JP2003046261A - 多層配線基板およびその製造方法 - Google Patents

多層配線基板およびその製造方法

Info

Publication number
JP2003046261A
JP2003046261A JP2001228776A JP2001228776A JP2003046261A JP 2003046261 A JP2003046261 A JP 2003046261A JP 2001228776 A JP2001228776 A JP 2001228776A JP 2001228776 A JP2001228776 A JP 2001228776A JP 2003046261 A JP2003046261 A JP 2003046261A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor layer
layer
wiring
insulating
wiring conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001228776A
Other languages
English (en)
Inventor
Genshitarou Kawamura
原子太郎 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2001228776A priority Critical patent/JP2003046261A/ja
Publication of JP2003046261A publication Critical patent/JP2003046261A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に有機樹脂からなる絶縁層と配線導体
層とを多層に積層して成る多層配線基板において、配線
導体層の間隔が狭いためこれを上下から挟む絶縁層間で
マイグレーションによる配線導体層間の電気的ショート
が発生しやすいという問題点を解消すること。 【解決手段】 有機樹脂からなる絶縁層2とこの絶縁層
2上に被着形成された下地導体層4および主導体層5を
積層して成る配線導体層3とを多層に積層して成り、絶
縁層2間に位置する配線導体層3は、下地導体層4の側
面を主導体層5の側面より内側に後退させた多層配線基
板である。電気的ショートの原因となる隣接する配線導
体層3間においてこれらを上下から挟んでいる絶縁層2
間に生じるマイグレーションの経路が長くなり、マイグ
レーションによる配線導体層3間の電気的ショートの発
生を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は混成集積回路や半導
体素子を収納する半導体素子収納用パッケージ等に使用
される多層配線基板およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器に対する小型化・高密度
化に伴い、これに使用される半導体部品の高密度化ばか
りでなく、半導体部品が搭載される配線基板に対しても
高集積化の要求がなされている。このため、きわめて細
線な配線パターンを有する多層配線基板が求められてい
る。現在、このような多層配線基板は高集積化のために
狭い端子間にきわめて多数の配線を通さねばならず、例
えば、配線幅や配線間隔としては従来の30〜100μmと
比較してもきわめて細線な10μm程度が要求されてい
る。
【0003】このような多層配線基板に対する高集積化
の要求から、多層プリント配線基板やセラミック多層配
線基板に代わり、ビルドアップ方式の多層配線基板が注
目されている。
【0004】この多層配線基板における配線導体層の形
成方法は、以下に述べるような方法を用いている。
【0005】まず、有機樹脂から成る絶縁層の上面に対
し酸化剤等によって粗化処理を行なう。次に、下地導体
層の銅層を無電解めっき法によって形成した後、フォト
レジストを塗布するとともにこれに露光・現像を施すこ
とによって下地導体層のうち上層の主導体層を形成する
部分に所定形状の窓部を形成し、次に、露出させた下地
導体層を電極として主導体層となる電解銅めっき皮膜を
所望の厚みに形成する。これによって上層の主導体層の
部分に相当する露出した下地導体層上に電解銅めっき皮
膜から成る主導体層が形成され、その他の部分はフォト
レジストに覆われているために電解銅めっき皮膜が形成
されず、上層の主導体層に相当する部分にのみ配線導体
層が形成される。このようにして所定の厚さの配線導体
層を形成した後、フォトレジストを剥離除去し、次に、
主導体層の電解銅めっき皮膜をエッチングレジストとし
て先に電解銅めっき用電極として使用した下地導体層を
主導体層のパターンにエッチングすることによって、略
矩形形状の断面を持った配線導体層が形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして配線導体層が形成される多層配線基板では、10
μm以下の配線間隔の配線導体層を形成した場合には、
配線間隔が狭いためこの配線導体を上下から挟んでいる
絶縁層間でマイグレーションが生じ、これによる配線導
体層間の電気的ショートが発生しやすいという問題点が
あった。
【0007】本発明は上記従来技術における問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、簡易な方法で耐
マイグレーション性に優れる細線な配線導体層を形成
し、配線導体の集積度の高い耐環境信頼性の優れた多層
配線基板を提供することにある。
【0008】また、本発明の目的は、簡易な方法で耐マ
イグレーション性に優れる細線な配線導体層を形成する
ことができ、配線導体の集積度の高い耐環境信頼性の優
れた多層配線基板を得ることができる多層配線基板の製
造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の多層配線基板
は、有機樹脂から成る絶縁層とこの絶縁層上に被着形成
された下地導体層および主導体層を積層して成る配線導
体層とを多層に積層して成り、前記絶縁層間に位置する
前記配線導体層は、前記下地導体層の側面が前記主導体
層の側面より内側に後退していることを特徴とするもの
である。
【0010】また、本発明の多層配線基板は、上記構成
において、前記下地導体層の側面が前記主導体層の側面
より内側に1〜5μm後退していることを特徴とするも
のである。
【0011】また、本発明の多層配線基板は、上記各構
成において、前記絶縁層間において前記配線導体層同士
が10μm以下の間隔で隣接していることを特徴とするも
のである。
【0012】また、本発明の多層配線基板は、上記各構
成において、前記下地導体層は前記主導体層よりも仕事
関数が小さい金属から成ることを特徴とするものであ
る。
【0013】また、本発明の多層配線基板は、上記各構
成において、前記下地導体層は真空成膜法により形成さ
れ、前記主導体層は電解または無電解めっき法により形
成されていることを特徴とするものである。
【0014】本発明の第1の多層配線基板の製造方法
は、有機樹脂から成る絶縁層上に真空成膜法により下地
金属層を被着形成する工程と、この下地導体層上に配線
導体のパターンの開口を有するレジスト層を被着形成す
るとともに前記開口に電解もしくは無電解めっき法によ
り主導体層を被着形成する工程と、前記レジスト層を除
去するとともに、前記下地導体層をエッチングしてその
側面を前記主導体層の側面より内側に後退させて配線導
体層を形成する工程と、しかる後、この配線導体層が形
成された前記絶縁層上に有機樹脂から成る次の絶縁層を
形成する工程とを具備することを特徴とするものであ
る。
【0015】また、本発明の第2の多層配線基板の製造
方法は、有機樹脂から成る絶縁層上に真空成膜法により
下地金属層を被着形成する工程と、この下地導体層上に
真空成膜法または電解もしくは無電解めっき法により主
導体層を被着形成する工程と、この主導体層上に配線導
体のパターンを有するレジスト層を被着形成する工程
と、前記主導体層および前記下地導体層をエッチングし
て配線導体層を形成する工程と、前記下地導体層をエッ
チングしてその側面を前記主導体層の側面より内側に後
退させるとともに前記レジスト層を除去する工程と、し
かる後、この配線導体層が形成された前記絶縁層上に有
機樹脂から成る次の絶縁層を形成する工程とを具備する
ことを特徴とするものである。
【0016】本発明の多層配線基板によれば、下地導体
層の側面を主導体層の側面より内側に後退させてあるこ
とから、電気的ショートの原因となる隣接する配線導体
層間においてこれを上下から挟んでいる絶縁層間に生じ
るマイグレーションの経路が長くなるため、これにより
マイグレーションによる配線導体層間の電気的ショート
の発生を抑制することができる。
【0017】また、本発明の多層配線基板によれば、下
地導体層の側面を主導体層の側面より内側に1〜5μm
後退させたときには、電気的ショートの原因となる隣接
する配線導体層間においてこれを上下から挟んでいる絶
縁層間に生じるマイグレーションの経路が十分に長くな
るとともに、配線導体層と下層の絶縁層との接触面積を
必要以上に減少させることなく十分な接触面積を確保す
ることができるため配線導体層の接着性を損なうことが
ない。
【0018】また、本発明の多層配線基板によれば、下
地導体層の側面が主導体層の側面より内側に後退させて
あることから、電気的ショートの原因となる隣接する配
線導体層間においてこれを上下から挟んでいる絶縁層間
に生じるマイグレーションの経路が長くなるため、これ
により配線導体層同士を10μm以下の間隔に隣接させる
ことができるようになり、配線導体層同士を10μm以下
の間隔で隣接させたときには、配線導体の集積度を極め
て向上させることができる。
【0019】また、本発明の多層配線基板によれば、下
地導体層を主導体層よりも仕事関数が小さい金属で形成
したときには、マイグレーション等の電気化学的反応の
ギブス自由エネルギー変化が小さくなる。これによりマ
イグレーションによる配線導体層間の電気的ショートの
発生をより効果的に抑制することができる。
【0020】また、本発明の多層配線基板によれば、下
地導体層を真空成膜法により形成するとともに主導体層
を電解もしくは無電解めっき法により形成することで、
下地導体層を薄く均一に形成することが可能となり、下
地導体層の側面が主導体層の側面より内側に後退してい
る構造の細線な配線導体層を簡単に形成できるものとな
る。
【0021】本発明の第1の多層配線基板の製造方法に
よれば、有機樹脂から成る絶縁層上に真空成膜法により
下地金属層を被着形成する工程と、下地導体層上に配線
導体のパターンの開口を有するレジスト層を被着形成す
るとともに開口に電解もしくは無電解めっき法により主
導体層を被着形成する工程と、レジスト層を除去すると
ともに、下地導体層をエッチングしてその側面を主導体
層の側面より内側に後退させて配線導体層を形成する工
程と、配線導体層が形成された絶縁層上に有機樹脂から
成る次の絶縁層を形成する工程とを具備することから、
下地導体層の側面が主導体層の側面より内側に後退して
いる構造の細線な配線導体層を形成して、集積度が高く
耐環境信頼性の優れた多層配線基板を得ることができ
る。
【0022】また、本発明の第2の多層配線基板の製造
方法によれば、有機樹脂から成る絶縁層上に真空成膜法
により下地金属層を被着形成する工程と、下地導体層上
に真空成膜法または電解もしくは無電解めっき法により
主導体層を被着形成する工程と、主導体層上に配線導体
のパターンを有するレジスト層を被着形成する工程と、
主導体および下地導体層をエッチングして配線導体層を
形成する工程と、下地導体層をエッチングしてその側面
を主導体層の側面より内側に後退させるとともにレジス
ト層を除去する工程と、しかる後、配線導体層が形成さ
れた絶縁層上に有機樹脂から成る次の絶縁層を形成する
工程とを具備することから、少ない工数で下地導体層の
側面が主導体層の側面より内側に後退している構造の細
線な配線導体層を形成して、集積度が高く耐環境信頼性
の優れた多層配線基板を得ることができる。
【0023】以上により、本発明の多層配線基板の製造
方法によれば、簡易な方法で耐マイグレーション性に優
れる細線な配線導体層を形成することができ、配線導体
の集積度の高い耐環境信頼性の優れた多層配線基板を得
ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
詳細に説明する。
【0025】図1は本発明の多層配線基板の実施の形態
の一例を示す断面図であり、図2はその配線導体層の一
部を示す要部拡大断面図である。
【0026】これらの図において、1は基板、2は絶縁
層、3は配線導体層、4は配線導体層3の一部としての
下地導体層、5は配線導体層3の一部としての主導体層
である。
【0027】基板1は、その上面に絶縁層2と配線導体
層3を多層に積層した多層配線部が配設されており、こ
の多層配線部を支持する支持部材として機能する。基板
1は、酸化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体等
の酸化物系セラミックス、あるいは表面に酸化物膜を有
する窒化アルミニウム質焼結体,炭化珪素質焼結体等の
非酸化物系セラミックス、さらにはガラス繊維から成る
基材にエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ樹脂や
ガラス繊維から成る基材にビスマレイミドトリアジン樹
脂を含浸させたもの等の電気絶縁材料で形成されてい
る。例えば、酸化アルミニウム質焼結体で形成されてい
る場合には、アルミナ,シリカ,カルシア,マグネシア
等の原料粉末に適当な有機溶剤,溶媒を添加混合して泥
漿状となすとともに、これを従来周知のドクターブレー
ド法やカレンダーロール法を採用することによってセラ
ミックグリーンシート(セラミック生シート)を形成
し、しかる後、このセラミックグリーンシートに適当な
打ち抜き加工を施し、所定形状となすとともに高温(約
1600℃)で焼成することによって、あるいはアルミナ等
の原料粉末に適当な有機溶剤,溶媒を添加混合して原料
粉末を調整するとともに、この原料粉末をプレス成形機
によって所定形状に成形し、最後にこの成形体を高温
(約1600℃)で焼成することによって製作される。ま
た、ガラスエポキシ樹脂から成る場合は、例えばガラス
繊維から成る基材にエポキシ樹脂の前駆体を含浸させ、
このエポキシ樹脂前駆体を所定の温度で熱硬化させるこ
とによって製作される。
【0028】また、基板1には、その上面に絶縁層2と
配線導体層3を多層に積層した多層配線部が配設されて
いる。この多層配線部を構成する絶縁層2は上下に位置
する配線導体層3を電気的に絶縁し、配線導体層3は電
気信号を伝達するための伝達路として機能する。
【0029】多層配線部の絶縁層2は、ポリイミド樹
脂,ポリフェニレンサルファイド樹脂,全芳香族ポリエ
ステル樹脂,フッ素樹脂,ベンゾシクロブテン樹脂等か
ら成る。
【0030】例えば、ポリイミド樹脂から成る場合に
は、ポリイミド前駆体を基板1の上面にスピンコート
法,ダイコート法,印刷法等により塗布し、しかる後、
400℃程度の熱でポリイミド化させることによって10μ
m〜30μm程度の厚みに絶縁層2を形成する。
【0031】さらに、絶縁層2には貫通穴が形成されて
おり、この貫通穴内にも配線導体層3が形成されること
により、絶縁層2を挟んで上下に位置する配線導体層3
の各々を電気的に接続する接続路が形成される。貫通穴
は、例えばレーザを使い絶縁層2の一部を除去すること
により形成される。
【0032】各絶縁層2の上面および貫通穴内に配設さ
れる配線導体層3は、クロム,モリブデン等の金属材料
および銅から成る下地導体層4と銅から成る主導体層5
とで構成される。
【0033】配線導体層3は、例えば、まず広面積にク
ロム,モリブデン等の金属材料と銅を順にスパッタリン
グ法等により形成する。次に、この上に配線導体のパタ
ーンの開口を有するフォトレジストを形成し、このフォ
トレジストをマスクにして電解硫酸銅めっきにて選択銅
めっきを行ない、フォトレジストの開口部に銅から成る
主導体層5を形成する。その後、フォトレジストを剥離
後、下地導体層4の不要部分を主導体層5をマスクとし
て順次ウェットエッチングによって除去する。
【0034】このとき、主導体層5の銅のエッチングに
次いでクロム,モリブデン等の金属材料をエッチングす
る際、図2に要部拡大断面図で示すように、下地導体層
4の側面が主導体層5の側面より内側に後退している構
造になるように制御しエッチングを行なう。特に、10μ
m以下の間隔の配線導体層3を有する場合には、下地導
体層4の側面が主導体層5の側面より1μm程度内側に
後退するようにエッチングを行なう。この下地導体層4
の側面を後退させる度合いは配線導体層3の幅にもよる
が、5μm以上は配線導体層3と絶縁層2との接触面積
が低下し配線導体層3の接着性が低下するため避けたほ
うがよい。
【0035】なお、このエッチングの制御はエッチング
液および時間の管理により容易に行なえる。また、下地
導体層4の側面が主導体層5の側面より内側に後退して
いる部分の高さ(ここでは下地導体層4の厚みに相当す
る)は、0.05μm以下ではその上に絶縁層2を形成する
場合に絶縁性樹脂による被覆性が悪くなることから、0.
05μm以上で主導体層5に電気的影響を及ぼさない0.5
μm以下にしておくのがよい。
【0036】さらに、下地導体層4を主導体層5の銅よ
り仕事関数が0.05eV以上小さい金属から構成しておく
と、マイグレーション等の電気化学的反応のギブス自由
エネルギー変化が小さくなり、これによりマイグレーシ
ョンによる配線導体層3間の電気的ショートを抑制する
ことができる。このような金属としては、特に、その値
が0.15eVとなるクロムが適当である。
【0037】絶縁層2の最上層の上面に形成される配線
導体層3には、銅から成る主導体層5の上にめっき法に
よりニッケル層,金層を形成するとよい。
【0038】なお、本発明は上記の例に限定されるもの
ではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更・改良
を施すことは何ら差し支えない。
【0039】例えば、上記の例においては、絶縁層2は
単一の樹脂材料を用いたものとしたが、絶縁特性の良好
な絶縁フィルム層と接着性の良好な絶縁性接着剤層との
2種類の樹脂材料を用いて2層構成で絶縁層2を形成し
てもよい。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の多層配線基板に
よれば、下地導体層に主導体層を積層して成る配線導体
層について下地導体層の側面を主導体層の側面より内側
に後退させてあることから、電気的ショートの原因とな
る隣接する配線導体層間においてこれを上下から挟んで
いる絶縁層間に生じるマイグレーションの経路が長くな
るため、これによりマイグレーションによる配線導体層
間の電気的ショートの発生を抑制することができる。
【0041】また、本発明の多層配線基板によれば、下
地導体層の側面を主導体層の側面より内側に1〜5μm
後退させたときには、電気的ショートの原因となる隣接
する配線導体層間においてこれを上下から挟んでいる絶
縁層間に生じるマイグレーションの経路が十分に長くな
るとともに、配線導体層と下層の絶縁層との接触面積を
必要以上に減少させることなく十分な接触面積を確保す
ることができるため配線導体層の接着性を損なうことが
ない。
【0042】また、本発明の多層配線基板によれば、下
地導体層の側面が主導体層の側面より内側に後退させて
あることから、電気的ショートの原因となる隣接する配
線導体層間においてこれを上下から挟んでいる絶縁層間
に生じるマイグレーションの経路が長くなるため、これ
により配線導体層同士を10μm以下の間隔に隣接させる
ことができるようになり、配線導体層同士を10μm以下
の間隔で隣接させたときには、配線導体の集積度を極め
て向上させることができる。
【0043】また、本発明の多層配線基板によれば、下
地導体層を主導体層よりも仕事関数が小さい金属で形成
したときには、マイグレーション等の電気化学的反応の
ギブス自由エネルギー変化が小さくなる。これによりマ
イグレーションによる配線導体層間の電気的ショートの
発生をより効果的に抑制することができる。
【0044】また、本発明の多層配線基板によれば、下
地導体層を真空成膜法により形成するとともに主導体層
を電解もしくは無電解めっき法により形成することで、
下地導体層を薄く均一に形成することが可能となり、下
地導体層の側面が主導体層の側面より内側に後退してい
る構造の細線な配線導体層を簡単に形成できるものとな
る。
【0045】本発明の第1の多層配線基板の製造方法に
よれば、有機樹脂から成る絶縁層上に真空成膜法により
下地金属層を被着形成する工程と、下地導体層上に配線
導体のパターンの開口を有するレジスト層を被着形成す
るとともに開口に電解もしくは無電解めっき法により主
導体層を被着形成する工程と、レジスト層を除去すると
ともに、下地導体層をエッチングしてその側面を主導体
層の側面より内側に後退させて配線導体層を形成する工
程と、配線導体層が形成された絶縁層上に有機樹脂から
成る次の絶縁層を形成する工程とを具備することから、
下地導体層の側面が主導体層の側面より内側に後退して
いる構造の細線な配線導体層を形成して、集積度が高く
耐環境信頼性の優れた多層配線基板を得ることができ
る。
【0046】また、本発明の第2の多層配線基板の製造
方法によれば、有機樹脂から成る絶縁層上に真空成膜法
により下地金属層を被着形成する工程と、下地導体層上
に真空成膜法または電解もしくは無電解めっき法により
主導体層を被着形成する工程と、主導体層上に配線導体
のパターンを有するレジスト層を被着形成する工程と、
主導体および下地導体層をエッチングして配線導体層を
形成する工程と、下地導体層をエッチングしてその側面
を主導体層の側面より内側に後退させるとともにレジス
ト層を除去する工程と、しかる後、配線導体層が形成さ
れた絶縁層上に有機樹脂から成る次の絶縁層を形成する
工程とを具備することから、少ない工数で下地導体層の
側面が主導体層の側面より内側に後退している構造の細
線な配線導体層を形成して、集積度が高く耐環境信頼性
の優れた多層配線基板を得ることができる。
【0047】以上により、本発明によれば、簡易な方法
で耐マイグレーション性に優れる細線な配線導体層を形
成し、配線導体の集積度の高い耐環境信頼性の優れた多
層配線基板を提供することができた。
【0048】また、本発明によれば、簡易な方法で耐マ
イグレーション性に優れる細線な配線導体層を形成する
ことができ、配線導体の集積度の高い耐環境信頼性の優
れた多層配線基板を得ることができる多層配線基板の製
造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の実施の形態の一例を示
す断面図である。
【図2】本発明の多層配線基板の実施の形態の一例にお
ける配線導体層の一部を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・・基板 2・・・・絶縁層 3・・・・配線導体層 4・・・・下地導体層 5・・・・主導体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E351 AA02 AA03 AA04 AA05 AA07 AA09 AA11 BB33 BB35 CC03 DD04 DD06 DD17 DD19 GG12 GG20 5E343 AA07 AA12 AA15 AA17 AA18 AA19 AA24 BB17 BB23 BB24 BB38 BB39 BB44 DD32 GG08 GG11 GG20 5E346 AA15 AA35 CC09 CC10 CC14 CC17 CC18 CC19 CC31 CC32 CC35 CC37 CC38 CC54 DD17 DD22 FF05 FF07 FF12 HH01 HH26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機樹脂から成る絶縁層と該絶縁層上に
    被着形成された下地導体層および主導体層を積層して成
    る配線導体層とを多層に積層して成り、前記絶縁層間に
    位置する前記配線導体層は、前記下地導体層の側面が前
    記主導体層の側面より内側に後退していることを特徴と
    する多層配線基板。
  2. 【請求項2】 前記下地導体層の側面が前記主導体層の
    側面より内側に1〜5μm後退していることを特徴とす
    る請求項1記載の多層配線基板。
  3. 【請求項3】 前記絶縁層間において前記配線導体層同
    士が10μm以下の間隔で隣接していることを特徴とす
    る請求項1または2記載の多層配線基板。
  4. 【請求項4】 前記下地導体層は前記主導体層よりも仕
    事関数が小さい金属から成ることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載の多層配線基板。
  5. 【請求項5】 前記下地導体層は真空成膜法により形成
    され、前記主導体層は電解または無電解めっき法により
    形成されていることを特徴とする請求項1または4記載
    の多層配線基板。
  6. 【請求項6】 有機樹脂から成る絶縁層上に真空成膜法
    により下地金属層を被着形成する工程と、該下地導体層
    上に配線導体のパターンの開口を有するレジスト層を被
    着形成するとともに前記開口に電解もしくは無電解めっ
    き法により主導体層を被着形成する工程と、前記レジス
    ト層を除去するとともに、前記下地導体層をエッチング
    してその側面を前記主導体層の側面より内側に後退させ
    て配線導体層を形成する工程と、しかる後、該配線導体
    層が形成された前記絶縁層上に有機樹脂から成る次の絶
    縁層を形成する工程とを具備することを特徴とする多層
    配線基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 有機樹脂から成る絶縁層上に真空成膜法
    により下地金属層を被着形成する工程と、該下地導体層
    上に真空成膜法または電解もしくは無電解めっき法によ
    り主導体層を被着形成する工程と、該主導体層上に配線
    導体のパターンを有するレジスト層を被着形成する工程
    と、前記主導体層および前記下地導体層をエッチングし
    て配線導体層を形成する工程と、前記下地導体層をエッ
    チングしてその側面を前記主導体層の側面より内側に後
    退させるとともに前記レジスト層を除去する工程と、し
    かる後、該配線導体層が形成された前記絶縁層上に有機
    樹脂から成る次の絶縁層を形成する工程とを具備するこ
    とを特徴とする多層配線基板の製造方法。
JP2001228776A 2001-07-27 2001-07-27 多層配線基板およびその製造方法 Withdrawn JP2003046261A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001228776A JP2003046261A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 多層配線基板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001228776A JP2003046261A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 多層配線基板およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003046261A true JP2003046261A (ja) 2003-02-14

Family

ID=19061228

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001228776A Withdrawn JP2003046261A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 多層配線基板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003046261A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4202641B2 (ja) 回路基板及びその製造方法
JP4332533B2 (ja) キャパシタ内蔵型プリント回路基板およびその製造方法
JP2007208263A (ja) 薄膜キャパシタ内蔵型印刷回路基板の製造方法
US7678660B2 (en) Capacitor device and method of manufacturing the same
JP2009283739A (ja) 配線基板および配線基板の製造方法
KR100832650B1 (ko) 다층 인쇄회로기판 및 그 제조 방법
JPH07235768A (ja) 薄膜多層配線基板の製造方法
JP2006510233A (ja) 低インダクタンス埋め込みキャパシタを有するプリント配線板およびその製造方法
JP2005079144A (ja) 多層配線基板およびプローブカード
JPH09326556A (ja) 多層配線基板及びその製造方法
JPH09312472A (ja) 多層配線基板及びその製造方法
JP2003046261A (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JP2005268259A (ja) 多層配線基板
JPH1079568A (ja) プリント配線板の製造方法
JP2006210473A (ja) 多層配線基板
JPH08250858A (ja) 回路基板
JP2005101377A (ja) 多層配線基板
US11641713B2 (en) Circuit board structure and manufacturing method thereof
JP4022105B2 (ja) 多層配線基板の製造方法
JP4467341B2 (ja) 多層配線基板の製造方法
JPH10322026A (ja) 多層配線基板
JP2002252457A (ja) 多層配線基板
JP2005268517A (ja) 多層配線基板
JP2002076630A (ja) 多層配線基板
JPH0621651A (ja) 多層配線回路板及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080314

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20100622