JP2003043827A - 転写ベルトおよび転写ベルト用ゴム組成物 - Google Patents

転写ベルトおよび転写ベルト用ゴム組成物

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JP2003043827A
JP2003043827A JP2001225634A JP2001225634A JP2003043827A JP 2003043827 A JP2003043827 A JP 2003043827A JP 2001225634 A JP2001225634 A JP 2001225634A JP 2001225634 A JP2001225634 A JP 2001225634A JP 2003043827 A JP2003043827 A JP 2003043827A
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mass
parts
rubber
transfer
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JP2001225634A
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Hiroyuki Nishio
裕之 西尾
Takeshi Takehara
剛 竹原
Takeo Kamata
岳央 鎌田
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出し時の密着の問題や、加硫後の金型から
の脱型時の離型性の問題を解消し、表面の滑らかさや形
状などにおいて状態のよい転写ベルトを得て、画質のよ
い画像を転写することができる転写ベルトを提供する。 【解決手段】 転写ベルト1において、アクリロニトリ
ルゴム100質量部に対して、ヨウ素吸着量が50mg
/g以下、かつDBP吸油量が50〜140ml/10
0gのカーボンブラックを5〜30質量部、塩化ビニル
樹脂を40〜55質量部配合したゴム組成物を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機などに用いる
転写ベルトまたは転写ベルト用ゴム組成物にかかわり、
詳しくはベルトの背面にトナーを付着させて被転写物に
転写する用途に用いられる転写ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置の中間転写
体として導電性を持たせたベルトや、そのようなベルト
を円筒形のドラムに被せた転写ロールが用いられてい
る。これらのベルトとしては、ゴムなどのエラストマー
材料に導電性を持たせたものを用いている。これらの転
写体は、感光体表面に形成されたトナー像を電気的吸引
力により中間転写体上へ引きつける必要があるため、中
〜高抵抗、具体的には、10〜1013Ω・cmといっ
た体積抵抗率に調整した導電性ゴムからなっている。
【0003】そしてその成形方法としては、射出成形に
よって円筒形のキャビティを有する金型にベルトスリー
ブを形成するといった方法や、トランスファー成形によ
る方法などが挙げられる。また、他に押出成形にてチュ
ーブ状に押出したものをベルトスリーブとするといった
方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、特開2000
−321885号には射出成形による転写ベルトの製造
が開示されている。射出成形では比較的短いサイクルで
製造することが可能であるが、射出成形の場合にはどう
してもウェルドラインができてしまうので、その部分で
抵抗値が変化してしまいそのような転写体を用いて得ら
れた画像はやはりムラを有する画像となってしまうとい
った問題がある。特開2000−321885号ではそ
のウェルドラインの問題を解決すべく提案されたもので
あるが、やはり射出時のゴム流れの乱れなど問題となる
ことはある。
【0005】トランスファー成形についても、射出成形
ほどではないにしてもゴムがフィルムゲートを通過する
際にゴムの流れに乱れがおきやすいという問題は射出成
形と同様である。そのためにゴム中に配合した導電材の
分散が不均一になって、電気抵抗値にバラツキが発生し
転写後の画像に濃淡や乱れが発生するといった問題があ
った。
【0006】また特開平8−300507号には、押出
工法によってチューブ状のベルトを製造する方法が開示
されている。このようにチューブ状にゴムを押出してベ
ルトを製造する方法ではゴムの流れが一定になりやす
く、できあがったベルトにおいて抵抗値のバラツキがす
くないという利点がある。また、特開平8−30050
7号では、押出したゴムチューブを中子に嵌合し、未加
硫ゴムチューブの外側面を空気との接触を遮断するよう
に弾性体で覆い、この弾性体にゴムチューブが中子に密
着する程度の流体圧をかけて加硫している。
【0007】一方、転写ベルトの素材としてアクリロニ
トリルゴム(NBR)が用いられているが、NBRは電
気的性質、特にNBR自体の体積抵抗率が転写ベルトと
して必要とする抵抗値に近いことから転写ベルトとして
用いるのに好適なゴムということができる。
【0008】しかし、NBRを用いて上記のようなゴム
をチューブ状に押出す方法にて製造する際に、押出し機
においてゴムが密着して良好に押出しができず、うまく
チューブ状にならなかったり、チューブ状に押出すこと
ができてもよじれやしわが発生するといった問題が発生
したりしていた。
【0009】そこで、粘着による密着を解消するために
タルクやステアリン酸亜鉛などからなる粉を塗して金型
などと密着しないようにするといった方法が考えられた
が、この粉が異物となって転写ベルトの表面に残り、画
像の欠陥となる問題を引き起こすことがあった。
【0010】また、ゴムをチューブ状に押出す過程のみ
ならず、金型中で加硫した後に金型からベルトを脱型す
る際の離型性が悪いと、ベルトが破れてしまう問題や、
破れなくても滑らかな表面を有するベルトが得られない
といった問題が発生し、転写の性能で十分なものが得ら
れず転写ベルトとして不良品となるといったことがあっ
た。
【0011】通常、金型に予め離型剤を塗布しておくこ
とによって加硫後の脱型を容易にすることができるが、
離型剤の塗布ムラがあるとそれが転写する際の画像のム
ラとなる。また離型剤の塗布時に金型表面に異物が付着
して、転写ベルト表面の凹凸となってしまい、それが画
像の欠陥につながるという問題がある。更に離型剤濃度
のバラツキによる転写ベルトの表面粗さのバラツキが画
像に影響を及ぼすこともある。また、他の製法であって
も同様に離型性の問題によって不具合が発生することは
ある。
【0012】そこで、本発明は未加硫ゴムにおける成形
機への密着の問題や、加硫後の金型からの脱型において
離型剤の影響による問題を解消し、離型性に優れること
によって、表面状態のよい転写ベルトを得ることがで
き、転写した画像の画質を低下させることのない転写ベ
ルトおよび転写ベルト用ゴム組成物の提供を目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために本発明の請求項1では、背面に付着させたト
ナーを被転写体に転写する用途で用いられる転写ベルト
において、アクリロニトリルゴム100質量部に対し
て、ヨウ素吸着量が50mg/g以下、かつDBP吸油
量が50〜140ml/100gのカーボンブラックを
5〜30質量部、塩化ビニル樹脂を40〜55質量部配
合したゴム組成物をベルトに用いたことを特徴とする。
【0014】上記のようなゴム組成物を用いることによ
って、例えば押出ししている際の密着の問題や、加硫後
の金型からの脱型の際の離型性が改善され、表面の滑ら
かさや形状などにおいて状態のよい転写ベルトを得るこ
とができるので、結果として画質のよい画像を転写する
ことができる転写ベルトを得ることができる。
【0015】請求項2では、背面に付着させたトナーを
被転写体に転写する用途で用いられる転写ベルト用ゴム
組成物において、アクリロニトリルゴム100質量部に
対して、ヨウ素吸着量が50mg/g以下、かつDBP
吸油量が50〜140ml/100gのカーボンブラッ
クを5〜30質量部、塩化ビニル樹脂を40〜55質量
部配合したことを特徴とする。
【0016】請求項2においても同様に押出しや加硫後
の脱型においてゴムの金型への密着を防止することがで
きるので、表面状態のよい転写ベルトを得ることができ
るものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、背面に付着させたトナ
ーを被転写体に転写する用途で用いられる転写ベルトに
おいて、アクリロニトリルゴム100質量部に対して、
ヨウ素吸着量が50mg/g以下、かつDBP吸油量が
50〜140ml/100gのカーボンブラックを5〜
30質量部、塩化ビニル樹脂を40〜55質量部配合し
たゴム組成物をベルトに用いた転写ベルトまたは転写ベ
ルト用ゴム組成物である。
【0018】本発明で用いられる転写ベルトとは、例え
ば図1に示すような比較的幅の広い円筒状のベルトで、
図2に示すように複数の、例えば2本の軸J、J間に掛
架された状態で用いられるもの、金属などからなるドラ
ムの外周に被覆したロール状にして用いるものなどが挙
げられ、転写ベルト1の背面にトナーにて画像を形成
し、その後被転写体である紙などに画像を転写するとい
うものである。
【0019】このような転写ベルトの製造方法として
は、ゴムをチューブ状に押出して加硫する方法や、トラ
ンスファー成形して加硫する方法や、射出成形する方法
などさまざまなものが挙げられる。
【0020】例えば、図2、図3に示すような装置を用
いて、次のような工程で製造する方法がある。所定の配
合物を配合した導電性を有するゴム組成物を押出機でチ
ューブ状に押出して未加硫ゴムチューブRを得て、それ
を内型2に被せる。次いで未加硫ゴムチューブRの外側
に通気層3となる織布を巻きつける。内型2に未加硫ゴ
ムチューブRを被せて通気層3を巻きつけたものを、外
型4内に挿入配置する。
【0021】外型4は内部に空気圧で膨らむ加硫ゴム製
の袋状のジャケット5を有しており、前記の未加硫ゴム
チューブRを被せ通気層3を巻きつけた内型2を挿入し
た状態で、空気圧を与えることによってジャケット5が
膨らんで未加硫ゴムチューブRを加圧する。
【0022】また、加熱については内型2の内部や外型
4の内部に電熱ヒータ6を設けておくことによって、未
加硫ゴムチューブRを加熱し、加硫することができる。
加熱方法は電熱ヒータに限られるものではなく、加熱し
たオイルを型内に循環させたり、スチームを送り込んだ
りすることによって加熱することも可能である。
【0023】そして加圧・加熱することによって加硫が
完了し、外型4から内型2を取り出して内型2から導電
性ベルト1を脱型する。
【0024】このような製造工程において、未加硫ゴム
としてアクリロニトリルゴム(NBR)を用いるとチュ
ーブ状に押出す際にゴムが押出機に粘着により密着して
しまい、チューブが破れてしまうなどの問題が発生して
いたが、本発明のようにアクリロニトリルゴム100質
量部に対して、ヨウ素吸着量が50mg/g以下、かつ
DBP吸油量が50〜140ml/100gのカーボン
ブラックを5〜30質量部、塩化ビニル樹脂を40〜5
5質量部配合したゴム組成物を用いることによって、粘
着の程度が少なくなり良好に押出しをすることができ
る。
【0025】また、押出したチューブを内型2に被せて
加硫を行った後に内型2から脱型するが、その際にも上
記のゴム組成物を用いていることで、内型2に離型剤を
塗布しておかなくても容易に脱型することができ、転写
ベルト1に対する離型剤の影響をなくすことができる。
【0026】製造方法の一例として、チューブ状に押出
して加硫する方法を挙げたが、この方法に限られるもの
ではなくトランスファー成形、射出成形といった他の製
造方法においても成形機への密着の問題や加硫する際の
離型剤を不要にし、悪影響を受けるのを防止することが
できるので、良好な転写ベルトを得ることができるもの
である。
【0027】本発明に用いるゴムは、アクリロニトリル
ゴム(NBR)であり、カーボンブラックとしてはヨウ
素吸着量が50mg/g以下、かつDBP吸油量が50
〜140ml/100gのカーボンブラックが用いら
れ、このような条件を満たすものとして具体的にはSR
Fカーボンブラック、GPFカーボンブラック、FEF
カーボンブラック等を挙げることができる。ヨウ素吸着
量が50mg/gを超えるものであると粒子が細かくな
り、練り、圧延、押出しなどの加工時に分散が悪く、抵
抗のバラツキが大きくなりやすいので好ましくない。ま
たDBP吸油量とは、カーボンブラック100gにおけ
るジブチルフタレートの吸油可能な量であり、粒子のつ
ながり(ストラクチャー)をあらわす指標のことであ
る。DBP吸油量が50ml/100g未満であるとカ
ーボンブラックの補強効果がひくくなり、140ml/
100gを超えると配合量によっては抵抗値のバラツキ
が大きくなりやすいので好ましくない。
【0028】このカーボンブラックはアクリロニトリル
ゴム100質量部に対して5〜30質量部を配合する。
5質量部未満であるとゴムの強度が低くなり、30質量
部を超えると急激に転写ベルトの電気抵抗値が低下する
とともに、電気抵抗値のバラツキも大きくなるので好ま
しくない。
【0029】塩化ビニル樹脂はアクリロニトリルゴムに
離型性を付与するものであり、アクリロニトリルゴム1
00質量部に対して40〜55質量部を配合する。塩化
ビニル樹脂が40質量部未満であると十分な離型性を付
与することができず、55質量部を超えて配合すると転
写ベルトの圧縮永久歪が急激に悪化することから好まし
くない。
【0030】上記のカーボンブラックと塩化ビニル樹脂
以外にもゴムに通常用いられるようなシリカ、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、オイル、ワックス、架橋剤、架
橋促進剤、老化防止剤、加工助剤、可塑剤、短繊維、粘
着付与剤、スコーチ防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、難
燃剤、耐油性向上剤など配合剤や、必要に応じてノニオ
ン系やアニオン系やカチオン系の界面活性剤、酸化第二
錫、酸化イリジウム、銀系ペースト、ニッケル系ペース
ト、銅系ペーストなどの導電性部材等種々の配合剤を添
加してもよい。
【0031】可塑剤としては、例えばポリジメチルシロ
キサンオイル、ジフェニルシランジオール、トリメチル
シラノール、その他DOPなどのフタレート系、DO
A、DIDAなどのアジペート系、DOS、DBSなど
のセバケート系、TOP、TBPなどのフォスフェート
系、ポリエーテル系の可塑剤を挙げることができる。そ
して可塑剤の配合量は10〜50重量部程度である。
【0032】短繊維は、綿、ポリエステル、ポリアミ
ド、アラミドなどの繊維からなる長さが1〜10mm程
度の通常よく用いられる短繊維を用いることができる。
【0033】充填剤としては、珪藻土、亜鉛華、塩基性
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウ
ム、珪酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母、
硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ア
スベスト、ガラス繊維、カーボンブラック、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、クレー、タルク、アルミナ、シリ
カなどの無機充填剤が挙げられる。
【0034】また、シリカは転写ベルトの体積抵抗率を
調整するために配合する。シリカはカーボンブラックと
同様に補強効果が得られるが、配合することによって体
積抵抗率を上げることができる。配合量としてはゴム1
00質量部に対して20〜40質量部の範囲で配合す
る。20質量部未満であると補強効果が不足し、40質
量部を超えると作業性が悪化するので好ましくない。シ
リカを配合することによってゴムの圧延性が悪くなるの
で、必要に応じてステアリン酸などの加工助剤を配合し
てもよい。
【0035】以下、本発明の実施例と比較例を挙げて試
験を行った。尚、本発明は次に説明する実施例の態様に
限定されるものではないことは言うまでもない。
【0036】
【実施例】(実施例1)実施例1に用いたゴム配合は、
アクリロニトリルゴム(NBR)100質量部に対して
ヨウ素吸着量40mg/gでDBP吸油量が120ml
/100gのカーボンブラックを25質量部、塩化ビニ
ル樹脂を45質量部配合したゴム組成物(配合の詳細は
表1を参照)を用いている。このゴム組成物を用いて押
出機にてチューブ状に押出し、円筒形の金型に被せてジ
ャケット内で加熱加圧することによって加硫し脱型して
転写ベルトを得た。
【0037】押出し時のゴムと押出機の密着状況およ
び、加硫後の離型のしやすさをそれぞれ○:良好、△:
やや不良、×:不良の3段階で判定し、また、圧縮永久
歪CSを測定した。圧縮永久歪みの測定としては、1
2.7mmの試料を9.52mmのスペーサー内で圧縮
し、この場合70℃環境に22hrs放置した後の、試
料厚みの変化量を測定した(CS(%)=(To-T
i)/(To−9.52)×100 ここでCS:圧縮
永久歪み(%)、To:試料の圧縮前の厚み(mm)、
Ti:圧縮後の厚み(mm)とする。)。その結果を表
2に示す。
【0038】(実施例2)塩化ビニル樹脂の配合量をア
クリロニトリルゴム100質量部に対して50質量部に
した以外は実施例1と同様に転写ベルトを作製した。
【0039】押出し時のゴムと押出機の密着状況およ
び、加硫後の離型のしやすさをそれぞれ○:良好、△:
やや不良、×:不良の3段階で判定し、また、圧縮永久
歪CSを測定した。その結果を表2に示す。
【0040】(比較例1)塩化ビニル樹脂の配合量をア
クリロニトリルゴム100質量部に対して35質量部に
した以外は実施例1と同様に転写ベルトを作製した。
【0041】同様に押出し時のゴムと押出機の密着状況
および、加硫後の離型のしやすさをそれぞれ○:良好、
△:やや不良、×:不良の3段階で判定し、また、圧縮
永久歪CSを測定した。その結果を表2に示す。
【0042】(比較例2)塩化ビニル樹脂の配合量をア
クリロニトリルゴム100質量部に対して60質量部に
した以外は実施例1と同様に転写ベルトを作製した。
【0043】同様に押出し時のゴムと押出機の密着状況
および、加硫後の離型のしやすさをそれぞれ○:良好、
△:やや不良、×:不良の3段階で判定し、また、圧縮
永久歪CSを測定した。その結果を表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】(実施例3)カーボンブラックとしてヨウ
素吸着量が30mg/gの物を用いた以外は実施例1と
同様に転写ベルトを作製し、得られた転写ベルトの電気
抵抗値を測定した。その結果を表3に示す。
【0047】(実施例4)カーボンブラックとしてDB
P吸油量が130mg/gの物を用いた以外は実施例1
と同様に転写ベルトを作製し、得られた転写ベルトの電
気抵抗値を測定した。その結果を表3に示す。
【0048】(比較例3)カーボンブラックの配合量を
アクリロニトリルゴム100質量部に対して5質量部に
した以外は実施例1と同様に転写ベルトを作製し、得ら
れた転写ベルトの電気抵抗値を測定した。その結果を表
3に示す。
【0049】(比較例4)カーボンブラックの配合量を
アクリロニトリルゴム100質量部に対して35質量部
にした以外は実施例1と同様に転写ベルトを作製し、得
られた転写ベルトの電気抵抗値を測定した。その結果を
表3に示す。
【0050】(比較例5)カーボンブラックとしてヨウ
素吸着量が70mg/gの物を用いた以外は実施例1と
同様に転写ベルトを作製し、得られた転写ベルトの電気
抵抗値を測定した。その結果を表3に示す。
【0051】(比較例6)カーボンブラックとしてDB
P吸油量が180mg/gの物を用いた以外は実施例1
と同様に転写ベルトを作製し、得られた転写ベルトの電
気抵抗値を測定した。その結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】表2の結果より、塩化ビニル樹脂の配合量
が本発明でいうNBR100質量部に対して40〜55
質量部の範囲を外れると押出しの際の押出機への密着の
問題や金型からの脱型時において離型が困難であるとい
うこと、また圧縮永久歪が悪化しているということがわ
かる。
【0054】表3の結果より、カーボンブラックの配合
量が所定の範囲を外れると電気抵抗値が急激に変化して
いることがわかり、電気抵抗値は安定しなくなる。ま
た、カーボンブラックのヨウ素吸着量が50mg/gを
超えるものを用いると抵抗のバラツキが大きくなるとい
った不具合が発生し、またDBP吸油量が140ml/
100gを超えるものを使用しても同様に抵抗のバラツ
キが大きくなり好ましくない結果が出ていることがわか
る。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1では、背
面に付着させたトナーを被転写体に転写する用途で用い
られる転写ベルトにおいて、アクリロニトリルゴム10
0質量部に対して、ヨウ素吸着量が50mg/g以下、
かつDBP吸油量が50〜140ml/100gのカー
ボンブラックを5〜25質量部、塩化ビニル樹脂を40
〜55質量部配合したゴム組成物をベルトに用いたこと
を特徴とする。
【0056】上記のようなゴム組成物を用いることによ
って、例えば押出ししている際の密着の問題や、加硫後
の金型からの脱型の際の離型性が改善され、表面の滑ら
かさや形状などにおいて状態のよい転写ベルトを得るこ
とができるので、結果として画質のよい画像を転写する
ことができる転写ベルトを得ることができる。
【0057】請求項2では、背面に付着させたトナーを
被転写体に転写する用途で用いられる転写ベルト用ゴム
組成物において、アクリロニトリルゴム100質量部に
対して、ヨウ素吸着量が50mg/g以下、かつDBP
吸油量が50〜140ml/100gのカーボンブラッ
クを5〜25質量部、塩化ビニル樹脂を40〜55質量
部配合したことを特徴とする。
【0058】請求項2においても同様に押出しや加硫後
の脱型においてゴムの金型への密着を防止することがで
きるので、表面状態のよい転写ベルトを得ることができ
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写ベルトの斜視図である。
【図2】転写ベルトの使用例を示す概要図である。
【図3】未加硫ゴムチューブを内型に被せたところの斜
視図である。
【図4】本発明の導電性ベルトの製造方法によって未加
硫ゴムチューブを加硫しているところの断面図である。
【符号の説明】
1 転写ベルト J 軸 J 軸 2 内型 3 通気層 4 外型 5 ジャケット 6 電熱ヒータ R 未加硫ゴムチューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H200 FA13 JC04 JC15 JC16 JC17 MA03 MA13 MA14 MA17 MA20 MB04 MC06 MC08 MC09 4J002 AC071 BD042 DA036 FD010 FD020 GM01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 背面に付着させたトナーを被転写体に転
    写する用途で用いられる転写ベルトにおいて、アクリロ
    ニトリルゴム100質量部に対して、ヨウ素吸着量が5
    0mg/g以下、かつDBP吸油量が50〜140ml
    /100gのカーボンブラックを5〜30質量部、塩化
    ビニル樹脂を40〜55質量部配合したゴム組成物をベ
    ルトに用いたことを特徴とする転写ベルト。
  2. 【請求項2】 背面に付着させたトナーを被転写体に転
    写する用途で用いられる転写ベルト用ゴム組成物におい
    て、アクリロニトリルゴム100質量部に対して、ヨウ
    素吸着量が50mg/g以下、かつDBP吸油量が50
    〜140ml/100gのカーボンブラックを5〜30
    質量部、塩化ビニル樹脂を40〜55質量部配合したこ
    とを特徴とする転写ベルト用ゴム組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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