JP2003045961A - 多層配線構造、その多層配線構造を具備した半導体装置、インダクタおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents

多層配線構造、その多層配線構造を具備した半導体装置、インダクタおよび半導体装置の製造方法

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JP2003045961A
JP2003045961A JP2001227530A JP2001227530A JP2003045961A JP 2003045961 A JP2003045961 A JP 2003045961A JP 2001227530 A JP2001227530 A JP 2001227530A JP 2001227530 A JP2001227530 A JP 2001227530A JP 2003045961 A JP2003045961 A JP 2003045961A
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insulating film
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interlayer insulating
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Yoshihiko Toyoda
吉彦 豊田
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低配線抵抗でかつ高歩留りで形成可能な多層
配線構造を得る。 【解決手段】 本発明に係る多層配線構造を、半導体基
板の上面に形成された第1の層間絶縁膜4と、第1の層
間絶縁膜4中に形成された第1の配線層1と、第1の層
間絶縁膜1上に形成された第2の層間絶縁膜9と、第2
の層間絶縁膜9中に形成された第2の配線層3と、第1
の配線層1と第2の配線層3間が並列に配置された並列
積層配線領域8と、並列積層配線領域8における第2の
層間絶縁膜9中に、第1の配線層1と第2の配線層3を
電気的に接続すべく設けられた配線形状を呈する接続孔
6と、で構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多層配線構造、
その多層配線構造を具備した半導体装置、インダクタお
よびその半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図25は、例えばSemiconductor Equipm
ent Association of Japan Journalの1999年1月号
23頁に示された半導体装置における従来の多層配線構
造の断面を示す図である。また、図26は従来の多層配
線構造の平面図である。
【0003】図25において、1は下層配線(第1の配
線層)、1aは第1のバリア用TaN膜、2は接続孔、
3は上層配線(第2の配線層)、3aは第2のバリア用
TaN膜、4は第1の層間絶縁膜、5はエッチングスト
ッパー用絶縁膜、7は通常の配線領域、8は並列積層配
線領域、9は第2の層間絶縁膜、をそれぞれ示す。図2
5において、並列積層配線領域8における下層配線1お
よび上層配線3は、紙面に垂直な面内で、並行な配線パ
ターンを有しており、下層配線1および上層配線3が並
行な部分の断面を示すものである。また、図26中の並
列積層配線領域8における上層配線3と下層配線1は上
面から見た場合、ほぼ完全に重複しているが、便宜上、
若干ずらして描いている。
【0004】第1の配線層1(以下、下層配線という)
と接続孔及び第2の配線層3(以下、上層配線という)
は、銅(Cu)およびCuの拡散を防止する窒化タンタ
ル(TaN)を構成材料とするバリア用TaN膜1a、
3aより構成されている。なお、バリア用TaN膜1
a、3aは導電性を有する。
【0005】以下、従来の多層配線構造を具備した半導
体装置の製造方法の概要を説明する。まず、所定のトラ
ンジスタ等が形成された半導体基板(図示せず)上に第
1の層間絶縁膜4を成膜する。下層配線1は、第1の層
間絶縁膜4に下層配線用の溝のパターンを転写し、エッ
チングにより下層配線用の溝を形成して、第1のバリア
用TaN膜1aを成膜した後、溝にCuを埋込み、CM
P法(Chemical Mechanical Polishing、化学機械研
磨)により溝以外の部分に成膜されたCu及びTaNを
研磨して除去、平坦化することにより形成される。かか
る配線形成方法は一般にダマシン法と呼ばれている。
【0006】さらに、下層配線1が埋め込まれた第1の
層間絶縁膜4の表面に、後工程でエッチングストッパー
用絶縁膜5として機能するSiN膜をプラズマCVD
(Chemical Vapor Deposition)等の方法により成膜す
る。かかるSiN膜は、エッチングストッパー用絶縁膜
本来の機能の他に、後工程でCuの酸化を防止する役割
をも果たす。第2の層間絶縁膜9に接続孔2に対応した
レジストパターンを転写し、エッチングにより接続孔2
を形成する。この時、エッチングはエッチングストッパ
ー用絶縁膜5、すなわちSiN膜上で停止させる。
【0007】さらに、上層配線用の溝のレジストパター
ンを転写し、エッチングにより上層配線用の溝を形成す
る。レジストを除去した後、接続孔2の底部にあるエッ
チングストッパー用絶縁膜5をエッチングにより除去す
る。このように、接続孔2底部にある下層配線1のCu
表面が露出する前にレジストを除去することにより、レ
ジストアッシング時のCuの酸化を防止できる。第2の
バリア用TaN膜3aを成膜した後、Cuを上層配線用
の溝及び接続孔に埋込み、CMP法により上層配線用の
溝及び接続孔以外の部分に形成されたCuおよび第2の
バリア用TaN膜3aを研磨して除去、平坦化すること
により形成される。このようにダマシン法を用いて上層
配線3と接続孔2を同時に形成することができる。
【0008】通常の多層配線構造では、複数のトランジ
スタを任意に接続することが課題である。図25、26
の通常の配線領域7、すなわち上層配線3と下層配線1
が並列に配置されていない部分では、単層の配線を孔状
の接続孔2を介して三次元にわたって電気的に接続して
いる。この方法により多数のトランジスタを任意に接続
することができる。なお、図26の右側の部分は図25
における並列積層配線部8の平面図である。下層配線1
および上層配線については、便宜上重複する部分のみを
図示しているが、実際には紙面に平行な面内でより大き
な配線パターンを形成している。
【0009】高周波信号を伝達する配線では、配線抵抗
による損失が重大な課題となる。損失が大きくなると高
周波信号が大きく減衰するため、増幅用のトランジスタ
を配置する必要が生じ、チップ面積が増大するためであ
る。そこで、多層配線構造の配線抵抗を低減するため
に、図25、26の並列積層配線領域8に示すように、
上層配線3と下層配線1を意図的に並列に配置させて、
並列に配置された上下配線全面に渡って接続孔2を多数
形成し、上層配線3と下層配線1の間を電気的に接続す
るような構成が用いられていた。接続孔2を多数形成す
ることにより、上下配線間を電気的に接続する部分の実
効的な断面積が増加し、この領域の抵抗が低減するから
である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の多層配線構造は
以上のように構成されていたが、かかる構成では、配線
抵抗をさらに低減するために上層配線3の断面積を増大
させる目的で第2の層間絶縁膜9中に設けられた上層配
線3形成用の溝を深くすべく第2の層間絶縁膜9を厚膜
化すると、接続孔2を所定の深さ以上に保持しなければ
ならない関係上、接続孔2形成時のエッチング深さは極
めて深くなり、この結果、エッチング不良を引き起こし
た。
【0011】また、第2の層間絶縁膜9の厚膜化に伴い
エッチング時間が増大するので、エッチングの制御性が
問題となった。上層配線3用の溝形成時のエッチング量
が不足すると、接続孔2が底部まで完全に開口せず、結
果的に接続不良となり、逆にエッチング量が過剰である
と、エッチングストッパー用絶縁膜5であるSiN膜を
突き抜けてしまい、次工程のレジストアッシングで底部
に露出したCuが酸化するため、配線抵抗が極めて高く
なる問題があった。
【0012】本発明は、上述の不具合を防止して、配線
抵抗が低減された多層配線構造やインダクタを得るこ
と、さらに、低配線抵抗の多層配線構造を高歩留りで形
成可能な半導体装置とその製造方法を得ることを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多層配線構
造は、半導体基板の上面に形成された第1の層間絶縁膜
と、第1の層間絶縁膜中に形成された第1の配線層と、
第1の層間絶縁膜上に形成された第2の層間絶縁膜と、
第2の層間絶縁膜中に形成された第2の配線層と、第1
の配線層と第2の配線層が並列に配置された並列積層配
線領域と、この並列積層配線領域における第2の層間絶
縁膜中に、第1の配線層と第2の配線層を電気的に接続
すべく設けられた配線形状を呈する接続孔と、を備え
た。
【0014】また、本発明に係る多層配線構造は、上述
の接続孔を並列積層配線領域における前記第2の配線層
と略一致する形状とした。
【0015】また、本発明に係る多層配線構造は、上述
の接続孔を配線方向に平行で複数に分割された配線形状
を呈する構造とした。
【0016】また、本発明に係る多層配線構造は、上述
の接続孔を格子形状を呈する構造とした。
【0017】また、本発明に係る多層配線構造は、上述
の第1の配線層の側面と第2の配線層の側面および配線
方向に平行で複数に分割された配線形状を呈する接続孔
中の最も外側に設けられた接続孔の外側の側面を略同一
面とした。
【0018】また、本発明に係る多層配線構造は、上述
の複数に分割された配線形状を呈する接続孔中の最も外
側に設けられた接続孔の幅を内側に設けられた接続孔の
幅より広く設定した。
【0019】また、本発明に係る多層配線構造は、上述
の最も外側に設けられた接続孔の幅が、以下の数式
(1)で表されるαに基づくスキンデプス(=1/α)
の1/10以上の幅を有することとした。 α=f×(εμ)1/2[{1+(σ/(εf))2}1/2−1]1/2 (1) (f:周波数、ε:比誘電率、μ:比透磁率、σ:導電率)
【0020】また、本発明に係る多層配線構造は、少な
くとも3以上の配線層と、各配線層間に形成された各層
間絶縁膜と、各層間絶縁膜を貫通して形成された配線形
状を呈する接続孔と、を備えた。
【0021】本発明に係る半導体装置は、上述のいずれ
かの多層配線構造を備えた。
【0022】本発明に係るインダクタは、少なくとも2
以上の配線層と、各配線層間に形成された各層間絶縁膜
と、各配線層間でそれぞれスパイラル形状を呈しながら
相互に並列に配置された部分に各層間絶縁膜中を貫通し
て形成された接続孔と、を備えた。
【0023】本発明に係る半導体装置の製造方法は、半
導体基板の上面に第1の層間絶縁膜を成膜する工程と、
この第1の層間絶縁膜を所定のパターンに配置された第
1の配線層用の溝形状にエッチングする工程と、この第
1の配線層用の溝に金属を埋め込んで第1の配線層を形
成する工程と、第1の配線層が埋め込まれた第1の層間
絶縁膜上にエッチングストッパー用絶縁膜を成膜する工
程と、このエッチングストッパー用絶縁膜上に第2の層
間絶縁膜を成膜する工程と、第1の配線層と後工程で形
成される第2の配線層が並列に配置される並列積層配線
領域に配線形状を呈した接続孔用の溝を形成すべく第2
の層間絶縁膜をエッチングストッパー用絶縁膜によって
阻止されるまでエッチングする工程と、第2の配線層用
の溝を形成すべく配線形状を呈した接続孔用の溝中をさ
らにエッチングする工程と、このエッチングストッパー
用絶縁膜をエッチングにより除去する工程と、配線形状
を呈した接続孔用の溝と第2の配線層用の溝を金属で埋
め込んで配線形状を呈した接続孔と第2の配線層を形成
する工程と、を含んでなる。
【0024】
【発明の実施の形態】この発明は、多層配線構造におけ
る上層配線と下層配線を並列に配置させた部分で、上層
配線と下層配線を繋ぐ接続孔を配線形状に形成するもの
である。これにより、接続孔自体も配線の一部として有
効に機能するため、層間絶縁膜を厚膜化して上層配線を
深く形成する手段をとらずに、実効的な配線抵抗を低減
させることができる。その結果、通常の配線領域で接続
孔の高い歩留りを維持しつつ、上層配線と下層配線を並
列に配置させた積層配線領域ではより低抵抗の配線を得
ることができる。
【0025】実施の形態1.以下、本発明における実施
の形態1の多層配線構造を図1〜3に基づいて説明す
る。図1〜3において、1は下層配線(第1の配線
層)、1aは第1のバリア用TaN膜、2は孔状の接続
孔、3は上層配線(第2の配線層)、3aは第2のバリ
ア用TaN膜、4は第1の層間絶縁膜、5はエッチング
ストッパー用絶縁膜、6は配線形状の接続孔、7は通常
の配線領域、8は並列積層配線領域、9は第2の層間絶
縁膜、をそれぞれ示す。なお、図2(a)中の並列積層
配線領域8における上層配線3と下層配線1、配線形状
の接続孔6は上面から見た場合、ほぼ完全に重複してい
るが、便宜上、若干ずらして描いている。
【0026】まず、実施の形態1における多層配線構造
の製造方法について、図3に基づき説明する。
【0027】所定のトランジスタ等が形成された半導体
基板(図示せず)上に第1の層間絶縁膜4を成膜する。
次に、第1の層間絶縁膜4に下層配線用の溝パターンを
転写し、レジストマスクを形成する。下層配線用の溝パ
ターンの幅は0.5〜10μmである。レジストマスク
をエッチングマスクとして第1の層間絶縁膜4をエッチ
ングし、下層配線用の溝を形成する。レジストを除去し
た後、膜厚20nmのバリア用窒化タンタル(TaN)
膜1a、層厚200nmの銅(Cu)のシード層(図示
せず)をスパッタ法により成膜する。ここで、バリア用
TaN膜1aは導電性を有する。なお、バリア用膜とし
ては、TaNの他に、窒化チタン(TiN)、窒化タン
グステン(WN)等も適用可能である。
【0028】次に、電解メッキにより下層配線用の溝中
にCuを埋込む。この場合のメッキ膜厚は1.5μmで
ある。電解メッキ後、CMP法により下層配線用の溝以
外の部分に付着したCu及びTaNを研磨することによ
って第1の配線層、すなわち下層配線1が形成される。
なお、無電解メッキ法も同様な配線層形成に適用可能で
ある。
【0029】下層配線1が埋め込まれた第1の層間絶縁
膜4の表面にエッチングストッパー用絶縁膜5として膜
厚50nmのSiN膜を、プラズマCVDによって成膜
する。SiNは層間絶縁膜に使用されるSiO2に比べ
て比誘電率が高いため、SiNを用いると配線間容量が
増大する結果となる。よって、SiN膜の膜厚はなるべ
く薄い方が望ましい。なお、SiO2は層間絶縁膜の構
成材料なのでエッチングストッパー用絶縁膜としては用
いられない。
【0030】エッチングストッパー用絶縁膜5上に、さ
らに、膜厚2μmの第2の層間絶縁膜9を成膜する(図
3(a))。第2の層間絶縁膜9成膜後、孔状の接続孔
2および配線形状の接続孔6のレジストパターンを転写
する。この時の転写パターンは通常の配線領域7では孔
状とし、並列積層配線領域8では上層配線用の溝パター
ンと同一形状とする。孔状の接続孔2の直径は0.5μ
mとし、一方、上層配線用の溝パターンは下層配線1と
ほぼ同一の配線幅である0.5〜10μmとした。
【0031】レジストマスクをエッチングマスクとし
て、第2の層間絶縁膜9をエッチングし、接続孔2用の
孔および配線形状の接続孔6用の溝を形成する(図3
(b))。このとき、並列積層配線領域8では第2の層
間絶縁膜9の膜厚方向全体にわたって上層配線用の溝が
形成されるため、溝全体の深さは第2の層間絶縁膜9と
ほぼ同一の膜厚である2μmとなる。また、第2の層間
絶縁膜9をエッチングする際は、エッチングストッパー
用絶縁膜5上で停止させるような選択エッチングを実施
する。
【0032】レジストを除去した後、さらに、通常の配
線領域7に上層配線3のレジストパターンを転写する。
レジストマスクをエッチングマスクとして第2の層間絶
縁膜9をエッチングし、上層配線用の溝を形成する(図
3(c))。かかる通常の配線領域7における上層配線
用の溝の深さは1μmである。
【0033】レジストを除去した後、第2の層間絶縁膜
9中の接続孔2用の孔および配線形状の接続孔6用の溝
の底部に露出しているエッチングストッパー用絶縁膜5
をエッチングによって除去する(図3(d))。接続孔
2用の孔および配線形状の接続孔6用の溝の底部および
側面部に、第2のバリア用TaN膜3aを20nm、C
uのシード層(図示せず)を200nm、スパッタ法を
用いて成膜する。なお、第2のバリア用TaN膜3aも
第1のバリア用TaN膜1aと同様、導電性を有する。
【0034】さらに、電解メッキにより接続孔2用の孔
および配線形状の接続孔6用の溝6中にCuを埋込む。
この場合のCuの膜厚は約2.6μmである。CMP法
によって接続孔2用の孔および配線形状の接続孔6用の
溝以外の部分に付着したCu及びTaNを研磨して除去
することにより、上層配線3、孔状の接続孔2および配
線形状の接続孔6が形成されて、図1に示すような断面
構造、図2(a)に示すような平面構造を呈する多層配
線構造が完成する。
【0035】並列積層配線領域8の構造をより明確にす
るため、図2(b)にその概念図を示す。なお、下層配
線1、上層配線3および配線形状の接続孔6以外の部位
は簡略化のため省略している。図1および図2(b)か
ら分かるように、下層配線1と上層配線3が並列に配置
された領域、すなわち並列積層配線領域8に点線で示し
たような配線形状の接続孔6を設けて、配線全体の実効
的な断面積を増大せしめて、かかる領域の配線抵抗を低
減するようにしている。
【0036】以上のような製造方法で形成した多層配線
構造では、第2の層間絶縁膜9の膜厚が従来の多層配線
構造と同一の膜厚に維持されている一方、並列積層配線
領域8では本来の上層配線3の膜厚に配線形状の接続孔
6の膜厚が加わって、実効的に従来の多層配線構造の2
倍の膜厚を有した上層配線として機能する部分を形成す
ることができる。
【0037】かかる多層配線構造の電気特性を評価し
た。まず、並列積層配線領域8の配線抵抗を測定した。
配線の抵抗値を正確に測定するために、配線のパターン
は4端子構造とし、上層配線3と下層配線1の幅は同一
とした。すなわち、多層配線構造における第2の層間絶
縁膜9/上層配線3の深さはそれぞれ2μm/2μmで
ある。また、各配線幅は0.5〜10μm、配線長は1
mmである。比較のため従来の多層配線構造も作製し、
同様に測定を行った。但し、従来の多層配線構造におけ
る第2の層間絶縁膜/上層配線の深さは、2μm/1μ
mと3μm/2μmの2種類のサンプルを作成した。
【0038】表1に10μm幅の積層配線の抵抗値を示
す。
【0039】
【表1】 実施の形態1による並列積層配線領域の配線抵抗は、従
来の第2の層間絶縁膜9(2μm)を有する多層配線構
造における配線抵抗の約60%であった。つまり、同じ
層間絶縁膜構成では並列積層配線領域の配線抵抗を60
%程度にまで低減できることがわかった。従来の多層配
線構造において実施の形態1による積層配線の配線抵抗
と同程度まで低減しようと試みると、第2の層間絶縁膜
の膜厚を3μmに厚膜化せねばならないが、この場合は
当然、溝が深いことに起因する歩留り低下が顕著に発生
する。
【0040】さらに、通常の配線領域7におけるスルー
ホールチェーンの歩留りを測定した。ここで、スルーホ
ールチェーンとは図4の断面図(a)および平面図
(b)に示す様に、スルーホール、すなわち接続孔2を
介して上層配線3と下層配線1が交互に、つまりチェー
ン状に配置されている構造を指す。この場合のスルーホ
ールの直径は0.4μm、数は3000個である。ま
た、上下配線の幅は同一で、0.5μmである。表2に
スルーホールチェーンの歩留り及び配線抵抗の分散の測
定結果を示す。
【0041】
【表2】 実施の形態1によるスルーホールチェーンの歩留りは1
00%、配線抵抗の分散は3%と良好であった。これに
対し、従来の多層配線構造で第2の層間絶縁膜9の膜厚
を3μmとしたものでは、スルーホールチェーンの歩留
りは69%と本実施の形態における歩留り100%と比
較して著しく低く、また、配線抵抗の分散は16%と実
施の形態1の多層配線構造に比べて極めて大きくばらつ
いていることがわかった。これは、従来の多層配線構造
では、上層配線3における第2の層間絶縁膜9の膜厚を
3μmと1.5倍に厚膜化しているので、孔状の接続孔
2を形成する際のエッチング深さが極めて深くなり、エ
ッチング不良を引き起こしたためである。
【0042】以上より、実施の形態1における多層配線
構造における効果として、通常の配線領域7の接続孔2
の歩留りを劣化させることなく、並列積層配線領域8の
配線抵抗を従来の多層配線構造の60%程度に低減でき
ることがわかった。
【0043】実施の形態2.本発明における実施の形態
2の多層配線構造を図5〜7に基づき説明する。図1と
同様の部分は同一符号で示す。
【0044】まず、実施の形態2における多層配線構造
の製造方法を図5に基づいて説明する。なお、第1の層
間絶縁膜4に下層配線1を形成し、その上にエッチング
ストッパー用絶縁膜5、第2の層間絶縁膜9を形成する
工程までは実施の形態1の場合と同様なので省略する。
【0045】第2の層間絶縁膜9の上に孔状の接続孔2
および配線形状の接続孔6のレジストパターンを転写す
る。この場合の転写パターンは、それぞれの接続孔の形
状に対応して、通常の配線領域7では孔状とし、並列積
層配線領域8では溝状とした。孔状の接続孔2の転写パ
ターンの直径は0.5μmである。並列積層配線領域8
における各溝の転写パターンの幅および溝間の間隔はそ
れぞれ1μmであり、上層配線3と平行な位置に5本設
置している。なお、以下の実施の形態では配線状の接続
孔は本来5本であるが、図では便宜上、3本としてい
る。
【0046】レジストマスクをエッチングマスクとし
て、第2の層間絶縁膜9をエッチングして、接続孔2用
の孔および配線形状の接続孔6用の溝を形成する。並列
積層配線領域8の配線形状の接続孔6となるべき部分に
は、転写パターンに対応した幅1μmの溝が5本形成さ
れる(図5(a))。なお、第2の層間絶縁膜9のエッ
チングは、実施の形態1と同様、エッチングストッパー
用絶縁膜5上で停止させる選択エッチングを適用してい
る。
【0047】レジストを除去した後、通常の配線領域7
及び並列積層配線領域8に上層配線3のレジストパター
ンを転写する。レジストマスクをエッチングマスクとし
て、第2の層間絶縁膜9をエッチングし、上層配線3用
の溝をそれぞれ形成する(図5(b))。上層配線3用
の溝の深さは1μmである。レジストを除去した後、接
続孔2用の孔および配線形状の接続孔6用の溝の底部に
露出したエッチングストッパー用絶縁膜5をエッチング
により除去する(図5(c))。接続孔2用の孔および
配線形状の接続孔6用の溝の底部および側面部に、膜厚
20nmの第2のバリア用TaN膜3aと、膜厚200
nmのCuシード層(図示せず)をスパッタ法により成
膜する。さらに、電解メッキによりCuを接続孔2用の
孔および配線形状の接続孔6用の溝の中に埋込む。この
場合の電解メッキ膜厚は1.3μmである。CMP法に
より溝以外の部分に付着したCu及びTaNを研磨して
除去、平坦化することにより、図6に示すような断面構
造、図7に示すような平面構造を具備した多層配線構造
が完成する。なお、図7中の並列積層配線領域8におけ
る上層配線3と下層配線1、配線形状の接続孔6は上面
から見た場合、ほぼ完全に重複しているが、便宜上、若
干ずらして描いている。
【0048】以上のような方法で形成した実施の形態2
の多層配線構造では、第2の層間絶縁膜9の膜厚が従来
の多層配線構造と同一であるのに対し、並列積層配線領
域8では、配線形状の接続孔6として幅1μmの実効的
に配線として機能する部分を5本形成することができる
ので、従来の多層配線構造、すなわち並列積層配線領域
全体に孔状の接続孔を多数形成する構造と比較して配線
抵抗を大幅に低減できる。また、並列積層配線領域8の
配線形状の接続孔6の間隔をより小さくすることによ
り、さらに、配線形状の接続孔6の本数を増やすことが
可能となる結果、より一層配線抵抗を低減することがで
きる。
【0049】以上のようにして作製した多層配線構造に
関して、実施の形態1の多層配線構造と同様の特性評価
を行った。但し、比較のために作製した従来の多層配線
構造における第2の層間絶縁膜9/上層配線3の深さ
は、2μm/1μmと2.5μm/1.5μmの2種類
である。表3に並列積層配線領域8の上層配線の幅が1
0μmの場合の配線抵抗及びその分散を示す。
【0050】
【表3】 実施の形態2による多層配線構造における配線抵抗は同
一の第2の層間絶縁膜(2μm)による従来の多層配線
構造における配線抵抗の約75%であった。この実験結
果から、同一層間膜構成では並列積層配線領域の配線抵
抗を従来の多層配線構造の約75%に低減できることが
分かった。従来の多層配線構造において配線抵抗を実施
の形態2による並列積層配線領域の配線抵抗と同程度の
数値にまで低減しようと試みると、従来の多層配線構造
における第2の層間絶縁膜の膜厚を2.5μmに厚膜化
せねばならないが、この場合は当然、溝が深いことに起
因する歩留り低下が顕著に発生する。
【0051】さらに、通常の配線領域7のスルーホール
チェーンの歩留りを測定した。この場合のスルーホー
ル、つまり孔状の接続孔2の直径は0.4μmで、その
数は3000個である。また、上下配線の幅は同一で、
0.5μmである。
【0052】表4にスルーホールチェーンの歩留りおよ
び配線抵抗の分散の測定結果を示す。
【0053】
【表4】 実施の形態2によるスルーホールチェーンの歩留りは1
00%、配線抵抗の分散は2%と非常に良好であること
がわかった。これに対し、第2の層間絶縁膜9の膜厚を
2.5μmと厚膜化した従来の多層配線構造では、スル
ーホールチェーンの歩留りは88%と実施の形態2の多
層配線構造に比べて低く、また、配線抵抗の分散も8%
と本実施の形態のものに比べて大きくばらつくことがわ
かった。これは、第2の層間絶縁膜9の膜厚を1.25
倍に厚膜化したため、孔状の接続孔2を形成する際のエ
ッチング深さが相対的に深くなり、エッチング不良を引
き起こしたためである。
【0054】また、この場合の上層配線3の配線抵抗の
ばらつきを表5に示す。
【0055】
【表5】 実施の形態2の多層配線構造では、第2の層間絶縁膜の
膜厚を2.5μmとした従来の多層配線構造と比較し
て、配線抵抗の分散を改善することができた。つまり、
従来の多層配線構造における配線抵抗の分散である6%
に対して、実施の形態2における多層配線構造の配線抵
抗の分散2%と顕著に低減している。さらに、実施の形
態1の多層配線構造における配線抵抗の分散(9%)よ
りも小さな値が得られた。
【0056】これは以下のように説明される。Cuは電
解メッキにより形成されるが、電解メッキが使われてい
る理由は、その埋込性能が優れているためである。溝や
孔をCuで埋め込む際、電解メッキ液中に添加された添
加剤の効果により、細い溝や孔の部分の析出速度は広い
溝や平面部に比べて速くなり、この部分が優先的に埋め
込まれていくので、優れた埋込特性を得ることができ
る。一方、開口の広い溝ではこのような現象が生じず、
均一に成膜される。その結果、開口の広い配線を埋込む
のに必要なメッキ膜厚は細い配線と比べて極めて大きく
なる。実施の形態2の多層配線構造に比べて、実施の形
態1の多層配線構造では配線用の溝の開口が広く、ま
た、第2の層間絶縁膜を膜厚2.5μmとした従来の多
層配線構造では配線用の溝が深いため、両者とも溝全体
を埋込むのに要するメッキ膜を実施の形態2の多層配線
構造より厚膜化する必要がある。この結果、溝以外の部
分に付着したCuの膜厚も比例的に大きくなるので、C
MP法によって研磨して除去すべきCu膜厚は当然厚く
なる。CMP法における研磨膜厚のばらつきは研磨すべ
きCu膜の厚みが増加するほど大きくなるため、配線抵
抗のばらつきもCu膜厚増加に伴い増大する。従って、
研磨Cu膜厚がより小さい実施の形態2における多層配
線構造の方が、実施の形態1の多層配線構造に比べて配
線抵抗のばらつき、つまり分散も相対的に小さくなる。
【0057】以上から、実施の形態2の多層配線構造を
適用すれば、従来の配線構造に比べて並列積層配線領域
8の配線抵抗を75%程度に低減できることが分かっ
た。また、通常の配線領域7における孔状の接続孔の歩
留りを低下させないことも分かった。さらに、上層配線
3の配線抵抗のばらつきを抑制できることも判明した。
【0058】なお、実施の形態2における多層配線構造
では接続孔を配線形状とした例について示したが、図8
に示すように格子状にしても良く、この場合も、図6に
示した多層配線構造と同様の効果が得られる。
【0059】実施の形態3.実施の形態2では、並列積
層配線領域8における上層配線3の側面部が並列積層配
線領域8に形成された配線形状の接続孔のうち最も外側
に位置する接続孔の側面に対してさらに外側に位置した
構造を示したが、本発明における実施の形態3の多層配
線構造では、図9、10に示すように、並列積層配線領
域8の上層配線3の側面部と並列積層配線領域8に形成
された複数の配線形状の接続孔のうち最も外側に位置す
る接続孔の外側の側面および下層配線1の側面部が同一
面となるように配置した。かかる多層配線構造を形成す
る場合には、上層配線用の溝のレジストマスクのパター
ンは、並列積層配線領域に形成された複数の配線形状の
接続孔6のうち最も外側に位置する接続孔の側面より内
側に位置するように形成せねばならない。なお、図10
中の並列積層配線領域8における上層配線3と下層配線
1、配線形状の接続孔6は上面から見た場合、ほぼ完全
に重複しているが、便宜上、若干ずらして描いている。
【0060】実施の形態3の多層配線構造では、実施の
形態2の多層配線構造と同様の効果に加えて、並列積層
配線領域8に形成された複数の配線形状の接続孔6のう
ち最も外側に位置する接続孔の側面をさらに外側に拡げ
ることができるので、実施の形態2に比べて配線形状の
接続孔6の配線の断面積を実効的に大きくすることが可
能であるため、配線抵抗をより低くすることができる。
【0061】実施の形態4.本発明における実施の形態
4の多層配線構造を図11、12に基づき説明する。図
11、12において、10は最も外側に位置する配線形
状の接続孔である。また、図1と同様の部分は同一符号
で示す。なお、図12中の並列積層配線領域8における
上層配線3と下層配線1、配線形状の接続孔6は上面か
ら見た場合、ほぼ完全に重複しているが、便宜上、若干
ずらして描いている。ここで、並列積層配線領域に形成
された配線形状の接続孔のうち内側の部分6の幅は1μ
mとしたが、最も外側に位置する配線形状の接続孔10
の幅は、上下配線を伝搬する信号周波数から決まるスキ
ンデプスの1/10よりも広く設定している。スキンデ
プスは、以下の数式(1)で表されるαに対して1/α
で表される。 α=f×(εμ)1/2[{1+(σ/(εf))2}1/2−1]1/2 (1) なお、数式(1)中で、fは周波数、εは比誘電率、μ
は比透磁率、σは導電率である。
【0062】実施の形態2および3における多層配線構
造では並列積層配線領域8に形成した配線形状の接続孔
6の幅について特に言及していない。半導体装置を高周
波領域において使用する際は、伝搬する信号の周波数が
高くなるにつれて、表皮効果により電流が表面のみを流
れるようになる現象が発現する。例えば、信号周波数1
00GHz下での導体における電流密度分布では、図1
3に示すように電流密度は導体の表面から内部方向に指
数関数的に減少する。図14にCuに対するスキンデプ
スと周波数の関係を示す。ここで、スキンデプスはその
表面からの深さ方向における電流が表面の電流に対して
1/eになる深さで定義される。図14に示すようにス
キンデプスは周波数が高くなるにつれて浅くなる傾向に
あるため、特に高周波領域で配線抵抗に顕著な悪影響を
及ぼすことがわかる。さらに、図15において、信号周
波数100GHz下での導体の厚み、すなわち表面から
の深さと抵抗の関係を示す。導体の厚みがスキンデプス
の1/10より厚ければ抵抗は大幅に上昇しないことよ
り、導体の厚みをスキンデプスの1/10以上に予め設
定する必要があることがわかる。
【0063】以上のように、外側に位置する配線形状の
接続孔10の幅を、上下配線を伝搬する信号周波数から
決まるスキンデプスの1/10よりも厚くすることによ
って、高周波数領域でも表皮効果による配線抵抗の上昇
を回避することが可能となる。
【0064】なお、上述の実施の形態では並列積層配線
領域8に形成された複数の配線形状の接続孔のうち内側
の配線形状の接続孔6の幅と最も外側の配線形状の接続
孔10の幅が異なる例について示したが、内側の接続孔
6の幅は最も外側に位置する接続孔10と同じ幅に設定
してもよい。また、図16、17に示すように並列積層
配線領域8に形成された配線形状の接続孔10を外側の
みとしても、同様の効果が得られる。なお、図17中の
並列積層配線領域8における上層配線3と下層配線1、
配線形状の接続孔6は上面から見た場合、ほぼ完全に重
複しているが、便宜上、若干ずらして描いている。
【0065】実施の形態5.本発明における実施の形態
5の多層配線構造を図18、19に基づき説明する。図
18、19において、10は最も外側に位置する配線形
状の接続孔、11は配線である。また、図1と同様の部
分は同一符号で示す。図に示すように、実施の形態1等
よりもさらに積層した多層配線構造とすることにより、
配線全体としての配線抵抗低減の効果をより大とするこ
とができる。
【0066】図18、19に示す配線形状の接続孔6を
積層した層数と配線抵抗の関係を図20に示す。図18
に示した多層配線構造を実験1、図19に示した多層配
線構造を実験2で示している。比較のため従来の多層配
線構造も併せて示す。実験1の場合、単層のみの配線抵
抗は1.18Ωであるのに対し、3層では0.49Ω、
5層では0.27Ωと、層数の増加とともに配線抵抗も
減少する結果となった。一方、実験2の場合は、単層の
みの配線抵抗は1.86Ωであるのに対し、3層では
0.70Ω、5層では0.40Ωと、同様に層数の増加
とともに配線抵抗も減少する結果となった。以上の実験
結果から、配線形状の接続孔を積層した層数を増加する
ことにより、配線抵抗を低減する効果が全体としてより
顕著になることがわかる。
【0067】実施の形態6.実施の形態1に示したよう
な多層配線構造を用いて高周波信号を伝搬させる場合、
信号線と接地線を一対にするのが望ましい。フローティ
ング状態によって発生するノイズを防止する必要がある
からである。本発明における実施の形態6の多層配線構
造を図21に基づき説明する。図21において、10は
最も外側に位置する配線形状の接続孔、11は配線、1
2は信号線、13は接地線である。信号線12には実施
の形態3で示したような多層配線構造を用いた。
【0068】信号線12と接地線13はマイクロストリ
ップ構造をなしており、これにより安定して電磁波を伝
搬させることができる。また、他の配線を伝搬する電磁
波の影響を避けることができる。上層配線3は表皮効果
を考慮して設計してあるため、表皮効果による抵抗の上
昇を避けることができる。なお、実施の形態6では接地
線13を下層に配置したが、上層あるいは上下層双方に
配置しても良く、この場合も同様の効果が得られる。ま
た、信号線12と接地線13の構造はプレーナ型あるい
はペアラインとしても良い。この際、信号線12と接地
線13を同じ層内に配置することになる。図22にペア
ライン構造の例を示す。この場合は、信号線12と接地
線13のいずれにも実施の形態3で示したような積層配
線を用いる必要がある。
【0069】実施の形態6の変形例を図23に基づき説
明する。図23において、図21と同様の部分は同一符
号で示す。実施の形態6の多層配線構造では、信号線1
2に積層構造を用いていない点が特徴となる。かかる構
成では、接地線13は上層にするのが望ましい。図23
のような多層配線構造では、電磁波の伝搬モードを安定
化できる。
【0070】実施の形態7.実施の形態1に示したよう
な多層配線構造をコイル状パターンとすることにより、
インダクタを形成することができる。図24にコイルの
平面図を示す。図中、14は引き出し配線である。イン
ダクタンスはコイルのパターンにより決まり、インダク
タンスの損失はコイルを構成する配線の抵抗により決定
される。実施の形態1あるいは2に示すような多層配線
構造を用いることにより、コイルを構成する抵抗を低減
することができ、より低損失のインダクタを形成するこ
とが可能となる。
【0071】
【発明の効果】本発明に係る多層配線構造では、半導体
基板の上面に形成された第1の層間絶縁膜と、第1の層
間絶縁膜中に形成された第1の配線層と、第1の層間絶
縁膜上に形成された第2の層間絶縁膜と、第2の層間絶
縁膜中に形成された第2の配線層と、第1の配線層と第
2の配線層が並列に配置された並列積層配線領域と、こ
の並列積層配線領域における第2の層間絶縁膜中に、第
1の配線層と第2の配線層を電気的に接続すべく設けら
れた配線形状を呈する接続孔と、を備えたので、通常の
配線領域の孔状の接続孔の歩留りを低下させることな
く、並列積層配線領域の配線抵抗を低減できる。
【0072】また、本発明に係る多層配線構造では、上
述の接続孔を並列積層配線領域における第2の配線層と
略一致する形状としたので、通常の配線領域の孔状の接
続孔の歩留りを低下させることなく、並列積層配線領域
の配線抵抗を低減できる。
【0073】また、本発明に係る多層配線構造では、上
述の接続孔を配線方向に平行で複数に分割された配線形
状を呈する構造としたので、通常の配線領域の孔状の接
続孔の歩留りを劣化させることなく、並列積層配線領域
の配線抵抗をその分散を小さく保ちつつ低減できる。
【0074】また、本発明に係る多層配線構造では、上
述の接続孔を格子形状を呈する構造としたので、通常の
配線領域の孔状の接続孔の歩留りを劣化させることな
く、並列積層配線領域の配線抵抗をその分散を小さく保
ちつつ低減できる。
【0075】また、本発明に係る多層配線構造では、上
述の第1の配線層の側面と第2の配線層の側面および配
線方向に平行で複数に分割された配線形状を呈する接続
孔中の最も外側に設けられた接続孔の外側の側面を略同
一面としたので、通常の配線領域の孔状の接続孔の歩留
りを劣化させることなく、並列積層配線領域の配線抵抗
をその分散を小さく保ちつつ一層低減できる。
【0076】また、本発明に係る多層配線構造では、上
述の複数に分割された配線形状を呈する接続孔中の最も
外側に設けられた接続孔の幅を内側に設けられた接続孔
の幅より広く設定したので、通常の配線領域の孔状の接
続孔の歩留りを劣化させることなく、並列積層配線領域
の配線抵抗をその分散を小さく保ちつつより一層低減で
きる。
【0077】また、本発明に係る多層配線構造では、上
述の最も外側に設けられた接続孔の幅が、以下の数式
(1)で表されるαに基づくスキンデプス(=1/α)
の1/10以上の幅を有することとしたので、高周波数
領域でも表皮効果による配線抵抗の上昇を回避すること
ができる。 α=f×(εμ)1/2[{1+(σ/(εf))2}1/2−1]1/2 (1) (f:周波数、ε:比誘電率、μ:比透磁率、σ:導電率)
【0078】また、本発明に係る多層配線構造では、少
なくとも3以上の配線層と、各配線層間に形成された各
層間絶縁膜と、各層間絶縁膜を貫通して形成された配線
形状を呈する接続孔と、を備えたので、配線抵抗を低減
する効果がより顕著になる。
【0079】本発明に係る半導体装置では、上述のいず
れかの多層配線構造を備えたので、通常の配線領域にお
ける孔状の接続孔の歩留りを低下させることなく、全体
として配線抵抗が低減された多層配線構造を具備する半
導体装置が得られる。
【0080】本発明に係るインダクタでは、少なくとも
2以上の配線層と、各配線層間に形成された各層間絶縁
膜と、各配線層間でそれぞれスパイラル形状を呈しなが
ら相互に並列に配置された部分に各層間絶縁膜中を貫通
して形成された接続孔と、を備えたので、インダクタを
構成する配線抵抗を低減することができ、より低損失の
インダクタを形成することが可能となる。
【0081】本発明に係る半導体装置の製造方法では、
半導体基板の上面に第1の層間絶縁膜を成膜する工程
と、この第1の層間絶縁膜を所定のパターンに配置され
た第1の配線層用の溝形状にエッチングする工程と、こ
の第1の配線層用の溝に金属を埋め込んで第1の配線層
を形成する工程と、第1の配線層が埋め込まれた第1の
層間絶縁膜上にエッチングストッパー用絶縁膜を成膜す
る工程と、このエッチングストッパー用絶縁膜上に第2
の層間絶縁膜を成膜する工程と、第1の配線層と後工程
で形成される第2の配線層が並列に配置される並列積層
配線領域に配線形状を呈した接続孔用の溝を形成すべく
第2の層間絶縁膜をエッチングストッパー用絶縁膜によ
って阻止されるまでエッチングする工程と、第2の配線
層用の溝を形成すべく配線形状を呈した接続孔用の溝中
をさらにエッチングする工程と、このエッチングストッ
パー用絶縁膜をエッチングにより除去する工程と、配線
形状を呈した接続孔用の溝と第2の配線層用の溝を金属
で埋め込んで配線形状を呈した接続孔と第2の配線層を
形成する工程と、を含んでなるので、全体として配線抵
抗の低減された半導体装置を高歩留りで製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による多層配線構造の断面を示
す図である。
【図2】 実施の形態1による多層配線構造の平面図
(a)および並列積層配線領域の概念図(b)である。
【図3】 実施の形態1による多層配線構造の製造方法
を示す図である。
【図4】 スルーホールチェーンの構造を示す断面図お
よび平面図である。
【図5】 実施の形態2による多層配線構造の製造方法
を示す図である。
【図6】 実施の形態2による多層配線構造の断面を示
す図である。
【図7】 実施の形態2による多層配線構造の平面図で
ある。
【図8】 実施の形態2の変形例による多層配線構造の
断面を示す図である。
【図9】 実施の形態3による多層配線構造の断面を示
す図である。
【図10】 実施の形態3による多層配線構造の平面図
である。
【図11】 実施の形態4による多層配線構造の断面を
示す図である。
【図12】 実施の形態4による多層配線構造の平面図
である。
【図13】 電流密度の深さ分布を示す図である。
【図14】 スキンデプスと周波数の関係を示す図であ
る。
【図15】 導体の厚みと抵抗の関係を示す図である。
【図16】 実施の形態4の変形例による多層配線構造
の断面を示す図である。
【図17】 実施の形態4の変形例による多層配線構造
の平面図である。
【図18】 実施の形態5による多層配線構造の断面を
示す図である。
【図19】 実施の形態5による他の多層配線構造の断
面を示す図である。
【図20】 積層配線の層数と配線抵抗の関係を示す図
である。
【図21】 実施の形態6による多層配線構造の断面を
示す図である。
【図22】 実施の形態6による他の多層配線構造の断
面を示す図である。
【図23】 実施の形態6による他の多層配線構造の断
面を示す図である。
【図24】 実施の形態7によるインダクタの平面図で
ある。
【図25】 従来の多層配線構造の断面を示す図であ
る。
【図26】 従来の多層配線構造の平面図である。
【符号の説明】
1 下層配線(第1の配線層)、 1a 第1のバリア
用TaN膜、 2 孔状の接続孔、 3 上層配線(第
2の配線層)、 3a 第2のバリア用TaN膜、 4
第1の層間絶縁膜、 5 エッチングストッパー用絶
縁膜、 6 配線形状の接続孔、 7 通常の配線領
域、 8 並列積層配線領域、 9 第2の層間絶縁
膜、 10 最も外側に位置する配線形状の接続孔、
11 配線、12 信号線、 13 接地線、 14
引き出し配線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F033 HH11 HH32 JJ01 JJ11 JJ32 KK11 KK32 KK33 KK34 MM01 MM02 MM12 MM13 NN06 NN07 PP15 PP27 PP28 QQ09 QQ25 QQ48 RR06 SS15 VV05 VV08 XX01 XX08 5F038 AZ05 CD03 CD05 CD12 CD18 CD20 EZ11 EZ14 EZ15 EZ20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の上面に形成された第1の層
    間絶縁膜と、前記第1の層間絶縁膜中に形成された第1
    の配線層と、前記第1の層間絶縁膜上に形成された第2
    の層間絶縁膜と、前記第2の層間絶縁膜中に形成された
    第2の配線層と、前記第1の配線層と前記第2の配線層
    が並列に配置された並列積層配線領域と、前記並列積層
    配線領域における前記第2の層間絶縁膜中に、前記第1
    の配線層と前記第2の配線層を電気的に接続すべく設け
    られた配線形状を呈する接続孔と、を備えたことを特徴
    とする多層配線構造。
  2. 【請求項2】 前記接続孔が、前記並列積層配線領域に
    おける前記第2の配線層と略一致する形状であることを
    特徴とする請求項1記載の多層配線構造。
  3. 【請求項3】 前記接続孔が、配線方向に平行で複数に
    分割された配線形状を呈する構造であることを特徴とす
    る請求項1記載の多層配線構造。
  4. 【請求項4】 前記接続孔が、格子形状を呈する構造で
    あることを特徴とする請求項1記載の多層配線構造。
  5. 【請求項5】 前記第1の配線層の側面と前記第2の配
    線層の側面および前記配線方向に平行で複数に分割され
    た配線形状を呈する接続孔中の最も外側に設けられた接
    続孔の外側の側面が略同一面であることを特徴とする請
    求項3または4記載の多層配線構造。
  6. 【請求項6】 前記複数に分割された配線形状を呈する
    接続孔中の最も外側に設けられた接続孔の幅が内側に設
    けられた接続孔の幅より広く設定されていることを特徴
    とする請求項3または4記載の多層配線構造。
  7. 【請求項7】 前記最も外側に設けられた配線形状を呈
    する接続孔の幅が、以下の式で表されるαに基づくスキ
    ンデプス(=1/α)の1/10以上の幅を有すること
    を特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項記載の多
    層配線構造。 α=f×(εμ)1/2[{1+(σ/(εf))2}1/2
    1]1/2 (f:周波数、ε:比誘電率、μ:比透磁率、σ:導電
    率)
  8. 【請求項8】 少なくとも3以上の配線層と、前記各配
    線層間に形成された各層間絶縁膜と、前記各層間絶縁膜
    を貫通して形成された前記配線形状を呈する接続孔と、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
    1項記載の多層配線構造。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項記載の
    多層配線構造を備えたことを特徴とする半導体装置。
  10. 【請求項10】 少なくとも2以上の配線層と、前記各
    配線層間に形成された各層間絶縁膜と、前記各配線層間
    でそれぞれスパイラル形状を呈しながら相互に並列に配
    置された部分に前記各層間絶縁膜中を貫通して形成され
    た接続孔と、を備えたことを特徴とするインダクタ。
  11. 【請求項11】 半導体基板の上面に第1の層間絶縁膜
    を成膜する工程と、前記第1の層間絶縁膜を所定のパタ
    ーンに配置された第1の配線層用の溝形状にエッチング
    する工程と、前記第1の配線層用の溝に金属を埋め込ん
    で第1の配線層を形成する工程と、前記第1の配線層が
    埋め込まれた前記第1の層間絶縁膜上にエッチングスト
    ッパー用絶縁膜を成膜する工程と、前記エッチングスト
    ッパー用絶縁膜上に第2の層間絶縁膜を成膜する工程
    と、前記第1の配線層と後工程で形成される第2の配線
    層が並列に配置される並列積層配線領域に配線形状を呈
    した接続孔用の溝を形成すべく前記第2の層間絶縁膜を
    前記エッチングストッパー用絶縁膜によって阻止される
    までエッチングする工程と、前記第2の配線層用の溝を
    形成すべく前記配線形状を呈した接続孔用の溝中をさら
    にエッチングする工程と、前記エッチングストッパー用
    絶縁膜をエッチングにより除去する工程と、前記配線形
    状を呈した接続孔用の溝と前記第2の配線層用の溝を金
    属で埋め込んで配線形状を呈した接続孔と第2の配線層
    を形成する工程と、を含んでなることを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
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