JP2003038917A - フィルタ濾材のスペーサ - Google Patents

フィルタ濾材のスペーサ

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JP2003038917A JP2001384966A JP2001384966A JP2003038917A JP 2003038917 A JP2003038917 A JP 2003038917A JP 2001384966 A JP2001384966 A JP 2001384966A JP 2001384966 A JP2001384966 A JP 2001384966A JP 2003038917 A JP2003038917 A JP 2003038917A
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修 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スペーサの黄変を抑えることにある。 【解決手段】 このスペーサ7は、交互に折り返されて
複数のフィルタ要素を連結する波型形状に形成してなる
フィルタ濾材3の隣接するフィルタ要素の間の間隙を保
持するためのものである。このスペーサ7は、ポリアミ
ドからなり、JIS規格による測定方法(JISK71
03)における黄色度とベースとなる基材の黄色度とか
ら次式により算出される黄変度が15以下である。 [数1] 黄変度=YI−YI0 (ここで、YI:スペーサ7の黄色度、YI0=基材の
黄色度、黄色度(YI)=100(1.28X−1.0
6Z)/Yであり、X、Y、Zは標準光におけるスペー
サ7の三刺激値である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペーサ、特に、
所定の折り目に沿ってひだ折り加工されてなる多数のプ
リーツを有するフィルタ濾材の隣接するプリーツの間
に、折り目を横切る方向に設けられたスペーサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体製造装置やクリーンルーム等にお
ける空気清浄のために使用されるエアフィルタユニット
として、ガラス繊維を抄紙したガラス繊維製濾材や、ポ
リテトラフルオロエチレン(以下、PTFE)からなる
多孔膜を含むフィルタ濾材を備えたものがある。PTF
E多孔膜を含む濾材は、PTFE多孔膜と、PTFE多
孔膜の両側を狭持するように熱ラミネートされた通気性
支持材とから構成される。フィルタ濾材は、エアフィル
タユニットとして用いられる場合に、通常、所定の折り
目に沿って交互に折り返されて多数のプリーツを有する
波型形状に形成され(この状態のフィルタ濾材をフィル
タパックという)、外枠体の内側に保持される。
【0003】このようなフィルタ濾材の表面には、一般
に、隣接する折り返し部分(プリーツ)の間に所定の間
隙が保持されるようスペーサが設けられている。スペー
サは、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリオレフィ
ン系、ゴム系、ポリアミド系等の合成樹脂系ホットメル
トを材質としており、通常、加熱溶融状態で、並列した
複数個のノズルからフィルタ濾材の表面に連続的又は断
続的に吐出されることにより形成される。
【0004】ところで、スペーサは、合成樹脂からなる
ため、スペーサ自体から、ドデカン、トリデカン、ジオ
クチルフタレート、シロキサン等のガス状有機物(以
下、トータルオーガニックカーボン:TOC)が発生す
る。一方、クリーンルームや半導体製造装置では、製品
の品質向上の観点から、TOCの検出量が低い方が好ま
しいとされる。
【0005】したがって、上述のスペーサの材質の中で
は、他の樹脂製スペーサに比べTOCの発生量が少ない
ポリアミドが、クリーンルームや半導体製造装置に設置
されるエアフィルタユニットに用いるのに最も適してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ポリアミドスペーサ
は、通常、褐色がかった色相を呈しており、更に、室内
の蛍光灯に長時間照射されたり、時間の経過とともに酸
化が進む等して、褐色がかった色相が強まる。このた
め、エアフィルタユニットを離れて見た場合に、スペー
サが設けられたフィルタ濾材が黄色味かかって見え、フ
ィルタ濾材が汚れているかのような印象を受ける場合が
ある。
【0007】特に、半導体製造工業のクリーンルーム内
に設置される場合は、作業がクリーン度の非常に高い室
内で行われているような印象が得られる意味でも、エア
フィルタユニットの外観は白い方が好まれる。また、ポ
リアミドスペーサは、他の材質のスペーサに比べるとT
OC発生量が少ないが、紫外線等が照射されると、劣化
してTOC発生量が増加してしまう。
【0008】本発明の目的は、スペーサの黄変を抑える
ことにある。また、本発明の他の目的は、スペーサから
のTOC発生量の増加の程度を抑えることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のスペー
サは、所定の折り目に沿ってひだ折り加工されてなる多
数のプリーツを有するフィルタ濾材の隣接するプリーツ
の間に、折り目を横切る方向に設けられたものである。
このスペーサは、ポリアミドからなり、JIS規格によ
る測定方法(JIS−K−7103)における黄色度と
ベースとなる基材の黄色度とから次式により算出される
黄変度が15以下である。 [数1] 黄変度=YI−YI0 (ここで、YI:前記スペーサの黄色度、YI0=前記
基材の黄色度、黄色度(YI)=100(1.28X−
1.06Z)/Yであり、X、Y、Zは標準光における
試験用試料の三刺激値である) ポリアミドからなるスペーサ(以下、ポリアミドスペー
サ)は、前述のように、他の樹脂製スペーサに比べスペ
ーサ自体からのTOC発生量が少ないことからクリーン
ルーム等に設置されるエアフィルタユニットの構成部品
として適している。
【0010】しかし、ポリアミドスペーサは、もともと
褐色がかった色相を呈しており、更に、フィルタ濾材表
面に設けられた後に時間の経過とともに黄変する性質を
有している。このような性質は、ポリアミドが分子鎖に
不飽和結合を多く含むために酸化や紫外線劣化を受けや
すいことに起因していることが本発明者らの研究により
明らかとなった。
【0011】そこで、このスペーサでは、ポリアミドに
対し、例えば水素添加を施して不飽和結合の割合を減ら
すことにより、黄変度が低く抑えられたスペーサを得る
こととしている。したがって、このスペーサでは、フィ
ルタ濾材が黄色味かかって汚れているように見えるのを
抑え、エアフィルタユニットの外観を見栄えよくするこ
とができる。また、ここでは、従来のスペーサに比べ酸
化、紫外線劣化しにくい耐久性に優れたスペーサが得ら
れる。
【0012】請求項2に記載のスペーサは、請求項1の
スペーサにおいて、黄変度が10以下である。前述のよ
うに、スペーサの黄変度は、例えばポリアミドに水素添
加を施すことにより抑えられることが本発明者らの研究
により見出されたが、この場合、従来のポリアミドスペ
ーサの黄変度に比べ大幅に抑えられることが明らかとな
った。
【0013】そこで、このスペーサでは、ポリアミドス
ペーサにおいて、特に黄変度が大きく抑えられたものを
対象としている。請求項3に記載のスペーサは、請求項
1または2のスペーサにおいて、TOCの発生量が50
0ng/g以下である。スペーサは、樹脂製部材であ
り、スペーサ自体からTOCが発生している。TOCに
含まれるドデカン、トリデカン、ジオクチルフタレー
ト、シロキサン等のガス状有機物は、半導体素子等の製
品に付着すると電気特性が損なわれる等して製品の品質
が低下させてしまう。特に、近年の高度に集積化された
微細な回路構造を有する半導体素子等が取り扱われるク
リーンルームでは、スペーサからのTOCの発生量は問
題となる。
【0014】しかし、前述のように、ポリアミドを材質
とするスペーサは、他の樹脂製スペーサに比べこのよう
なTOCを発生しにくいことが本発明者らの研究により
明らかとなった。そこで、このスペーサでは、このよう
なポリアミドを材質とするものであって、具体的にはT
OC発生量が500ng/g以下であり、更に黄変度を
抑えられたものを対象としている。
【0015】請求項4に記載のスペーサは、所定の折り
目に沿ってひだ折り加工されてなる多数のプリーツを有
するフィルタ濾材の隣接するプリーツの間に、折り目を
横切る方向に設けられたものである。このスペーサは、
ポリアミドからなるとともに、紫外線照射後におけるT
OCの発生量が、紫外線照射前における発生量の3倍以
下であり、好ましくは2.5倍以下である。
【0016】ポリアミドスペーサは、紫外線が照射され
ると劣化してTOC発生量が増加する性質を有してい
る。このような点に鑑みて本発明者らが研究した結果、
例えば水素添加されたポリアミドスペーサでは、紫外線
劣化しにくくTOC発生量の増加の程度が抑えられるこ
とが分かった。そこで、このスペーサでは、紫外線照射
前のTOC発生量に対する紫外線照射後のTOC発生量
の割合が抑えられたものを対象とし、黄変度を抑えるの
に加え、紫外線劣化によるTOC発生量の増加の程度を
抑えるようにしている。
【0017】請求項5に記載のフィルタパックは、フィ
ルタ濾材と、スペーサとを備えている。フィルタ濾材
は、所定の折り目に沿ってひだ折り加工されてなる多数
のプリーツを有するものである。スペーサは請求項1か
ら4のいずれかに記載のものである。フィルタ濾材は、
エアフィルタユニットの構成部品であり、通常、所定間
隔ごとに交互に折り返された波型形状に形成されてフィ
ルタパックに加工されるが、ここでは、特に、上述の黄
変度の抑えられたスペーサがこのようなフィルタパック
に用いられた場合を対象としている。
【0018】請求項6に記載のフィルタパックは、請求
項5に記載のフィルタパックと、フィルタパックが収納
される外枠体とを備えている。また、濾材透過風速が
1.4cm/秒の時、粒子径が0.3μm以上の粒子の
捕集効率が99.97%以上でありかつ濾材透過風速が
1.4cm/秒の場合における圧力損失が50Pa以上
500Pa以下である。
【0019】半導体製造用クリーンルーム等では、高い
清浄度が要求されるため、高い捕集効率を有するフィル
タ濾材が用いられる。このようなフィルタ濾材として、
HEPA(High Efficient Particulate Air)フィルタ
がある。HEPAフィルタは、濾材透過風速が1.4c
m/秒の時、粒子径が0.3μm以上の粒子の捕集効率
が99.97%以上でありかつ濾材透過風速が1.4c
m/秒の場合における圧力損失が50Pa以上500P
a以下である。
【0020】このような高捕集型のエアフィルタユニッ
トは、クリーン度の高い環境を提供するために用いられ
るために、褐色がかったスペーサのためフィルタ濾材が
汚れたように見えることで、ユーザに違和感を生じさせ
ることがある。そこで、このエアフィルタユニットで
は、特に、HEPAフィルタとして使用可能なエアフィ
ルタユニットにおいて、スペーサの黄変度を抑えるよう
にしている。
【0021】請求項7に記載のエアフィルタユニット
は、請求項5のフィルタパックと、フィルタパックが収
納される外枠体とを備えている。また、濾材透過風速が
1.4cm/秒の時、粒子径が0.1μm以上の粒子の
捕集効率が99.9999%以上でありかつ濾材透過風
速が1.4cm/秒の場合における圧力損失が50Pa
以上500Pa以下である。
【0022】上述のHEPAフィルタよりさらに高い捕
集効率を有するフィルタとして、ULPA(Ultra Low
Penetration Air)フィルタがある。ULPAフィルタ
は、粒子径が0.1μm以上の粒子の捕集効率が99.
9999%以上でありかつ濾材透過風速が1.4cm/
秒の場合における圧力損失が50Pa以上500Pa以
下である。
【0023】このようなULPAフィルタでは、前述の
HEPAフィルタにも増して、クリーン度の非常に高い
環境を提供するのに用いられるために、褐色がかったス
ペーサのためフィルタ濾材が汚れたように見えると、ユ
ーザに与える違和感が一層大きくなる。そこで、このエ
アフィルタユニットでは、特に、ULPAフィルタとし
て使用可能なエアフィルタユニットにおいて、スペーサ
の黄変度を抑えられるようにしている。
【0024】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の一実施形態が採
用されたエアフィルタユニット1を示す。このフィルタ
ユニット1は、フィルタ濾材3と、フィルタ濾材3が収
納される外枠体5とを備えている。フィルタ濾材3は、
図2に示すように、PTFE多孔膜と、PTFE多孔膜
を両側から狭持するよう熱ラミネートされた2枚の通気
性支持材と、通気性支持材の表面に設けられたスペーサ
7とを有している。
【0025】PTFE多孔膜は、空気中の浮遊微粒子を
捕集するためのものであり、例えばPTFE未焼成体を
2軸方向に延伸することにより得られ、厚さが1〜60
μm程度、繊維径が0.05〜0.2μm程度の微細な
繊維構造を有している。通気性支持材は、PTFE多孔
膜の形態を安定させかつPTFE多孔膜に対し空気を通
すためのものであり、目付が15〜100g/m2程度
の不織布が用いられる。
【0026】フィルタ濾材3は、PTFE多孔膜と通気
性支持材とが熱ラミネートされた後、エアフィルタユニ
ットに用いるために、15〜150mm程度の幅ごとに
形成された折り目に沿って交互に折り返されて(プリー
ツ加工されて)波型形状のフィルタパック9に加工され
る。この結果、フィルタ濾材3には、図2に示すよう
に、多数のプリーツ(折り返し部分)4が形成される。
【0027】スペーサ7は、フィルタパック9の隣接す
るプリーツ4の間の間隙を保持するためのものである。
スペーサ7は、図3に示すような装置により、フィルタ
濾材3の両面に折り目を横切る方向に延びてかつフィル
タ濾材3の幅方向に等間隔で複数箇所に設けられる。こ
れにより、フィルタパック9は、隣接するプリーツ4の
間隔が2〜15mm程度に保たれる。なお、図3におい
て、21は加熱部、22は展開部、23はスペーサ塗布
部、24は立ち上げ部をそれぞれ示す。
【0028】スペーサ7は、ポリアミドからなり、TO
C発生量が500ng/g以下のものである。TOCと
は、ドデカン、トリデカン、ジオクチルフタレート、シ
ロキサン等の種々のガス状有機物の総量をいう。また、
スペーサ7は、従来のスペーサとして用いられていたポ
リアミドに水素添加を施すことにより得られる水素添加
ポリアミドを原料としており、この結果、スペーサ7
は、黄変度は15以下に抑えられている。なお、この黄
変度は、好ましくは10以下、より好ましくは5以下に
抑えられている。
【0029】黄変度は、JIS規格による測定方法(J
IS−K−7103)における、黄色度と、ベースとな
る基材の黄色度とから次式により算出される。 [数1] 黄変度=YI−YI0 (ここで、YI:試験用試料の黄色度、YI0=ベース
基材の黄色度、黄色度(YI)=100(1.28X−
1.06Z)/Yであり、X、Y、Zは標準光における
試験用試料の三刺激値である) 外枠体5は、4本のアルミニウム製枠材が組み立てられ
てなり、内側のスペースに、フィルタパックが収納され
る。枠体5とフィルタ濾材3とは、気密性を保持すべく
接着剤等によりシールされ、エアフィルタユニット1と
なる。
【0030】このように構成されたエアフィルタユニッ
ト1は、濾材透過風速が1.4cm/秒の時、粒子径が
0.3μm以上の粒子の捕集効率が99.97%以上で
あることが好ましく、濾材透過風速が1.4cm/秒の
時、粒子径が0.1μm以上の粒子の捕集効率が99.
9999%以上であることがより好ましい。
【0031】
【実施例】<黄変度の測定>スペーサ7として使用する
ポリアミドを、170℃程度に加熱して溶融させ、離型
剤を塗布した平滑なアルミ板に流し込んだ後冷却し、硬
化後、アルミ板から剥離し、厚さ約0.5mmのポリア
ミドシートを得た。そして、このポリアミドシートの黄
変度の測定を以下のような条件及び手順で行った。
【0032】黄変度を測定するための機器として、色彩
色差計ミノルタ社製「MINORUTA CR−30
0」を用いた。また、光源としては、より黄変度に差が
出る標準光D6510度視野で行った。まず、ベース基材
として白色のコピー用紙を、色彩色差計を用いてL**
*表色系の数値L*、a*、b*の値と、XYZ表色系の
X、Y、Zの値とを算出した。L*、a*、b*の値と、
XYZ表色系のX、Y、Zの値との関係は、次式: [数2] L*=116(Y/100.0)1/3−16 [数3] a*=500[(X/94.83)1/3−(Y/100.
0)1/3] [数4] b*=200[(Y/100.0)1/3−(Z/107.
38)1/3] から算出される。
【0033】次に、黄変度(YI)を、XYZ表色系の
値から次式: [数1] 黄色度(YI)=100(1.28X−1.06Z)/
Y から求めた。次に、通常のポリアミド及び水素添加ポリ
アミドをシート状にし、ベース基材の上に載置し、色彩
色差計で上記と同じ手順で黄色度を測定した。
【0034】次に、ベース基材の黄色度をYI0、ベー
ス基材の上に載置したポリアミドシートの黄色度をYI
とし、黄変度(ΔYI)=YI−YI0として算出し
た。表1に、ベース基材、従来のポリアミド(比較例1
及び比較例2)、水素添加ポリアミド(実施例1及び実
施例2)の黄色度YI及び黄変度ΔYIの計算結果を、
それぞれの膜厚、L*、a*、b*、X、Y、Zの計測結
果と併せて示す。なお、測定は3回行い、表1にはその
平均値を示す。
【0035】
【表1】 表1に示すように、実施例1及び2の黄変度は、比較例
1及び2の黄変度より小さくなっている。したがって、
水素添加したポリアミドスペーサは、水素添加していな
いポリアミドスペーサに比べ黄変度が抑えられているこ
とが分かる。
【0036】<TOC含有量の測定>TOC含有量の測
定は、ガスクロマトグラフィーを用いたパージアンドト
ラップ方式により行った。ペレット状にした試料0.5
gをサンプル管に入れ、高純度ヘリウムガスを、80℃
で流速50ml/分で15分間通気して試料から発生す
る揮発成分、ガス成分をサンプル管から追い出し(パー
ジ)、トラップ管に導入した。このトラップ管におい
て、−40℃に冷却された吸着剤(石英ウール)に揮発
成分を蓄積濃縮させた。その後、吸収剤を358℃に瞬
間加熱し、20秒間吸収剤に吸着した吸着物をガスとし
て放出した。そして、放出ガスをガスクロマトグラフィ
ーに導入し、その量を測定し、沸点170℃以上の成分
について、カーボン数15の炭化水素換算で量を算出し
た。測定条件は以下の通りである。 ガスクロマトグラフィー:島津製作所社製「GC17
A」 カラム:FRONTIER LAB Ultra ALL
OY CapillaryColumn,UA−5 カラム温度:50℃(5分間保持)、280℃(10分
間保持)、昇温速度10℃/分 スプリット比:1:20(カラム流量1.1ml/分) 表2に、水素添加されたポリアミドでの測定結果(実施
例3及び実施例4)を、従来のポリアミドでの測定結果
(比較例3及び比較例4)と併せて表2に示す。
【0037】
【表2】 表2に示すように、実施例1及び2のTOC発生量は、
比較例1及び2のTOC発生量とほぼ同様である。した
がって、水素添加ポリアミドからなるスペーサは、従来
の水素添加されていないポリアミドスペーサとほぼ同様
のTOC発生量に抑えられていることが分かる。
【0038】<紫外線照射による黄変度変化の測定>従
来のポリアミド及び水素添加ポリアミドを170℃程度
に加熱して溶融させ、離型剤を塗布した平滑なアルミ板
に流し込んだ後冷却し、硬化後アルミ板から剥離し、厚
さ約0.5mmのポリアミドシートを得た。このシート
に紫外線を照射し、照射前後の黄変度を測定した。
【0039】紫外線の照射条件は以下の通りである。 UV強度:700μW/cm2 UV波長:320〜400nm 照射時間:4日間(96hr) を4日間紫外線照射し、照射前後の黄変度を測定した。
【0040】表3に、水素添加されたポリアミドでの測
定結果(実施例5)を、従来のポリアミドでの測定結果
(比較例5)と併せて示す。
【0041】
【表3】 表3に示すように、従来のポリアミド及び水素添加され
たポリアミドとも黄変度は増大しているが、従来のポリ
アミドの黄変度の増大は非常に大きく、目視においても
褐色を通り過ぎ、黒色に近い状態になった。一方、水素
添加されたポリアミドは目視においては従来のポリアミ
ドの照射前の褐色状態に留まっていた。
【0042】<紫外線照射によるTOC発生量の変化の
測定>従来のポリアミド及び水素添加ポリアミドを17
0℃程度に加熱して溶融させ、離型剤を塗布した平滑な
アルミ板に流し込んだ後冷却し、硬化後アルミ板から剥
離し、厚さ約0.5mmのポリアミドシートを得た。こ
のシートに紫外線を照射し、照射前後のTOC含有量の
変化を測定した。
【0043】紫外線の照射条件は以下の通りである。 UV強度:700μW/cm2 UV波長:320〜400nm 照射時間:24hr また、TOCの測定は、パージアンドトラップ方式によ
り、上述のTOC含有量の測定と同様の条件で行った。
ここでは、水素添加されたポリアミド及び従来のポリア
ミドについてそれぞれ、紫外線照射の前後において5回
ずつ行い、その平均値により比較検討した。
【0044】表4に、水素添加されたポリアミドでの測
定結果(実施例6)を、従来のポリアミドでの測定結果
(比較例6)と併せて示す。
【0045】
【表4】 表4に示すように、比較例6の紫外線照射後のTOC発
生量は照射前の4倍以上であるのに対し、実施例6の紫
外線照射後のTOC発生量は照射前の2倍以下になって
いる。したがって、水素添加したポリアミドスペーサ
は、水素添加していないポリアミドスペーサに比べ紫外
線劣化によるTOC発生量の増加の程度が抑えられてい
ることが分かる。
【0046】[他の実施形態] (a)フィルタ濾材3は、PTFE多孔膜を利用したも
のに限定されない。 (b)PTFE多孔膜の繊維径、通気性支持材の目付
等、フィルタ濾材の構成部材の各種特性は上述のものに
限定されない。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、スペーサとして例えば
水素添加されたポリアミドが用いられているため、スペ
ーサの黄変度を小さくすることができる。これにより、
エアフィルタユニットのフィルタ濾材が黄変して褐色が
かって汚れたように見えるのが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるスペーサが設けられ
たフィルタ濾材を備えたエアフィルタユニットを示す斜
視図。
【図2】フィルタ濾材の一部斜視図。
【図3】フィルタ濾材にスペーサを塗布する工程の説明
図。
【符号の説明】
1 エアフィルタユニット 3 フィルタ濾材 7 スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 誠一 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4D006 GA44 HA41 MA03 MB03 MC30 PB17 PC05 4D019 AA01 BA13 BB02 BB08 CA02 CB04 CB10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の折り目に沿ってひだ折り加工されて
    なる多数のプリーツを有するフィルタ濾材の隣接する前
    記プリーツの間に、前記折り目を横切る方向に設けられ
    たスペーサであって、 ポリアミドからなり、JIS規格による測定方法(JI
    S−K−7103)における黄色度とベースとなる基材
    の黄色度とから次式により算出される黄変度が15以下
    である、フィルタ濾材のスペーサ。 [数1] 黄変度=YI−YI0 (ここで、YI:前記スペーサの黄色度、YI0:前記
    基材の黄色度、黄色度(YI)=100(1.28X−
    1.06Z)/Yであり、X、Y、Zは標準光における
    前記スペーサの三刺激値である)
  2. 【請求項2】前記黄変度が10以下である、請求項1に
    記載のスペーサ。
  3. 【請求項3】トータルオーガニックカーボンの発生量が
    500ng/g以下である、請求項1または2に記載の
    スペーサ。
  4. 【請求項4】所定の折り目に沿ってひだ折り加工されて
    なる多数のプリーツを有するフィルタ濾材の隣接する前
    記プリーツの間に、前記折り目を横切る方向に設けられ
    たスペーサであって、 ポリアミドからなるとともに、紫外線照射後におけるト
    ータルオーガニックカーボンの発生量が、紫外線照射前
    における発生量の3倍以下である、フィルタ濾材のスペ
    ーサ。
  5. 【請求項5】所定の折り目に沿ってひだ折り加工されて
    なる多数のプリーツを有するフィルタ濾材と、 請求項1から4のいずれかに記載のスペーサと、を備え
    たフィルタパック。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のフィルタパックと、 前記フィルタパックが収納される外枠体とを備え、 濾材透過風速が1.4cm/秒の時、粒子径が0.3μ
    m以上の粒子の捕集効率が99.97%以上でありかつ
    濾材透過風速が1.4cm/秒の場合における圧力損失
    が50Pa以上500Pa以下である、エアフィルタユ
    ニット。
  7. 【請求項7】請求項5に記載のフィルタパックと、 前記フィルタパックが収納される外枠体とを備え、 濾材透過風速が1.4cm/秒の時、粒子径が0.1μ
    m以上の粒子の捕集効率が99.9999%以上であり
    かつ濾材透過風速が1.4cm/秒の場合における圧力
    損失が50Pa以上500Pa以下である、エアフィル
    タユニット。
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