g
が得られる。この乾燥廃菌体には0.1mg/gのビタミンB1
2が残留している。
【0014】菌床用として市販されているオガクズに、
(実施例)栄養源としてビタミンB12乾燥廃菌体を乾重
比で10%混合したもの、(実施例)栄養源としてキノゲ
ンS(明治製菓株式会社)を乾重比で20%とビタミンB
12乾燥廃菌体を乾重比で5%を混合したもの、及び(対
照例)栄養源として前記のキノゲンSを乾重比で25%
を混合し、水分を60%程度に調製したものを、通気フィ
ルター付きの菌床用袋(ミキパック MT-S25B、(有)三鬼
産業)に入れ、121℃、1時間で高圧蒸気殺菌する。冷
却後にシイタケ種菌を無菌的に加え、20〜25℃で培養す
る。この培養期間は品種により異なるが、JMS KV-92
(明治製菓株式会社、以下の品種も同じ)であれば60〜
90日間、JMS 5K-16 およびJMS 9K-4であれば90〜120日
間培養する。培養終了後に袋から中身を取り出し(以
下、菌床と呼ぶ)、15〜20℃、90%RH以上で管理するこ
とにより、シイタケ子実体を得ることができる。菌床仕
込み重量2.5kg、4回発生の場合の発生量、シイタケ子
実体中のビタミンB12含有量の代表例を表1に示した。
【0015】また、ナメコ(早生、明治製菓株式会
社)、ヒラタケ(早生、明治製菓株式会社)、マイタケ
(組織分離菌、雪国まいたけ市販品)、エリンギ(組織
分離菌、ホクト産業市販品)、ヒメマツタケ(Agaricus
blazei、中国栽培品から組織分離)については、「き
のこハンドブック(朝倉書店(2000年))」に準拠し、培地
の一部をビタミンB12発酵残渣に代替、すなわちヒメマ
ツタケ以外は使用する米糠(菌床仕込み容積比として、
オガクズ10に対して米糠1を使用)の乾燥重量比で全
量あるいは半量を代替する栽培を行い、またヒメマツタ
ケは使用する尿素(堆肥仕込み重量比として、馬糞40
および牧草20に対して尿素1を使用)の乾燥重量比で
全量あるいは半量を代替する栽培を行い、キノコ発生量
が同等であることを確認した。
【0016】
【表1】
【0017】実施例2:菌糸体培養としては、GPY培
地、すなわちグルコース 5%、ポリペプトン(日本製薬株
式会社製) 0.25%、Yeast extract(Difco社製) 0.25%、K
H2PO4 0.10%、MgSO4・7H2O 0.05%、CaCl2 0.05%、FeCl2
0.001%、MnCl2・4H2O 0.0008%、ZnCl2 0.0004%、CuSO2
0.0001%の組成 (pH5.0、HCl/NaOHで調整)で、培養温度
は好ましくは25℃以下、より好ましくは15〜23℃であ
り、通常1〜4日間で、通気攪拌培養や振盪培養、ある
いは通気フィルターによる好気環境を維持させた静置培
養等の好気条件によって実施できることが挙げられる
が、これらの条件に限定されるものではない。これらの
代表例として、シイタケ(JMS KV-92、明治製菓株式会
社)、ナメコ(早生、明治製菓株式会社)、ヒラタケ
(早生、明治製菓株式会社)、マイタケ(組織分離菌、
雪国まいたけ市販品)、エリンギ(組織分離菌、ホクト
産業市販品)、ヒメマツタケ(Agaricus blazei、中国
栽培品から組織分離)を用い、(対照例)上記GPY培地
と(実施例)GPY培地のポリペプトンとYeast extractを
0.2%とし、新たに実施例1のビタミンB12発酵残渣を0.
1%添加した培地で、22℃、4日間、坂口フラスコ(500ml
容、100ml仕込み)で往復振盪培養による菌糸体生成量と
菌体中のビタミンB12量を表2に示した。なお、実施例
1及び2におけるビタミンB12量は、一般的なバイオア
ッセイであるLactobacillus leichmannii ATCC4797の増
殖度により測定した。
【0018】
【表2】
【0019】実施例3:Penicillium chrysogenum ATCC
10002を用いたペニシリン生産において、乳糖 2%、コー
ンスティープリカー 2%、Yeast extract(Difco社製) 0.
2%の組成 (pH6.0、HCl/NaOHで調整)で、培養中にペニシ
リンG変換によって枯渇しないように適宜無菌的にフェ
ニル酢酸を添加し、24℃、2日間通気攪拌培養を行った
場合、800〜3000U/ml程度の力価の培養液を得ることが
でき、廃菌体10〜50mg-DM/mlが排出される。菌床用とし
て市販されているオガクズに、(実施例)栄養源として
ペニシリン発酵残渣を乾重比で10%混合したもの、(実
施例)栄養源としてキノゲンS(明治製菓株式会社)
を乾重比で20%とペニシリン発酵残渣を乾重比で5%を
混合したもの、及び(対照例)栄養源として前記のキノ
ゲンSを乾重比で25%を混合し、水分を60%程度に調整
したものを、通気フィルター付きの菌床用袋(ミキパッ
ク MT-S25B、(有)三鬼産業)に入れ、121℃、1時間で
高圧蒸気殺菌する。冷却後にシイタケ種菌を無菌的に加
え、20〜25℃で培養する。この培養期間は品種により異
なるが、JMS KV-92(明治製菓株式会社、以下の品種も
同じ)であれば60〜90日間、JMS 5K-16 およびJMS 9K-4
であれば90〜120日間培養する。培養終了後に袋から中
身(以下、菌床と呼ぶ)を取り出し、15〜20℃、90%RH
以上で管理することにより、シイタケ子実体を得ること
ができる。菌床仕込み重量2.5kg、4回発生の場合の発
生量の代表例を表3に示した。なお、ペニシリンは菌床
仕込み時の殺菌により完全に失活した。
【0020】また、ナメコ(早生、明治製菓株式会
社)、ヒラタケ(早生、明治製菓株式会社)、マイタケ
(組織分離菌、雪国まいたけ市販品)、エリンギ(組織
分離菌、ホクト産業市販品)、ヒメマツタケ(アガリク
ス、中国栽培品から組織分離)については、「きのこハ
ンドブック(朝倉書店(2000年))」に準拠し、培地の一部
をペニシリン発酵残渣に代替、すなわちヒメマツタケ以
外は使用する米糠(菌床仕込み容積比として、オガクズ
10に対して米糠1を使用)の乾燥重量比で全量あるい
は半量を代替する栽培を行い、またヒメマツタケは使用
する尿素(堆肥仕込み重量比として、馬糞40および牧
草20に対して尿素1を使用)の乾燥重量比で全量ある
いは半量を代替する栽培を行い、キノコ発生量が同等で
あることも確認した。
【0021】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川手 雄二 埼玉県坂戸市千代田5−3−1 明治製菓 株式会社生物科学研究所内 (72)発明者 林 儀一 岐阜県本巣郡北方町北方2890 明治製菓株 式会社岐阜工場内 Fターム(参考) 2B011 AA01 AA02 AA03 AA04 BA05 GA04

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】医薬品素材や栄養補助素材、健康訴求素
    材、嗜好性素材、食薬品原料・中間体の発酵生産におい
    て、発酵生産目的とした成分を分取した後の発酵副産
    物、あるいはその加工物を、すべてあるいは一部として
    配合することを特徴とする、キノコ子実体栽培用培地又
    は培養基。
  2. 【請求項2】医薬品素材や栄養補助素材、健康訴求素
    材、嗜好性素材、食薬品原料・中間体の発酵生産におい
    て、発酵生産目的とした成分を分取した後の発酵副産物
    あるいはその加工物を、すべてあるいは一部として配合
    することを特徴とする、キノコ菌糸体増殖用培地又は培
    養基。
  3. 【請求項3】発酵副産物がビタミンB12発酵生産におけ
    る廃菌体である、請求項1又は2に記載のキノコ子実体
    栽培用培地若しくは培養基又はキノコ菌糸体増殖用培地
    若しくは培養基。
  4. 【請求項4】ビタミンB12発酵生産における廃菌体が P
    ropionibacterium shermanii である請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載のキノコ子実体栽培用培地若しくは培
    養基又はキノコ菌糸体増殖用培地若しくは培養基。
  5. 【請求項5】発酵副産物、あるいはその加工物に、発酵
    生産目的とした成分が残留していることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の、キノコ子実体栽
    培用培地若しくは培養基又はキノコ菌糸体増殖用培地若
    しくは培養基。
  6. 【請求項6】残留成分がビタミンB12である、請求項5
    に記載のキノコ子実体栽培用培地若しくは培養基又はキ
    ノコ菌糸体増殖用培地若しくは培養基。
  7. 【請求項7】医薬品素材や栄養補助素材、健康訴求素
    材、嗜好性素材、食薬品原料・中間体を発酵により得る
    生産において、発酵生産目的とした成分を分取した後の
    発酵副産物、あるいはその加工物を、すべてあるいは一
    部として配合するキノコ子実体栽培用培地又は培養基
    に、キノコの種菌あるいは菌糸体を接種し、これを培養
    又は栽培することを特徴とするキノコ子実体栽培方法。
  8. 【請求項8】医薬品素材や栄養補助素材、健康訴求素
    材、嗜好性素材、食薬品原料・中間体を発酵により得る
    生産において、発酵生産目的とした成分を分取した後の
    発酵副産物あるいはその加工物を、すべてあるいは一部
    として配合するキノコ菌糸体増殖用培地又は培養基に、
    キノコの種菌あるいは菌糸体を接種し、これを培養する
    ことを特徴とするキノコ菌糸体培養方法。
  9. 【請求項9】発酵副産物がビタミンB12発酵生産におけ
    る廃菌体である、請求項7又は8に記載のキノコ子実体
    栽培方法又はキノコ菌糸体培養方法。
  10. 【請求項10】ビタミンB12発酵生産における廃菌体が
    Propionibacterium shermanii である請求項7〜9の
    いずれか1項に記載のキノコ子実体栽培方法又はキノコ
    菌糸体培養方法。
  11. 【請求項11】得られたキノコ子実体又はキノコ菌糸体
    に発酵副産物あるいはその加工物に残留する、発酵生産
    目的とした成分が移行することを特徴とする、キノコ子
    実体栽培方法又はキノコ菌糸体培養方法。
  12. 【請求項12】得られたキノコ子実体又はキノコ菌糸体
    に発酵副産物あるいはその加工物に残留する、発酵生産
    目的とした成分が移行したことを特徴とする、請求項1
    1に記載のキノコ子実体又はキノコ菌糸体。
  13. 【請求項13】発酵生産目的とした成分がビタミンB12
    である、請求項11または12に記載のキノコ子実体栽
    培方法又はキノコ菌糸体培養方法。
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JP2001235991A Pending JP2003047338A (ja) 2001-08-03 2001-08-03 キノコ子実体栽培用培地又は培養基、およびキノコ菌糸体増殖用培地又は培養基、それを用いたキノコ子実体栽培方法およびキノコ菌糸体培養方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011024667A1 (ja) 2009-08-24 2011-03-03 アサヒビール株式会社 廃菌体を用いたβ-グルカナーゼ及びキシラナーゼの製造方法及び液体培地
CN108676825A (zh) * 2018-05-22 2018-10-19 福建农林大学 一种促进北虫草产胞外物质的发酵培养基
JP2021029219A (ja) * 2019-08-29 2021-03-01 株式会社ハイファ研究所 コーヒー滓を用いたシイタケ栽培方法および機能性成分の増収化方法
DE112014001576B4 (de) 2013-03-22 2022-02-24 Sumitomo Riko Company Limited Staubabdeckungsanordnung

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