JP2003044998A - 地上走行誘導支援装置 - Google Patents
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Abstract
地上走行誘導支援装置を提供する。 【解決手段】 空港内の誘導路を走行する複数の移動体
に対して、誘導支援する地上走行誘導支援装置1は、経
路ネットワーク格納手段11と、移動体特性データ格納
手段12と、運用計画格納手段13と、移動体情報検出
手段14と、を備えている。経路ネットワーク格納手段
11には、占有時間帯算出手段15が接続されている。
占有時間帯算出手段15には、衝突判定手段16と経路
決定手段18が接続されている。経路決定手段18に
は、コスト関数を設定するコスト関数設定手段17が接
続されている。経路決定手段19は、衝突判定手段16
によって移動体の相互の衝突がないと判断され、かつコ
スト関数により算出された複数の移動体の走行経路にか
かるコストの総和が最小となるよう、複数の移動体の候
補経路の中から最適な経路の組み合わせを決定する。
Description
する複数の移動体に対して、誘導支援する地上走行誘導
支援装置に係り、とりわけ移動体の走行経路にかかるコ
ストが最小となるよう、移動体の誘導経路を決定するこ
とができる地上走行誘導支援装置に関する。
空路監視レーダや、二次監視レーダ等を用いて航空路管
制がなされている。つまり、空港近くの進入経路におい
ては、空港監視レーダによって、着陸進入においては精
測進入レーダおよび計器着陸用施設等によって、低視程
でも飛行、着陸進入が可能になっている。しかし、航空
機の空港内における走行誘導については、空港面探査レ
ーダ、管制官の目視による監視、管制官とパイロット間
の音声通信による管制誘導、管制官が操作する誘導灯お
よび案内表示板に頼っている場合が多いのが現状であ
る。したがって、地上において視程が悪いときには、管
制官の航空機の視認やパイロットの周囲監視が困難にな
ることから、誘導走行が難しく、安全性、空港の運用効
率が、ともに低下する。さらに、誘導経路は、管制官の
勘と経験に基づいて指定されるため、交通量が多く誘導
路構成が複雑な空港では、たとえ視程が良好でも、全て
の離発着機が安全でかつ効率良く走行できるよう誘導す
るのは困難である。
特許第3017956号(特開平10−269500、
特願平9−73535)、(2)特開平9−28260
0(特願平8−87984)、(3)特開2000−1
28091(特願平10−299334)等の発明が開
発されている。このうち(3)における誘導経路の決定
は、航空機の現在位置と目標位置に対応した誘導経路を
データベースから読み出すもので、他の航空機や整備車
両等との衝突、工事中等で使用不可能な誘導路について
は特に考慮されていない。
ベースから読み出すが、一つの誘導経路を同時に走行中
の航空機の数が上限を越えないよう誘導経路を割り当
て、また、走行中、他の移動体と衝突の可能性が高い場
合に、一方の移動体に対し誘導路への進入を禁止する機
能を持っている。しかし、一つの誘導経路を共有できる
航空機の台数の上限を決めているだけで、航空機の速度
や間隔を考慮していないため、衝突の可能性を充分考慮
しているとは言いがたい。また、衝突を避けるための進
入禁止による停止回数および停止時間は、誘導経路の割
り当て時には考慮されていないため、実際に走行してた
場合に何回も停止させられ、空港の運用効率が下がる可
能性は否定できない。さらに整備車両等との衝突、使用
不可能な誘導路等の考慮するのは困難である。このこと
は(3)についても同様である。
る方法として、予め決められたプロダクションルールに
基づく推論、または空港面をグラフ化するグラフ探索を
提案しているが、これらの方法では、他の航空機との衝
突はある程度考慮できても、(2)と同様、整備車両等
との衝突や使用不可能な誘導路などを考慮するのは難し
い。
導支援装置において、航空機の現在位置と目標位置に対
応した誘導経路をデータベースから読み出すものが知ら
れている。
動体との衝突および使用不可能な誘導路をも考慮した地
上走行誘導支援装置は開発されていない。
ものであり、空港内を走行する航空機以外の移動体との
衝突や使用不可能な誘導路を考慮して、走行途中での停
止や変更の少なく、安全で効率の良い空港内での誘導経
路を決定することができる地上誘導支援装置を提供する
こと目的とする。
路を走行する複数の移動体に対して、誘導支援する地上
走行誘導支援装置において、空港内の誘導路に関する情
報を格納する経路ネットワーク格納手段と、移動体の特
性に関する情報を移動体の認識番号と関連づけて格納す
る移動体特性データ格納手段と、移動体の運用計画に関
する情報を格納する運用計画格納手段と、移動体の状態
に関する情報を検出する移動体情報検出手段と、経路ネ
ットワーク格納手段からの誘導路に関する情報、移動体
情報検出手段からの移動体の状態に関する情報に基づい
て、移動体が誘導路を占有する時間帯を算出する占有時
間帯算出手段と、占有時間帯算出手段で算出された時間
帯に関する情報に基づいて、空港内の誘導路を走行する
移動体の相互の衝突の有無を判断する衝突判定手段と、
移動体の走行経路にかかるコストを算出するためのコス
ト関数を設定するコスト関数設定手段と、衝突判定手段
によって移動体の相互の衝突がないと判断され、かつコ
スト関数設定手段によって設定されたコスト関数により
算出された複数の移動体の走行経路にかかるコストの総
和が最小となるよう、複数の移動体の候補経路の中から
最適な経路の組み合わせを決定する経路決定手段と、を
備えたことを特徴とする地上走行誘導支援装置である。
以外の移動体との衝突、および工事中等により使用不可
能となった誘導路を考慮して、走行途中での停止や変更
の少ない誘導経路を決定することができる。
誘導支援装置の実施の形態について説明する。
置の第1の実施の形態を示す図である。
誘導支援装置1は、空港内の誘導路に関する情報を格納
する経路ネットワーク格納手段11と、移動体の特性に
関する情報を移動体の認識番号と関連づけて格納する移
動体特性データ格納手段12と、移動体の運用計画に関
する情報を格納する運用計画格納手段13と、移動体の
状態に関する情報を検出する移動体情報検出手段12
と、経路ネットワーク格納手段11からの誘導路に関す
る情報、移動体情報検出手段12からの移動体の状態に
関する情報に基づいて、移動体が誘導路を占有する時間
帯を算出する占有時間帯算出手段15とを備えている。
帯に関する情報に基づいて、衝突判定手段16により空
港内の誘導路を走行する移動体の相互の衝突の有無を判
断し、移動体の走行経路にかかるコストを算出するため
のコスト関数をコスト関数設定手段17により設定する
ようになっている。また経路ネットワーク格納手段1
1、移動体特性データ格納手段12、運用計画格納手段
13、移動体情報検出手段14、衝突判定手段16およ
びコスト関数設定手段17からの情報に基づいて、経路
決定手段18により複数の移動体について各々複数の候
補経路を算出する。
定手段18で算出した候補経路を保存し、周辺機器24
に出力する経路保存出力手段19と、経路ネットワーク
格納手段11、移動体特性データ格納手段12、運用計
画格納手段13およびコスト関数設定手段17に情報を
入力するための入力装置23とを有している。次に各構
成要素について、更に説明する。
内の誘導路に関する情報が格納されている。また、この
ような空港内の誘導路に関する情報は、交差点(滑走路
やエプロンヘの出入り口を含む)と交差点間をつなぐ区
間、交差点および区間の座標と区間の接続状況を有し、
各情報は認識番号と関連づけて、経路ネットワーク格納
手段11に格納されている。なお前記区間は、予め設定
された距離によって誘導路を区切ってもよい。また、経
路ネットワーク格納手段11は、各スポットに対応する
交差点(エプロンヘの出入口)と工事等で臨時に使用不
可能となる区間の認識番号と時間帯に関する情報も、格
納している。さらに、経路ネットワーク格納手段11
は、入力装置23を介して、格納している事故などで臨
時に使えなくなった区間および交差点の認識番号の情報
を随時格納したり消去したりすることができる。
体の特性に関する情報が格納されている。すなわち移動
体特性データ格納手段12には、空港内を走行する各種
航空機や整備車両等の機種/車種とその数、サイズ、速
度(平均、最高)、加減速度(平均、最大)、回転半径
(最大、最小)、優先度、およびジェットブラスト長等
に関する情報を格納されている。
に関する情報が格納されている。すなわち、運用計画格
納手段13には、空港内を走行する移動体の発着時刻や
利用予定スポット等の運用計画に関する情報が格納され
ている。
に関する情報を検出している。すなわち、移動体情報検
出手段14は、空港内を走行する移動体の認識番号、位
置、速度および方向に関する情報を、各種センサや移動
体との通信等によって検出する。移動体情報検出手段1
4は、移動体の認識番号、位置、速度および方向を検出
することにより、衝突判定手段16は、走行中の移動体
について移動体の衝突の可能性を正確に予測することが
できる。
18から候補経路が与えられたときに、与えられた候補
経路を利用する移動体が占有する誘導路の区間および交
差点と、それらが占有される時間帯を算出する。
手段15で算出された時間帯に関する情報に基づいて、
移動体の誘導路の区間および交差点の占有状況から衝突
の有無を判断する。
たコスト関数は、評価項目として、少なくとも所用時
間、走行距離、衝突数、待ち時間、待ち回数および転回
回数を有し、経路決定手段18は、前記コスト関数を用
いて指定した評価項目を重視して移動体の走行経路にか
かるコストを算出している。すなわちコスト関数設定手
段17では、各評価項目に各評価項目に対する係数(コ
スト係数)を乗して各評価項目のコストを算出し、各評
価項目のコストを総和して、移動体の走行経路にかかる
コストを算出している。
に対する係数(コスト係数)を大きく設定することであ
る。例えば、所用時間を重視する場合は、所用時間に対
する評価項目の係数(コスト係数)を大きくしたコスト
関数を設定する。あるいは、移動体が大型機で転回回数
を少なくしたい場合は、転回回数に対する評価項目の係
数(コスト係数)を大きくしたコスト関数を設定する。
ここで待ち時間、待ち回数とは、各々移動体が他の移動
体との衝突を避けるために一時的に停止して待つ時間、
およびその回数をいう。
よって移動体の相互の衝突がないと判断され、かつコス
ト関数設定手段17によって設定されたコスト関数によ
り算出された複数の移動体の走行経路にかかるコストの
総和が最小となるよう、複数の移動体の候補経路の中か
ら最適な経路の組み合わせを決定するものである。
作用について説明する。
港内の誘導路に関する情報が入力され、この情報が経路
ネットワーク格納手段11に格納される。また入力装置
23を介して、移動体の特性に関する情報が移動体特性
データ格納手段12へ入力され、この情報が移動体特性
データ格納手段12に、移動体の認識番号と関連づけて
格納される。さらに、入力装置23を介して、移動体の
運用計画に関する情報が運用計画格納手段13へ入力さ
れ、この情報が運用計画格納手段13に格納される。
算出手段15は、経路ネットワーク格納手段11からの
誘導路に関する情報と、移動体情報検出手段14からの
移動体の状態に関する情報と、経路決定手段18からの
情報に基づいて、移動体の誘導路を占有する時間帯を算
出する。次に衝突判定手段16は占有時間帯算出手段1
5で算出された時間帯に関する情報に基づいて、空港内
の誘導路走行する移動体の相互の衝突の有無を判断す
る。その後、経路決定手段18は、衝突判定手段16に
よって移動体の相互の衝突がないと判断され、かつコス
ト関数設定手段17によって設定されたコスト関数によ
り算出された複数の移動体の走行経路にかかるコストの
総和が最小となるよう、複数の移動体の候補経路の中か
ら最適な経路の組み合わせを決定する。
について詳述する。
の経路を決定することができるが、以下に述べる説明で
は5つの移動体A、B、C、D、Eについての経路を決
定する処理手順について説明する。
ースを用いる方法、グラフ探索を行う方法、推論を行う
方法を用いても良い。
装置23に移動体Aの認識番号(便名等)が入力され
る。入力装置23に入力された移動体Aの認識番号は、
経路決定手段18に送られる。経路決定手段18は、運
用計画格納手段13から移動体Aの認識番号に関連づけ
られた移動体の運用計画に関する情報を読み出し、必要
な場合(走行途中での経路変更をしたい場合など)は、
移動体情報検出手段14から移動体Aの現在位置、速度
および方向(移動体の状態に関する情報)を読み出す。
なお、移動体は移動体の状態に関する情報を無線を通じ
て、移動体情報検出手段14に常時送信し、移動体情報
検出手段14は、移動体の状態に関する情報を常時格納
している。
動体Aの運用計画に関する情報と移動体Aの状態に関す
る情報に基づいて、移動体Aの経路の始点および終点
と、始点での時刻TAを求め、始点での時刻TAから所
定の時間幅ΔTの間(経路算出時間帯P)に走行中の他
の移動体を抽出する。なお、所定の時間幅ΔTは入力装
置23によって入力され、経路決定手段18に送られ
る。また図4において、横軸は時刻(時間)を表し、縦
軸は、移動体の認識番号に関する情報を表している。
手段13からの移動体の運用計画に関する情報と移動体
情報検出手段14からの移動体の状態に関する情報に基
づいて、経路が既に算出されている移動体については、
移動体Aの経路算出時間帯Pに走行中の他の移動体を抽
出する。経路がまだ算出されていない他の移動体につい
て、経路決定手段18は、運用計画格納手段13からの
移動体の運用計画に関する情報と移動体情報検出手段1
4からの移動体の状態に関する情報に基づいて、始点で
の時刻を求め、「始点での時刻」から「始点での時刻+
所定の時間幅ΔT」まで(所定時間帯Q)が経路算出時
間帯Pに掛かる移動体を抽出し、運用計画格納手段13
から移動体Aの経路算出時間帯Pに掛かる移動体の認識
番号を算出する。移動体の経路の算出は、始点での時刻
が早い移動体から経路を求められるので、経路未算出の
移動体に関しては、始点での時刻Tが経路算出時間帯P
に含まれるかどうかで判断できる。なお、所定の時間幅
ΔTの値は、利用者が入力装置23を介して変更可能な
デフォルト値となっている。所定の時間幅ΔTは経路の
始点と終点の位置関係によって、経路決定手段18が自
動調整するようにしてもよい、また、経路算出時に利用
者が入力装置23を介して、直接設定できるようにして
も良い。
C、D、E、とし、このうち、移動体B、Cは経路が算
出されており、移動体D、Eについてはまだ経路が算出
されていないとする。経路決定手段18は、移動体B、
C、D、Eのうち、まだ経路が算出されていない移動体
D、Eに関して、運用計画格納手段13から移動体D、
Eの運用計画を読み出して、経路の始点と終点および始
点での時刻TD、TEを設定する。また経路決定手段1
8は、移動体B、Cに関して、必要な場合(走行途中で
の経路変更をしたい場合)は、移動体情報検出手段14
から現在位置、速度および方向を読み出して、経路の始
点と終点および始点での時刻TB、TC、を設定する。
経路決定手段18は、経路ネットワーク格納手段11か
ら空港内の誘導路に関する情報を、移動体特性データ格
納手段12から移動体の特性に関する情報を、コスト関
数設定手段17によって設定されたコスト関数をコスト
関数設定手段17から読み出し、まだ経路が求められて
いない移動体A、D、E、に対して、個別に最小コスト
となる経路を求め、候補経路とする。ここで経路決定手
段18は、複数の候補経路を求めて経路保存出力手段1
9に記憶するようにしても良い。
の移動体A、D、Eについて各々複数の候補経路を算出
する。
は、移動体Aの経路算出時間帯Pを複数の移動体の基準
で算出するようにしても良い。なお図5において、横軸
は時刻(時間)を表し、縦軸は、移動体の認識番号に関
する情報を表している。例えば、移動体A、C、Dを基
準に経路算出時間帯Pを決める場合、移動体A、C、D
の各経路算出時間帯P1、P2、P3を算出し、算出さ
れた各経路算出時間帯P1、P2、P3が全て含まれる
範囲が、移動体A、C、Dを基準とした経路算出時間帯
Pとなる。
手段17によって設定されるコスト関数を用いて、入力
装置23からコスト関数の評価項目に対する係数(コス
ト係数)が入力され、予め設定された評価項目に入力さ
れた個別の評価項目の値を乗し、各評価項目の個別のコ
ストを算出し、各評価項目の個別のコストを総和するこ
とにより経路のコストを算出する。コスト関数の評価項
目は予め設定されているが、入力装置23を介して、自
由に評価項目の変更、追加および削除ができるようにな
っていても良い。
ト係数を増減することにより、重視したい評価項目を重
視したコスト関数を設定することができ、前記コスト関
数を用いて、経路決定手段18は、重視したい評価項目
を重視した経路を決定することができる。
は、入力装置23を介してコスト関数設定手段17によ
って、走行距離の評価項目に対するコスト係数を大きく
設定することができ、このように設定されたコスト関数
を用いて経路決定手段18は、移動体の走行距離を少な
くするように、移動体の経路を決定する。また、待ち時
間の評価項目に対するコスト係数を大きく設定すること
により、待ち時間を少なくするようにコスト関数を設定
することができる。所用時間と衝突数等、複数の評価項
目を重視しても良い。さらに、コスト関数を数種類設
け、大型機に対しては転回回数の評価項目に対するコス
ト係数を大きく設定し、大型機の転回回数を少なくする
こともできる。このようにして、利用者の意向を反映し
たコスト関数の評価項目に対するコスト係数を設定でき
ることから、空港内の誘導路の運用効率を向上させるこ
とができ、経済的効率を向上させることができる。
間または交差点を占有している場合、各移動体の占有す
る時間帯の間隔をコスト関数の評価項目としても良い。
つまり占有する時間帯の間隔に対する評価項目を重視す
ることにより、経路決定手段18より衝突の危険性の少
ない候補経路の組み合わせを選択することができ、安全
性の向上に繋がる。
ットワーク格納手段11からの誘導路に関する情報と、
移動体情報検出手段14からの移動体の状態に関する情
報と、経路決定手段18からの移動体A、B、C、D、
Eに対する候補経路に関する情報に基づいて、移動体
A、B、C、D、Eがどの時間帯にどの誘導路の交差点
と区間を占有するかを算出する。衝突判定手段16は、
占有時間帯算出手段15によって算出されたどの移動
体、どの時間帯、どの誘導路の交差点または区間を占有
するかについて情報(時間帯に関する情報)に基づい
て、衝突の有無を判断する。衝突の有無の判断は、異な
る移動体が同一の誘導路の交差点または区間を占有し、
かつ時間帯が重複する場合は衝突があると判断し、前記
以外は衝突はないと判断される。また、移動体の衝突が
ある場合、衝突判定手段16は、衝突回数と衝突する誘
導路の交差点または区間、重複する時間帯および移動体
の認識番号を算出し、経路決定手段18に送る。移動体
の衝突がない場合、経路決定手段18は、前記各移動体
の衝突のない候補経路の組み合わせを経路として決定す
る。移動体の衝突がない経路は、衝突を避けるための各
移動体の待ち合わせがないので、各移動体の最小コスト
の候補経路を組み合わせたときの各移動体の走行経路に
かかるコストの総和(他移動体との衝突や待ち時間を考
慮したときの各移動体の候補経路のコストの総和)は最
小となる。
トの候補経路の組み合わせで、移動体の衝突がある場
合、各移動体の次候補の経路、すなわち候補経路のコス
トが次に低い候補経路(移動体と移動体の衝突、前記衝
突を避けるための待ち時間を考慮しないときの候補経路
のコストが現在値以上のものの中で、コスト最小かつ今
までに仮採用していない候補経路)を仮採用した場合の
組み合わせについて、移動体の衝突の回数と全移動体の
走行経路にかかるコストの総和を算出する。
A1、A2、A3、移動体Bの候補経路をB1、B2、
B3、移動体Cの候補経路をC1、C2、C3、移動体
Dの候補経路をD1、D2、D3、移動体Eの候補経路
をE1、E2、E3とした場合、各移動体の候補経路の
組み合わせを、A1−B1−C1−D1−E2、A1−
B1−C1−D2−E1、A1−B1−C2−D1−E
1、A1−B2−C1−D1−E1、A2−B1−C1
−D1−E1というように、各移動体の候補経路を仮採
用した場合の全組み合わせについて、候補経路を組み合
わせたときの移動体の衝突の回数と全移動体の走行経路
にかかるコストの総和を算出する。
の候補経路を示しているが、候補経路は多数存在する場
合もある。また、各移動体の候補経路の組み合わせにつ
いて、図6では一部の組み合わせについて示している
が、経路決定手段18は全組み合わせについて、移動体
の衝突の回数と全移動体の走行経路にかかるコストの総
和を算出する。
総和の算出において、各移動体の候補経路の仮採用は、
二つの移動体について次候補の経路に代えた場合、三つ
の移動体について次候補の経路に代えた場合、全移動体
について次候補の経路に代えた場合、というように一度
にいくつまで各移動体の候補経路を変えて比較するかを
自由に設定できるようにしても良い。また、前記設定は
入力装置23を介して、経路決定手段18に対して行わ
れる。
いては、次候補経路を運用計画における始点から求める
代わりに、経路算出時間帯Pの開始時刻における位置を
始点として求めても良い(すでに走行中の場合は経路算
出時間帯Pの開始時刻における位置を始点とする)。経
路決定手段18は、こうして比較した各移動体の候補経
路の組み合わせの中で、コストの総和が最小の組み合わ
せを移動体の最適な経路の組み合わせとして決定する。
各移動体の候補経路にかかるコストが小さいものから比
較しているので、経路決定手段18は、各移動体の待ち
合わせを行わない候補経路でかつ各移動体の衝突のない
候補経路が得られれば、全移動体の走行経路にかかるコ
ストの総和が最小と判断し、これを採用して全移動体の
最適な経路の組み合わせを決定する。
ち合わせを行わない候補経路の中で、移動体の衝突のあ
る場合は、次の候補経路に代える前の組み合わせで、衝
突が起こる誘導路の区間または交差点で優先度の低い方
の移動体を待たせる(待ち合わせ)ようにしたときの全
移動体の候補経路にかかるコストの総和を算出する。
した衝突のない(待ち合わせを行う)組み合わせのうち
コストの総和が最小の候補経路の組み合わせを経路保存
出力手段19に送り、経路保存出力手段19は前記コス
トが最小の候補経路の組み合わせを保存する。経路決定
手段18は、移動体の衝突のある(待ち合わせを行わな
い)候補経路の中から選ばれたコストの総和が最小の候
補経路の組み合わせについて、一つの候補経路につい
て、二つの候補経路について、三つの候補経路につい
て、というように入力装置23から経路決定手段18に
設定信号を送ることにより、一つまたは複数の候補経路
について、同時に次候補の候補経路に代え、候補経路を
組み合わせたときのコストの総和を比較し、コストの総
和が最小の候補経路の組み合わせを決定する。経路決定
手段18は次候補とすべき現実的な候補経路がなくなっ
ても衝突のない組み合わせが得られない場合は経路探索
を終了し、現在得られているコストの総和が最小で衝突
のない経路の組み合わせ(待ち合わせあり)を採用す
る。ここで、現実的な候補経路とは、候補経路の各評価
項目の個別のコストを総和することにより経路のコスト
を算出し、前記コストの総和が入力装置23を介して設
定された候補経路のコスト最大値以下の候補経路をい
う。また、入力装置23を介して設定された候補経路の
コスト関数の各評価項目のコスト最大値以下の候補経路
としても良い。
くまた長距離を走行する経路である場合で、コスト関数
の評価項目の転回回数または、走行距離に最大値が設定
され、コスト関数によって算出されたコストが前記最大
値以下であれば、現実的な候補経路とされる。また、候
補とする各移動体の候補経路の数の最大値を入力装置2
3を介して予め設定できるようにしても良い。例えば、
各移動体の候補経路の数の最大値が3であれば、各移動
体の候補経路の数は最大で3つとなり、経路決定手段1
8は各移動体の候補経路の数を最大3つの範囲で、各移
動体の候補経路の組み合わせを行う。
移動体の経路は、経路保存出力手段19に送られ、経路
保存出力手段19に保存される。経路保存出力手段19
に保存された情報は、入力装置23からの指示により、
周辺装置24に出力される。なお周辺装置24として、
表示装置、保存装置および記憶媒体が用いられている。
の第2の実施の形態の処理手順を示す図である。
おいて、経路決定手段18は、各移動体の最小コストの
候補経路の組み合わせで衝突がある場合は、まず、この
組み合わせで衝突が起こるところで待ち合わせを行うよ
うにしたときの各移動体のコストの総和を算出する。次
に、一つの移動体毎、次候補経路を仮採用した場合の全
候補経路の組み合わせについて、移動体の衝突が起こる
ところで待ち合わせを行ったときの各々の全移動体の走
行経路にかかるコストの総和を算出する。ところで、入
力装置23から経路決定手段18に設定信号を送ること
により、二つの移動体について候補経路に代えた場合、
三つの移動体について候補経路を代えた場合、全移動体
について候補経路を代えた場合、というように同時にい
くつまで各移動体の候補経路を変えて比較するかを自由
に設定できるようにしても良い。また、経路決定手段1
8は、既に経路の得られていた移動体について、次候補
経路を運用計画格納手段13からの移動体の運用計画に
おける始点から求める代わりに、経路算出時間帯Pの開
始時刻における位置を始点として求めるようにしても良
い(すでに走行中の場合は経路算出時間帯Pの開始時刻
における位置を始点とする)。 経路決定手段18は比
較した各移動体の候補経路の組み合わせの中で、コスト
の総和が最小の各移動体の候補経路の組み合わせを決定
する。経路決定手段18は、各移動体の候補経路のコス
トが小さい方から比較しているので、各移動体の候補経
路の組み合わせのコストの総和が前回より増加する組み
合わせしかない場合、前回の各移動体の候補経路の組み
合わせを、コストの総和が最小であると判断し、前回の
移動体の候補経路の組み合わせを採用し、経路を決定す
る。経路決定手段18は、コストの総和が前回よりも減
少した場合、コストの総和が最小の各移動体の候補経路
の組み合わせを経路保存出力手段19に送り、経路保存
出力手段19はコストの総和が最小の各移動体の候補経
路の組み合わせを保存する。また経路決定手段18は、
前記コストの総和が最小の候補経路の組み合わせについ
て、一つの移動体、二つの移動体、三つの移動体、全移
動体というように複数の移動体について次候補経路に代
えて、各移動体の衝突が起こるところで待ち合わせを行
ったときの各移動体の候補経路のコストの総和を比較
し、各移動体の候補経路のコストの総和が最小の各移動
体の候補経路の組み合わせを決定する。経路決定手段1
8は次候補経路とすべき現実的な候補経路がなくなり、
コストの総和が最小と判断される組み合わせが得られな
い場合は、経路探索を終了し、現在得られている各移動
体のコスト最小の候補経路の組み合わせを各移動体の経
路として決定する。
略同一である。図7および図8において、図1に示す第
1の実施の形態と同一部分は同一の符号を符して詳細な
説明は省略する。
奏する。一般に、1本の滑走路を1時間に発着する便数
は40本程度であり、滑走路とスポット間の所用時間を
およそ5〜6分とすれば、1つの移動体を基準にして経
路算出時間帯Pを決めた場合、一度に考慮すべき移動体
の数は約5つと見積もることができ、経路決定手段18
による経路算出の計算量は多くない。また、移動体が衝
突する場合と待ち合わせる場合を同時に比較するため、
安全で効率の良い経路の組み合わせを確実に効率良く求
めることができる。このようにして、安全で効率の良い
経路の組み合わせが求められる。
施の形態を示す図である。
発明による地上走行誘導支援装置は、移動体の認識番号
に基づいて、移動体の個別の候補経路を算出する単機経
路算出手段21と、単機経路算出手段21によって算出
された移動体の個別の候補経路を移動体の認識番号に関
連づけて格納する候補経路格納手段22を更に有してい
る。
手段21と候補経路格納手段22は経路決定手段18内
に収納されていてもよい。
8から候補経路を求めたい移動体の認識番号が送られる
と、運用計画格納手段13から候補経路を求めたい移動
体の運用計画と、移動体特性データ格納手段12から移
動体の状態に関する情報を読み出す。単機経路算出手段
21は、更に移動体が移動中の場合は移動体情報検出手
段14からその移動体の現在位置、速度および方向を読
み出し、出発点と目標点を設定して、この間を結ぶ候補
経路を一つまたは複数算出する。算出された候補経路
は、単機経路算出手段21から候補経路格納手段22に
送られ、移動体の認識番号に関連づけて、候補経路格納
手段22に格納される。
略同一である。図9および図10において、図1に示す
第1の実施の形態と同一部分は同一の符号を符して詳細
な説明は省略する。
2から候補経路を読み出し、条件が変わった場合にのみ
単機経路算出手段21を使って経路を算出しなおすこと
ができる。また、走行中の移動体の現在位置からの経路
を求める場合、経路決定手段18は単機経路算出手段2
1を使って現在位置からの経路を算出するだけでなく、
現在位置と終点の両方を含む経路を候補経路格納手段2
2から検索できる。
路算出手段22による候補経路の算出にかかる時間が短
縮されることから、安全で効率の良い経路の組み合わせ
をより早く見つけることができる。さらに、経路算出手
段18は、運用計画に基づいて予め誘導経路を算出する
ことができるため、運用計画などに変更がない場合の経
路算出を短時間で行うことができる。このため、急な天
候の変化や運用計画の臨時変更、走行中の移動体の経路
変更などにも迅速に対応できる。
を走行する航空機以外の移動体との衝突や使用不可能な
誘導路を考慮して、走行途中での停止や変更の少なく、
安全でかつ効率的な誘導路を決定することができる。
施の形態を示す全体構成図
施の形態の経路決定手段の処理手順を示す図
施の形態の経路決定手段の処理手順を示す図
を示す図
施の形態の経路決定手段の処理手順を示す図
施の形態の経路決定手段の処理手順を示す図
施の形態を示す全体構成図
路決定手段の内部に具備した状態を示す図
Claims (5)
- 【請求項1】空港内の誘導路を走行する複数の移動体に
対して、誘導支援する地上走行誘導支援装置において、 空港内の誘導路に関する情報を格納する経路ネットワー
ク格納手段と、 移動体の特性に関する情報を移動体の認識番号と関連づ
けて格納する移動体特性データ格納手段と、 移動体の運用計画に関する情報を格納する運用計画格納
手段と、 移動体の状態に関する情報を検出する移動体情報検出手
段と、 経路ネットワーク格納手段からの誘導路に関する情報、
移動体情報検出手段からの移動体の状態に関する情報に
基づいて、移動体が誘導路を占有する時間帯を算出する
占有時間帯算出手段と、 占有時間帯算出手段で算出された時間帯に関する情報に
基づいて、空港内の誘導路を走行する移動体の相互の衝
突の有無を判断する衝突判定手段と、 移動体の走行経路にかかるコストを算出するためのコス
ト関数を設定するコスト関数設定手段と、 衝突判定手段によって移動体の相互の衝突がないと判断
され、かつコスト関数設定手段によって設定されたコス
ト関数により算出された複数の移動体の走行経路にかか
るコストの総和が最小となるよう、複数の移動体の候補
経路の中から最適な経路の組み合わせを決定する経路決
定手段と、 を備えたことを特徴とする地上走行誘導支援装置。 - 【請求項2】経路ネットワーク格納手段、移動体特性デ
ータ格納手段、運用計画格納手段、移動体情報検出手段
およびコスト関数設定手段からの情報に基づいて、個別
の移動体の経路を算出する単機経路算出手段と、 単機経路算出手段で求めた経路を格納する候補経路格納
手段と、を備え、 経路決定手段は、少なくとも候補経路格納手段と単機経
路算出手段からの情報に基づいて、個別の移動体の経路
を決定することを特徴とする請求項1記載の地上走行誘
導支援装置。 - 【請求項3】コスト関数設定手段によって設定されるコ
スト関数は、評価項目として、少なくとも所用時間、走
行距離、衝突数、待ち時間、待ち回数および転回回数を
有し、経路決定手段は、前記コスト関数を用いて指定さ
れた評価項目を重視して移動体の走行経路にかかるコス
トを算出することを特徴とする請求項1記載の地上走行
誘導支援装置。 - 【請求項4】経路決定手段は、各移動体の走行経路にか
かるコストが最小となる一つまたは複数の候補経路を算
出し、 さらに全移動体の走行経路にかかるコストの総和が最小
となる候補経路の組み合わせを算出し、前記候補経路の
組み合わせの中で各移動体の衝突がある場合は、一つま
たは複数の移動体の候補経路を次候補経路に代えた場
合、および優先度の低い方の移動体を待たせた場合につ
いて比較を行ない、コストの総和が最小となる各移動体
の候補経路の組み合わせを決定することを特徴とする請
求項1または2いずれか記載の地上走行誘導支援装置。 - 【請求項5】経路決定手段は、各移動体の走行経路にか
かるコストが最小となる一つまたは複数の候補経路を算
出し、 さらに全移動体の走行経路にかかるコストの総和が最小
となる候補経路の組み合わせを算出し、前記候補経路の
組み合わせの中で各移動体の衝突がある場合は、優先度
の低い方の移動体を待たせた場合について、全移動体の
走行経路にかかるコストの総和を算出し、最小となる各
移動体の候補経路の組み合わせを決定することを特徴と
する請求項1または2いずれか記載の地上走行誘導支援
装置。
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