JP2003041980A - 内燃機関の始動時制御装置 - Google Patents

内燃機関の始動時制御装置

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JP2003041980A
JP2003041980A JP2001232179A JP2001232179A JP2003041980A JP 2003041980 A JP2003041980 A JP 2003041980A JP 2001232179 A JP2001232179 A JP 2001232179A JP 2001232179 A JP2001232179 A JP 2001232179A JP 2003041980 A JP2003041980 A JP 2003041980A
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fuel
pressure
fuel injection
internal combustion
combustion engine
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JP2001232179A
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Koichi Sasaki
康一 佐々木
Yukiichi Ito
之一 伊藤
Genki Otani
元希 大谷
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】昇圧される燃料圧力が安定しない始動時であっ
ても、適切な燃料噴射制御を行うことのできる内燃機関
の始動時制御装置を提供する。 【解決手段】燃料タンク10の燃料は、高圧燃料ポンプ
20にて昇圧された後、デリバリパイプ30に供給され
る。このデリバリパイプ30に備蓄された燃料は、イン
ジェクタ40を介して適宜、内燃機関1の各気筒に噴射
供給される。一方、デリバリパイプ30内の燃料圧力は
燃圧センサ60にて計測され、内燃機関1の冷却水温は
水温センサ61によって計測される。そして、計測され
た燃料圧力と冷却水温とに基づき行う燃料噴射量の算出
を、燃料噴射タイミングに連動させるとともに、この燃
料噴射量の算出を行う際にその都度燃料圧力の計測を行
うようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の始動時
制御装置に関し、特に燃料ポンプにて昇圧された燃料を
内燃機関の気筒内に直接噴射供給する筒内噴射式の内燃
機関に採用されてその始動時の燃料噴射量制御する装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、上記筒内噴射式の内燃機
関では、フィードポンプによって燃料タンクから汲み上
げられた燃料が機関駆動式の燃料ポンプであるいわゆる
高圧燃料ポンプによって昇圧されてデリバリパイプ(蓄
圧配管)内に供給される。このデリバリパイプには内燃
機関の各気筒に対応してそれぞれ噴射口が設けられたイ
ンジェクタが接続されており、同デリバリパイプに供給
され備蓄された高圧燃料は、それらインジェクタの開弁
動作に伴って内燃機関の各対応する気筒内に噴射供給さ
れる。
【0003】ところで、このように高圧燃料ポンプによ
って昇圧された燃料が気筒内に噴射供給される内燃機関
にあっては、運転が停止されてある程度の時間を経た後
の始動時には、デリバリパイプ内の燃料圧力がその要求
される圧力に達しないことがある。そして、この場合に
は、同機関の始動に必要とされる十分な量の燃料噴射が
確保できず、始動性が悪化する。
【0004】そこで従来は、例えば特開平9−1053
44号公報に見られるように、筒内噴射式内燃機関の燃
料噴射制御装置として、 (イ)予め機関始動に必要な所定の噴射量に対応したイ
ンジェクタの開弁時間(噴射時間)を機関回転速度及び
燃料圧力から求めるためのマップを記憶しておく。 (ロ)機関始動時には、機関回転速度及び上記デリバリ
パイプ等の高圧燃料系に設けられた燃圧センサによって
検出された燃料圧力に応じて上記マップから該当する噴
射時間を求め、この求めた噴射時間に基づいてインジェ
クタを開弁する。といった始動時制御を行う装置も提案
されている。このように、始動時の燃料噴射時間を機関
回転速度及び燃料圧力に基づいて決定することで、燃料
圧力がその要求される圧力に達していない場合において
も機関始動に必要とされる燃料噴射量を確保することが
できるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記機関始
動に必要な所定の噴射量に対応した燃料噴射時間とは通
常、上記高圧燃料系の燃料圧力、より正確には同高圧燃
料系の燃料圧力と機関の筒内圧力との差圧に基づき上記
噴射量を時間換算した値として設定される。そして、こ
の燃料圧力あるいは差圧は、その時々の機関始動環境に
応じて変化するため、上記従来の装置では、それら圧力
の変化をも補償し得るかたちで、上記機関始動に必要な
噴射量に対応した燃料噴射時間を求めるようにしてい
る。ただし、上記態様での時間換算を行うとはいえ、同
従来の装置のように、単に始動に必要な噴射量を確保す
るのみでは、燃焼に関与しない燃料の存在に起因して黒
煙が発生するなどの問題も生じかねない。
【0006】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、高圧燃料系の燃料圧力がその
要求される圧力に満たない機関始動時であっても、その
始動環境に即したより適切な燃料噴射制御を行うことの
できる内燃機関の始動時制御装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1記載の発明は、機関駆動式の燃料ポンプにて昇圧さ
れた燃料がインジェクタの開弁に応じて気筒内に直接噴
射供給される内燃機関の始動時の燃料噴射量を制御する
に際し、機関始動に必要とされる燃料噴射量を前記昇圧
された燃料の圧力に応じて時間換算した値として前記イ
ンジェクタの開弁時間を求めつつその噴射量を制御する
内燃機関の始動時制御装置において、前記時間換算の対
象となる機関始動に必要とされる燃料噴射量に、前記昇
圧された燃料の実時間による圧力変化が反映されるよう
にしたことをその要旨とする。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記昇圧された燃料の実時間による圧力変
化が反映されるようにした前記時間換算の対象となる機
関始動に必要とされる燃料噴射量を実時間算出する噴射
量算出手段を備えることをその要旨とする。
【0009】内燃機関に噴射供給される燃料は、圧力が
低いほど微粒化されにくい。そして、燃料が微粒化され
ないと、噴射供給された燃料は、内燃機関の燃焼室の壁
面等に付着し液滴となりやすくなる。このように壁面等
に付着した燃料は燃焼に供されにくいため、噴射供給さ
れた燃料のうち実際に燃焼に供される燃料量は、圧力が
低いほど減少するおそれがある。
【0010】この点、上記構成によれば、時間換算の対
象となる機関始動に必要とされる燃料噴射量に、前記昇
圧された燃料の実時間による圧力変化を反映させること
で、燃料の微粒化の程度を考慮した適切な燃料噴射制御
を行うことができるようになる。すなわち、上記燃料圧
力が高いほど始動時に噴射供給される燃料量を小さい値
とすることで、燃焼に供される燃料量を始動に適した量
にすることができる。
【0011】なお、上記請求項1又は2記載の発明は、
請求項3記載の発明によるように、前記機関始動に必要
とされる燃料噴射量への前記昇圧された燃料の実時間に
よる圧力変化の反映を、前記インジェクタを介した燃料
噴射の都度直前の燃料圧力の反映として行うようにして
もよい。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記反映される前記燃料噴射の直前の燃料
圧力が、前記燃料ポンプによる同燃料噴射の直前の昇圧
動作の後に計測される燃料圧力であることをその要旨と
する。
【0013】燃料ポンプにて昇圧される燃料の圧力は、
少なくとも機関始動時においては昇圧動作によって変化
しやすい。この点、上記構成によれば、反映される前記
燃料噴射の直前の燃料圧力を、燃料ポンプによる同燃料
噴射の直前の昇圧動作の後に計測される燃料圧力とする
ことで、この直前の燃料圧力から昇圧動作による燃圧の
上昇の影響を排除することができる。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項3記載の発
明において、前記反映される前記燃料噴射の直前の燃料
圧力が、前記昇圧された燃料の圧力についての計測値
と、その計測時から燃料噴射時までの間で推定される同
燃料の圧力変化とに基づいて算出される燃料圧力である
ことをその要旨とする。
【0015】上記構成によれば、昇圧された燃料の圧力
についての計測値と、その計測時から燃料噴射時までの
間で推定される同燃料の圧力変化とに基づき上記直前の
燃料圧力を算出することで、燃料圧力の変化の影響を考
慮した適切な燃料噴射量を算出することができるように
なる。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載の発明において、前記時間換算の対象とな
る機関始動に必要とされる燃料噴射量に、前記燃料の温
度もしくはその相当値の推移が更に反映されるようにし
たことをその要旨とする。
【0017】内燃機関に噴射供給される燃料は、その温
度が低いほど微粒化されにくい。そして、燃料が微粒化
されないと、噴射供給された燃料は、内燃機関の燃焼室
の壁面等に付着し液滴となりやすくなる。このように壁
面等に付着した燃料は燃焼に供されにくいため、噴射供
給された燃料のうち実際に燃焼に供される燃料量は、燃
料の温度が低いほど減少するおそれがある。
【0018】この点、上記構成によれば、上記燃料噴射
量に、噴射直前の燃料圧力に加えて燃料の温度もしくは
その相当値の推移が更に反映されるようにすることで、
燃料の微粒化の程度を考慮した燃料噴射制御をより適切
に行うことができるようになる。すなわち、上記燃料温
度が高いほど始動時に噴射供給される燃料量を小さな値
とすることで、燃焼に供される燃料量を始動に適した量
にすることができる。
【0019】なお、請求項1〜6のいずれかに記載の発
明は、請求項7記載の発明によるように、前記内燃機関
が火花点火式内燃機関であるようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる内燃機関の
始動時制御装置を火花点火式内燃機関の始動時制御装置
に適用した第1の実施形態を図面を参照しつつ説明す
る。
【0021】図1に、本実施形態にかかる内燃機関の始
動時制御装置の全体構成を示す。図1に示す内燃機関1
は、6気筒からなるとともに、それら各燃焼室(図示
略)に燃料を直接噴射供給する火花点火式内燃機関であ
る。(図中、これら各気筒を、#1、#2、…と表
記。)そして、この内燃機関1に燃料を直接噴射供給す
る機構として、燃料タンク10と、同燃料タンク10の
燃料を昇圧する機関駆動式の高圧燃料ポンプ20と、こ
の高圧燃料ポンプ20によって昇圧された燃料を備蓄す
るデリバリパイプ30と、同デリバリパイプ30に備蓄
された燃料を適宜上記燃焼室に噴射供給するインジェク
タ40とを備えている。
【0022】ここで、燃料タンク10は、低圧側燃料通
路11を介して上記高圧燃料ポンプ20と接続されるも
のであり、フィードポンプ10f及びプレッシャレギュ
レータ10pを備えている。そして、フィードポンプ1
0fによって燃料タンク10内から汲み上げられた燃料
は、プレッシャレギュレータ10pを介して所定の圧力
を維持しつつ上記高圧燃料ポンプ20に低圧燃料として
供給される。すなわち、低圧側燃料通路11内の燃料圧
力が所定の圧力を超えると、プレッシャレギュレータ1
0pによってその内部の低圧燃料が燃料タンク10内に
リリーフされるため、低圧側燃料通路11の燃圧は所定
の圧力に維持される。
【0023】これに対し、高圧燃料ポンプ20は、シリ
ンダ21とプランジャ22とを備え、これらシリンダ2
1とプランジャ22とによって昇圧室23が区画形成さ
れる。そして、この昇圧室23と上記低圧側燃料通路1
1とは、同高圧燃料ポンプ20に備えられた電磁スピル
弁24によって連通及び遮断制御される。この電磁スピ
ル弁24は、電磁ソレノイド24sとコイルスプリング
24cと弁体24vとを備えている。このコイルスプリ
ング24cは、電磁スピル弁24の弁体24vを開弁方
向に付勢するものであり、これにより電磁ソレノイド2
4sに通電がなされないときには、同弁体24vは開弁
状態となる。これにより、上記低圧側燃料通路11と昇
圧室23とが連通される。これに対し、上記電磁ソレノ
イド24sに通電がなされると、上記弁体24vは閉弁
状態となる。これにより、上記低圧側燃料通路11と昇
圧室23とが遮断される。
【0024】一方、上記高圧燃料ポンプ20の昇圧室2
3は、高圧側燃料通路12を通じて上記デリバリパイプ
30とも接続されている。この高圧側燃料通路12の途
中には逆止弁13が設けられている。この逆止弁13に
よって、上記昇圧室23内の燃料圧力が所定の圧力以上
となったときに、昇圧室23とデリバリパイプ30とが
連通されるようになる。また、この逆止弁13によって
上記デリバリパイプ30から昇圧室23への燃料の逆流
が阻止されている。
【0025】上記高圧燃料ポンプ20は、上記内燃機関
1の出力軸であるクランクシャフト2と機械的に接続さ
れ、この内燃機関1の動力によって駆動される。詳しく
は、上記クランクシャフト2と機械的に接続された排気
側カムシャフト26にカム25が取り付けられており、
このカム25の回転によって、上記プランジャ22がシ
リンダ21内を往復移動する。
【0026】この高圧燃料ポンプ20において、電磁ス
ピル弁24を制御することで、上記燃料タンク10内の
燃料を昇圧して上記デリバリパイプ30に供給すること
ができる。すなわち、図2(a)に示すように、カム2
5の回転によりプランジャ22が昇圧室23の容積を大
きくする方向に移動するときに電磁スピル弁24を開弁
制御することで、上記燃料タンク10内の燃料が昇圧室
23内に吸入される。これに対し、プランジャ22が昇
圧室23の容積を小さくする方向に移動する際(図2
(b)、図2(c))、所定のタイミングで電磁スピル
弁24を閉弁制御する。これにより、図2(c)に示す
ように、昇圧室23と低圧側燃料通路11とが遮断さ
れ、昇圧室23内の燃料が昇圧されることとなる。そし
て、昇圧室23内の燃料が所定の圧力以上となること
で、逆止弁13が開弁され、昇圧された燃料が上記デリ
バリパイプ30に供給される。
【0027】なお、上記デリバリパイプ30内の燃料圧
力の過剰な上昇を防ぐべく、先の図1に示すように、デ
リバリパイプ30は、リリーフ弁14及びリリーフ通路
15を介して上記低圧側燃料通路11と接続されてい
る。このリリーフ弁14は、デリバリパイプ30内の燃
料圧力が設定開弁圧を超えると開弁するものであり、こ
のリリーフ弁14の開弁によってデリバリパイプ30内
の燃料がリリーフ通路15、低圧側燃料通路11を介し
て燃料タンク10に戻される。
【0028】このように、高圧燃料ポンプ20にて昇圧
された燃料は、設定された燃圧を維持してデリバリパイ
プ30に備蓄され、この所定の燃圧を有する燃料がイン
ジェクタ40の開弁を通じて内燃機関1の各気筒(#
1、#2、…)に直接噴射供給されるようになる。
【0029】なお、上記電磁スピル弁24やインジェク
タ40の開弁制御を行うべく、本実施形態では、電子制
御装置50を備えている。そして、この電子制御装置5
0によって電磁スピル弁24の閉弁タイミングや閉弁期
間を制御することで、高圧燃料ポンプ20からデリバリ
パイプ30へ吐出される燃料量が調整される。このよう
に電子制御装置50によって電磁スピル弁24が制御さ
れ、また、上記リリーフ弁14によってデリバリパイプ
30内の燃圧が過剰となることが回避されることで、同
デリバリパイプ30内の燃料を適切な圧力に保つことが
できる。これにより、インジェクタ40の開弁を通じて
適切な燃圧を有する燃料を内燃機関1に噴射供給するこ
とができるようになる。
【0030】一方、上記電子制御装置50によってイン
ジェクタ40の開弁時間(燃料噴射時間)が制御される
ことで、適切な量の燃料が内燃機関1の各気筒(#1、
#2、…)に噴射供給されるようになる。ちなみに、燃
料噴射時間は、所望する噴射燃料量に基づき、以下よう
にして決定される。
【0031】まず、内燃機関1の燃焼室内の圧力が大気
圧で且つデリバリパイプ30内の燃料圧力が基準となる
圧力「P0」である条件下、インジェクタ40から単位
時間あたりに噴射される燃料は、インジェクタ40の構
造によって決まる所定値Kとなる。これに対し、デリバ
リパイプ30内の燃料圧力が「P」となった場合には、
インジェクタ40を介して単位時間に噴射される燃料量
は、下式(c1)となる。
【0032】
【数1】 したがって、噴射燃料量Qの燃料を噴射する場合には、
燃料噴射時間は、下式(c2)となる。
【0033】
【数2】 したがって、内燃機関1内の圧力を大気圧として近似す
るとともに、デリバリパイプ30内の燃料圧力Pを検出
することで、燃料噴射時間Tを的確に算出することがで
き、ひいては、燃料噴射制御を的確に行うことができる
ようになる。なお、本実施形態では、上記態様にて燃料
噴射制御を行うべく、図1に示すように、デリバリパイ
プ30内の燃料圧力を計測する燃圧センサ60を備えて
いる。
【0034】ところで、内燃機関1の始動時には、機関
駆動式の高圧燃料ポンプ20が作動を開始して間もない
ため、同高圧燃料ポンプ20によってデリバリパイプ3
0に供給され備蓄される燃料の圧力を十分に昇圧するこ
とができない。そして、計測される燃圧Pを上記式(c
2)に代入することで算出される燃料噴射時間に基づい
て燃料噴射制御を行うとしても、適切な燃料噴射制御を
行うことができないことについては上述した。
【0035】すなわち、内燃機関1に噴射供給される燃
料は、その圧力が低いほど微粒化されにくい。そして、
燃料が微粒化されないと、噴射供給された燃料は、内燃
機関1の燃焼室の壁面等に付着し液滴となりやすくな
る。このように壁面等に付着した燃料は燃焼に供されに
くいため、噴射供給された燃料のうち実際に燃焼に供さ
れる燃料量は、圧力が低いほど減少するおそれがある。
これに対し、燃料圧力が上昇すると、燃焼が微粒化され
やすくなり、噴射供給された燃料のうち実際に燃焼に供
される燃料量が増大するようになる。
【0036】そこで、本実施形態では、上記インジェク
タ40の開弁制御を介して内燃機関1に噴射供給される
燃料の燃料噴射量に、高圧燃料ポンプ20によって昇圧
された燃料の実時間による圧力変化が反映されるように
する。詳しくは、昇圧された燃料の実時間による圧力変
化が反映されるようにした燃料噴射量を算出するととも
に、上式(c2)にてこれを燃料噴射時間に換算する。
このように、燃料噴射量に昇圧された燃料の実時間によ
る圧力変化が反映されるようにすることで、内燃機関1
の壁面に付着するなどして燃焼に供されない燃料量を考
慮しつつ燃料噴射制御を行うことができるようになる。
【0037】すなわち、噴射供給される燃料圧力が高い
ほど燃料は微粒化されやすくなり燃焼に供されない燃料
量が減少するため、噴射燃料量を減少させる。これに対
し、噴射供給される燃料圧力が低いほど燃料は微粒化さ
れにくくなり燃焼に供されない燃料量が増大するため、
噴射燃料量を増加させる。このように燃料の微粒化の程
度を考慮して算出される燃料噴射量を上式(c2)にて
変換した燃料噴射時間は、同微粒化の程度を考慮しない
燃料噴射量を上式(c2)にて変換した燃料噴射時間と
比較して、燃圧の増加に伴いその噴射時間の短縮度合い
が大きなものとなる。このため、始動時の燃料噴射量を
低減することができる。
【0038】更に、本実施形態では、上記燃料噴射量の
算出に際し、上記噴射直前の燃料圧力に加えて、インジ
ェクタ40を介して噴射される燃料の温度(その相当
値)を併せ用いるようにする。すなわち、インジェクタ
40を介して噴射される燃料は、その温度が低いほど微
粒化されにくいという性質がある。したがって、インジ
ェクタ40を介して噴射される燃料の温度(その相当
値)を用いて燃料噴射量を算出することで、より適切な
燃料噴射制御を行うことができる。
【0039】すなわち、上記燃料温度(その相当値)が
高いほど燃料は微粒化されやすくなり燃焼に供されない
燃料量が減少するため、噴射燃料量を減少させる。これ
に対し、上記燃料温度(その相当値)が低いほど燃料は
微粒化されにくくなり燃焼に供されない燃料量が増大す
るため、噴射燃料量を増大させる。
【0040】具体的には、本実施形態では、図1に示す
ように、内燃機関1の冷却水の温度を検出する水温セン
サ61を備えるとともに、燃料温度(その相当値)とし
て水温センサ61で計測される冷却水温を用いることと
する。そして、この冷却水温及び上記燃料圧力と燃料噴
射量との関係を定める図3に示す態様の2次元マップを
予め用意し、これを用いて燃料噴射量を算出する。
【0041】ところで、この算出に用いる冷却水温と燃
料圧力の計測については、特に燃料圧力の計測に注意す
る必要がある。すなわち、内燃機関の始動時には、燃料
圧力は安定せず絶えず変化するため、噴射直前の燃料圧
力を計測する。以下、この噴射直前として許容される範
囲を考察する。
【0042】上記デリバリパイプ30内の燃料圧力の変
化は、大きくは次の2つの要因によるものと考えられ
る。 (イ)インジェクタ40から燃料が噴射されることによ
るデリバリパイプ30内の燃料の減少に起因した燃料圧
力の低下。 (ロ)高圧燃料ポンプ20による昇圧動作に起因したデ
リバリパイプ30内の燃料圧力の上昇。
【0043】上記(イ)の影響を排除するためには、上
記算出に用いる燃料圧力を、前回の噴射の後に計測され
る燃料圧力とすることが望ましい。このように、燃料噴
射量の算出に際し用いる燃料圧力を、この算出よって制
御される燃料噴射より前に行われた燃料噴射の後に計測
することで、前回の燃料噴射による燃料圧力変化の影響
を排除することができる。
【0044】また、上記(ロ)の影響を排除するために
は、上記算出に用いる燃料圧力を、当該噴射の直前の高
圧燃料ポンプ20による燃料の昇圧動作の後に計測され
る燃料圧力とすることが望ましい。なお、この高圧燃料
ポンプ20の昇圧動作による燃料圧力の変化を回避する
ためには、更に、同昇圧動作時に燃料噴射制御がなされ
ることのないよう設定することが望ましい。
【0045】上記態様にて(イ)及び(ロ)による燃料
圧力の変化の影響の排除は、以下の各パラメータ ・燃料噴射タイミング ・電磁スピル弁24の閉弁タイミング ・電磁スピル弁24の閉弁期間 ・燃料圧力の計測タイミング の間の相対的な関係を調整することで行うことができ
る。すなわち、仮に決められた上記各パラメータ間の相
対的な関係によって例えば昇圧動作時に燃料噴射制御が
なされる場合、上記パラメータの少なくとも1つを変更
することで、燃料噴射制御時を昇圧動作時と重ならない
ように設定することができる。
【0046】ここで、本実施形態における上記各パラメ
ータの設定について示す。本実施形態では、図1に示す
ように、クランク角センサ62とカム角センサ63とを
備え、これにより機関始動時にはクランク角度に同期し
た燃料噴射タイミングや電磁スピル弁24の閉弁タイミ
ングを設定する。
【0047】すなわち、各気筒(#1、#2、…)の燃
料噴射制御は720クランク角度(℃A)周期である。
また、図1に示すように、本実施形態のカム25は、略
3角形状を有するために、720℃Aにて1回転する間
に上記プランジャ22を3回昇圧室23の容積を小さく
する方向に移動させる。したがって、240℃A周期で
電磁スピル弁24の閉弁タイミングを設定することがで
き、これにより、720℃Aの間に3回昇圧動作を行
う。
【0048】これに対し、クランク角センサ62の検出
値は360℃A周期であるために、上記燃料噴射制御や
電磁スピル弁24の制御における周期である720℃A
周期を把握するために、クランク角センサ62の検出に
加えて何らかの補助的な検出を行う必要が生じる。これ
に対し、本実施形態では、720℃A毎に1回転するカ
ムシャフト26の回転態様を検出するカム角センサ63
を、上記クランク角センサ62と併せ用いることとす
る。
【0049】具体的には、一例として図4(a)に示す
ように、各気筒(#1、#2、…)の上死点から240
℃A進角した値(BTDC240℃A)に噴射タイミン
グを設定する。これに対し、電磁スピル弁24の閉弁タ
イミングは、図4(e)に示すように、一番気筒(#
1)の上死点から90℃A進角した値(BTDC90℃
A)を基準として240℃A周期とする。これにより、
燃料噴射タイミングと昇圧動作時との一致を回避するこ
とができる。
【0050】そして、本実施形態では、燃料噴射量の算
出を燃料噴射タイミングに連動させる(図4(b))と
ともに、この燃料噴射量の算出を行う際にその都度燃料
圧力の計測を行う(図4(c))ようにする。燃料圧力
の計測タイミングをこのように設定することで、120
℃A毎に行われる燃料噴射の影響や240℃A毎に行わ
れる昇圧動作の影響を、この計測される燃料圧力から排
除することができる。
【0051】ちなみに、図4(d)に示すように、燃料
圧力は、各気筒(#1、#2、…)における燃料噴射
(図4(a))によって低下し、また、電磁スピル弁2
4の閉弁による昇圧動作(図4(e))によって上昇す
る。
【0052】ここで、こうした態様にて上記電子制御装
置50にて行われる本実施形態の始動時の燃料噴射制御
にかかる処理ついて、図5に基づいて説明する。図5
は、上記処理の手順を示すフローチャートである。この
処理は、一番気筒(#1)の上死点(TDC)を基準
(0℃A)として30℃A毎に繰り返し実行される。
【0053】この一連の処理においては、まず上記内燃
機関1の始動時か否かを判断する(ステップ100)。
ここで始動時とは、例えば図示しないスタータによって
内燃機関1のクランキングが開始されてから、同内燃機
関1の自立運転が可能となるまでの期間とする。なお、
同内燃機関1の自立運転が可能となる時期は、例えば上
記クランク角センサ62によって検出されるクランクシ
ャフト2の回転速度が所定値に達する時期とする。
【0054】そして、始動時であると判断されると、上
記水温センサ61によって計測される内燃機関1の冷却
水温と、上記燃圧センサ60によって計測されるデリバ
リパイプ20の燃料圧力とを取り込む(ステップ11
0)。ここでは、所定の周期にてこれら水温センサ61
や燃圧センサ60の計測値が入力されるとともに、これ
が記憶保持されるRAMを上記電子制御装置50内に設
けておき、これを取り込む。なお、この場合、所定周期
は、特に燃圧センサ60の計測値については、上記クラ
ンクシャフト2が30℃A回転する所要時間より短い周
期に設定することとし、この際、必ずしもクランク角周
期でなく時間周期にて設定してもよい。
【0055】こうして冷却水温と燃料圧力とが取り込ま
れると、これらに基づいて燃料噴射量を算出する(ステ
ップ120)。ここでは、先の図3に示した冷却水温及
び燃料圧力と燃料噴射量との関係を示したマップを用い
て燃料噴射量を算出する。更に、この算出された燃料噴
射量を、上式(c2)に基づき、燃料噴射時間に変換す
る(ステップ130)。こうした燃料噴射量や燃料噴射
時間の算出に連動して、燃料噴射タイミングであるか否
かを判断(ステップ140)し、燃料噴射タイミングで
ある場合には、燃料噴射制御を行う(ステップ15
0)。すなわち、このステップ140及びステップ15
0にかかる処理によって、燃料噴射制御を燃料噴射量や
燃料噴射時間の算出に連動させることができる。しか
も、ステップ110及びステップ120の処理が連動し
ているために、燃料噴射量の算出を行う際にその都度燃
料圧力の計測を行うことができる。
【0056】なお、上記ステップ100で機関始動時で
はないと判断された場合や、ステップ140で燃料噴射
タイミングでないと判断されるとこの処理を一旦終了す
る。以上説明した本実施形態によれば、以下のような効
果が得られるようになる。
【0057】(1)燃料噴射量の算出を噴射直前の燃料
圧力に基づいて行うことで、燃料の微粒化の程度を考慮
した燃料噴射制御を好適に行うことができる。 (2)燃料噴射量の算出を燃料噴射タイミングに連動さ
せるとともに、この燃料噴射量の算出を行う際にその都
度燃料圧力の計測を行うようにした。これにより、12
0℃A毎に行われる燃料噴射の影響や240℃A毎に行
われる昇圧動作の影響を、この計測される燃料圧力から
排除することができる。
【0058】(3)燃料噴射量の算出を、噴射直前の燃
料圧力に加えて燃料の温度相当値としての冷却水温に基
づいて行った。これにより、燃料の微粒化の程度を考慮
した燃料噴射制御をいっそう好適に行うことができる。
【0059】(第2の実施形態)以下、本発明にかかる
内燃機関の始動時制御装置を火花点火式内燃機関の始動
時制御装置に適用した第2の実施形態について、上記第
1の実施形態との相違点を中心として図面を参照しつつ
説明する。
【0060】本実施形態では、燃料噴射量の算出に用い
る噴射直前の燃料圧力を、燃料の圧力についての計測値
と、その計測時から燃料噴射時までの間で推定される燃
料の圧力変化とに基づいて算出する。これにより、燃料
圧力の計測後に例えば上記(イ)や(ロ)に示すような
要因による燃料圧力の変化が生じたとしてもこの影響を
考慮して燃料噴射量を算出することができる。
【0061】具体的には、本実施形態では、上記第1の
実施形態と同様、噴射タイミングを各気筒の上死点から
240℃A進角した値(BTDC240℃A)とすると
ともに、噴射量算出タイミングを450℃A進角した値
(BTDC450℃A)とする。そして、燃料圧力の計
測を、この噴射量算出の都度行うこととする。
【0062】このように燃料圧力の計測とそれに引き続
く燃料噴射量の算出を行う場合、燃料圧力の計測から燃
料噴射タイミングまでの間に、燃料圧力は、図6又は図
7に例示すように推移する。このように、1〜3気筒
(図6、#1〜#3)における燃圧推移と4〜6気筒
(図7、#4〜#6)における燃圧推移とでは、昇圧動
作と他気筒における燃料噴射による燃圧低下との順番が
異なるとはいえ、いずれにおいても燃料変化量は略等し
いとみなせる。すなわち、いずれも昇圧動作と他気筒に
おける燃料噴射による燃圧低下とによる燃圧変化が1度
づつ生じるため、1回の昇圧動作による燃料増加量と1
回の燃料噴射による燃圧低下との和として上記燃圧変化
量を把握することができる。そして、この変化量と計測
された燃料圧力とに基づいて、燃料噴射タイミングにお
ける燃料圧力を把握することができ、ひいては、適切な
燃料噴射量を把握することができる。
【0063】ここで、本実施形態における始動時燃料噴
射制御にかかる処理について、図8を参照して更に説明
する。図8は、上記処理の手順を示すフローチャートで
ある。この処理は、一番気筒(#1)の上死点(TD
C)を基準(0℃A)として30℃A毎に繰り返し実行
される。
【0064】この一連の処理においては、まず、先の図
5に示したステップ100の処理と同様にして、機関始
動時か否かが判断される(ステップ200)。そして、
機関始動時と判断されると、上記燃料噴射量算出タイミ
ングであるか否かが判断され(ステップ210)、同タ
イミングであると判断されると先の図5に示したステッ
プ110の処理と同様の処理がなされる(ステップ22
0)。
【0065】そして、ステップ220にて、冷却水温と
燃料圧力とが取り込まれると、噴射直前の燃料圧力の推
定算出を行う(ステップ230)。ここでは、以下に例
示されるようにして圧力変化量を設定し、この変化量と
上記計測された燃料圧力との和によって噴射直前の燃料
圧力を推定算出する。
【0066】この燃圧変化量は、例えば以下のようにし
て設定することができる。 <1回の昇圧動作による燃料圧力の上昇量の設定>1回
の昇圧動作によってデリバリパイプ30内に吐出される
燃料量を先の図1に示した高圧側燃料通路12やデリバ
リパイプ30の容積、電磁スピル弁24の制御態様等か
ら把握し、これに基づいて燃圧上昇量を設定する。この
値は、一定値として上記電子制御装置50において保持
してもよいし、また、例えば燃料の温度(その相当値)
等、適宜のパラメータに基づいて逐次算出してもよい。 <1回の燃料噴射による燃圧低下量の設定>1回の燃料
噴射動作によって内燃機関1に噴射供給される燃料量の
予測値や、先の図1に示したデリバリパイプ30の容積
等から、燃圧低下量を設定する。この際、燃料噴射量が
可変とされるとはいうもののこれによる燃圧の低下量の
変化は少ないため、上記燃圧低下量を、デリバリパイプ
30の容積等から把握される一定値としてもよい。ま
た、燃料の温度(その相当値)の影響を加味して上記燃
圧の低下量を算出してもよい。更に、前回の燃料噴射量
を参照したり、過去数回の燃料噴射量の上昇態様を参照
したりしつつ上記燃圧の低下量を逐次算出してもよい。
また、過去のトリップにおいて1回の燃料噴射によって
低下する燃圧についてのデータを例えばバックアップR
AM(図示略)等に記憶保持し、このデータを参照して
上記燃圧の低下量を逐次算出してもよい。
【0067】こうして噴射直前の燃料圧力を推定算出す
ると、この算出された燃料圧力と、上記ステップ220
で取り込んだ冷却水温とを用いて先の図3に示した燃圧
及び冷却水温と燃料噴射量との関係を定めたマップに基
づき、燃料噴射量を算出する(ステップ240)。そし
て、上式(c2)に基づいてこの燃料噴射量を燃料噴射
時間に変換する(ステップ250)。そして、こうして
算出された燃料噴射時間に基づいて燃料噴射制御を行う
気筒において、クランク角度が上死点から240℃Aだ
け進角した値(BDTC240℃A)に達した燃料噴射
タイミングであるか否かを判断する(ステップ26
0)。そして、燃料噴射タイミングに達すると、算出さ
れた燃料噴射時間に基づいて燃料噴射制御を行う(ステ
ップ270)。
【0068】なお、上記ステップ200で機関始動時で
はないと判断されたときや、ステップ210で燃料噴射
量算出タイミングでないと判断されたきにはこの処理を
一旦終了する。
【0069】以上説明した本実施形態によれば、以下の
効果が得られるようになる。 (4)噴射直前の燃料圧力を、燃料の圧力についての計
測値と、その計測時から燃料噴射時までの間に推定され
る燃料の圧力変化とに基づいて算出した。これにより、
燃料圧力の計測時から燃料噴射時までに燃料圧力が変化
した場合であれ、この変化を考慮して燃料噴射量を適切
に算出することができる。
【0070】(5)燃料圧力の計測時から燃料噴射時ま
での燃料圧力の変化が全ての気筒において、昇圧動作に
よる燃料圧力の増大が1回、燃料噴射による燃料圧力の
減少が1回と、共通したものとなるようにした。これに
より、全ての気筒における燃料圧力の推定算出を同様に
行うことができる。
【0071】なお、上記各実施形態は以下のように変更
して実施してもよい。 ・先の図5のステップ110処理の都度、又は先の図8
のステップ220の処理の都度、水温センサ61や燃圧
センサ60からそれらの計測値を直接取り込むようにし
てもよい。
【0072】・燃料噴射タイミングや燃料噴射量算出タ
イミングは、上記各実施形態で例示したものに限らな
い。この場合であっても、例えば算出に用いる燃圧を前
回の噴射の後に計測される燃料圧力としたり、当該噴射
時の直前の昇圧動作の後に計測される燃圧としたりする
ことで、上記(イ)や(ロ)の変化による影響を排除す
ることができる。また、噴射直前の燃料圧力の推定算出
に際しても、考慮する圧力変化が全ての気筒において等
しくなるものに限らない。
【0073】・燃料噴射量の算出は、所定のクランク角
周期で行うものに限らず、所定の時間周期でもよい。こ
の場合であっても、例えば図5に示す処理において周期
を十分短く取ることで、例えば算出に用いる燃圧を前回
の噴射の後に計測される燃料圧力としたり、算出に用い
る燃圧を当該噴射時の直前の昇圧動作の後に計測される
燃圧としたりすることができる。
【0074】・燃料噴射量を燃料噴射時間に変換する手
法は、上式(c2)に基づくものに限らない。例えば、
大気圧による近似を用いる代わりに、筒内圧を直接検出
してこれを用いてもよい。
【0075】・電子制御装置50等、車両に搭載された
計算機上で、昇圧された燃料の実時間による圧力変化が
反映されるようにしつつ燃料噴射量を一旦算出した後、
これを燃料噴射時間に換算するものに限らない。要は、
時間換算の対象となる燃料噴射量に、昇圧された燃料の
実時間による圧力変化を反映させるようにすればよい。
具体的には、例えば先の図5におけるステップ120及
び130の処理を一括して行うべく、冷却水温及び燃料
圧力と燃料噴射時間との関係を定めたマップを用いても
よい。こうした場合であっても、燃料噴射量に昇圧され
た燃料の実時間による圧力変化を反映させるようにする
ことで、適切な燃料噴射量制御を行うことができる。ち
なみに、こうして算出される燃料噴射時間は、上記燃料
の実時間による圧力変化を反映せずに上式(c2)に基
づいて換算された燃料噴射時間と比較して、燃料圧力の
上昇につれて短縮される時間量が大きなものとなる。
【0076】・火花点火式内燃機関に限らず、例えばデ
ィーゼルエンジンの始動時制御装置に本発明を適用して
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる内燃機関の始動時制御装置の第
1の実施形態の構成を示す図。
【図2】燃料ポンプの昇圧動作を説明する図。
【図3】同実施形態の燃圧及び水温と燃料噴射量との関
係を定めた図。
【図4】同実施形態の燃料噴射制御態様を示すタイムチ
ャート。
【図5】同実施形態の燃料噴射制御手順を示すフローチ
ャート。
【図6】本発明にかかる内燃機関の始動時制御装置の第
2の実施形態の燃料噴射制御態様を示すタイムチャー
ト。
【図7】同実施形態の燃料噴射制御態様を示すタイムチ
ャート。
【図8】同実施形態の燃料噴射制御手順を示すフローチ
ャート。
【符号の説明】
1…内燃機関、2…クランクシャフト、10…燃料タン
ク、10f…フィードポンプ、10p…プレッシャレギ
ュレータ、11…低圧側燃料通路、12…高圧側燃料通
路、13…逆止弁、20…高圧燃料ポンプ、21…シリ
ンダ、22…プランジャ、23…昇圧室、24…電磁ス
ピル弁、24c…コイルスプリング、24s…電磁ソレ
ノイド、24v…弁体、25…カム、26…排気側カム
シャフト、30…デリバリパイプ、40…インジェク
タ、50…電子制御装置、60…燃圧センサ、61…水
温センサ、62…クランク角センサ、63…カム角セン
サ。
フロントページの続き (72)発明者 大谷 元希 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA01 BA13 BA14 BA15 CA01 DA10 EA11 FA20 FA33 FA38 3G301 HA02 HA04 JA12 JA24 KA01 LB04 LB06 LB07 LB13 LB16 MA11 MA18 NA08 PB01Z PB08Z PE01Z PE03Z PE08Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関駆動式の燃料ポンプにて昇圧された燃
    料がインジェクタの開弁に応じて気筒内に直接噴射供給
    される内燃機関の始動時の燃料噴射量を制御するに際
    し、機関始動に必要とされる燃料噴射量を前記昇圧され
    た燃料の圧力に応じて時間換算した値として前記インジ
    ェクタの開弁時間を求めつつその噴射量を制御する内燃
    機関の始動時制御装置において、 前記時間換算の対象となる機関始動に必要とされる燃料
    噴射量に、前記昇圧された燃料の実時間による圧力変化
    が反映されるようにしたことを特徴とする内燃機関の始
    動時制御装置。
  2. 【請求項2】前記昇圧された燃料の実時間による圧力変
    化が反映されるようにした前記時間換算の対象となる機
    関始動に必要とされる燃料噴射量を実時間算出する噴射
    量算出手段を備える請求項1記載の内燃機関の始動時制
    御装置。
  3. 【請求項3】前記機関始動に必要とされる燃料噴射量へ
    の前記昇圧された燃料の実時間による圧力変化の反映
    を、前記インジェクタを介した燃料噴射の都度直前の燃
    料圧力の反映として行う請求項1又は2記載の内燃機関
    の始動時制御装置。
  4. 【請求項4】前記反映される前記燃料噴射の直前の燃料
    圧力が、前記燃料ポンプによる同燃料噴射の直前の昇圧
    動作の後に計測される燃料圧力である請求項3記載の内
    燃機関の始動時制御装置。
  5. 【請求項5】前記反映される前記燃料噴射の直前の燃料
    圧力が、前記昇圧された燃料の圧力についての計測値
    と、その計測時から燃料噴射時までの間で推定される同
    燃料の圧力変化とに基づいて算出される燃料圧力である
    請求項3記載の内燃機関の始動時制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関
    の始動時制御装置において、 前記時間換算の対象となる機関始動に必要とされる燃料
    噴射量に、前記燃料の温度もしくはその相当値の推移が
    更に反映されるようにしたことを特徴とする内燃機関の
    始動時制御装置。
  7. 【請求項7】前記内燃機関が火花点火式内燃機関である
    請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の始動時制御
    装置。
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