JP2003043244A - 近赤外線吸収フィルム - Google Patents

近赤外線吸収フィルム

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JP2003043244A
JP2003043244A JP2002106149A JP2002106149A JP2003043244A JP 2003043244 A JP2003043244 A JP 2003043244A JP 2002106149 A JP2002106149 A JP 2002106149A JP 2002106149 A JP2002106149 A JP 2002106149A JP 2003043244 A JP2003043244 A JP 2003043244A
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Japan
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compound
formula
infrared absorbing
represented
absorbing film
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Application number
JP2002106149A
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English (en)
Inventor
Taichi Kobayashi
太一 小林
Masayuki Matsuzaki
眞之 松崎
Masato Sugimachi
正登 杉町
Yasuhiro Morimura
泰大 森村
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近赤外線の遮断性、可視光の透過性に優れ、
色目が良好で、耐劣化性等の耐久性に優れた近赤外線吸
収フィルムの提供。 【解決手段】 透明基材と、式(1)で表されるシアニ
ン化合物を含有する層及びジイモニウム化合物を含有す
る層を含む近赤外線吸収層と、を有することを特徴とす
る近赤外線吸収フィルムである。Aが式(2)〜(4)
の少なくともいずれかで表される態様、近赤外線吸収層
がクエンチャー化合物を含有する態様等が好ましい。 式(1) 【化1】 式(1)中、Aは、エチレン基を含む2価の連結基であ
る。R及びRは、炭素原子を含む1価の基である。
は、1価の負イオンである。 【化2】 式(2)〜(4)において、Yは、アルキル基、ジフェ
ニルアミノ基、ハロゲン原子及び水素原子のいずれかで
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、プラズマデ
ィスプレイ(PDP)の前面への配置に好適な、近赤外
線吸収フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラズマディスプレイ(PDP)
等の前面に配置される電磁波シールド性光透窓材におい
て、PDP側には、一般的に、他の周辺電子機器の誤作
動を誘発する近赤外線を吸収する近赤外線吸収フィルム
が貼着されている。該近赤外線吸収フィルム等には、近
赤外線の選択的吸収能が高く、近赤外線を高度に遮断す
る一方、可視光の透過率が高く、色目が良好であること
が要求されている。
【0003】前記要求を満たすため、例えば、特開平9
−230134号、特開平10−78509号及び特開
平11−316309号の各公報等において、種々の近
赤外線吸収フィルムが研究され、提案されているが、近
年の技術の発達により、より、近赤外線の遮断性、可視
光の透過性に優れ、かつ、色目の良好な近赤外線吸収フ
ィルムが要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸要求に応え、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、近赤外線の遮断性、可視光の
透過性に優れ、色目が良好で、耐劣化性等の耐久性に優
れた近赤外線吸収フィルムを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段としては、以下の通りである。即ち、 <1> 透明(「可視光に対し透明」を意味する。以
下、同様。)基材と、式(1)で表されるシアニン化合
物を含有する層及びジイモニウム化合物を含有する層を
含む近赤外線吸収層と、を有することを特徴とする近赤
外線吸収フィルムである。 式(1)
【0006】
【化7】
【0007】式(1)中、Aは、エチレン基を含む2価
の連結基である。R及びRは、炭素原子を含む1価
の基である。Xは、1価の負イオンである。
【0008】<2> Aが、式(2)〜(4)の少なく
ともいずれかで表される前記<1>に記載の近赤外線吸
収フィルムである。
【0009】
【化8】
【0010】式(2)〜(4)において、Yは、アルキ
ル基、ジフェニルアミノ基、ハロゲン原子及び水素原子
のいずれかである。
【0011】<3> 近赤外線吸収層が、クエンチャー
化合物を含有する前記<1>又は<2>に記載の近赤外
線吸収フィルムである。 <4> クエンチャー化合物が、式(5)及び(6)の
少なくともいずれかで表される構造を有する金属化合物
と、式(7)で表される構造を有するアミニウム化合物
と、の少なくともいずれかである前記<3>に記載の近
赤外線吸収フィルムである。
【0012】
【化9】
【0013】式(5)及び(6)において、Mは、N
i、Cu、Co、Pt及びPdの少なくともいずれかで
ある。
【0014】
【化10】
【0015】式(7)において、R〜Rは、アルキ
ル基、アリール基、芳香族環を有する基、水素原子及び
ハロゲン原子の少なくともいずれかである。Xは、I
、Br、ClO 、BF 、PF 、SbF
、CHSO 、NO 及びCH−C
−SO のいずれかである。
【0016】<5> クエンチャー化合物が、式(8)
〜(10)の少なくともいずれかで表される前記<3>
又は<4>に記載の近赤外線吸収フィルムである。
【0017】
【化11】
【0018】<6> シアニン化合物を含有する層が、
式(7)及び(10)の少なくともいずれかで表される
クエンチャー化合物を含み、ジイモニウム化合物を含有
する層が、式(8)及び(9)の少なくともいずれかで
表されるクエンチャー化合物を含む前記<3>から<5
>のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルムである。 <7> ジイモニウム化合物が、式(I)及び(II)の
少なくともいずれかで表される前記<1>から<6>の
いずれかに記載の近赤外線吸収フィルムである。
【0019】
【化12】
【0020】式(I)及び(II)において、R〜R
10は、アルキル基、アリール基、芳香族環を有する
基、水素原子及びハロゲン原子の少なくともいずれかで
ある。X は1価の負イオンである。Y2−は、2価の
負イオンである。 <8> シアニン化合物の含有量が、ジイモニウム化合
物100重量部に対し、0.1〜50重量部である前記
<1>から<7>のいずれかに記載の近赤外線吸収フィ
ルムである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の近赤外線吸収フィルム
は、透明基材と、近赤外線吸収層と、を有し、必要に応
じてその他の層を有する。
【0022】[近赤外線吸収層]前記近赤外線吸収層
は、シアニン化合物を含有する層及びジイモニウム化合
物を含有する層を含み、必要に応じてその他の層を含
む。
【0023】前記近赤外線吸収層においては、前述のよ
うに、前記シアニン化合物と、前記ジイモニウムと、が
下記[1]〜[3]の理由により、別々の層に含有され
ていることが必要である。 [1]前記シアニン化合物及びジイモニウム化合物は、
共にカウンターアニオンを有しているため、これらを別
々の層に含有させることによりカウンターアニオンを揃
える必要がなくなる。その結果、シアニン化合物及びジ
イモニウム化合物の組み合わせの自由度が拡がる。 [2]前記シアニン化合物及びジイモニウム化合物の各
々により効果的に作用するクエンチャー化合物(劣化防
止剤成分)が、互いに異なる。このため、シアニン化合
物及びジイモニウム化合物を別々の層に含有させること
によって、より効果的に作用し得るクエンチャー化合物
を各層に用いることができ、耐久性に優れる。 [3]前記シアニン化合物及びジイモニウム化合物を同
一層中に併存させると、ジイモニウム化合物の劣化が加
速されてしまう。よってこれらを別々の層に含有させる
ことにより、ジイモニウム化合物の劣化の加速を回避で
き、耐久性に優れる。
【0024】−シアニン化合物を含有する層− 前記シアニン化合物は、式(1)で表される。 式(1)
【0025】
【化13】
【0026】式(1)中、Aは、エチレン基を含む2価
の連結基である。R及びRは、炭素原子を含む1価
の基である。Xは、1価の負イオンである。
【0027】式(1)におけるAとしては、近赤外線の
遮断性に優れると共に、可視光線の透過性に優れ、色目
が良好となる点で、式(2)〜(4)の少なくともいず
れかで表されるのが好ましい。
【0028】
【化14】 式(2)〜(4)において、Yは、アルキル基、ジフェ
ニルアミノ基、ハロゲン原子及び水素原子のいずれかで
ある。
【0029】式(1)において、Aが式(3)の場合の
具体例を式(12)に、式(4)の場合の具体例を式
(13)に、式(2)の場合の具体例を式(14)に、
各々示す。
【0030】
【化15】
【0031】式(1)において、R及びRとして
は、例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、
アルコキシカルボニル基、スルホニルアルキル基及びシ
アノ基等が挙げられる。Xとしては、I、Br
ClO 、BF 、PF 、SbF 、CH
SO 、NO 及びCH−C−SO
が挙げられる。
【0032】前記シアニン化合物の含有量としては、後
述するジイモニウム化合物100重量部に対し、0.1
〜50重量部が好ましく、1〜50重量部がより好まし
い。前記含有量が、0.1重量部未満であると、近赤外
線の遮断性が不足することがある一方、50重量部を超
えると、可視光の透過率が不足することがある。
【0033】前記シアニン化合物を含有する層には、所
望により、種々のその他の成分を含有させることができ
る。該その他の成分としては、前記シアニン化合物の酸
化が好適に防止され、耐久性の高い近赤外線吸収フィル
ムが得られる点で、クエンチャー化合物が特に好まし
い。
【0034】前記クエンチャー化合物としては、特に制
限はないが、前記シアニン化合物の酸化がより好適に防
止され、耐久性に優れた近赤外線吸収フィルムが得られ
る点で、式(5)及び(6)の少なくともいずれかで表
される構造を有する金属化合物と、式(7)で表される
構造を有するアミニウム化合物と、の少なくともいずれ
かであるのが好ましい。
【0035】
【化16】
【0036】式(5)及び(6)において、Mは、N
i、Cu、Co、Pt及びPdの少なくともいずれかで
ある。
【0037】
【化17】
【0038】式(7)において、R〜Rは、アルキ
ル基、アリール基、芳香族環を有する基、水素原子及び
ハロゲン原子の少なくともいずれかである。Xは、I
、Br、ClO 、BF 、PF 、SbF
、CHSO 、NO 及びCH−C
−SO のいずれかである。
【0039】式(5)で表される構造を有する金属化合
物としては、1,2−ベンゼンチオール銅錯体系化合
物、1,2−ベンゼンチオールニッケル錯体化合物、ビ
ス−ジチオベンジルニッケル錯体化合物等が挙げられ、
具体的には、式(8)〜(10)で表される構造を有す
る金属化合物等が、酸化防止及び耐久性の点で、より好
ましい。
【0040】
【化18】
【0041】式(6)で表される構造を有する金属化合
物としては、式(11)で表される構造を有する金属錯
体等が、酸化防止及び耐久性の点で、より好ましい。
【0042】
【化19】
【0043】前記クエンチャー化合物の中でも、耐久性
向上の点で、式(5)及び式(7)で表されるクエンチ
ャー化合物が好ましく、該式(5)で表されるクエンチ
ャー化合物の中でも、特に、式(10)で表されるクエ
ンチャー化合物が好ましい。
【0044】前記クエンチャー化合物の、前記近赤外線
吸収層における含有量としては、前記シアニン化合物の
100重量部に対し、0.1〜1000重量部が好まし
く、1〜500重量部がより好ましく、1〜100重量
部が更に好ましい。
【0045】前記含有量が、0.1重量部未満である
と、耐熱性、耐酸化性及び耐湿性等の耐久性向上効果が
充分でないことがある一方、1000重量部を超える
と、近赤外線吸収層が着色してしまい、近赤外線吸収フ
ィルムの外観が悪くなってしまうことがある。
【0046】前記シアニン化合物を含有する層に含有さ
れるその他の成分としては、前記クエンチャー化合物の
ほか、種々のバインダー樹脂、前記シアニン化合物以外
の近赤外線吸収剤(例えば、フタロシアニン系、ニッケ
ル錯体系、アゾ系、ポリメチン系、ジフェニルメタン
系、トリフェニルメタン系、キノン系等の近赤外線吸収
剤)、前記クエンチャー化合物以外の酸化防止剤(例え
ば、フェノール系、アミン系、ヒンダードフェノール
系、ヒンダードアミン系、硫黄系、リン酸系、亜リン酸
系、金属錯体系等の酸化防止剤)、紫外線吸収剤、フィ
ルムの外観を良好にするための着色剤、顔料、色素等が
挙げられる。
【0047】前記バインダー樹脂としては、ポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹
脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート(PET樹脂)、(メタ)アクリル酸エス
テルの単独重合体或いは共重合体等が挙げられる。これ
らの中でも、シアニン化合物、ジイモニウム化合物及び
クエンチャー化合物の分散性が優れ、耐久性が良好な点
で、アクリル樹脂及びポリエステル樹脂等が好ましい。
【0048】前記シアニン化合物を含有する層の厚みと
しては、特に制限はないが、近赤外線の吸収性及び可視
光透過性の点で、0.1〜20μm程度が好ましい。
【0049】−ジイモニウム化合物を含有する層− 前記ジイモニウム化合物としては、特に制限はないが、
式(I)及び(II)のいずれかで表される化合物が好適
に挙げられる。
【0050】
【化20】
【0051】式(I)及び(II)において、R〜R
10は、アルキル基、アリール基、芳香族環を有する
基、水素原子及びハロゲン原子の少なくともいずれかで
ある。X は1価の負イオンである。Y2−は、2価の
負イオンである。
【0052】式(I)及び(II)において、Xで表され
る1価の負イオンとしては、I、Cl、Br、F
等のハロゲンイオン、NO 、BF 、P
、ClO 、SbF 等の無機酸イオン、C
COO、CFCOO、安息香酸イオン等の有
機カルボン酸イオン、CHSO 、CF
、ベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホ
ン酸イオン等の有機スルホン酸イオン等が挙げられる。
【0053】式(I)及び(II)において、Y2−で表さ
れる2価の負イオンしては、スルホン酸基を2個有する
芳香族ジスルホン酸イオンが好ましく、例えば、ナフタ
レン−1,5−ジスルホン酸、R酸、G酸、H酸、ベン
ゾイルH酸(H酸のアミノ基にベンゾイル基が結合した
もの)、p−クロルベンゾイルH酸、p−トルエンスル
ホニルH酸、クロルH酸(H酸のアミノ基が塩素原子に
置換したもの)、クロルアセチルH酸、メタニルγ酸、
6−スルホナフチル−γ酸、C酸、ε酸、p−トルエン
スルホニルR酸、ナフタリン−1,6−ジスルホン酸、
1−ナフトール−4,8−ジスルホン酸等のナフタレン
ジスルホン酸誘導体、カルボニルJ酸、4,4−ジアミ
ノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、ジJ酸、ナフ
タル酸、ナフタリン−2,3−ジカルボン酸、ジフェン
酸、スチルベン−4,4’−ジカルボン酸、6−スルホ
−2−オキシ3−ナフトエ酸、アントラキノン−1,8
−ジスルホン酸、1,6−ジアミノアントラキノン−
2,7−ジスルホン酸、2−(4−スルホフェニル)−
6−アミノベンゾトリアゾール−5−スルホン酸、6−
(3−メチル−5−ピラゾロニル)−ナフタレン−1,
3−ジスルホン酸、1−ナフトール−6−(4−アミノ
−3スルホ)アニリノ−3−スルホン酸等のイオンが挙
げられる。これらの中でも、ナフタレンジスルホン酸イ
オンが好ましく、式(III)で表されるイオンが特に好
ましい。
【0054】
【化21】
【0055】式(III)において、R11及びR
12は、低級アルキル基、水酸基、アルキルアミノ基、
アミノ基、−NHCOR13、−NHSO13、−
OSO 13(但し、R13は、アリール基及びアル
キル基の少なくともいずれかを表す。R13は、置換基
を有していてもよい。)、アセチル基、水素原子及びハ
ロゲン原子の少なくともいずれかである。
【0056】前記ジイモニウム化合物としては、式(I
V)で表されるものが好適に挙げられる。
【0057】
【化22】
【0058】式(IV)において、Rは、炭素数1〜8のア
ルキル基であり、n−ブチル基が特に好ましい。X
しては、BF 、PF 、ClO 、SbF
等が好適に挙げられる。式(V)に、該ジイモニウム化
合物の好ましい具体例を示す。
【0059】
【化23】
【0060】前記ジイモニウム化合物を含有する層に
は、所望により、種々のその他の成分を含有させること
ができる。該その他の成分としては、前記ジイモニウム
化合物の酸化がより好適に防止され、耐久性に優れた近
赤外線吸収フィルムが得られる点で、前記クエンチャー
化合物が特に好ましい。該クエンチャー化合物の具体例
としては、前述と総て同様である。該クエンチャー化合
物の中でも、耐久性向上効果の点で、式(5)で表され
るクエンチャー化合物が好ましく、該式(5)で表され
るクエンチャー化合物の中でも、式(8)及び(9)で
表されるクエンチャー化合物がより好ましく、式(9)
で表されるクエンチャー化合物が特に好ましい。前記ジ
イモニウム化合物を含有する層に含有されるその他の成
分としては、前記「シアニン化合物を含有する層に含有
されるその他の成分」と同様の成分が総て好適に挙げら
れる。
【0061】前記ジイモニウム化合物を含有する層の厚
みとしては、特に制限はないが、近赤外線の吸収性及び
可視光透過性の点で、0.1〜20μm程度が好まし
い。
【0062】[透明基材]前記透明基材の材質として
は、特に制限はないが、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系、ポリエステル系、アク
リル系、セルロース系、ポリ塩化ビニル系、ポリカーボ
ネート系、フェノール系、ウレタン系の樹脂、及び、ポ
リエチレンテレフタレート(PET樹脂)等が挙げられ
る。これらの中でも、透明性、耐環境性等の点で、ポリ
エステル系の樹脂が特に好ましい。
【0063】前記透明基材の厚みとしては、特に制限は
ないが、機械的強度及び薄肉化の点で、50〜200μ
m程度が好ましい。
【0064】[近赤外線吸収フィルムの製造]前記近赤
外線吸収フィルムの製造方法としては、特に制限はない
が、例えば、前記シアニン化合物及び前記バインダー樹
脂を所定の溶媒に溶解させたコーティング液と、前記ジ
イモニウム化合物及び前記バインダー樹脂を所定の溶媒
に溶解させたコーティング液と、を各々調製し、前記透
明基材上にコーティングする方法等が挙げられる。前記
所定の溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、メチル
エチルケトン、テトラヒドロフラン及びシクロヘキサノ
ン等が挙げられる。
【0065】[近赤外線吸収フィルムの構成]前記近赤
外線吸収フィルムの構成としては、前記近赤外線吸収層
が、前記シアニン化合物を含有する層及び前記ジイモニ
ウム化合物を含有する層を含む構成であれば特に制限は
なく、例えば、図1(1)〜(4)に示す構成が挙げら
れる。
【0066】図1(1)〜(4)は、本発明の近赤外線
吸収フィルムの断面を表す概略構成図である。図1
(1)において、近赤外線吸収フィルム10は、透明基
材1の両面に、シアニン化合物を含有する層2と、ジイ
モニウム化合物を含有する層3と、を有する。図1
(2)において、近赤外線吸収フィルム10’は、透明
基材1’上に、ジイモニウム化合物を含有する層3’
と、シアニン化合物を含有する層2’と、を順次有す
る。図1(3)において、近赤外線吸収フィルム1
0’’は、透明基材1’’上に、シアニン化合物を含有
する層2’’と、ジイモニウム化合物を含有する層
3’’と、を順次有する。図1(4)において、近赤外
線吸収フィルム10’’’は、透明基材1’’’上に、
シアニン化合物を含有する層2’’’と、透明基材
1’’’と、ジイモニウム化合物を含有する層3’’’
と、を順次有する。
【0067】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0068】(実施例1〜5、比較例1〜2) −近赤外線吸収フィルムの製造− 表1〜2の各実施例及び比較例における「第一層」に示
した「近赤外線吸収剤」及び「バインダー樹脂」を、表
1〜2に記載の量、ジクロロメタン18.5g、メチル
エチルケトン55.5g及びシクロヘキサノン18.5
gの混合溶液に溶解させ、コーティング液を調製した。
得られたコーティング液を、幅200mm、厚み100
μmのポリエステルフィルム(透明基材)表面にコーテ
ィングし、100℃で3分間乾燥させ、透明基材表面に
第一層(厚み:5μm)を形成した。次に、表1〜2の
各実施例及び比較例における「第二層」に示した「近赤
外線吸収剤」及び「バインダー樹脂」を、表1〜2に記
載の量、ジクロロメタン18.5g、テトラヒドロフラ
ン55.5g及びシクロヘキサノン18.5gの混合溶
液に溶解させ、コーティング液を調製した。得られたコ
ーティング液を、前記透明基材における、第一層が形成
された側と反対側の表面にコーティングし、100℃で
3分間乾燥させ、第二層(厚み:5μm)を形成して近
赤外線吸収フィルムを製造した。得られた近赤外線吸収
フィルムに対し、色度(X,Y)が、(0.310,
0.316)になるように、赤染料(BRDOU)、青
染料(住友化学社製BLUE−S)で調色したフィルム
を合わせて評価した。
【0069】(比較例3〜4) −近赤外線吸収フィルムの製造− 表2の各比較例に示した「近赤外線吸収剤」及び「バイ
ンダー樹脂」を、表2に記載の量、ジクロロメタン1
8.5g、メチルエチルケトン55.5g及びシクロヘ
キサノン18.5gの混合溶液に溶解させ、コーティン
グ液を調製した。得られたコーティング液を、幅200
mm、厚み100μmのポリエステルフィルム(透明基
材)表面にコーティングし、100℃で3分間乾燥さ
せ、透明基材表面に近赤外線吸収層(厚み:10μm)
を形成し、近赤外線吸収フィルムを製造した。得られた
近赤外線吸収フィルムに対し、色度(X,Y)が、
(0.310,0.316)になるように、赤染料(B
RDOU)、青染料(住友化学社製BLUE−S)で調
色したフィルムを合わせて評価した。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】表1〜2において、「NK2014」、及
び、「NK2911」は、林原生物化学研究所製(但し
「NK2014」は、式(1)においてAが式(2)
(但し、式(2)においてYは水素原子である。)で表
され、XがClO であるシアニン化合物である。
「NK2911」は、式(1)においてAが式(3)
(但し、式(3)においてYはジフェニルアミノ基であ
る。)で表され、XがClO であるシアニン化合
物である。)、「CIR1080」、「CIR108
1」、及び「CIR960」は、日本カーリット社製
(但し、「CIR1080」及び「CIR960」は、
式(1)においてXがClO であり、「CIR1
081」は、式(1)においてXがSbF であ
る。)、「MIR101」はみどり化学社製、「EST
5」は住友精化社製、「UE3690」はユニチカ社製
ポリステル樹脂「エリーテルUE3690」、「80
N」は旭化成社製ポリメチルメタクリレート樹脂「デル
ペット80N」である。
【0073】<評価> −初期分光特性の評価− 得られた近赤外線吸収フィルムについて、分光光度計
(U−4000、日立計測器社製)を用いてスペクトル
測定を行い、何れの色素についても劣化が認められない
場合を○、何れかの色素において劣化が認められる場合
を×として評価した。結果を表3に示す。
【0074】−近赤外線透過率及び視感透過率の測定− 得られた近赤外線吸収フィルムについて、分光光度計
(U−4000、日立計測器社製)を用い、近赤外線透
過率及びC光源における視感透過率を測定した。尚、視
感透過率(%)については、70%以上である場合を
○、70%未満である場合を×として可視光透過率の評
価とした。近赤外線透過率(%)については、波長80
0〜1100nmにおける各透過率が総て20%未満で
ある場合を×、20%以上の透過率がある場合を×とし
て評価した。結果を表3に示す。
【0075】−耐久性の評価− 得られた近赤外線吸収フィルムについて、80℃条件で
500時間の放置、及び、サンシャインウエザーメータ
ー(スガ試験機)にてカーボンアーク、照射強度100
W/m条件下で24時間の放置、の二つの耐久性試験
を行なった。その後、下記評価基準に従い、耐久性(耐
熱・耐酸化性)の評価を行った。結果を表3に示す。
【0076】−−耐久性の評価基準−− ・耐久性に非常に優れている・・・◎ ・耐久性に優れ、実用上問題ない・・・○ ・耐久性が劣っている・・・×
【0077】
【表3】
【0078】表3より、実施例1〜5では、近赤外線の
遮断性、可視光の透過性に優れ、初期分光特性が良好
で、更に、耐久性に優れた近赤外線吸収フィルムが得ら
れたことがわかる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、近赤外線の遮断性、可
視光の透過性に優れ、色目が良好で、耐劣化性等の耐久
性に優れた近赤外線吸収フィルムを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(1)〜(4)は、本発明の近赤外線吸収
フィルムの断面を表す概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・・・・透明基材 1'・・・・・透明基材 1''・・・・透明基材 1'''・・・透明基材 2・・・・・・シアニン化合物を含有する層 2'・・・・・シアニン化合物を含有する層 2''・・・・シアニン化合物を含有する層 2'''・・・シアニン化合物を含有する層 3・・・・・・ジイモニウム化合物を含有する層 3'・・・・・ジイモニウム化合物を含有する層 3''・・・・ジイモニウム化合物を含有する層 3'''・・・ジイモニウム化合物を含有する層 10・・・・・近赤外線吸収フィルム 10'・・・・近赤外線吸収フィルム 10''・・・近赤外線吸収フィルム 10'''・・近赤外線吸収フィルム
フロントページの続き (72)発明者 森村 泰大 東京都小平市小川東町3−1−1 Fターム(参考) 2H048 CA04 CA12 CA19 4F100 AH03B AH03C AH07B AH08C AK41A AK41B AK41C AR00A BA03 BA07 BA10A BA10C JD10B JD10C JN01A 4H025 AA22 AA56 AB05 AC05 5C040 GH10 KB02 MA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材と、式(1)で表されるシアニ
    ン化合物を含有する層及びジイモニウム化合物を含有す
    る層を含む近赤外線吸収層と、を有することを特徴とす
    る近赤外線吸収フィルム。 式(1) 【化1】 式(1)中、Aは、エチレン基を含む2価の連結基であ
    る。R及びRは、炭素原子を含む1価の基である。
    は、1価の負イオンである。
  2. 【請求項2】 Aが、式(2)〜(4)の少なくともい
    ずれかで表される請求項1に記載の近赤外線吸収フィル
    ム。 【化2】 式(2)〜(4)において、Yは、アルキル基、ジフェ
    ニルアミノ基、ハロゲン原子及び水素原子のいずれかで
    ある。
  3. 【請求項3】 近赤外線吸収層が、クエンチャー化合物
    を含有する請求項1又は2に記載の近赤外線吸収フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 クエンチャー化合物が、式(5)及び
    (6)の少なくともいずれかで表される構造を有する金
    属化合物と、式(7)で表される構造を有するアミニウ
    ム化合物と、の少なくともいずれかである請求項3に記
    載の近赤外線吸収フィルム。 【化3】 式(5)及び(6)において、Mは、Ni、Cu、C
    o、Pt及びPdの少なくともいずれかである。 【化4】 式(7)において、R〜Rは、アルキル基、アリー
    ル基、芳香族環を有する基、水素原子及びハロゲン原子
    の少なくともいずれかである。Xは、I、Br
    ClO 、BF 、PF 、SbF 、CH
    SO 、NO 及びCH−C−SO
    いずれかである。
  5. 【請求項5】 クエンチャー化合物が、式(8)〜(1
    0)の少なくともいずれかで表される請求項3又は4に
    記載の近赤外線吸収フィルム。 【化5】
  6. 【請求項6】 シアニン化合物を含有する層が、式
    (7)及び(10)の少なくともいずれかで表されるク
    エンチャー化合物を含み、ジイモニウム化合物を含有す
    る層が、式(8)及び(9)の少なくともいずれかで表
    されるクエンチャー化合物を含む請求項3から5のいず
    れかに記載の近赤外線吸収フィルム。
  7. 【請求項7】 ジイモニウム化合物が、式(I)及び
    (II)の少なくともいずれかで表される請求項1から6
    のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルム。 【化6】 式(I)及び(II)において、R〜R10は、アルキ
    ル基、アリール基、芳香族環を有する基、水素原子及び
    ハロゲン原子の少なくともいずれかである。X は1価
    の負イオンである。Y2−は、2価の負イオンである。
  8. 【請求項8】 シアニン化合物の含有量が、ジイモニウ
    ム化合物100重量部に対し、0.1〜50重量部であ
    る請求項1から7のいずれかに記載の近赤外線吸収フィ
    ルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008230229A (ja) * 2007-02-20 2008-10-02 Dainippon Printing Co Ltd 透明カード
JP2011180186A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd カラーフィルタ用感光性着色組成物およびカラーフィルタ

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