JP2003041195A - 光輝調塗料組成物および塗装物 - Google Patents

光輝調塗料組成物および塗装物

Info

Publication number
JP2003041195A
JP2003041195A JP2001230375A JP2001230375A JP2003041195A JP 2003041195 A JP2003041195 A JP 2003041195A JP 2001230375 A JP2001230375 A JP 2001230375A JP 2001230375 A JP2001230375 A JP 2001230375A JP 2003041195 A JP2003041195 A JP 2003041195A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bright
bismuth
coating
weight
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001230375A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Ozeki
厚司 大関
Sadaji Kitamura
貞治 北村
Atsushi Yoshizawa
淳 吉澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Kasei Co Ltd
Original Assignee
Fujikura Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Kasei Co Ltd filed Critical Fujikura Kasei Co Ltd
Priority to JP2001230375A priority Critical patent/JP2003041195A/ja
Publication of JP2003041195A publication Critical patent/JP2003041195A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠性を高めるために光輝性顔料を多くして
も塗膜が剥離せず、塗膜の密着性と意匠性とが共に優れ
た光輝調塗料組成物および塗装物を提供する。 【解決手段】 光輝調塗料組成物が、ビスマス系光輝性
顔料1〜10重量%と、カチオン性化合物0.1〜10
重量%とを含有する。その際、前記カチオン性化合物
は、カルボン酸エステルのアルキロールアミン塩である
ことが好ましい。また、紫外線吸収剤とヒンダードアミ
ン系光安定剤とをさらに含有することが好ましい。ま
た、前記紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系化合物であ
ることが好ましい。また、塗装物が、上述した光輝調塗
料組成物からなるベースコート層上に、クリヤー塗料か
らなるトップコート層が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真珠様光沢の塗膜
を形成する光輝調塗料組成物および塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧品容器、家電製品や携帯電話などに
使用される樹脂製筐体においては、加飾、保護、機能性
付与を目的として、その表面を塗装することがある。中
でも、加飾を目的とした塗装では、意匠性を高めるため
に光輝調に塗装することがある。光輝調に塗装する際に
は、光輝性顔料を含有した塗料組成物が使用される。光
輝性顔料としては、アルミニウム粉など、金属を粉砕し
て粉末化させた金属調光輝性顔料や、金属酸化物被膜雲
母、塩基性炭酸鉛、酸塩化ビスマスなど、真珠様光沢を
付与できる光輝性顔料などが例示される。これらの中で
も、酸塩化ビスマスは、高輝度で、非常に美しい真珠様
光沢を付与できるため、高意匠性を付与できる光輝性顔
料として着目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光輝性を高
め、意匠性をより一層向上させるには、光輝調塗料組成
物中の光輝性顔料の含有量を増やさなければならない。
しかしながら、光輝性顔料として酸塩化ビスマスを含有
する光輝調塗料組成物において、酸塩化ビスマスの含有
量を多くすると、酸塩化ビスマスの分散が不十分とな
り、分散不良の箇所で剥離するなど塗膜の密着性が低く
なることがあった。したがって、塗膜の剥離を防止する
ために、酸塩化ビスマスの含有量を少なくしなければな
らず、意匠性を向上させることができなかった。また、
酸塩化ビスマスと他の光輝性顔料とを含む場合、塗料組
成物中に含まれる他の光輝性顔料の種類によっても、塗
膜が剥離することがあった。そのため、組み合わすこと
ができる他の光輝性顔料に制限があった。また、酸塩化
ビスマスは耐候性が低く、そのため、酸塩化ビスマスを
含有する塗料組成物の塗装物の耐候性も不十分であっ
た。例えば、サンシャインウェザオメータ50時間暴露
で△Eが5以上変化するなど、時間の経過とともに変色
することがあった。この耐候性は、化粧品容器、家電製
品や携帯電話筐体の塗装で要求されるレベルを満足して
いない。本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであ
り、意匠性を高めるために光輝性顔料を多くしても塗膜
が剥離せず、塗膜の密着性と意匠性とが共に優れた光輝
調塗料組成物および塗装物を提供することを目的とす
る。また、耐候性に優れた光輝調塗料組成物および塗装
物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の光輝調塗料組成
物は、ビスマス系光輝性顔料1〜10重量%と、カチオ
ン性化合物0.1〜10重量%とを含有するものであ
る。その際、前記カチオン性化合物は、カルボン酸エス
テルのアルキロールアミン塩であることが好ましい。ま
た、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とをさ
らに含有することが好ましい。また、前記紫外線吸収剤
は、ベンゾフェノン系化合物であることが好ましい。ま
た、本発明の塗装物は、上述した光輝調塗料組成物から
なるベースコート層上に、クリヤー塗料からなるトップ
コート層が形成されているものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光輝調塗料組成物は、ビスマス系光輝性顔料
と、カチオン性化合物とを含有するものである。ビスマ
ス系光輝性顔料は、酸塩化ビスマスを含有するものであ
る。この酸塩化ビスマスの平均粒子径は、2〜60μm
であることが好ましい。酸塩化ビスマスの重量平均粒子
径が2μm未満であると、光の反射が不十分となり、十
分な真珠様光沢が得られなくなることがあり、60μm
を超えると、塗膜の平滑性が低下する恐れがある。ま
た、酸塩化ビスマスは、水酸化セリウムなどで表面処理
が施されていてもよい。光輝調塗料塗装物中のビスマス
系光輝性顔料の含有量は、1〜10重量%である。ビス
マス系光輝性顔料の含有量が1重量%未満であると、ビ
スマス系光輝性顔料が不足し、意匠性が向上しない。一
方、ビスマス系光輝性顔料の含有量が10重量%を超え
ると、後述するカチオン性化合物を添加しても塗膜中で
分散不良を生じ、塗膜が剥離する。
【0006】カチオン性化合物としては、酸塩化ビスマ
スの分散性を向上できれば特に制限されないが、例え
ば、リン酸化合物、イソシアネート、アミンなどが挙げ
られる。これらの中でもアミンが好ましく、カルボン酸
エステルのアルキロールアミン塩であることがさらに好
ましい。ここで、カルボン酸エステルのアルキロールア
ミン塩とは、ヒドロキシル基を有するカルボン酸エステ
ルのヒドロキシル基と、アミンとが結合した化合物のこ
とである。光輝調塗料組成物中のカチオン性化合物の含
有量は、0.1〜10重量%である。カチオン性化合物
の含有量が0.1重量%未満であると、ビスマス系光輝
性顔料の分散を向上させることができず、塗膜の剥離を
改善することができない。一方、10重量%を超える
と、塗膜の黄ばみが強く現れ、意匠性を損なうことがあ
る。
【0007】光輝性塗料組成物には、ビヒクルが含まれ
る。ビヒクルとしては、合成樹脂および溶剤を含み、光
輝性顔料を分散させることができれば特に制限されない
が、ラッカータイプのものを使用することが好ましい。
ここで、ラッカータイプとは、熱硬化性、紫外線硬化性
などの硬化性を有さない合成樹脂を溶剤に分散させたも
のである。ラッカータイプを用いると、塗装後に塗膜の
硬化処理をする必要が無く、塗装が効率的となる。ラッ
カータイプのビヒクルに使用される合成樹脂としては、
例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニル、ニトロセルロース、セルロースア
セテートブチレートなどが挙げられる。また、これらの
重合体は単独で使用してもよいし、併用してもよい。ま
た、これらの重合体が共重合した共重合体であってもよ
い。
【0008】また、ビヒクルとしては、熱硬化性や紫外
線硬化性などを有する硬化性タイプのものを使用しても
よい。硬化性タイプのビヒクルに使用される合成樹脂と
しては、フェノール樹脂、ポリエステル、アミノ樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリエーテル、シリコン樹脂、アクリ
ル基を有するマクロマーからなる樹脂などが挙げられ
る。これらの合成樹脂に必要に応じて含まれる架橋剤と
しては、アミノ樹脂類、ポリイソシアネート類、多価カ
ルボン酸類などが挙げられる。
【0009】光輝調塗料組成物中において、合成樹脂と
光輝性顔料との重量比率は1/1〜40/1であること
が好ましい。1/1未満であると、合成樹脂量が少なす
ぎてビスマス系光輝性顔料を十分に分散できないことが
あり、40/1を超えると、合成樹脂量が多すぎて塗装
の際に不良が起こることがある。
【0010】また、ビヒクルに含まれる溶剤としては、
合成樹脂を分散できれば特に制限されず、例えば、トル
エン、キシレンなどの炭化水素類、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエス
テル類、プロノール、ブタノールなどのアルコール類、
水などが挙げられる。
【0011】また、光輝調塗料組成物には、紫外線吸収
剤とヒンダードアミン系光安定剤とを含有することが好
ましい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノ
ン系、ベンゾトリアゾール系、サリチリレート系、シア
ノアクリレート系の化合物が挙げられるが、これらの中
でもベンゾフェノン系化合物であることが好ましい。紫
外線吸収剤の含有量は、1〜10重量%であることが好
ましい。紫外線吸収剤の含有量が、1重量%未満である
と、紫外線が吸収されず、耐候性が向上しないことがあ
る。一方、10重量%を超えると、塗膜の黄ばみが強く
なったり、コストが高くなる場合がある。
【0012】また、ヒンダードアミン系光安定剤として
は、例えば、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)セパケート、ビス−(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セパケートな
どが挙げられるが、酸性のものが好ましい。酸性のヒン
ダードアミン系光安定剤としては、例えば、チバスペシ
ャリティケミカルズ社製チヌビン123などが挙げられ
る。ヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、0.2〜
2重量%であることが好ましい。ヒンダードアミン系光
安定剤の含有量が0.2重量%未満であると、光によっ
て生成した活性化合物を不活性化できず、耐候性が向上
しないことがある。一方、2重量%を超えると、塗膜の
黄ばみが強くなったり、コストが高くなる場合がある。
【0013】また、光輝調塗料組成物は必要に応じて、
その他の添加剤を添加してもよい。その他の添加剤とし
ては、例えば、着色顔料、体質顔料、造膜助剤、可塑
剤、防腐剤、防かび剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分
散剤、沈降防止剤、たれ防止剤などが挙げられる。これ
ら添加剤は単独で使用してもよいし、併用してもよい。
また、アルミニウム、金、銀、銅、チタン、ステンレス
などの粉体からなるビスマス系光輝性顔料以外の光輝性
顔料を含有してもよい。
【0014】このような光輝調塗料組成物の塗装方法
は、基材面に均一に塗布できれば特に制限はない。塗装
方法としては、例えば、スプレー塗装、刷毛塗り、ロー
ラ塗り、コテ塗り、フローコータ塗り、ローラーコータ
塗りなどが挙げられる。これらの中でも、スプレー塗装
で行うのが好ましい。スプレー塗装で塗装すると、塗装
の作業効率が向上する。光輝調塗料組成物が塗装される
基材としては、ポリオレフィンなどの非極性樹脂でない
樹脂であれば特に制限されないが、例えば、ポリスチレ
ン、アクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、
ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、ポリアセター
ル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。な
お、ポリオレフィンであっても、コロナ放電処理、フレ
ーム処理、紫外線処理、プライマ塗装処理などの前処理
によって基材として用いることもできる。
【0015】上述した光輝調塗料組成物が塗装された、
本発明の塗装物においては、光輝調塗料組成物からなる
アンダーコート層の上に、アンダーコート層を保護する
ことを目的として、クリヤー塗料からなるトップコート
層が形成されている。このトップコート層は必ず塗装物
の表面に形成される。アンダーコート層の厚さとして
は、1〜20μmであることが好ましい。1μm未満で
あると、光輝性が不十分となり、20μmを超えると、
成形品形状によっては、塗料のタレ、タマリが発生した
り、コストが高くなるおそれがある。また、クリヤー塗
料としては、塗膜が透明または半透明のいわゆる艶消し
クリヤーまたは光輝性を損なわない程度の着色クリヤー
であれば特に制限されず、例えば、一液型塗料、二液型
塗料、紫外線硬化型塗料が挙げられる。これらの中で
も、架橋反応して塗膜を形成する塗料を使用すると、耐
摩耗性、耐薬品性に優れた実用性の高い塗膜を容易に形
成させることができる。また、トップコート層の厚さと
しては、3〜30μmであることが好ましい。3μm未
満であると、アンダーコート層を保護できないおそれが
ある。また、30μmを超えると、コストが高くなった
り、成形品形状によっては、塗料のタレ、タマリが発生
したりして塗装不良の原因となる恐れがある。
【0016】本発明の光輝調塗料組成物は、ビスマス系
光輝性顔料1〜10重量%と、カチオン性化合物0.1
〜10重量%とを含有するものであり、カチオン性化合
物によって、ビスマス系光輝性顔料に含まれる酸塩化ビ
スマスの塗膜中での分散性を向上させることができるの
で、酸塩化ビスマスの分散不良の箇所がなくなり、塗膜
の剥離を防止できる。その上、ビスマス系光輝性顔料の
含有量を増やすことができるので、意匠性を向上させる
ことができる。したがって、カチオン性化合物を含有す
ることにより、塗膜の密着性と意匠性とを共に向上させ
ることができる。また、酸塩化ビスマス以外の他の光輝
性顔料を含む場合、塗料組成物中に含まれる他の光輝性
顔料の種類によらず、塗膜の剥離を防止でき、組み合わ
せる他の光輝性顔料に制限をなくすことができる。ま
た、カチオン性化合物は、カルボン酸エステルのアルキ
ロールアミン塩であると、塗膜中での酸塩化ビスマスの
分散性をさらに向上させることができるので、塗膜の剥
離をさらに防止できる。その上、ビスマス系光輝性顔料
の含有量をさらに増やすことができるので、塗膜の密着
性と意匠性とを共にさらに向上させることができる。
【0017】また、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系
光安定剤とをさらに含有すると、酸塩化ビスマスを含有
した光輝性塗料組成物の耐候性が向上するので、塗膜が
変色することがなく、光輝性塗料組成物の塗膜の意匠性
を向上させることができる。また、紫外線吸収剤は、ベ
ンゾフェノン系化合物であると、塗膜の耐熱性が向上す
ることにより、酸塩化ビスマスを含有した光輝性塗料組
成物の耐候性がさらに向上し、また耐黄変性にも優れて
いるので、光輝性塗料組成物の塗膜の意匠性をさらに向
上させることができる。また、本発明の塗装物は、上述
した光輝調塗料組成物からなるベースコート層上に、ク
リヤー塗料からなるトップコート層が形成されているも
のであり、トップコート層によってベースコート層を保
護できる上に、耐候性を向上させることができるので、
ベースコート層の意匠性を長期間にわたって維持でき
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明する。 (塗膜の密着性評価)はじめに、参考例1および参考例
2の光輝調塗料組成物を調製した。参考例1の光輝調塗
料組成物は、ビスマス系光輝性顔料として酸塩化ビスマ
スを55重量%含有するバイフレア−84(エンピグメ
ンツ社製商品名)と、溶剤として酢酸エチルと、粘度調
整剤として楠本化成社製ディスパロン6900−20X
N0.4重量%と、カチオン性化合物として不飽和カル
ボン酸エステルのアルカノールアンモニウム塩のイソブ
タノール溶液(ビックケミー・ジャパン社製BYK−E
S80)0.5重量%(うち、不飽和カルボン酸エステ
ルのアルカノールアンモニウム塩は0.4重量%)と、
ビヒクルとしてアクリル系樹脂を含む塗料(藤倉化成社
製レクラック#78クリヤー)20.0重量%とを、表
1のように、ビスマス系光輝性顔料の量を変えて配合し
て得た。なお、ビヒクル、粘度調整剤の量は一定とし、
溶剤の量によって調整して合計が100重量%となるよ
うにした。また、参考例2の光輝性塗料組成物は、参考
例1の光輝性塗料組成物からカチオン性化合物の不飽和
カルボン酸エステルのアルカノールアンモニウム塩を除
いた以外は同様にして、表2のように配合して得た。な
お、参考例2においても参考例1と同様に、ビヒクル、
粘度調整剤の量は一定とし、溶剤の量によって調整して
合計が100重量%となるようにした。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】得られた光輝調塗料組成物を、ポリカーボ
ネート樹脂とABS樹脂とからなる基材上にスプレー塗
装し、70℃で10分間乾燥させた。そして、この塗膜
上にアクリル樹脂系紫外線硬化型塗料(藤倉化成社製フ
ジハードHO2425U−S)をスプレー塗装し、60
℃で3分間乾燥させた。その後、高圧水銀灯により約1
0秒間の紫外線照射で塗膜を硬化させてから、塗膜の密
着性を評価した。密着性の評価は、カッターナイフを用
い、1mm間隔で碁盤目状に縦横11本ずつ、基材に達
するまでのカット線を入れて、1mm四方の正方形を1
00個形成する。その表面に透明な粘着テープを貼り付
け、粘着テープを高速で剥離した後の塗膜状態を観察し
た。その結果を図1に示す。なお、図中、横軸はビスマ
ス系光輝性顔料の含有量を示し、縦軸は密着性の判定結
果を示す。また、密着性の判定は以下の通りである。 ○ ;密着性が非常に優れている。 △ ;密着性が優れている。 ×;密着性が悪い。 ××;密着性が非常に悪い。
【0022】図1に示すように、参考例1では、カチオ
ン性化合物の不飽和カルボン酸エステルのアルカノール
アンモニウム塩を0.4重量%含有していたので、ビス
マス系光輝性顔料を17.5重量%(酸塩化ビスマスと
して9.6重量%)まで含有しても、塗膜の密着性が優
れていた。また、ビスマス系光輝性顔料を10重量%
(酸塩化ビスマスとして5.5重量%)以上含有できる
ので、意匠性にも優れていた。一方、参考例2では、カ
チオン性化合物を含有していなかったので、ビスマス系
光輝性顔料の含有量が7.5重量%(酸塩化ビスマスと
して4.1重量%)までしか、塗膜の密着性が良好でな
かった。
【0023】(塗膜の耐候性および耐熱性評価)実施例
1〜5の光輝性塗料組成物を以下のように調製した。ビ
スマス系光輝性顔料として酸塩化ビスマスを55重量%
含有するバイフレア−84(エンピグメンツ社製商品
名)2.5重量%と、溶剤として酢酸エチル73.2重
量%と、粘度調整剤として楠本化成社製ディスパロン6
900−20XN0.4重量%と、カチオン性化合物と
して不飽和カルボン酸エステルのアルカノールアンモニ
ウム塩のイソブタノール溶液(ビックケミー・ジャパン
社製BYK−ES80)0.5重量%(うち、不飽和カ
ルボン酸エステルのアルカノールアンモニウム塩は0.
4重量%)と、ビヒクルとしてアクリル系樹脂を含む塗
料(藤倉化成社製レクラック#78クリヤー)20.0
重量%と、紫外線吸収剤と、光安定剤とを表3のように
配合した。また、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光
安定剤とを配合しないで比較例1の光輝性塗料組成物を
得た。なお、紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系
紫外線吸収剤(シプロ化成社製シーソープ103、表3
中では紫外線吸収剤1とする)、トリアジン系紫外線吸
収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製チヌビン
400、表3中では紫外線吸収剤2とする)、ベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケ
ミカルズ社製チヌビン1130、表3中では紫外線吸収
剤3とする)を用いた。また、ヒンダードアミン系光安
定剤としては、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
チヌビン123(表3中では光安定剤1とする)、チバ
・スペシャリティ・ケミカルズ社製チヌビン144(表
3中では光安定剤2とする)、チバ・スペシャリティ・
ケミカルズ社製チヌビン292(表3中では光安定剤3
とする)を用いた。ここで、チヌビン123は酸性であ
り、チヌビン144およびチヌビン292は塩基性であ
る。
【0024】(耐候性評価方法)耐候性の評価は以下の
ように行った。得られた光輝性塗料組成物を用い、参考
例1および参考例2と同様にして、基材上に塗膜を形成
させた。次いで、促進耐候試験機(スガ試験機社製サン
シャインウェザオメータWEL−SUN−DC−B型)
を用い、ブラックパネル温度63±3℃、60分間中に
12分間降雨する条件下に、塗膜を150時間暴露し
た。そして、暴露後の色差測定を行った。色差測定は、
スガ試験機社製カラーコンピュータSM−7型を用い
た。その結果を表3に示す。なお、耐候性の判定は以下
の通りである。 ○ ;△Eが1.0未満 △ ;△Eが1.0以上3.0未満 ×;△Eが3.0以上5.0未満 ××;△Eが5.0以上
【0025】(耐熱性評価方法)耐熱性の評価は以下の
ように行った。得られた光輝性塗料組成物を用い、参考
例1および参考例2と同様にして、基材上に塗膜を形成
させた。次いで、塗膜を85℃の恒温槽中に72時間放
置した。そして、加熱後の色差を測定した。その結果を
表3に示す。なお、耐熱性の判定は耐候性評価と同様で
ある。
【0026】
【表3】
【0027】実施例1〜5の光輝性塗料組成物は、紫外
線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤とを有している
ので、耐候性、耐熱性が優れていた。一方、比較例1の
光輝性塗料組成物は、紫外線吸収剤とヒンダードアミン
系光安定剤は、耐熱性が優れているものの、耐候性が劣
っていた。
【0028】
【発明の効果】本発明の光輝調塗料組成物によれば、カ
チオン性化合物によって、ビスマス系光輝性顔料に含ま
れる酸塩化ビスマスの塗膜中での分散性を向上させるこ
とができるので、酸塩化ビスマスの分散不良の箇所がな
くなり、塗膜の剥離を防止できる。その上、ビスマス系
光輝性顔料の含有量を増やすことができ、意匠性を向上
させることができるので、塗膜の密着性と意匠性とを共
に向上させることができる。また、酸塩化ビスマス以外
の他の光輝性顔料を含む場合、塗料組成物中に含まれる
他の光輝性顔料の種類によらず、塗膜の剥離を防止で
き、組み合わせる他の光輝性顔料に制限をなくすことが
できる。また、本発明の塗装物によれば、トップコート
層によってベースコート層を保護できる上に、耐候性を
向上させることができるので、ベースコート層の意匠性
を長期間にわたって維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1および参考例2における、ビスマス
系光輝性顔料に対する密着性の判定結果を示すグラフで
ある。
フロントページの続き (72)発明者 吉澤 淳 埼玉県北葛飾郡鷲宮町桜田5丁目13番1号 藤倉化成株式会社開発研究所内 Fターム(参考) 4D075 CB04 CB15 DB31 DC18 DC38 EA43 EC11 EC54 4J038 BA081 BA091 CC021 CD021 CF021 CG001 DA031 DA111 DA112 DB001 DD001 DF001 DG102 DG262 DL001 HA066 HA106 HA156 JA05 JA17 JA32 JA35 JA55 JB10 JB18 JB28 JB35 KA03 KA06 KA08 KA09 KA12 MA09 NA01 NA03 NA12 PB04 PB09 PC08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスマス系光輝性顔料1〜10重量%
    と、カチオン性化合物0.1〜10重量%とを含有する
    ことを特徴とする光輝調塗料組成物。
  2. 【請求項2】 前記カチオン性化合物は、カルボン酸エ
    ステルのアルキロールアミン塩であることを特徴とする
    請求項1に記載の光輝調塗料組成物。
  3. 【請求項3】 紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安
    定剤とをさらに含有することを特徴とする請求項1また
    は2に記載の光輝調塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系
    化合物であることを特徴とする請求項3に記載の光輝調
    塗料組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の光輝調
    塗料組成物からなるベースコート層上に、クリヤー塗料
    からなるトップコート層が形成されていることを特徴と
    する塗装物。
JP2001230375A 2001-07-30 2001-07-30 光輝調塗料組成物および塗装物 Withdrawn JP2003041195A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001230375A JP2003041195A (ja) 2001-07-30 2001-07-30 光輝調塗料組成物および塗装物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001230375A JP2003041195A (ja) 2001-07-30 2001-07-30 光輝調塗料組成物および塗装物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003041195A true JP2003041195A (ja) 2003-02-13

Family

ID=19062599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001230375A Withdrawn JP2003041195A (ja) 2001-07-30 2001-07-30 光輝調塗料組成物および塗装物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003041195A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011026451A (ja) * 2009-07-24 2011-02-10 Shimizu:Kk 均一電着性に優れた電着塗料組成物、水性電着塗料、電着塗装方法および電着塗装製品
CN102653192A (zh) * 2011-03-04 2012-09-05 索尼公司 热转印层压膜、热转印片材和图像形成装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011026451A (ja) * 2009-07-24 2011-02-10 Shimizu:Kk 均一電着性に優れた電着塗料組成物、水性電着塗料、電着塗装方法および電着塗装製品
CN102653192A (zh) * 2011-03-04 2012-09-05 索尼公司 热转印层压膜、热转印片材和图像形成装置
JP2012183684A (ja) * 2011-03-04 2012-09-27 Sony Corp 熱転写ラミネートフィルム、熱転写シート及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1279425C (en) Automotive paint compositions containing pearlescent pigments and dyes
JPH0530868B2 (ja)
JPS63183965A (ja) 塗装組成物
WO2003070386A3 (en) Curable film-forming composition exhibiting improved resistance to degradation by ultraviolet light
JP4756443B2 (ja) 金属調光輝性塗膜形成方法および塗装物品
JP2003034774A (ja) 金属製品用塗料組成物
JP2846819B2 (ja) 粉体塗料組成物
WO2003070837A3 (en) Curable powder film-forming composition exhibiting improved flow and leveling
JP3123697B2 (ja) 塗 膜
CA1250070A (en) Pearlescent automotive paint compositions
US5147453A (en) Paint compositions containing silver metal flake pigment
JP2004358329A (ja) 金属調光輝性塗膜形成方法
JP2003041195A (ja) 光輝調塗料組成物および塗装物
JP2001029877A (ja) メタリック塗膜形成法
JP2006150169A (ja) 塗膜形成方法および塗装物品
JP2001072933A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法及び複層塗膜
JP2822164B2 (ja) プレコート金属板
CA2409029A1 (en) Coated substrate giving a metallic surface impression, method for adhesively coating substrates with corrodible optical layers and use of said coated substrate and products obtained from a method for adhesively coating with corrodible optical layers
CA2442025A1 (en) White pearlescent paint compositions and coatings
JP2945950B2 (ja) 含フッ素共重合体ワニス組成物と塗布膜の形成方法
JPH09235505A (ja) 塗料用組成物および多層塗膜
JP4434507B2 (ja) 複層塗膜形成方法
JP2002233815A (ja) 光輝性塗膜形成方法および塗装物
JP2003253021A (ja) プラスチック用塗料組成物
JP2003245602A (ja) 光輝性塗膜形成方法および塗装物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081007