JP2003043941A - 表示装置 - Google Patents

表示装置

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JP2003043941A
JP2003043941A JP2001227662A JP2001227662A JP2003043941A JP 2003043941 A JP2003043941 A JP 2003043941A JP 2001227662 A JP2001227662 A JP 2001227662A JP 2001227662 A JP2001227662 A JP 2001227662A JP 2003043941 A JP2003043941 A JP 2003043941A
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JP2001227662A
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English (en)
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Hiroyuki Okita
裕之 沖田
Toshitaka Kawashima
利孝 河嶋
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱することなく表示パネル部と駆動回路部
とを電気的に接続することが可能な表示装置を提供す
る。 【解決手段】 有機EL表示装置100の表示パネル部
10と駆動回路部30は接続部20を介して貼り合わせ
られ、接続部20では、表示パネル部10側に設けられ
た電磁誘導素子Ld1,Ld2と、駆動回路部30側に
設けられた電磁誘導素子Lu1,Lu2がそれぞれ対面
して対をなしている。この部分の電気的な接続は、対を
なす電磁誘導素子Ldと電磁誘導素子Luの間の電磁誘
導によって非接触的に行なわれる。表示パネル部10と
駆動回路部30は物理的に接合する必要がなく、熱や圧
力を用いずに貼り合せられることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動回路からの電
気信号により表示パネルを動作させ、表示を行う表示装
置に係り、特に、表示面の裏側から電極が取り出された
構成を有する表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、表示装置は表示パネル部とその
駆動回路により構成されている。例えば、有機EL(El
ectro Luminescence;電界発光)表示装置では、透明基
板上に短冊状の透明電極層(陽極),有機EL層および
短冊状の金属電極層(陰極)がこの順に積層して表示パ
ネル部が構成され、基板側を表示面としている。陽極と
陰極は互いに直交してマトリクス状となっており、選択
された電極間に電圧を印加することによって、画素に対
応する所定位置の有機EL層が発光し、このとき透明基
板を透過して取り出される光により表示が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、従来では、こう
した表示パネル部と駆動回路との接続は、表示パネル部
の外周部分に双方から引き出された電極を加熱し溶着あ
るいは圧着させて行われていた。しかしながら、この接
続方法では、表示パネル部にも熱や圧力が伝わり、これ
が誘因となって表示パネル部の損傷あるいは部材の劣化
を招くおそれがあった。このことは、各種の表示装置の
なかでも、とりわけ有機EL表示装置において問題とな
っていた。
【0004】なぜなら、有機EL層に用いられる有機材
料は、耐熱温度が約80℃とかなり低い。そのため、上
述したような熱を加えて電極接着等の加工を行う際に、
熱によって劣化する可能性が大きいからである。
【0005】また、有機EL表示装置は、さらなる極薄
化・大画面化に対応できるディスプレイとして注目され
ており、最近になって、本発明の出願人と同一の出願人
は表示パネル部の基板の背面から電極を引出す構造を提
案している。この技術によれば、従来、大画面の表示装
置で問題となっていた配線抵抗による電圧降下を低減す
ることができ、大画面であっても輝度むらのない表示装
置を作製することが可能となる。なお、この構造の場合
には、表示パネル部と駆動回路の接続方法として、表示
パネル部側の基板の背面から引き出された電極に、駆動
回路側の配線基板をACF(異方性導電膜)を介して熱
圧着することなどが考えられる。しかしながら、構造
上、その接続部は有機EL層にかなり近く、有機EL層
が熱や圧力の影響を直接的に被ってしまうという問題が
あった。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、加熱することなく表示パネル部と駆
動回路部とを電気的に接続することが可能な表示装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による表示装置
は、表示パネル部、駆動回路部、および、表示パネル部
に接続される電磁誘導素子と、駆動回路部に接続される
電磁誘導素子とを含み、表示パネル部と駆動回路部を電
磁誘導を利用して電気的に接続するための接続部とを備
えている。
【0008】本発明による表示装置では、表示パネル部
および駆動回路部が電磁誘導素子を介して非接触で電気
的に接続され、駆動回路部からの電気信号が表示パネル
部に電磁誘導により伝達される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0010】図1は本発明の一実施の形態に係る表示装
置としての有機EL表示装置の要部を示す構成図であ
り、図2はその全体の概略を表している。この有機EL
表示装置100は、板状の表示パネル部10と駆動回路
部30とが接続部20を介して張り合わせられると同時
に、両者の電気的な接続が接続部20を介して非接触的
に行われるものである。
【0011】表示パネル部10は、画素毎に発光して表
示を行なう部分であり、表示面となる基板11の上に各
画素に対応して有機EL素子10Aを縦横に並列して設
けたものである。
【0012】この有機EL素子10Aは、陽極12と陰
極14の間に有機EL層13が挟まれた構造をしてい
る。陽極12は、正孔を有機EL層13に注入するため
の電極層であり、光の取り出し側にあるため基板11と
共に透明材料からなる。また、陰極14は、有機EL層
13に電子を注入するための電極層である。その間に設
けられる有機EL層13は、電界発光を行なうための有
機化合物からなり、例えば陽極12上に正孔輸送層、発
光層および電子輸送層(いずれも図示せず)が順に積層
されたものである。正孔輸送層は、陽極12から注入さ
れた正孔を発光層まで輸送するために設けられ、発光層
は、陰極14と陽極12の間に電位差が生じると、陰極
14および陽極12それぞれから電子および正孔が注入
され、再結合する領域となる。また、電子輸送層は、陰
極14から注入される電子を発光層に輸送するために設
けられる。
【0013】また、陽極12および陰極14はそれぞれ
駆動回路部30から電気信号を入力されるようになって
いる。従って、発光層は、この電気信号に応じて陽極1
2,陰極14の間に生じる電界により発光するものであ
る。
【0014】なお、陽極12,電極引出部15と、陰極
14,電極引出部16とが短絡しないように両者間には
絶縁層17,18が設けられている。また、有機EL層
13は絶縁層17の開口部17aにおいて陽極12に接
しており、この領域が個々の発光領域となる。よって、
開口部17aは画素の表示領域に相当し、ここから透明
な陽極12および基板11を透過した光が表示面側に取
り出される。
【0015】ここでは、駆動回路部30との電気的接続
のために、これら陽極12,陰極14の直上にはそれぞ
れ引出し電極15,16が設けられ、これにより、陽極
12,陰極14が有機EL素子10Aの基板11と反対
側に引き出されている。更に、各引出し電極15,16
の駆動回路部30側の端部には、それぞれ電磁誘導素子
Ld(Ld1,Ld2)が設けられている。これらは接
続部20の一部であり、表示パネル部10側における電
気的な接続を行なうものである。なお、電磁誘導素子L
d1および電磁誘導素子Ld2についても、相互間、お
よび、陽極12,陰極14,引出し電極15,16との
間で電気的に短絡しないように、周囲に絶縁層18,1
9が設けられている。
【0016】また、陽極12,陰極14は、隣接する有
機EL素子10Aの共通電極であり、互いに直交する方
向に複数本が並列し、マトリクスを形成している。ここ
では、有機EL層13が陰極14に沿って設けられてい
るので、陽極12と陰極14が交差する位置が画素に対
応している。更にここでは、表示パネル部10は、図2
に破線で示すようにセグメントに区分され、各セグメン
トが対応する駆動回路部30によって独立して駆動され
るようになっている。従って、表示パネル部10では、
セグメント毎に、その領域内の電極12,14について
は少なくとも1つ電極取り出し部分を設けるようにす
る。すなわち、引出し電極15,16および電磁誘導素
子Ld1,Ld2は、例えば、図中に陽極12,陰極1
4の代表的な各1本に対し矢印で示したようにセグメン
トあたり1つ配置される。これらは、電極12,14の
どの位置に設けられてもよいが、電磁誘導素子Ld1,
Ld2が相互に磁気的な干渉を受けないように、所定の
距離を保ち、近接しないように設けられることが好まし
い。
【0017】一方の駆動回路部30は、有機EL素子1
0Aに対する電気信号を陽極12,陰極14に入力する
ための駆動IC32が配線基板31の上に搭載されたも
のである。また、配線基板31には、基板31を貫通し
た孔を介して基板31およびその両面を電気的に接続す
る電極部33,34が設けられている。これにより、駆
動IC32が、配線部32aを介して電極部33,34
および配線基板31に電気的に接続されている。
【0018】これら電極部33,34はそれぞれ、陽極
12,陰極14に駆動IC32からの電気信号を入力す
るための引出し電極として機能するものであり、表示パ
ネル部10側の端部にそれぞれ電磁誘導素子Lu(Lu
1,Lu2)が設けられている。これらの電磁誘導素子
Luは接続部20の一部であり、駆動回路部30側にお
ける電気的な接続を行なうものである。なお、各電磁誘
導素子Luの相互間の領域には、接続部20と物理的に
接続するための絶縁層35が設けられている。
【0019】また、ここでは、駆動回路部30は、複数
(図では4つ)のユニットからなり、それぞれが図2に
破線で示すように区分された表示パネル部10の各セグ
メントに電気的に接続され、これらを個別に駆動するよ
うになっている。これにより、表示パネル部10が大面
積であっても、駆動IC32からの信号が入力される引
出し電極15,16の位置から各有機EL素子10Aま
での駆動配線はセグメントの大きさに従って短くするこ
とが可能となる。よって、配線抵抗による電圧降下の影
響を低減させ、表示パネル部10を安定して駆動させる
ことができる。更に、このように複数の駆動IC32が
表示パネル部10を分割制御するようにすると、各駆動
回路部30は個別にメンテナンスを行なうことができる
という利点がある。なお、陽極12,陰極14は隣接す
るセグメント間にわたって形成されているため、各駆動
回路部30は、同一の電極に対する情報信号等のやり取
りなどを行なうための配線板51により相互に接続され
る。
【0020】接続部20は、表示パネル部10と駆動回
路部30とを接続するためのものであり、表示パネル部
10側に設けられている電磁誘導素子Ld(Ld1,L
d2)、駆動回路部30側に設けられている電磁誘導素
子Lu(Lu1,Lu2)、および接着層25から構成
されている。電磁誘導素子Ld1,Ld2と電磁誘導素
子Lu1,Lu2とは、互いに対向して対をなしてい
る。接着層25は、例えば両面接着できる粘着シートで
あり、この両面にそれぞれ表示パネル部10と駆動回路
部30が接着して貼り合せられている。なお、ここで
は、接着層25が本発明の「接続手段」に対応する。
【0021】本実施の形態では、電磁誘導素子Ldおよ
び電磁誘導素子Luの電気的な接続は、その間に作用す
る電磁誘導によって非接触的に行なわれるようになって
いる。電磁誘導素子Ldおよび電磁誘導素子Lu(以
後、これらを区別なく指す場合には、電磁誘導素子Lと
呼ぶ)のそれぞれはインダクタであり、対となることで
トランスとして機能するようになっている。そのため、
これらは自身のインダクタンスと、対となったときの結
合係数とが十分に高くなるように設計されることが必要
であり、材質や形状は任意である。但し、できるだけ薄
い方がよく、設計自由度の観点からは、隣接する電磁誘
導素子L間の干渉ができるだけ小さい方が好ましいこと
から、薄膜インダクタとして構成することが好適と考え
られる。
【0022】薄膜インダクタは、例えば薄膜磁気ヘッド
のように半導体プロセス技術で作製される微小な誘導素
子であり、形状や構成により種々のタイプがある。ここ
では、電磁誘導素子Lは平面型のスパイラルコイルとし
て構成されている。図3は、その平面図である。これら
の電磁誘導素子Lは、例えばAg,Cu,Al等の導電
材料からなり、その線幅や巻数は適宜設定される。ま
た、その一方の端部は、引出し電極15,16もしくは
電極部33,34に接続され(同図の点線部分)、もう
一方の端部は、ここでは図示しないが、全ての電磁誘導
素子Lから表示パネル部10の外に引き出されて接地さ
れている。なお、対向配置されて対をなす電磁誘導素子
LdおよびLuの組は、電磁誘導素子Luを一次コイ
ル、電磁誘導素子Ldを二次コイルとするトランスを構
成する。
【0023】図4は、このような接続部20での電気的
接続を模式的に表したものである。一次コイルに電極部
33,34から電圧V0 が印加されると、そこに流れる
電流によって磁束φの磁界が生じる。この磁束φは二次
コイルにも鎖交する(一次コイルおよび二次コイルを周
回する)ため、このときの磁束変化により二次コイルに
誘導起電力eが生じる。誘導起電力eは、これにより生
じる誘導電流が、磁束φによる磁界の変化を打ち消す磁
界を生じるように誘起される。このように、閉回路を貫
く磁束が時間的に変化するとき、その変化率に比例し
て、磁束の変化を妨げる向きに起電力が生じる現象を電
磁誘導という。従って、電圧V0 を所定の時間変化率を
有する波形で一次コイルに入力すると、二次コイルに
は、その変化率に応じた波形の電圧が誘導されることと
なる。例えば、電圧V0 を変化率一定とする波形とした
場合、誘導起電力eとしてパルス状の電圧が誘導され
る。
【0024】これにより、駆動回路部30からの電気信
号が、電磁誘導素子Lu(Lu1,Lu2)から電磁誘
導素子Ld(Ld1,Ld2)に伝達され、電磁誘導素
子Ldから表示パネル部10に入力されるようになって
いる。
【0025】このような有機EL表示装置100は、例
えば次のようにして製造される。
【0026】まず、表示パネル部10を形成するため
に、基板11を用意する。基板11としては、薄膜ガラ
スなどの透明材料が用いられ、生産性向上や表示面の形
状加工性の観点からは、可撓性を有する材料、例えば、
ポリエチレンテレフタレート(PET;Poly(Ethylene
Terephthalate ))、ポリカーボネート(PC;PolyCa
rbonate )、ポリオレフィン(PO;PolyOlefin)、ポ
リエーテルスルホン(PES;PolyEter Sulphone )を
初めとする高分子ポリマー系材料が好適に用いられる。
【0027】この基板11の上に、図5(A)に示すよ
うに、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜をスパッタ
により150nmの厚さでストライプ状に成膜し、陽極
12を形成する。なお、陽極12としては、SnO2
ZnO等の他の透光性材料を用いてもよい。
【0028】続いて、例えばSiN膜をスパッタにより
基板11の全面に成膜し、その一部をフォトリソグラフ
ィ等によって除去することにより、所定位置にテーパの
ついた開口部17aを有する絶縁層17を形成する。こ
の開口部17aの底部が、発光領域に相当する。なお、
ここで絶縁層17としてSiNを用いることで、電気的
な絶縁性だけでなく水分や酸素に対するバリア性をも有
するものとなり、内部の有機EL層13の劣化を防ぐこ
とができる。
【0029】次に、図5(B)に示したように、開口部
17aの上に真空蒸着法により有機材料を成膜し、有機
EL層13を形成する。その際には、例えばメタルマス
クを用いたパターニングにより所定のストライプ形状と
する。なお、有機EL層13は、陽極12の側から順
に、正孔輸送層、発光層および電子輸送層が積層されて
なり、その材料は特に限定されないが、具体的には、正
孔輸送層としてはα−ナフチルフェニルジアミン,ポル
フィリン,金属テトラフェニルポルフィリン,金属ナフ
タロシアニン等が挙げられ、発光層としては、アントラ
セン,ナフタリン,フェナントレン,ピレン,クリセ
ン,クマリン,アクリジン,スチルベン,トリス(8−
キノリノラト)アルミニウム錯体,ビス(ベンゾキノリ
ノラト)ベリリウム錯体,トリ(ジベンゾイルメチル)
フェナントロリンユーロピウム錯体ジトルイルビニルビ
フェニルなどの発光効率が高い材料が挙げられる。電子
輸送層の材料としては、例えば、キノリン,ペリレン,
ビススチリル,ピラジン,またはこれらの誘導体が挙げ
られる。これらの総厚は、例えば150nmとする。
【0030】次に、図5(C)に示したように、有機E
L層13の上に、例えばAl−Li合金をスパッタによ
り100nmの厚さに成膜して、陰極14を形成する。
なお、陰極14の材料としては、その他、アルミニウム
(Al),インジウム(In),マグネシウム(M
g),銀(Ag),カルシウム(Ca),バリウム(B
a),リチウム(Li)等が用いられる。これらの金属
は単体でも、他の金属との合金としてもよい。
【0031】次に、図6(A)に示したように、例えば
SiN膜あるいはAlNをスパッタにより基板11の全
面に成膜し、絶縁層18を形成する。次いで、図6
(B)に示したように、例えばメタルマスクを用いるド
ライエッチングなどによって、絶縁層17,18を貫通
して陽極12,陰極14に達する貫通孔15A,16A
を形成する。更に、図6(C)に示したように、例えば
メタルマスクを用いる蒸着またはスパッタによって貫通
孔15A,16Aを電極材料で充填し、それぞれ引出し
電極15,16とする。
【0032】次に、図7に示したように、引出し電極1
5,16の上に電磁誘導素子Ld1,Ld2を形成す
る。ここでは、例えばCu,Al,Ag等の電極材料を
図3に示した形状に成膜、パターニングするが、その
際、スパイラル中心の端部を引出し電極15,16の直
上に合わせ、もう一方の外周の端部が全て表示パネル部
10の周縁まで引き出され接地されるようにする。続い
て、図8に示したように、基板11の上全体に絶縁材料
を成膜し、絶縁層19を形成する。これにより、各電磁
誘導素子Ldは自身の配線間および表面を絶縁層19で
覆われ、表示パネル部10が作製される。
【0033】次いで、駆動回路部30を準備する。ま
ず、配線基板31の所定位置に開口を設け、そこに電極
材料を充填して、基板31の中に電極部33,34の引
き出し部分を形成する。更に、基板31の一面側に所定
形状の電極をパターニングして、電極部33,34を形
成しておく。また、基板31の他面側(表示パネル部1
0側)には、上述の電磁誘導素子Ldと同様にして電磁
誘導素子Lu1,Lu2を形成すると共に、各電磁誘導
素子Luの相互間の領域には絶縁層35を形成してお
く。
【0034】次いで、各電極層33,34の基板31上
の部分に、それぞれに対応する配線部32aを例えば半
田付けなどで接続することによって駆動IC32が基板
31に固定されると共に、駆動回路部30の電気的な接
続が行われる。
【0035】次に、表示パネル部10と駆動回路部30
を貼り合わせる。ここでは、接続部20における電気的
接続を電磁誘導素子Ldおよび電磁誘導素子Luによっ
て非接触的に行なうようにしたので、表示パネル部1
0,駆動回路部30は、互いの電極を半田もしくは熱圧
着などを用いて物理的に接合させる必要がない。例え
ば、これらを向き合わせ、電磁誘導素子Ld1,Ld2
と電磁誘導素子Lu1,Lu2とが対向するように位置
合わせをした後に、接着層25を介して表示パネル部1
0に駆動回路部30を押しあてて接着させるとよい。こ
のようにすれば、熱や強い圧力を利用することなく接着
させることができる。
【0036】この有機EL表示装置100では、駆動I
C32から所定位置の有機EL素子10Aに対する電圧
信号が、対応する陽極12,陰極14に向けて出力され
る。このとき、信号は配線部32aから対応する電極部
33,34、更に、これに接続された電磁誘導素子Lu
1,Lu2に入力される。
【0037】図9は、接続部20および表示パネル部1
0における信号伝達を説明するための模式図であり、図
10は電磁誘導素子Lu1,Lu2から表示パネル部1
0に入力される信号のシーケンスを表している。前述し
たように、電磁誘導素子Lu1,Lu2に電極部33,
34から信号が印加されると、これらと対をなす電磁誘
導素子Ld1,Ld2には誘導起電力が生じる。これに
より、電磁誘導素子Lu1,Lu2からの信号は予め定
めた波形となって電磁誘導素子Ld1,Ld2に伝達さ
れるが、ここでは、図10に示したようなパルス波形が
電磁誘導素子Ld1,Ld2に誘導されるものとする。
ちなみに、図10のシーケンスは、通常の有機EL表示
装置においては電極配線を介して駆動IC32から陽極
12,陰極14に直接的に入力される信号である。よっ
て、新たな回路素子を付加したり、駆動方式に大幅な変
更を加えたりすることなく、表示パネル部10は通常と
同様に駆動される。
【0038】電磁誘導素子Ld1,Ld2に伝達される
信号は、表示パネル部10に入力され、電極引出部1
5,16を介して所定の陽極12,陰極14に印加され
る。例えば、ある一つの陽極12に信号SAが入力さ
れ、これを共通電極とする各有機EL素子10Aの陰極
14には信号SC(SC1,SC2,SC3,・・・)
が入力される。両極に同時に電圧が印加されたとき、有
機EL素子10Aでは、電極間に生じる電界によって正
孔と電子が有機EL層13の発光層に注入され、再結合
が起こり、いわゆる電界発光が生じる。この光が表示面
となる基板11側から取り出され、画素が表示される。
ここでは、各有機EL素子10Aの発光時間を信号SA
のパルス幅によって決めるようになっており、これによ
り輝度が調整され、表示画面全体としての階調制御が行
われる。
【0039】このように、本実施の形態においては、接
続部20における表示パネル部10および駆動回路部3
0の電気的接続を電磁誘導素子Ldおよび電磁誘導素子
Luによって非接触的に行なうようにしたので、引出し
電極15,16と電極部33,34を半田等によって物
理的に接合する必要がなく、熱や圧力を加えずに貼り合
せられることが可能となる。よって、有機EL層13が
熱や圧力の影響を受けて劣化することが防止される。
【0040】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
く、種々変形が可能である。例えば、有機EL素子の構
成は、上記実施の形態における有機EL素子10Aに限
定されない。有機EL層13は正孔輸送層、発光層およ
び電子輸送層により構成されているが、適宜の変形が可
能であり、例えば、正孔輸送層および電子輸送層はどち
らも必ず積層させる必要はなく、発光層と陰極14の間
にバッファ層を設けてもよい。バッファ層は、電子の注
入効率を向上させるために設けられ、LiF等からな
る。
【0041】また、上記実施の形態では、電磁誘導素子
Lを図3に示した薄膜インダクタとしたが、本発明があ
らゆるタイプの電磁誘導素子に対し適用可能であるのは
勿論である。上記実施の形態以外には、平面コイルを多
層化させたものや、図11に示すようなつづら折れ(ミ
アンダ型)コイルL3、もしくはトロイダルコイルを平
面状につぶした形状のものなどの他のタイプの薄膜イン
ダクタで構成することもできる。更に、大きさが許せ
ば、いわゆるチップインダクタのような3次元構造とし
てもよく、電磁誘導素子に対してはこのように様々なタ
イプの中から構造を選択し、最適設計することが可能で
ある。
【0042】また更に、上記実施の形態では、一枚のシ
ート状の接着層25を用いて表示パネル部10および駆
動回路部30の物理的接続を行うようにしたが、駆動回
路部30の絶縁層35に対してのみ接着層を付設してお
き、表示パネル部10に重ね合わせるようにしてもよ
く、熱を加えずに接着できるものであれば、どのような
物理的接続手段を用いてもよい。
【0043】更に、上記実施の形態では、駆動回路部3
0が表示パネル部10の基板11と反対側に設けられた
構成の有機EL表示装置100について説明したが、本
発明は表示装置の駆動回路部と表示パネル部との接続に
係るものであり、両者の配置は、この構成に限定されな
い。例えば、駆動回路部が表示パネル部の周縁に設けら
れた従来どおりの構成であってもよい。但し、この場合
よりも、上記実施の形態の構成とした場合のほうが接続
部が表示パネル部全面に直に接しており、接続時の熱や
圧力がパネル部に与える影響は大きいため、より効果的
に適用される。なお、前述したように、表示パネル部と
駆動回路部との接続に関する問題は有機EL表示装置に
限らず表示装置全般を対象とするものであり、他の表示
装置に対して本発明を適用することが可能である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項6のいずれか1項に記載の表示装置によれば、表示パ
ネル部に接続される電磁誘導素子と、駆動回路部に接続
される電磁誘導素子とを含み、表示パネル部と駆動回路
部を電磁誘導を利用して電気的に接続するための接続部
を備えるようにしたので、表示パネル部と駆動回路部は
対向させるだけでその電気的な接続が非接触的に行なわ
れ、従来のように電気的接続を熱や圧力を加えて物理的
に行なわずに済む。従って、熱または圧力の影響による
表示パネル部の損傷や部材の劣化を防止することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る有機EL表示装置
の要部構成を示す断面図である。
【図2】図1に示した有機EL表示装置の全体の構成を
示す概観図である。
【図3】図1に示した有機EL表示装置に用いられる電
磁誘導素子の平面図である。
【図4】図1に示した有機EL表示装置の接続部におけ
る電気的接続に対する模式図である。
【図5】図1に示した有機EL表示装置の製造方法を説
明するための工程図である。
【図6】図5に続く工程図である。
【図7】図6に続く工程図である。
【図8】図7に続く工程図である。
【図9】図1に示した有機EL表示装置の電気的接続を
説明するための図である。
【図10】図1に示した有機EL表示装置の表示パネル
部に入力される信号のシーケンスである。
【図11】図1に示した有機EL表示装置に用いられる
電磁誘導素子の変形例である。
【符号の説明】
11…基板、12…陽極、13…有機EL層、14…陰
極、15,16…引出し電極、17,18,19…絶縁
層、17a…開口部、10A…有機EL素子、10…表
示パネル部、20…接続部、Ld1,Ld2,Lu1,
Lu2,L3…電磁誘導素子、25…接着層、30…駆
動回路部、31…配線基板、32…駆動IC、32a…
配線部、33,34…電極部、35…絶縁層、100…
有機EL表示装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/06 H05B 33/06 33/14 33/14 A Fターム(参考) 3K007 AB18 BA06 DA01 DB03 EC00 FA02 GA04 5C080 AA06 BB05 DD18 DD28 FF12 JJ03 JJ04 JJ06 5C094 AA43 BA27 CA19 CA25 DA12 DA13 DB02 DB05 EA04 EA05 EB02 FA01 FA02 FB01 FB12 FB15 FB20 GA10 GB01 5G435 AA17 BB05 CC09 EE32 EE36 EE41 HH12 HH14 KK05 KK09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示面となる基板を有し、前記基板上に
    表示素子が形成された表示パネル部と、 前記表示素子に電気信号を入力するための駆動回路部
    と、 前記表示パネル部に接続される電磁誘導素子と、前記駆
    動回路部に接続される電磁誘導素子とを含み、前記表示
    パネル部と前記駆動回路部を電磁誘導を利用して電気的
    に接続するための接続部とを備えたことを特徴とする表
    示装置。
  2. 【請求項2】 前記接続部は、更に、前記表示パネル部
    と前記駆動回路部を加熱によらず物理的に接続させるこ
    とが可能な接続手段を含むことを特徴とする請求項1に
    記載の表示装置。
  3. 【請求項3】 前記接続部は電磁誘導素子として薄膜イ
    ンダクタを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示
    装置。
  4. 【請求項4】 前記接続部は前記表示素子の前記基板と
    反対側に設けられていることを特徴とする請求項1に記
    載の表示装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動回路部は接続部を介して前記表
    示素子の前記基板と反対側に設けられていることを特徴
    とする請求項4に記載の表示装置。
  6. 【請求項6】 有機電界発光表示装置として構成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010517216A (ja) * 2007-01-22 2010-05-20 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 有機発光ダイオード装置
JP2013504156A (ja) * 2009-09-07 2013-02-04 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ ワイヤレスエレクトロルミネッセント装置

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