JP2003039198A - トランスファプレス機のパンチ作動方法およびその機構 - Google Patents

トランスファプレス機のパンチ作動方法およびその機構

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JP2003039198A
JP2003039198A JP2001229864A JP2001229864A JP2003039198A JP 2003039198 A JP2003039198 A JP 2003039198A JP 2001229864 A JP2001229864 A JP 2001229864A JP 2001229864 A JP2001229864 A JP 2001229864A JP 2003039198 A JP2003039198 A JP 2003039198A
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cam
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Hironori Yamakawa
裕典 山河
Mikio Matsuda
幹雄 松田
Kazuhiko Ozawa
和彦 小澤
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Asahi Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランスファプレス機のパンチやノックアウ
トによる衝撃力でワーク底部を変形させることで高速度
化できない問題や、クロス加工工程の芯金パンチが下死
点位置で長時間停留することで高速度化できない問題を
解決する。 【解決手段】 スライド2の1サイクル中において、駆
動カム21のカム溝21aに、絞りパンチ7Gの下降速
度に対応するカム溝半径変位量のカム曲面を形成し、絞
りパンチ7Gがワークに当接する直前から当接するまで
の間と、ワークがノックアウト29に当接する直前から
当接するまでの間とにおいては、絞りパンチ7Gの下降
速度をスライド2により下降する他のパンチよりも遅く
作動させることで、絞りパンチ7Gがワークに当接する
衝撃力と、ワークがノックアウト29に当接する衝撃力
とを減少させるようにした。 同様に、クロス加工工程
においては、下死点位置での停留時間を他のパンチより
も長くした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランスファプレ
ス機に備える複数の加工工程のうち少なくとも1の加工
工程において、上死点位置から下降するパンチがワーク
に当接する衝撃力を減少させたり、ワークがノックアウ
トに当接する衝撃力を減少させたり、下死点位置に達し
た後のパンチを長時間停留させるトランスファプレス機
のパンチ作動方法およびその機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明に係る従来の技術としては、例え
ば、トランスファプレス機のダイセットに係る特開平1
0−34395号公報(以下、従来技術公報という)に
開示された発明が知られている。 なお、この従来技術
の以下の説明においては、その公報に記載された符号を
用いるために、本願発明の符号と一部重複するが、この
従来技術の符号は本欄および「発明が解決しようとする
課題」の欄のみに限定して適用するものである。
【0003】この従来技術公報に開示されたトランスフ
ァプレス機のパンチは、図11(従来技術公報の図1)
に示すスライド2の下面2aに上台4が取着され、この
上台4に設けられた偶数ステーションのパンチホルダ1
6Aまたは奇数ステーションのパンチホルダ16Bにす
べてのパンチ18A,18Bが、図12(従来技術公報
の図4)に示すように着脱可能に取着されている。 そ
して、このトランスファプレス機におけるすべてのパン
チ18A,18Bは、スライド2の上下往復移動によっ
て1サイクル中の上下移動量と上下移動時間とが同一の
上下移動曲線で作動するものである。 したがって、す
べてのパンチ18A,18Bの下降速度も、下死点位置
での停留時間も同一である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】昨今、生産性の向上に
より成形品の原価低減を図る目的において、プレス機の
より高速度化が求められており、本発明に係るトランス
ファプレス機の技術分野もその例外ではない。 このト
ランスファプレス機においては、スライドを案内する案
内機構、ワークを順次移送するトランスファ装置、加工
後のパンチからワークを脱離するストリッパなどの金型
付属装置、絞り加工や各種加工をする金型などの改良発
明により毎分ストローク数が100spmを超えるもの
が多くなってきた。
【0005】しかしながら、トランスファプレス機に
は、これらの機械的要素の改良により機械速度の高速度
化が可能になっても、プレス加工の際に上死点位置から
下降するパンチが、ダイ上面で待機するワークに当接す
る衝撃力で、有底筒状のワーク底部が変形されてしまう
という加工上の要素により高速度化の制約を受けてい
た。 また、パンチがワークに当接した後、引き続いて
下降するパンチにより下降されるワークが、ノックアウ
トに当接する際にも同様の原因により高速度化の制約を
受けていた。
【0006】このワーク底部の変形は、ワーク底部に当
接するパンチの衝撃力が大きくなるに従い変形しやす
く、パンチの外径が小さく(ワークの筒径が小さく)な
るに従い変形しやすく、また、ワークの底壁厚が薄くな
るに従い変形しやすくなる。これらのうちの衝撃力は、
パンチの下降速度に比例して大きくなり、パンチの外径
が小さくなると、パンチの外径が大きいワーク底部より
も大きな面圧(単位面積あたりの圧力)で衝打されるか
ら変形しやすくなる。 すなわち、スライドの1サイク
ル中において、パンチの外径が小さい加工工程ではワー
ク底部への衝撃力を低下させてやれば、トランスファプ
レス機の高速度化を容易に図ることができる。
【0007】ところが、上述した従来技術公報のトラン
スファプレス機は、上死点位置から下降するすべてのパ
ンチ18A,18Bが、スライド2により同一の下降速
度で各加工工程のワークに当接するので、各加工工程の
ワーク底部には同一の衝撃力が付加される。 そして、
順次移送されるワークの筒径が、上流工程から下流工程
へ再絞り加工が繰り返されることにより順次縮径される
ので、下流工程側のパンチは、上流工程側のパンチ外径
よりも小さくなり、上流工程側のワークよりも大きな面
圧でワーク底部を衝打する。
【0008】したがって、従来技術公報のトランスファ
プレス機で高速度化を図ろうとすると、上流工程側にお
いてはワーク底部を変形させることなく加工できても、
下流工程側において、下降するパンチの衝撃力でワーク
底部が変形されることで、高速度化の制約を受けるとい
う問題があった。 これと同様の原因により、パンチが
ワーク底部に当接した後、引き続いて下降するパンチに
より下降されるワークが、ノックアウトに当接する際に
も、下流工程側においてワーク底部が変形されること
で、高速度化の制約を受けるという問題があった。
【0009】また、トランスファプレス機は筒状の成形
品を連続的に絞り加工できる特徴を有するが、加工工程
の集約化により生産性の向上を図るために絞り加工工程
の他、トリミング加工、穴あけ加工、ねじ加工などのク
ロス加工工程を併設することが多い。 このクロス加工
工程では、ワークが下死点位置で停留している間に芯金
パンチの上下移動軸線の直交方向からワークにクロス加
工するので、少なくともクロス加工パンチが上下移動軸
線の直交方向から進出し、加工し、後退するまでの間は
芯金パンチを下死点位置で停留させなければならない。
【0010】この下死点位置における芯金パンチの停留
時間を確保するために、絞り加工工程のパンチが下死点
位置で停留する時間も長くなり、1サイクル中の作動時
間が長くなることで高速度化の制約を受けていた。 す
なわち、絞り加工工程のパンチが下死点位置で停留する
時間は、クロス加工工程の芯金パンチが下死点位置で停
留する時間に制約されないようにすれば、トランスファ
プレス機の高速度化を容易に図ることができる。
【0011】ところが、上述した従来技術公報のトラン
スファプレス機は、上死点位置から下降するすべてのパ
ンチ18A,18Bが、スライド2により同一の下降時
間で下降し、同一の停留時間で下死点位置に停留し、同
一の上昇時間で上昇するので、複数の加工工程中にクロ
ス加工工程を設けると、絞り加工工程のパンチが下死点
位置で停留する時間も、クロス加工工程の芯金パンチが
下死点位置で停留する時間と同一になり、1サイクル中
の作動時間が長くなることで高速度化の制約を受けると
いう問題があった。
【0012】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところはトランスフ
ァプレス機において、下降するパンチがワークに当接す
る衝撃力でワーク底部を変形させることや、引き続いて
下降するパンチにより下降されるワークがノックアウト
に当接する衝撃力でワーク底部を変形させることで高速
度化の制約を受けるという問題、絞り加工工程のパンチ
が下死点位置で停留する時間もクロス加工工程の芯金パ
ンチが下死点位置で停留する時間と同一になるので高速
度化の制約を受けるという問題などを解決しようとする
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に係る発明は、トランスファ
プレス機に備える複数の加工工程のうち少なくとも1の
特定加工工程において、複数のパンチをスライドにより
下降させる他の加工工程よりも、上死点位置から下降す
るパンチがワークに当接する衝撃力を減少させるべくパ
ンチの作動を制御する方法であって、前記特定加工工程
の当該パンチを上下往復移動させる駆動手段に設けられ
て前記スライドの駆動軸と同期回転するカム駆動軸と一
体的に回転する駆動カムのカム溝に、当該パンチの下降
速度に対応する当該駆動カムの回転角度当りの回転中心
からのカム溝半径変位量を前記スライドの下降変位量相
当分より設定変位量だけ低減させたカム曲面を当該パン
チがワークに当接する直前から当接するまでのパンチ設
定下降区間に形成し、前記カム溝により揺動される揺動
レバーを介して作動する当該パンチの下降速度を、前記
スライドにより作動する複数のパンチよりも遅く作動制
御することで、当該パンチがワークに当接する衝撃力を
前記他の加工工程よりも減少させるようにしたものであ
る。
【0014】この請求項1の発明によれば、スライドの
1サイクル中において、少なくとも1の特定加工工程の
パンチ設定下降区間では、当該パンチの下降速度をスラ
イドにより作動する他の加工工程のパンチよりも遅く作
動させて、当該パンチがワークに当接する衝撃力を他の
加工工程よりも減少させるようにしたので、下降する当
該パンチの衝撃力でワークを変形させない。 したがっ
て、この特定加工工程を当該パンチの外径が小さく大き
な面圧でワークが衝打される下流工程側に設定すれば、
本来は高速度加工が可能な上流工程側の上限加工速度で
トランスファプレス機の高速度化を容易に図ることがで
きる。
【0015】次の請求項2に係る発明の、前記特定加工
工程の当該パンチが前記パンチ設定下降区間においてワ
ークに当接した後、引き続いて下降する当該パンチによ
り下降されるワークが、ノックアウトに当接する直前か
ら当接するまでのワーク設定下降区間においては、前記
駆動カムのカム溝に、ワークの下降速度に対応する当該
駆動カムの回転角度当りの回転中心からのカム溝半径変
位量を前記スライドの下降変位量相当分より設定変位量
だけ低減させたカム曲面を前記ワーク設定下降区間に形
成し、前記カム溝により作動する当該パンチの下降速度
を、前記スライドにより作動する複数のパンチよりも遅
く作動制御することで、当該パンチにより下降されるワ
ークがノックアウトに当接する衝撃力を前記他の加工工
程よりも減少させるようにしたものである。
【0016】この請求項2の発明によれば、スライドの
1サイクル中において、請求項1の特定加工工程のワー
ク設定下降区間では、引き続いて下降する当該パンチの
下降速度をスライドにより作動する他の加工工程のパン
チよりも遅く作動させて、ワークがノックアウトに当接
する衝撃力を他の加工工程よりも減少させるようにした
ので、当該パンチにより下降されるワークがノックアウ
トに当接する衝撃力でそのワークを変形させない。 し
たがって、この特定加工工程を当該パンチとノックアウ
トとの外径が小さく大きな面圧でワークが衝打される下
流工程側に設定すれば、本来は高速度加工が可能な上流
工程側の上限加工速度でトランスファプレス機の高速度
化を容易に図ることができる。
【0017】次の請求項3に係る発明は、トランスファ
プレス機に備える複数の加工工程のうち少なくとも1の
特定加工工程において、複数のパンチをスライドにより
下降させる他の加工工程よりも、下死点位置に達した後
のパンチの停留時間を長時間停留させるべくパンチの作
動を制御する方法であって、前記特定加工工程の当該パ
ンチを上下往復移動させる駆動手段に設けられて前記ス
ライドの駆動軸と同期回転するカム駆動軸と一体的に回
転する駆動カムのカム溝に、回転中心からのカム溝半径
を一定にしたカム曲面を当該パンチが下死点位置に達し
た後から上昇を開始するまでの設定停留区間に形成し、
前記カム溝により揺動される揺動レバーを介して作動す
る当該パンチの下死点位置における停留時間を、前記ス
ライドにより作動する複数のパンチよりも長時間停留さ
せるべく作動制御するようにしたものである。
【0018】この請求項3の発明によれば、スライドの
1サイクル中において、少なくとも1の特定加工工程の
設定停留区間では、当該パンチの下死点位置における停
留時間をスライドにより作動する他の加工工程のパンチ
よりも長時間停留させるべく作動させるようにしたの
で、他の加工工程のパンチを下死点位置で停留させる時
間は、この特定加工工程の停留時間に影響されることな
く本来可能な最短時間にすることができる。 したがっ
て、この特定加工工程を下死点位置での停留時間が長時
間要求される加工工程に設定すれば、本来は高速度加工
が可能な下死点位置での停留時間が短い他の加工工程の
上限加工速度でトランスファプレス機の高速度化を容易
に図ることができる。
【0019】次の請求項4に係る発明の、前記特定加工
工程の下死点位置に達する以前の当該パンチが、ワーク
に当接する直前から当接するまでのパンチ設定下降区間
と、引き続いて下降する当該パンチにより下降されるワ
ークが、ノックアウトに当接する直前から当接するまで
のワーク設定下降区間とにおいては、前記駆動カムのカ
ム溝に、当該パンチの下降速度に対応する当該駆動カム
の回転角度当りの回転中心からのカム溝半径変位量を前
記スライドの下降変位量相当分より設定変位量だけ低減
させたカム曲面を前記パンチ設定下降区間に、またワー
クの下降速度に対応する当該駆動カムの回転角度当りの
回転中心からのカム溝半径変位量を前記スライドの下降
変位量相当分より設定変位量だけ低減させたカム曲面を
前記ワーク設定下降区間に各々形成し、前記カム溝によ
り作動する当該パンチの前記パンチ設定下降区間と前記
ワーク設定下降区間との下降速度を、前記スライドによ
り作動する複数のパンチよりも遅く作動制御すること
で、当該パンチがワークに当接する衝撃力と、当該パン
チにより下降されるワークがノックアウトに当接する衝
撃力とを前記他の加工工程よりも減少させるようにした
ものである。
【0020】この請求項4の発明によれば、スライドの
1サイクル中において、請求項3の特定加工工程のパン
チ設定下降区間とワーク設定下降区間とでは、当該パン
チのパンチ設定下降区間とワーク設定下降区間との下降
速度をスライドにより作動する他の加工工程のパンチよ
りも遅く作動させて、当該パンチがワークに当接する衝
撃力と、ワークがノックアウトに当接する衝撃力とを他
の加工工程よりも減少させるようにしたので、下降する
当該パンチの衝撃力と、引き続いて下降する当該パンチ
により下降されるワークがノックアウトに当接する衝撃
力とでワークを変形させない。
【0021】したがって、この特定加工工程を下死点位
置での停留時間が長時間要求され、かつ、当該パンチと
ノックアウトとの外径が小さく大きな面圧でワークが衝
打される加工工程に設定すれば、本来は高速度加工が可
能な他の加工工程の上限加工速度でトランスファプレス
機の高速度化を容易に図ることができる。
【0022】次の請求項5に係る発明は、トランスファ
プレス機に備える複数の加工工程のうち、芯金パンチに
より下降端位置で位置決めされたワークに上下移動軸線
の直交方向から加工する少なくとも1のクロス加工工程
において、複数のパンチをスライドにより下降させる他
の加工工程よりも、上死点位置から下降する当該芯金パ
ンチがワークに当接する衝撃力と、引き続いて下降する
当該芯金パンチにより下降されるワークがノックアウト
に当接する衝撃力とを減少させるとともに、下死点位置
に達した後の当該芯金パンチの停留時間を長時間停留さ
せるべく当該芯金パンチの作動を制御する機構であっ
て、前記スライドに設けられた摺動案内部に沿って上下
移動可能な当該芯金パンチと、前記スライドの駆動軸と
同期回転可能なカム駆動軸と、当該芯金パンチの上下移
動量およびその移動速度と下死点位置の停留時間とを制
御可能なカム溝が形成され前記カム駆動軸と一体的に回
転可能な駆動カムと、中央部がフレーム上に枢支された
一端部に当該芯金パンチが枢結され他端部には前記カム
溝に係合するカムフォロアが軸着されて前記駆動カムの
回転により揺動することで当該芯金パンチを上下往復移
動させる揺動レバーとを備えて、前記駆動カムのカム溝
に、当該芯金パンチの下降速度に対応する当該駆動カム
の回転角度当りの回転中心からのカム溝半径変位量を前
記スライドの下降変位量相当分より設定変位量だけ低減
させたカム曲面を当該芯金パンチがワークに当接する直
前から当接するまでのパンチ設定下降区間に、またワー
クの下降速度に対応する当該駆動カムの回転角度当りの
回転中心からのカム溝半径変位量を前記スライドの下降
変位量相当分より設定変位量だけ低減させたカム曲面を
ワークがノックアウトに当接する直前から当接するまで
のワーク設定下降区間に、また回転中心からのカム溝半
径を一定にしたカム曲面を当該芯金パンチが下死点位置
に達した後から上昇を開始するまでの設定停留区間に各
々形成するようにしたものである。
【0023】この請求項5の発明によれば、少なくとも
1のクロス加工工程において、上下移動可能な当該芯金
パンチと、スライドの駆動軸と同期回転可能なカム駆動
軸と、カム駆動軸と一体的に回転可能な駆動カムと、駆
動カムの回転により揺動することで当該芯金パンチを上
下往復移動させる揺動レバーとを備えて、駆動カムのカ
ム溝に、カム溝半径変位量を当該芯金パンチの下降速度
に対応する設定変位量だけ低減させたカム曲面をパンチ
設定下降区間に形成し、カム溝半径変位量をワークの下
降速度に対応する設定変位量だけ低減させたカム曲面を
ワーク設定下降区間に形成し、カム溝半径を一定にした
カム曲面を設定停留区間に形成するようにしたので、ス
ライドの1サイクル中において、パンチ設定下降区間と
ワーク設定下降区間とでは当該芯金パンチの下降速度を
スライドにより作動する他の加工工程のパンチよりも遅
く作動させ、設定停留区間では当該芯金パンチの下死点
位置における停留時間をスライドにより作動する他の加
工工程のパンチよりも長時間停留させるべく作動させる
ことができる。
【0024】そして、当該芯金パンチがワークに当接す
る衝撃力と、ワークがノックアウトに当接する衝撃力と
を他の加工工程よりも減少させるので、下降する当該芯
金パンチの衝撃力と、引き続いて下降する当該芯金パン
チにより下降されるワークがノックアウトに当接する衝
撃力とでワークを変形させないとともに、他の加工工程
のパンチを下死点位置で停留させる時間は、このクロス
加工工程の停留時間に影響されることなく本来可能な最
短時間にすることができる。 したがって、このクロス
加工工程を当該芯金パンチとノックアウトとの外径が小
さく大きな面圧でワークが衝打される下流工程側に設定
すれば、本来は高速度加工が可能な下死点位置での停留
時間が短い他の加工工程の上限加工速度でトランスファ
プレス機の高速度化を容易に図ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明のトランスファプレス機の
パンチ作動方法およびその機構に係る実施の形態につい
て、図1〜図10を参照して以下のとおり説明する。
【0026】図1はトランスファプレス機の上半部を示
す正面図、図2はトランスファプレス機の下半部を示す
背面図、図3はパンチ作動機構を示す図2のA−A矢視
断面図、図4はパンチ作動機構を示す図2のB−B矢視
断面図、図5は図1に示す第7、第8加工工程の絞り金
型を示す縦断面図、図6は図1に示す第9、第10加工
工程のトリミング金型を示す縦断面図、図7はトリミン
グ加工工具の駆動装置を示す図6のC−C矢視断面図、
図8はトリミング加工工具の駆動装置を示す図7のD−
D矢視上面図、図9は第7、第8加工工程の絞りパンチ
の作動を示すタイミングチャート、図10は第9、第1
0加工工程の芯金パンチの作動を示すタイミングチャー
トである。
【0027】トランスファプレス機は、図1に示すフレ
ーム1の上方で上下往復移動し下面側に設けられた複数
個のパンチを作動させるスライド2と、フレーム1の下
方に固着され上面側に設けられた複数個のダイを保持す
るボルスタ1Cと、スライド2を駆動するスライド駆動
機構10と、図2に示す背面側でパンチを個別に作動さ
せるパンチ作動機構20,30および芯金パンチ作動機
構40と、図8に示すトリミング加工工具を作動させる
トリミング駆動機構50と、各加工工程で加工されたワ
ークを順次下流工程に移送するトランスファ機構60と
で構成されている。
【0028】この構成において、図1紙面の左側から始
まる第1〜第6加工工程(♯1〜♯6)の抜きパンチ7
A、絞りパンチ7B〜7Fはスライド2により同一の時
期に上下往復移動され、第7、第8加工工程(♯7、♯
8)の絞りパンチ7G,7Hは絞りパンチ作動機構2
0,30により各々独自の時期に上下往復移動され、第
9、第10加工工程(♯9、♯10)の芯金パンチ7
J,7Kは芯金パンチ作動機構40により独自の時期に
上下往復移動される。 そして、上下移動する各加工工
程のパンチと、各パンチと対向するダイとの協働により
ワークのプレス加工をする。
【0029】まず、スライド2を駆動するスライド駆動
機構10は、図1に示すように、フレーム1の上部にカ
ム駆動基軸11が回転可能に横設され、その右端にプー
リ機能を有するフライホイール12と、フレーム1の内
側に合同形状のカム曲面が形成されたスライド駆動カム
13,13とがキー着されている。 スライド駆動カム
13,13には、スライド2に軸着されて回転可能な図
示左側の上下のカムフォロア14,14と、右側の上下
のカムフォロア14,14とが各々外接している。 ま
た、スライド2の下面には上台4が取着され、この上台
4には、抜き加工をする第1加工工程(♯1)の抜きパ
ンチ7Aと、絞り加工をする第2〜第6加工工程(♯1
〜♯6)の絞りパンチ7B〜7Fとが取着されている。
【0030】このように構成されたスライド駆動機構1
0は、図示しない駆動モータによりフライホイール1
2、カム駆動基軸11を介してスライド駆動カム13,
13を回転させることで、そのスライド駆動カム13,
13の各外周のカム曲面によりカムフォロア14,1
4、14,14とともにスライド2が上下移動する。
この上下移動により、抜きパンチ7A、絞りパンチ7B
〜7Fは、1サイクル中に上下移動する移動量と移動時
間とが同一の図9に示す上下移動曲線で上下往復移動す
る。
【0031】そして、上下往復移動する抜きパンチ7
A、絞りパンチ7B〜7Fと、これら各パンチと対向し
てボルスタ1C上の下台3に取着されたダイホルダ8A
〜8F内の図示しない各ダイとの協働により、第1〜第
6加工工程のワークのプレス加工をする。 したがて、
上死点位置から下降する絞りパンチ7B〜7Fのすべて
が、スライド2により同一の下降速度で各加工工程のワ
ークに当接するので、各加工工程のワーク底部には同一
の衝撃力が付加される。 なお、第1加工工程は筒状に
絞り加工する前の抜き加工工程であるので、ワークの底
部は形成されていない。
【0032】次いで、第7加工工程(♯7)の絞りパン
チ7Gを作動する絞りパンチ作動機構20は、図1に示
す第6加工工程(♯6)の下流側で、フレーム1の図2
に示す背面側に他の絞りパンチ作動機構30、芯金パン
チ作動機構40と並列されている。 これら絞りパンチ
作動機構20、絞りパンチ作動機構30、芯金パンチ作
動機構40の共通支持部材として、図2〜図4に示すボ
ルスタ1Cの背面側にブラケット71A,71Bが止着
されている。 このブラケット71A,71Bの下寄り
にはカム駆動軸72が回転可能に支承され、上寄りには
レバー軸73が止着されている。
【0033】カム駆動軸72は、図1に示すカム駆動基
軸11に止着された傘歯車5Aと、この傘歯車5Aに噛
合する傘歯車5Bと、フレーム1の図示左側部で回転可
能に支承され傘歯車5Bを上端に止着する縦中間軸15
と、この縦中間軸15の下端に止着された図2に示す傘
歯車16Aと、この傘歯車16Aと噛合する傘歯車16
Bと、フレーム1の図示下端部で回転可能に支承され傘
歯車16Bを止着する横中間軸17と、この横中間軸1
7に止着された歯付プーリ74と、図4に示す歯付ベル
ト75と、カム駆動軸72に止着された歯付プーリ76
とを介して、カム駆動基軸11と同期回転する。 な
お、歯付ベルト75の張力は、フレーム1の背面に設け
られた調整車77により調整できる。
【0034】このようにしてカム駆動基軸11と同期回
転するカム駆動軸72には、図2、図3に示す駆動カム
21と、後述する絞りパンチ作動機構30の駆動カム3
1と、芯金パンチ作動機構40の駆動カム41とが並列
に止着されている。 また、レバー軸73には、揺動レ
バー22と、絞りパンチ作動機構30の揺動レバー32
と、芯金パンチ作動機構40の揺動レバー42とが同一
軸上で各々個別に揺動可能に枢支されている。
【0035】駆動カム21の側面には、図4に示すカム
溝21aが形成されており、揺動レバー22には、後端
にカムフォロア23が駆動カム21のカム溝21a内で
回転可能に軸着され、前端にフォーク24が止着されて
いる。 フォーク24の先端部は、図3に示すようにフ
ォーク状の二股に形成され、その股部24a,24aの
内側には、図5に示す摺動駒25,25の軸受部が各々
対向するように圧入されている。
【0036】この摺動駒25,25の摺動部25a,2
5aは、後述するパンチホルダ6Gの摺動溝6g,6g
内で摺動可能に形成されている。 そして、駆動カム2
1が回転することで、そのカム溝21aのカム曲面によ
りカムフォロア23を介して揺動レバー22がレバー軸
73を中心にして揺動され、フォーク24の股部24
a,24aを上下移動させる。
【0037】また、図4、図5に示す上台4の第7加工
工程に対応する位置には、前側(図4紙面の左側)が開
口された断面コ字状の案内溝4gが形成され、この案内
溝4gの開口部は上台4に止着された案内蓋26により
封じられている。 この案内蓋26に封じられた案内溝
4g内には、下端が開口した盲穴を有する外形四角の筒
状に形成されたパンチホルダ6Gが上下移動可能に装入
されている。
【0038】このパンチホルダ6Gの前側には、キー6
Gaが筒内に突出するようにして止着され、左右両側に
は、摺動駒25,25の摺動部25a,25aが摺動可
能に、断面コ字状の摺動溝6g,6gがパンチホルダ6
Gの上下移動軸線と直交方向に形成されている。 な
お、図5のキー6Gaを示す破断線部分は、図4に示す
案内蓋26を破断した部分断面図である(後述する図5
のキー6Ha、および、図6のキー6Ja,6Kaを示
す破断線部分も同様)。
【0039】そのパンチホルダ6Gの盲穴内には、絞り
パンチ7Gが、キー6Gaよりも幅の広いキー溝7gに
係合するキー6Gaにより上下移動量が規制されて挿入
され、この絞りパンチ7Gは、その上端面とパンチホル
ダ6Gの上端壁との間に介装されたコイルばね27によ
り下方に付勢されている。 したがって、絞りパンチ7
Gは、フォーク24の股部24a,24aが上下移動す
ることにより、摺動駒25,25、パンチホルダ6G、
キー6Gaを介して上下移動する。
【0040】このときフォーク24の股部24a,24
aに圧入された摺動駒25,25は、レバー軸73の軸
線を中心とする円弧軌跡に沿って上下移動するが、その
摺動部25a,25aがパンチホルダ6Gの摺動溝6
g,6g内で摺動できるので、パンチホルダ6Gは、上
台4の案内溝4gに沿って上下移動することができる。
【0041】なお、絞りパンチ7Gをコイルばね27に
より付勢する構成は、絞りパンチ7Gがワークに当接す
る際の衝撃力を緩衝させるために、絞りパンチ7Gのキ
ー溝7gとキー6Gaとの幅差分だけ移動可能にしてあ
る。 この構成は、他の第2〜第6加工工程、第8〜第
10加工工程も同様であって、これらの加工工程におい
ては説明を省略する。
【0042】また、絞りパンチ7Gと対向する下方位置
の下台3上には、ダイホルダ8Gが止着されており、こ
のダイホルダ8Gにより絞りダイ9Gが、その絞り成形
穴と絞りパンチ7Gとが同一軸心になるように止着され
ている。 絞りダイ9Gの絞り成形穴と同一軸心で絞り
パンチ7Gと対向する下方には、図示しない付勢手段に
よって上方に付勢されたノックアウト29が設けられて
いる。 このノックアウト29は、フィンガ69G,6
9Gにより移送されてくるワークに上端面が当接可能な
上昇端位置で待機し、下降する絞りパンチ7Gとの間に
ワークを挟持して、絞りパンチ7Gの押圧により下降
し、絞りパンチ7Gとともに上昇する。
【0043】そして、絞りパンチ7Gを上下移動させる
駆動カム21のカム溝21aには、図9に示すように、
スライド2の1サイクル中において、絞りパンチ7Gが
ワークに当接する直前の下降位置Paから当接する下降
位置Pbまでのパンチ設定下降区間Saでは、駆動カム
21の回転角度当りの回転中心からのカム溝半径変位量
を、絞りパンチ7B〜7Fの下降速度よりも遅い絞りパ
ンチ7Gの設定下降速度に対応するカム溝半径変位量で
カム曲面が形成されている。
【0044】また、ワークがノックアウト29に当接す
る直前の下降位置Pbから当接する下降位置Pcまでの
ワーク設定下降区間Sbでは、駆動カム21の回転角度
当りの回転中心からのカム溝半径変位量を、絞りパンチ
7B〜7Fの下降速度よりも遅い絞りパンチ7Gの設定
下降速度に対応するカム溝半径変位量でカム曲面が形成
されている。
【0045】このように構成された第7加工工程の絞り
パンチ作動機構20は、スライド駆動機構10のカム駆
動基軸11と同期回転するカム駆動軸72を介して、図
4に示す駆動カム21を回転させることで、そのカム溝
21aのカム曲面によりカムフォロア23を介して、揺
動レバー22がフォーク24とともに上下に揺動する。
このフォーク24の揺動によりその股部24a,24
aが上下移動し、図5に示す摺動駒25,25、パンチ
ホルダ6G、キー6Gaを介して絞りパンチ7Gを上下
移動させる。 そして、上下往復移動する絞りパンチ7
Gと、下台3上で待機する絞りダイ9Gとの協働によ
り、第7加工工程のワークの絞り加工をする。
【0046】この絞りパンチ7Gは、上記のように形成
された駆動カム21のカム溝21aにより上下移動する
ので、絞りパンチ7Gの1サイクル中において、パンチ
設定下降区間Saとワーク設定下降区間Sbとでは、絞
りパンチ7Gの下降速度をスライド2により下降する他
の絞りパンチ7B〜7Fよりも遅く作動させて、絞りパ
ンチ7Gがワークの底部に当接する衝撃力と、ワークが
ノックアウト29に当接する衝撃力とを減少させること
ができる。 したがって、第7加工工程の加工速度は、
高速度加工が可能な第1〜第6加工工程の上限加工速度
で、ワークを変形させることなく稼動することができ
る。
【0047】次いで、第8加工工程(♯8)の絞りパン
チ7Hを作動する絞りパンチ作動機構30は、図2に示
す第7加工工程の絞りパンチ作動機構20と同様の構成
でその下流側に設けられている。 したがって、絞りパ
ンチ作動機構20と同一の構成部分については、図面の
符号のみを絞りパンチ作動機構30の符号に置き換えて
詳細な説明を省略する。 なお、パンチホルダ6H内に
おける絞りパンチ7Hの上下移動量は、キー6Haによ
り絞りパンチ作動機構20と同様に規制されている。
【0048】また、絞りパンチ7Hを上下移動させる駆
動カム31のカム溝31aには、図9に示すように、ス
ライド2の1サイクル中において、絞りパンチ7Hがワ
ークに当接する直前の下降位置Paから当接する下降位
置Pbまでのパンチ設定下降区間Saと、ワークがノッ
クアウト39に当接する直前の下降位置Pbから当接す
る下降位置Pcまでのワーク設定下降区間Sbとでは、
駆動カム31の回転角度当りの回転中心からのカム溝半
径変位量を、絞りパンチ7B〜7Fの下降速度よりも遅
い絞りパンチ7Hの設定下降速度に対応するカム溝半径
変位量でカム曲面が形成されている。
【0049】この構成による第8加工工程の絞りパンチ
作動機構30は、スライド駆動機構10のカム駆動基軸
11と同期回転するカム駆動軸72を介して、図4に示
す駆動カム31を回転させることで、そのカム溝31a
のカム曲面によりカムフォロア33を介して、揺動レバ
ー32がフォーク34とともに上下に揺動する。 この
フォーク34の揺動によりその股部34a,34aが上
下移動し、図5に示す摺動駒35,35、パンチホルダ
6H、キー6Haを介して絞りパンチ7Hを上下移動さ
せる。 そして、上下往復移動する絞りパンチ7Hと、
下台3上で待機する絞りダイ9Hとの協働により、第8
加工工程のワークの絞り加工をする。
【0050】この絞りパンチ7Hは、上記のように形成
された駆動カム31のカム溝31aにより上下移動する
ので、絞りパンチ7Hの1サイクル中において、パンチ
設定下降区間Saとワーク設定下降区間Sbとでは、絞
りパンチ7Hの下降速度をスライド2により下降する他
の絞りパンチ7B〜7Fよりも遅く作動させて、絞りパ
ンチ7Hがワークの底部に当接する衝撃力と、ワークが
ノックアウト39に当接する衝撃力とを減少させること
ができる。 したがって、第8加工工程の加工速度は、
高速度加工が可能な第1〜第6加工工程の上限加工速度
で、ワークを変形させることなく稼動することができ
る。
【0051】次いで、第9、第10加工工程(♯9、♯
10)の芯金パンチ7J,7Kを作動する芯金パンチ作
動機構40は、図2に示す第7、第8加工工程の絞りパ
ンチ作動機構20,30と類似の構成でその下流側に設
けられている。 したがって、絞りパンチ作動機構2
0,30と同様の図4に示す駆動部分については、図面
の符号のみを芯金パンチ作動機構40の符号に置き換え
て詳細な説明を省略する。
【0052】駆動カム41の側面には、図4に示すカム
溝41aが形成されており、揺動レバー42には、後端
にカムフォロア43が駆動カム41のカム溝41a内で
回転可能に軸着され、前端に図3に示すフォーク44
A,44Bが並列して一体的に止着されている。 フォ
ーク44A,44Bの先端部はフォーク状の二股に各々
形成され、フォーク44Aの股部44a,44aの内側
には、図6に示す摺動駒45,45の軸受部が各々対向
するように圧入されている。 この摺動駒45,45の
摺動部45a,45aは、後述するパンチホルダ6Jの
摺動溝6j,6j内で摺動可能に形成されている。
【0053】また、 フォーク44Bの股部44c,4
4cの内側にも同様に、摺動駒45,45の軸受部が各
々対向するように圧入され、この摺動駒45,45の摺
動部45a,45aは、後述するパンチホルダ6Kの摺
動溝6k,6k内で摺動可能に形成されている。 そし
て、駆動カム41が回転することで、そのカム溝41a
のカム曲面によりカムフォロア43を介して揺動レバー
42がレバー軸73を中心にして揺動され、フォーク4
4Aの股部44a,44aと、フォーク44Bの股部4
4c,44cとを同時に上下移動させる。
【0054】また、図6に示す上台4の第9、第10加
工工程に対応する位置には、第7、第8加工工程と同様
に案内溝4j,4kが各々形成され、図示しない案内蓋
により各々封じられている。 これらの案内溝4j,4
k内には、外形が四角で筒状のパンチホルダ6J,6K
が上下移動可能に各々装入されている。 これらパンチ
ホルダ6J,6Kの前側には、キー6Ja,6Kaが各
々の筒内に突出するようにして止着されている。 パン
チホルダ6Jの左右両側には、摺動駒45,45の摺動
部45a,45aが摺動可能に、断面コ字状の摺動溝6
j,6jがパンチホルダ6Jの上下移動軸線と直交方向
に形成され、パンチホルダ6Kの左右両側にも同様に、
摺動溝6k,6kが形成されている。
【0055】そのパンチホルダ6J,6K内には、芯金
パンチ7J,7Kが、キー6Ja,6Kaよりも幅の広
い各キー溝7j,7kに係合するキー6Ja,6Kaに
より上下移動量が規制されて各々挿入され、これら芯金
パンチ7J,7Kは、各々の上端面とパンチホルダ6
J,6Kの各上端壁との間に介装されたコイルばね47
A,47Bにより下方に各々付勢されている。
【0056】したがって、芯金パンチ7Jは、フォーク
44Aの股部44a,44aが上下移動することによ
り、摺動駒45,45、パンチホルダ6J、キー6Ja
を介して上下移動する。 このときフォーク44Aの股
部44a,44aに圧入された摺動駒45,45は、レ
バー軸73の軸線を中心とする円弧軌跡に沿って上下移
動するが、その摺動部45a,45aがパンチホルダ6
Jの摺動溝6j,6j内で摺動できるので、パンチホル
ダ6Jは、上台4の案内溝4jに沿って上下移動するこ
とができる。
【0057】この芯金パンチ7Jには、後述するトリミ
ング加工工具9Ja,9Jbの切刃と協働でワークをト
リミング加工する切刃が形成されている。 また、芯金
パンチ7Kも同様に、摺動駒45,45、パンチホルダ
6K、キー6Kaを介して各々上下移動する。 このと
きフォーク44Bの股部44c,44cに圧入された摺
動駒45,45も同様に、パンチホルダ6Kの摺動溝6
k,6k内で摺動できるので、パンチホルダ6Kは、上
台4の案内溝4kに沿って上下移動することができる。
この芯金パンチ7Kにも、後述するトリミング加工工
具9Ka,9Kbの切刃と協働でワークをトリミング加
工する切刃が形成されている。
【0058】また、第9、第10加工工程の芯金パンチ
7J,7Kと対向する下方位置の下台3上には、ダイホ
ルダ8J,8Kが止着されており、ダイホルダ8Jは、
図6〜図8に示して後述する作動桿85を水平方向に摺
動案内可能、ダイホルダ8Kは、図6、図8に示して後
述する作動桿86と作動滑子88とを水平方向に摺動案
内可能に各々形成されている。 作動桿85にはトリミ
ング加工工具9Ja,9Jbが、作動滑子88にはトリ
ミング加工工具9Ka,9Kbが各々設けられ、後述す
るトリミング駆動機構50によって芯金パンチ7J,7
Kと各々関連的に作動する。
【0059】芯金パンチ7J,7Kと同一軸心で対向す
る各々の下方には、図示しない付勢手段によって上方に
付勢されたノックアウト49A,49Bが設けられてい
る。ノックアウト49Aは、移送されてくるワークに上
端面が当接可能な上昇端位置で待機し、下降する芯金パ
ンチ7Jとの間にワークを挟持して、芯金パンチ7Jの
押圧により下降し、芯金パンチ7Jとともに上昇する。
ノックアウト49Bも同様に、芯金パンチ7Kとの間
にワークを挟持して上下移動する。
【0060】そして、芯金パンチ7J,7Kを上下移動
させる駆動カム41のカム溝41aには、図10に示す
ように、スライド2の1サイクル中において、芯金パン
チ7J,7Kがワークに当接する直前の下降位置Pdか
ら当接する下降位置Peまでのパンチ設定下降区間Sc
と、ワークがノックアウト49A,49Bに当接する直
前の下降位置Peから当接する下降位置Pfまでのワー
ク設定下降区間Sdとでは、駆動カム41の回転角度当
りの回転中心からのカム溝半径変位量を、絞りパンチ7
B〜7Fの下降速度よりも遅い設定下降速度に対応する
カム溝半径変位量でカム曲面が形成されている。
【0061】さらに、芯金パンチ7J,7Kが下死点位
置に達した停留開始位置Pgから上昇開始位置Phまで
のカム溝半径を一定にする設定停留区間Seでは、絞り
パンチ7B〜7Fの設定停留区間Si(カム回転角度換
算で20度)よりも長い停留時間(カム回転角度換算で
40度)に対応するカム曲面が形成されている。
【0062】このように構成された第9、第10加工工
程の芯金パンチ作動機構40は、第7、第8加工工程と
同様に、図4に示す駆動カム41を回転させることで、
そのカム溝41aのカム曲面によりカムフォロア43を
介して、揺動レバー42がフォーク44A,44Bとと
もに上下に揺動する。 第9加工工程のフォーク44A
の揺動によりその股部44a,44aが上下移動し、図
6に示す摺動駒45,45、パンチホルダ6J、キー6
Jaを介して芯金パンチ7Jを上下移動させる。 ま
た、第10加工工程のフォーク44Bも、同様にして芯
金パンチ7Jを上下移動させる。
【0063】これらの芯金パンチ7J,7Kは、上記の
ように形成された駆動カム41のカム溝41aにより上
下移動するので、芯金パンチ7J,7Kの1サイクル中
において、パンチ設定下降区間Scとワーク設定下降区
間Sdとでは、芯金パンチ7J,7Kの下降速度をスラ
イド2により下降する他の絞りパンチ7B〜7Fよりも
遅く作動させて、芯金パンチ7J,7Kがワークの底部
に当接する衝撃力と、ワークがノックアウト49A,4
9Bに当接する衝撃力とを減少させることができる。
【0064】また、設定停留区間Seでは、芯金パンチ
7J,7Kの下死点位置における停留時間をスライド2
により下降する他の絞りパンチ7B〜7Fよりも長くし
たので、第9、第10加工工程の加工速度は、高速度加
工が可能な第1〜第6加工工程の上限加工速度で、ワー
クを変形させることなく、後述するトリミング加工がで
きる。
【0065】次いで、第9加工工程(クロス加工工程)
のトリミング加工工具9Ja,9Jbと、第10加工工
程(クロス加工工程)のトリミング加工工具9Ka,9
Kbを各々駆動するトリミング駆動機構50は、 図
7、図8に示すように、ボルスタ1Cに止着された支持
台81にサーボモータ51が設置され、このサーボモー
タ51により継手53を介して回転駆動されるクランク
軸52が支持台81上の軸受台板82,82に支承され
ている。 このクランク軸52の偏心軸部52aにコン
ロッド54の一端が相対回転可能に支承され、このコン
ロッド54の他端には揺動軸55が止着され、軸受脚板
83には揺動基軸56が止着されている。
【0066】この揺動基軸56と揺動軸55とに揺動リ
ンク57が、揺動基軸56を中心にして揺動可能に枢支
されている。 また、作動桿85,86の後端部には軸
受板84が各々止着され、作動桿85,86は、各々の
軸受板84に挿通して締着された直動軸58により連結
されている。 この直動軸58と揺動軸55とに遊動リ
ンク59が、揺動軸55を中心にして遊動可能に枢支さ
れている。
【0067】この構成において、サーボモータ51によ
りクランク軸52が回転されると、その偏心軸部52a
の偏心回転によりコンロッド54が上下移動し、このコ
ンロッド54の上下移動により揺動リンク57が揺動基
軸56を中心にして揺動運動するとともに、遊動リンク
59が揺動軌跡上の揺動軸55を中心にして遊動運動す
ることで、直動軸58と軸受板84とを介して第9加工
工程の作動桿85と、第10加工工程の作動桿86とを
進退移動させる。
【0068】これら作動桿85,86の進退移動は、芯
金パンチ7J,7Kによりワークが下降端位置で停留中
に、サーボモータ51の出力軸1回転で1サイクルす
る。なお、サーボモータ51は、図2に示す横中間軸1
7に設けられた図示しないレゾルバからの始動信号によ
り図示しない制御手段を経て回転制御される。
【0069】第9加工工程の作動桿85の前進側には、
図6、図7に示す工具台96が締着されており、この工
具台96に、トリミング加工工具9Ja,9Jbが、下
降端位置で停留中のワークに加工可能なトリミング加工
領域内に締着されている。これらトリミング加工工具9
Ja,9Jbには、芯金パンチ7Jの切刃と協働でワー
クをトリミング加工する切刃が形成されている。
【0070】そして、芯金パンチ7Jとノックアウト4
9Aとにより下降端位置に位置決めされ停留中のワーク
に対して、トリミング加工工具9Ja,9Jbを図7に
示す中立位置から、移送軸線と直交するトリミング加工
軸線上で前進させることで、トリミング加工工具9Ja
の切刃と芯金パンチ7Jの切刃との剪断作用により、ワ
ークの前側(図7の左側)の開口部がトリミングされ
る。 また、後退させることで、トリミング加工工具9
Jbの切刃と芯金パンチ7Jの切刃との剪断作用によ
り、ワークの後側(図7の右側)の開口部がトリミング
される。
【0071】また、第10加工工程には、図6,図8に
示すダイホルダ8K上に、進退移動可能な作動桿86
と、移送軸線と平行なトリミング加工軸線上で進退移動
可能な作動滑子88と、一方の腕端が作動桿86の切欠
き部と係合し他方の腕端が作動滑子88の切欠き部と係
合して揺動可能な移動方向変換レバー87とが設けられ
ている。 移動方向変換レバー87は、移送軸線と直交
する作動軸線上で進退移動する作動桿86により揺動さ
れ、この揺動によって作動滑子88を移送軸線と平行な
トリミング加工軸線上で進退移動させる。
【0072】この作動滑子88の前進前側には、工具台
97が締着されており、この工具台97にトリミング加
工工具9Ka,9Kbが、下降端位置で停留中のワーク
に加工可能なトリミング加工領域内に締着されている。
これらトリミング加工工具9Ka,9Kbには、芯金
パンチ7Kの切刃と協働でワークをトリミング加工する
切刃が形成されている。
【0073】そして、芯金パンチ7Kとノックアウト4
9Bとにより下降端位置に位置決めされ停留中のワーク
に対して、トリミング加工工具9Ka,9Kbを図8に
示す中立位置から、移送軸線と平行なトリミング加工軸
線上で前進させることで、トリミング加工工具9Kbの
切刃と芯金パンチ7Kの切刃との剪断作用により、ワー
クの右側(図6参照)の開口部がトリミングされる。
また、後退させることで、トリミング加工工具9Kaの
切刃と芯金パンチ7Kの切刃との剪断作用により、ワー
クの左側(図6参照)の開口部がトリミングされる。
【0074】このように構成された第9、第10加工工
程のトリミング駆動機構50は、芯金パンチ7J,7K
が下死点位置に達した後、レゾルバからの始動信号によ
りサーボモータ51を回転制御する。 このサーボモー
タ51によりクランク軸52、コンロッド54、揺動軸
55、揺動基軸56、直動軸58、揺動リンク57、遊
動リンク59のトグル作用により作動桿85,86を進
退移動させる。
【0075】そして、芯金パンチ7J,7Kが下死点位
置の設定停留区間Seで停留中に、作動桿85,86に
より第9加工工程のトリミング加工工具9Ja,9Jb
と、第10加工工程のトリミング加工工具9Ka,9K
bとを中立位置から進退移動させることで、芯金パンチ
7Jの切刃とトリミング加工工具9Ja,9Jbの切刃
とで第9加工工程のワークにトリミング加工をするとと
もに、芯金パンチ7Kの切刃とトリミング加工工具9K
a,9Kbの切刃とで第10加工工程のワークにトリミ
ング加工をする。
【0076】次いで、ワークを移送するトランスファ機
構60は、図1に示す縦中間軸15にトランスファカム
61が止着され、このトランスファカム61を挟んで外
接するカムフォロア62,62が、移送軸線に沿って進
退移動可能なトランスファバー63に軸着されている。
このトランスファバー63は、図7に示すように移送
軸線を挟んで2個設けられ、その各々にワークを把持す
るフィンガが、各加工工程に対応して設けられている。
例えば、図7に示すフィンガ69J,69Jは、第9
加工工程でトリミング加工されたワークを把持し、次の
第10加工工程に移送するものである。
【0077】引き続いて、上述のように構成されたトラ
ンスファプレス機のパンチ作動方法およびその機構に係
る作用について以下のとおり説明する。
【0078】スライド2の駆動により絞り加工する第2
〜第6加工工程では、第6加工工程においてワークおよ
び絞りパンチ7Fの外径が最も小さいのでワークが変形
しやすい。 したがって、第2〜第6加工工程の絞りパ
ンチ7B〜7Fによる絞り加工速度は、第6加工工程の
ワークを変形させない範囲内の高速度にすることができ
る。
【0079】すなわち、図9、図10に示す絞りパンチ
7B〜7Fの1サイクル中において、第7、第8加工工
程のパンチ設定下降区間Saとワーク設定下降区間Sb
とでは絞りパンチ7G,7Hの下降速度を絞りパンチ7
B〜7Fより遅くしても、本来高速度加工ができる第2
〜第6加工工程の高速度で、第7、第8加工工程のワー
クを変形させることなく絞り加工することができる。
【0080】また同様に、第9、第10加工工程のパン
チ設定下降区間Scとワーク設定下降区間Sdとでは芯
金パンチ7J,7Kの下降速度を絞りパンチ7B〜7F
より遅くしても、第2〜第6加工工程の高速度で第9、
第10加工工程のワークを変形させることなくトリミン
グ加工することができる。 なお、ワーク設定下降区間
Sbはパンチ設定下降区間Saと、ワーク設定下降区間
Sdはパンチ設定下降区間Scと各々隣接しているの
で、ワークの形状によっては無視できる場合がある。
【0081】また、第9、第10加工工程の設定停留区
間Seでは、図10に示す絞りパンチ7B〜7Fの1サ
イクル中において、芯金パンチ7J,7Kの下死点位置
における停留時間を絞りパンチ7B〜7Fより長くして
も、本来高速度加工ができる第2〜第6加工工程の高速
度でトリミング加工することができる。
【0082】なお、本発明に係るトランスファプレス機
のパンチ作動方法およびその機構は、上述した実施の形
態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲においてさまざまな形態に構成することがで
きる。 例えば、スライド駆動機構は、スライド駆動カ
ムによるカム機構に限定されものではなく、クランク機
構やトグルリンク機構などでも構成できる。 また、ク
ロス加工工程が上流側である場合には、設定停留区間の
みを設けてパンチ設定下降区間やワーク設定下降区間は
設ける必要がない。 さらに、フォークの股部に設けら
れた摺動駒の軸受部はパンチホルダに止着して、フォー
クの股部に長穴状の摺動溝を形成し、その摺動溝に沿っ
て摺動駒の摺動部を摺動させることもできる。
【0083】
【発明の効果】本発明は、上述のとおりであるので、以
下に記載するような効果を奏する。
【0084】請求項1の発明によれば、少なくとも1の
特定加工工程のパンチ設定下降区間において、当該パン
チの下降速度をスライドにより作動する他の加工工程の
パンチよりも遅く作動させて、当該パンチがワークに当
接する衝撃力を他の加工工程よりも減少させるようにし
たので、下降する当該パンチの衝撃力でワークを変形さ
せない効果を奏する。 したがって、この特定加工工程
を当該パンチによりワークが変形されやすい下流工程側
に設定すれば、本来は高速度加工が可能な上流工程側の
上限加工速度でトランスファプレス機を稼動させて、生
産性の向上による成形品の原価低減と、品質の安定化と
を図ることができる。
【0085】次の請求項2の発明によれば、請求項1の
特定加工工程のワーク設定下降区間においては、引き続
いて下降する当該パンチの下降速度をスライドにより作
動する他の加工工程のパンチよりも遅く作動させて、ワ
ークがノックアウトに当接する衝撃力を他の加工工程よ
りも減少させるようにしたので、当該パンチにより下降
されるワークがノックアウトに当接する衝撃力でそのワ
ークを変形させない効果を奏する。 したがって、この
特定加工工程を当該パンチとノックアウトとによりワー
クが変形されやすい下流工程側に設定すれば、本来は高
速度加工が可能な上流工程側の上限加工速度でトランス
ファプレス機を稼動させて、生産性の向上による成形品
の原価低減と、品質の安定化とを図ることができる。
【0086】次の請求項3の発明によれば、少なくとも
1の特定加工工程の設定停留区間において、当該パンチ
の下死点位置における停留時間をスライドにより作動す
る他の加工工程のパンチよりも長時間停留させるべく作
動させるようにしたので、他の加工工程のパンチを下死
点位置で停留させる時間は、この特定加工工程の停留時
間に影響されることなく本来可能な最短時間にできる効
果を奏する。 したがって、この特定加工工程を下死点
位置での停留時間が長時間要求される加工工程に設定す
れば、本来は高速度加工が可能な下死点位置での停留時
間が短い他の加工工程の上限加工速度でトランスファプ
レス機を稼動させて、生産性の向上による成形品の原価
低減と、品質の安定化とを図ることができる。
【0087】次の請求項4の発明によれば、請求項3の
特定加工工程のパンチ設定下降区間とワーク設定下降区
間とにおいては、当該パンチのパンチ設定下降区間とワ
ーク設定下降区間との下降速度をスライドにより作動す
る他の加工工程のパンチよりも遅く作動させて、当該パ
ンチがワークに当接する衝撃力と、ワークがノックアウ
トに当接する衝撃力とを他の加工工程よりも減少させる
ようにしたので、下降する当該パンチの衝撃力と、引き
続いて下降する当該パンチにより下降されるワークがノ
ックアウトに当接する衝撃力とでワークを変形させない
効果を奏する。
【0088】したがって、この特定加工工程を下死点位
置での停留時間が長時間要求され、かつ、当該パンチと
ノックアウトとによりワークが変形されやすいクロス加
工工程に設定すれば、本来は高速度加工が可能な他の加
工工程の上限加工速度でトランスファプレス機を稼動さ
せて、生産性の向上による成形品の原価低減と、品質の
安定化とを図ることができる。
【0089】次の請求項5の発明によれば、トランスフ
ァプレス機の少なくとも1のクロス加工工程において、
駆動カムのパンチ設定下降区間とワーク設定下降区間と
設定停留区間とのカム溝に形成したカム曲面により、パ
ンチ設定下降区間とワーク設定下降区間とにおいては当
該芯金パンチの下降速度をスライドにより作動する他の
加工工程のパンチよりも遅く作動させ、設定停留区間に
おいては当該芯金パンチの下死点位置における停留時間
をスライドにより作動する他の加工工程のパンチよりも
長時間停留させるべく作動させて、当該芯金パンチがワ
ークに当接する衝撃力と、ワークがノックアウトに当接
する衝撃力とを他の加工工程よりも減少させるようにし
たので、下降する当該芯金パンチの衝撃力と、引き続い
て下降する当該芯金パンチにより下降されるワークがノ
ックアウトに当接する衝撃力とでワークを変形させない
とともに、他の加工工程のパンチを下死点位置で停留さ
せる時間は、この特定加工工程の停留時間に影響される
ことなく本来可能な最短時間にできる効果を奏する。
【0090】したがって、この特定加工工程を当該芯金
パンチとノックアウトとによりワークが変形されやす
く、かつ、下死点位置での停留時間が長時間要求される
加工工程に設定すれば、本来は高速度加工が可能な他の
加工工程の上限加工速度で稼動させて、生産性の向上に
よる成形品の原価低減と、品質の安定化とが図れるトラ
ンスファプレス機を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパンチ作動機構が組み入れられた
トランスファプレス機の上半部を示す説明図であって、
その正面図である。
【図2】同じく、トランスファプレス機の下半部を示す
説明図であって、その背面図である。
【図3】同じく、パンチ作動機構を示す説明図であっ
て、図2のA−A矢視断面図である。
【図4】同じく、パンチ作動機構を示す説明図であっ
て、図2のB−B矢視断面図である。
【図5】同じく、図1に示す第7、第8加工工程の絞り
金型を示す説明図であって、その縦断面図である。
【図6】同じく、図1に示す第9、第10加工工程のト
リミング金型を示す説明図であって、その縦断面図であ
る。
【図7】同じく、トリミング加工工具の駆動装置を示す
説明図であって、図6のC−C矢視断面図である。
【図8】同じく、トリミング加工工具の駆動装置を示す
説明図であって、図7のD−D矢視上面図である。
【図9】同じく、第7、第8加工工程の絞りパンチの作
動を示す説明図であって、そのタイミングチャートであ
る。
【図10】同じく、第9、第10加工工程の芯金パンチ
の作動を示す説明図であって、そのタイミングチャート
である。
【図11】従来技術のすべての加工工程を示す説明図で
あって、その正面図である。
【図12】同じく、代表的な加工工程を示す説明図であ
って、その縦断面図である。
【符号の説明】
2 スライド 6G,6H,6J,6K パンチホルダ 7B〜7H 絞りパンチ 7J,7K 芯金パンチ 9G,9H 絞りダイ 9Ja,9Jb,9Ka,9Kb トリミング加工工具 10 スライド駆動機構 11 カム駆動軸 17 横中間軸 20 絞りパンチ作動機構 21 駆動カム 22 揺動レバー 24 フォーク 29 ノックアウト 30 絞りパンチ作動機構 31 駆動カム 32 揺動レバー 34 フォーク 39 ノックアウト 40 芯金パンチ作動機構 41 駆動カム 42 揺動レバー 44A,44B フォーク 49A,49B ノックアウト 50 トリミング駆動機構 60 トランスファ機構 72 カム駆動軸 85,86 作動桿 Sa,Sc パンチ設定下降区間 Sb,Sd ワーク設定下降区間 Se 設定停留区間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B30B 15/00 B30B 15/00 A (72)発明者 小澤 和彦 愛知県尾張旭市旭前町新田洞5050番地の1 旭精機工業株式会社内 Fターム(参考) 4E088 AB03 GA08 4E089 EA05 EB02 ED08 ED10 4E090 AA01 AB01 AB07 BA10 BB10 CB05 EB01 EC04 FA02 GA05 HA03 HA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスファプレス機に備える複数の加
    工工程のうち少なくとも1の特定加工工程において、複
    数のパンチをスライドにより下降させる他の加工工程よ
    りも、上死点位置から下降するパンチがワークに当接す
    る衝撃力を減少させるべくパンチの作動を制御する方法
    であって、 前記特定加工工程の当該パンチを上下往復移動させる駆
    動手段に設けられて前記スライドの駆動軸と同期回転す
    るカム駆動軸と一体的に回転する駆動カムのカム溝に、
    当該パンチの下降速度に対応する当該駆動カムの回転角
    度当りの回転中心からのカム溝半径変位量を前記スライ
    ドの下降変位量相当分より設定変位量だけ低減させたカ
    ム曲面を当該パンチがワークに当接する直前から当接す
    るまでのパンチ設定下降区間に形成し、前記カム溝によ
    り揺動される揺動レバーを介して作動する当該パンチの
    下降速度を、前記スライドにより作動する複数のパンチ
    よりも遅く作動制御することで、当該パンチがワークに
    当接する衝撃力を前記他の加工工程よりも減少させるよ
    うにしたことを特徴とするトランスファプレス機のパン
    チ作動方法。
  2. 【請求項2】 前記特定加工工程の当該パンチが前記パ
    ンチ設定下降区間においてワークに当接した後、引き続
    いて下降する当該パンチにより下降されるワークが、ノ
    ックアウトに当接する直前から当接するまでのワーク設
    定下降区間においては、 前記駆動カムのカム溝に、ワークの下降速度に対応する
    当該駆動カムの回転角度当りの回転中心からのカム溝半
    径変位量を前記スライドの下降変位量相当分より設定変
    位量だけ低減させたカム曲面を前記ワーク設定下降区間
    に形成し、前記カム溝により作動する当該パンチの下降
    速度を、前記スライドにより作動する複数のパンチより
    も遅く作動制御することで、当該パンチにより下降され
    るワークがノックアウトに当接する衝撃力を前記他の加
    工工程よりも減少させるようにしたことを特徴とする請
    求項1に記載のトランスファプレス機のパンチ作動方
    法。
  3. 【請求項3】 トランスファプレス機に備える複数の加
    工工程のうち少なくとも1の特定加工工程において、複
    数のパンチをスライドにより下降させる他の加工工程よ
    りも、下死点位置に達した後のパンチの停留時間を長時
    間停留させるべくパンチの作動を制御する方法であっ
    て、 前記特定加工工程の当該パンチを上下往復移動させる駆
    動手段に設けられて前記スライドの駆動軸と同期回転す
    るカム駆動軸と一体的に回転する駆動カムのカム溝に、
    回転中心からのカム溝半径を一定にしたカム曲面を当該
    パンチが下死点位置に達した後から上昇を開始するまで
    の設定停留区間に形成し、前記カム溝により揺動される
    揺動レバーを介して作動する当該パンチの下死点位置に
    おける停留時間を、前記スライドにより作動する複数の
    パンチよりも長時間停留させるべく作動制御するように
    したことを特徴とするトランスファプレス機のパンチ作
    動方法。
  4. 【請求項4】 前記特定加工工程の下死点位置に達する
    以前の当該パンチが、ワークに当接する直前から当接す
    るまでのパンチ設定下降区間と、引き続いて下降する当
    該パンチにより下降されるワークが、ノックアウトに当
    接する直前から当接するまでのワーク設定下降区間とに
    おいては、 前記駆動カムのカム溝に、当該パンチの下降速度に対応
    する当該駆動カムの回転角度当りの回転中心からのカム
    溝半径変位量を前記スライドの下降変位量相当分より設
    定変位量だけ低減させたカム曲面を前記パンチ設定下降
    区間に、またワークの下降速度に対応する当該駆動カム
    の回転角度当りの回転中心からのカム溝半径変位量を前
    記スライドの下降変位量相当分より設定変位量だけ低減
    させたカム曲面を前記ワーク設定下降区間に各々形成
    し、前記カム溝により作動する当該パンチの前記パンチ
    設定下降区間と前記ワーク設定下降区間との下降速度
    を、前記スライドにより作動する複数のパンチよりも遅
    く作動制御することで、当該パンチがワークに当接する
    衝撃力と、当該パンチにより下降されるワークがノック
    アウトに当接する衝撃力とを前記他の加工工程よりも減
    少させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の
    トランスファプレス機のパンチ作動方法。
  5. 【請求項5】 トランスファプレス機に備える複数の加
    工工程のうち、芯金パンチにより下降端位置で位置決め
    されたワークに上下移動軸線の直交方向から加工する少
    なくとも1のクロス加工工程において、複数のパンチを
    スライドにより下降させる他の加工工程よりも、上死点
    位置から下降する当該芯金パンチがワークに当接する衝
    撃力と、引き続いて下降する当該芯金パンチにより下降
    されるワークがノックアウトに当接する衝撃力とを減少
    させるとともに、下死点位置に達した後の当該芯金パン
    チの停留時間を長時間停留させるべく当該芯金パンチの
    作動を制御する機構であって、 前記スライドに設けられた摺動案内部に沿って上下移動
    可能な当該芯金パンチと、前記スライドの駆動軸と同期
    回転可能なカム駆動軸と、当該芯金パンチの上下移動量
    およびその移動速度と下死点位置の停留時間とを制御可
    能なカム溝が形成され前記カム駆動軸と一体的に回転可
    能な駆動カムと、中央部がフレーム上に枢支された一端
    部に当該芯金パンチが枢結され他端部には前記カム溝に
    係合するカムフォロアが軸着されて前記駆動カムの回転
    により揺動することで当該芯金パンチを上下往復移動さ
    せる揺動レバーとを備えて、 前記駆動カムのカム溝に、当該芯金パンチの下降速度に
    対応する当該駆動カムの回転角度当りの回転中心からの
    カム溝半径変位量を前記スライドの下降変位量相当分よ
    り設定変位量だけ低減させたカム曲面を当該芯金パンチ
    がワークに当接する直前から当接するまでのパンチ設定
    下降区間に、またワークの下降速度に対応する当該駆動
    カムの回転角度当りの回転中心からのカム溝半径変位量
    を前記スライドの下降変位量相当分より設定変位量だけ
    低減させたカム曲面をワークがノックアウトに当接する
    直前から当接するまでのワーク設定下降区間に、また回
    転中心からのカム溝半径を一定にしたカム曲面を当該芯
    金パンチが下死点位置に達した後から上昇を開始するま
    での設定停留区間に各々形成するようにしたことを特徴
    とするトランスファプレス機のパンチ作動機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006231369A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Asahi-Seiki Mfg Co Ltd トッグルプレス機械
JP2022115158A (ja) * 2021-01-28 2022-08-09 旭精機工業株式会社 トランスファプレス機
CN116765234A (zh) * 2023-08-16 2023-09-19 无锡市通快机械有限公司 一种手术机械盒的框体冲孔设备

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