JP3576857B2 - 有機薄膜el素子とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機薄膜EL素子の構造とその製造方法に関し、主にこの構造が蒸着工程のみで形成している有機薄膜EL素子の構造とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種産業機器の表示装置のユニットや画素に用いられつつある有機エレクトロルミネセンス(EL:ElectroLuminescence)素子の開発が、自発光、低電力という利点により急速に進められている。
【0003】
従来のドットマトリクスの有機薄膜ELパネルの構造図を図7に示す。図において、有機薄膜ELパネルは、透明支持基板1上に透明電極2と正孔輸送層3、発光層4からなる有機積層膜と、透明電極2と直行する方向に配線された陰極5とから構成される。また、透明電極2と陰極5とはフレキシブルプリント基板10によって外部から制御信号及び電源を供給されている。さらに、透明支持基板1と外装を構成する封止キャップ6とが接着材16で封止されている。
【0004】
この有機薄膜ELパネルにおいて、単純マトリクス駆動で駆動させた時、片側から給電した場合、陰極5の配線抵抗による電圧降下が大きい為、フレキシブルプリント基板10と接続した付近の素子と離れた素子とでは素子にかかる電圧が異なることにより、表示時に数倍の輝度比の輝度ムラが起こる。またそれは表示画面が大きくなるほど顕著に現れる。
【0005】
さらに陰極5での電圧降下が大きいために、駆動電圧も高くなってしまう。また配線抵抗を小さくするために、陰極5のAlの膜厚を厚くつけると、正孔輸送層3と発光層4との有機膜が、Alの蒸着時の輻射熱により、ダメージを受け画素欠陥がおこりやすいといった問題がある。
【0006】
この対策のために、配線抵抗の小さな配線で、配線抵抗の大きな配線の両端を接続する技術が開示されている。特開平9−219288号公報では、図8に示す構成を開示している。図において、透明なガラス基板1の表面上にITO(Indium−Tin−Oxide)などの材料を蒸着して所定の厚さに形成される透明な複数の平行なライン蒸の透明陽極電極2が積層され、その上に有機蛍光体薄膜4や有機正孔輸送層3等から成る発光機能層が積層形成され、さらに、陽極電極2とそれぞれ互いに交差する複数の平行なライン状の金属から成る陰極5が真空状着等によって積層されている。各陽極電極2の両端部はそれぞれ金属から成る接合部18に電気的に接続され、共にガラス基板1上に固着されている。
【0007】
また、陰極5の両端部は金属から成る接合部18に接続され、ガラス基板1の陽極電極2が形成される面の外周には金属から成る接合部18が固着形成され、所定の高さの壁を形成し、接合部18は導電性の金属材料を蒸着、メッキ、溶着、電着等の手法で形成される。また、セラミックから成る両面基板16は片面側にガラス基板1の接合部18に対応して接合部18が固着形成されて所定の高さの壁を形成している。接合部18の両面は隙間なく半田付けされ、ガラス基板1及び両面基板16間に有機EL素子のパッケージを構成し、陽極電極2、発光機能層、陰極5の積層体を内包して不活性ガスを充満して封止する。両面基板16の片面には導電パターン15が銅箔で形成され、導電パターン15とはスルーホールを介して陽極電極2と陰極5とはそれぞれ接続され、フレキシブルプリント基板10により外部に引き出される。そのフレキシブルプリント基板10の先には、陽極駆動用ICや陰極駆動用ICとに接続されて駆動される。
【0008】
こうして、陰極5の各ラインは導電パターン15がそれぞれパラレル接続され、同一陰極ライン上に配列される各陽極電極2側から見ると陰極5による電気抵抗の差実質的に小さくなるので、陽極2と陰極5の各交差部分の発光効率の差が小さくなり、全体として輝度ムラが小さくなり発光が安定するとしている。
【0009】
このスルーホールを介して一方の面の導電パターン15と他方の面の導電パターン15とが互いに電気的に接続された両面基板16を備え、ガラス基板1と外周部にて接合して封止すると共に、一方の面の導電パターンを陽極及び陰極に接続することを開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この手法では、第1の基板と第2の基板との外周部での接続と、陰極5端子と導電パターン15の接続が、クリーム半田や半田ボールを用いて高温槽で溶かして接続しているため、熱の影響により有機材料が結晶化してしまい、寿命や特性を悪くしている。また2重に接続するために接続が複雑になることで工数がかかり、信頼性が悪くなるという問題がある。
【0011】
本発明は、これらの問題点を解決するために、製造工程が簡単であり、表示品位が高く、素子の劣化のない有機薄膜ELパネル及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも一方が透明または半透明の対向する一対の電極間に少なくとも正孔輸送層と有機発光層を積層した有機薄膜ELパネルを有する有機薄膜EL素子の構造及びその製造方法において、基板上に透明陽極と前記有機薄膜ELパネルと一層目の陰極とを順次形成し、前記一層目の陰極が孤立することなく連続した状態のパターンを形成した後、その上に絶縁層を設け、さらに2層目の陰極が前記1層目の陰極と前記絶縁層を介して両端あるいは前記絶縁層中に設けられたスルーホールで接続されており、前記有機薄膜ELパネルの構造が蒸着工程のみで形成されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、少なくとも一方が透明または半透明の対向する一対の電極間に少なくとも正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層を積層した有機薄膜ELパネルを有する有機薄膜EL素子の構造及びその製造方法において、基板上に透明陽極と前記正孔注入層と前記正孔輸送層と前記有機発光層と一層目の陰極とを順次形成し、前記一層目の陰極が孤立することなく連続した状態のパターンを形成した後、その上に絶縁層を設け、さらに2層目の陰極が前記1層目の陰極と前記絶縁層を介して両端あるいは前記絶縁層中に設けられたスルーホールで接続されており、前記正孔注入層と前記正孔輸送層と前記有機発光層と一層目の陰極との構造が蒸着工程のみで形成していることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、少なくとも一方が透明または半透明の対向する一対の電極間に少なくとも正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を積層した有機薄膜ELパネルを用いた有機薄膜EL素子の構造及びその製造方法において、前記有機薄膜ELパネルを形成した後、1層目の陰極が孤立することなく連続した状態のパターンを形成し、その上に絶縁層を設け、さらに2層目の陰極が前記1層目の陰極と前記絶縁層を介して両端あるいは前記絶縁層中に設けられたスルーホールで接続されており、前記有機薄膜ELパネルの構造が蒸着工程のみで形成していることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、少なくとも一方が透明または半透明の対向する一対の電極間に正孔輸送層、有機発光層を積層したドットマトリクスの有機薄膜ELパネルにおいて、陰極パターンを形成しその上に絶縁層を設け、さらに2層目の陰極が1層目の陰極と絶縁層を介して両端あるいは絶縁層中に設けられたスルーホールで接続されており、この構造が蒸着工程のみで形成することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、図1を参照して説明すれば、透明支持基板1に陽極として透明電極2を形成しその上に正孔輸送層3、発光層4を真空蒸着法により形成する。次に陰極5として仕事関数の小さい金属(4.0eV以下)を有機膜上に成膜し有機ELパネルを作成する。そして陰極5の上に絶縁層6を成膜し、さらに2層目の陰極7は陰極5と同じピッチでパターニングされ、絶縁層6の両端で陰極5と導通している。この2層陰極構造により陰極駆動回路側から見ると、陰極の両端2箇所で接続されることにより、素子の実効的な陰極ライン抵抗が小さくなり、電流集中による陰極での溶断や配線抵抗による電圧降下を抑え、素子の輝度むらを少なくできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明による実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
[第1の実施形態]
(本実施形態の構成)
図1に本発明の第1の実施形態としての断面図を示している。図において、ガラス等の透明支持基板1に、陽極としてスパッタ法によりITO等の透明電極2を形成する。その上に正孔輸送層3を真空蒸着法により形成し、さらにその上に発光層4を真空蒸着法により形成し、両層による有機積層膜とする。次にリチウムとアルミニウムを抵抗加熱法または電子ビーム加熱法を用いて、共に蒸着し、第1層目の陰極5を有機膜上に成膜し、有機薄膜ELパネルを作成する。
【0019】
次にSiOなどの絶縁層6を、抵抗加熱法を用いて陰極5の取出し電極より内側に成膜する。さらにアルミニウム等の金属、またはそれらの合金を抵抗加熱法または、電子ビーム加熱法を用いて、2層目の陰極7として絶縁層6の上に陰極5と同じピッチで並行して成膜し、絶縁層6を挟んで両端で陰極5と導通している。
【0020】
また、上記有機薄膜ELパネルは正孔輸送層3、発光層4からなり、それぞれ蒸着工程によって形成され、さらにITO等の透明電極2と、絶縁層6と、陰極5とを共に蒸着工程により形成されるので、1つの蒸着装置に基板を設定すれば、順次蒸着工程を繰り返すことにより有機薄膜EL素子を形成でき、1つの製造設備によって完成品ができあがる。
【0021】
次に、封止キャップ8に変性アクリレート系の光硬化性絶縁樹脂9をディスペンサーで均一に塗布した。そして窒素ガスのような不活性ガス雰囲気中で透明支持基板1と封止キャップ8を位置合わせし、パネル電極面の反対面から紫外光を照射し、光硬化性絶縁樹脂9を硬化させて封止した。
【0022】
また、カラー有機薄膜EL素子を形成する場合には、カラー発光材料をRGB又はSMYK(シアン、マゼンタ、イェロー、ブラック)に応じたものとして材料とパターンとを選択して、当該蒸着装置に設定して、蒸着工程を繰り返すことにより、完成品が形成される。
【0023】
なお、上記有機薄膜EL層は、正孔輸送層3と有機発光層4とについて説明したが、正孔注入層と正孔輸送層と有機発光層とを積層した有機薄膜EL層でも、正孔輸送層と有機発光層と電子輸送層とを積層した有機薄膜EL層であっても、各層を真空蒸着装置内で積層することにより、製造工程の簡略化とともに、有機薄膜ELパネルの製造上の信頼性を向上し、歩留まりを大幅に高めることができる。
【0024】
(本実施形態の動作)
本発明の実施形態による概念構成図を図2に示す。まず、例えば厚さ1.1mmの透明支持基板1に、透明電極の陽極2としてスパッタ法によりITO膜を厚さ100nmで形成し、フォトリソグラフィーとウエットエッチングにより透明電極2を形成した。透明電極2のシート抵抗は15Ω/□、配線ピッチ0.5mm、本数は128本であった。
【0025】
次に、この透明支持基板1を真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、真空蒸着装置内の抵抗加熱ボートに正孔輸送層3として、N,N’−ジフェニル−N,N’ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(以下、α−NPDという)を入れる。そして別の抵抗加熱ボートに発光層4として、トリス(8−キノリライト)アルミニウム錯体(以下、Alq3という)を入れ、真空ポンプで真空蒸着装置内を1×10−5Torr以下に排気する。
【0026】
しかる後、有機EL層を蒸着する範囲を四角形にくり抜いた金属製のマスクを、透明支持基板1の表面に固定するように設置する。そして透明支持基板1と上記マスクとの下部に設置されているα−NPDの抵抗加熱ボートに電流を流して加熱する。そしてα−NPD層の正孔輸送層3が膜厚50nm程度になるように蒸着する。
【0027】
その後、Alq3層の発光層4を膜厚50nmまで蒸着する。このようにして有機EL層を形成する。なおα−NPD層3は正孔を輸送する層として機能し、Alq3層4は電子を輸送する層及び発光層として機能する。ここで、α−NPD及びAlq3は蒸着膜の厚さがより均一になるように、蒸着中に透明支持基板1を、蒸着ソース源に対して水平面内で回転させる方が望ましい。
【0028】
次に、図3のように、ステンレス材料のSUS430製のシャドウマスク11をあらかじめ真空蒸着装置内に配置しておき、シャドウマスク11の上に、図2に示した配置を反転した状態で、有機EL層を形成した透明支持基板1を設置する。また図4(a)のようにシャドウマスク11にはストライプ状遮蔽部12が幅0.4mm、中心ピッチ1.0mmで形成され、スリット部14が設けられている。そして透明支持基板1上のアノードラインに直交する方向にストライプ状遮蔽部12が形成されている。
【0029】
次に、真空蒸着装置内の抵抗加熱ボートにAlを入れ、また別の抵抗加熱ボートにLiを入れて、Al:Liの比率を10:1となる蒸着速度で60nm共蒸着した。そして透明支持基板1をシャドウマスク11から引き離すことにより、有機EL層の上にアルミニウムとリチウムの合金金属からなるストライプ状の陰極5がパターニングされた。
【0030】
次に、図4(b)のように、SUS430製のシャドウマスク19をあらかじめ真空蒸着装置内に配置しておき、シャドウマスク19の上に陰極5まで積層した透明支持基板1を設置する。シャドウマスク19は陰極5の両端の内側まで開口部20が設けられている。続いて、真空蒸着装置内の抵抗加熱ボートにSiOを入れ、電流を流して100nm蒸着し、絶縁層6を形成する。ここで絶縁層6の膜厚は10nm以上が望ましく、また絶縁層はSiOやGeOなどの酸化物でもよい。
【0031】
さらに、先ほど陰極5を形成した図4(a)に示すシャドウマスク11を用いて、透明支持基板1の絶縁層6上に陰極5と同じピッチのストライプ状の2層目の陰極7を500nm形成した。図5のように陰極7は絶縁層6の両端で陰極5と導通している。次に封止キャップ8に変性アクリレート系の光硬化性絶縁樹脂9をディスペンサーで均一に塗布した。そして、窒素ガスのような不活性ガス雰囲気中で透明支持基板1と封止キャップ8を位置合わせし、パネル電極面の反対面から紫外光を照射し、光硬化性絶縁樹脂9を硬化させた。
【0032】
この陰極5,7の2層構造により、陰極5,7の配線抵抗は1層のみのときの抵抗値100Ωから10Ωに低減された。また上記パネルの片側にフレキシブルプリント基板10を接続し、陰極にディユーティーファクター1/32、フレーム周波数150Hzで時分割走査するように8Vのパルス電圧を印加した。陽極2には陰極5,7の走査タイミングに合わせて、点灯させたい画素につながる陽極2に定電流回路から300mA/cm、最大8Vのパルス電流を流したところ、所望の表示パターンが得られ、また表示面の中央部と周辺部との輝度比は、20%以下の均一な輝度の発光が得られた。
【0033】
本実施形態により、配線抵抗の小さい導電パターンを基板の両端で陰極5,7に接続することで、駆動回路側からみた素子の陰極の配線抵抗を下げるので、パネル表示の輝度むらを少なくすることができる。
【0034】
また、有機薄膜ELパネルを単純マトリクス駆動で駆動させる際、陰極5,7への給電が素子の一方の辺側からのみ行われた場合に陰極が断線してしまうと断線した画素から先の画素はOPENとなり光らないが、陰極5,7の両側で給電されており、片側が断線した場合でも、もう一方側から給電されるので、断線した先の画素も光ることができ、一部の陰極断線による不点灯画素を無くすことができる。
【0035】
また、本実施形態による方法では、光硬化性絶縁樹脂を用いているので、有機EL素子への熱の影響がないので、素子の劣化を抑えることができる。また、本実施形態による方法によって簡潔に封止できるので、工数が少なく接続の信頼性を向上させることができ、作業工数を簡潔に行うことができる。
【0036】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態を図6に示す。図において、まず、例えば厚さ1.1mmの透明支持基板1に陽極2としてスパッタ法によりITO膜を100nm形成し、フォトリソグラフィーとウエットエッチングにより透明電極2を形成した。透明電極2のシート抵抗は15Ω/□、配線ピッチ0.5mm、本数は128本であった。
【0037】
次に、この透明支持基板1を真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、真空蒸着装置内の抵抗加熱ボートに、正孔輸送層3としてα−NPDを入れる。そして別の抵抗加熱ボートに発光層4として、Alq3を入れ、真空ポンプで真空蒸着装置内を1×10−5Torr以下に排気する。しかる後、有機EL層を蒸着する範囲を四角形にくり抜いた金属製のマスクを、透明支持基板1の表面に固定するように設置する。
【0038】
そして、透明支持基板1と上記マスクとの下部に設置されているα−NPDの抵抗加熱ボートに電流を流して加熱する。そして、α−NPD層の正孔輸送層3が膜厚50nm程度になるように蒸着する。その後、Alq3層の発光層4を膜厚50nmまで蒸着する。
【0039】
次に、SUS430製のシャドウマスクをあらかじめ真空蒸着装置内に配置しておき、シャドウマスクの上に正孔輸送層3と発光層4との有機EL層を形成した透明支持基板1を設置する。シャドウマスクにはストライプ状遮蔽部が幅0.4mm、中心ピッチ1.0mmで形成され、スリット部が設けられている。そして透明支持基板1上の陽極2のアノードラインに直交する方向に、ストライプ状遮蔽部が形成されている。
【0040】
次に、真空蒸着装置内の抵抗加熱ボートにAlを入れ、また別の抵抗加熱ボートにLiを入れて、Al:Liの比率を10:1となる蒸着速度で60nm共蒸着した。そして透明支持基板1をシャドウマスク11から引き離すことにより有機EL層の上にアルミニウムとリチウムの合金金属からなるストライプ状の陰極5がパターニングされた。
【0041】
次に、SUS430製のシャドウマスクをあらかじめ真空蒸着装置内に配置しておき、シャドウマスクの上に陰極5まで積層した透明支持基板1を設置する。シャドウマスクは、透明電極2を覆う幅のピッチで、ストライプ状遮蔽部が形成されている。抵抗加熱ボートにSiOを入れ、電流を流して100nm蒸着し、絶縁層6を形成する。
【0042】
さらに、先ほど陰極5を形成したシャドウマスクを用いて、透明支持基板1の絶縁層6上に、真空蒸着装置内の抵抗加熱ボートにAlを入れ、ストライプ状の陰極7を500nm形成した。陰極7は陰極5と同じピッチで、絶縁層6の両端並びにITOの陽極2とITOの陽極2の隙間で導通されている。次に封止キャップ8に変性アクリレート系の光硬化性絶縁樹脂9をディスペンサーで均一に塗布した。そして窒素ガスのような不活性ガス雰囲気中で透明支持基板1と封止キャップ8を位置合わせし、パネル電極面の反対面から紫外光を照射し光硬化性絶縁樹脂9を硬化させた。
【0043】
この陰極5,7の2層構造により、陰極の配線抵抗は100Ωから10Ωに低減された。また上記パネルの片側にフレキシブルプリント基板10を接続し、陰極5,7に、ディユーティーファクター(Duty Factor)1/32、フレーム周波数150Hzで時分割走査するように、8Vのパルス電圧を印加した。陽極2には陰極5,7の走査タイミングに合わせて、点灯させたい画素につながる陽極2に定電流回路から300mA/cm2、最大8Vのパルス電流を流したところ、所望の表示パターンが得られ、また表示面の中央部と周辺部との輝度比は、20%以下の均一な輝度の発光が得られた。
【0044】
上記各実施形態では、有機EL層として、正孔輸送層と発光層とを用いた例を示したが、正孔注入層と正孔輸送層と有機発光層を積層した有機薄膜EL層であっても、色素ドープの発光層とホールブロック層とAlqの電子輸送層とからなる有機EL層であっても、正孔輸送層と色素ドープの発光層とAlqの電子輸送層とからなる有機EL層であっても、各層が真空蒸着装置内で蒸着することにより積層することにより、本発明を適用できる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、陰極電極への電力の供給が素子の一方の辺側から行われた場合、従来例による陰極の配線抵抗が高い為に電圧降下がおき、画素の位置により発光輝度が異なっていたのに対し、配線抵抗の小さい導電パターンを基板の両端で陰極に接続することで、駆動回路側からみた素子の陰極の配線抵抗を下げるので、パネル表示の輝度むらを少なくすることができる。
【0046】
また、有機薄膜ELパネルを単純マトリクス駆動で駆動させる際、従来例によれば陰極への給電が素子の一方の辺側からのみ行われており、陰極が断線してしまうと断線した画素から先の画素はOPENとなり光らないことがあったが、両側で給電しているので片側が断線した場合でも、もう一方側から給電され、断線した先の画素も光ることができるので、陰極断線による不点灯画素を無くすことができる。
【0047】
また、従来技術ではガラス基板と両面基板を接続する際、あるいは陰極と導電パターンを接続する際、クリームはんだやはんだボールを用いており、高温槽などによりはんだを溶融させている為に、有機EL素子にまで熱が加わり、有機材料が結晶化してしまい寿命や特性を劣化させる恐れがあったが、本発明による方法では、光硬化性絶縁樹脂を用いているので、素子への熱の影響がないことから、素子の劣化を抑えることができる。
【0048】
また、従来の方法では陽極及び陰極とをそれぞれ別個の工程で2重に接続を行っているために、作業工数が多く複雑になっていたが、本発明による方法では、簡潔に封止できるため、工数が少なく接続の信頼性を向上させることができ、作業工数を簡潔にでき、工程上の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有機EL表示装置の構成断面図である。
【図2】本発明による有機EL表示装置の製造工程中の構成断面図である。
【図3】本発明による有機EL表示装置の製造工程中の構成断面図である。
【図4】本発明による有機EL表示装置の製造工程中のマスクの構成図である。
【図5】本発明による有機EL表示装置の構成断面図である。
【図6】本発明による有機EL表示装置の構成断面図である。
【図7】従来例の有機EL表示装置の構成断面図である。
【図8】従来例の有機EL表示装置の構成断面図である。
【符号の説明】
1 透明支持基板
2 透明電極(陽極)
3 正孔輸送層(α−NPD)
4 発光層(Alq3)
5 1層目陰極
6 絶縁層
7 2層目陰極
8 封止キャップ
9 光硬化性絶縁樹脂
10 フレキシブルプリント基板
11 シャドウマスク
12 ストライプ状遮蔽部
13 蒸着金属
14 スリット部
15 導電パターン
16 両面基板
17 はんだ
18 接合部
19 シャドウマスク
20 開口部

Claims (1)

  1. 少なくとも一方が透明または半透明の対向する一対の電極間に少なくとも正孔輸送層と有機発光層を積層した有機薄膜ELパネルを有する有機薄膜EL素子の構造において、
    基板上に透明陽極と前記有機薄膜ELパネルと一層目のストライプ状陰極とを順次形成し、前記一層目のストライプ状陰極のパターンを形成した後、その上に絶縁層を設け、さらに二層目のストライプ状陰極が前記一層目のストライプ状陰極と前記絶縁層を介して両端あるいは前記絶縁層中に設けられたスルーホールで接続されており、前記有機薄膜ELパネルの構造が蒸着工程のみで形成されていることを特徴とする有機薄膜EL素子の構造。
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