JP2003040578A - スライドレール型クレーン - Google Patents

スライドレール型クレーン

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JP2003040578A
JP2003040578A JP2001232112A JP2001232112A JP2003040578A JP 2003040578 A JP2003040578 A JP 2003040578A JP 2001232112 A JP2001232112 A JP 2001232112A JP 2001232112 A JP2001232112 A JP 2001232112A JP 2003040578 A JP2003040578 A JP 2003040578A
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JP
Japan
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winch
fixed
rail
elevating
structure part
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Application number
JP2001232112A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Takechi
利明 武地
Makoto Takemoto
竹本  誠
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作が簡単で構造面の簡素化及び小形化が図
られ設計や配置面における自由度の大きいスライドレー
ル型クレーンを提供する。 【解決手段】 スライドレール型クレーン1は、固定レ
ール上を移動する移動レール2、両端部の固定構造部3
及び4、フック52を持ち重りが付加された重構造部
5、フック62を持つ軽構造部6、ウインチ7、これか
ら滑車類に捲回されたワイヤー8、移動装置9、等で構
成されている。重構造部5ではフックの上昇位置をロッ
ク可能にしている。ワイヤー8の両端がウインチ7に巻
き付けられている。 【効果】 軽構造部にはロック機構がなく、操作が容易
で構造が簡単である。ウインチへのワイヤーの両端巻き
込みにより、ウインチドラムを小径にしたり、フリート
アングルを小さくし、ウインチを小形にしたり構造面の
自由度を大きくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定レールに支持
されて移動可能にされる移動レールと該移動レールの両
端部に設けられそれぞれ定滑車を備えた固定構造部とそ
れぞれ動滑車と吊り具とを備え前記固定構造部に対応し
て設けられた第1昇降構造部及び第2昇降構造部と前記
移動レールの中間位置に設けられたウインチとを有し前
記定滑車と前記動滑車と前記ウインチとに1本の索を捲
回して前記吊り具を昇降可能にしたスライドレール型ク
レーンにに関し、特に船舶用の糧食やエンジンパーツハ
ンドリング用のクレーンとして好都合に利用される。
【0002】
【従来の技術】従来のトロリーホイストやジブクレーン
に対して、固定レールの舷外への張り出しが不要で船体
構造を簡素化でき、ラックのメンテナンスが容易にな
り、1台のウインチで両舷における荷役を可能にした有
用な船舶用クレーンとして、スライドレール型クレーン
が提案されている(特開平10−182072号公報参
照)。
【0003】このスライドレール型クレーンは、両端に
荷物吊り上げ用フックの昇降装置を取付けた移動レール
を固定レールにスライド可能なように取り付け、移動レ
ールの中央部分にウインチを設置し、1本のワイヤーを
昇降装置の滑車に捲回してその一端側を昇降装置の固定
位置に係止し、他端側をウインチに巻付け、ウインチを
駆動することによって両端のフックを同時に同方向に昇
降可能にすると共に、両方のフックの昇降方向の動きを
ロック可能なように、両方のフックにストッパ及びロッ
ク装置を設けて、何れか一方のフックを固定することに
より、1台のウインチで何れか他方のフックを昇降可能
にするように構成されている。
【0004】しかしながら、このようなスライドレール
型クレーンでは、何れか一方のフックを使用時に常に他
方のフックをロックする操作が必要になり、操作が面倒
であると共に、それぞれのフックに対してロック装置が
必要になるという問題がある。又、ワイヤーの一端側を
固定し他端側だけをウインチで巻取り/巻き出しするよ
うにしているので、ワイヤー端に対する巻取り/巻き出
し長さが長くなり、ウインチドラムの直径を大きくなる
か又はフリートアングルが大きくなり、ウインチの小サ
イズ化が図れないと共に、配置面での自由度が乏しく構
造の合理化が難しいという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、操作が簡単で構造面の簡素化及
び小形化が図られ設計や配置面における自由度の大きい
スライドレール型クレーンを提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、固定レールに支持され
て移動可能にされた移動レールと該移動レールの両端部
に設けられそれぞれ定滑車を備えた固定構造部とそれぞ
れ動滑車と吊り具とを備え前記固定構造部に対応して設
けられた第1昇降構造部及び第2昇降構造部と前記移動
レールの中間位置に設けられたウインチとを有し前記定
滑車と前記動滑車と前記ウインチとに1本の索を捲回し
て前記吊り具を昇降可能にしたスライドレール型クレー
ンにおいて、前記第1昇降構造部は前記第2昇降構造部
より重くなるように構成されていて、前記第1昇降構造
部の昇降方向の位置を固定可能なように形成された昇降
位置固定手段と前記第2昇降構造部の上昇方向の位置を
制限可能なように形成された上昇位置制限手段とを有す
ることを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、固定レールに支持され
て移動可能にされた移動レールと該移動レールの両端部
に設けられそれぞれ定滑車を備えた固定構造部とそれぞ
れ動滑車と吊り具とを備え前記固定構造部に対応して設
けられた第1昇降構造部及び第2昇降構造部と前記移動
レールの中間位置に設けられたウインチとを有し前記定
滑車と前記動滑車と前記ウインチとに1本の索を捲回し
て前記吊り具を昇降可能にしたスライドレール型クレー
ンにおいて、前記1本の索の両端が前記第1昇降構造部
と前記第2昇降構造部とを同方向に昇降可能にするよう
に前記ウインチに巻き付けられていることを特徴とす
る。
【0008】請求項3の発明は、請求項1の発明の特徴
に加えて、前記1本の索の両端が前記第1昇降構造部と
前記第2昇降構造部とを同方向に昇降可能にするように
前記ウインチに巻き付けられていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】図1本発明を適用したスライドレ
ール型クレーンの全体構成の一例を示す。スライドレー
ル型クレーン1は、通常の構造部分として、固定レール
101に支持されて移動可能にされた移動レール2、こ
の両端部に設けられそれぞれ定滑車31及び41を備え
た固定構造部3及び4、それぞれ動滑車51及び61と
吊り具であるフック52及び62とを備え固定構造部3
及び4に対応して設けられた第1昇降構造部及び第2昇
降構造部である重構造部5及び軽構造部6、移動レール
2の中間位置に設けられたウインチ7、等を有し、定滑
車31、41と動滑車51、61とウインチ7とに1本
の索であるワイヤー8を捲回してフック52、62を昇
降可能にした装置である。符号32及び42はガイド滑
車である。移動レール2には、操作及びメンテナンス用
のステージ21が取り付けられている。
【0010】図2は、船の船体中心Cから図において右
側の上部構造部分100を示し、本例のスライドレール
型クレーンの装備状態の一例を示す。本例のスライドレ
ール型クレーン1が装着された固定レール101は、上
甲板200上に構築され居住区画や操船室や張り出しデ
ッキ部分等を備えた上部構造部分100の上方におい
て、これから張り出すように梁や桁等からなる構造材1
02にIビームとして取り付けられている。この固定レ
ール101は、船の左右舷方向に上甲板200の端に相
当する位置まで延設されていて、その下面には、移動レ
ール2を進行させるためのラック103が取り付けられ
ている。そして、移動レールが左右両端まで移動したと
きに、フック52及び62はそれぞれ左右舷側から距離
Lとして例えば2.5m程度張り出せるようになってい
る。
【0011】移動レール2は、固定レールと同様にビー
ム構造になっていて、前記の如くその両端に固定構造部
3、4と中間位置にウインチ7が装着されていると共
に、中間位置に移動装置9が装着されている。この場
合、本例では左右舷側からフックを同じ距離だけ張り出
せるように、中間位置は移動レールの中心位置になって
いる。
【0012】移動装置9は、図1に示す如く、移動レー
ル2の長さ方向の中心位置に取り付けられた両側の側板
91、これに取り付けられた減速機付モータ92、これ
によって回転駆動され固定レール101のラック103
と噛み合うピニオン93、間隔を離して設けられた2組
の車輪94であって両側の側板91に回転自在に支持さ
れ図4に示す固定レール101の下フランジ101aの
上に乗ってウエブ部分101bを挟むように設けられた
一対の車輪94、等によって構成されている。符号10
5は移動装置のストッパである。
【0013】図3及び図4は固定構造部3及び昇降構造
部のうちの重構造部5を示す。固定構造部3は、移動レ
ール2の左端位置に取り付けられた両側の側板33とこ
れに回転自在に支持された前記定滑車31で構成されて
いると共に、本例では、前記ガイド滑車32及びその支
持台34、車輪35、後述する昇降位置固定手段である
フック位置決め機構10及びロック機構11の上方部
分、等で構成されている。符号36は、固定レール10
1の下フランジに接触して車輪35の進行を案内するた
めのガイドローラである。
【0014】車輪35は、移動レール2の反対側端が固
定レール101から張り出したときにその張り出し部分
も支持できるように、前記中心位置の車輪94より大径
になっていて固定レール101の上フランジ101cに
も当たるように下フランジ101a上に乗っている。な
お、図4において、定滑車31及び車輪35は固定レー
ル101の両面に対称に設けられるが、図を分かりやす
くするために片側のものの図示を省略している。
【0015】重構造部5は、両側の側板53に取り付け
られた軸54及び55によって一体的に支持されている
前記動滑車51及びフック52を備えている。又、昇降
方向である上下Z方向の位置を固定可能なように形成さ
れた昇降位置固定手段としての前記フック位置決め機構
10及びロック機構11の下方部分を備えている。
【0016】フック位置決め機構10は、下方部分であ
る側板53に取り付けられた傾斜板10a、上方部分で
ある傾斜板10aと同じ傾斜をした受け板10b、等で
構成されている。ロック機構11としては、種々の構造
のものを採用可能であるが、本例のものは、下方部分で
ある前記傾斜板10aの先端位置に取り付けられ穴11
aを持つアイプレート11b、上方部分としてアイプレ
ート11bを案内して保持するように設けられ同様に穴
の明けられたガイド板11c、ハンドル11dを備えネ
ジ部11eによって穴11aに嵌脱可能にされた軸11
f、等で構成されている。
【0017】重構造部5は軽構造部6より重くなるよう
に構成される。本例では、前記両側板53に取付板56
を溶接等で接合し、これに重量付加用として質量約10
0kgの重量板57を取り付けている。
【0018】図5及び図6は固定構造部4及び軽構造部
6を示す。固定構造部4は、ロック機構11が設けられ
ていない点を除いて固定構造部5と同様であり、定滑車
41、両側の側板43、張り滑車42及びその調整台4
4、車輪45、軽構造部6の上昇方向であるZ1 方向の
位置を制限可能なように形成された上昇位置制限手段で
あるフック位置決め機構12の上側部分、等で構成され
ている。軽構造部6も、ロック機構11の下方部分及び
重量付加部分が設けられていない点を除いて重構造部5
と同様で、両側の側板63、軸64及び65、前記動滑
車61及びフック62を備えている。又、前記フック位
置決め機構12の下方部分を備えている。
【0019】フック位置決め機構12は、フック位置決
め機構10と同様に、傾斜板12a、上方部分である傾
斜板12aと同じ傾斜を持つ受け板12b、等で構成さ
れている。ロック機構11の下方部分は設けられていな
い。又、上記の如く重量板57も取り付けていないく、
重構造部5より軽くなっている。
【0020】図7は図1でも示したワイヤーの捲回状態
を示す。ワイヤー8は、両端の定滑車、動滑車及びウイ
ンチに対して1本で捲回されているが、本例では、1本
のワイヤー8の両端81及び82の両方が重構造部5と
軽構造部6とを同方向に昇降可能にするようにウインチ
7に巻き付けられている。即ち、ウインチ7の図におい
て左側部分71から巻き出されているワイヤーの両端の
うちの一端81を始点として順次、図において左側の張
り滑車32、定滑車31、動滑車51、定滑車31、右
側の定滑車41、動滑車61、定滑車41、張り滑車4
2、他端82まで捲回され、ウインチ7の図において右
側部分72に巻き取られている。
【0021】なお、スライドレール型クレーンでは、以
上の他に、固定レールから移動レールに渡される電線の
ガイドや巻取り機構、制御装置や安全装置及びそのため
の装備品、操作装置等の通常の機器類が適当に設けられ
るが、図1乃至図7ではそれらの図示を省略している。
【0022】以上のようなスライドレール型クレーンは
次のように使用されその作用効果を発揮する。重構造部
5のフック51で荷物を積み込み又は積み下ろしすると
きには、モータ92を作動させ、固定レールのラック1
03と噛み合っているピニオン93を回転させて移動装
置9を介して移動レール2を動かし、固定レールに沿っ
て両端の車輪35及び45並びに中心の車輪94を転が
して移動レール2を左方向に進行させ、図1に示す如く
移動レール2を固定レール101の左端から張り出さ
せ、この位置を図示しないリミットスイッチ等で検出し
てモータ92を停止させる。この状態では、移動レール
2は中心部の2個の車輪94及び右端側の車輪45によ
って固定レール101から支持されている。この支持位
置は、左端のストッパ105まで少し余裕のある位置で
ある。
【0023】この状態で図示しないブレーキ装置等が作
動して安全性を確保した後、ロック機構11のハンドル
11dを回して軸11fを穴11aから脱出させ、ロッ
ク状態にあった重構造部5のロックを解除し、動滑車5
1及びフック52の昇降を可能にし、図示しないリモコ
ン装置によってウインチ7を作動させ、フック52を昇
降させて船の内外間で荷物の積み込み又は積み下ろしの
作業を行う。
【0024】このような作業において、最初に捲回され
ているワイヤー8はほぼ最小長さになるようにウインチ
7に巻き込まれていて、軽構造部6側は、傾斜板12a
が上昇してフック位置決め機構12の受け板12bに圧
接して上昇位置が制限された状態になっていると共に、
ウインチ7を駆動してワイヤー8を巻き出したときに
は、フック52を備えた重量の重い重構造部5が下降す
るため、軽構造部6は依然として傾斜板12aと受け板
12bとが圧接した上昇位置を保持する。この状態は、
重構造部5のフック52が荷物を係止して昇降する間も
重量が増える分だけ一層確実に維持される。
【0025】その結果、軽構造部6にロック機構を設け
ず、ロック作業をすることなく重構造部5による荷物の
昇降作業を行うことができる。従って、軽構造部6の構
成が簡単になって設備コストが低減すると共に、ロック
機構のある高所のステージ21でのロック作業が不要に
なり、クレーン操作を簡単且つ迅速に行うことができ
る。
【0026】船の右側の舷側から荷物を積み込み又は積
み下ろしする場合には、モータ92を作動させて今度は
移動レール2を右方向に進行させ、図2に示すように移
動レール2を固定レール101の右端から張り出させ、
同様に安全性を確保した後ウインチ7を作動させ、フッ
ク62を昇降させて荷役作業を行う。
【0027】この作業では、最初に重構造部5がロック
されていて、その状態が保持される。即ち、この作業で
はロック機構の操作が全く不要になる。従って、移動レ
ールを移動させると直ちにウインチ操作ができ、操作を
簡単且つ迅速に行うことができる。
【0028】以上におけるウインチ操作では、ウインチ
7の回転によってワイヤー8の両端側81及び82が同
時に巻き取り又は巻き出しされる。これに対して従来の
スライドレール型クレーンでは、ワイヤー8の一端のみ
がウインチ7によって巻き出し又は巻き取りされる。
【0029】従って、本発明を適用した本例の装置と従
来の装置とでフック52又は62の何れかを同じ速度で
同じ距離だけ昇降させるとすれば、本例の装置によれ
ば、従来の装置よりも、図8(a)、(b)の比較に示
すように、ガイド滑車32及び42のある一定位置P及
びP´とウインチ7の巻取り幅Bとのなす角度であるフ
リートアングルを同じαにしてウインチ7のドラム直径
を小さくするか、又は、同図(b)、(c)の比較に示
すように、ドラム直径を同じにしてフリートアングルを
ほぼα/2に小さくすることができる。
【0030】上記について実際の数値例を用いた計算結
果を示すと次のとおりである: 1)諸寸法 張り滑車とウインチとの距離(2/L) 3.5m 昇降高さ 30m ワイヤー直径 16mm ウインチドラムの最大巻き層数 3層 フリートアングルαの最大値 2° 2)フリートアングルαを同角度2°にした場合 本発明の装置 従来の装置 ウインチ巻取長さ 60m×1本 30m×2本 フリートアングル 2° 2° 巻き層数 3層 3層 ウインチドラム直径 413 mm 210 mm 3)ウインチドラムを同直径 413 mm にした場合 本発明の装置 従来の装置 ウインチ巻取長さ 60m×1本 30m×2本 巻き層数 3層 3層 総巻き数 46巻き 23巻き フリートアングル 2° 1° 以上の如く、本発明を適用したスライドレール型クレー
ンでは、同じ吊り上げ条件であっても、従来の装置より
も、同じフリートアングルでウインチドラムの直径を小
さくするか、又は、ドラム直径を同じにしてフリートア
ングルを小さくすることができる。その結果、本発明の
装置では、移動レールの長さが短いときには、ドラム直
径を大きくしてフリートアングルを小さくし、容易に許
容最大角度以下にすることができる。一方、移動レール
の長さが長いときには、ドラム直径を小さくしてウイン
チの小形化を図ることができる。
【0031】又、ドラム直径を小さくすることにより、
フリートアングルを許容角度以下にしつつウインチを移
動レールの中心位置に配置し、移動レールを左右舷側か
ら張り出すときに、ウインチ部分を張り出させることな
く固定レールの下の位置におさまるようにして、移動レ
ールに付加される張り出し重量によるモーメントを小さ
くし、移動レールの大型化や重量増加を防止すると共
に、装置全体の強度設計を容易にすることができる。
【0032】なお従来の装置では、フリートアングルが
許容値以上になるときには、ウインチをガイド滑車から
できるだけ離すようにし、即ち、ワイヤーの張り長さが
長くなる方向に中心から離れた位置にすればよいが、そ
の場合には、重量の重いウインチ部分が固定レールから
張り出すことになり、移動レールに対して大きな追加荷
重になり、移動レールのサイズアップ等を招くことにな
る。本発明を適用すれば、上記の如くこのような問題が
なくなる。
【0033】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、請求項1の
発明においては、固定レールに支持されて移動可能にさ
れた移動レールの両端部に定滑車を備えた固定構造部
と、動滑車と吊り具とを備え固定構造部に対応して第1
昇降構造部及び第2昇降構造部と、中間位置にウインチ
とを設けて、これらに1本の索を捲回して吊り具を昇降
可能にしたスライドレール型クレーンにおいて、第1昇
降構造部を第2昇降構造部より重くなるように構成する
と共に、第1昇降構造部の昇降方向の位置を固定可能な
ように形成された昇降位置固定手段と、第2昇降構造部
の上昇方向の位置を制限可能なように形成された上昇位
置制限手段とを設けているので、スライドレール型クレ
ーンを次のように作動させることができる。
【0034】第1昇降構造部の吊り具で荷物を積み上げ
又は積み下ろしするときには、移動レールを目的とする
吊り位置に移動させ、通常作動前には昇降位置固定手段
によって固定位置にされている第1昇降構造部の昇降方
向の位置を昇降位置固定手段によって解除し、第1昇降
構造部を昇降可能にし、ウインチを作動させて滑車に捲
回されている1本の索を巻取り又は巻き出しし、第1及
び第2昇降構造部の吊り具を昇降可能にすることができ
る。
【0035】ここで、第1昇降構造部が第2昇降構造部
より重くなっているので、第1昇降構造部を下げるとき
には、第2昇降構造部は、重い第1昇降構造部で吊り上
げられた状態になり、従って、通常上昇位置制限手段で
制限された上昇位置になっているときのそのままの状態
を保持することになる。
【0036】その結果、第2昇降構造部を固定すること
なく、即ち、第2昇降構造部に対して何ら操作すること
なく、第1昇降構造を昇降させて荷物の積み上げ又は積
み下ろしをすることができる。従って、従来の装置のよ
うに第2昇降構造部を固定する必要がなくなり、操作を
簡単にすることができる。又、第2昇降構造部には、昇
降位置固定手段を設ける必要がなくなり、その構成が簡
単になって設備コストを低減させることができる。
【0037】第2昇降構造部の吊り具で荷物を吊り上げ
又は吊り下ろしするときには、同様に移動レールを目的
とする吊り位置に動かし、ウインチを作動させ、釣り具
を昇降させる。このときには、通常固定位置になってい
る第1昇降構造部をそのままの状態にしておけばよい。
即ち、この作業ではロック操作が全く不要になる。従っ
て、移動レールを移動させると直ちにウインチ操作がで
き、操作を簡単且つ迅速に行うことができる。
【0038】以上の如く、請求項1の発明によれば、操
作を簡単且つ迅速にすると共に設備コストを低減するこ
とができる。
【0039】請求項2の発明においては、固定レールに
支持されて移動可能にされた移動レールの両端部に定滑
車を備えた固定構造部と、動滑車と吊り具とを備え固定
構造部に対応して第1昇降構造部及び第2昇降構造部
と、中間位置にウインチとを設けて、これらに1本の索
を捲回して吊り具を昇降可能にしたスライドレール型ク
レーンにおいて、第1昇降構造部と第2昇降構造部とを
同方向に昇降可能にするように1本の索の両端をウイン
チに巻き付けているので、従来のように一端側を固定し
他端側だけをウインチに巻き付ける場合に較べて、同じ
ウインチの回転で索の巻き取り又は巻き出し長さ2倍に
なる。
【0040】その結果、従来の装置とウインチドラムの
巻付け幅即ちフリートアングルを同じにすれば、ウイン
チドラムの直径を1/2にして、ウインチを小形化する
ことができる。一方、ウインチドラムの直径を同じにす
れば、フリートアングルを1/2にして、例えば移動レ
ールが短いときにウインチをその中心に配置しても、フ
リートアングルを許容される最大角度以下にすることが
容易になる。従って、ウインチの配置や設計の自由度を
大きくすることができる。
【0041】請求項3の発明においては、前記の請求項
1及び2の発明の効果の両方を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したスライドレール型クレーンの
概略構成の一例を示し、(a)は平面図で(b)は正面
図である。
【図2】上記クレーンを船舶に適用したときの概略の配
置例を示し、(a)は船の中心から右側を示す正面図
で、(b)は側面図である。
【図3】上記クレーンの固定構造部及び重構造部の正面
図である。
【図4】上記クレーンの固定構造部及び重構造部の一部
断面を含む側面図である。
【図5】上記クレーンの固定構造部及び軽構造部の正面
図である。
【図6】上記クレーンの固定構造部及び軽構造部の一部
断面を含む側面図である。
【図7】上記クレーンのワイヤーの捲回状態を示す斜視
図である。
【図8】(a)乃至(c)はウインチドラムの大きさと
フリートアングルの説明図である。
【符号の説明】
1 スライドレール型クレーン 2 移動レール 3、4 固定構造部 5 重構造部(第1昇降構造部) 6 軽構造部(第2昇降構造部) 7 ウインチ 8 ワイヤー(索) 10 フック位置決め機構(昇降位置
固定手段) 11 ロック機構(昇降位置固定手
段) 12 フック位置決め機構(上昇位置
制限手段) 31、41 定滑車 51、61 動滑車 52、62 フック(吊り具) 57 重量板 81及び82 (両端) 101 固定レール
フロントページの続き Fターム(参考) 3F202 AA01 BA01 CC03 CD01 CE01 CE08 3F205 AA10 BA06 DA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定レールに支持されて移動可能にされ
    た移動レールと該移動レールの両端部に設けられそれぞ
    れ定滑車を備えた固定構造部とそれぞれ動滑車と吊り具
    とを備え前記固定構造部に対応して設けられた第1昇降
    構造部及び第2昇降構造部と前記移動レールの中間位置
    に設けられたウインチとを有し前記定滑車と前記動滑車
    と前記ウインチとに1本の索を捲回して前記吊り具を昇
    降可能にしたスライドレール型クレーンにおいて、 前記第1昇降構造部は前記第2昇降構造部より重くなる
    ように構成されていて、前記第1昇降構造部の昇降方向
    の位置を固定可能なように形成された昇降位置固定手段
    と前記第2昇降構造部の上昇方向の位置を制限可能なよ
    うに形成された上昇位置制限手段とを有することを特徴
    とするスライドレール型クレーン。
  2. 【請求項2】 固定レールに支持されて移動可能にされ
    た移動レールと該移動レールの両端部に設けられそれぞ
    れ定滑車を備えた固定構造部とそれぞれ動滑車と吊り具
    とを備え前記固定構造部に対応して設けられた第1昇降
    構造部及び第2昇降構造部と前記移動レールの中間位置
    に設けられたウインチとを有し前記定滑車と前記動滑車
    と前記ウインチとに1本の索を捲回して前記吊り具を昇
    降可能にしたスライドレール型クレーンにおいて、 前記1本の索の両端が前記第1昇降構造部と前記第2昇
    降構造部とを同方向に昇降可能にするように前記ウイン
    チに巻き付けられていることを特徴とするスライドレー
    ル型クレーン。
  3. 【請求項3】前記1本の索の両端が前記第1昇降構造部
    と前記第2昇降構造部とを同方向に昇降可能にするよう
    に前記ウインチに巻き付けられていることを特徴とする
    請求項1に記載のスライドレール型クレーン。
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