JP2003045610A - コロナ放電ワイヤ、このコロナ放電ワイヤを備えたコロナ放電装置および放電ワイヤの固定方法。 - Google Patents
コロナ放電ワイヤ、このコロナ放電ワイヤを備えたコロナ放電装置および放電ワイヤの固定方法。Info
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Abstract
スプリングのフック部に捲回処理させることで、放電ワ
イヤに過度のストレスを与えることなく、極めて安定し
た保持を実現する。 【解決手段】 少なくとも一方側端部にコロナ放電器に
張架させるための引張スプリングを備えたコロナ放電用
ワイヤであって、該ワイヤは引張スプリングのフック部
に対して放電用ワイヤ本体部分と捲回用自由端部との双
方が捲回状態で保持されている。またこの放電ワイヤの
フックをエンドブロック内に設けた電極に引掛けること
を特徴としたコロナ放電装置である。なお、捲回に当っ
ては、コロナ放電ワイヤを引張りスプリングのフック部
で約100から140度の角度を維持しながら捲回する
ことを特徴としている。
Description
たレーザープリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像
形成装置に使用されるコロナ放電装置に関するものであ
り、より詳細には、コロナ放電装置に使用される放電ワ
イヤの改良された取付け技術に関するものである。
形成装置においては、感光体を一様帯電したり、感光体
上に形成された静電荷潜像を顕像化させたトナー像を用
紙に転写させたりするためにコロナ放電装置(コロナチ
ャージャー)が利用されている。
装置の大きさや処理速度によっても相違するが、基本的
には図1に示したような構造をしている。すなわち、全
体として1で示すコロナ放電装置は、略コの字状に成型
された金属製のシールドケース2の両端部に絶縁性樹脂
によって成型されたエンドブロック3,4が取り付けら
れ、このエンドブロック3,4間にコロナ放電ワイヤ5
が張架されている。
置本体に設けられた高圧電源に接続される端子6が設け
られ、この端子6は、その一端がエンドブロック4内に
あって、電極7と電気的に接続されている。さらにこの
電極7にはフック状の係合部8が形成されている。そし
てコロナ放電ワイヤ5の端部に保持された引張スプリン
グ9のフック10を引っ掛けることで係止させている。
他方のエンドブロック3にはコロナ放電ワイヤ5の多端
部を電気的に浮いた状態、つまりシールドケース2など
とな電気的に接続されていない状態で固定ビス11とワ
ッシャ12とを用いてエンドブロック3内に固定され
る。なお、各エンドブロック3,4には絶縁性樹脂で成
型されたフタ13,14がかぶせられている。
体に装着した際には、例えば画像形成装置本体との接続
部15を利用して接地されるよう電気的に接続される。
かくして、コロナ放電ワイヤ5とシールドケース2との
間に高電圧が付与され、放電が行われることとなる。
0.2mmの太さのタングステンもしくは其の合金から
なる線材から構成され、必要に応じて表面にメッキされ
ているものもある。通常、この放電ワイヤの端部は圧着
もしくはスポット溶接などの手段を用いて端子などと電
気的に接続されている。そして、この一方の端子を前述
した引っ張りスプリングの両端に形成されたフックの一
方側と係止されている。
する場合、放電ワイヤと端子とが強固に接続されるため
高い耐久性が期待できるものの、実際には圧着方法の不
完全や溶接の不完全によって、圧着部分で放電ワイヤが
切断したり、またスポット溶接を施す場合も適切な溶接
を施さないと、圧着同様に溶接部分との界面でワイヤの
切断事故が発生する。この原因は、放電ワイヤに高電圧
を印加すると放電ワイヤ自体に振動が発生し、この振動
により、放電ワイヤと端子との接続部に負荷が集中する
結果、圧着部分や溶接部分に過度のストレスがかかって
いる場合には、そこを起点とした金属疲労によりワイヤ
切断に至るのである。したがって、放電ワイヤに過度の
ストレスを生じさせないような加工を施すこととなり、
直接接続する場合に比べ、結果としてコストアップにも
つながる。
することなく、単に放電ワイヤの端部を引張スプリング
のフック部に捲回させることも試みられている(図5参
照)。しかしながら、この場合は、ワイヤ本体を軸にし
て自由端部のみを捲回処理するようにし、放電ワイヤに
過度のストレスが発生しないようにしている。しかしな
がら、このうような方法で捲回した場合には、フック部
近傍に大きなサークルが形成され、フックから容易に離
脱してしまう。そのため、引張スプリングを係止した放
電ワイヤの取扱いはわずらわしく、改善の余地が残って
いた。
して鋭意研究した結果、特定の捲回処理を施す場合に
は、放電ワイヤに過度のストレスを与えることなく、極
めて安定した保持が可能となることを見出した。
ために、請求項1の発明は少なくとも一方側端部にコロ
ナ放電器に張架させるための引張スプリングを備えたコ
ロナ放電用ワイヤであって、該ワイヤは引張スプリング
のフック部に対して放電用ワイヤ本体部分と捲回用自由
端部との双方が捲回状態で捲回保持されていることを特
徴とする放電電極用ワイヤ。この請求項1の発明によれ
ば、放電ワイヤを双方が捲回状態となるように巻きつけ
ることで、引張スプリングのフック近傍まで緻密に捲回
できるため、放電ワイヤ自体の締まりが強いばかりでな
く、捲回保持した放電ワイヤがフックから外れにくくな
り、取り回しが容易となる。したがって、引張スプリン
グを取り付けた状態で交換部品として取り扱うことがで
きる。
に保持した引張スプリングを高電圧印加用の電極部と接
続された係合部に引掛け、この放電ワイヤをシールドケ
ースの両端に設けられたエンドブロック間に張架したコ
ロナ放電装置であって、この放電ワイヤは引張スプリン
グのフック部に対して放電用ワイヤ本体部分と捲回用自
由端部との双方が捲回状態で捲回保持されていることを
特徴とするコロナ放電装置である。この請求項2の発明
によれば、エンドブロックからコロナ放電ワイヤを装脱
着する作業が容易となり、コロナ放電装置の生産性や装
置自体のメンテナンス性能が高められる。
装置本体端部のエンドブロックに設けられた高電圧印加
用の電極部と接続された係合部に所定張力下に係合させ
る引張スプリングに放電ワイヤを固定する固定方法であ
って、引張スプリングの一端に形成されたフックに対し
て、自由端側ワイヤ、フックとの係合部、ワイヤ本体と
が形成するワイヤ角度を100から140度の角度で維持し、
自由端側ワイヤの所定張力を付与した状態で少なくとも
5回以上引張スプリングを回転させることで放電ワイヤ
を捲回処理することを特徴とする放電ワイヤの固定方法
である。この発明によれば、引張スプリングに対してコ
ロナ放電ワイヤを安定して捲回処理ができ、コロナ放電
ワイヤの生産性が高められる。
細に説明する。第1図は本発明のコロナ放電装置の一例
を説明するための概観図であり、従来例として説明した
前述のコロナ放電装置とはコロナ放電ワイヤの引張スプ
リングのフック部との係合状態を除けば外観状は実質上
同じ構造である。
ワイヤ5の引張スプリング9のフック部10との係合状
態について、第2図を用いて従来例(第5図)と比較し
ながら説明する。全体として20で示すコロナ放電ワイ
ヤと引張スプリングのフック部21との係合部分は、放
電用ワイヤ本体部分22と捲回用自由端部24との双方
が共に捲回状態の係合部26を形成して保持されてい
る。すなわち、ワイヤ本体部分22は、放電を行う部分
は実質上直線状態であるのに対して、係合部分26はら
せん状に縒りがかかった状態となっている。一方、ワイ
ヤの自由端部24は引張スプリングのフック部21を半
周し同じくらせん状に縒りがかかった状態でワイヤ本体
と絡み合っている。なおこの実施例では縒りの回数は6
回となっている。
24ともに縒りがかけられているため、フック部と係合
する部分に形成されるサークル状部分28は極めて小さ
なサークル状とすることができる。
部分は、ワイヤ本体部分22aは、フック部21aの直
前まで直線状態を維持し、フック部21aを半周して自
由端部24aのみがワイヤ本体部分22aを周回するよ
うな状態で捲回されている。この場合もワイヤ端部は解
けることなく捲回処理できるが、フック部21aと係合
する部分に形成されるサークル状部分28aは比較的大
きなサークルとなってしまう。その結果、本発明と従来
技術とを対比すれば、このサークル状部分28,28a
の半径の大小差から、フック部分との係合が外れやすい
かしっかりと保持されるか理解できる。
固定方法について説明する。第3図に示したものは、本
発明の捲回状態を実現するためのワイヤ固定装置であ
る。全体として30で示した固定装置は、平面状の基盤
32と、この基盤32上に設置された捲回処理部34
と、放電用ワイヤ36を送り出すリール38を取り付け
るリーダー部40および、放電用ワイヤに一定の張力を
付与する負荷部分42とから構成されている。
代表される回転手段44が取り付けられ、側面から回転
手段44より回転力が付与された回転軸46が突出して
いる。この回転軸46の端部48はフック状に形成さ
れ、このフック部48に引張スプリング50の一端側の
フックを係止するようになっている。
されていない自由回転可能な回転軸52が2つの平行な
側版54に軸支されている。そしてこの回転軸52の一
端側には放電用ワイヤを巻きつけたリール38が取り付
けられるようになっている。またこの回転軸52の多端
側には回転軸の回転に一定の負荷を生じさせる負荷発生
装置((株)工進精工所製のパーマトルクを使用)56
が設けられており、捲回処理時にリール38から送り出
す放電用ワイヤ36に一定の張力を付与することができ
る。この負荷発生装置56は、使用するワイヤの太さ
や、目的とする放電装置の大きさに応じて適切な負荷を
発生できるよう調節機構(図示せず)が取り付けられて
いる。
ら立設させた支持部材60に回転自在にプーリ62を取
り付けたワイヤ端部負荷発生機構42が設けられてい
る。この装置では、基盤から回転軸46の軸心までの高
さHとプーリー62の上面の溝までの高さHaとを実質
上同じに設定している。こうすることで、回転軸のフッ
クに係止した引張りスプリング50を回転させたとき
に、放電用ワイヤ36が水平方向へ保持され回転させる
ことができ、安定した捲回処理を実行できるからであ
る。なお図中70は、リール38から引出した放電用ワ
イヤ36の自由端を一時的に保持するための保持機構で
あり、板バネ状の2枚の板部材を面接触状態で圧接さ
せ、この接触部分に放電用ワイヤの自由端を挟持するも
のである。
法について説明する。まず、回転軸46のフック部48
に引張りスプリング50の一方側のフックを係止する。
次に、リーダー部40に取り付けた放電用ワイヤ36の
リール38から放電用ワイヤ36を引出し、この放電ワ
イヤ36の自由端を引張スプリングの他方側のフック7
2に通す。こうしてフック72を通した放電ワイヤ36
の端部には錘74がぶら下げられたクリップ75を取り
付け、ワイヤ端部負荷発生機構のプーリー62の溝を介
して第4図に示したようにぶら下げる。
2に形成された放電ワイヤ36の角度αは、この実施例
では120度(回転軸46に対して対象となるようそれ
ぞれ60度の角度)に設定されている。かくして、放電
用ワイヤ36の自由端部には錘74による負荷が、また
放電ワイヤ36を送り出すリール38には負荷調整装置
56による負荷がそれぞれかけられる。このように双方
に同じ大きさの負荷がかけられた状態で、スイッチ80
をONするとゆっくり回転軸46が回転し、引張スプリ
ング50自体が回転することで、そのフック部72に放
電用ワイヤ36が回転軸46を中心としてワイヤ双方が
捲回状態となるように縒られていく。そして、回転軸が
6回転するとスイッチが自動的に解除され回転軸46は
停止する。
ッキ処理された太さ0.06ミリタングステンワイヤを
使用したもので、放電用ワイヤの自由端には約35グラ
ムの負荷がかけられている。
の放電用ワイヤの角度を120度で行ったが、角度以外
は同じ条件として、90度、100度,130度、14
0度で捲回処理したものをそれぞれ複数形成した実験を
実施した。その結果、90度の比較的小さい角度で行っ
た場合には、捲回処理部分の捲回密度が大きくなり、そ
の結果フック部のサークル28(第2図参照)も他の角
度のものよりも大きなものとなって、中にはフック72
から巻きつけた放電用ワイヤが抜け落ちるものもあっ
た。一方、100度、130度と140度のものでは、
このような抜け落ちは生じなかったものの、140度の
比較的大きな角度で巻きつけたものは、放電ワイヤと引
張スプリングとをそれぞれ手で持って保持状態を確認し
たところ、頻度的には少なかったものの捲回処理部分で
放電用ワイヤが切断するものがあった。切断された捲回
処理部を注意深く観察すると捲回部分が極めて密接した
状態で捲回されており、この部分でのタングステンワイ
ヤに与えるストレスが大きかったことが理解できる。な
お、放電ワイヤの太さが幾分変わった場合でも、上記範
囲にある限り良好な捲回処理ができるが上記実施例より
も放電用ワイヤの太さが小さい場合には上記範囲内にお
いて幾分大きな角度で、また放電用ワイヤの太さがより
太い場合には同じく幾分小さ目角度で捲回処理するのが
望ましい。
を引張りスプリングのフック部に捲回処理するにあたっ
ては、放電ワイヤ本体部と自由端部とを双方が捲回状態
となるようにすることで、極めて取り扱いの優れた捲回
処理を施すことができた。したがって、放電用ワイヤと
引張スプリングとを捲回処理した状態で交換部品として
流通させることが可能となり、コロナ放電装置のワイヤ
交換作業が極めて容易に行えるものである。
観斜視図。
の係合状態を説明するための要部拡大図。
の装置の上面図。
状態を説明するための要部拡大図。
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくとも一方側端部にコロナ放電器に
張架させるための引張スプリングを備えたコロナ放電用
ワイヤであって、該ワイヤは引張スプリングのフック部
に対して放電用ワイヤ本体部分と捲回用自由端部との双
方が捲回状態で保持されていることを特徴とする放電電
極用ワイヤ。 - 【請求項2】 放電ワイヤの一端に保持した引張スプリ
ングを高電圧印加用の電極部と接続された係合部に引掛
け、この放電ワイヤをシールドケースの両端に設けられ
たエンドブロック間に張架したコロナ放電装置であっ
て、 この放電ワイヤは引張スプリングのフック部に対して放
電用ワイヤ本体部分と捲回用自由端部との双方が捲回状
態で保持されていることを特徴とするコロナ放電装置。 - 【請求項3】 コロナ放電装置本体端部のエンドブロッ
クに設けられた高電圧印加用の電極部と接続された係合
部に所定張力下に係合させる引張スプリングに放電ワイ
ヤを固定する固定方法であって、引張スプリングの一端
に形成されたフックに対して、自由端側ワイヤ、フック
との係合部、ワイヤ本体とが形成するワイヤ角度を100
から140度の角度で維持し、自由端側ワイヤの所定張力
を付与した状態で少なくとも5回以上引張スプリングを
回転させることで放電ワイヤを捲回処理することを特徴
とする放電ワイヤの固定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001229781A JP2003045610A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | コロナ放電ワイヤ、このコロナ放電ワイヤを備えたコロナ放電装置および放電ワイヤの固定方法。 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001229781A JP2003045610A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | コロナ放電ワイヤ、このコロナ放電ワイヤを備えたコロナ放電装置および放電ワイヤの固定方法。 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003045610A true JP2003045610A (ja) | 2003-02-14 |
Family
ID=19062081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001229781A Pending JP2003045610A (ja) | 2001-07-30 | 2001-07-30 | コロナ放電ワイヤ、このコロナ放電ワイヤを備えたコロナ放電装置および放電ワイヤの固定方法。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003045610A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015215521A (ja) * | 2014-05-12 | 2015-12-03 | キヤノン株式会社 | コロナ放電器及び画像形成装置 |
-
2001
- 2001-07-30 JP JP2001229781A patent/JP2003045610A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015215521A (ja) * | 2014-05-12 | 2015-12-03 | キヤノン株式会社 | コロナ放電器及び画像形成装置 |
US10156806B2 (en) | 2014-05-12 | 2018-12-18 | Canon Kabushiki Kaisha | Corona discharger and unit |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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